JPH0842626A - 流体封入式筒型マウント装置 - Google Patents

流体封入式筒型マウント装置

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JPH0842626A
JPH0842626A JP6176890A JP17689094A JPH0842626A JP H0842626 A JPH0842626 A JP H0842626A JP 6176890 A JP6176890 A JP 6176890A JP 17689094 A JP17689094 A JP 17689094A JP H0842626 A JPH0842626 A JP H0842626A
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康弘 鈴木
Tetsuo Uozumi
哲生 魚住
Jiyouji Tsutsumida
讓治 堤田
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    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/28Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions specially adapted for units of the bushing type

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つのオリフィス通路だけを開閉することに
より、防振効果が切り換えられ、互いに異なるチューニ
ングが施された3つのオリフィス通路による防振効果を
有効に得ることのできる流体封入式筒型マウント装置を
提供すること。 【構成】 それぞれ低周波および中周波にチューニング
された第一のオリフィス通路80および第二のオリフィ
ス通路82を、主液室74と第一の副液室76の間に形
成する一方、主液室74と第一の副液室76より壁部の
変形剛性が高い第二の平衡室78の間に高周波にチュー
ニングされた第三のオリフィス通路84を形成し、更
に、第二のオリフィス通路82を連通/遮断するバルブ
手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用を利用して所定の防振効果を得るようにした流体封入
式筒型マウント装置に係り、特に、互いに異なるチュー
ニングが施された第一,第二及び第三のオリフィス通路
を備え、それらのオリフィス通路を選択的に機能せしめ
ることにより、防振特性を切り換えるようにした流体封
入式筒型マウント装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて振動の伝達を抑える防振連結体乃至は防振支
持体の一種として、防振連結される一方の部材に取り付
けられる支軸部材と、防振連結される他方の部材に取り
付けられる筒部材とを、互いに所定距離を隔てて同軸的
に若しくは偏心して配すると共に、それら支軸部材と筒
部材の間に本体ゴム弾性体を介装して弾性的に連結する
一方、壁部の一部が本体ゴム弾性体によって構成されて
振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる主液室と、壁部
の一部が可撓性膜によって構成されて容積変化が許容さ
れる副液室とを形成し、更にそれら主液室と副液室を相
互に連通するオリフィス通路を設けてなる流体封入式の
筒型マウント装置が知られている。そして、このような
筒型マウント装置においては、オリフィス通路を通じて
流動する流体の共振作用等の流動作用に基づいて、本体
ゴム弾性体だけでは得ることが困難な防振効果を容易に
得ることができることから、例えば自動車用エンジンマ
ウント等として、好適に用いられている。
【0003】また、エンジンマウント等のマウント装置
では、一般に、周波数や振幅が異なる複数種の振動が入
力され、それらの各振動に対して防振効果が要求される
こととなるが、流体の共振作用に基づく防振効果が有効
に発揮される周波数域が狭く、単一のオリフィス通路で
は要求される防振特性を充分に達成することが困難であ
る場合が多い。そこで、実開平6−74287号公報に
は、主液室と副液室の間に、互いに異なるチューニング
が施された第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通
路を並列的に設けると共に、高周波数域にチューニング
された第二のオリフィス通路を連通/遮断するロータリ
バルブを設けることにより、第一のオリフィス通路によ
る低周波振動に対する防振効果と、第二のオリフィス通
路による高周波振動に対する防振効果とを、入力振動等
に応じて切り換えて選択的に得ることができるようにし
た筒型マウント装置が開示されている。ところが、この
筒型マウント装置でも、2つの周波数域の入力振動に対
してしか、流体の流動作用に基づく防振効果が有効には
発揮され得なかったのであり、特に、自動車用防振マウ
ントにおいては、シェイク等に相当する10Hz前後の低
周波振動に対する高減衰効果と、アイドリング振動等に
相当する15〜40Hz程度の中周波振動に対する振動絶
縁効果と、低速こもり音等に相当する60〜80Hz程度
の高周波振動に対する振動絶縁効果の、3つの周波数域
の入力振動に対する防振効果が強く望まれるために、そ
の要求特性を充分に満足することが難しかったのであ
る。
【0004】一方、特開平6−50379号公報には、
主液室と第一の副液室に加えて第二の副液室を形成し、
低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路
と中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通
路を主液室と第一の副液室の間に設けると共に、高周波
数域にチューニングされた第三のオリフィス通路を主液
室と第二の副液室の間に設ける一方、第二の副液室の壁
部の変形剛性を第一の副液室の壁部の変形剛性より大き
くして、第一のオリフィス通路がチューニングされた低
周波数域の振動入力時における流体流通性を第一のオリ
フィス通路よりも第三のオリフィス通路の方が低くなる
ように設定し、更に、第二のオリフィス通路と第三のオ
リフィス通路を択一的に連通するバルブを設けることに
より、第一,第二,第三のオリフィス通路による低,
中,高周波振動に対する防振効果を、入力振動等に応じ
て切り換えてそれぞれ選択的に得ることができるように
した筒型マウント装置が開示されている。
【0005】ところが、かかる公報に記載の筒型マウン
ト装置においては、第二のオリフィス通路と第三のオリ
フィス通路が択一的にしか連通されないために、中周波
数域の振動と高周波数域の振動に対して、同時に有効な
防振効果を得ることが極めて難しく、特に、第二のオリ
フィス通路を連通させた状態下に高周波数域の振動が入
力されると、高周波数域の入力振動に対して第二のオリ
フィス通路の流通抵抗が著しく大きくなるために、高周
波振動に対する防振性能が大幅に低下してしまうという
問題があったのである。
【0006】しかも、かかる筒型マウント装置において
は、第二のオリフィス通路と第三のオリフィス通路を択
一的に連通させるべく、第二のオリフィス通路の開閉バ
ルブと第三のオリフィス通路の開閉バルブをそれぞれ設
けるか、或いは一つのバルブのバルブ面にそれら第二の
オリフィス通路と第三のオリフィス通路を共に開口させ
なければならず、そのために、二つのバルブを設ける前
者の構造では、部品点数の増加や構造の複雑化,製作性
の悪化等の問題があり、また、第二及び第三のオリフィ
ス通路を共に一つのバルブ面に開口させる後者の構造で
は、オリフィス通路形態の設計自由度が制限されてしま
い、設計が難しくなると共に、有効なオリフィス断面積
や長さを確保することが難しくなるといった問題があっ
た。
【0007】また、かかる筒型マウント装置において
は、第二の副液室の壁部を構成する可撓性膜を形成する
ために、筒金具の内周面に加硫接着されたゴム層の一部
を厚肉として筒金具の開口窓を閉塞し、或いは別途形成
されたゴム膜を筒金具の内周面から内方に膨らませて配
設する必要があり、そのために製造が極めて難しいこと
に加えて、可撓性膜が筒金具の開口窓を通じて外部に露
呈されており損傷等を受け易いという問題もあった。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、それぞれ異なる低,中,高周波数域にチュ
ーニングされた第一,第二,第三のオリフィス通路を備
え、第一のオリフィス通路による低周波振動に対する防
振効果が発揮され得る状態と、第二のオリフィス通路に
よる中周波振動に対する防振効果が発揮され得る状態と
の、何れの状態下においても、第三のオリフィス通路に
よる高周波振動に対する防振効果が有効に発揮され得
る、防振特性の切り換えが可能な流体封入式筒型マウン
ト装置を提供することにある。
【0009】また、本発明は、単一のバルブ手段によっ
て一つのオリフィス通路だけを開閉することで防振特性
を切り換えることが可能であり、構造が簡単で且つオリ
フィス通路の設計自由度が有利に確保され得る流体封入
式筒型マウント装置を提供することも、目的とする。
【0010】
【解決手段】そして、かくの如き課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、(a)防振連結され
る一方の部材に取り付けられる支軸部材と、(b)該支
軸部材の外方に所定距離を隔てて同軸的に若しくは偏心
して配されて、防振連結される他方の部材に取り付けら
れる筒部材と、(c)それら支軸部材と筒部材を弾性的
に連結する本体ゴム弾性体と、(d)該本体ゴム弾性体
によって壁部の一部が構成されて、前記支軸部材と前記
筒部材の間に形成された、振動入力時に内圧変動が生ぜ
しめられる主液室と、(e)壁部の一部が第一の可撓性
膜によって構成されて、該第一の可撓性膜の変形に基づ
いて容積変化が許容される第一の副液室と、(f)前記
第一の可撓性膜よりも変形剛性の高い第二の可撓性膜に
よって壁部の一部が構成されて、該第二の可撓性膜の変
形に基づいて容積変化が許容される、前記第一の副液室
とは独立して形成された第二の副液室と、(g)それら
主液室、第一の副液室および第二の副液室にそれぞれ封
入された非圧縮性流体と、(h)前記主液室と前記第一
の副液室とを相互に連通せしめて、それら両室間での流
体の流動を許容する第一のオリフィス通路と、(i)前
記主液室と前記第一の副液室とを相互に連通せしめて、
それら両室間での流体の流動を許容する、前記第一のオ
リフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第
二のオリフィス通路と、(j)前記主液室と前記第二の
副液室とを相互に連通せしめて、それら両室間での流体
の流動を許容する一方、前記第二のオリフィス通路より
も高周波数域にチューニングされ、且つ前記第一のオリ
フィス通路および第二のオリフィス通路がチューニング
された低周波数域および中周波数域の振動入力時におけ
る流体流通性が該第一のオリフィス通路および該第二の
オリフィス通路よりも低くされた第三のオリフィス通路
と、(k)前記第二のオリフィス通路を連通状態と遮断
状態に切り換えるバルブ手段とを、含んで構成されてい
る流体封入式筒型マウント装置にある。なお、第三のオ
リフィス通路における、第一及び第二のオリフィス通路
のチューニング周波数域の振動入力時の流体流通性を、
第一及び第二のオリフィス通路よりも低くするには、例
えば、第一乃至第三のオリフィス通路の断面積や長さ等
によって流通抵抗を調節することにより、或いは第一及
び第二の可撓性膜の変形剛性を調節することにより、ま
たはそれら流通抵抗と可撓性膜の変形剛性の双方を調節
することにより、有利に実現され得る。
【0011】また、本発明の好ましい態様においては、
第一の窓部,第二の窓部および第三の窓部を有する金属
スリーブが、前記支軸部材の外方に所定距離を隔てて配
設せしめられ、それら支軸部材と金属スリーブの間に前
記本体ゴム弾性体が介装されて加硫接着されると共に、
かかる金属スリーブの第一の窓部を通じて外周面に開口
する第一のポケット部が該本体ゴム弾性体に設けられ
て、該第一のポケット部の開口部が前記筒部材で覆蓋さ
れることにより前記主液室が形成される一方、前記第一
の可撓性膜によって底壁部が構成されて前記金属スリー
ブの第二の窓部を通じて外周面に開口する第二のポケッ
ト部と、前記第二の可撓性膜によって底壁部が構成され
て前記金属スリーブの第三の窓部を通じて外周面に開口
する第三のポケット部とがそれぞれ設けられて、それら
第二のポケット部および第三のポケット部の開口部が前
記筒部材で覆蓋されることにより前記第一の副液室およ
び前記第二の副液室が形成される。
【0012】更にまた、本発明においては、好適には、
前記第一の可撓性膜および前記第二の可撓性膜が、何れ
も、前記本体ゴム弾性体と一体的に形成されたゴム膜に
よって構成される。
【0013】また、本発明において、前記第一の副液室
と前記第二の副液室は、例えば、前記主液室に対して前
記支軸部材を主たる振動入力方向に挟んだ反対側に位置
して、且つ互いに周方向に所定距離を隔てて形成され
る。
【0014】さらに、本発明における第一,第二及び第
三のオリフィス通路の具体的構造は、何等限定されるも
のではないが、例えば、環状乃至は筒状のオリフィス部
材が前記筒部材の内周面に沿って配設せしめられ、該オ
リフィス部材によって、前記第一のオリフィス通路が周
方向に一周以上の長さで形成されると共に、前記第二の
オリフィス通路が前記主液室から周方向一方の側に向か
って周方向に一周以下の長さで形成され、更に前記第三
のオリフィス通路が前記主液室から周方向他方の側に向
かって周方向に一周以下の長さで形成される。
【0015】また、そのようなオリフィス構造を採用す
る場合には、前記第二のオリフィス通路における周方向
所定長さに亘る部分を、前記オリフィス部材の内部を貫
通して延びるトンネル構造とすると共に、かかるトンネ
ル構造とされた部分に対して外周面に開口するバルブ装
着孔を設けて、該バルブ装着孔に組み込まれたロータリ
バルブによって前記バルブ手段を構成することが可能で
ある。
【0016】さらに、本発明においては、第一の可撓性
膜の変形剛性と第二の可撓性膜の変形剛性を調節するこ
とにより、前記第三のオリフィス通路における流路断面
積:A3 と流路長:L3 の比:A3 /L3 の値を、前記
第二のオリフィス通路における流路断面積:A2 と流路
長:L2 の比:A2 /L2 の値よりも小さくすることも
できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0018】先ず、図1及び図2には、本発明の一実施
例としての自動車用エンジンマウントが示されている。
かかるエンジンマウントは、パワーユニット側およびボ
デー側の何れか一方に取り付けられる支軸部材としての
内筒金具10と、それらの何れか他方に取り付けられる
筒部材としての外筒金具12とが、径方向に所定距離を
隔てて且つ互いに所定量だけ偏心して配されていると共
に、それらの間に介装された本体ゴム弾性体14によっ
て弾性的に連結されてなる構造とされており、パワーユ
ニットとボデーとの間に介装されて、パワーユニットを
ボデーに対して防振支持せしめるようになっている。な
お、マウント装着時には、パワーユニット荷重が及ぼさ
れて本体ゴム弾性体14が弾性変形することにより、内
筒金具10と外筒金具12が、略同一軸心上に位置せし
められることとなる。
【0019】より詳細には、内筒金具10は、厚肉円筒
形状を有しており、内孔に挿通される図示しないロッド
等によって、パワーユニット側またはボデー側に取り付
けられるようになっている。また、内筒金具10の径方
向外方には、大径円筒形状の金属スリーブ16が、所定
距離を隔てて且つ所定量だけ偏心して配設されている。
かかる金属スリーブ16は、軸方向両側部分よりも軸方
向中央部分が小径化されており、軸方向中央部分を周方
向に所定幅で延びるオリフィス部材組付溝18が形成さ
れていると共に、第一の窓部20,第二の窓部22,第
三の窓部24が、それぞれ筒壁部を内外に貫通して且つ
互いに周方向に所定距離を隔てて形成されている。な
お、これら第一,第二及び第三の窓部20,22,24
は、軸方向の開口幅が、何れもオリフィス部材組付溝1
8の溝幅よりも僅かに大きな略同一寸法とされている一
方、周方向の開口幅が、第一の窓部20では周方向に1
/2周弱,第二の窓部22では周方向に略1/3周,第
三の窓部24では周方向に略1/10周とされている。
そして、第一の窓部20が、内筒金具10に対する偏心
方向における径方向離間距離の大なる側に位置する状態
で、金属スリーブ16が内筒金具10の径方向外方に配
設されている。
【0020】さらに、これら内筒金具10と金属スリー
ブ16の間には、本体ゴム弾性体14が介装されてお
り、この本体ゴム弾性体14によって内筒金具10と金
属スリーブ16が弾性的に連結されている。即ち、かか
る本体ゴム弾性体14は、全体として略厚肉の円筒形状
を有しており、その内周面に内筒金具10が固着される
と共に、外周面に金属スリーブ16が固着された一体加
硫成形品とされている。
【0021】また、本体ゴム弾性体14には、内筒金具
10と金属スリーブ16の径方向離間距離の大なる側に
第一のポケット部26が、径方向離間距離の小なる側に
第二のポケット部28および第三のポケット部30が、
それぞれ外周面に開口して形成されており、第一のポケ
ット部26が第一の窓部20を通じて、第二のポケット
部28が第二の窓部22を通じて、更に第三のポケット
部30が第三の窓部24を通じて、それぞれ金属スリー
ブ16の外周面に開口せしめられている。なお、第一の
ポケット部26における軸方向両側の側壁部には、それ
ぞれ中間金具32が加硫接着されており、ばね比が調節
されている。
【0022】更にまた、本体ゴム弾性体14には、第二
のポケット部28および第三のポケット部30の底部に
沿って、内筒金具10と金属スリーブ16の間を周方向
に略半周の長さで延びるスリット34が、軸方向に貫通
して設けられている。そして、このスリット34によ
り、パワーユニット荷重の入力時の本体ゴム弾性体14
における引張応力の発生が軽減乃至は防止されて、耐久
性の向上が図られていると共に、第二のポケット部28
および第三のポケット部30の底壁部が薄肉化されて、
それぞれ弾性変形が比較的容易に許容される第一の可撓
性膜36および第二の可撓性膜38とされている。な
お、第一の可撓性膜36の内面には、ストッパ部40が
一体的に突出形成されている。
【0023】ここにおいて、第二の可撓性膜38は、第
一の可撓性膜36よりも周方向寸法が短くされていると
共に、僅かに厚肉とされており、それによって、全体と
して、第一の可撓性膜36よりも第二の可撓性膜38の
方が、変形剛性が高くされている。しかも、本実施例で
は、第二の可撓性膜38が第一の可撓性膜36よりも面
積が充分に小さく設定されており、第一の可撓性膜36
の方が変形量に対する剛性の増加が小さく、第二の可撓
性膜38は僅かな変形量によって剛性が大幅に増加する
ように設定されている。
【0024】そして、かくの如き構造とされた一体加硫
成形品には、必要に応じて、金属スリーブ16に八方絞
り加工が施されて本体ゴム弾性体14に予備圧縮が加え
られた後、それぞれ、略半円筒形状を呈する第一のオリ
フィス半割体42と第二のオリフィス半割体44が、内
筒金具10と金属スリーブ16の偏心方向両側から組み
付けられ、それによって、全体として略円筒形状を呈す
るオリフィス部材46が構成され、金属スリーブ16の
オリフィス部材組付溝18に嵌め込まれて装着されてい
る。
【0025】このオリフィス部材46には、図3乃至図
8に示されているように、外周面上において、第一及び
第二のオリフィス半割体42,44間に跨がって周方向
に略一周半の長さで屈曲して延びる第一の周溝48が形
成されており、一体加硫成形品に対する組付状態下、こ
の第一の周溝48の両端部が、底壁部を貫通して設けら
れた通孔50,52を通じて、第一のポケット部26お
よび第二のポケット部28に開口せしめられている。ま
た、オリフィス部材46の外周面上には、第一及び第二
のオリフィス半割体42,44間に跨がって周方向に略
半周の長さで直線的に延びる第二の周溝54が、第一の
周溝48よりも大きな断面積をもって、且つ該第一の周
溝48とは独立して形成されており、一体加硫成形品に
対する組付状態下、この第二の周溝54の両端部が、底
壁部を貫通して設けられた通孔56,58を通じて、第
一のポケット部26および第二のポケット部28に開口
せしめられている。更にまた、オリフィス部材46の外
周面上には、第二の周溝54における第一のポケット部
26側の通孔56から、該第二の周溝54とは周方向反
対側に延び、第一及び第二のオリフィス半割体42,4
4間に跨がって周方向に略1/3周の長さで直線的に延
びる切欠穴60が形成されており、一体加硫成形品に対
する組付状態下、この切欠穴60の周方向中央部分が金
属スリーブ16によって内側から覆蓋されることによ
り、第一のポケット部26と第三のポケット部30の間
に跨がって延びる第三の周溝62が形成されている。
【0026】さらに、オリフィス部材46を構成する第
一のオリフィス半割体42は、周方向中央部分が第一の
ポケット部26の開口部に入り込む厚肉部64とされて
おり、この厚肉部64において、上記第一の周溝48お
よび第二の周溝54が、何れも周方向に貫通して延びる
トンネル構造とされている。即ち、第一の周溝48が、
厚肉部64の幅方向両側部分を周方向に貫通して形成さ
れている一方、第二の周溝54が、厚肉部64の幅方向
中央部分を周方向に貫通して形成されているのである。
更にまた、かかる第一のオリフィス半割体42の厚肉部
64には、外周面の略中央部分に平坦な取付座面66が
形成されていると共に、該取付座面66の中央部分に
は、内方に向かって延び、トンネル構造とされた第二の
周溝54に連通するバルブ装着穴68が形成されてい
る。なお、バルブ装着穴68の周囲には、二つのボルト
穴70が設けられている。
【0027】また、図1及び図2に示されているよう
に、このようなオリフィス部材46が組み付けられた一
体加硫成形品には、更に、外筒金具12が外挿され、八
方絞り加工等によって金属スリーブ16の外周面に嵌着
固定されており、この外筒金具12が、図示しないブラ
ケット等によって、ボデー側またはパワーユニット側に
取り付けられるようになっている。なお、外筒金具12
の内周面には薄肉のシールゴム層72が設けられてお
り、このシールゴム層72によって、金属スリーブ16
と外筒金具12との嵌着面間が流体密にシールされるよ
うになっている。即ち、この外筒金具12の組付けによ
って、第一のポケット部26,第二のポケット部28お
よび第三のポケット部30の開口がそれぞれ覆蓋されて
いると共に、オリフィス部材46に設けられた第一の周
溝48,第二の周溝54および第三の周溝62の開口も
それぞれ覆蓋されているのである。
【0028】そして、第一のポケット部26が覆蓋され
ることにより、内外筒金具10,12間への振動入力時
に、本体ゴム弾性体14の弾性変形に基づいて内圧変動
が生ぜしめられる主液室74が形成されている一方、第
二のポケット部28が覆蓋されることにより、第一の可
撓性膜36の変形に基づいて容積変化が許容される第一
の副液室76が形成されており、更に第三のポケット部
30が覆蓋されることにより、第二の可撓性膜38の変
形に基づいて容積変化が許容される第二の副液室78が
形成されている。また、これら主液室74,第一の副液
室76および第二の副液室78には、それぞれ、所定の
非圧縮性流体が封入されている。なお、かかる封入流体
としては、共振作用に基づく防振効果を有効に得るため
に、例えば、水やアルキレングリコール,ポリアルキレ
ングリコール,シリコーン油等の粘性率が0.1Pa・
s以下のものが好適に採用され、一体加硫成形品に対す
る外筒金具12の組付けを流体中で行うこと等によっ
て、流体の充填が為され得る。
【0029】また、第一の周溝48が覆蓋されることに
より、主液室74と第一の副液室76を相互に連通する
第一のオリフィス通路80が形成されている一方、第二
の周溝54が覆蓋されることにより、主液室74と第一
の副液室76を相互に連通する第二のオリフィス通路8
2が、第一のオリフィス通路80とは独立して形成され
ており、更に第三の周溝62が覆蓋されることにより、
主液室74と第二の副液室78を相互に連通する第三の
オリフィス通路84が、第一及び第二のオリフィス通路
80,82とは独立して形成されている。そして、第一
のオリフィス通路80は、内部を通じて流動する流体の
共振作用に基づいて、シェイク等の10Hz前後の低周波
振動に対する高減衰効果が発揮されるように、長さや断
面積等が設定されている一方、第二のオリフィス通路8
2は、内部を通じて流動する流体の共振作用に基づい
て、アイドリング振動等の15〜40Hz程度の中周波振
動に対する低動ばね効果が発揮されるように、長さや断
面積等が設定されており、更に、第三のオリフィス通路
84は、内部を通じて流動する流体の共振作用に基づい
て、こもり音等の60〜100Hz程度の高周波振動に対
する低動ばね効果が発揮されるように、長さや断面積等
が設定されている。
【0030】さらに、外筒金具12には、第一のオリフ
ィス半割体42に設けられた取付座面66が位置せしめ
られる部分に開口窓86が設けられており、この開口窓
86を通じて露呈された取付座面66に対して、バルブ
組立体88がボルト固定されている。かかるバルブ組立
体88は、略有底円筒形状のハウジング90にロータリ
バルブ92が組み込まれており、ハウジング90の開口
部に装着された駆動モータ94によって、ロータリバル
ブ92がハウジング90内で一軸回りに回動操作される
ようになっている。なお、ハウジング90の開口部に
は、バルブ押えリング95,シール部材96,ダストシ
ール97が、軸方向に重ね合わされて配設されており、
ハウジング90とロータリバルブ92の間が流体密にシ
ールされている。
【0031】そして、図1及び図2に示されている如き
ロータリバルブ92の回動位置において、第二のオリフ
ィス通路82が遮断されて、該第二のオリフィス通路8
2を通じての流体の流通が阻止されるようになっている
一方、かかる回動位置からロータリバルブ92を90°
回転することによって、ハウジング90に設けられた連
通孔98,98とバルブ孔100を通じて第二のオリフ
ィス通路82が連通せしめられて、該第二のオリフィス
通路82を通じての流体の流動が許容されるようになっ
ている。
【0032】ところで、第一のオリフィス通路80と第
二のオリフィス通路82は、共に主液室74と第一の副
液室76の間に形成されていることから、第一のオリフ
ィス通路80の流路断面積:A1 と流路長:L1 の比:
1 /L1 の値よりも、第二のオリフィス通路82の流
路断面積:A2 と流路長:L2 の比:A2 /L2 の値が
大きく設定されることにより、第一のオリフィス通路8
0よりも第二のオリフィス通路82の方が高周波数域に
チューニングされている。一方、第三のオリフィス通路
84は、主液室74と第二の副液室78の間に形成され
ており、かかる第二の副液室78は第一の副液室76よ
りも壁部の変形剛性が高く設定されていることから、該
第三のオリフィス通路84を第二のオリフィス通路82
よりも高周波数域にチューニングするに際して、第三の
オリフィス通路84の流路断面積:A3 と流路長:L3
の比:A3 /L3 の値を、第二のオリフィス通路82の
流路断面積:A2 と流路長:L2 の比:A2 /L2 の値
よりも、必ずしも大きく設定する必要はない。即ち、第
三のオリフィス通路84は、第二の可撓性膜38の変形
剛性を高くする程、或いは流路断面積:A3 と流路長:
3 の比:A3 /L 3 の値を大きくする程、高周波数域
にチューニングされ得るのであり、特に、本実施例で
は、第三のオリフィス通路84の流路断面積:A3 と流
路長:L3 の比:A3 /L3 の値が、第二のオリフィス
通路82の流路断面積:A2 と流路長:L2 の比:A2
/L2 の値よりも、僅かに小さく設定されている。
【0033】また、そこにおいて、第一,第二,第三の
オリフィス通路80,82,84における流体の流れ易
さは、特定の周波数域における流体の共振作用の他、各
オリフィス通路の両側開口部間に生ぜしめられる流体圧
力の差(各オリフィス通路における圧力水頭差)と、各
オリフィス通路の流通抵抗の差(各オリフィス通路にお
ける損失水頭差)によって決まると考えられ、そして、
圧力水頭差は、主に各副液室76,78の壁部の変形剛
性によって、また損失水頭差は、主に各オリフィス通路
の流路断面積,長さ,屈曲形態等によって、それぞれ決
まることとなる。そして、本実施例においては、第一の
副液室76の壁部の変形剛性よりも第二の副液室78の
壁部の変形剛性が高くされていると共に、第二の副液室
78の容積変化量に対する壁部の変形剛性の増大率が、
第一の副液室76の容積変化量に対する壁部の変形剛性
の増大率よりも充分に大きくされていることによって、
第一のオリフィス通路80がチューニングされたシェイ
ク等の低周波大振幅振動の入力時には、第一のオリフィ
ス通路80の流体流通性が第三のオリフィス通路84の
流体流通性よりも大きく、流体が流れ易くなるように設
定されている。しかも、本実施例においては、第一の副
液室76の壁部の変形剛性よりも第二の副液室78の壁
部の変形剛性が高くされていると共に、第三のオリフィ
ス通路84の流路断面積と流路長の比:A3 /L3 の値
が第二のオリフィス通路82の流路断面積と流路長の
比:A2 /L2 の値よりも小さく設定されていることに
よって、第二のオリフィス通路82がチューニングされ
たアイドリング振動等の中周波振動の入力時には、第二
のオリフィス通路82の流体流通性が第三のオリフィス
通路84の流体流通性よりも大きく、流体が流れ易くな
るように設定されている。
【0034】それ故、かくの如き構造とされたエンジン
マウントにおいては、ロータリバルブ92によって第二
のオリフィス通路82を連通/遮断切換えすることによ
って防振特性が切り換えられるのであり、以て、第一,
第二,第三のオリフィス通路80,82,84が入力振
動等に応じて有利に機能せしめられ得るのである。
【0035】具体的には、先ず、ロータリバルブ92に
よって第二のオリフィス通路82を遮断せしめて、第一
のオリフィス通路80と第三のオリフィス通路84を通
じての流体流動のみが許容されるようにした状態(図1
及び図2参照)とすると、シェイク等の低周波大振幅振
動の入力時には、第一の副液室76と第二の副液室78
の壁部の変形剛性の違い等によって第三のオリフィス通
路84よりも第一のオリフィス通路80の方が流れ易い
ことから、第一のオリフィス通路80を通じての流体流
動が有効に生ぜしめられて、かかる流体の共振作用に基
づく高減衰効果が有効に発揮され得るのであり、また、
低速こもり音等の高周波小振幅振動の入力時には、第一
のオリフィス通路80の流通抵抗が著しく大きくなって
実質的に閉塞状態となることに加えて、第二の副液室7
8の壁部の変形剛性も少ない容積変化に対しては余り大
きくないこと等から、第三のオリフィス通路84を通じ
ての流体流動が有効に生ぜしめられて、かかる流体の共
振作用に基づく低動ばね効果が有効に発揮され得るので
ある。
【0036】一方、ロータリバルブ92によって第二の
オリフィス通路82を連通せしめて、第一,第二,第三
のオリフィス通路80,82,84の何れを通じての流
体流動も許容されるようにした状態とすると、アイドリ
ング振動等の中周波振動の入力時には、第一のオリフィ
ス通路80の流通抵抗が大きく実質的に閉塞状態となる
と共に、第二のオリフィス通路82と第三のオリフィス
通路84の流通抵抗の違いや第一の副液室76と第二の
副液室78の壁部の変形剛性の違い等によって第三のオ
リフィス通路84よりも第二のオリフィス通路82の方
が流れ易いことから、第二のオリフィス通路82を通じ
ての流体流動が有効に生ぜしめられて、かかる流体の共
振作用に基づく低動ばね効果が有効に発揮され得るので
ある。しかも、かかる状態下、高周波小振幅振動が入力
されると、第一のオリフィス通路80だけでなく第二の
オリフィス通路82の流通抵抗も著しく大きくなって実
質的に閉塞状態となると共に、第二の副液室78の壁部
の変形剛性も少ない容積変化に対しては余り大きくない
こと等から、第三のオリフィス通路84を通じての流体
流動が有効に生ぜしめられて、かかる流体の共振作用に
基づく低動ばね効果が有効に発揮され得るのである。
【0037】従って、かかるエンジンマウントにおいて
は、例えばアイドリング時にロータリバルブ92を開く
一方、車両走行時にロータリバルブ92を閉じることに
よって、アイドリング時に入力されるアイドリング振動
に対する防振効果と、車両走行時に入力されるシェイク
や低速こもり音等に対する防振効果とを、何れも、流体
の共振作用に基づいて極めて効果的に得ることができる
のであり、しかも、それに加えて、アイドリング時に入
力される高周波振動に対しても、流体の共振作用に基づ
く優れた防振効果を得ることができるのである。
【0038】また、かかるエンジンマウントにおいて
は、第二のオリフィス通路82だけを連通/遮断するこ
とで防振特性を切り換えることが可能であり、二つのバ
ルブ手段を設ける必要がなく、また第三のオリフィス通
路84をバルブ面に開口させる必要もないことから、部
品点数の減少と構造の簡略化および製作性の向上が何れ
も有利に達成され得ると共に、各オリフィス通路80,
82,84の形態の設計自由度が有利に確保され得て、
目的とする防振特性を実現するためのチューニングを容
易に且つ有利に行うことができるのである。
【0039】さらに、本実施例のエンジンマウントにお
いては、第一及び第二の副液室76,78の壁部を構成
する第一及び第二の可撓性膜36,38が、何れも、本
体ゴム弾性体14と一体的に形成されていることから、
それによっても、部品点数の減少と構造の簡略化および
製作性の向上が一層有利に達成され得るのであり、しか
も、第一及び第二の可撓性膜36,38がマウント外周
面に露呈されていないことから、その損傷等も有利に防
止され得て、良好なる耐久性および信頼性が発揮され得
るのである。
【0040】また、本実施例のエンジンマウントにあっ
ては、第一の副液室76よりも第二の副液室78の方が
壁部の変形剛性が大きくされていることに加えて、第三
のオリフィス通路84よりも第二のオリフィス通路82
の方が流路断面積と流路長の比:A/Lの値が大きくさ
れていることから、中周波振動の入力時における第二の
オリフィス通路82の流体流通性よりも第三のオリフィ
ス通路84の流体流通性が充分に低く設定されており、
それによって、第二のオリフィス通路82を通じて流動
する流体の共振作用に基づく、アイドリング振動等に対
する防振効果が、より一層有効に発揮され得るのであ
る。
【0041】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0042】例えば、第一,第二,第三のオリフィス通
路80,82,84の断面積や長さ等、その具体的形態
は、要求される防振特性等に応じて適宜に変更されるも
のであって、限定的に解釈されるものでは決してない。
【0043】また、それら第一,第二,第三のオリフィ
ス通路80,82,84の構造も、前記実施例のものに
限定されるものではなく、例えば、本体ゴム弾性体14
内や、金属スリーブ16と外筒金具12の間等に形成す
ることも可能である。
【0044】更にまた、第三のオリフィス通路84は、
第一及び第二のオリフィス通路80,82がチューニン
グされた周波数域の振動入力時における流体流通性が、
それら第一及び第二のオリフィス通路80,82よりも
低くされていれば良く、第一の可撓性膜36と第二の可
撓性膜38の変形剛性の差によっては、流路断面積と流
路長の比を、第二のオリフィス通路82よりも第三のオ
リフィス通路84の方が大きくなるように設定すること
も可能である。
【0045】さらに、第一,第二の副液室76,78の
構造も、前記実施例のものに限定されるものではなく、
例えば、それら両副液室をマウント軸方向に所定距離を
隔てて並設したり、或いはマウント軸方向の側壁部を可
撓性膜としたり、またポケット部の開口を可撓性膜で覆
蓋することによってマウント径方向の外側壁部を可撓性
膜とすること等も可能である。
【0046】また、第一,第二の可撓性膜36,38を
本体ゴム弾性体14と別部材で構成することもでき、更
に、第二の可撓性膜38に帆布等を固着させて変形剛性
や最大変形量を調節することも可能である。
【0047】更にまた、第二のオリフィス通路82を開
閉するバルブ手段としては、例示の如きロータリバルブ
の他、スライド構造のバルブやバタフライ構造のバルブ
などを採用することも可能であり、更に、マウントの装
着構造等を考慮して、バルブの駆動軸をマウント軸方向
に突出させることも可能である。
【0048】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、自動車用デフマウントやサスペ
ンションブッシュ、或いは自動車以外の各種の筒型マウ
ント装置に対して、何れも、有利に適用され得るもので
ある。
【0049】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0050】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式筒型マウント装置におい
ては、バルブ手段にて第二のオリフィス通路を連通/遮
断切り換えすることによって防振特性が切り換えられ
得、第二のオリフィス通路を遮断した状態下では、第一
のオリフィス通路による低周波振動に対する防振効果
と、第三のオリフィス通路による高周波振動に対する防
振効果とが、何れも有効に発揮され得る一方、第二のオ
リフィス通路を連通した状態下では、第二のオリフィス
通路による中周波振動に対する防振効果が有効に発揮さ
れ得るのであり、しかも、第二のオリフィス通路を連通
した状態下に高周波振動が入力された場合には、第三の
オリフィス通路による高周波振動に対する防振効果も発
揮され得ることから、広い周波数域の入力振動に対して
有効な防振効果が発揮され得るのである。
【0051】また、かかる流体封入式マウント装置にお
いては、第二のオリフィス通路だけを連通/遮断するこ
とで防振特性を切り換えることが可能であり、第一のオ
リフィス通路および第三のオリフィス通路は常に連通状
態とされていることから、複数のバルブ手段を設ける必
要がないと共に、バルブ手段の配設位置等による各オリ
フィス通路の設計自由度の制限が効果的に軽減乃至は解
消され得ることとなり、それによって、構造の簡略化等
が図られると共に、目的とする防振特性が極めて効果的
に且つ容易に実現され得るのである。
【0052】さらに、第一,第二,第三のポケット部の
開口を筒部材で覆蓋することによって主液室,第一の副
液室および第二の副液室をそれぞれ形成すれば、それら
主液室,第一の副液室および第二の副液室を容易に形成
することができるのであり、また、第二及び第三のポケ
ット部の底壁部を第一及び第二の可撓性膜で構成すれ
ば、それらの可撓性膜がマウント外周面に露呈されるこ
とがなく、可撓性膜の損傷も有利に防止され得る。
【0053】また、第一及び第二の可撓性膜を本体ゴム
弾性体と一体的に形成すれば、部品点数の減少や構造の
簡略化、製作性の向上等が、一層有利に達成され得る。
【0054】更にまた、第一及び第二の副液室を、主液
室に対して支軸部材を挟んだ反対側に位置して形成する
ことにより、それら主液室と第一及び第二の副液室の形
成スペースが有利に確保され得る。
【0055】さらに、筒部材の内周面に沿って配設され
る筒状のオリフィス部材を採用すれば、第一,第二及び
第三のオリフィス通路を容易に且つ有利に形成すること
が可能となり、しかも、第一のオリフィス通路と第二の
オリフィス通路を、主液室から互いに周方向反対側に向
かって形成することにより、それらのオリフィス通路が
スペース効率的に有利に形成され得る。
【0056】また、第二のオリフィス通路の一部をトン
ネル構造とすれば、そこにロータリバルブを有利に配設
することができる。
【0057】更にまた、流路断面積と流路長の比:A/
Lの値を、第三のオリフィス通路よりも第二のオリフィ
ス通路の方が小さくなるように設定すれば、第二のオリ
フィス通路がチューニングされた周波数域の振動入力時
に、第二のオリフィス通路を通じて流動する流体量が一
層有利に確保され得て、流体の共振作用に基づく防振効
果がより有効に発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す横断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する第
一のオリフィス半割体を示す平面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントを構成する第
二のオリフィス半割体を示す平面図である。
【図6】図1に示されたエンジンマウントを構成するオ
リフィス部材を示す右側面図である。
【図7】図1に示されたエンジンマウントを構成するオ
リフィス部材を示す左側面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII矢視図である。
【符号の説明】
10 内筒金具 12 外筒金具 14 本体ゴム弾性体 16 金属スリーブ 26 第一のポケット部 28 第二のポケット部 30 第三のポケット部 36 第一の可撓性膜 38 第二の可撓性膜 46 オリフィス部材 64 厚肉部 74 主液室 76 第一の副液室 78 第二の副液室 80 第一のオリフィス通路 82 第二のオリフィス通路 84 第三のオリフィス通路 88 バルブ組立体 92 ロータリバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤田 讓治 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振連結される一方の部材に取り付けら
    れる支軸部材と、 該支軸部材の外方に所定距離を隔てて同軸的に若しくは
    偏心して配されて、防振連結される他方の部材に取り付
    けられる筒部材と、 それら支軸部材と筒部材を弾性的に連結する本体ゴム弾
    性体と、 該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて、前
    記支軸部材と前記筒部材の間に形成された、振動入力時
    に内圧変動が生ぜしめられる主液室と、 壁部の一部が第一の可撓性膜によって構成されて、該第
    一の可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第
    一の副液室と、 前記第一の可撓性膜よりも変形剛性の高い第二の可撓性
    膜によって壁部の一部が構成されて、該第二の可撓性膜
    の変形に基づいて容積変化が許容される、前記第一の副
    液室とは独立して形成された第二の副液室と、 それら主液室、第一の副液室および第二の副液室にそれ
    ぞれ封入された非圧縮性流体と、 前記主液室と前記第一の副液室とを相互に連通せしめ
    て、それら両室間での流体の流動を許容する第一のオリ
    フィス通路と、 前記主液室と前記第一の副液室とを相互に連通せしめ
    て、それら両室間での流体の流動を許容する、前記第一
    のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされ
    た第二のオリフィス通路と、 前記主液室と前記第二の副液室とを相互に連通せしめ
    て、それら両室間での流体の流動を許容する一方、前記
    第二のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニング
    され、且つ前記第一のオリフィス通路および第二のオリ
    フィス通路がチューニングされた低周波数域および中周
    波数域の振動入力時における流体流通性が該第一のオリ
    フィス通路および該第二のオリフィス通路よりも低くさ
    れた第三のオリフィス通路と、 前記第二のオリフィス通路を連通状態と遮断状態に切り
    換えるバルブ手段とを、 含んで構成されていることを特徴とする流体封入式筒型
    マウント装置。
  2. 【請求項2】 第一の窓部,第二の窓部および第三の窓
    部を有する金属スリーブが、前記支軸部材の外方に所定
    距離を隔てて配設せしめられ、それら支軸部材と金属ス
    リーブの間に前記本体ゴム弾性体が介装されて加硫接着
    されていると共に、かかる金属スリーブの第一の窓部を
    通じて外周面に開口する第一のポケット部が該本体ゴム
    弾性体に設けられて、該第一のポケット部の開口部が前
    記筒部材で覆蓋されることにより前記主液室が形成され
    ている一方、前記第一の可撓性膜によって底壁部が構成
    されて前記金属スリーブの第二の窓部を通じて外周面に
    開口する第二のポケット部と、前記第二の可撓性膜によ
    って底壁部が構成されて前記金属スリーブの第三の窓部
    を通じて外周面に開口する第三のポケット部とがそれぞ
    れ設けられて、それら第二のポケット部および第三のポ
    ケット部の開口部が前記筒部材で覆蓋されることにより
    前記第一の副液室および前記第二の副液室が形成されて
    いる請求項1に記載の流体封入式筒型マウント装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の可撓性膜および前記第二の可
    撓性膜が、何れも、前記本体ゴム弾性体と一体的に形成
    されたゴム膜によって構成されている請求項1又は2に
    記載の流体封入式筒型マウント装置。
  4. 【請求項4】 前記第一の副液室と前記第二の副液室
    が、前記主液室に対して前記支軸部材を主たる振動入力
    方向に挟んだ反対側に位置して、且つ互いに周方向に所
    定距離を隔てて形成されている請求項1乃至3の何れか
    に記載の流体封入式筒型マウント装置。
  5. 【請求項5】 前記筒部材の内周面に沿って環状乃至は
    筒状のオリフィス部材が配設せしめられ、該オリフィス
    部材によって、前記第一のオリフィス通路が周方向に一
    周以上の長さで形成されていると共に、前記第二のオリ
    フィス通路が前記主液室から周方向一方の側に向かって
    周方向に一周以下の長さで形成されており、更に前記第
    三のオリフィス通路が前記主液室から周方向他方の側に
    向かって周方向に一周以下の長さで形成されている請求
    項1乃至4の何れかに記載の流体封入式筒型マウント装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第二のオリフィス通路における周方
    向所定長さに亘る部分が、前記オリフィス部材の内部を
    貫通して延びるトンネル構造とされていると共に、かか
    るトンネル構造とされた部分に対して外周面に開口する
    バルブ装着孔が設けられて、該バルブ装着孔に組み込ま
    れたロータリバルブによって前記バルブ手段が構成され
    ている請求項5に記載の流体封入式筒型マウント装置。
  7. 【請求項7】 前記第三のオリフィス通路における流路
    断面積:A3 と流路長:L3 の比:A3 /L3 の値が、
    前記第二のオリフィス通路における流路断面積:A2
    流路長:L2 の比:A2 /L2 の値よりも小さくされて
    いる請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式筒型マ
    ウント装置。
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