JPH0842062A - 高付着力防錆被覆ｐｃ鋼材及びその加工方法 - Google Patents
高付着力防錆被覆ｐｃ鋼材及びその加工方法Info
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- JPH0842062A JPH0842062A JP20138394A JP20138394A JPH0842062A JP H0842062 A JPH0842062 A JP H0842062A JP 20138394 A JP20138394 A JP 20138394A JP 20138394 A JP20138394 A JP 20138394A JP H0842062 A JPH0842062 A JP H0842062A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 合成樹脂材によって防錆被覆したＰＣストラ
ンドのコンクリートや固化性グラウトに対する付着力を
高める。 【構成】 ＰＣ鋼材１ｂを内周面に放射状に多数の凹
条を有する成形ダイスをクロスヘッドに備えたクロスヘ
ッド型合成樹脂押出成型機に加熱して一定速度で送り込
み、その外周に、外周面に前記成形ダイスによって多数
の小凸条が形成された熱可塑性合成樹脂材からなる筒状
の溶融防錆材２を被着させることによって外周面に連続
した小凸条を多数備えた防錆被覆ＰＣ鋼材を成形する。
ンドのコンクリートや固化性グラウトに対する付着力を
高める。 【構成】 ＰＣ鋼材１ｂを内周面に放射状に多数の凹
条を有する成形ダイスをクロスヘッドに備えたクロスヘ
ッド型合成樹脂押出成型機に加熱して一定速度で送り込
み、その外周に、外周面に前記成形ダイスによって多数
の小凸条が形成された熱可塑性合成樹脂材からなる筒状
の溶融防錆材２を被着させることによって外周面に連続
した小凸条を多数備えた防錆被覆ＰＣ鋼材を成形する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は主としてプレストレスト
コンクリートの応力導入材として使用する際に、コンク
リートや固化性グラウトに対する付着性を高めた高付着
力防錆被覆ＰＣ鋼材及びその加工方法に関する。
コンクリートの応力導入材として使用する際に、コンク
リートや固化性グラウトに対する付着性を高めた高付着
力防錆被覆ＰＣ鋼材及びその加工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、プレストレストコンクリートの施
工に際し、その応力導入材として防錆被覆ＰＣ鋼材が使
用されている。この種の防錆被覆ＰＣ鋼材には、これを
合成樹脂パイプ内に挿入し、該パイプとＰＣ鋼材との隙
間に潤滑剤を充填した、所謂アンボンドタイプのＰＣ鋼
材として使用する場合と、ＰＣ鋼材を緊張状態でコンク
リート内に直接埋め込むか、もしくはコンクリート内の
シース内に通し、緊張後にシース内に固化性のグラウト
を充填してコンクリートと一体化させるボンドタイプの
ＰＣ鋼材として使用する場合とがある。
工に際し、その応力導入材として防錆被覆ＰＣ鋼材が使
用されている。この種の防錆被覆ＰＣ鋼材には、これを
合成樹脂パイプ内に挿入し、該パイプとＰＣ鋼材との隙
間に潤滑剤を充填した、所謂アンボンドタイプのＰＣ鋼
材として使用する場合と、ＰＣ鋼材を緊張状態でコンク
リート内に直接埋め込むか、もしくはコンクリート内の
シース内に通し、緊張後にシース内に固化性のグラウト
を充填してコンクリートと一体化させるボンドタイプの
ＰＣ鋼材として使用する場合とがある。
【０００３】しかし、従来の防錆被覆ＰＣ鋼材は外周面
が合成樹脂からなる防錆材で覆われているため、その表
面が滑らかであり、コンクリートとの付着性が低い。こ
のためボンドタイプのＰＣ鋼材として使用すると、コン
クリート部材に曲げ応力が働いた場合、ＰＣ鋼材とコン
クリートが剥離して滑動し、その結果、コンクリート部
材の曲げ耐力が低下するという問題点があった。
が合成樹脂からなる防錆材で覆われているため、その表
面が滑らかであり、コンクリートとの付着性が低い。こ
のためボンドタイプのＰＣ鋼材として使用すると、コン
クリート部材に曲げ応力が働いた場合、ＰＣ鋼材とコン
クリートが剥離して滑動し、その結果、コンクリート部
材の曲げ耐力が低下するという問題点があった。
【０００４】この問題を解決せんとしたものとして、従
来、防錆被覆材の固化前に、その表面に砂などの固形物
を吹き付けたり、防錆材に予め固形物を混入したりし
て、コンクリートと防錆材との付着力を改善しようとし
たものがある。
来、防錆被覆材の固化前に、その表面に砂などの固形物
を吹き付けたり、防錆材に予め固形物を混入したりし
て、コンクリートと防錆材との付着力を改善しようとし
たものがある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
砂などの固形物からなる突起がＰＣ鋼材の表面に存在す
ると、緊張作業の際にシース内面と接触し、摩擦力が大
きくなって作業性が悪くなるとともに、固形物が脱落し
て防錆被覆を損傷するなどの問題があった。
砂などの固形物からなる突起がＰＣ鋼材の表面に存在す
ると、緊張作業の際にシース内面と接触し、摩擦力が大
きくなって作業性が悪くなるとともに、固形物が脱落し
て防錆被覆を損傷するなどの問題があった。
【０００６】本発明は、このような従来の問題にかんが
み、緊張作業時の作業性を悪化させたり、防錆被覆を損
傷することなく、しかも、充分なコンクリートとの付着
力を発揮する防錆被覆ＰＣ鋼材及びその加工方法の提供
を目的としてなされたものである。
み、緊張作業時の作業性を悪化させたり、防錆被覆を損
傷することなく、しかも、充分なコンクリートとの付着
力を発揮する防錆被覆ＰＣ鋼材及びその加工方法の提供
を目的としてなされたものである。
【０００７】
【課題を達成するための手段】上述の如き従来の問題を
解決するための本発明の高付着力防錆樹脂ＰＣ鋼材の特
徴は、ＰＣ鋼材の外周を熱可塑性合成樹脂材からなる防
錆材を被着させてなる防錆被覆ＰＣ鋼材において、前記
防錆材の外周に連続した小凸条を多数備えたことにある
（請求項１）。尚、このＰＣ鋼材は、一本の単線からな
るＰＣ鋼棒であってもよく（請求項２）、また複数の単
素線を撚り合わせたＰＣストランドであってもよい（請
求項４）。またＰＣ鋼棒の場合、小凸条は螺旋状である
のが好ましい（請求項３）。更にＰＣストランドである
場合には、該ＰＣストランド外周の各素線間の螺旋凹部
に対応させた螺旋凹溝を設けるとともに、該防錆材の外
周面に前記螺旋凹溝と交差する方向に連続した小凸条を
多数備えることがより好ましい（請求項５）。
解決するための本発明の高付着力防錆樹脂ＰＣ鋼材の特
徴は、ＰＣ鋼材の外周を熱可塑性合成樹脂材からなる防
錆材を被着させてなる防錆被覆ＰＣ鋼材において、前記
防錆材の外周に連続した小凸条を多数備えたことにある
（請求項１）。尚、このＰＣ鋼材は、一本の単線からな
るＰＣ鋼棒であってもよく（請求項２）、また複数の単
素線を撚り合わせたＰＣストランドであってもよい（請
求項４）。またＰＣ鋼棒の場合、小凸条は螺旋状である
のが好ましい（請求項３）。更にＰＣストランドである
場合には、該ＰＣストランド外周の各素線間の螺旋凹部
に対応させた螺旋凹溝を設けるとともに、該防錆材の外
周面に前記螺旋凹溝と交差する方向に連続した小凸条を
多数備えることがより好ましい（請求項５）。
【０００８】また、本発明の高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材
の加工方法の特徴は、内周面に放射状に多数の凹条を有
する成形ダイスをクロスヘッドに備えたクロスヘッド型
合成樹脂押出成型機を使用し、ＰＣ鋼材を加熱して前記
クロスヘッドに一定速度で送り込み、その外周に、外周
面に前記成形ダイスによって多数の小凸条が形成された
熱可塑性合成樹脂材からなる溶融防錆材筒を被着させる
こと（請求項６）。尚、溶融防錆材筒の被着に際し、溶
融防錆材筒の内側を減圧装置により減圧させつつ被着さ
せることがより好ましく（請求項７）、また成形ダイス
をＰＣ鋼材の送りに応じて旋回させてもよい（請求項
８）。
の加工方法の特徴は、内周面に放射状に多数の凹条を有
する成形ダイスをクロスヘッドに備えたクロスヘッド型
合成樹脂押出成型機を使用し、ＰＣ鋼材を加熱して前記
クロスヘッドに一定速度で送り込み、その外周に、外周
面に前記成形ダイスによって多数の小凸条が形成された
熱可塑性合成樹脂材からなる溶融防錆材筒を被着させる
こと（請求項６）。尚、溶融防錆材筒の被着に際し、溶
融防錆材筒の内側を減圧装置により減圧させつつ被着さ
せることがより好ましく（請求項７）、また成形ダイス
をＰＣ鋼材の送りに応じて旋回させてもよい（請求項
８）。
【０００９】
【作用】本発明に係る防錆被覆ＰＣ鋼材は、防錆材の外
周面に多数の小凸条が成形されているため、固化性グラ
ウトやコンクリート内に埋め込んだ際に、防錆材とコン
クリートやグラウトとの機械的な噛み合い及び付着面積
の増大により、コンクリートとの付着力が改善される。
また小凸条が螺旋状の場合には付着力がより高いものと
なる。
周面に多数の小凸条が成形されているため、固化性グラ
ウトやコンクリート内に埋め込んだ際に、防錆材とコン
クリートやグラウトとの機械的な噛み合い及び付着面積
の増大により、コンクリートとの付着力が改善される。
また小凸条が螺旋状の場合には付着力がより高いものと
なる。
【００１０】また、ＰＣストランドを使用する場合、各
素線間の螺旋部に対応させて防錆材の外周面に螺旋凹溝
を形成したものに、その螺旋方向と交差する方向に前記
小凸条を設けることにより、螺旋凹溝に沿ったねじれ方
向の移動が小凸条によって防止されることとなり、固化
性グラウトやコンクリートとの機械的な噛み合いによる
結合力が更に高いものとなる。
素線間の螺旋部に対応させて防錆材の外周面に螺旋凹溝
を形成したものに、その螺旋方向と交差する方向に前記
小凸条を設けることにより、螺旋凹溝に沿ったねじれ方
向の移動が小凸条によって防止されることとなり、固化
性グラウトやコンクリートとの機械的な噛み合いによる
結合力が更に高いものとなる。
【００１１】本発明に係る加工方法は、クロスヘッド内
にて、ＰＣ鋼材を中心にしてその外周に溶融防錆材が筒
状に押し出され、これが加熱されているＰＣ鋼材の外周
に被着されるものであり、防錆材筒は成形ダイスを通る
ことにより、外周に小凸条が連続成形される。
にて、ＰＣ鋼材を中心にしてその外周に溶融防錆材が筒
状に押し出され、これが加熱されているＰＣ鋼材の外周
に被着されるものであり、防錆材筒は成形ダイスを通る
ことにより、外周に小凸条が連続成形される。
【００１２】また、溶融防錆材筒内を減圧することによ
り、ＰＣ鋼材との間の空気が抜け、密着力が高いものと
なる。尚、この場合、ＰＣ鋼材が複数本の単素線を撚り
合わせたＰＣストランドである場合には、溶融防錆材筒
はＰＣストランドの外形形状に沿って変形し、外周面に
螺旋形の凹部が形成され、その凹部内にも小凸条が連続
して有するものが得られる。
り、ＰＣ鋼材との間の空気が抜け、密着力が高いものと
なる。尚、この場合、ＰＣ鋼材が複数本の単素線を撚り
合わせたＰＣストランドである場合には、溶融防錆材筒
はＰＣストランドの外形形状に沿って変形し、外周面に
螺旋形の凹部が形成され、その凹部内にも小凸条が連続
して有するものが得られる。
【００１３】更に、成形ダイスを強制的に旋回させるこ
とにより螺旋状に小凸条が成形される。尚、ＰＣ鋼材と
してＰＣストランドを使用する場合において、成形ダイ
スの回転速度を、ＰＣストランドの移動による撚り合わ
せ螺旋の円周方向の移動速度と違えることにより、凹部
の螺旋方向に交差する方向の小凸条が成形される。
とにより螺旋状に小凸条が成形される。尚、ＰＣ鋼材と
してＰＣストランドを使用する場合において、成形ダイ
スの回転速度を、ＰＣストランドの移動による撚り合わ
せ螺旋の円周方向の移動速度と違えることにより、凹部
の螺旋方向に交差する方向の小凸条が成形される。
【００１４】
【実施例】次に本発明の実施例を図面について説明す
る。
る。
【００１５】図１は、ＰＣ鋼材として単一のＰＣ鋼棒１
ａを用いた場合を示しており、ＰＣ鋼棒１ａの外周に熱
可塑性の合成樹脂からなる防錆材層２が被着され、その
外周面に、図２に示すように断面が放射状となる装置に
多数の小凸条３，３……が長手方向に連続して一体に成
形されている。
ａを用いた場合を示しており、ＰＣ鋼棒１ａの外周に熱
可塑性の合成樹脂からなる防錆材層２が被着され、その
外周面に、図２に示すように断面が放射状となる装置に
多数の小凸条３，３……が長手方向に連続して一体に成
形されている。
【００１６】図３は、ＰＣ鋼材として７本撚りのＰＣス
トランド１ｂを用いた場合の一例を示しており、ＰＣス
トランド１ｂの外周に防錆材層２が被着され、その外形
が円形に成形され、外周面に図４に示すように前述の小
凸条と同じ小凸条３，３……が一体に成形されている。
トランド１ｂを用いた場合の一例を示しており、ＰＣス
トランド１ｂの外周に防錆材層２が被着され、その外形
が円形に成形され、外周面に図４に示すように前述の小
凸条と同じ小凸条３，３……が一体に成形されている。
【００１７】図１，図３に示すように外形が円形の場
合、小凸条は図５に示すように、ＰＣ鋼材の軸方向と平
行であってもよく、図６に示すように螺旋状であっても
よい。
合、小凸条は図５に示すように、ＰＣ鋼材の軸方向と平
行であってもよく、図６に示すように螺旋状であっても
よい。
【００１８】図７，図８はＰＣ鋼材として前述したＰＣ
ストランド１ｂを用いた場合の他の例を示しており、Ｐ
Ｃストランド１ｂの外周面に被着した防錆材層２の外周
にＰＣストランド１ｂの外周の螺旋状凹部に対応させて
螺旋状の凹部４が成形されており、その凹部４内を含め
た全周に前述と同様の小凸条３，３……が一体に成形さ
れている。この小凸条３，３……は図９に示すようにＰ
Ｃストランド１ｂの軸方向と平行に設けられる他、また
図１０に示すように凹部４の螺旋方向とは逆向きの螺旋
方向であってもよく、更に図には示してないが、凹部４
の螺旋方向と交差する各種の螺旋方向の他、凹部４と周
方向で同ピッチの螺旋方向であってもよい。
ストランド１ｂを用いた場合の他の例を示しており、Ｐ
Ｃストランド１ｂの外周面に被着した防錆材層２の外周
にＰＣストランド１ｂの外周の螺旋状凹部に対応させて
螺旋状の凹部４が成形されており、その凹部４内を含め
た全周に前述と同様の小凸条３，３……が一体に成形さ
れている。この小凸条３，３……は図９に示すようにＰ
Ｃストランド１ｂの軸方向と平行に設けられる他、また
図１０に示すように凹部４の螺旋方向とは逆向きの螺旋
方向であってもよく、更に図には示してないが、凹部４
の螺旋方向と交差する各種の螺旋方向の他、凹部４と周
方向で同ピッチの螺旋方向であってもよい。
【００１９】防錆材層２の材料は、ポリエチレン樹脂が
使用されているが、この他、ポリプロピレン樹脂又はポ
リエチレン・ポリプロピレンの共重合体及びその変性体
やナイロン樹脂、塩化ビニール等の熱可塑性合成樹脂が
使用できる。
使用されているが、この他、ポリプロピレン樹脂又はポ
リエチレン・ポリプロピレンの共重合体及びその変性体
やナイロン樹脂、塩化ビニール等の熱可塑性合成樹脂が
使用できる。
【００２０】このように構成される高付着力防錆被覆Ｐ
Ｃストランドは、これがコンクリート内に埋め込まれた
際、小凸条３，３……がコンクリートに機械的に噛み合
った状態となり、高い付着力が得られる。また特に、外
周面に螺旋状の凹部４があるものの場合には、その凹部
４とコンクリートとの嵌まり合いの他に小凸条３，３に
よって付着力が増強されることとなる。更にまた、小凸
条３，３……が図９，図１０に示すように螺旋状の凹部
４と交差する向きに備えられると、ストランドが凹部４
に沿ったねじれによる付着剥離が小凸条によって有効に
防止され、更に高い付着力が得られる。
Ｃストランドは、これがコンクリート内に埋め込まれた
際、小凸条３，３……がコンクリートに機械的に噛み合
った状態となり、高い付着力が得られる。また特に、外
周面に螺旋状の凹部４があるものの場合には、その凹部
４とコンクリートとの嵌まり合いの他に小凸条３，３に
よって付着力が増強されることとなる。更にまた、小凸
条３，３……が図９，図１０に示すように螺旋状の凹部
４と交差する向きに備えられると、ストランドが凹部４
に沿ったねじれによる付着剥離が小凸条によって有効に
防止され、更に高い付着力が得られる。
【００２１】尚、上述の実施例では７本撚りのストラン
ドを示しているが、ＰＣ鋼材としてストランドを使用す
る場合は、この他、２本撚り、３本撚り、１９本撚り等
各種のものが使用できる。
ドを示しているが、ＰＣ鋼材としてストランドを使用す
る場合は、この他、２本撚り、３本撚り、１９本撚り等
各種のものが使用できる。
【００２２】次に本発明に係る高付着力防錆被覆ＰＣ鋼
材の加工方法について説明する。
材の加工方法について説明する。
【００２３】図１１は、使用するＰＣ鋼材がＰＣストラ
ンドである場合の一例を示している。まず、繰り出し装
置１１のリール１１ａに巻かれたＰＣ鋼材１０を送り出
し装置１２によって順次繰り出す。繰り出されたＰＣ鋼
材１０は加熱装置１３に通され、後述する溶融防錆材の
温度より高い温度（約２００℃）に加熱させ、次いでク
ロスヘッド型合成樹脂押出成型機１４のクロスヘッド１
５内に通す。
ンドである場合の一例を示している。まず、繰り出し装
置１１のリール１１ａに巻かれたＰＣ鋼材１０を送り出
し装置１２によって順次繰り出す。繰り出されたＰＣ鋼
材１０は加熱装置１３に通され、後述する溶融防錆材の
温度より高い温度（約２００℃）に加熱させ、次いでク
ロスヘッド型合成樹脂押出成型機１４のクロスヘッド１
５内に通す。
【００２４】クロスヘッド１５内には、図１２に示すよ
うに溶融押出機１６から合成樹脂材料からなる防錆材を
加熱溶融した状態でＰＣ鋼材１０の外周を包み込むよう
に筒状防錆材１７が押し出されるようになっており、こ
のクロスヘッド１５の先端に成形ダイス１８が備えられ
ている。
うに溶融押出機１６から合成樹脂材料からなる防錆材を
加熱溶融した状態でＰＣ鋼材１０の外周を包み込むよう
に筒状防錆材１７が押し出されるようになっており、こ
のクロスヘッド１５の先端に成形ダイス１８が備えられ
ている。
【００２５】成形ダイス１８は、図１３に示すように円
形の中空部を有し、その内面に多数の小凹溝１９，１９
……が放射状に成形されているものであり、その中を前
述した円筒形の溶融状態の筒状防錆材１７を通過させる
ことにより、軸方向に平行な多数の小凸条３，３……が
成形されるようになっている。
形の中空部を有し、その内面に多数の小凹溝１９，１９
……が放射状に成形されているものであり、その中を前
述した円筒形の溶融状態の筒状防錆材１７を通過させる
ことにより、軸方向に平行な多数の小凸条３，３……が
成形されるようになっている。
【００２６】クロスヘッド１５のＰＣ鋼材挿入口２０に
は、減圧装置が連通されている。この減圧装置は減圧室
２１及びその内部の空気を排出する減圧ポンプ２２とか
らなり、これによってクロスヘッド１５の後端側から筒
状防錆材１７内を減圧するようにしており、これによっ
て外周面に小凸条３，３……が成形された筒状防錆材１
７がＰＣストランド外周の螺旋状凹部に沿って変形し、
図７，図８に示す如く凹部４が外周に形成された防錆被
覆層２が被着される。また、このとき、成形ダイス１８
が固定状態にあると、小凸条３，３……は図９に示すよ
うにＰＣストランドの軸方向に平行に連続成形される。
は、減圧装置が連通されている。この減圧装置は減圧室
２１及びその内部の空気を排出する減圧ポンプ２２とか
らなり、これによってクロスヘッド１５の後端側から筒
状防錆材１７内を減圧するようにしており、これによっ
て外周面に小凸条３，３……が成形された筒状防錆材１
７がＰＣストランド外周の螺旋状凹部に沿って変形し、
図７，図８に示す如く凹部４が外周に形成された防錆被
覆層２が被着される。また、このとき、成形ダイス１８
が固定状態にあると、小凸条３，３……は図９に示すよ
うにＰＣストランドの軸方向に平行に連続成形される。
【００２７】一方、成形ダイス１８を図１４に示すよう
にクロスヘッド１５に対してモーター２３によって強制
回転させると、筒状防錆材１７の外周に螺旋状の小凸条
３，３……が成形される。このときの螺旋をＰＣストラ
ンドの撚りの螺旋ピッチと違えることにより、例えば図
１０に示すような外周の凹部４の螺旋方向とは逆向きの
螺旋方向の小凸条３，３……が成形される。
にクロスヘッド１５に対してモーター２３によって強制
回転させると、筒状防錆材１７の外周に螺旋状の小凸条
３，３……が成形される。このときの螺旋をＰＣストラ
ンドの撚りの螺旋ピッチと違えることにより、例えば図
１０に示すような外周の凹部４の螺旋方向とは逆向きの
螺旋方向の小凸条３，３……が成形される。
【００２８】このようにして小凸条３，３……及び螺旋
状の凹部４を成形した後、冷却装置２４に通し、防錆被
覆層２を冷却固化させ、引き出し装置２５を通して巻取
装置２６のリール２６ａに巻き取る。
状の凹部４を成形した後、冷却装置２４に通し、防錆被
覆層２を冷却固化させ、引き出し装置２５を通して巻取
装置２６のリール２６ａに巻き取る。
【００２９】また、クロスヘッド１５は、前述のような
減圧装置をもたないものを使用してもよく、この場合に
は、ＰＣ鋼材の移動に応じた溶融防錆材の押し出し量を
前述の場合に比べて多くしてクロスヘット１５内を加圧
状態となすことによって、図３に示すように外形が成形
ダイス１８の内形に対応した形状となすことができる。
このとき成形ダイス１８が固定状態にあると小凸条３，
３……は図５に示すように軸方向に平行となり、また成
形ダイス１８を強制回転させることにより図６に示すよ
うに螺旋状となる。
減圧装置をもたないものを使用してもよく、この場合に
は、ＰＣ鋼材の移動に応じた溶融防錆材の押し出し量を
前述の場合に比べて多くしてクロスヘット１５内を加圧
状態となすことによって、図３に示すように外形が成形
ダイス１８の内形に対応した形状となすことができる。
このとき成形ダイス１８が固定状態にあると小凸条３，
３……は図５に示すように軸方向に平行となり、また成
形ダイス１８を強制回転させることにより図６に示すよ
うに螺旋状となる。
【００３０】またＰＣ鋼材が図１に示すように曲げにく
い単一の鋼棒である場合は、前述したリールを用いた繰
り出し装置１１及び巻き取り装置を使用せずに一定長さ
に切断したものを順次直線的に送り込み、加工後のもの
を直線状のままストックさせる他は前述した図１２，図
１４のいずれのクロスヘッドをも使用でき、同様にして
図１に示す構造のものが成形される。
い単一の鋼棒である場合は、前述したリールを用いた繰
り出し装置１１及び巻き取り装置を使用せずに一定長さ
に切断したものを順次直線的に送り込み、加工後のもの
を直線状のままストックさせる他は前述した図１２，図
１４のいずれのクロスヘッドをも使用でき、同様にして
図１に示す構造のものが成形される。
【００３１】
【発明の効果】上述したように本発明の防錆被覆ＰＣ鋼
材は、防錆材の外周面に連続した小凸条を多数設けたこ
とにより、これをボンドタイプのプレストレストコンク
リート構造体に使用した場合、硬化性グラウトやコンク
リートと機械的な噛み合いによって結合されることとな
り、被覆材外周とコンクリートとの付着性が良くなり、
コンクリート部材に所望の曲げ耐力をもたせることがで
きることとなったものである。
材は、防錆材の外周面に連続した小凸条を多数設けたこ
とにより、これをボンドタイプのプレストレストコンク
リート構造体に使用した場合、硬化性グラウトやコンク
リートと機械的な噛み合いによって結合されることとな
り、被覆材外周とコンクリートとの付着性が良くなり、
コンクリート部材に所望の曲げ耐力をもたせることがで
きることとなったものである。
【００３２】またその加工方法は、従来の防錆被覆加工
ラインにおける成形ダイスの内面形状を変形させるのみ
で良いため、特別にコスト高となることなく加工でき
る。
ラインにおける成形ダイスの内面形状を変形させるのみ
で良いため、特別にコスト高となることなく加工でき
る。
【図１】本発明の高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材の一例の切
断端面図である。
断端面図である。
【図２】同上の部分拡大切断端面図である。
【図３】本発明の高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材の他の例の
切断端面図である。
切断端面図である。
【図４】同上の部分拡大切断端面図である。
【図５】同上の一例の側面図である。
【図６】同上の他の例の側面図である。
【図７】本発明の高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材の他の例の
更に他の例の切断端面図である。
更に他の例の切断端面図である。
【図８】同上の部分拡大切断端面図である。
【図９】同上の一例の下半分を省略して示す側面図であ
る。
る。
【図１０】同上の他の例の下半分を省略して示す側面図
である。
である。
【図１１】本発明に係る加工方法の一例の概略を示す線
図である。
図である。
【図１２】同上のクロスヘッド部分の拡大断面図であ
る。
る。
【図１３】同上の成形ダイスの切断端面図である。
【図１４】同加工方法の他の例のクロスヘッド部分の拡
大断面図である。
大断面図である。
１ａ ＰＣ鋼棒 １ｂ ＰＣストランド ２ 防錆材層 ３ 小凸条 ４ 凹部 １０ ＰＣ鋼材 １１ 繰り出し装置 １１ａ リール １２ 送り出し装置 １４ クロスヘッド型合成樹脂押出成型機 １５ クロスヘッド １６ 溶融押出機 １７ 筒状防錆材 １８ 成形ダイス １９ 小凹溝 ２０ ＰＣ鋼材挿入口 ２１ 減圧室 ２２ 減圧ポンプ ２３ モーター ２４ 冷却装置 ２５ 引き出し装置 ２６ 巻取装置 ２６ａ リール
【手続補正書】
【提出日】平成６年１０月５日
【手続補正１】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１２
【補正方法】変更
【補正内容】
【図１２】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千桐 一芳 京都府福知山市長田野町１丁目14番地 ヒ エン電工株式会社福知山工場内 (72)発明者 東 幸弘 京都府福知山市長田野町１丁目14番地 ヒ エン電工株式会社福知山工場内
Claims (8)
- 【請求項１】 ＰＣ鋼材の外周に熱可塑性合成樹脂材か
らなる防錆材を被着させてなる防錆被覆ＰＣ鋼材におい
て、前記防錆材の外周に連続した小凸条を多数備えたこ
とを特徴としてなる高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材。 - 【請求項２】 ＰＣ鋼材が一本のＰＣ鋼棒である請求項
１に記載の高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材。 - 【請求項３】 小凸条が防錆材の外周面に螺旋状に成形
されている請求項２に記載の高付着力防錆被覆ＰＣ鋼
材。 - 【請求項４】 ＰＣ鋼材が複数の単素線を撚り合わせた
ＰＣストランドである請求項１に記載の高付着力防錆被
覆ＰＣ鋼材。 - 【請求項５】 ＰＣストランド外周の各素線間の螺旋凹
部に対応させた螺旋凹溝を設けるとともに、該防錆材の
外周面に前記螺旋凹溝と交差する方向に連続した小凸条
を多数備えてなる請求項４に記載の高付着力防錆被覆Ｐ
Ｃ鋼材。 - 【請求項６】 内周面に放射状に多数の凹条を有する成
形ダイスをクロスヘッドに備えたクロスヘッド型合成樹
脂押出成型機を使用し、ＰＣ鋼材を加熱して前記クロス
ヘッドに一定速度で送り込み、その外周に、外周面に前
記成形ダイスによって多数の小凸条が形成された熱可塑
性合成樹脂材からなる溶融防錆材筒を被着させることを
特徴としてなる高付着力防錆被覆ＰＣ鋼材の加工方法。 - 【請求項７】 溶融防錆材筒の内側を減圧装置により減
圧させつつ被着させる請求項６に記載の高付着力防錆被
覆ＰＣ鋼材の加工方法。 - 【請求項８】 成形ダイスをＰＣ鋼材の送りに応じて旋
回させる請求項６もしくは７に記載の高付着力防錆被覆
ＰＣ鋼材の加工方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6201383A JP2909470B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 高付着力防錆被覆ｐｃ鋼材の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6201383A JP2909470B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 高付着力防錆被覆ｐｃ鋼材の加工方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0842062A true JPH0842062A (ja) | 1996-02-13 |
| JP2909470B2 JP2909470B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=16440179
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6201383A Expired - Fee Related JP2909470B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 高付着力防錆被覆ｐｃ鋼材の加工方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2909470B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006348670A (ja) * | 2005-06-17 | 2006-12-28 | Hien Electric Industries Ltd | 防錆被覆の異形棒鋼及び異形鉄筋とその製造方法 |
| KR102277864B1 (ko) * | 2020-07-06 | 2021-07-16 | 서해로프제강 주식회사 | 로프 코팅장치 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPH01190861A (ja) * | 1988-01-26 | 1989-07-31 | Shinko Kosen Kogyo Kk | 構造用引張材 |
| JPH02217126A (ja) * | 1989-02-15 | 1990-08-29 | Kurosawa Kensetsu Kk | ねじ付き合成樹脂被覆ｐｃ鋼棒の製造方法 |
| JPH05302402A (ja) * | 1992-04-28 | 1993-11-16 | Times Eng:Kk | 防錆被覆異形ｐｃ鋼棒及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-08-03 JP JP6201383A patent/JP2909470B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2909470B2 (ja) | 1999-06-23 |
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