JPH0841852A - 軟弱地盤の改良工法 - Google Patents

軟弱地盤の改良工法

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JPH0841852A
JPH0841852A JP17851394A JP17851394A JPH0841852A JP H0841852 A JPH0841852 A JP H0841852A JP 17851394 A JP17851394 A JP 17851394A JP 17851394 A JP17851394 A JP 17851394A JP H0841852 A JPH0841852 A JP H0841852A
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 砂や砂利を使用しないで、掘削現場にある掘
削土壌を利用して安価に地盤改良パイルを打設すること
ができるようにすること。 【構成】 土砂材とセメント系固化材とを地上で攪拌混
合して両者の混合粉粒体を形成し、この混合粉粒体Sを
地盤中に貫入されるケーシング1の内部に投入し、この
ケーシング1を引き抜きながらその内部の混合粉粒体を
地盤中に排出し、地盤中に排出された混合粉粒体Sが地
盤中の水分を吸収して地盤改良パイルを形成するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟弱地盤の改良工法に
関し、特に軟弱地盤に地盤改良パイルを打設することに
よって軟弱地盤を改良する分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】地盤改良工法として主流を占めるのは、
所謂サンドコンパクションパイル工法である。
【0003】この工法は、ケーシングを軟弱地盤中に所
定深度まで打ち込み、このケーシング内に投入した砂、
砂利等を起振機やロッド等で突き固めながらケーシング
を引き上げつつ、その先端から砂等を押し出することに
より、締め固められた、即ちコンパクション状態のパイ
ルを軟弱地盤中に造成するものである。このサンドコン
パクションパイル工法によれば、軟弱地盤に対し充分な
支持力が得られる。
【0004】また、セメント系固化材を用いた地盤改良
パイルとしては、セメント系固化材をペースト状に混練
して、これを地盤中に注入し、地盤中の土砂と直接に攪
拌混合して一種のソイルセメントパイルを形成するもの
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
サンドコンパクションパイル工法の最大の難点は、その
材料である砂や砂利が非常に高価であり、国内では調達
が困難になりつつあり、施工地域によっては台湾等の外
国から調達しているのが現状である。また外国製のもの
であってもかなり高価なものとなっている。
【0006】更に、長期間の間に、軟弱地盤の地盤中の
特に深層における流動圧力によってサンドコンパクショ
ンパイルがその途中で分断され支持力が失われるという
問題も発生している。
【0007】また後者のソイルセメントパイルは、地盤
中でセメント系固化材と地盤中の土砂とを攪拌混合する
ため、両者が充分に且つ均一に攪拌混合されているか判
断することが不可能であり、それがために支持力にバラ
ツキを生じる恐れが多分にあり、また攪拌混合のための
攪拌用ロッドの上下動や回転をかなりの頻度で行わなけ
ればならず、その作業が極めて煩雑であった。
【0008】本発明は、これらの難点を解消することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明にあっては、土砂材とセメント
系固化材とを地上で攪拌混合して両者の混合粉粒体を形
成し、この混合粉粒体を地盤中に貫入されるケーシング
の内部に投入し、このケーシングを引き抜きながらその
内部の混合粉粒体を地盤中に排出し、地盤中に排出され
た混合粉粒体が地盤中の水分を吸収して地盤改良パイル
を形成するようにした軟弱地盤の改良工法を採用するも
のである。
【0010】また、請求項2に係る発明にあっては、土
砂材とセメント系固化材と水分とを地上で攪拌混合して
両者の混合粉粒ペースト体を形成し、この混合粉粒ペー
スト体を地盤中に貫入されるケーシングの内部に投入
し、このケーシングを引き抜きながらその内部の混合粉
粒ペースト体を地盤中に排出することによって地盤中に
地盤改良パイルを形成するようにした軟弱地盤の改良工
法を採用するものである。
【0011】また、請求項3に係る発明にあっては、土
砂材として作業現場の地山を利用するようにした請求項
1または2記載の軟弱地盤に改良工法を採用するもので
ある。
【0012】また、請求項4に係る発明にあっては、ケ
ーシングの内壁は滑り層によって形成されてなる請求項
1〜3のいずれか記載の軟弱地盤の改良工法を採用する
ものである。
【0013】また、請求項5に係る発明にあっては、セ
メント系固化材は、酸化カルシウム、二酸化けい素、酸
化アルミニウム及び三酸化硫黄を主成分としてなる請求
項1〜4のいずれか記載の軟弱地盤の改良工法を採用す
るものである。
【0014】
【作用】請求項1に係る発明によれば、まず、土砂材と
セメント系固化材とを地上で攪拌混合して両者の混合粉
粒体を形成することを特徴とする。
【0015】土砂材は、砂や砂利に限定されず、シルト
性土壌や粘土質土壌であってもよく、調達が極めて容易
である。
【0016】また、本発明は、この土砂材とセメント系
固化材とを地上で攪拌混合することを特徴とする。
【0017】上記両者を地上で攪拌混合するのであるか
ら、当然に均一に且つ充分に攪拌混合することができ、
両者の混合にバラツキを生じることがない。また土砂材
に含まれる土質成分によってセメント系固化材の配合比
率を変える必要があるが、この配合比率も正確に維持す
ることができる。
【0018】また、本発明によれば、この混合粉粒体を
地盤中に貫入されるケーシングの内部に投入し、このケ
ーシングを引き抜きながらその内部の混合粉粒体を地盤
中に排出し、地盤中に排出された混合粉粒体が地盤中の
水分を吸収して地盤改良パイルを形成するようにしてな
るため、軟弱地盤中に含まれる水分が混合粉粒体に吸収
されることによって軟弱地盤の密度を高めると共に、混
合粉粒体が地盤中の水分を吸収して硬化することによっ
て該粉粒体が膨潤して軟弱地盤を圧密し、これによって
軟弱地盤の地固めを有効に達成することができる。
【0019】更には、混合粉粒体が地盤中で硬化するこ
とによって地盤改良パイルとして充分な載架支持力を発
揮することになり、軸圧縮強度を高めることになる。
【0020】また、請求項2に係る発明によれば、土砂
材とセメント系固化材と水分とを地上で攪拌混合して両
者の混合粉粒ペースト体を形成するものであるから、上
記請求項1と同じ作用を発揮すると共に、この混合粉粒
ペースト体を地盤中に貫入されるケーシングの内部に投
入し、このケーシングを引き抜きながらその内部の混合
粉粒ペースト体を地盤中に排出することによって地盤中
に地盤改良パイルを形成するようにしたため、請求項1
に示す粉粒体に比べてペースト状のものであるからケー
シング内での流動性がよく、確実に地盤中の深層部まで
地盤改良パイルを造成することができる。
【0021】また、請求項3に係る発明によれば、土砂
材として作業現場の地山を利用するようにしたため、材
料費は勿論、造成費用が格段に安く付くという利点を有
する。作業現場では、例えば建築物を建造する際に、地
面の表層部の土砂を一定深さまで掘削して撤去し、これ
をこの業界では根切作業といわれているが、この根切作
業の跡に建築物を建造するようになっている。従来で
は、この根切作業により生じた土砂は廃棄処分されてい
たが、本発明では、根切作業により生じた土砂をそのま
ま地盤改良パイルの材料として利用することができる。
また根切作業により生じた土砂を廃棄処分する必要がな
いため、廃棄処分するための費用を軽減することができ
る。
【0022】また、請求項4に係る発明によれば、ケー
シングの内壁は滑り層によって形成されてなるため、た
とえ粉粒体であってもケーシング内を流動性良く地盤中
に排出することができる。
【0023】従来において粉粒体をケーシング内に投入
してこれを地盤中に排出することが考えられなかった一
因は、粉粒体であればケーシング内での流動性に問題が
あると思われていたからである。本発明では、ケーシン
グの内壁を滑りの良い滑り層によって形成することによ
って、粉粒体であっても確実に深層部まで排出すること
ができることが判明し、これによって正確な地盤改良パ
イルを形成することができるに至った。
【0024】また、請求項5に係る発明にあっては、セ
メント系固化材は、酸化カルシウム、二酸化けい素、酸
化アルミニウム及び三酸化硫黄を主成分としてなること
を特徴とする。固化材として、普通セメントを用いるこ
とも考えられるが、実験の結果では、普通セメントを2
40kg/m3を添加したときの一軸圧縮強さが2kgf/cm
2 であったのに対し、本発明のセメント系固化材では、
240kg/m3を添加したときの一軸圧縮強さは6.4kg
f/cm2 で、セメント系固化材では、普通セメントの約
3倍の強度を発揮することが判明した。また固化材とし
て石灰系の固化材を用いることが考えられるが、石灰系
固化材では、長期間の間に地盤中の水分に溶解してパイ
ルとしての支持力を発揮することができないことにな
る。
【0025】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の施工方法に用い
る造成装置を示すものである。
【0026】ケーシング1の上部にはホッパー2を備
え、その上端部には起振機3が取り付けられている。ケ
ーシング1は起振機3の上下振動作用によって地盤中に
貫入される。このケーシング1の内周面には、高分子材
料からなる滑り層4が形成されている。ホッパー2とケ
ーシング1との連通路には、常時は例えばばね(図示省
略)によって実線図示のような閉鎖位置に保持された開
閉弁5が設けられ、そのホッパー2に地盤改良材(後述
の混合粉粒体)が投入されてホッパー2内を流下する時
にその流動圧力によって該開閉弁5が開放されるように
なっている。そして、開閉弁5の閉鎖時にケーシング1
の内部を高圧に維持して内部の混合粉粒体が流出し易い
ようにケーシング1内に圧縮エアを供給するエア供給ノ
ズル6が設けられている。なお、この装置は、リーダ
(図示省略)の頂部より垂下された昇降操作用ワイヤー
(図示省略)によって吊持される。
【0027】滑り層4は、約100万以上の平均分子量
を有する所謂超高分子量ポリエチレンからなるもので、
表面滑り性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性(耐腐食
性)に極めて優れている。この滑り層4は、上記超高分
子量ポリエチレンからなる所要厚みの板材をケーシング
1の内周面に沿って張着して形成されたものである。こ
の超高分子ポリエチレンからなる板材としては、市販の
ものを使用することができ、例えば、ソマール工業株式
会社製の登録商標であるソマライトとして知られている
ものが好ましい。このソマライトの超高分子量ポリエチ
レンは、平均分子量は約200万以上で、とりわけ、滑
り性、非付着性、耐摩耗性、耐薬品性に極めて優れた特
性を有する。
【0028】上記の構成の造成装置を用いて、本発明の
工法を実施する際に、まず、地山などで生じた土砂材と
セメント固化材とを後述のような配合割合で地上で攪拌
混合して均一に混合された混合粉粒体S(図1)を形成
する。
【0029】セメント系固化材としては、酸化カルシウ
ム、二酸化けい素、酸化アルミニウム及び三酸化硫黄を
主成分とする。具体的には、次の配合割合のものが好適
である。
【0030】二酸化けい素 18.6〜20.2% 酸
化アルミニウム 6.2〜4.6% 酸化第二鉄 1.8〜2.5% 酸化カルシウム
59.6〜63.1% 酸化マグネシウム 約1.8% 三酸化硫黄 7.
7〜6.7% 不溶残部 0.1〜0.2%
【0031】また市販のセメント系固化材としては、商
品名 ハートキープ Pー430(株式会社トクヤマ
製)あるいは商品名 麻生ソリッドエース(麻生セメン
ト株式会社製)が好ましい。
【0032】上記セメント固化材と土壌との配合割合
は、土壌の土質によって異なる。一般に一本のサンドコ
ンパクションパイルの圧縮強度(一軸圧縮強度 kgf/cm
2 )は7kgf/cm2 を中心にその前後±2〜3kgf/cm2
あれば必要充分であると言われているが、これらの強度
に達するためには、本発明者が実験の結果、次の表1〜
表3に示す配合割合が好適であることが判明した。
【0033】 備考 上記粘性土は、シルト分80%、粘土分40%、
砂分60%、含水比70%で、セメント系固化材とし
て、ハートキープPー430(株式会社トクヤマ製)の
ものを使用した。また上記圧縮強度は打設後7日経過時
のものである。
【0034】 備考 上記砂質シルトは、シルト分70%、粘土分15
%、砂分85%、含水比70%で、その他の条件は、表
1のものと同じである。
【0035】 備考 上記砂質土は、シルト分15%、粘土分15%、
砂分85%、含水比70%で、その他の条件は、表1と
同じである。
【0036】一方、上記造成装置を、リーダの頂部より
昇降用ワイヤーにより吊持した状態で、起振機3を作動
して、ケーシング1を上下振動させつつ、昇降用ワイヤ
ーを繰り出しながら、このケーシング1を地盤中に貫入
してゆく。しかして、ケーシング1が地盤中の所定深度
に達したならば、起振機3の作動を停止し、上述の混合
粉粒体Sを、ホッパー2よりケーシング1内部に所要量
投入する。なお、ケーシング1への混合粉粒体Sの投入
は、ケーシング1を地盤中に貫入する際に行ってもよ
い。またケーシング1の貫入途上でケーシング1から混
合粉粒体Sを地盤中に排出するようにしてもよい。
【0037】こうしてケーシング1内部に混合粉粒体S
が投入した後、エア供給ノズル6により圧縮エアを供給
して、ケーシング1内部を約1kg/cm2 程度に加圧した
状態で、昇降操作用ワイヤーを巻取り操作しながら、ケ
ーシング1を引き抜きつつ、ケーシング1内部の混合粉
粒体Sをその下端部から地盤中に排出し、地盤改良パイ
ルP(図2、図3)を形成する。このとき、ケーシング
1内部の混合粉粒体Sは、その自重及び上記加圧エアに
よる押圧作用、そして特にケーシング1内周面に形成さ
れた滑り層4の優れた表面滑性効果によって、ケーシン
グ1内周面側に付着残存したり途中で詰まりを生じるこ
となく、極めて軽快に流動降下して、ケーシング1下端
から地盤中に途切れることなく連続的に排出され、それ
によって全長に亘り、径が均一で、適度に圧密された地
盤改良パイルPが短時間に効率良く形成される。
【0038】図2に示す〜は、上述の施工順序を示
す。
【0039】図3に示す〜は、他の構造の造成装置
による施工順序を示す。図3では、外側の回転ケーシン
グ7と内側の固定ケーシング8とからなり、地盤中への
貫入時には回転ケーシング7が回転しつつ、該外側ケー
シング7と内側ケーシング8を地盤中に貫入し、所定深
度に達したならば、内側ケーシング8から混合粉粒体S
を地盤中に排出しつつ、外側ケーシング7を逆転させな
がら、あるいは回転することなく内側ケーシング8と共
に引き抜き、その引き抜き途上でバイブレーター9(バ
イブロフロット)の振動力によってケーシング1内部の
混合粉粒体Sの排出を促進し、且つ締め固めするように
なっている。図2も図3を公知の造成装置であり、本発
明ではこの造成装置を採用することに何ら限定されるも
のではないことは勿論である。
【0040】上述のようにして地盤中に排出された混合
粉粒体Sは、パイル状となってその造成直後から(約3
時間後に硬化が始まる。)、周囲地盤における土壌粒子
間の間隙水を吸収して含水率を低下させると共に、この
吸水時に水と反応して膨張し、その体積をパイル造成時
の30〜60%増大させる。このように、地盤改良パイ
ルPが膨張すると、その周囲地盤が圧密され、この圧密
によって、地盤強度が増強されると共に、一旦膨張した
地盤改良パイルPは、硬化作用によってそれ自体硬化体
となるため収縮、つまり体積の縮小することがなく、従
ってこの地盤改良パイルPは、地盤中に宙架されたまま
で、周囲地盤を圧密しその強度を一層増大させることに
なる。
【0041】図4は、本発明に係る工法によって実際の
作業現場での作業順序を一例を示すものである。冒頭で
述べたように、作業現場では、例えば建築物を建造する
際に、地面の表層部の土砂を一定深さまで掘削して撤去
し、これをこの業界では根切作業といわれているが、こ
の根切作業の跡に建築物を建造するようになっている。
従来では、この根切作業により生じた土砂は廃棄処分さ
れていたが、本発明では、根切作業により生じた土砂を
そのまま地盤改良パイルの材料として利用することがで
きる点に大きな特徴を有する。
【0042】即ち、図4で示すように、地面の表層部G
を掘削機10によって所定深さL、例えば1.5mの根
切作業を行いつつ、この根切作業の行った位置GAに本
発明の工法の実施に用いる造成装置11を設置し、一
方、攪拌混合装置、例えばパワーショベルに攪拌装置を
取り付けた装置12によって、根切作業によって発生し
た土壌、即ち現場の地山にセメント径固化材を適量宛混
合して根切作業に行った位置GAで充分に攪拌混合して
混合粉粒体Sを形成する。
【0043】上述の攪拌混合装置12の攪拌装置として
は、図5に示すような一般にロードヘッダーと呼ばれて
いる攪拌装置13が実験の結果良好であることが判明し
ている。この攪拌装置13は、油圧モータによって急速
に正逆転する回転爪14を持ち、これを油圧シャベルの
シャベルに取り替えて該攪拌装置13を取り付けるよう
になっており、例えば株式会社三井三池製作所製の攪拌
装置(商品名、MTツインヘッダ)や丸善建設株式会社
製の攪拌装置(商品面、スタビライザー)が攪拌効率が
極めて良好であり、本発明の実施に採用されることが推
奨される。
【0044】図4は、掘削機10によって掘削された地
山を直接に攪拌混合装置12によってセメント系固化材
と攪拌混合する施工例であるが、図6に示すように作業
現場に図示のような攪拌タンク15(ノッチタンク)を
設置して、これに掘削機10によって掘削された土壌を
溜めておき、これにセメント系固化材を適量宛投入し
て、前述の攪拌混合装置12によって攪拌混合するよう
にしてもよい。
【0045】混合粉粒ペースト体Sを形成する場合に
は、この攪拌タンク15でセメント系固化材とほぼ同量
の水分を添加して攪拌混合する。
【0046】このように地山とセメント系固化材とを地
上で充分に攪拌混合して混合粉粒体Sを形成する。この
形成された混合粉粒体Sを適当な搬送手段によって直接
に造成装置10のホッパー2に投入して該混合粉粒体S
をケーシング1より地盤中に排出させ、図4に示すよう
に地盤改良パイルPを順次打設していくのである。この
ように、本発明では、作業現場で掘削機10で根切作業
を行って地山を形成し、この地山の土砂とセメント径固
化材とを攪拌混合装置12で攪拌混合し、これにより形
成された混合粉粒体Sを直接に造成装置11に投入し、
地盤改良パイルPとして打設するのであるから、従来の
ように根切作業によって生じた土壌を排出するための費
用が殆ど必要としない。また現場の地山をそのまま利用
することができるため、従来のように高価な砂や砂利を
必要としない。
【0047】本発明者が従来の施工方法と本発明の工法
とを経済的な面から一施工例で比較試算すると、次のよ
うになる。
【0048】〔施工例〕50m2 のガスタンクを施工す
るにあたり、根切深さ1.50m、本発明に係る地盤改
良パイルを700mm径、長さ10mのものを1800
mmピッチで表2で示す砂質シルトからなる80m2
敷地に打設した。
【0049】 従来のサンドコンパクションパイル 本発明に係る地盤改良パイル 砂材料 6899m3 なし 価額約2600万円 0円 土砂掘削量 75.40m3 0.641m3 同投棄費用 3393万円 288万円 プラント代 0円 400万円 セメント系固化材 0円 758万円 合計 5993万円 1446万円
【0050】以上の試算より、本発明に係る施工方法に
よれば、従来の施工例に比べて5993万円−1446
万円=4547万円の経済的効果を上げることができ
た。
【0051】
【効果】請求項1に係る発明にあっては、ケーシングの
継ぎ足し長さを多く取ることによって、深層施工が可能
である。また従来の掘削機、攪拌混合装置、造成装置を
そのまま使用することができる。設備が簡便である。大
口径施工にメリットがある。
【0052】また、施工効果面では、圧縮強度及び剪断
強度が大きく、目標地盤の支持力に対応し易い。側方流
動や液状化防止効果も大きい。
【0053】また、経済面において、高価な砂や砂利の
使用量が殆ど皆無であるから経済的負担が小さい。砂や
砂利の採取を必要とせず、また掘削土壌の廃棄を必要と
しないから天然資源の保護に適している。土砂の投棄料
が不要であるからこの面からの経済的負担がないなどの
優れた効果を発揮することになる。
【0054】掘削された土壌とセメント径固化材とを地
上で攪拌混合するのであるから、当然に均一に且つ充分
に攪拌混合することができ、両者の混合にバラツキを生
じることがない。また土砂材に含まれる土質成分によっ
てセメント系固化材の配合比率を変える必要があるが、
この配合比率も正確に維持することができる。これがた
めに全長にわたって強度の均一な地盤改良パイルを打設
することができる。
【0055】また、請求項2に係る発明によれば、土砂
材とセメント系固化材と水分とを地上で攪拌混合して両
者の混合粉粒ペースト体を形成するものであるから、上
記請求項1と同じ効果を発揮すると共に、この混合粉粒
ペースト体を地盤中に貫入されるケーシングの内部に投
入し、このケーシングを引き抜きながらその内部の混合
粉粒ペースト体を地盤中に排出することによって地盤中
に地盤改良パイルを形成するようにしたため、請求項1
に示す粉粒体に比べてペースト状のものであるからケー
シング内での流動性がよく、確実に地盤中の深層部まで
地盤改良パイルを造成することができる。
【0056】また、請求項3に係る発明によれば、土砂
材として作業現場の地山を利用するようにしたため、材
料費は勿論、造成費用が格段に安く付くという利点を有
する。作業現場では、例えば建築物を建造する際に、地
面の表層部の土砂を一定深さまで掘削して撤去し、これ
をこの業界では根切作業といわれているが、この根切作
業の跡に建築物を建造するようになっている。従来で
は、この根切作業により生じた土砂は廃棄処分されてい
たが、本発明では、根切作業により生じた土砂をそのま
ま地盤改良パイルの材料として利用することができる。
また根切作業により生じた土砂を廃棄処分する必要がな
いため、廃棄処分するこめの費用を軽減することができ
る。
【0057】また、請求項4に係る発明によれば、ケー
シングの内壁は滑り層によって形成されてなるため、た
とえ粉粒体であってもケーシング内を流動性良く地盤中
に排出することができ、深層施工を容易する。
【0058】また、請求項5に係る発明にあっては、半
永久的に支持力の強い地盤改良パイルとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の施工方法を実施するための造成装置
の一例を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の施工例の一例を示す説明図である。
【図3】 本発明の施工例の他の一例を示す説明図であ
る。
【図4】 本発明の具体的な施工例の一例を示す説明図
である。
【図5】 図4の施工例で使用される攪拌装置の一例を
示す斜視図である。
【図6】 図4で示す具体的な施工例の一部を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ホッパー 4 滑り層 S 混合粉粒体 P 地盤改良パイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土砂材とセメント系固化材とを地上で攪
    拌混合して両者の混合粉粒体を形成し、この混合粉粒体
    を地盤中に貫入されるケーシングの内部に投入し、この
    ケーシングを引き抜きながらその内部の混合粉粒体を地
    盤中に排出し、地盤中に排出された混合粉粒体が地盤中
    の水分を吸収して地盤改良パイルを形成するようにした
    軟弱地盤の改良工法。
  2. 【請求項2】 土砂材とセメント系固化材と水分とを地
    上で攪拌混合して両者の混合粉粒ペースト体を形成し、
    この混合粉粒ペースト体を地盤中に貫入されるケーシン
    グの内部に投入し、このケーシングを引き抜きながらそ
    の内部の混合粉粒ペースト体を地盤中に排出することに
    よって地盤中に地盤改良パイルを形成するようにした軟
    弱地盤の改良工法。
  3. 【請求項3】 土砂材として作業現場の地山を利用する
    ようにした請求項1または2記載の軟弱地盤に改良工
    法。
  4. 【請求項4】 ケーシングの内壁は滑り層によって形成
    されてなる請求項1〜3のいずれか記載の軟弱地盤の改
    良工法。
  5. 【請求項5】 セメント系固化材は、酸化カルシウム、
    二酸化けい素、酸化アルミニウム及び三酸化硫黄を主成
    分としてなる請求項1〜4のいずれか記載の軟弱地盤の
    改良工法。
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