JP2882770B2 - 軟弱地盤の改良工法 - Google Patents

軟弱地盤の改良工法

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JP2882770B2
JP2882770B2 JP4633396A JP4633396A JP2882770B2 JP 2882770 B2 JP2882770 B2 JP 2882770B2 JP 4633396 A JP4633396 A JP 4633396A JP 4633396 A JP4633396 A JP 4633396A JP 2882770 B2 JP2882770 B2 JP 2882770B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟弱地盤の改良工法に
関し、特に軟弱地盤に地盤改良パイルを打設することに
よって軟弱地盤を改良する分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】地盤改良工法として主流を占めるのは、
所謂サンドコンパクションパイル工法である。
【0003】この工法は、ケーシングを軟弱地盤中に所
定深度まで打ち込み、このケーシング内に投入した砂、
砂利等を起振機やロッド等で突き固めながらケーシング
を引き上げつつ、その先端から砂等を押し出することに
より、締め固められた、即ちコンパクション状態のパイ
ルを軟弱地盤中に造成するものである。このサンドコン
パクションパイル工法によれば、軟弱地盤に対し充分な
支持力が得られる。
【0004】また、セメント系固化剤を用いた地盤改良
パイルとしては、セメント系固化剤をペースト状に混練
して、これを地盤中に注入し、地盤中の土砂と直接に攪
拌混合して一種のソイルセメントパイルを形成するもの
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
サンドコンパクションパイル工法の最大の難点は、その
材料である砂や砂利が非常に高価で、国内では殆ど調達
不能であり、その殆どを外国から調達しているのが現状
である。また外国製のものであってもかなり高価なもの
となっている。更に、長期間の間に、軟弱地盤の地盤中
の特に深層における流動圧力によってサンドコンパクシ
ョンパイルがその途中で分断され支持力が失われるとい
う問題も発生している。
【0006】また後者のソイルセメントパイルは、地盤
中でセメント系固化剤と地盤中の土砂とを攪拌混合する
ため、両者が充分に且つ均一に攪拌混合されているか判
断することが不可能であり、それがために支持力にバラ
ツキを生じる恐れが多分にあり、また攪拌混合のための
攪拌用ロッドの上下動や回転をかなりの頻度で行わなけ
ればならず、その作業が極めて煩雑であった。
【0007】本発明は、高価な砂や砂利の使用に代え、
シールド工法や地下連続壁工法による掘削工事等で排出
される軟弱泥土を地上で団粒化処理したものを使用する
ことにより、パイル形成材料のコストを安くして施工費
を低減化できると共に、パイル強度を均一にできる軟弱
地盤の改良工法を提供することを課題とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
地上において軟弱泥土1に高分子系固化剤2を添加混合
して団粒固化した処理土3を形成し、この処理土3を地
盤中に貫入されるケーシング4の内部に投入し、このケ
ーシング4を引き抜きながらその内部の処理土3を地盤
中に排出して、地盤中に地盤改良パイルPを形成するよ
うにしたことを特徴とする。
【0009】この請求項1に係る発明にあっては、地上
において軟弱泥土1に高分子系固化剤2を添加混合して
団粒化した処理土3を形成することを特徴とする。この
発明に使用する軟弱泥土1には、シールド工法や地下連
続壁工法等による掘削工事で排出される残土、あるいは
河川等の底に堆積している汚泥(スラッジ)その他の高
含水泥土を使用することができ、これらの泥土は不要物
であるから、それ自体のコストはかからず、調達がきわ
めて容易で、造成費用が格段に安くなる。また、地上に
おいて軟弱泥土1に高分子系固化剤2を添加混合して処
理土3を形成するから、当然に均一に且つ充分に攪拌混
合することが可能で、両者の混合にバラツキを生じるこ
とがない。
【0010】そして、この発明では、軟弱泥土1に高分
子系固化剤2を添加混合することによって団粒化された
処理土3を形成するわけであるが、軟弱泥土1に高分子
系固化剤2を添加混合すると、高分子系固化剤2中の吸
水機能を有する成分と凝集機能を有する成分が、それぞ
れ泥土1に作用して、泥土1の固化を促進し、吸水機能
を有する成分は、泥土1中の自由水を吸水し、泥土1の
見掛け含水率を低減させ固化を促進し、また凝集機能を
有する成分は、泥土1中に溶解し、分散している粒子を
凝結、団粒化させ固化を促進する。かくして、軟弱泥土
1は、高分子系固化剤2が併有する吸水機能と凝集機能
により団粒固化されて、粒状の処理土3となる。一旦団
粒固化された処理土3の各土粒子は、それ以上水分を吸
収しないため、再び泥土に戻ることがない。しかして、
この粒状化された処理土3は、砂や砂利と同等もしくは
それ以上の通水性を有する。
【0011】しかして、この発明によれば、上記のよう
に粒状化された処理土3を地盤中に貫入されるケーシン
グ4の内部に投入し、このケーシング4を引き抜きなが
らその内部の処理土3を地盤中に排出し、地盤中に排出
された処理土3が地盤中の水分を吸収して地盤改良パイ
ルPを形成するから、軟弱地盤中に含まれる水分が処理
土に吸収されることにより軟弱地盤の密度を高めて軟弱
地盤を圧密し、これによって軟弱地盤の地固めを有効に
達成することができる。
【0012】請求項2に係る発明は、地上において軟弱
泥土1に高分子系固化剤2をセメント系固化剤等の無機
系固化剤と共に添加混合して団粒固化した処理土3を形
成し、この処理土3を地盤中に貫入されるケーシング4
の内部に投入し、このケーシング4を引き抜きながらそ
の内部の処理土3を地盤中に排出して、地盤中に地盤改
良パイルPを形成するようにしたことを特徴とする。
【0013】この請求項2に係る発明にあっては、地上
において軟弱泥土1に高分子系固化剤2をセメント系固
化剤等の無機系固化剤と共に添加混合して団粒固化した
処理土3を形成するものであるから、上述した請求項1
に係る発明と同様な高分子系固化剤2の団粒固化作用
と、セメント系固化剤等の無機系固化剤が有する固化作
用とによって、固化剤としての作用がより一層発揮さ
れ、無機系固化剤単独では得られない効果を奏すること
ができる。また、この発明によると、無機系固化剤の添
加量を大幅に減らすことができる。
【0014】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の軟弱地盤に改良工法において、軟弱泥土1とし
て、シールド工法や地下連続壁工法等による掘削工事で
排出される残土を利用するようにしたことを特徴とす
る。
【0015】この請求項3に係る発明のように、軟弱泥
土として、シールド工法等による掘削工事で排出される
残土を利用すれば、河川等に底に堆積している汚泥を使
用する場合に比べ、泥土の採取が容易でコストが安くつ
くと共に、比較的土質の良い泥土が得られる。また、掘
削工事で排出される残土は、工事関係者等がそ廃棄処分
に非常に苦慮していることから、そのような残土を利用
することによって、工事関係者等にとってもきわめて好
都合である。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか記載の軟弱地盤の改良工法において、高分子系固
化剤は天然植物性高分子を主成分とすることを特徴とす
る。
【0017】この請求項4に係る発明によれば、高分子
系固化剤は、天然植物性高分子を主成分とする固化剤で
あり、PHが中性であるため、環境公害の問題を生起す
ることがない。即ち、従来の軟弱地盤改良工法では、砂
や砂利等にセメント系または石灰系の無機系固化剤を大
量に添加しているが、このような無機系固化剤は、大量
に添加するため処理土が強アルカリ性となり、環境を汚
染することから、この処理土のPHを変えて中性化する
必要があり、そのために非常な手間と時間をようする。
然るに、軟弱泥土を上記天然植物性高分子を主成分とす
る固化剤で処理した処理土によれば、従来のような中性
化処理が不要となり、施工費をより一層低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1の(A)〜(D)は、地上に
おいて軟弱泥土に高分子系固化剤を添加混合して団粒固
化した処理土を形成する工程を示している。
【0019】この処理土の形成にあたっては、先ず、シ
ールド工法等による掘削工事で排出された残土よりなる
軟弱泥土1を、図1(A)に示すように、例えば容積4
0m 3 のピットTに投入し、そして同図(B)に示すよ
うに、例えば油圧ショベルMを使用して、例えば60kg
の高分子系固化剤2をピットT内の軟弱泥土1(35m
3 とする)に添加する。次いで同図(C)に示すよう
に、先端に攪拌機Kを取り付けた油圧ショベルMによっ
て、ピットT内の軟弱泥土1と高分子系固化剤2とを混
合攪拌する。このピットT内の軟弱泥土1と高分子系固
化剤との混合物は、攪拌開始後約15分程度で流動性が
なくなり、その後15〜20分間の攪拌によりパサパサ
の状態となり、同図(D)に示すように搬出可能な処理
土3となる。この処理土3はダンプカーに積んで施工現
場へ搬送することができる。
【0020】上記処理土3の形成過程において、軟弱泥
土1に高分子系固化剤を添加混合すると、高分子系固化
剤2中の吸水機能を有する成分と凝集機能を有する成分
が、それぞれ泥土1に作用して、泥土1の固化を促進
し、吸水機能を有する成分は、泥土1中の自由水を吸水
し、泥土1の見掛け含水率を低減させ固化を促進し、ま
た凝集機能を有する成分は、泥土1中に溶解し、分散し
ている粒子を凝結、団粒化させ固化を促進する。このよ
うにして、軟弱泥土1は、高分子系固化剤2が併有する
吸水機能と凝集機能により団粒固化されて、粒状の処理
土3となる。尚、一旦団粒固化された処理土3の各土粒
子自体は、それ以上水分を吸収しないため、再び泥土に
戻ることがない。しかして、この粒状化された処理土3
は、砂や砂利と同等もしくはそれ以上の通水性を有する
ものである。
【0021】この処理土3に使用する高分子系固化剤2
は、住友精化(株)及び住友化学(株)によって登録商
標「スミロック」という名称で製造販売されている固化
剤が好ましい。この登録商標「スミロック」の固化剤に
は、♯100〜♯400(商品名)等があるが、この実
施の形態では、先ず♯200を使用している。この登録
商標「スミロック」は、天然植物性高分子を主成分と
し、この天然植物性高分子と合成高分子とからなってお
り、PHは6.5〜7.5で、中性である。
【0022】上記♯200の使用による処理土3の性状
試験結果を示せば、次の表1の通りである。 この表1において、スランプ値とは、上端内径10c
m、下端内径20cm、高さ30cmに形成された鉄製
コーンの中に測定しようとする処理土を詰めこんで、こ
のコーンを逆さにして平板上に置き、コーンを静かに鉛
直に引き上げたときの、処理土の上端の下がりをcmで
測り(スランプ試験)、その測定値をスランプ値と云
う。このスランプ値が小さい程、処理土の固化状態が良
いことになる。因みに、高分子系固化剤2で処理される
前の軟弱泥土1のスランプ値は20〜26であり、搬送
不可能である上、パイル形成材料として利用できない。
【0023】上記表1から明らかなように、♯200の
使用による処理土3は、スランプ値が0cmであって、
固化状態は非常に良好であり、粒径は最大で10mmで
あるから通水性も良好で、またPHは8.5で、中性と
なっている。従って、地盤改良パイルを形成する地盤改
良材として最適である。
【0024】また、下記の表−2は、軟弱泥土に対する
高分子系固化剤2(♯200、PH7)の添加量を示し
たものである。この泥土は砂質土で、含水率30〜70
%とする。 この表−2からは、含水率30%の泥土の場合には、1
3 当り1kgの高分子系固化剤2を添加すれば、固化状
態の良好な処理土3が得られ、含水率50%の泥土の場
合には、1m3 当り2kg程度の高分子系固化剤2の添加
すれば、良好な処理土3が得られ、また含水率70%の
泥土の場合には、1m3 当り4kg程度の高分子系固化剤
2を添加することにより、良好な処理土3が得られるこ
とがわかる。
【0025】また、図4及び図5のグラフには、含水率
30%及び30%の泥土のPH値に対する高分子系固化
剤2(♯200、PH7)の添加量を示したものであ
る。図4のグラフによると、泥土の含水率が30%の場
合、この泥土のPH値が7であるときは、泥土1m3
り1kg程度の高分子系固化剤2(♯200)を添加すれ
ば、中性化した処理土3が得られ、泥土のPH値が10
のときは、1m3 当り2.5kg程度の高分子系固化剤2
を添加すればよく、またPH値が12のときは、1m3
当り6kg程度の高分子系固化剤2を添加すればよいこと
を示している。図5は、泥土の含水率が50%の場合で
あって、泥土のPH値が7であるときは、泥土1m3
り2kg程度の高分子系固化剤2を添加すれば、中性化し
た処理土3が得られ、泥土のPH値が10のときは、1
3 当り4kg程度の高分子系固化剤2を添加すればよい
ことを示している。
【0026】以上は、登録商標「スミロック」のうちの
♯200を使用した高分子系固化剤2について説明した
が、♯400からなる高分子系固化剤2は、セメント系
または石灰系の固化剤と併用することによって、固化剤
としての効果がより一層発揮され、セメント系または石
灰系固化剤のような無機系固化剤の単独使用では得られ
ない効果が期待できるものである。
【0027】下記の表−3は、♯400の高分子系固化
剤2と石灰系固化剤を全く添加しない場合(実験No.
1)、♯400の高分子系固化剤2を使用せず、石灰系
固化剤のみを軟弱泥土に添加して処理土3を形成した場
合(実験No.2)、及び♯400の高分子系固化剤2と石
灰系の固化剤との併用により軟弱泥土を処理して処理土
3を形成した場合(実験No.3)の3通りの実験結果を示
したものである。
【0028】上記の表−3を参照すると、実験No.1の固
化剤を全く使用しない場合には、スランプ値が高く、処
理土の状態は非常に悪くて、使用不能であり、実験No.2
の場合、即ち石灰系固化剤のみを軟弱泥土に添加して処
理土3を形成した場合には、スランプ値は1.1cmで、
処理土の状態はほぼ良好であるが、泥土1m3 当り10
0kgもの石灰系固化剤を必要とするため、処理土が非常
に高価なものとなる。そして、実験No.3の場合、♯40
0の高分子系固化剤2と石灰系の固化剤との併用により
軟弱泥土を処理して処理土3を形成した場合には、スラ
ンプ値は0.2cmと非常に小さく、処理土の固化状態は
きわめて良好となり、しかも泥土1m3当り、1kgの高
分子系固化剤と50kgの石灰系固化剤で済むことにな
る。このように、♯400の高分子系固化剤2と石灰系
の固化剤とを併用した場合には、石灰系固化剤のみを軟
弱泥土に添加して処理土3を形成した場合に比べて、処
理土3を大幅にコストダウンできる利点がある。♯40
0の高分子系固化剤とセメント系固化剤とを併用する場
合の実験結果については示していないが、この場合にも
上記同様に処理土3のコストの大幅な低減化を図ること
ができる。
【0029】次に、本発明工法の一例を図2に基づいて
説明する。この図2に示すパイル造成装置において、ケ
ーシング4の上部にはホッパー5を備え、その上端部に
は起振機6が取り付けられている。ケーシング4は起振
機6の上下振動作用によって地盤中に貫入される。ホッ
パー5とケーシング4との連通路には、例えば常時はば
ね(図示省略)によって閉鎖位置に保持された開閉弁a
が設けられ、そのホッパー5に前述の処理土3が投入さ
れてホッパー5内を流下する時にその流動圧力によって
開閉弁aが開放されるようになっている。そして、開閉
弁aの閉鎖時にケーシング4の内部を高圧に維持して内
部の処理土3が流出し易いようにケーシング4内に圧縮
エアを供給するエア供給ノズル(図示省略)が設けられ
ている。尚、このパイル造成装置は、リーダ(図示省
略)の頂部より垂下された昇降操作用ワイヤー(図示省
略)によって吊持される。
【0030】本発明工法の実施にあたり、上記パイル造
成装置を、リーダ頂部より昇降用ワイヤーを介して吊持
した状態で、起振機6を作動し、ケーシング4を上下振
動させつつ、昇降用ワイヤーを繰り出しながら、このケ
ーシング4を地盤中に貫入してゆく(図2の及び参
照)。しかして、ケーシング4が地盤中の所定深度に達
したならば、起振機6の作動を停止し、図2のに示す
ように、処理土3をホッパー5よりケーシング4内部に
所要量投入する。この処理土3は、前述したように軟弱
泥土に高分子系固化剤(♯200)を所定量添加混合し
て団粒固化したものか、あるいは軟弱泥土に所定量の高
分子系固化剤2(♯400)を所定量のセメント系また
は石灰系固化剤と共に添加混合して団粒固化したもので
ある。尚、ケーシング4内への処理土3の投入は、ケー
シング4を地盤中に貫入する際に行ってもよい。
【0031】こうしてケーシング4内に処理土3を投入
した後、ケーシング4内に圧縮エアを供給して、その内
部を約1kg/cm2 程度に加圧した状態で、昇降操作用ワ
イヤーを巻取り操作しながら、ケーシング4を引き抜き
つつ、ケーシング4内部の処理土3をその下端部から地
盤中に排出し、図2のに示すように地盤改良パイル
P′を形成してゆく。そしてケーシング4を一定長さ引
き抜いた後、再び昇降操作用ワイヤーを繰り出しつつ起
振機6を作動させながら、ケーシング4を上記引抜き長
さの半分程度降下させて上記地盤改良パイルP′を圧縮
し、図2のに示すように拡径された地盤改良パイルP
を形成する。以降、上記のような操作を繰り返し行っ
て、地盤中に十分に締め固めされた地盤改良パイルPを
形成する(図2の及び参照)。
【0032】図3の〜は、他の構造のパイル造成装
置による施工順序を示す。この図3に示す造成装置で
は、外側の回転ケーシング7と内側の固定ケーシング8
とからなり、地盤中への貫入時には回転ケーシング7が
回転しつつ、外側ケーシング7と内側ケーシング8を地
盤中に貫入し、所定深度に達したならば、内側ケーシン
グ8から処理土3を地盤中に排出しつつ、外側ケーシン
グ7を逆転させながら、あるいは回転することなく内側
ケーシング8と共に引き抜き、その引き抜き途上でバイ
ブレーター9(バイブロフロット)の振動力によってケ
ーシング内部の処理土3の排出を促進し、且つ締め固め
するようになっている。図2も図3を公知の造成装置で
あり、本発明ではこの造成装置を採用することに何ら限
定されるものではないことは勿論である。
【0033】本発明工法に使用する処理土3は、軟弱泥
土1に高分子系固化剤2を添加混合するか、あるいは軟
弱泥土1に高分子系固化剤2をセメント系または石灰系
の無機固化剤と共に添加混合することにより団粒固化さ
れた粒状の土であって、一旦団粒固化された粒状処理土
3の各土粒子自体は、それ以上水分を吸収しないため、
再び泥土に戻ることがなく、そしてこの粒状化された処
理土3は、砂や砂利と同等もしくはそれ以上の通水性を
有する。従って、この処理土3がケーシング4,8から
地盤中に排出されて締め固められた地盤改良パイルPを
形成することにより、周囲地盤における土壌粒子間の間
隙水を吸収して地盤土壌の含水率を低下させると共に、
パイルP自体の体積を増大する。このように地盤改良パ
イルPが膨張することにより、その周囲地盤が圧密さ
れ、この圧密によって地盤強度が増強されることにな
る。
【0034】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、地盤改良
パイルを形成する材料として、従来工法のように砂や砂
利を使用するのではなく、軟弱泥土に高分子系固化剤を
添加混合することにより団粒固化した処理土を使用する
ものであって、軟弱泥土は、シールド工法や地下連続壁
工法等による掘削工事で排出される残土、あるいは河川
等の底に堆積している汚泥(スラッジ)その他の高含水
泥土を利用できるから、調達がきわめて容易である上、
それ自体のコストがかからず、しかもこの軟弱泥土の処
理に使用される高分子系固化剤は、高価なものではある
が、その使用量は、泥土1m3 当り1〜10kg程度(軟
弱泥土の含水率等により異なる)の量でよいから、砂や
砂利を使用しないことを勘案すると、従来工法に比べて
材料コストを大幅に低減でき、その経済的高価はきわめ
て甚大である。
【0035】また、地上において上記軟弱泥土に高分子
系固化剤を添加混合して処理土を形成するから、当然に
均一に且つ充分に攪拌混合することが可能で、両者の混
合にバラツキを生じることがない。
【0036】また、この発明に使用する処理土は、高分
子系固化剤が併有する吸水機能と凝集機能により団粒固
化されて、粒状となった処理土であり、一旦団粒固化さ
れた処理土の各土粒子は、それ以上水分を吸収しないた
め再び泥土に戻ることがなく、そしてこの粒状化された
処理土は、砂や砂利と同等もしくはそれ以上の通水性を
有するものであるから、地盤改良パイル形成用の材料と
して最適である。
【0037】しかして、この発明にあっては、上記のよ
うに粒状化された処理土を地盤中に貫入されるケーシン
グの内部に投入し、このケーシングを引き抜きながらそ
の内部の処理土を地盤中に排出し、地盤中に排出された
処理土が地盤中の水分を吸収して地盤改良パイルを形成
するから、軟弱地盤中に含まれる水分が処理土に吸収さ
れることによって周囲軟弱地盤の密度を高め、これによ
って軟弱地盤の地固めを有効に達成することができる。
【0038】請求項2に係る発明によれば、地上におい
て軟弱泥土に高分子系固化剤をセメント系固化剤等の無
機系固化剤と共に添加混合して団粒固化した処理土を形
成するものであるから、上述した請求項1に係る発明と
同様な高分子系固化剤の団粒固化作用と、セメント系固
化剤等の無機系固化剤が有する固化作用とによって、固
化剤としての作用がより一層発揮され、無機系固化剤単
独では得られない効果を奏することができる。そして、
特にこの発明によると、無機系固化剤の添加量が、無機
系固化剤単独で使用する場合に比べ約半分程度でよいか
ら、高分子系固化剤が高価ではあっても、従来工法に比
べて材料コストを大幅に低減できる効果がある。
【0039】請求項3に係る発明によれば、軟弱泥土と
して、シールド工法等による掘削工事で排出される残土
を利用することにより、河川等に底に堆積している汚泥
使用する場合に比べ、泥土の採取が容易でコストが安く
つくと共に、比較的土質の良い泥土が得られる。また、
掘削工事で排出される残土は、工事関係者等がそ廃棄処
分に非常に苦慮していることから、そのような残土を利
用することによって、工事関係者等にとってもきわめて
好都合である。
【0040】請求項4に係る発明によれば、高分子系固
化剤は天然植物性高分子を主成分とする固化剤であっ
て、PHが中性であるから、環境公害の問題を生起する
ことがない。即ち、従来工法では、砂や砂利等にセメン
ト系または石灰系の無機系固化剤を大量に添加している
が、このような無機系固化剤は、大量に添加するため処
理土が強アルカリ性となり、環境を汚染することから、
この処理土のPHを変えて中性化する必要があり、その
ために非常な手間と時間を要する。然るに、軟弱泥土を
上記高分子系固化剤で処理した処理土によれば、そのよ
うな中性化処理が不要となり、施工費をより一層低減で
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(D)は、本発明工法に使用する処
理土の形成工程を示す説明図である。
【図2】 本発明の施工例の一例を示す説明図である。
【図3】 本発明の施工例の他の一例を示す説明図であ
る。
【図4】 軟弱泥土のPH値に対する高分子系固化剤の
添加量を示すグラフで、砂質泥土の含水率30%の場合
である。
【図5】 同じく軟弱泥土のPH値に対する高分子系固
化剤の添加量を示すグラフで、砂質泥土の含水率50%
の場合である。
【符号の説明】
1 軟弱泥土 2 高分子系固化剤 3 処理土 4 ケーシング 5 ホッパー 6 起振機 7 外側ケーシング 8 内側ケーシング P 地盤改良パイル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−19341(JP,A) 特開 昭52−93110(JP,A) 特開 平8−302667(JP,A) 特開 平1−315400(JP,A) 特開 平1−158109(JP,A) 特開 平7−180138(JP,A) 特開 平1−176499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 3/12 101 E02D 3/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上において軟弱泥土に高分子系固化剤
    を添加混合して団粒固化した処理土を形成し、この処理
    土を地盤中に貫入されるケーシングの内部に投入し、こ
    のケーシングを引き抜きながらその内部の処理土を地盤
    中に排出して、地盤中に地盤改良パイルを形成するよう
    にした軟弱地盤の改良工法。
  2. 【請求項2】 地上において軟弱泥土に高分子系固化剤
    をセメント系固化剤等の無機系固化剤と共に添加混合し
    て団粒固化した処理土を形成し、この処理土を地盤中に
    貫入されるケーシングの内部に投入し、このケーシング
    を引き抜きながらその内部の処理土を地盤中に排出し
    て、地盤中に地盤改良パイルを形成するようにした軟弱
    地盤の改良工法。
  3. 【請求項3】 軟弱泥土として、シールド工法等による
    掘削工事で排出される残土を利用するようにした請求項
    1または2記載の軟弱地盤に改良工法。
  4. 【請求項4】 高分子系固化剤は、天然植物性高分子を
    主成分とする請求項1〜3のいずれか記載の軟弱地盤の
    改良工法。
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