JP6918547B2 - 粒状化処理土の作製方法及びこの方法を用いて盛り上がり部を粒状化処理する方法 - Google Patents

粒状化処理土の作製方法及びこの方法を用いて盛り上がり部を粒状化処理する方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理して粒状化処理土を作製する方法と、この方法を用いて盛り上がり部を粒状化処理する方法に関するものである。
従来、セメントやセメント系固化材による地盤改良工法において、特に柱状のセメント改良体を作製する場合、この柱状のセメント改良体の頭部を処理する必要がある。具体的には、セメントスラリー又はセメント粉体を注入して、土と撹拌混合すると、柱状のセメント改良体の上部に余剰のセメント改良土が盛り上がるため、既定の高さ(計画高さ)以上のセメント改良土(盛り上がり土)は、機械的な破壊や掘削により除去する必要があり、例えば施工当日や翌日等の低強度であるうちにバックホウなどの重機ではつるか或いは削り取る必要がある。
しかし、柱状のセメント改良体の仕上がり面の地表面から深さは、通常の地盤改良では2m程度であるが、地下室などの構造体を造る場合には4〜5m以上になる場合がある。柱状のセメント改良体の仕上がり面の地表面からの深さが3m以上になると、バックホウが届かず、バックホウで盛り上がり土をはつったり或いは削り取ることができない。このような場合、地盤改良の次工程の根切り掘削時に処理を行うことになるが、既に盛り上がり部は硬化して高強度となっているため、作業者がブレーカー等の掘削機を用いてはつり作業を行う。この作業は、重労働であり、多くの時間を要する問題点があり、またブレーカー等の掘削機を用いるため、振動や騒音を伴い、周辺地域への環境配慮という観点からも好ましくない。
これらの点を解消するために、回転軸先端に水平に回転翼を固着し、回転翼に複数の噴出口を設け液剤を注入しながら回転させ、杭頭部の余分な生コンクリートを分離し、硬化後に不要部分を削り取り、砕き易くした杭頭処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
このように構成された杭頭処理装置では、不要部分の生コンクリート内に回転軸を回転させながら回転軸先端の回転翼より液剤を注入し、撹拌・混合することにより生コンクリート内のセメントを薄めたので、セメントと骨材とが固着しなくなる。この結果、セメントと骨材とが分離して沈澱するため、硬化後の強度は非常に弱くなり不要部分を除去し易くなる。このように、比較的単純な構造と原理で、短時間に簡単に杭の不要部分を削り取ることができ、騒音や粉塵などを発生することなく杭頭処理を行うことができる。
また、ベースマシンから駆動力を受けて地中で回転し、ソイルセメントからなる柱状の地盤改良体を地中に形成する掘削撹拌装置と交換可能に形成される杭頭処理装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この杭頭処理装置では、地中で回転する軸体がベースマシンに装着される。また、地盤改良体の頭部に規定深さより盛り上がって形成された余剰部分が未硬化のソイルセメントからなり、この余剰部分を切削する複数の切刃が、軸体の底部に半径方向に延びて設けられる。
このように構成された杭頭処理装置では、ベースマシンに掘削撹拌装置を取付け、地中で掘削撹拌装置を回転させ所定深さまで地中を掘削撹拌し、所定深さまで至るソイルセメントからなる地盤改良体を形成した後に、掘削撹拌装置を地上まで引上げて、この掘削撹拌装置を杭頭処理装置に交換し、地盤改良体の頭部の未硬化のソイルセメントからなる余剰部分を杭頭処理装置の複数の切刃で切削して除去する。この結果、バックホウによる削り取り作業が不要になるので、作業の安全性が高くなり、しかも地盤改良体の頭部を高品位に仕上げることができる。
特開平06−212626号公報(請求項1、段落[0005]、[0008]、図1) 特開2016−108886号公報(請求項1及び3、段落[0014]、図1、図2及び図6)
しかし、上記従来の特許文献1に示された杭頭処理装置では、液剤が生コンクリート中にまばらに注入され、上載圧(鉛直方向の土圧)により周辺地盤に染み出され、杭の不要部分(杭頭)が再硬化してしまうおそれがあった。また、上記従来の特許文献2に示された杭頭処理装置では、掘削撹拌装置による掘削撹拌後の杭頭が、掘削撹拌装置による再撹拌、上載圧(鉛直方向の土圧)、周辺地盤からの水の供給等の影響を受け、再硬化するおそれがあった。以下、本明細書では「杭頭」を「盛り上がり部」という。更に、地盤を改良した直後であれば、盛り上がり部(余剰のセメント改良土)が未だ比較的軟らかいため、この盛り上がり部を柱状のセメント改良体上から容易に除去できるけれども、現場の状況によっては数ヶ月間盛り上がり部の処理を行うことができないことがある。数ヶ月間も盛り上がり部をそのまま放置すると、盛り上がり部が固化してしまう問題点があった。上記のように、盛り上がり部が再硬化或いは固化してしまうと、再硬化又は固化した盛り上がり部のはつり作業や削り取り作業に極めて多くの時間を要する問題点があった。なお、遅延剤などの薬液を盛り上がり部に添加・混合して固化を遅延させる方法もあるけれども、上記薬剤が計画予定の柱状のセメント改良体に混入すると、柱状のセメント改良体が強度不足になる問題点があった。
本発明の第1の目的は、遅延剤などの薬剤を添加せずに、粒状化処理土を作製した直後であっても或いは数ヶ月経過した後であっても、この粒状化処理土に対するはつり作業や削り取り作業を容易に行うことができる、粒状化処理土の作製方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、柱状のセメント改良体上の盛り上がり部を粒状化処理することにより、地盤改良直後であっても或いは地盤改良から数ヶ月経過した後であっても、この盛り上がり部を容易に除去できる、盛り上がり部を粒状化処理する方法を提供することにある。
本発明者らは、セメントやセメント系固化材による地盤改良工法により作製された柱状のセメント改良体のうち、規定高さ(計画高さ)以上の盛り上がり部の除去を実施する際に、この盛り上がり部を吸水性高分子物質又は生石灰のいずれか一方又は双方を添加混合して粒状化処理土により形成することで、盛り上がり部(余剰のセメント改良土)を容易に取り除くことができることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の第1の観点は、セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理した粒状化処理土の作製方法であって、粒状化処理剤が、吸水性高分子物質を含み、前記セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が2.8N/mm 2 以下であるうちに、前記吸水性高分子物質前記セメント改良土1m3に対して0.2kg〜55kgの割合で前記セメント改良土に含有させて、前記セメント改良土を粒状化処理することを特徴とする。
本発明の第2の観点は、セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理した粒状化処理土の作製方法であって、前記粒状化処理剤が、生石灰を含み、前記セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm 2 以下であるうちに、前記生石灰を前記セメント改良土1m 3 に対して20kg〜310kgの割合で前記セメント改良土に含有させて、前記セメント改良土を粒状化処することを特徴とする。
本発明の第3の観点は、セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理した粒状化処理土の作製方法であって、前記粒状化処理剤が、吸水性高分子物質及び生石灰を含み、前記セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が0.5N/mm 2 以下であるうちに、前記吸水性高分子物質を前記セメント改良土1m 3 に対して0.1kg〜50kgの割合で、かつ前記生石灰を前記セメント改良土1m 3 に対して10kg〜300kgの割合で、それぞれ前記セメント改良土に含有させて、前記セメント改良土を粒状化処理することを特徴とする。
本発明の第の観点は、地中に柱状のセメント改良体を形成した後で、第1ないし第3のいずれかの観点に記載された方法で盛り上がり部を粒状化処理する方法である。
本発明の第の観点は、地中に時間の経過とともに強度が高くなる柱状のセメント改良体が形成され、セメント改良体のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm2以下であるうちに、第1ないし第3のいずれかの観点に記載された方法で盛り上がり部を粒状化処理する方法である。
本発明の第1ないし第3のいずれかの観点に記載された粒状化処理土の作製方法では、セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が所定の値以下であるうちに、粒状化処理剤である所定量の吸水性高分子物質又は生石灰のいずれか一方又は双方をセメント改良土に含有させることにより、セメント改良土を上記粒状化処理剤で粒状化処理して粒状化処理土を作製するため、粒状化処理土を作製した直後であっても或いは数ヶ月経過した後であっても、この粒状化処理土をはつり作業や削り取り作業により容易に除去できる。これは、セメント改良土中に吸水性高分子物質等を均一に分散させると、吸水性高分子物質等がセメント改良土中の自由水を吸収することにより、セメント改良土の強度の発現させるためにセメントや固化体の水和に必要な水が奪われて、数ヶ月経過しても強度が発現しない粒状化処理土が得られるためであると考えられる。なお、雨水や地下水などの水が供給されても、吸水性高分子がセメント成分と化学的に結合しないため、再硬化せずに粒状化した状態に保たれて、強度的な弱部を形成する。
本発明の第の観点の盛り上がり部を粒状化処理する方法では、柱状のセメント改良体上の盛り上がり部を、第1ないし第3のいずれかの観点に記載された方法で粒状化処理すると、この盛り上がり部は数ヶ月経過しても強度が発現しない粒状化処理土により形成されているため、地盤改良直後であっても或いは地盤改良から数ヶ月経過した後であっても、盛り上がり部をはつり作業や削り取り作業で容易に除去できる。
本発明の第の観点の盛り上がり部を粒状化処理する方法では、セメント改良体のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm2以下であるうちに、第1ないし第3のいずれかの観点に記載された方法で粒状化処理すると、盛り上がり部を形成する部分のセメント改良土の上記抵抗値が小さいため、粒状化処理剤の撹拌・混合を比較的小さいエネルギで行うことができる。この結果、盛り上がり部を形成する部分のセメント改良土中に吸水性高分子物質等が均一に分散し、数ヶ月経過しても強度が発現しない粒状化処理土により盛り上がり部が形成されるので、この盛り上がり部をはつり作業や削り取り作業により容易に除去できる。
地中における柱状のセメント改良体及びその周囲の状態を示す断面構成図である。 地中に柱状のセメント改良体を作製する手順を示す断面構成図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。粒状化処理土は、セメントやセメント系固化材により改良されたセメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理することにより作製される。セメント系固化材は、セメント又はセメントをその成分の1つとして含み、更に高炉スラグ、消石灰又は石膏から選択された少なくとも1種の物質を含むことが好ましい。また、セメントとしては、ポルトランドセメント、C2S系特殊セメント〔2CaO・SiO2(ビーライト)セメントのクリンカー鉱物名〕、超速硬セメント、カルシウムサルホアルミネート系特殊セメントなどが挙げられる。
粒状化処理剤は、吸水性高分子物質又は生石灰のいずれか一方又は双方を含む。吸水性高分子物質としては、天然高分子類、合成高分子類、又はこれらの混合物から選択された少なくとも1種が用いられる。天然高分子類としては、デンプン系高分子物質、セルロース系高分子物質、ポリビニルアルコール系化合物、アクリル系高分子物質、縮合系ポリマー等が挙げられる。デンプン系高分子物質の具体例としては、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、デンプン−アクリルアミドグラフト重合体等が挙げられ、セルロース系高分子物質の具体例としては、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体等が挙げられ、ポリビニルアルコール系化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール架橋重合体等が挙げられる。また、アクリル系高分子物質の具体例としては、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリアクリロニトリル系重合体ケン化物、ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー等が挙げられ、縮合系ポリマーの具体例としては、無水マレイン酸系重合体、ポリエーテル系、エステル系ポリマー等が挙げられる。一方、合成高分子類としては、ビニロン系高分子物質、ポリエステル系高分子物質等が挙げられる。
粒状化処理剤が吸水性高分子物質であるとき、吸水性高分子物質がセメント改良土1m3に対して少なくとも0.2kg、好ましくは0.2〜55kg含有させて粒状化処理される。また、粒状化処理剤が生石灰であるとき、生石灰がセメント改良土1m3に対して少なくとも20kg、好ましくは20〜300kg含有させて粒状化処理される。更に、粒状化処理剤が吸水性高分子物質及び生石灰であるとき、吸水性高分子物質及び生石灰がセメント改良土1m3に対して少なくとも0.1kg及び10kg、好ましくは0.1〜50kg及び10〜150kgそれぞれ含有させて粒状化処理される。ここで、吸水性高分子物質や生石灰のセメント改良土1m3に対する含有割合を上記範囲に限定したのは、上記範囲未満では吸水性高分子物質等がセメント改良土中に行き渡らず数ヶ月経過するとセメント改良土の強度が発現してしまうからである。なお、吸水性高分子物質や生石灰の含有割合は、セメント改良土の湿潤密度を1.1〜2.2g/cm3とし、セメント改良土の含水率を10〜200%として求めた範囲である。
このように構成された粒状化処理土の作製方法では、粒状化処理剤が所定量の吸水性高分子物質又は生石灰のいずれか一方又は双方を含むので、これらの吸水性高分子物質等をセメント改良土中に均一に分散させると、吸水性高分子物質等がセメント改良土中の自由水を吸収することにより、セメント改良土の強度の発現させるためにセメントや固化体の水和に必要な水が奪われて、数ヶ月経過しても強度が発現しない粒状化処理土が得られる。この結果、セメント改良土を作製した直後であっても或いは数ヶ月経過した後であっても、このセメント改良土をはつり作業や削り取り作業により容易に除去できる。
上記粒状化処理土により盛り上がり部を形成する方法を図1及び図2に基づいて説明する。ここで、盛り上がり部とは、柱状のセメント改良体の頭部、即ち柱状のセメント改良体の計画高さH1より上方の余剰のセメント改良土をいう。図1に示すように、地中に柱状のセメント改良体11を作製する場合、この柱状のセメント改良体11の頭部に、盛り上がり部14と呼ばれる余剰のセメント処理土が発生するため、この余剰のセメント処理土を除去する必要がある。先ず、地中に柱状のセメント改良体を形成する。具体的には、先ず、図2(a)に示すように、機械式撹拌装置13のロッド13aの先端を施工すべき柱状のセメント改良体11の心に合せた後、ロッド13aを回転させ、図2(b)に示すように、必要に応じて所定の空掘り深度まで掘進する。次に、ロッド13aの先端からセメントやセメント系固化材からなるスラリー状の充填材を注入し、かつ羽根13b,13dを回転しながら、掘進する。これにより充填材と掘削土とを撹拌混合する。更に、図1及び図2(c)に示すように、所定の深さ(図1のH1の下端)に達したところで注入を停止し、ロッド13aを逆転して、充填材と掘削土とを撹拌混合しながら、ロッド13aを引上げる。そして、ロッド13aの先端が計画高さH1の上端(図1)まで引上げられたときに、粒状化処理剤の注入を開始し、羽根13b,13dを回転しながら、ロッド13aを引上げる。ここで、図2中の符号13cは、土の共回り現象を防止する共回り防止翼である。
上記地中に形成された柱状のセメント改良体は、時間の経過とともに強度が高くなる。このため、上記粒状化処理剤は、セメント改良体のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm2以下、好ましくは2.0N/mm2以下であるうちに、セメント改良体の計画高さH1の上端より上方の余剰のセメント改良土に注入される。これによりセメント改良体の計画高さH1の上端より上方に粒状化処理土からなる盛り上がり部が形成される。ここで、粒状化処理剤を注入するときのセメント改良体のプロクター針貫入抵抗値を3.0N/mm2以下に限定したのは、3.0N/mm2を超えるとセメント改良土の強度が高くなり過ぎて粒状化処理剤の注入時のセメント改良土の撹拌・混合に大きなエネルギが必要となり経済的でなく、またセメント改良土が十分に粒状化しないおそれがあるからである。また、プロクター針貫入抵抗値は、コンクリートの凝結試験方法(JIS A 1147)と同様の方法で測定した粒状化処理土の貫入抵抗値である。
なお、この実施の形態では、1工程で固化材注入及び粒状化処理を行ったが、2工程で固化材注入及び粒状化処理を行ってもよい。具体的には、この実施の形態では、ロッドの掘進時に固化材を注入しロッドの引上げ時に粒状化処理を行ったが、ロッドの掘進時に固化材を注入した後に、粒状化処理を行わずにロッドを引上げ、更に別の工程で粒状化処理を行ってもよい。また、この実施の形態では、粒状化処理土を作製する装置としては、柱状のセメント改良体を作製する機械式撹拌装置を使用し、セメントスラリーやセメント粉体を注入する代わりに、粒状化処理剤を添加して撹拌することで、計画高さH1の上端より上方に粒状化処理土を作製したけれども、携帯タイプで粒状化処理土を作製する専用の装置を作製して、この装置を用いて計画高さH1の上端より上方に粒状化処理土を作製してもよい。この場合、通常のハンドミキサーでも粒状化処理土を作製することが可能である。例えば、ハンドミキサーのロッドの長さを調整すれば、セメント改良体の計画高さが深くても、例えば地表から5m程度の深さであっても、粒状化処理土の作製が可能である。
このように形成された盛り上がり部、即ち柱状のセメント改良体の計画高さH1の上端より上方の余剰のセメント改良土は、数ヶ月経過しても強度が発現しない粒状化処理土により形成されているため、地盤改良直後であっても或いは地盤改良から数ヶ月経過した後であっても、盛り上がり部をはつり作業や削り取り作業で容易に除去できる。また、セメント改良体のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm2以下であるうちに、上記方法で作製された粒状化処理土により盛り上がり部を形成するので、盛り上がり部を形成する部分のセメント改良土の上記抵抗値が小さいため、粒状化処理剤の撹拌・混合を比較的小さいエネルギで行うことができる。この結果、盛り上がり部を形成する部分のセメント改良土中に吸水性高分子物質等が均一に分散し、数ヶ月経過しても強度が発現しない粒状化処理土により盛り上がり部が形成されるので、この盛り上がり部をはつり作業や削り取り作業により容易に除去できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
室内配合試験において、対象土として、粘性土(埼玉県新座市で採取、湿潤密度1.65g/cm3、含水比67.5%)を用い、セメント系固化材ユースタビラー50(宇部三菱セメント社製、記号:US50)の添加量を300kg/m3として、W/C=100%によるセメント改良土を作製した。ここで、W/C=100%とは、水(W)とセメント(C)の質量比が1:1であることをいう。そして、上記セメント改良土1m3に、粒状化処理剤として、3kgのソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質)を、セメント改良土の作製後1時間経過してから添加した。この粒状化処理土を実施例1とした。
<実施例2〜4及び比較例1>
セメント改良土の作製から粒状化処理剤(ソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質))の添加までの時間や、セメント改良土への粒状化処理剤の添加量を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして粒状化処理土をそれぞれ作製した。これらの粒状化処理土を実施例2〜4及び比較例1とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜4及び比較例1の粒状化処理土について、粒状化判定を目視により行い、プロクター針貫入抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1中の粒状化判定において、『優』は粒状化処理土の全体が粒状化した状態をいい、『良』は粒状化処理土の一部が粒状化した状態をいい、『不可』は粒状化処理土が粒状化しない状態をいう。また、表1中のプロクター針貫入抵抗値は、コンクリートの凝結試験方法(JIS A 1147)と同様の方法で測定した粒状化処理土の貫入抵抗値である。
Figure 0006918547
表1から明らかなように、セメント処理土の作製から粒状化処理剤の添加までの時間が24時間と長い比較例1では、プロクター針貫入抵抗値が5.5N/mm2と大きくなり、粒状化判定は粒状化しない状態となって不可であった。これに対し、セメント処理土の作製から粒状化処理剤の添加までの時間が1〜8時間と適切な範囲である実施例1〜4では、プロクター針貫入抵抗値が0.4〜2.8N/mm2と小さくなり、粒状化判定は全体が粒状化した状態となって優であるか、又は一部が粒状化した状態となって良であった。
<実施例5>
室内配合試験において、対象土として、関東ローム(神奈川県川崎市で採取、湿潤密度1.31g/cm3、含水比131.7%)を用い、セメント系固化材ユースタビラー50(宇部三菱セメント社製、記号:US50)の添加量を350kg/m3とし、W/C=60%によるセメント改良土を作製した。ここで、W/C=100%とは、水(W)とセメント(C)の質量比が1:1であることをいう。そして、上記セメント改良土1m3に、粒状化処理剤として、ソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質)を0.2kg添加した。この粒状化処理土を実施例5とした。
<実施例6〜15及び比較例2〜6>
粒状化処理剤の種類及び添加量や、セメント改良土の作製から粒状化処理剤の添加までの時間を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例5と同様にして粒状化処理土をそれぞれ作製した。これらの粒状化処理土を実施例6〜15及び比較例2〜6とした。
<比較試験2及び評価>
実施例5〜15及び比較例2〜6の粒状化処理土について、比較試験1と同様に、粒状化判定を目視により行い、プロクター針貫入抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。なお、表2中の粒状化判定において、『優』は粒状化処理土の全体が粒状化した状態をいい、『良』は粒状化処理土の一部が粒状化した状態をいい、『可』は粒状化処理土が粒状化しているが、ネバネバ又はパサパサして処理土として取扱い難い状態をいい、『不可』は粒状化処理土が粒状化しない状態をいう。また、表1中のプロクター針貫入抵抗値は、コンクリートの凝結試験方法(JIS A 1147)と同様の方法で測定した粒状化処理土の貫入抵抗値である。
Figure 0006918547
表2から明らかなように、粒状化処理剤を全く添加しない比較例2では、プロクター針貫入抵抗値が0.3N/mm2と小さかったけれども、粒状化判定は粒状化しない状態となって不可であった。粒状化処理剤としてソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質)をセメント改良土1m3に対して0.1kgと少なく添加した比較例3では、プロクター針貫入抵抗値が0.3N/mm2と小さかったけれども、粒状化判定は粒状化しない状態となって不可であった。これらに対し、粒状化処理剤としてソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質)をセメント改良土1m3に対して0.2〜55kgと適切な量を添加した実施例5〜8では、プロクター針貫入抵抗値が0.3N/mm2と小さく、しかも粒状化判定は一部が粒状化した状態となって良であるか、全体が粒状化した状態となって優であるか、又は処理土として取扱い難いが粒状化している状態となって可であった。
また、粒状化処理剤として生石灰(菱光石灰工業社製、記号:CaO)をセメント改良土1m3に対して0.1kgと少なく添加した比較例3では、プロクター針貫入抵抗値が0.3N/mm2と小さかったけれども、粒状化判定は粒状化しない状態となって不可であった。これに対し、粒状化処理剤として生石灰(菱光石灰工業社製、記号:CaO)をセメント改良土1m3に対して20〜310kgと適切な量を添加した実施例9〜11では、プロクター針貫入抵抗値が0.3N/mm2と小さく、しかも粒状化判定は一部が粒状化した状態となって良であるか、全体が粒状化した状態となって優であるか、又は処理土として取扱い難いが粒状化している状態となって可であった。
また、粒状化処理剤として生石灰(菱光石灰工業社製、記号:CaO)をセメント改良土1m3に対して50kgと適切な量を添加したけれども、セメント処理土の作製から粒状化処理剤の添加までの時間が7時間と長い比較例5では、プロクター針貫入抵抗値が3.1N/mm2と大きくなり、粒状化判定は粒状化しない状態となって不可であった。これに対し、粒状化処理剤として生石灰(菱光石灰工業社製、記号:CaO)をセメント改良土1m3に対して50kgと適切な量を添加し、セメント処理土の作製から粒状化処理剤の添加までの時間が6時間と適切である実施例12では、プロクター針貫入抵抗値が3.1N/mm2と小さくなり、粒状化判定は一部が粒状化した状態となって良であった。
更に、粒状化処理剤としてソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質)をセメント改良土1m3に対して0.05kgと少なく添加しかつ生石灰(菱光石灰工業社製、記号:CaO)をセメント改良土1m3に対して45kgと少なく添加した比較例6では、プロクター針貫入抵抗値が0N/mm2と抵抗がなかったけれども、粒状化判定は粒状化しない状態となって不可であった。これに対し、粒状化処理剤としてソイルハード(三菱化学社製、記号:SH、吸水性高分子物質)をセメント改良土1m3に対して0.1〜50kgと適切な量を添加しかつ生石灰(菱光石灰工業社製、記号:CaO)をセメント改良土1m3に対して10〜300kgと適切な量を添加した実施例13〜15では、プロクター針貫入抵抗値が0.3〜0.5N/mm2と小さくなり、しかも粒状化判定は一部が粒状化した状態となって良であるか、又は処理土として取扱い難いが粒状化している状態となって可であった。
本発明の粒状化処理土の作製方法は、例えば、地盤改良等を行う分野において好適に利用できる。
11 セメント改良体
14 盛り上がり部

Claims (5)

  1. セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理した粒状化処理土の作製方法であって、
    前記粒状化処理剤が、吸水性高分子物質を含み、
    前記セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が2.8N/mm 2 以下であるうちに、前記吸水性高分子物質前記セメント改良土1m3に対して0.2kg〜55kgの割合で前記セメント改良土に含有させて、前記セメント改良土を粒状化処理する
    ことを特徴とする粒状化処理土の作製方法。
  2. セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理した粒状化処理土の作製方法であって、
    前記粒状化処理剤が、生石灰を含み、
    前記セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm 2 以下であるうちに、前記生石灰を前記セメント改良土1m 3 に対して20kg〜310kgの割合で前記セメント改良土に含有させて、前記セメント改良土を粒状化処する
    ことを特徴とする粒状化処理土の作製方法。
  3. セメント改良土を粒状化処理剤で粒状化処理した粒状化処理土の作製方法であって、
    前記粒状化処理剤が、吸水性高分子物質及び生石灰を含み、
    前記セメント改良土のプロクター針貫入抵抗値が0.5N/mm 2 以下であるうちに、前記吸水性高分子物質を前記セメント改良土1m 3 に対して0.1kg〜50kgの割合で、かつ前記生石灰を前記セメント改良土1m 3 に対して10kg〜300kgの割合で、それぞれ前記セメント改良土に含有させて、前記セメント改良土を粒状化処理する
    ことを特徴とする粒状化処理土の作製方法。
  4. 地中に柱状のセメント改良体を形成した後で、請求項1ないし3いずれか1項に記載された方法で盛り上がり部を粒状化処理する方法。
  5. 地中に時間の経過とともに強度が高くなる柱状のセメント改良体が形成され、前記セメント改良体のプロクター針貫入抵抗値が3.0N/mm2以下であるうちに、請求項1ないし3いずれか1項に記載された方法で盛り上がり部を粒状化処理する方法。
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