JP2012229376A - 石炭灰湿潤砂及び石炭灰湿潤砂を活用した各種工事方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】産業廃棄物である石炭灰を活用しつつ、低コストで、軟弱土壌の性質によって地盤強度が影響されない石炭灰湿潤砂及び石炭灰湿潤砂を活用した各種工事方法を提供する。
【解決手段】表層地盤改良工事方法は、安定した支持地盤まで前記軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程と、前記掘削工程による掘削箇所に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂をバックホウにより搬入する搬入工程と、トンボで敷均された前記石炭灰湿潤砂をランマーで突き固め、ローラーで転圧することによって締め固めて固化させる転圧工程とからなる。
【選択図】図5
【解決手段】表層地盤改良工事方法は、安定した支持地盤まで前記軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程と、前記掘削工程による掘削箇所に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂をバックホウにより搬入する搬入工程と、トンボで敷均された前記石炭灰湿潤砂をランマーで突き固め、ローラーで転圧することによって締め固めて固化させる転圧工程とからなる。
【選択図】図5
Description
本発明は、道路工事,造成工事,埋立工事その他の土木建築工事における軟弱地盤の改質を主目的とする石炭灰湿潤砂及び石炭灰湿潤砂を活用した各種工事方法に関する。
この種の軟弱地盤の改質を主目的とするものとして、従来、軟弱土壌を掘り起こしてセメント系固化材に水を加えてスラリー状にした固化処理材を混合し、元に戻して地盤を固めるという方法が最も一般的である。また、撹拌翼の先端から固化処理材を注入し、撹拌して、軟弱地盤中に柱状の改良体を造る方法も知られている。
特許文献1には、石炭灰を活用して軟弱地盤を砂質土化する改質処理方法及び土質改良材に関する技術が開示されている。この技術は、軟弱土壌に対して、石炭灰を添加して凝結させることにより、内部摩擦角(剪断抵抗角)を指標とする物理的性質を増大させて砂質土化するとともに、凝結後の長期強度の発現を増補するようにしたものである。
この従来の軟弱土壌の改質処理方法及び土質改良材によれば、石炭灰を活用することにより、軟弱土壌の改質処理、具体的には砂土質化処理を行うことができる。
また、余剰石炭灰を大量に有効利用できるので、石炭灰の排出源である電力事業者はもとより、道路工事,造成工事,埋立工事その他の土木建築工事に関係する利用先の拡大をもたらすことが期待できる。ここでは、低コストの石炭灰に加えて固化処理材の量を低減可能であり、工事額の低減をもたらすことが期待できる。
しかしながら、従来の軟弱土壌の改質処理方法及び土質改良材は、石炭灰を活用しているものの、軟弱土壌の現場において、軟弱土壌を掘り起こして固化処理材を混合し、元に戻して地盤を固めるという点においては従来の方法と何ら変わらない。
したがって、従来の軟弱土壌の改質処理方法及び土質改良材は、この従来の方法に起因する問題、すなわち、(1)基礎跡等のコンクリート塊や瓦礫が混在する地盤においては、混合がうまくいかず十分な強度が得られない可能性が高いので、事前に撤去して良質土と置き換えておく必要があるという問題、及び、(2)地盤が腐植土(腐葉土)である場合には、十分な強度が得られない場合が多いため、事前に配合試験を実施して添加量を決定する必要があるという問題があった。
また、従来の軟弱土壌の改質処理方法及び土質改良材は、石炭灰を活用しているところ、(3)運搬における飛散防止のために加水によって湿灰加工された石炭灰は同種同士で粒状化しやすく、石炭灰を含む固化処理材を軟弱土壌に混合する際に石炭灰が粒状化したり、或いは、粒状化した石炭灰を含む固化処理材が軟弱土壌に混合される可能性が高いために、凝結後であっても粒状化した石炭灰が分離して十分な強度が得られないという問題があった。
さらに、(4)従来の軟弱土壌の改質処理方法及び土質改良材は、固化処理材の混合対象となる軟弱土壌の性質によって凝結後の地盤の強度が影響されるために、凝結後の地盤の強度に関する予測可能性が低く、地盤改質処理後の強度検査が必須となる問題があった。
これに対して、(5)軟弱地盤を改質して得られる強度はセメント系固化材の添加量を多くすれば向上できるが、セメント系固化材の添加量を多くすることは、原料コストを高くするので現実には採用できなくなる。
他方で、(6)石炭火力発電所等から発生する余剰石炭灰の大部分は産業廃棄物として埋め立て処分されており、その有効利用が望まれている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、石炭火力発電所等から発生する石炭灰を活用しつつ、低コストで、前述の問題を解消することができる石炭灰湿潤砂及び石炭灰湿潤砂を活用した各種工事方法を提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の石炭灰湿潤砂は、79〜89.5重量%の石炭灰と、2〜6重量%の高炉セメントと、3.5〜6重量%のセメント系固化材と、5〜9重量%の水とを、回転する混合パンと、該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置され前記混合パンとは独立して逆方向又は同一方向に回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーとを備えた高速攪拌ミキサーに装入して5〜7分間攪拌し、細かく混じり合っているが造粒には至っていない状態に混練してなり、固化すると4週圧縮強度が2600kN/m2以上、剪断強度が1270kN/m2以上となることを特徴としている。
請求項1に記載の石炭灰湿潤砂によれば、石炭灰は、酸化カルシウム(CaO)を含有するので自硬性を有し、且つ、運搬における飛散防止のために加水されるために、同種同士で粒状化しやすい性質があるが、回転する混合パンと、該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置され前記混合パンとは独立して逆方向又は同一方向に回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーとを備えた高速攪拌ミキサー(日本アイリッヒ株式会社製)で混練することにより、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを細かく混ぜ合わすことが可能であり、同種同士で粒状化することを防ぐことができる。これにより、(3)地盤改質処理後の地盤において、粒状化した石炭灰が分離して十分な強度が得られないという問題が解消する。
また、請求項1に記載の石炭灰湿潤砂によれば、(4)従来の土質改良材と異なり、石炭灰湿潤砂は、常に一定の強度を保持することが可能であり、且つ、軟弱地盤と置換するため、地盤改質処理後の強度に関する予測可能性が高く、地盤改質処理後の強度検査が不要となる。
請求項1に記載の石炭灰湿潤砂によれば、石炭灰を主要成分として用いているため、(6)産業廃棄物の有効利用を図ることができ、(5)低コストで、軟弱地盤を置換するという新規な地盤改質処理方法に使用するための石炭灰湿潤砂を提供することができる。
請求項1に記載の石炭灰湿潤砂によれば、混練物の混ざりが浅かったり、混ざりすぎて粒状化することなく、混練物が米糠が湿った状態に細かく混ざり合うため、(3)強度がより優れたものとなる。なお、混練物の混ざりが浅いとセメント系固化材が十分に効かず、一方、混ざりすぎて粒状化すると空隙ができやすいため、米糠が湿った状態に混練することが望ましい。
請求項2に記載の表層地盤改良工事方法は、軟弱地盤が、地盤面から地盤支持層まで2m程度以下の表層にある、表層地盤改良工事方法であって、安定した支持地盤まで前記軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程と、前記掘削工程による掘削箇所に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂をバックホウにより搬入する搬入工程と、トンボで敷均された前記石炭灰湿潤砂をランマーで突き固め、ローラーで転圧することによって締め固めて固化させる転圧工程とからなることを特徴としている。
請求項2に記載の表層地盤改良工事方法によれば、地盤面から地盤支持層まで2m程度以下の表層にある軟弱土壌の現場において、軟弱土壌を掘り起こして固化処理材を混合し、元に戻して地盤を固めるという従来の方法に代えて、軟弱地盤を置換するという新規な表層地盤改良工事方法を提供できるので、(1)基礎跡等のコンクリート塊や瓦礫が混在する地盤であっても、事前に撤去して良質土と置き換えておく必要がなく、また、(2)地盤が腐植土(腐葉土)である場合であっても、事前に配合試験を実施して添加量を決定する必要がなく、手間が省けるという利点がある。
また、請求項2に記載の表層地盤改良工事方法によれば、地盤面から地盤支持層まで2m程度以下の表層にある軟弱地盤を、石炭灰湿潤砂と置換するため、前述した石炭灰湿潤砂の利点を有する地盤改質処理が可能となる。
請求項3に記載の柱状地盤改良工事方法は、軟弱地盤が、地盤面から地盤支持層まで2m程度以上10m程度以下の範囲に渡る、柱状地盤改良工事方法であって、アースオーガーにより削孔し安定した支持地盤まで前記軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程と、前記掘削工程による掘削箇所に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入する搬入工程と、前記石炭灰湿潤砂をアースオーガーにより回転圧入して固化させる転圧工程とからなることを特徴としている。
請求項3に記載の柱状地盤改良工事方法によれば、2m程度以上10m程度以下の範囲に渡る軟弱土壌の現場において、軟弱土壌を掘り起こして固化処理材を混合し、元に戻して地盤を固めるという従来の方法に代えて、軟弱地盤を置換するという新規な柱状地盤改良工事方法を提供できるので、(1)基礎跡等のコンクリート塊や瓦礫が混在する地盤であっても、事前に撤去して良質土と置き換えておく必要がなく、また、(2)地盤が腐植土(腐葉土)である場合であっても、事前に配合試験を実施して添加量を決定する必要がなく、手間が省けるという利点がある。
また、請求項3に記載の柱状地盤改良工事方法によれば、2m程度以上10m程度以下の範囲に渡る軟弱地盤を、請求項1に記載の石炭灰湿潤砂と置換するため、前述した石炭灰湿潤砂の利点を有する地盤改質処理が可能となる。
請求項4に記載の土間コンクリートの下の地業工事方法は、栗石又は砕石,目潰し砂利の代わりに、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、ランマーで締め固めローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項4に記載の土間コンクリートの下の地業工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、土間コンクリートの下の地業工事の手間やコストを削減できる。
請求項5に記載の地中梁又は繋ぎ梁の下の地業工事方法は、掘削した梁底にバックホウを用いて、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項5に記載の地中梁又は繋ぎ梁の下の地業工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、地中梁又は繋ぎ梁の下の地業工事の手間やコストを削減でき、加えて、完成した地中梁又は繋ぎ梁下形成体上には、通り芯等を出すための墨打ちもできる。
請求項6に記載の中層程度までの建築物の基礎下の地業工事方法は、掘削した梁底にバックホウを用いて、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項6に記載の中層程度までの建築物の基礎下の地業工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、地中梁又は繋ぎ梁の下の地業工事の手間やコストを削減でき、加えて、完成した基礎下形成体上には、基礎芯や通り芯等の墨打ちもできる。
請求項7に記載の木造2階建建築住宅等の布基礎下又はベタ基礎下の地業工事方法は、捨てコンクリート,目潰し砂利及び/又は盛土の代わりに、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を投入し、ランマー及びローラーで締め固めて、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項7に記載の木造2階建建築住宅等の布基礎下又はベタ基礎下の地業工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、墨打ちもでき、前述の簡単な作業で済むため、手間やコストを削減でき、加えて、石炭灰湿潤砂の吸水性が低い(防水性が高い)ため、1階床部分の防湿性や木材の防蟻性・防腐性にも優れている。
請求項8に記載の浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の基礎工事方法は、掘削した基礎底にバックホウを用いて、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項8に記載の浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の基礎工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の基礎工事の手間やコストを削減できる。
請求項9に記載のカーポートや自転車置き場の床面工事方法は、土を浅く鋤き取った上に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を置き、トンボで地均しをした後、ランマーで締め固め、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項9に記載のカーポートや自転車置き場の床面工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、石炭灰湿潤砂は土間コンクリート自体に代用できるので鉄筋を入れる必要がなく、前述の簡単な作業で済むため、カーポートや自転車置き場の床面の施工工事の手間やコストを削減できる。
請求項10に記載の陸屋根の防水保護工事方法は、コンクリート下地防水の押え保護軽量コンクリートの代わりに、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入することを特徴としている。
請求項10に記載の陸屋根の防水保護工事方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済み、且つ、材料の単価が格段に安いため、手間やコストを削減でき、加えて、石炭灰湿潤砂は、比重が軽量で、吸水性が低く(防水性が高い)、クラックが入りにくいので、陸屋根の防水保護に優れている。
請求項11に記載の農道の舗装工事方法は、路盤材として、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を農道に搬入し、トンボで地均しして、ランマーやローラーで締め固めて、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴としている。
請求項11に記載の農道の舗装工事方法によれば、材料の単価が格段に安いため、特にコストを削減できる。また、請求項11に記載の農道の舗装工事方法によれば、従来のコンクリート舗装に比べてひびが入りにくいため、ひび割れから草が生えてくる等の問題が少ない。さらに、請求項11に記載の農道の舗装工事方法によれば、従来のコンクリート舗装はコテで押さえた後に乾くまで時間を要したが、ローラーで固めた時点でその上を歩いても支障が無く、短期間で施工が完了するという利点がある。
本発明によれば、(1)基礎跡等のコンクリート塊や瓦礫が混在する地盤であっても、事前に撤去して良質土と置き換えておく必要がなく、また、(2)地盤が腐植土(腐葉土)である場合であっても、事前に配合試験を実施して添加量を決定する必要がなく、(3)石炭灰が粒状化することなく、添加材と細かく混ざり合うため十分な強度が得られ、(4)地盤の強度に関する予測可能性が高く、地盤改質処理後の強度検査が不要となり、(5)低コストで、(6)石炭火力発電所等から発生する石炭灰を有効活用でき、環境に優しい石炭灰湿潤砂及び地盤改質処理方法を提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
1.石炭灰湿潤砂の構成及び製造方法
先ず、本発明に係る石炭灰湿潤砂は、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、回転する混合パン2と、混合パン2の中心位置から偏心した位置に配置され混合パン2とは独立して逆方向又は同一方向に回転する混合工具3と、混合パン2の内部に固定されて配置されたスクレーパー4とを備えた高速攪拌ミキサー1に装入して攪拌し、米糠が湿った状態に混練してなるものを含んで構成されている。
先ず、本発明に係る石炭灰湿潤砂は、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、回転する混合パン2と、混合パン2の中心位置から偏心した位置に配置され混合パン2とは独立して逆方向又は同一方向に回転する混合工具3と、混合パン2の内部に固定されて配置されたスクレーパー4とを備えた高速攪拌ミキサー1に装入して攪拌し、米糠が湿った状態に混練してなるものを含んで構成されている。
石炭灰は、微粉炭燃焼ボイラにおいて高温で微粉石炭を瞬時に燃焼させたときに発生する灰分であるフライアッシュと、循環流動層ボイラにおいて粗粉石炭を低温で燃焼させたときに発生する灰分であるCFBC灰との混合灰を用いている。これらのフライアッシュ及びCFBC灰の化学成分を表1に示す。
表1が示すように、CFBC灰は微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュに比べて、二酸化ケイ素(SiO2)が少なく、酸化アルミニウム(Al2O3)及び酸化カルシウム(CaO)が多くなっている。また、強熱減量に関しては、微粉炭燃焼ボイラ由来のフライアッシュの2.0〜4.9%の値に対して、CFBC灰は11.8〜15.7%の高い値を示している。なお、この表1は、混合灰を出荷している住友共同電力株式会社の試験結果に基づいて作成している。
石炭灰は、ボイラから排出された時点では石状態であり、この石状態のものが縦型ミルにかけられて粉状態になっているため、混練処理現場へ運搬する際の飛散を防止し、作業環境を含む環境保全下で処理又は施工を行えるように、石炭灰の含水量が5〜10重量%になるように加水又は加湿調整されている。
高炉セメントは、ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末を所定量混合して製造されたものであり、アルカリシリカ反応抑制対策がなされた規格である太平洋セメント株式会社製の高炉セメントB種を採用している。
セメント系固化材は、土と混合することにより速やかに反応し、軟弱土の固化処理を目的として開発された太平洋セメント株式会社製のジオセット(登録商標)を採用している。本発明においては、セメント系固化材は、土と混合するのではなく石炭灰等と混合する。このセメント系固化材は、土と混合すると水和反応により速やかに針状のエトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)を生成し、このエトリンガイトが粘土粒子を架橋し強固な骨格を形成させ、土を迅速に固化させる性質を有している。
これらの石炭灰,高炉セメント,セメント系固化材に水を加えて混練処理を施す。混練処理は、例えば図1に示すような日本アイリッヒ株式会社製の高速攪拌ミキサー1(DEV29)によって行なわれる。ここで、図1は、混練処理を実施する際に用いた高速攪拌ミキサー1の概略斜視図である。
図1に示すように、高速攪拌ミキサー1は、石炭灰等の被攪拌物体を収容し、被攪拌物体を収容した状態で回転する混合パン2と、この混合パン2の内部にあって混合パン2の中心位置から偏心した位置に配置され、混合パン2とは独立して回転する混合工具(「アジテーター」とも呼ぶ。)3と、混合パン2の内部に固定されて配置されたスクレーパー4とを備えている。混合パン2及び混合工具3はそれぞれ独立して回転方向及び回転数を設定することが可能であり、図2に示すように、混合パン2と混合工具3との回転方向を逆方向にする場合(以下、逆流攪拌という。)と、図3に示すように、混合パン2と混合工具3との回転方向を同一方向にする場合(以下、順流攪拌という。)の2種類の攪拌方法で攪拌することができる。なお、図2及び図3は、混合パン2及び混合工具3の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図であり、図中の太い矢印が混合パン2及び混合工具3の回転方向を表し、細い矢印が被攪拌物体の攪拌方向を表している。
この高速攪拌ミキサー1では、回転する混合パン2が連続的且つ効率良く被攪拌物体を回転している混合工具3の近傍へ移動させるので、被攪拌物体の混合が促進される。特に、逆流攪拌の場合には、混合パン2と攪拌工具3との高い速度差によって被攪拌物体が逆流し、高い剪断力が被攪拌物体に作用して被攪拌物体の混合が促進される。スクレーパー4は、垂直方向の流れを発生させるとともに、混合パン2の表面での被攪拌物体の滞留・固着を防止するためのものである。なお、図1に示す高速攪拌ミキサー1では、混合パン2が水平面に対して傾斜しているが、傾斜させずに水平としてもよく、また、混合工具3が混合パン2の内部に1基のみ配置されているが、2基以上配置してもよい。混合工具3を2基以上配置する場合には、混合工具3の形状は同一にする必要はなく変更してもよい。
このような高速攪拌ミキサー1に石炭灰,高炉セメント,セメント系固化材,水を装入して攪拌による混練処理を実施すると、攪拌時間が長くなるに伴って、粗粒率は低下し、しかも、混合工具3の回転速度が高くなるほど粗粒率の低下に及ぼす効果が大きくなることが分かっている。一方、撹拌時間が長くなりすぎると、硬化作用により造粒し始めることも明らかになっている。経験的に、高速攪拌ミキサー1の混合パン2の回転速度を30rpm,混合工具3の回転速度を960〜1100rpmにして、5〜7分間逆流攪拌するように設定すると、より細かく混じり合っているが造粒には至っていない米糠状態の石炭灰湿潤砂が得られる。
2.石炭灰湿潤砂の性能評価
前述の混合灰85重量%,高炉セメントB種3.5重量%,セメント系固化材(ジオライト)3.5重量%,水7.7重量%を、日本アイリッヒ株式会社製の高速攪拌ミキサー1(DEV29)にて、混合パン2の回転速度を30rpm,混合工具3の回転速度を1100rpmにして、6分間逆流攪拌して混練処理を行い、石炭灰湿潤砂の性能評価のための試料を作成した。なお、混合灰は加水による湿灰加工が施されており、試料の含水率は35.5重量%であった。
前述の混合灰85重量%,高炉セメントB種3.5重量%,セメント系固化材(ジオライト)3.5重量%,水7.7重量%を、日本アイリッヒ株式会社製の高速攪拌ミキサー1(DEV29)にて、混合パン2の回転速度を30rpm,混合工具3の回転速度を1100rpmにして、6分間逆流攪拌して混練処理を行い、石炭灰湿潤砂の性能評価のための試料を作成した。なお、混合灰は加水による湿灰加工が施されており、試料の含水率は35.5重量%であった。
性能評価試験は、強度評価のための一軸圧縮強度試験(7日,28日),比重評価のための計量試験,吸水率評価ための試験,及び,環境安全性評価のための溶出試験を実施した。
一軸圧縮強度試験の結果、7日強度が2.1N/mm、28日強度が2.6N/mmとなった。表2は、一般的な地盤改良で要求されている支持地盤の圧縮強度及び剪断強度の下限値を示しているが、石炭灰湿潤砂の4週圧縮強度(2600kN/m2)及び剪断強度(1270kN/m2)は、表2に示されている何れの値よりも格段に大きい値となった。
このことは、例えば表層地盤改良工事や柱状地盤改良工事等に石炭灰湿潤砂を用いた場合、十分な強度が得られることを意味し、施工後の強度に関する予測可能性が高くなるため、強度検査が不要となる。
3.地盤改質処理方法
続いて、本発明に係る、道路工事、造成工事、埋立工事その他の土木建築工事における軟弱地盤に対する地盤改質処理方法は、図4のフローチャートに示すように、安定した支持地盤まで軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程ST1と、掘削工程ST1による掘削箇所に石炭灰湿潤砂を搬入する搬入工程ST2と、敷均された石炭灰湿潤砂を転圧機械によって締め固める転圧工程ST3とからなる。
続いて、本発明に係る、道路工事、造成工事、埋立工事その他の土木建築工事における軟弱地盤に対する地盤改質処理方法は、図4のフローチャートに示すように、安定した支持地盤まで軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程ST1と、掘削工程ST1による掘削箇所に石炭灰湿潤砂を搬入する搬入工程ST2と、敷均された石炭灰湿潤砂を転圧機械によって締め固める転圧工程ST3とからなる。
本発明の係る地盤改質処理方法の実施形態の1つである表層地盤改良工法は、図5に示すように、軟弱地盤が、地盤面から地盤支持層まで2m程度以下の表層にある場合において、必要強度を確保するために、表層の軟弱地盤を石炭灰湿潤砂と置換する。
掘削工程ST1では、先ず、設計図により改良範囲を確認し、施工範囲の区画割りを行い、バックホウを用いて安定した支持地盤まで掘削を行う。この際、掘削した軟弱地盤は場外処分する。
搬入工程ST2では、バックホウにより石炭灰湿潤砂を搬入する。
転圧工程ST3では、基準層厚毎にトンボで地均しした後、ランマーで突き固め、ローラーで転圧する。搬入工程ST2及び転圧工程ST3の工程を例えば50cm程度毎に繰り返し、最終的なレベルまで達したら、仕上げの転圧を行う。
表層地盤改良工事に石炭灰湿潤砂を用いた場合、十分な強度が得られることは前述の通りである。
本発明の係る地盤改質処理方法の実施形態の1つである柱状地盤改良工法は、図6に示すように、軟弱地盤が、地盤面から地盤支持層まで2m程度以上10m程度以下の範囲に渡る場合において、必要強度を確保するために、安定した支持地盤まで柱状に掘削した軟弱地盤を石炭灰湿潤砂と置換する。
掘削工程ST1では、先ず、設計図により杭位置及び杭頭高を確認し、安定した支持地盤までアースオーガーにより削孔する。この際、スクリューによって地上に排出された軟弱地盤は場外処分する。
搬入工程ST2では、石炭灰湿潤砂を搬入する。転圧工程ST3では、アースオーガーにより回転圧入して転圧する。搬入工程ST2及び転圧工程ST3の工程を例えば50cm程度毎に繰り返し、最終的なレベルまで達したら、仕上げの転圧を行う。杭頭部分はランマーで締め固める。
柱状地盤改良工事に石炭灰湿潤砂を用いた場合、十分な強度が得られることは前述の通りである。
4.石炭灰湿潤砂の使用方法
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を土間コンクリートの下の支持地盤に使用する実施例を示す。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を土間コンクリートの下の支持地盤に使用する実施例を示す。
この実施例では、図7に示すように、土間コンクリートの下の支持地盤の施工工事において、設計厚100〜200mmになるように石炭灰湿潤砂を搬入し、ランマーで締め固めローラーで転圧する。
従来の土間コンクリートの下の支持地盤の施工工事においては、栗石又は砕石を手作業で敷き詰め、その上に目潰し砂利を施し、ランマー及びローラーで転圧していたが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、土間コンクリートの下の支持地盤の施工工事の手間やコストを削減できる。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を地中梁又は繋ぎ梁の下の支持地盤に使用する実施例を示す。
この実施例では、図8に示すように、地中梁又は繋ぎ梁の下の支持地盤の施工工事において、掘削した梁底に設計厚100mmになるようにバックホウを用いて前記石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧する。
従来の地中梁又は繋ぎ梁の下の支持地盤の施工工事においては、砕石砂利を厚さ50mm程度敷き詰めランマー等で締め固めした後、捨てコンクリートをポンプ車で圧送し、厚さ30〜50mmに打設していたが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、地中梁又は繋ぎ梁の下の支持地盤の施工工事の手間やコストを削減できる。なお、完成した地中梁又は繋ぎ梁下形成体上には、通り芯等を出すための墨打ちもできる。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を中層程度までの建築物の基礎下の支持地盤に使用する実施例を示す。
この実施例では、図9に示すように、中層程度までの建築物の基礎下の支持地盤の施工工事において、掘削した梁底に設計厚200〜250mmになるようにバックホウを用いて前記石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧する。
従来の中層程度までの建築物の基礎下の支持地盤の施工工事においては、栗石を手作業で厚さ100〜150mm敷き詰め、その上に目潰し砂利を施し、ランマー等で締め固めした後、捨てコンクリートをポンプ車で圧送し、厚さ50mmに打設していたが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、地中梁又は繋ぎ梁の下の支持地盤の施工工事の手間やコストを削減できる。なお、完成した基礎下形成体上には、基礎芯や通り芯等の墨打ちもできる。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の支持地盤に使用する実施例を示す。
この実施例では、図10に示すように、浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の支持地盤の施工工事において、掘削した基礎底に設計厚200〜300mmになるようにバックホウを用いて前記石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧する。
従来の浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の支持地盤の施工工事においては、栗石を手作業で厚さ120〜150mmに敷き詰め、その上に目潰し砂利を施し、ランマー等で締め固めした後、捨てコンクリートをポンプ車で圧送し、厚さ50mmに打設していたが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、前述の簡単な作業で済むため、浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の支持地盤の施工工事の手間やコストを削減できる。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を木造2階建建築住宅等の布基礎下の支持地盤に使用する実施例を示す。
この実施例では、図11に示すように、木造2階建建築住宅等の布基礎下の支持地盤の施工工事において、従来の捨てコンクリート,目潰し砂利及び盛土の代わりに石炭灰湿潤砂を投入し、ランマー及びローラーで締め固める。1階の床荷重は、従来の木造束又はプラスチック束で支える。
従来の木造2階建建築住宅等の布基礎下の支持地盤の施工工事においては、捨てコンクリート,目潰し砂利及び盛土で施工するが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、墨打ちもでき、前述の簡単な作業で済むため、手間やコストを削減できる。また、本発明に係る石炭灰湿潤砂は、表4に示す通り、吸水性が低く、1階床部分の防湿性や木材の防蟻性・防腐性にも優れている。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を木造2階建建築住宅等のベタ基礎下の支持地盤に使用する実施例を示す。
この実施例では、図12に示すように、木造2階建建築住宅等のベタ基礎下の支持地盤の施工工事において、従来の捨てコンクリート,目潰し砂利の代わりに石炭灰湿潤砂を投入し、ランマー及びローラーで締め固める。1階の床荷重は、従来の木造束又はプラスチック束で支える。
従来の木造2階建建築住宅等のベタ基礎下の支持地盤の施工工事においては、捨てコンクリート及び目潰し砂利で施工するが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、墨打ちもでき、前述の簡単な作業で済むため、手間やコストを削減できる。また、本発明に係る石炭灰湿潤砂は、表4に示す通り、吸水性が低く、1階床部分の防湿性や木材の防蟻性・防腐性にも優れている。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂をカーポートや自転車置き場の床面に使用する実施例を示す。
この実施例では、図13に示すように、カーポートや自転車置き場の床面の施工工事において、厚さ120〜180mm程度に土を浅く鋤き取った上に石炭灰湿潤砂を置き、トンボで地均しをした後、ランマーで締め固め、ローラーで転圧する。カーポートや自転車置き場の床面を着色したい場合、転圧後にポリウレタン樹脂塗料等で塗装してもよい。
従来のカーポートや自転車置き場の床面の施工工事においては、アスファルト舗装或いは土間コンクリートで施工するが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、石炭灰湿潤砂を使用するので十分な強度が得られる上に、石炭灰湿潤砂は土間コンクリート自体に代用できるので鉄筋を入れる必要がなく、前述の簡単な作業で済むため、カーポートや自転車置き場の床面の施工工事の手間やコストを削減できる。
厚さが150mmになるように石炭灰湿潤砂を床面に使用したカーポートの性能確認試験では、10トンのダンプトラックの1000回以上の出し入れに対してクラックが全く入らなかった。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂をコンクリート陸屋根の防水保護工事に使用する実施例を示す。
この実施例では、図14に示すように、コンクリート陸屋根の防水保護工事において、従来のコンクリート下地防水の押え保護軽量コンクリートの代わりに石炭灰湿潤砂を投入し、クラックタイト等の目地を入れ、ランマー及ローラーで締め固める。着色したい場合、ポリウレタン樹脂塗料等で塗装してもよい。
従来のコンクリート陸屋根の防水保護工事においては、軽量コンクリートを屋上までポンプ車で圧送して打設し、目地を入れていたが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、前述の簡単な作業で済み、且つ、材料の単価が格段に安いため、手間やコストを削減できる。また、石炭灰湿潤砂は、表3に示す通り、比重が軽量コンクリートの1.9に対して1.65と軽量であり、加えて、表4に示す通り、吸水性が低く防水性に優れ、クラックが入りにくいので、コンクリート陸屋根の防水保護材として好適である。
ここでは、本発明に係る石炭灰湿潤砂を農道の舗装材として使用する実施例を示す。
この実施例では、農道の舗装工事において、従来のコンクリート舗装を行うことなく、石炭灰湿潤砂を一輪車で農道に投入し、トンボで地均しして、手作業のランマーや手押しのローラーで締め固める。
従来の農道の舗装工事においては、生コン車が入れるところまで生コンクリートを運び、生コンクリートを一輪車で農道に投入し、コテで押さえていたが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、材料の単価が格段に安いため、特にコストを削減できる。また、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、従来のコンクリート舗装に比べてひびが入りにくいため、ひび割れから草が生えてくる等の問題が少ない。さらに、従来のコンクリート舗装はコテで押さえた後に乾くまで時間を要したが、この石炭灰湿潤砂の使用方法によれば、ローラーで固めた時点でその上を歩いても支障が無く、短期間で施工が完了するという利点がある。
なお、本発明は前述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 高速攪拌ミキサー
2 混合パン
3 混合工具
4 スクレーパー
2 混合パン
3 混合工具
4 スクレーパー
Claims (11)
- 79〜89.5重量%の石炭灰と、
2〜6重量%の高炉セメントと、
3.5〜6重量%のセメント系固化材と、
5〜9重量%の水とを、
回転する混合パンと、該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置され前記混合パンとは独立して逆方向又は同一方向に回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーとを備えた高速攪拌ミキサーに装入して5〜7分間攪拌し、
細かく混じり合っているが造粒には至っていない状態に混練してなり、固化すると4週圧縮強度が2600kN/m2以上、剪断強度が1270kN/m2以上となることを特徴とする石炭灰湿潤砂。 - 軟弱地盤が、地盤面から地盤支持層まで2m程度以下の表層にある、表層地盤改良工事方法であって、
安定した支持地盤まで前記軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程と、
前記掘削工程による掘削箇所に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂をバックホウにより搬入する搬入工程と、
トンボで敷均された前記石炭灰湿潤砂をランマーで突き固め、ローラーで転圧することによって締め固めて固化させる転圧工程とからなることを特徴とする表層地盤改良工事方法。 - 軟弱地盤が、地盤面から地盤支持層まで2m程度以上10m程度以下の範囲に渡る、柱状地盤改良工事方法であって、
アースオーガーにより削孔し安定した支持地盤まで前記軟弱地盤を掘削して場外処分する掘削工程と、
前記掘削工程による掘削箇所に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入する搬入工程と、
前記石炭灰湿潤砂をアースオーガーにより回転圧入して固化させる転圧工程とからなることを特徴とする柱状地盤改良工事方法。 - 土間コンクリートの下の地業工事方法であって、
栗石又は砕石,目潰し砂利の代わりに、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、ランマーで締め固めローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とする土間コンクリートの下の地業工事方法。 - 地中梁又は繋ぎ梁の下の地業工事方法であって、
掘削した梁底にバックホウを用いて、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とする地中梁又は繋ぎ梁の下の地業工事方法。 - 中層程度までの建築物の基礎下の地業工事方法であって、
掘削した梁底にバックホウを用いて、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とする中層程度までの建築物の基礎下の地業工事方法。 - 木造2階建建築住宅等の布基礎下又はベタ基礎下の地業工事方法であって、
捨てコンクリート,目潰し砂利及び/又は盛土の代わりに、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を投入し、ランマー及びローラーで締め固めて、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とする木造2階建建築住宅等の布基礎下又はベタ基礎下の地業工事方法。 - 浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の基礎工事方法であって、
掘削した基礎底にバックホウを用いて、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入し、トンボで地均しした後、ランマーで締め固め、レベルを確認して、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とする浄化槽底盤等の地下埋設物の基礎下の基礎工事方法。 - カーポートや自転車置き場の床面工事方法であって、
土を浅く鋤き取った上に、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を置き、トンボで地均しをした後、ランマーで締め固め、ローラーで転圧して、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とするカーポートや自転車置き場の床面工事方法。 - 陸屋根の防水保護工事方法であって、
コンクリート下地防水の押え保護軽量コンクリートの代わりに、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を搬入することを特徴とする陸屋根の防水保護工事方法。 - 農道の舗装工事方法であって、
路盤材として、石炭灰と、高炉セメントと、セメント系固化材と、水とを、混練してなる石炭灰湿潤砂を農道に搬入し、トンボで地均しして、ランマーやローラーで締め固めて、前記石炭灰湿潤砂を固化させることを特徴とする農道の舗装工事方法。
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JP2015209710A (ja) * | 2014-04-28 | 2015-11-24 | 五洋建設株式会社 | 飽和地盤の締め固め工法 |
JP2017113730A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 国立大学法人山口大学 | 低カルシウム流動床石炭灰の固化方法及び固化体 |
CN110865172A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-03-06 | 长沙理工大学 | 一种确定软塑改性土地基应急施工参数的土工试验方法 |
KR102185405B1 (ko) * | 2020-06-10 | 2020-12-01 | 권병암 | SGM(Soil Geolead Mixed)을 이용한 표층용 지반 고화 공법 |
KR102251843B1 (ko) * | 2020-12-11 | 2021-05-14 | (주)씨엘지오텍 | 건설 공사용 지반 개량 장치와 이를 이용한 표층 지반 또는 성토 지반의 보강 방법 |
JP2022020950A (ja) * | 2020-07-21 | 2022-02-02 | 株式会社相原組 | 石炭灰湿潤砂及び石炭灰湿潤砂を活用した各種工事方法 |
-
2011
- 2011-04-27 JP JP2011099895A patent/JP2012229376A/ja not_active Withdrawn
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