JP2017113730A - 低カルシウム流動床石炭灰の固化方法及び固化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】CaO含有量の少ない低カルシウム流動床石炭灰の新たなリサイクル技術を提供する。
【解決手段】高炉スラグ粉末、フライアッシュ、高カルシウム流動床石炭灰(CaOの含有量が10質量%超)、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、メタカオリン及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末のうち少なくとも1種類を含む活性フィラーと、ケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウムの水溶液、又はケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウムと水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムとの混合水溶液であるアルカリ溶液と、に低カルシウム流動床石炭灰を加えて混練し、養生して、固化させる低カルシウム流動床石炭灰の固化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、流動床ボイラーから排出される石炭灰(流動床石炭灰)のうちカルシウム(CaO)含有量の少ない低カルシウム流動床石炭灰のリサイクル技術に関し、より詳しくは低カルシウム流動床石炭灰をジオポリマー固化体に添加する固化技術に関する。
石炭灰は、石炭火力発電所では石炭を燃焼させて電気エネルギーを発生させる時に発生する残滓である。2013年度の石炭灰発生量は全体で1289万トンであった(内訳は、電気事業が993万トン、一般産業が296万トンである。)。前年度に対し、21万トン増加した。一方、2013年度の石炭灰の有効利用量は1249万トンであった。その内訳は、セメント分野の占める割合が有効利用量の67%(839万トン)と高い水準にある。その他の分野では、セメント混合材、人工超軽量骨材、道路材、埋立材、盛土材など多岐にわたり利用されている。
しかしながら、セメント生産量は近年減少傾向にあり、今後も大幅な増産を見込むことは難しい。また、自治体の都市ゴミや下水汚泥の焼却灰が競合することから、今後は引取り条件が悪化することが自明である。なお、灰捨処分に関しても最終処分場を確保することは困難になりつつある上に、自治体の産廃税課徴の動きが散見される。したがって、今後の石炭灰の増加に対処するためには、セメント原料以外の有効利用方法の開拓が重要な課題となっており、特に大量利用の可能性の大きい土木材料としての利用が期待されている。
石炭の燃焼方式は、微粉炭燃焼方式(PC方式)と循環流動床燃焼方式(CFB方式)の2タイプがある。PC方式の場合、燃焼温度は1500℃に達するため、石炭灰は溶融する。そのうち、85〜95%は燃焼ガス中に浮遊して球形粒子となり、電気集塵器で回収され(フライアッシュ)、残りの5〜15%はクリンカアッシュである。また、PC方式においてNO及びSOは、排煙脱硝・脱硫装置で所要の基準以下となるよう処理された後、煙突から排出される。フライアッシュのCaO含有量は5%以下である。一方、CFB方式の場合、燃焼温度は1000℃以下(800〜900℃)であり、NOの発生はなく、また石炭灰は溶融していないため、ガラス質化せず、角ばっている不定形のものとなる。CFB方式では、石炭に含まれる硫黄分が燃焼過程ではSOに転換することを避けるために、石灰石−石膏法、水酸化マグネシウム法及び活性炭法のいずれかの脱硫方式が利用されている。石灰石−石膏法や活性炭法を用いた場合には石炭灰にCaO成分は多く含まれる(15〜30%)が、水酸化マグネシウム法の場合、CaO低含有量(5%以下)の石炭灰が排出される。
近年、電力需給の逼迫や電気料金上昇、電力システム改革、発電設備の更新時期の到来等を背景に、発電出力11.25万kW未満の火力発電所(以下「小規模火力発電所」という。)の設置事業・計画が急増している。火力発電所で用いられる化石燃料としては、石炭と天然ガスが候補となるが、小規模火力発電所においては、天然ガスは発電原価に占める燃料価格の割合が高く、大規模な火力発電所に比べて効率が小さいため相対的に燃料費が増加すること、かつ、価格変動の影響を受けやすいこと、さらには、天然ガスを産出国で液化し、国内需要地まで運搬するための膨大なインフラ投資が必要となり、中小規模の需要家が独自に調達することが難しく、このため天然ガスの供給が可能な地点の制約を受けること等から、石炭が採用されやすいと考えられる。PC方式とCFB方式を比較すると、前者は、比較的、熱効率が高くなるが、バイオマス燃料においては高品位な燃料が必要になるのに対して、後者は、固体燃料であれば、バイオマス・廃棄物燃料等の高品位から低品位のもの、均質・不均質なもの等の多様な燃料を採用可能であり、これらを複数種類混焼する事例もある。これまではPC方式が主流であるが、CFB方式は、バイオマスや廃棄物燃料等多様な燃料種を専焼又は混焼で利用できることから、地球温暖化対策・廃棄物等の循環利用の点で長所があり、小規模火力発電所の場合にはCFB方式が今後益々増加すると想定できる。また、水酸化マグネシウム法は他の2つの方式と比べ、簡易で設備費が安価であるため、小規模火力発電所で多用されている。したがって、今後、CaO含有量の少ない低カルシウム流動床石炭灰の排出量は増加すると予想されている。
一方、アルカリ溶液の刺激を受け、縮重合反応を起こさせてモノリス化(ジオポリマー固化体)する方法は、高炉スラグ、フライアッシュ、都市ごみ焼却灰溶融スラグ及び下水汚泥焼却灰溶融スラグなどの産業廃棄物の新たな有効利用方法として多くの注目を集めている。フライアッシュ及びCaO含有量の多い高カルシウム流動床石炭灰は、活性フィラーとしてジオポリマー固化体の作製にリサイクルできることが確認されている(非特許文献1、2)。しかし、CaO含有量の少ない低カルシウム流動床石炭灰の固化方法については、ジオポリマー固化体の作製に利用できるかどうかを含めて、これまで研究例は皆無である。
P.T. Fernando, et al.:Alkali-activated binders: A review Part 1. Historical background, terminology, reaction mechanisms and hydration products, Construction and Building Materials, Vol.22, pp.1305−1314, 2008. T. Kihara, et al.: Consolidation of pressurized fluidized bed combustion ash (PF‐Ash) by the geopolymer technique at ambient temperature, Science for New Technology of Silicate Ceramics, CIMTEC 2002, pp.163-168, 2003.
以上の背景を踏まえて、本発明が解決しようとする課題は、ジオポリマー固化体の作製にCaO含有量の少ない低カルシウム流動床石炭灰の利用を試みて、低カルシウム流動床石炭灰の新たなリサイクル技術を提供することにある。
本発明によれば、「活性フィラー及びアルカリ溶液に低カルシウム流動床石炭灰を加えて混練し、養生して固化させる、低カルシウム流動床石炭灰の固化方法」及び「活性フィラー及びアルカリ溶液に低カルシウム流動床石炭灰を加えて混練し、養生して得られた、低カルシウム流動床石炭灰の固化体」が提供される。
アルカリ溶液(通常はJIS 1号水ケイ酸ナトリウム水溶液、又はJIS 1号水ケイ酸ナトリウム水溶液と苛性ソーダ水溶液の混合水溶液)と、金属イオンを溶出する能力に優れる活性フィラー、例えば、非晶質のメタカオリン、高炉スラグ・都市ゴミ/下水汚泥焼却灰溶融スラグ等のガラス質のスラグ類及びガラス質のフライアッシュのうち、少なくとも1種類とを混合すると、縮重合反応が生じ、ジオポリマー固化体を作製できる。前述のように、CaO含有量の多い高カルシウム流動床石炭灰は、ジオポリマー固化体を作製でき、活性フィラーの1種であると考えられる。一方、アルカリ溶液に金属イオンを溶出する能力に劣る粉末(以下「不活性フィラー」という。)、例えば、石英、赤泥などは、縮重合反応を生じず、固化できない。
後述するように本発明者らによる実験により、低カルシウム流動床石炭灰は不活性フィラーに分類できることが明らかになった。そこで、本発明では、低カルシウム流動床石炭灰の一部を活性フィラーで置換(代替)することでジオポリマー固化体を作製し、これによって低カルシウム流動床石炭灰の固化、すなわち、低カルシウム流動床石炭灰をジオポリマー固化体にリサイクルすることを可能とした。
本発明によれば、低カルシウム流動床石炭灰をジオポリマー固化体にリサイクルすることが可能となり、低カルシウム流動床石炭灰を有効利用することができる。
本発明の実施例による低カルシウム流動床石炭灰の固化体(低カルシウム流動床石炭灰を添加したジオポリマー固化体)の曲げ強度と圧縮強度の測定結果を示す。
低カルシウム流動床石炭灰は、前述のとおり循環流動床燃焼方式(CFB方式)により生成するCaO含有量の少ない流動床石炭灰である。CFB方式の多くの場合、低硫黄炭を燃焼するか又は水酸化マグネシウム法の脱硫方式を採用するため、石灰石は特に加えていない。したがって、流動床石炭灰の化学組成は微粉炭燃焼方式(PC方式)の石炭灰(フライアッシュ)と同様であり、CaOの含有量が少ない。
一方、最近は石炭のみならず、バイオマスや廃プラスチック燃料(RPF)を石炭と混合して燃焼する傾向にあり、いわゆる「専焼灰」と「混焼灰」の二種類の流動床石炭灰が排出されている。前述のように、石炭灰のリサイクルの定番と言えばセメント原料である。専焼灰はPC方式のフライアッシュと同等の化学組成をもつのでセメント原料として使うことができる。しかし、混焼灰はアルミナ分を多く含むことにより、セメント原料に不向きである。本発明では、専焼灰と混焼灰のいずれも低カルシウム流動床石炭灰としてジオポリマー固化体の作製に利用することができる。すなわち、本発明において低カルシウム流動床石炭灰としては、石炭単独又は石炭と廃棄物との混合物を例えば1000℃以下の流動床で燃焼して得られた粉状物を利用することができる。なお、本発明で利用する低カルシウム流動床石炭灰のCaO含有量は10質量%以下であり、典型的には5質量%以下である。
活性フィラーとしては、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、高カルシウム流動床石炭灰、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、メタカオリン及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末のうち少なくとも1種類を含むものを利用することができる。また、アルカリ溶液としては、ケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウムの水溶液、又はケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウムと水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムとの混合水溶液を利用することができる。
なお、本発明において、活性フィラーと低カルシウム流動床石炭灰の配合割合、並びにアルカリ溶液の固形分濃度及び使用量(以下、総称して「固化条件」という。)は、主として、固化体を製造する段階(硬化前)の流動性、及び固化体(製品)の強度などの性能に影響を及ぼす。したがって、これら固化条件は、製品の製造条件、用途等に応じ、固化体を製造する段階(硬化前)に求められる流動性や固化体(製品)に求められる性能などを考慮して適宜決定すればよい。
低カルシウム流動床石炭灰として専焼灰と混焼灰を利用し、ジオポリマー固化体の作製を試みた(以下の実験I〜VI)。石炭灰の排出時期によって、燃やした石炭の品質が変動するため、石炭灰の品質が異なる。表1には、本実施例で用いた3種類の低カルシウム流動床石炭灰(N11、N12、N12A)、及び高炉スラグ(BFS)の化学成分と物理性質を示す。なお、以下の説明では、3種類の低カルシウム流動床石炭灰及び高炉スラグを総称して「フィラー」という。
Figure 2017113730
混焼灰のCaO含有量は専燃灰より多い(10%以下)が、混焼灰のCaOは石炭以外の起源から来るものが殆どである。ただし、混焼灰のCaO含有量は10質量%以下であって、高炉スラグのCaO含有量と比べるとはるかに少ない。
<実験I>
混焼灰(N11)及び専焼灰(N12,N12A)をそれぞれ単独でアルカリ溶液と所定の液固比((アルカリ溶液の質量/フィラーの質量)で混合してジオポリマー固化体の作製を試みた。用いたアルカリ溶液は、次の1号液と0号液の2種類である。
・1号液:市販のJIS 1号水ケイ酸ナトリウム液(通称、1号水ガラス)を水で希釈し、比重1.27に調製したもの。
・0号液:1号液とモル濃度が10Mの苛性ソーダ水溶液を3:1の体積割合で混合して調製したもの(比重1.31)。
ジオポリマー固化体の作製に通常に使われるアルカリ溶液は0号液であるが、そのコストが高く、またコンクリート製造工場での苛性ソーダ水溶液の保管・計量及び排水処理に不便を生じるおそれがあるため、本実施例では1号液を用いた実験も行った。混焼灰(N11)は0号液と練り混ぜた後に発泡するため、発泡が停止してから再攪拌して泡を抜いた。発泡時間は20〜40分で、再攪拌は練り混ぜから1時間後に行った。発泡するのは、廃棄物燃料由来の金属アルミニウムが混焼灰に含まれる苛性ソーダなどのアルカリ環境で水素ガスを生じるためであると考えられる。他のフィラーとアルカリ溶液を用いた場合は発泡しないので、泡抜きのための再攪拌は行わなかった。
練混ぜ又は再攪拌の直後に20×20×80mmの角柱3個取の砲金製型枠に打込み、ラップで密閉して80℃又は60℃の高温養生を行い、ある程度硬化した段階(ほぼ3時間後)で脱型し、さらに所定の時間まで養生を続けた。2日材齢に3点法で曲げ強度を測定した。また、練混ぜ後から硬化開始までの時間、いわゆる可使時間を測定した。測定方法として、室温20±3℃の条件下で、平滑にした試料面を実験室用ミクロスパーテルで突き刺し、圧痕に液の進入が認められず、かつ圧痕が明瞭に残るまでの時間を計測し、可使時間とした。
実験Iの結果を表2及び表3に示す。
Figure 2017113730
Figure 2017113730
表2及び表3に示すように、アルカリ溶液として0号液より1号液を混焼灰と使う場合の方が可使時間は短い。混焼灰と1号液を用いたジオポリマーの可使時間は20分程度しかない。混焼灰と専焼灰のいずれかをフィラーとして単独使用した場合のジオポリマー固化体の曲げ強度は3MPa以下で、圧縮強度に換算すると15MPa以下となり、実用性のあるジオポリマー固化体の作製が困難である。これらの結果によれば、CaO含有量が少ない低カルシウム流動床石炭灰は、不活性フィラーに分類することができる。
<実験II>
混焼灰(N11)の一部を高炉スラグ微粉末(BFS)で置換してアルカリ溶液と混合し、ジオポリマー固化体の作製を行った。作製したジオポリマー固化体の性能を表4に示す。曲げ強度及び可使時間の測定方法は実験Iと同じである。
Figure 2017113730
表4に示すように、アルカリ溶液として0号液を使う場合は、BFSの置換率を0%から25%に増加すると、可使時間は5時間から35分まで短縮した。しかし、BFSの添加によって強度は大幅に増加したことが認められる。BFSの置換率が同じであれば、0号液を使った場合は、1号液より曲げ強度は高く、80℃の高温養生で曲げ強度が6MPa以上のジオポリマー固化体を作製できた(圧縮強度に換算すると、30MPa以上である)。
<実験III>
専焼灰(N12,N12A)の一部を高炉スラグ微粉末(BFS)で置換してアルカリ溶液と混合し、ジオポリマー固化体の作製を行った。作製したジオポリマー固化体の性能を表5及び表6に示す。曲げ強度及び可使時間の測定方法は実験Iと同じである。
Figure 2017113730
Figure 2017113730
表5に示すように、専焼灰(N12)の25%をBFSで置換し、0号液を使ったジオポリマーは、80℃で6時間養生した後の曲げ強度が9.63MPaであった。BFSを50%添加すれば、1号液を使っても、80℃6時間養生の試験体の曲げ強度は8.21MPaであった。つまり、BFSを添加すれば、専焼灰(N12)で圧縮強度が40MPa以上の常用コンクリート相当品を作製することができると言える。また、専焼灰(N12)とBFSを併用しても可使時間は1時間以上で型枠への打ち込み作業に問題はないと言える。
また、表6に示すように、専焼灰の2番目のサンプルN12AとBFSを併用する場合、BFSの置換率が50%と25%であれば、可使時間はそれぞれ2時間50分と10時間半であり、ジオポリマー固化体の作製作業に問題はないと考えられる。
表5及び表6に示すように、BFSの置換率が高いほど、又は養生温度が高いほど、ジオポリマー固化体の曲げ強度が高かった。BFSの置換率が50%の場合、1号液を使っても60℃以上の高温養生を行えば、曲げ強度が6.0MPa以上、つまり圧縮強度が30MPa以上のジオポリマー固化体を作製できることが認められた。
<実験VI>
専焼灰(N12)と高炉スラグ微粉末(BFS)を併用したジオポリマー固化体(ジオポリマーモルタル)を作製し、常温養生の性能を測定した。モルタルの調合を表7に示す。砂(細骨材)には豊浦砂を用いた。
Figure 2017113730
試験体の寸法は4×4×16cmとし、調合ごと3本の角柱試験体を20℃,0%R.Hの養生槽に28日材齢まで養生した後、3点法で曲げ強度を測定した。曲げ強度は、3本の試験体の平均値とした。曲げ試験後の折片を用いた圧縮試験を実施して、6つの折片の平均値を圧縮強度とした。
図1に曲げ強度及び圧縮強度の測定結果を示す。同図より、専焼灰とBFSを併用すると、常温養生でも圧縮強度は28MPa以上のジオポリマー固化体(ジオポリマーモルタル)を作製でき、BFSの置換率が高いほど、強度は大きいことが認められた。また、圧縮強度は曲げ強度の5倍以上であることがわかった。
以上の実験I〜VIの結果をまとめると、以下の知見が得られた。
a)CaO含有量の少ない低カルシウム流動床石炭灰は、混焼灰と専焼灰にかかわらず不活性フィラーであり、アルカリ溶液と混合して固化したモノリスは、実用上要求される強さがない。
b)低カルシウム流動床石炭灰の一部を活性フィラーである高炉スラグ微粉末で置換すれば、高温養生でも常温養生でも圧縮強度が30MPa以上のジオポリマー固化体を作製できる。
c)圧縮強度が30MPa以上のジオポリマー固化体を作製するために、高炉スラグ微粉末の置換率(混合率)は、0号液を用いた場合には25%以上、1号液を用いた場合には50%以上が好ましい。
d)高温養生の場合、養生温度を60℃以上にする必要がある。また、養生時間は12時間以内にすればよい。
e)50%以下の専焼灰を高炉スラグ微粉末で置換する場合、フィラーとアルカリ溶液の混合物の可使時間は80分程度であるが、混焼灰の25%を高炉スラグ微粉末で置換する場合は、可使時間は35分程度しかない。
f)混焼灰と0号液を使用する場合、高炉スラグ微粉末の置換有無にかかわらず、フィラーとアルカリ溶液の混合物は、練り混ぜた後の20〜40分の間に発泡するが、1号液を用いる場合は発泡しない。混焼灰の0号液による発泡特性を利用すれば、多孔質軽量固化体を作製できる。

Claims (5)

  1. 活性フィラー及びアルカリ溶液に低カルシウム流動床石炭灰を加えて混練し、養生して固化させる、低カルシウム流動床石炭灰の固化方法。
  2. 前記低カルシウム流動床石炭灰が、石炭単独又は石炭と廃棄物との混合物を流動床で燃焼して得られ、CaOの含有量が10質量%以下の粉状物である、請求項1に記載の低カルシウム流動床石炭灰の固化方法。
  3. 前記活性フィラーが、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、高カルシウム流動床石炭灰(CaOの含有量が10質量%超)、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、メタカオリン及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末のうち少なくとも1種類を含むものである、請求項1又は2に記載の低カルシウム流動床石炭灰の固化方法。
  4. 前記アルカリ溶液が、ケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウムの水溶液、又はケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウムと水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムとの混合水溶液である、請求項1から3のいずれかに記載の低カルシウム流動床石炭灰の固化方法。
  5. 活性フィラー及びアルカリ溶液に低カルシウム流動床石炭灰を加えて混練し、養生して得られた、低カルシウム流動床石炭灰の固化体。
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