JP7164747B1 - 砂杭造成方法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

【課題】施工時に発生する盛上がり土や残土を減らし、かつ中詰めの材料砂の使用を削減することで、施工全体の低コスト化及び環境負荷の低減を図ることができる砂杭造成方法を提供する。【解決手段】砂杭造成方法は、掘削・締固め部20とスパイラルスクリュー30を備えたケーシング10を用い、ケーシング10を地盤D中に所定の深度まで貫入させた後で、ケーシング10を逆回転させながら引き抜く時に、中詰め材料砂Sを排出すると共に、ケーシング周りから投入した地表Dhに排出した外詰め材料としての土壌Dd及びケーシング周りの土壌Ddをスパイラルスクリュー30にて地盤D中に引き込み、かつ打ち戻し時に、中詰め材料砂Sと地盤D中に引き込まれた土壌Ddを掘削・締固め部20の締固め面及びスパイラルスクリュー30にて締固めて砂杭Kを造成する。【選択図】図15

Description

本発明は、地盤中に締固め砂杭を造成する砂杭造成方法に関する。
この種の砂杭造成方法として特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載の砂杭造成方法は、外周面に傾斜羽根を形成した中空管(ケーシング)を用いている。即ち、中空管を正回転させて、中空管周りの土壌を傾斜羽根を介して地表に排出しながら中空管を地盤の所定深度まで貫入させ、中空管の引き抜き時に、中空管内の砂杭材料を排出し、この引き抜く際の砂杭材料の排出と打ち戻し(再貫入)を順次繰り返すことで、砂杭を造成している。
特開2018-76663号公報
しかしながら、前記従来の砂杭造成方法では、砂杭を造成する際に、周辺地盤に傾斜羽根により地表に排出された土壌の盛上がりが発生し、その盛上がり土や残土の処分費用が発生する。さらに、近年、中詰材料に使用する材料砂が値上がり傾向にあるため、施工全体の費用が嵩む。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、施工時に発生する盛上がり土や残土を減らし、かつ、中詰めの材料砂の使用を削減することで、施工全体の低コスト化及び環境負荷の低減を図ることができる砂杭造成方法を提供することを目的とする。
本発明の態様に係る砂杭造成方法は、地盤中にケーシングを回転させながら貫入し、引き抜く際の中詰め材料の排出と打ち戻しを繰り返すことで無振動・無騒音にて締固めて砂杭を造成する砂杭造成方法であって、外周面にケーシング周りの土壌を地表に排出する境界連結部を境にしてスパイラル幅の異なる異径のスパイラルスクリューを備えたケーシングを用いて本施工する前に施工確認のための仮施工を行い、次に、前記仮施工により目標値の条件が確定したら前記ケーシングを正回転させ、前記地盤を掘削して前記異径のスパイラルスクリューにてケーシング周りの土壌を地表に排出しながら前記ケーシングを前記地盤中に所定の深度まで貫入させて前記本施工に移行し、次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ引き抜く時に、前記ケーシング内から前記中詰め材料を排出すると共に、ケーシング周りから投入した前記地表に排出した外詰め材料としての土壌及びケーシング周りの土壌を前記異径のスパイラルスクリューにて前記地盤中にそれぞれ引き込み、次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ打ち戻して、前記ケーシング内から排出された前記中詰め材料と前記地盤中に引き込まれた前記土壌とを前記異径のスパイラルスクリューにて締固めて拡径し、次に、前記異径のスパイラルスクリューの前記境界連結部を境にして前記地表へ排出される土壌の排出量よりも地中に打ち戻される土壌の打ち戻し量の方を多くして、前記ケーシングの前記引き抜きと前記打ち戻しとを前記地表に至るまで繰り返し行って砂杭を造成することを特徴とする。
本発明の別の態様に係る砂杭造成方法は、地盤中にケーシングを回転させながら貫入し、引き抜く際の中詰め材料の排出と打ち戻しを繰り返すことで無振動・無騒音にて締固めて砂杭を造成する砂杭造成方法であって、先端に前記地盤を掘削・締固める掘削・締固め部と外周面にケーシング周りの土壌を地表に排出する境界連結部を境にしてスパイラル幅の異なる異径のスパイラルスクリューとを備えたケーシングを用いて本施工する前に施工確認のための仮施工を行い、次に、前記仮施工により目標値の条件が確定したら前記ケーシングを正回転させ、前記掘削・締固め部の掘削部にて前記地盤を掘削して前記異径のスパイラルスクリューにてケーシング周りの土壌を地表に排出しながら前記ケーシングを前記地盤中に所定の深度まで貫入させて前記本施工に移行し、次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ引き抜く時に、前記ケーシング内から前記中詰め材料を排出すると共に、ケーシング周りから投入した前記地表に排出した外詰め材料としての土壌及びケーシング周りの土壌を前記異径のスパイラルスクリューにて前記地盤中にそれぞれ引き込み、次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ打ち戻して、前記ケーシング内から排出された前記中詰め材料と前記地盤中に引き込まれた前記土壌とを前記掘削・締固め部の締固め面及び前記異径のスパイラルスクリューにて締固めて拡径し、次に、前記異径のスパイラルスクリューの前記境界連結部を境にして前記地表へ排出される土壌の排出量よりも地中に打ち戻される土壌の打ち戻し量の方を多くして、前記ケーシングの前記引き抜きと前記打ち戻しとを前記地表に至るまで繰り返し行って砂杭を造成することを特徴とする。
本発明によれば、施工時に発生する盛上がり土や残土を減らし、かつ、中詰めの材料砂の使用を削減することで、施工全体の低コスト化及び環境負荷の低減を図ることができる砂杭造成方法を提供することができる。
本発明の実施形態の砂杭造成方法に用いられる砂杭造成用施工装置を示す斜視図である。 上記砂杭造成用施工装置に用いられる砂杭造成用ケーシングの斜視図である。 上記砂杭造成用ケーシングの側面図である。 上記砂杭造成用ケーシングを先端側から見た図である。 図3を軸回りに90度回した側面図である。 上記砂杭造成用ケーシングの先端側の部分斜視図である。 上記砂杭造成用ケーシングの先端側の部分側面図である。 別の形態の砂杭造成用ケーシングの先端側の部分側面図である。 上記砂杭造成用ケーシングの中段部分の斜視図である。 上記砂杭造成用施工装置による本施工前の仮施工における地盤変位と材料砂使用量及び出来上がった砂杭径の関係を示す説明図である。 上記仮施工の工程を示すフローチャートである。 上記本施工における砂杭造成用ケーシングの貫入時の説明図である。 上記貫入時の掘削・締固め部の回転方向を示す図である。 上記本施工における砂杭造成用ケーシングの引き抜き時の説明図である。 上記引き抜き時の掘削・締固め部の回転方向を示す図である。 上記本施工における砂杭造成用ケーシングの打ち戻し時の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態の砂杭造成方法に用いられる砂杭造成用施工装置を示す斜視図である。図2は砂杭造成用施工装置に用いられる砂杭造成用ケーシングの斜視図である。図3は砂杭造成用ケーシングの側面図である。図4は砂杭造成用ケーシングを先端側から見た図である。図5は図3を軸回りに90度回した側面図である。図6は砂杭造成用ケーシングの先端側の部分斜視図である。図7Aは砂杭造成用ケーシングの先端側の部分側面図である。図7Bは別の形態の砂杭造成用ケーシングの先端側の部分側面図である。図8は砂杭造成用ケーシングの中段部分の斜視図である。図9は砂杭造成用施工装置による本施工前の仮施工における地盤変位と材料砂使用量及び出来上がった砂杭径の関係を示す説明図である。図10は仮施工の工程を示すフローチャートである。図11は本施工における砂杭造成用ケーシングの貫入時の説明図である。図12は貫入時の掘削・締固め部の回転方向を示す図である。図13は本施工における砂杭造成用ケーシングの引き抜き時の説明図である。図14は引き抜き時の掘削・締固め部の回転方向を示す図である。図15は本施工における砂杭造成用ケーシングの打ち戻し時の説明図である。
図1に示すように、砂杭造成用施工装置1は、前部にリーダ2を立設した施工機本体3と、ワイヤ4の巻き回しによりリーダ2に沿って昇降動して杭材料(中詰め材料)としての砂Sを搬送する昇降バケット5と、強制昇降装置6によりリーダ2に沿って昇降動すると共に、回転駆動装置7により回転自在に支持された円筒状の砂杭造成用ケーシング(中空管)10と、強制昇降装置6と回転駆動装置7とに連結される連結管8と、強制昇降装置6に取り付けられ、ケーシング10に砂Sを供給するホッパー9と、このホッパー9の排出口5b側と連結管8との間に設けられ、ホッパー9内に供給された砂Sをケーシング10側へ自然落下により供給する供給用配管9bと、を備えている。
図1に示すように、ホッパー9は四角枠状に形成されていて、強制昇降装置6に取り付けられている。そして、ホッパー9の供給口9aに昇降バケット5の排出口5bより砂Sが供給されるようになっている。また、砂杭造成用ケーシング10は、回転駆動装置7の連結部7aに連結用ホルダー12を介して着脱自在に取り付けられるようになっている。尚、図1中符号5aは昇降バケット5の供給口を示す。また、供給用配管9bは、連結管8に斜めに貫通するように取り付けられていて、ホッパー9から供給された砂Sを連結管8内に自然落下により供給するものである。
図1、図2に示すように、砂杭造成用ケーシング10は、金属製で円筒状のケーシング本体11を有しており、このケーシング本体11を地盤D中に回転させながら貫入し、引き抜く際の砂(杭材料:内詰め材料)Sの排出と打ち戻し(再貫入)を順次繰り返すことで、無振動・無騒音にて砂S及び残土(外詰め材料)Ddを締固めて拡径の砂杭Kを造成するものである。
図1~図3、図5に示すように、円筒状のケーシング本体11の基端部11aには、ケーシング本体11を回転駆動装置7に着脱自在に連結するための連結用ホルダー12を備えている。また、円筒状のケーシング本体11の先端11bには、ケーシング本体11よりも大径に形成された円筒状の取付リング13が固定されている。尚、円筒状の取付リング13が円筒状のケーシング本体11よりも大径に形成されているのは、貫入時のケーシング本体11のフリクション軽減と土圧の軽減を図るためである。また、図5に示すように、ケーシング本体11の長さ(高さ)Hは、例えば100cm(H=100cm)に、その外径Qは、例えば40cm(Q=40cm)に設定されている。
また、図3~図5に示すように、円筒状のケーシング本体11の内周面11cには、180度隔てた先端側の位置と中段側の位置に下方に向けて高圧水または高圧エアの高圧流体(図示省略)を噴射する内ノズル14が取り付けられている。そして、上中段に位置する各内ノズル14,14には、ケーシング本体11の基端部11aの外側に180度隔てて設けられた各供給口15からケーシング本体11の内周面11cに沿って下方へ延びるように配設された各供給管16を介して高圧流体が供給される。この各内ノズル14より噴射される高圧流体により、ケーシング本体11を引き抜く際の砂Sの抜けを良くしている。
さらに、図2~図5に示すように、円筒状のケーシング本体11の先端11bに固定された取付リング13には、ケーシング本体11の先端開口11dを横切るように放射状に架け渡され、地盤Dを掘削・締固める掘削・締固め部20が取り付けられている。
図2、図6、図7に示すように、掘削・締固め部20は、ケーシング本体11の先端開口11dの中心軸X上の位置にある頂部21と、この頂部21からケーシング本体11の先端11b側に延びて固定される複数(この実施形態では3本)の傾斜部22と、を有して放射状に形成されている。
図2、図4、図6、図12に示すように、頂部21は、三角形の頂面(先端面)21aと六面から成る先端側面(先端面)21bとで角錐状に形成されている。この頂面21aの中央には、一つの掘削ビット21cが半円球状または角状に突設されている。また、角錐六面を形成する先端側面21bには、複数の掘削ビット21cが半円球状または角状にそれぞれ突設されている。
図2、図3、図6に示すように、複数の傾斜部22の内側がL字状に切欠かれた基端22aがケーシング本体11よりも大径の取付リング13に溶接によりそれぞれ固定されている。また、図6、図12に示すように、各傾斜部22のケーシング本体11の正回転(右回転である正転)方向R側(図12中上側にある傾斜部22の左縁側)には、地盤Dを掘削する掘削部としての掘削刃22bを有する掘削面22cが形成されている。この掘削面22cの掘削刃22bよりの位置には、掘削刃22bに沿って複数の掘削ビット22dが半円球状または角状にそれぞれ突設されている。さらに、図6、図14に示すように、各傾斜部22のケーシング本体11の逆回転(左回転である逆転)方向L側(図14中上側にある傾斜部22の右側から掘削刃22b側)には、地盤Dを締固める締固め面22eが湾曲面状に形成されている。尚、図6に示すように、各傾斜部22は、先端側に先端側傾斜面22fを、基端側に基端側傾斜面22gを有している。
また、図7Aに示すように、頂部21の先端側面21bは、ケーシング本体11の中心軸Xに対して例えば30度(θa=30°)傾斜している。さらに、各傾斜部22は、ケーシング本体11の中心軸Xに対して例えば15度(θ=15°)傾斜している。また、傾斜部22の先端から取付リング13までの長さ(高さ)Haは、例えば70cm(Ha=70cm)に設定されている。
さらに、図7Bの別の形態の砂杭造成用ケーシング10では、掘削・締固め部20の頂部21の先端側面21bがケーシング本体11の中心軸Xに対して例えば60度(θc=60°)傾斜し、各傾斜部22がケーシング本体11の中心軸Xに対して例えば30度(θb=30°)傾斜している。また、傾斜部22の先端から取付リング13までの長さ(高さ)Hbは、例えば35cm(Hb=35cm)に設定されている。これら傾斜角や長さの異なる傾斜部22は、改良する地盤Dの状況により使い分けられる。
図2、図5、図11に示すように、ケーシング本体11は、外周面11eに該ケーシング本体11を地盤D中に貫入する際に周囲(ケーシング周り)の土壌Ddを地表Dhに排出するスパイラルスクリュー30を有している。このスパイラルスクリュー30により地表Dhに排出(排土)された土壌Ddは、施工の周囲の地表Dhに盛り上がって盛り上がり土の残土となり、この盛り上がり土の残土を外詰め材料として本実施形態では杭材料の一部として利用することで処分することができるようになっている。
図5、図8に示すように、スパイラルスクリュー30は、ケーシング本体11の先端の最下段から中段にかけてスパイラル幅Eが大径で金属板製の大径スパイラルスクリュー31と、中段から上段側にかけてスパイラル幅Fが小径で金属板製の小径スパイラルスクリュー32と、を有する異径のスパイラルスクリューである。これら大径スパイラルスクリュー31と小径スパイラルスクリュー32との境界連結部33の大径スパイラルスクリュー31側には、傾斜した傾斜段差部34が設けられている。この傾斜段差部34を境にして地表Dhへ排出される土壌Ddの排出量よりも地中に打ち戻される土壌Ddの打ち戻し量の方が多くなるように調整されて砂杭Kが造成される。尚、図5に示すように、大径スパイラルスクリュー31の外径Mは、例えば60cm(M=60cm)に、そのスパイラル幅Eは、例えば10cm(E=10cm)に設定されている。また、小径スパイラルスクリュー32の外径Nは、例えば50cm(N=50cm)に、そのスパイラル幅Fは、例えば5cm(F=5cm)に設定されている。
次に、前記構成の砂杭造成用施工装置1を用いて本施工する前の仮施工及びその工程を図9及び図10に示すフローチャートに沿って説明する。この仮施工は、本施工する際の周辺環境の影響を低減するために、地盤Dの地表Dhからの盛り上がりや沈下の発生を減らし、最適な杭材料量で目標値の杭径を造成するために本施工前に行う施工確認のためにする施工である。
まず、図9の[A]で示すように、通常(標準)の静的締固め砂杭工法(SAVE)と同じサイクルで施工し、地表Dhからの盛り上がりや砂杭径を確認する(ステップS1)。この際、図9の[B]で示すように、スパイラルスクリュー30を備えたケーシング10のみで、材料砂なしの状態で施工し、地盤Dの沈下や砂杭径を確認する。
次に、図9の[C]で示すように、施工条件(サイクル、ケーシングの回転速度、砂量)をそれぞれ替えて仮施工し、それらの施工の可否を確認する(ステップS2)。これらの仮施工からサイクル等の施工条件を見直しながら砂杭径、砂量、盛り上がり量を確認する(ステップS3)。尚、図9[A]、[B]、[C]中、円形(〇)は本施工適正(OK)を示し、楕円形は本施工不適正(NG)を示す。
次に、中詰め材料と外詰め材料の使用量を調整し(ステップS4)、地盤Dの変位と沈下量を確認する(ステップS5)。地盤Dの盛り上がり量や沈下量が多い場合には、施工条件(サイクル、ケーシングの回転速度、砂量)を更に見直す。そして、目標値の条件が確立(ステップS6)したら本施工に移行する。
次に、砂杭造成用施工装置1を用いて本施工する工程を、図11~図15に沿って説明する。
まず、図11、図12に示すように、強制昇降装置6と回転駆動装置7を介して砂杭造成用ケーシング10のケーシング本体11を正回転方向Rに回転させて掘削・締固め部20の掘削刃22b及び掘削面22cにて地盤Dを掘削して、ケーシング本体11を地盤Dに所定の深度まで貫入させる。この際に、スパイラルスクリュー30にてケーシング周りの土壌Ddを地表Dhに排出する。また、ケーシング本体11の中段から上段側にかけて設けられた大径スパイラルスクリュー31よりも小径の小径スパイラルスクリュー32によりケーシング周りの土壌Ddから地表Dhへ排出される排土を、下段から上段側にかけて同径のスパイラルスクリューのみを設けた従来のケーシングよりも大幅に減らすことができる。
次に、図13、図14に示すように、強制昇降装置6と回転駆動装置7を介してケーシング本体11を逆回転方向Lに回転させながら適宜の長さ引き抜く時に、ケーシング本体11内から内詰め材料としての砂Sを排出すると共に、ケーシング本体11の外側のケーシング周りから投入した地表Dhに排出した外詰め材料としての土壌Dd及びケーシング周りの土壌Ddをスパイラルスクリュー30にて地盤D中にそれぞれ落とし込む(引き込む)。この際、砂Sの排出量とケーシング本体11の外側から投入する土壌Ddの投入量を、例えば、砂Sの排出量4に対して土壌Ddの投入量6の比率(4:6)で地盤D中に落とし込む。
次に、図15に示すように、強制昇降装置6と回転駆動装置7を介してケーシング本体11を逆回転方向Lに回転させながら適宜の長さ打ち戻して、ケーシング本体11内から排出された砂Sと地盤中に落とし込まれた土壌Ddとを掘削・締固め部20及びスパイラルスクリュー30にて締固めて拡径する。この際、掘削・締固め部20の締固め面22e及びスパイラルスクリュー30の大径スパイラルスクリュー31にて効率良く締固め及び拡径ができる。また、スパイラルスクリュー30の大径スパイラルスクリュー31は、小径スパイラルスクリュー32より大径であるため、ケーシング本体11の外周面11eに粘性土やシルト等が付着した際に周辺地盤の落とし込み効果が低減させることがなく、効率良く土の落とし込みができ、打ち戻し時の拡径圧力により拡径されて締固められた砂杭Kが造成される。
次に、ケーシング本体11の前述の引き抜きと前述の打ち戻しとを地表Dhに至るまで順次繰り返し行うことにより、図1に示すように、拡径されて締固められた砂杭Kが完成する。
以上実施形態の砂杭造成方法によれば、中詰め材料として砂Sを用い、ケーシング10のケーシング本体11の外側から投入する外詰め材料として地表Dhに排出した土壌Ddや既にある周辺地盤の盛上がり土や残土Ddを、例えば、砂Sの排出量4対して土壌Dd6の比率(4:6)で落とし込んで砂杭Kを造成することにより、施工時に発生する盛上がり土や残土を減らすことができ、かつ、中詰め材料である砂Sの使用量を削減することができ、施工全体の低コスト化を図ることができる。
また、ケーシング本体11内に投入する中詰め材料とケーシング周りに投入する外詰め材料の各投入量や引込み量及びケーシング10の回転速度をそれぞれ調整して砂杭Kを造成すれば、施工時に発生する地盤Dの盛上がりや沈下の地盤変位を減らすことができ、周辺環境の影響を低減することができる。
さらに、異径のスパイラルスクリュー30の傾斜段差部34を境にして地表Dhへ排出される土壌Ddの排出量よりも地中に打ち戻される土壌Ddの打ち戻し量の方が多くなるように調整して砂杭Kを造成することにより、施工時に発生する盛上がり土や残土を大幅に減らすことができ、この点からも周辺環境の影響を低減することができる。
尚、前記実施形態によれば、ケーシング本体の内周面に高圧流体を噴射する内ノズルを設けたが、ケーシング本体の外周面に高圧流体を噴射する外ノズルを設けても良い。
また、前記実施形態によれば、掘削・締固め部を頂部からケーシング本体の先端側に延びて取付リングに固定される3本の傾斜部を有して放射状に形成したが、掘削・締固め部を頂部からケーシング本体の先端側に延びて取付リングに固定される2本或いは4本の傾斜部を有して放射状に形成しても良い。
さらに、前記実施形態によれば、ケーシング本体内に投入する中詰め材料として砂の代わりに盛上がり土や残土を使用しても良い。この中詰め材料として盛上がり土や残土を使用した場合、施工全体の低コスト化より一段と図ることができる。尚、盛上がり土や残土が中詰め材料として使用できない状態の場合には、盛上がり土や残土を中詰め材料として使用できる状態まで改質してから使用すれば良い。
10 砂杭造成用ケーシング(ケーシング)
20 掘削・締固め部
22b 掘削刃(掘削部)
22c 掘削面(掘削部)
22e 締固め面
30 異径のスパイラルスクリュー
31 大径スパイラルスクリュー
32 小径スパイラルスクリュー
33 境界連結部
34 傾斜段差部
D 地盤
Dh 地表
Dd ケーシング周りの土壌、盛上がり土、残土(外詰め材料)
S 砂(杭材料:内詰め材料)
K 砂杭
R 正回転方向(正転方向)
L 逆回転方向(逆転方向)
E,F スパイラル幅

Claims (5)

  1. 地盤中にケーシングを回転させながら貫入し、引き抜く際の中詰め材料の排出と打ち戻しを繰り返すことで無振動・無騒音にて締固めて砂杭を造成する砂杭造成方法であって、
    外周面にケーシング周りの土壌を地表に排出する境界連結部を境にしてスパイラル幅の異なる異径のスパイラルスクリューを備えたケーシングを用いて本施工する前に施工確認のための仮施工を行い、
    次に、前記仮施工により目標値の条件が確定したら前記ケーシングを正回転させ、前記地盤を掘削して前記異径のスパイラルスクリューにてケーシング周りの土壌を地表に排出しながら前記ケーシングを前記地盤中に所定の深度まで貫入させて前記本施工に移行し、
    次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ引き抜く時に、前記ケーシング内から前記中詰め材料を排出すると共に、ケーシング周りから投入した前記地表に排出した外詰め材料としての土壌及びケーシング周りの土壌を前記異径のスパイラルスクリューにて前記地盤中にそれぞれ引き込み、
    次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ打ち戻して、前記ケーシング内から排出された前記中詰め材料と前記地盤中に引き込まれた前記土壌とを前記異径のスパイラルスクリューにて締固めて拡径し、
    次に、前記異径のスパイラルスクリューの前記境界連結部を境にして前記地表へ排出される土壌の排出量よりも地中に打ち戻される土壌の打ち戻し量の方を多くして、前記ケーシングの前記引き抜きと前記打ち戻しとを前記地表に至るまで繰り返し行って砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成方法。
  2. 地盤中にケーシングを回転させながら貫入し、引き抜く際の中詰め材料の排出と打ち戻しを繰り返すことで無振動・無騒音にて締固めて砂杭を造成する砂杭造成方法であって、
    先端に前記地盤を掘削・締固める掘削・締固め部と外周面にケーシング周りの土壌を地表に排出する境界連結部を境にしてスパイラル幅の異なる異径のスパイラルスクリューとを備えたケーシングを用いて本施工する前に施工確認のための仮施工を行い、
    次に、前記仮施工により目標値の条件が確定したら前記ケーシングを正回転させ、前記掘削・締固め部の掘削部にて前記地盤を掘削して前記異径のスパイラルスクリューにてケーシング周りの土壌を地表に排出しながら前記ケーシングを前記地盤中に所定の深度まで貫入させて前記本施工に移行し、
    次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ引き抜く時に、前記ケーシング内から前記中詰め材料を排出すると共に、ケーシング周りから投入した前記地表に排出した外詰め材料としての土壌及びケーシング周りの土壌を前記異径のスパイラルスクリューにて前記地盤中にそれぞれ引き込み、
    次に、前記ケーシングを逆回転させながら適宜の長さ打ち戻して、前記ケーシング内から排出された前記中詰め材料と前記地盤中に引き込まれた前記土壌とを前記掘削・締固め部の締固め面及び前記異径のスパイラルスクリューにて締固めて拡径し、
    次に、前記異径のスパイラルスクリューの前記境界連結部を境にして前記地表へ排出される土壌の排出量よりも地中に打ち戻される土壌の打ち戻し量の方を多くして、前記ケーシングの前記引き抜きと前記打ち戻しとを前記地表に至るまで繰り返し行って砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成方法。
  3. 請求項又は記載の砂杭造成方法であって、
    前記中詰め材料として砂を用い、前記ケーシング周りに投入する外詰め材料として前記地表に排出した土壌の他に既にある周辺地盤の盛上がり土の残土を用いて前記砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成方法。
  4. 請求項又は記載の砂杭造成方法であって、
    前記ケーシング内に投入する前記中詰め材料とケーシング周りに投入する外詰め材料の各投入量及び前記ケーシングの回転速度をそれぞれ調整して前記砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成方法。
  5. 請求項又は記載の砂杭造成方法であって、
    前記ケーシングの先端の最下段から中段にかけてスパイラル幅の広い大径スパイラルスクリューと前記中段から上段にかけてスパイラル幅の狭い小径スパイラルスクリューとを有する前記異径のスパイラルスクリューを用い、
    前記大径スパイラルスクリューと前記小径スパイラルスクリューとの前記境界連結部の前記大径スパイラルスクリュー側に傾斜して設けられた傾斜段差部を境にして前記地表へ排出される土壌の排出量よりも地中に打ち戻される土壌の打ち戻し量の方が多くなるように調整して前記砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成方法。
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