JP2008063916A - 地盤改良工法と地盤改良装置 - Google Patents

地盤改良工法と地盤改良装置 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

【課題】圧縮水を用いることなく掘削し、硬化材が不要で、現状の表層土と充填した中詰め材により良好な支持力を得ることができる地盤改良工法と地盤改良装置を提供する。
【解決手段】先端側にスクリュー33を設けたロッド21を回転して表層土52を解しながら掘削し、ロッド21が軟弱層53に達したら、解した表層土52を軟弱層53に押し込みながら掘削孔51を形成し、この掘削孔51に砕石を充填する。締め固まった表層土52は、解し掘削を行い、表層以下の軟弱層53にその解した土52と砕石を押込むことで支持力を確保することができる。また、軟弱層53に押込んだ表層土52と砕石の体積は現状の軟弱地盤土粒子を圧密し、施工域全体の軟弱層53を締め固め、強固な地盤に改良し、さらに軟弱層53を掘削しないため掘削孔51の崩壊による品質不良を防止することが可能となる。
【選択図】図10

Description

本発明は、地盤改良工法と地盤改良装置に関する。
従来、硬化材を用いることなく地盤改良を行う工法として、振動部の振動と先端部からのジェット水の噴射によりバイブロフロットを地盤中に貫入し、さらに砕石や砂利等の中詰め材を投入しながら引き抜いて、周囲の地盤を締固めると共に地盤中に中詰め材の柱を形成する(公報第1頁右欄第17行〜第2頁右上欄第1行)工法が記載され、また、バイブロフローテーション工法における振動部の振動と振動部先端からの第1の圧縮空気の噴射とにより前記振動締固め装置を地中に貫入して穿孔を形成すると同時に、前記振動締固め装置の外周からの第2の圧縮空気の噴射と前記ロッド部の軸方向に設けた偏平板の作用により前記外周の空隙を拡幅保持する工程と、前記穿孔を形成した後、振動締固め装置を引き抜きながら前記空隙に中詰め材を投入する工程とからなる振動締固め工法(公報特許請求の範囲)が提案されている。
上記特許文献1のジェット水を噴射する工法では、ジェット水により地表に泥水が吐き出され、この泥水と共に地中の水溶性微細土粒子等が排出され、この水溶性微細土粒子は、腐食土等の含まれる成分で、加重支持土質としては不適当であって、締め固めを行っても強度が得られないものである。しかし、単にジェット水を噴射するだけでは、上記の水溶性微細土粒子等の締め固めに不向きな成分を効率良く排出することができない。また、上記振動締固め工法のように圧縮空気の噴射と振動により締め固める工法では、締め固めに限界があると共に、その中詰め材周囲の地盤を効率良く締め固めることができない。また、施工の機械装置が大型であり、振動を伴うため住宅地等の狭小地での工事は不適当である。
そこで、杭の下端に圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと圧縮空気を噴射する圧縮空気用ノズルとを設け、それらノズルから圧縮水と圧縮空気とを噴射して地中に所定深さまで打ち込んで掘削孔を形成し、前記圧縮水と圧縮空気との噴射により地中の微細粒子を前記杭に沿って上昇させると共に、地表に排出し、この微細粒子を排出した後、前記圧縮空気の噴射を停止又は噴射圧を下げ、前記杭を引き抜くと共に、この引き抜き時に掘削孔内に中詰め材を投入する地盤改良工法を提案しており、この地盤改良によれば、下方に向かって噴射した圧縮空気と圧縮水とにより、鋼矢板の下方の掘削孔において、土粒子(土塊)の攪拌が行われ、圧縮空気が泡となって上昇する際に土粒子を揺動して分解が行われ、これにより分解した微細粒子たる水溶性微細粒子が上昇水流と泡の上昇に伴うリフトアップ効果によりに地表に効率よく排土される。そして、掘削孔内に投入した中詰め材を圧縮水により圧密して圧密柱を形成することができる(特許文献2)。
上記特許文献2の地盤改良工法では、圧縮水と圧縮空気とを用いることにより、硬化材等が不要で、加重支持土質に不向きな水溶性微細土粒子等を良好に排出することができる。しかし、この地盤改良工法でも、単に圧縮水の圧力を上げただけでは、それ以上の効果が得られず、逆に大量の圧縮水の使用による泥水処理費用が発生するため施工原価が高くなる。この泥水量を削減できれば、工費の削減が可能となる。
そこで、ロッドの下端から圧縮水と圧縮空気とを噴射して該ロッドを地中に所定深さまで押し込んで掘削孔を形成し、この掘削孔に中詰め材を充填する地盤改良工法において、前記ロッドの下端にスクリューを設け、前記ロッドの下端が計画深さに達する前に、前記スクリューを反掘削方向に回転しながら前記ロッドを押し込み方法(例えば特許文献3)が提案されている。
特開平3−281815号公報 特開2000−80639号公報 特開2001−307143号公報
上記特許文献3の方法では、噴射した圧縮水と圧縮空気とにより、ロッドの下方の掘削孔において、土粒子(土塊)の攪拌が行われ、土粒子を揺動して分解が行われ、これにより分解した微細粒子たる水溶性微細粒子が上昇水流に伴うリフトアップ効果によりに地表に効率よく排土される。そして、スクリューを反掘削方向に回転しながらロッドを押し込むことにより、ロッドの下方が圧密され、所定深さまで形成された掘削孔の下方は圧密された部分となり、この掘削孔内に中詰め材を充填し、この中詰め材による柱部分とその下方の圧密された部分とにより、高い支持圧が得られる。このようにスクリューの反掘削方向の回転による圧密を用いるため、圧密に必要な圧縮水の使用量を削減でき、或いは不要となる。
しかし、この特許文献3の地盤改良工法でも、掘削に際し、圧縮水を噴射する必要があり、装置においては、圧縮水を噴射する装置を必要とし、工事においては、発生する泥土の処理などが必要であった。また、施工工程として計画杭長の事前掘削を行い、次に中詰め材を投入するため、土質によっては掘削孔壁の崩壊が起き構築杭の強度が不均一になる虞もある。
そこで、本発明は、圧縮水を用いることなく、軟弱地盤層を掘削せず、硬化材が不要で、現状の表層土と充填した中詰め材により良好な支持力を得ることができる地盤改良工法と地盤改良装置を提供することを目的とする。
先端側にスクリューを設けたロッドを回転して、掘削孔壁の崩壊のない締め固め可能な表層土を解しながら掘削し、前記ロッドが軟弱層に達したら、スクリューを掘削方向と逆方向に回転しながら前記解した表層土を軟弱層に押し込むことで表層にスクリュウーの直径と同じ掘削孔を形成する。また、施工機械重量の反力を利用して軟弱層に押込まれた表層土は軟弱地盤内に圧密された土塊として形成される。更に、掘削孔に採石を投入し圧密された土魂上に採石を堆積させる。一定量堆積した採石に施工機械重量を加え締め固め、採石魂を形成すると同時に、前記の土魂と共に下方向に押込む。更に採石を投入し、この繰り返し作業を計画の支持力が確保できるまで行う。これにより軟弱地盤を掘削しないで地中に採石杭を構築し、更に投入採石の体積に見合う軟弱地盤土粒子を圧密することで施工域全体の地耐力を向上する地盤改良ができる。
請求項1の発明は、軟弱地盤の地盤改良工法において、軟弱層を掘削しないで、締め固め可能な表層土及び中詰め材を前記軟弱層内に押し込み、支持杭の構築と軟弱層の圧密とを行う工法である。
また、請求項2の発明は、先端側にスクリューを設けたロッドを回転して締め固まった表層土を解しながら掘削し、前記ロッドが軟弱層に達したら、前記ロッドを逆回転させて、前記解した表層土を軟弱層に圧入する工法である。
また、請求項3の発明は、地表に開いた掘削孔に中詰め材を投入し、前記ロッドの逆回転により、投入された中詰め材を前記軟弱層に圧入し、支持杭を構築する工法である。
また、請求項4の発明は、先端側にスクリューを設けたロッドを同位置で回転させ、中詰め材を投入することにより、前記中詰め材の水平拡散を利用して前記スクリュウー直径以上の基礎杭を構築する工法である。
また、請求項5の発明は、前記ロッドの先端側から圧縮空気を噴射する工法である。
また、請求項6の発明は、前記表層土を解しながら掘削する際、前記ロッドを上下動し、前記ロッドが軟弱層に達したら、スクリューを掘削方向と逆方向に回転しながらロッドを押し込み、掘削孔に充填した中詰め材に対して前記ロッドを上下動して突き込む工法である。
また、請求項7の発明は、表層土に掘削孔用のケーシングを挿入した後、表層土を解しながら掘削する工法である。
また、請求項8の発明は、先端側にスクリューを設けたロッドと、このロッドの先端側に設けられ圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射口と、前記ロッドを正逆回転駆動する回転駆動手段と、前記スクリューの先端側に設けた掘削ビットと、前記スクリューの基端側に設けた掘削ビットとを備えるものである。
また、請求項9の発明は、前記表層土に回転しながら挿入される掘削孔用のケーシングと、このケーシングに着脱可能に設けられ前記ロッドの回転を前記ケーシングに伝達する回転伝達部材とを備えるものである。
請求項1〜3の構成によれば、締め固まった表層土は、解し掘削を行い、表層以下の軟弱層にその解した土と砕石を押込むことで支持力を確保することができる。また、軟弱層に押込んだ表層土と中詰め材の体積は現状の軟弱地盤土粒子を圧密し、施工域全体の軟弱層を締め固め、強固な地盤に改良し、さらに軟弱層を掘削しないため掘削孔の崩壊による品質不良を防止することが可能となる。
また、請求項4の構成によれば、軟弱層内の一定深度の位置でロッドを逆回転させながら、砕石を投入すると、スクリュウ上に乗った砕石などの中詰め材は下降螺旋によりスクリュウーの下方に強制移動する。その際、スクリュウーの下に先に構築した砕石魂があった場合、上方から追加投入された充填採石に抵抗する。そのためスクリュウーの逆回転により連続的に強制下降する採石は行き場を失うため水平方向に拡底する。この原理を採石杭の構築途中で意識的に利用して、複数の節を有する節杭(蛇が卵を複数飲み込んだ形状)を構築することにより浅い深度で大きな周面面積により支持力を確保することができる。したがって、杭径や杭長が短くても大きい周面面積を確保することができる。複数の杭が同一深度で砕石の体積を大きくすることで現状の軟弱層の圧密効果を促進できる。大きな機械装置が不要で経済的。)
また、請求項5の構成によれば、適量の圧縮空気をロッドの先端側より吐出して土粒子を攪拌することにより、比較的硬い表層土を効率良く解すことができる。
また、請求項6の構成によれば、回転するロッドの上下動により表層土を解し、ロッドが軟弱層に達したら、逆方向に回転するロッドを上下動することにより、掘削孔に充填した中詰め材を突き込むことにより、軟弱層内に中詰め材からなる支持杭を構築することができる。
また、請求項7の構成によれば、ケーシングにより、掘削時における表層崩壊を防ぐことができる。
また、請求項8の構成によれば、ロッドを回転し、スクリューとこのスクリュー先端側の掘削ビットにより掘削を行い、撹拌時には圧縮空気噴射口から空気を吐き出して土を解し、特にロッドを上下動して土を解す際、スクリュー基端側の掘削ビットにより土を良好に解すことができる。
また、請求項9の構成によれば、ケーシングに回転伝達部材を取り付け、ロッドと共にケーシングを回転しながら降下させ、ケーシングを地中に挿入する。この後、回転伝達部材を取り外して、ケーシングに沿ってロッドを降下させて掘削を行い、掘削孔内壁の崩壊を予防することができる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる地盤改良工法と地盤改良装置を採用することにより、従来にない地盤改良工法と地盤改良装置が得られ、その地盤改良工法と地盤改良装置を夫々記述する。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1〜図17は本発明の実施例1を示し、この地盤改良工法に用いる地盤改良装置は、図1〜図2に示すように、自走式車両1は、車体2の下部に走行手段たる無限軌道3を有し、この無限軌道3は車体2に搭載した原動機(図示せず)により駆動する。前記車体2の後部には、ショベルたるブレード4が設けられ、このブレード4は昇降駆動可能に設けられている。
また、車体2の前部にはリーダ5が起伏可能に設けられ、このリーダ5は前後方向の起伏装置6により、倒した状態の収納位置と地表に対してほぼ垂直な使用位置とに起伏可能になっている。尚、実際には、約5度程度だけリーダ5の上部が前側に倒れることが可能である。前記起伏装置6は、前記リーダを前後方向に起伏する起伏シリンダ7を有し、この起伏シリンダ7がリーダ5の前後方向角度調整手段である。また、リーダ5は左右方向揺動可能に設けられ、図示しない左右スライド駆動機構により左右移動可能に設けられている。
前記リーダ5の前部には案内レール11が設けられ、この案内レール11に沿ってロッド挟持体12が昇降可能に設けられ、このロッド挟持体12はチェーンを備えた昇降手段13によりリーダ5に沿って昇降する。前記ロッド挟持体12は内部に挿通したロッド21を挟持及び挟持解除可能なものであって、挟持したロッド21を回転する回転駆動手段14を内蔵する。また、前記リーダ5の下部にはロッド固定手段15が固定して設けられ、該ロッド固定手段15は、これに挿通したロッド21を挟持及び挟持解除可能なものである。
前記車体2上にはホッパ状の収納部16が設けられ、この収納部16に中詰め材が収納され、前記収納部16の底部には送り装置たるベルトコンベア17が設けられ、このベルトコンベア17は中詰め材を後から前に送るものである。このベルトコンベア17の終端側で前記収納部16には投入路が設けられ、この投入路は起立位置のリーダ5の下部まで延設されている。
また、前記地盤改良装置は、図17に示すように、施工品質管理装置61と、地耐力管理装置62と、砕石投入量計量装置63と、施工データ自動通信装置64とを備え、これらは前記自走式車両1に搭載することができる。前記施工品質管理装置61は、ロッド21の挿入長さ,砕石投入量,標高別加重圧力・施工工程時間などの施工に係る施工データを記憶すると共に管理するものであり、地耐力管理装置62は、ロッド21に加わる反力から後述する砕石杭の支持力を測定し、管理する装置であり、前記砕石投入量計量装置63は、前記収納部16から投入路を介して掘削孔51に投入された中詰め材の投入量を計量する装置であり、前記施工データ自動通信装置64は、それらの装置61,62,63による施工データを、図示しない外部管理装置に自動通信する装置である。
前記ロッド21は鋼管からなり、このロッド21内には、圧縮空気路を構成する内管22が挿入配置されている。また、ロッド21の上端には、前記内管22に連通する空気ホースアダプター23とが設けられている。そして、その空気ホースアダプター23にホース24を介して圧縮空気供給装置たるエアーコンプレッサ25を接続し、この例ではエアーコンプレッサ25を前記車体2に搭載している。尚、ロッド21は、長さ方向中央部分を継ぎ足すことにより長さ調節可能である。
図2などに示すように、前記ロッド21の下端には、略裁頭三角錐形状の先端ビット31が設けられ、この先端ビット31の基端は前記ロッド21より大きく形成され、その先端ビット31には、前記内管22の圧縮空気を外部に噴射する圧縮空気用噴射口32が複数設けられ、この噴射口32から水平方向に向って圧縮空気が噴射される。
また、ロッド21の先端側には、螺旋羽根であるスクリュー33が設けられている。また、そのスクリュー33の先端には、掘削ビットである先端側スクリュービット34が設けられ、このスクリュービット34はロッド21の周方向外側で先端側に斜下向きをなす。前記スクリュービット34の先端34Aは、略円錐型に形成され、スクリュー33の外径に対応した位置に配置されている。また、前記スクリュー33の基端には、掘削ビットである基端側スクリュービット35が設けられ、このスクリュービット35はロッド21の周方向外側で基端側に斜上向きをなす。前記スクリュービット35の先端35Aは、略円錐型に形成され、スクリュー33の外径に対応した位置に配置されている。そして、前記両スクリュービット34,34Aは、逆向きで略平行をなす。
また、地盤の掘削には、ケーシング41が設けられ、このケーシング41は掘削孔の大きさに対応した筒部42と、この筒部42の上端に周設した外鍔部43とを一体に有する。また、前記筒部42の上端側には、前記ロッド21の回転を伝達する円盤状の回転伝達部材44が着脱可能に設けられ、この回転伝達部材44には、前記先端ビット31の回転を伝達する嵌合部45が形成され、この嵌合部45としては、前記先端ビット31が嵌入する嵌合孔が例示される。尚、図3などに示すように、前記回転伝達部材44は、筒部42の上端から僅かに先端側の位置に設けられている。
次に、施工例を図3〜図17を参照して説明する。自走式車両1により施工位置まで移動し、起伏シリンダ7を延ばしてリーダ5を前後方向ほぼ垂直に合わせ、さらに、左右スライド駆動機構により、リーダ5の下部を左右に回転して左右方向ほぼ垂直に合わせ、この後、リーダ5の高さ位置を調節できる。したがって、自走式車両1位置が傾斜となっていても、リーダ5を所定の向きに調整して掘削孔51にロッド21の軸心を合せることができる。
図3(A)に示すように、地表50にマークした杭芯に先端ビット31の中心を合わせ、図3(B)に示すように、前記杭芯を中心に、表層崩壊止め用のケーシング41を設置し、垂直なリーダ5に対し、ケーシング41を水平に配置する。そして、図3(C)に示すように、ケーシング41に回転伝達部材44を取り付け、先端ビット31の回転位置を嵌合部45に合せるために、回転駆動手段14によりロッド21の微調整回転を行い、図4に示すように、ロッド21を降下して先端ビット21を嵌合部45に嵌合接合する。
この後、図5に示すように、ロッド21を回転しながら降下させ、ケーシング41を地中に挿入する。この場合、ロッド21は正回転Rと逆回転Lのいずれの方向に回転してもよく、或いは正逆回転を切換ながら降下してもよく、これによりケーシング41はロッド21と同方向に回転しながら、地中に挿入され、外鍔部43が地表50に接したら、ケーシング41の挿入を終了する。地中に障害物がある場合は、その障害物を撤去してからケーシング41の挿入を行う。また、ケーシング41を掘削孔51の軸心に合せて挿入する。尚、正回転Rとは、スクリュー33により掘削する方向の回転である。
このようにしてケーシング41を地中に挿入した後、図6(A)に示すように、ロッド21を上昇し、回転伝達部材44を筒部42から取り外す。図6(B)に示したように、回転伝達部材44により押し込まれた地表50は、ケーシング41の外側の地表50より僅かに低くなる。
次に、表層土52の解し土作業を行う。この作業では、よく締め固まった表層土52の掘削孔51部分を解す作業であり、この作業で得られた締め固め可能な良質解し土は、後の工程で軟弱層53に押し込んで再利用する。尚、この例では、軟弱層53の上が固い表層になっており、この表層の土が表層土52である。
まず、図7(A)に示すように、ロッド21を正回転させ、該ロッド21をゆっくりと降下し、圧縮空気用噴射口32から圧縮空気を噴射しながら、表層土52を撹拌する。この場合、スクリュー33がケーシング41に接触しないようにロッド21の軸心を掘削孔51位置に正しく合せながら、ゆっくりとロッド21を降下する。尚、圧縮空気は、その空気圧により掘削を行うのではなく、地中の表層土52内に空気を加えて撹拌を容易にするために噴射するものであるから、撹拌効率のよい状態が得られる吐き出し量を適宜設定する。図7(B)に示すように、ロッド21を正回転しながら、ストロークSを5センチ程度で上下動し、また、圧縮空気の噴射量を調整し、表層土52を解していく。複数回上下動を行った後、先端ビット31の深度を下げ、下げた位置で、同様に圧縮空気を噴射しながらロッド21を上下動する。この場合、先端側のスクリュービット34は外側向きで僅かに先端向きに傾く向きをなすから、ロッド21を挿入していく際の掘削効果と合せて上下動時に表層土52を撹拌する効果が得られ、一方、基端側のスクリュービット34は外側向きで僅かに基端向きに傾く向きをなすから、ロッド21を上下動することにより表層土52を撹拌する効果が得られる。図8に示すように、正回転するロッド21の上下動きと、深度を下げての上下動を繰り返し、これを軟弱層53に達するまで繰り返す。このように表層土52を解しながら掘削孔51を形成することにより、解された表層土52はケーシング41の上部から地上に溢れ出るようにして排土される。この溢れ出た表層土52は再投入し易い場所に保管し、また、締め固めに不向きな締め固め不良土は撤去する。尚、締め固め不良土とは加圧しても支持力が得られない土などである。
図9に示すように、固い表層土52の掘削が終了したら、ロッド21の回転を止める。表層土52の掘削が終了したかどうかは、ロッド21に機械重量をかけて下方に突き込んでみる。例えば、昇降手段13によりロッド21を下方に押し込む力を加え、押し込み力の変化により軟弱層53に達したことを判断できる。ロッド21の沈下により、軟弱層53に達したことが確認できる。
このようにして表層土52の解し土作業が完了したら、次に、解し土押し込み作業を行う。先端ビット31が軟弱層53に達したら、ロッド21を10センチ程度引き上げ、ロッド21を逆回転する。そして、図10に示すように、逆回転状態でロッド21を10センチ程度上下動させ、また、圧縮空気の噴射量を調整し、解した表層土52を軟弱層53に押し込む。軟弱層53への解した表層土52の押し込みは、10センチ程度ずつ点圧を掛けて丁寧に行う。また、再投入用に保管していた解した表層土52を掘削孔51内に戻し、これらも同様にして軟弱層53に押し込み、図11に示すように、軟弱層53内に所定深さだけ達した掘削孔51を形成する。この場合、上述したように、締め固め困難な不良度粒子は戻さない。尚、解し土押し込み作業中に、掘削孔51の内壁に崩壊が認められた場合は、掘削孔51内に水を注入し、満水とする。そして、このようにして解した表層土52の押し込みが終了したら、圧縮空気の吐出を停止する。
次に、掘削孔51に中詰め材たる砕石54を投入し、設計荷重を支持する圧密部分の構築作業を行う。図12に示すように、ロッド21を逆回転した状態で、掘削孔51内に砕石54を投入し、現在の掘削孔51の底辺部に略30センチ程度の初期厚さTの砕石54の層を形成する。この砕石54の層に対してロッド21を10センチ程度で上下動し、先端ビット31により砕石54を突き込んでいく(初期砕石点圧)。この場合、ロッド21の深度を略一定に保った状態で上下動させる。尚、ロッド21の上下動のストロークを、砕石54の層の厚さTより短くする。このように点圧を行うことにより、前記軟弱層53に押し込まれた表層土52内に砕石54が押し込まれていく。尚、砕石点圧とは、砕石の一部分に外部圧力を加えることを言い、この場合は、砕石54の層に先端ビット31を圧入して外部圧力を加える。
初期厚さTの砕石54から反力抵抗がなくなるか、または反力抵抗が所定以下に低下したら、さらに、図13に示すように、堆積厚さが20センチ程度となる量の砕石54を追加投入し、同一深度で、逆回転するロッド21を10センチ程度で上下動し、先端ビット31により追加した砕石54を突き込む(追加砕石点圧)。この場合も、上下動するロッド21の下限位置は一定とする。また、砕石54の落下効率が悪いときは、圧縮空気を断続吐出する。このように圧縮空気を断続吐出すると、追加投入して堆積した砕石54が、圧縮空気により撹拌され、密に堆積する。
前記初期砕石点圧の後、前記追加砕石点圧を繰り返し行うことにより、図13に示すように、先端ビット31の下方に砕石54からなる砕石杭55が構築され、砕石杭55の周囲には、前記軟弱層53に押し込まれた表層土52の圧密層52Aが形成される。このように追加砕石点圧では、略一定厚さの堆積厚さ(例えば20センチ)ごとに点圧を行うことにより、砕石杭55の圧縮強度の均一化を図ることができ、図14に示すように、形成済みの砕石杭55の上部に追加の砕石54を継ぎ足し、さらに押し込み、砕石杭55を下方に延長するようにして構築する。尚、掘削孔51が軟弱層53に達した後、掘削孔51内に地下水が出たら、掘削孔51内に給水を行い、地下水レベルより上方に掘削孔51の水位を保つようにする。こうすると自然地下水の掘削孔51への流水による掘削孔壁の崩壊を抑止することができる。
上述したようにロッド21の下限位置を一定した状態で、上下往復動し、追加砕石54の点圧を行い、砕石杭55を構築していくと、この砕石杭55の支持力が設計支持力に達する。これは、砕石杭55の上部に先端ビット31を突入れ、ロッド21により荷重を加えて反力を測定することにより判断できる(加重管理)。
このように軟弱層53に構築した砕石杭55により設計支持力が得られたら、図15に示すように、ロッド21を引き上げ、10センチ程度の層の厚さとなる砕石54の投入、逆回転するロッド21の先端ビット31による点圧を繰り返し、10センチ毎に、設計支持力を有するかどうかの前記加重管理を行い、上部方向に砕石杭55を構築していく。この場合、地下水が発生したら、必要に応じて、掘削孔51内の地下水を排水する。そして、ケーシング41の下端まで、砕石杭55を構築したら、ケーシング41を撤去した後、掘削孔51上部に砕石54を投入し、点圧して仕上げる。このようにして構築した砕石杭55の支持力を確認し、また、図16に示すように、砕石杭55の上面を略平坦に仕上げる。
このように本実施例では、先端側にスクリュー33を設けたロッド21を回転して表層土52を解しながら掘削し、ロッド21が軟弱層53に達したら、解した表層土52を軟弱層53に押し込みながら掘削孔51を形成し、この掘削孔51に中詰め材たる砕石54を充填するから、締め固まった表層土52は、解し掘削を行い、表層以下の軟弱層53にその解した土52と砕石54を押込むことで支持力を確保することができる。また、軟弱層53に押込んだ表層土52と砕石54の体積は現状の軟弱地盤土粒子を圧密し、施工域全体の軟弱層54を締め固め、強固な地盤に改良し、さらに軟弱層53を掘削しないため掘削孔51の崩壊による品質不良を防止することが可能となる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、軟弱地盤の地盤改良工法において、軟弱層53を掘削しないで、締め固め可能な表層土52及び中詰め材たる砕石54を軟弱層53内に押し込み、支持杭たる砕石杭55の構築と軟弱層53の圧密とを行うから、締め固まった表層土52は、解し掘削を行い、表層以下の軟弱層53にその解した土を押込むことで支持力を確保することができる。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、先端側にスクリュー33を設けたロッド21を回転して締め固まった表層土52を解しながら掘削し、ロッド33が軟弱層52に達したら、ロッド21を逆回転させて、解した表層土52を軟弱層53に圧入するから、スクリュー33を設けたロッド21の回転により、締め固まった表層土52を解し、表層以下の軟弱層53にその解した土を押込むことで支持力を確保することができる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、地表に開いた掘削孔51に中詰め材たる砕石54を投入し、ロッド21の逆回転により、投入された砕石54を軟弱層53に圧入し、支持杭たる砕石杭55を構築するから、締め固まった表層土52は、解し掘削を行い、表層以下の軟弱層53にその解した土52と砕石54を押込むことで支持力を確保することができる。また、軟弱層53に押込んだ表層土52と砕石54の体積は現状の軟弱地盤土粒子を圧密し、施工域全体の軟弱層54を締め固め、強固な地盤に改良し、さらに軟弱層53を掘削しないため掘削孔51の崩壊による品質不良を防止することが可能となる。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、ロッド21の先端から圧縮空気を噴射するから、適量の圧縮空気を先端ビット31より吐出して土粒子を攪拌することにより、比較的硬い表層土52を効率良く解すことができる。
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、表層土52を解しながら掘削する際、ロッド21を上下動し、ロッド21が軟弱層53に達したら、スクリュー33を掘削方向と逆方向に回転しながらロッド21を押し込み、掘削孔51に充填した中詰め材たる砕石54に対してロッド21を上下動して突き込むから、回転するロッド21の上下動により表層土52を解し、ロッド21が軟弱層53に達したら、逆方向に回転するロッド21を上下動することにより、掘削孔51に充填した砕石54を突き込むことにより、軟弱層53内に砕石54からなる支持杭たる砕石杭55を構築することができる。
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、表層土に掘削孔用のケーシング41を挿入した後、表層土52を解しながら掘削するから、ケーシング41により、掘削時における表層の崩壊を防ぐことができる。
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、先端側にスクリュー33を設けたロッド21と、このロッド21の先端に設けられ圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射口32と、ロッド21を正逆回転駆動する回転駆動手段14と、スクリュー33の先端側に設けた掘削ビットたるスクリュービット34と、スクリュー33の基端側に設けた掘削ビットたるスクリュービット35とを備えるから、ロッド21を回転し、スクリュー33とこのスクリュー先端側のスクリュービット34により掘削を行い、撹拌時には圧縮空気噴射口から空気を吐き出して土を解し、特にロッド21を上下動して土を解す際、スクリュー基端側のスクリュービット35により土を良好に解すことができる。
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、表層土52に回転しながら挿入される掘削孔用のケーシング41と、このケーシング41に着脱可能に設けられロッド21の回転をケーシング41に伝達する回転伝達部材14とを備えるから、ケーシング41に回転伝達部材44を取り付け、ロッド21と共にケーシング41を回転しながら降下させ、ケーシング41を地中に挿入する。この後、回転伝達部材44を取り外して、ケーシング41に沿ってロッド21を降下させて掘削を行い、掘削孔51内壁の崩壊を予防することができる。
そして、本実施例では、上記のように自走式車両1により地表50部分に表層崩壊止めケーシング41を埋設します。ロッド21を正回転させケーシング41内の杭芯にスクリュー22の先端ビット31を合わせ降下させながら円筒形解し掘削を行います。この際、掘削土を解すため適量の圧縮空気を先端ビット31のより吐出して土粒子を攪拌します。締め固まった地層の解し掘削が進み軟弱層53に到達した時点でスクリュー33を逆回転させ、10cm程度の高さで上下反復操作を繰り返しながら砕石54を投入します。砕石投入量は掘削孔51底部の堆積層厚20cm程度とし、投入した砕石54をスクリュー33の上下反復操作で点圧圧縮します。以降、同様に砕石54を投入、点圧圧縮の繰り返し作業を行い自走式車両1の重量を利用して砕石杭55を軟弱層53に押込みます。やがて、軟弱層53に押込まれた砕石54はその体積により軟弱地盤土粒子を圧密すると同時に、砕石54の点圧締め固めの際、発生する加重応力の分散(40度)で周辺地盤も同時に締め固め砕石柱は地盤の摩擦力が増加して、規定の荷重を支える砕石杭55が構築されます。この場合、規定の載荷加重は自走式車両1に搭載した載荷荷重管理装置により管理され表示されます。軟弱層53に構築された砕石杭55が設定荷重をクリアーした以降は、砕石投入と点圧圧縮の繰り返し作業を行うことにより必然的に上方に向かって同品質の砕石杭55が構築されます。計画全数の施工後は、施工域全体が締め固まった複合地盤を形成します。
この施工により地表からの上載荷重は砕石杭55を伝播して周面摩擦の作用により地山に応力分散され、改良影響範囲全体で面として均一に載荷荷重を受け持つことにより不同沈下の抑止性能を高めることが可能となります。
このように軟弱地盤を掘削せず、砕石杭55を地中に押込む砕石圧入工法であり、締め固まっている表層土52は、解し掘削を行い、表層以下の軟弱地盤にその解し土(締め固め可能な良質土)と砕石54を押込むことで地耐力を確保します。また、軟弱層53に押込んだ表層土52と砕石54の体積は現状の軟弱地盤土粒子を圧密し、施工域全体の軟弱層53を締め固め強固な地盤を作ります。また、軟弱層53を掘削しないため掘削孔51の崩壊による品質不良を防止することが可能です。さらに、砕石杭55の施工過程でその杭55を1本毎にジャストポイントで設計値の加重載荷検証を行い全ての杭性能を均一に保持しながら仕上げるため土質や層圧等の地盤環境により杭長は変化しますが、杭の地耐力性能は均一となり不同沈下を抑止する効果がある(現在の設計は、施工現場の数ポイントで簡易的地盤調査を行い、その想定結果で杭長、杭本数を決める方法で、土質性状・土層構造の変化に対応できない場合がある。)。さらにまた、施工コスト上昇の要因である深い支持層地盤に対しては、本来長い杭55を施工するため掘削長及び杭長が長くなり工事費の高騰に繋がります。本工法は、施工の機械重量を利用し、軟弱層53に砕石54を押込むことで地盤と大きな摩擦力を生じさせ、その反発力を利用して地耐力を確保する工法で、砕石押込みの手法を工夫することで任意に仮想支持圧力球根を構築することもでき安価な工事費で施工できます。また、既存の砕石杭工法は、水と空気による土粒子分解掘削のため、土質によっては、大量の泥水処理手間と処理費用が発生し、施工原価高騰の原因となります。本工法は、水を一切使用せず泥水を発生がないため工事費の低減が可能です。環境、安全面では、砕石・砂利・空気等の自然材を使用するため、無害です。また、泥水等の産業廃棄物も発生しません。安全面では、施工域全体の地盤締め固めにより地震等による揺れを抑止する効果や砕石特性による液状化防止効果も期待できます。
そして、従来では、スクリューオーガ―の機械掘削により軟弱地盤層の掘削孔壁土粒子が剥離し孔壁崩壊の危険性があるのに対して、本発明では、軟弱層53を掘削せず中詰め材を押込むため孔壁崩壊の心配がない。また、従来では、掘削孔51体積分の掘削残土が発生し、残土処理手間及び処理コストが発生していたのに対し、本発明では、杭構築体積分の土は全て地盤内に圧入する無排土施工である。さらに、従来では、掘削孔51壁の崩壊が発生した場合、中詰め材と崩壊土が混在し杭の圧縮強度の均一性が損なわれ不同沈下の要因となる危険性があるのに対して、本発明では、掘削孔51壁が安定している同地点で中詰め材を一定加重により点圧し杭を構築し、更に構築杭に中詰め材を嵩上げしながら地盤に突き込むため確実に均一な圧縮強度を保持した砕石杭55ができる。
しかも、従来の地盤改良の場合、コストを抑えるため施工敷地範囲内の4〜5ポイントでボーリング調査を行い、そのデーターにより、土質、地層厚を予測し理論設計が行われる場合があり、この場合、同一敷地内であっても異土質地層の厚さが変化している場合、杭に対する土の摩擦抵抗の違いが発生し、杭毎の支持力に差異が出る恐れがあり、不同沈下の要因となり、これを防止する一つの方法として、施工機械による均一加重管理により、施工杭の全数の均一支持力を保持することは可能であるが、施工後、支持力不足の杭が発生した場合、再度、杭長計算、再掘削などの作業を行う必要があり、実現場では、再設計のための中断、工期、コスト面から現実的に不可能である。これに対し、本発明では、杭施工の設計は、建築物の上載荷重を基に地盤及び構築杭の荷重配分を行い、砕石杭1本あたりの負担荷重により杭長、杭本数を決定する。仮に、砕石杭1本あたり3tの設計の場合、施工機械重量を反力として押込み加重を3tに設定し中詰め材を圧入する。施工機械に搭載した圧入力管理装置により圧入力3tと地盤反力がバランスした時点で圧入作業を終了する。結果的に地盤内の土質、地層厚等の環境に合致した均一な支持力性能を有する砕石杭55を構築することができ、不同沈下を抑止する。
図18は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、掘削孔51の底部に、周方向に拡大する砕石54の圧密部分を構築する工法を示す。上述したように、解した表層土52の軟弱層53への押し込みが終了した後、掘削孔51に中詰め材たる砕石54を投入し、設計荷重を支持する圧密部分の構築作業を行う。同図に示すように、ロッド21を逆回転した状態で、掘削孔51内に砕石54を投入し、現在の掘削孔51の底辺部に略30センチ程度の初期厚さTの砕石54の層を形成する。そして、ロッド21の上下動を行うことなく、圧密部分を構築する位置で、ロッド21を逆回転し、この状態で砕石54を投入追加することにより、圧密された砕石54が掘削孔51の周方向に拡大し、球根形状をなす砕石圧密部分56が形成される。
この場合、ロッド21を降下して砕石54を押し込むと、砕石圧密部分56が周方向に拡大せず、下方に砕石54が延長形成される。
このように本実施例では、請求項4に対応して、先端側にスクリュー33を設けたロッド21を同位置で回転させ、中詰め材たる砕石54を投入することにより、前記差遺跡54の水平拡散を利用してスクリュウー33直径以上の基礎杭を構築する工法である。
そして、深度の深い軟弱層53では、砕石杭55の直径を大きくすることと杭55の長さを長くすることで杭55の周面面積を確保し、周面摩擦抵抗を大きくする方法がある。しかし、双方ともに施工機械が大型化し施工範囲の限定と施工原価の高騰の要因となっている。
そこで、軟弱層53内の一定深度の位置でロッド21を逆回転させながら、砕石54を投入すると、スクリュウー3上に乗った砕石54は下降螺旋によりスクリュウー33の下方に強制移動する。その際、スクリュウー33の下に先に構築した砕石魂があった場合、上方から追加投入された充填砕石54に抵抗する。そのためスクリュウー33の逆回転により連続的に強制下降する砕石54は行き場を失うため水平方向に拡底する。この原理を砕石杭55の構築途中で意識的に利用して、複数の節を有する節杭(蛇が卵を複数飲み込んだ形状)を構築することにより浅い深度で大きな周面面積により支持力を確保することができる。
このように杭径や杭長が短くても大きい周面面積を確保することができる。また、複数の杭55が同一深度で砕石54の体積を大きくすることで現状の軟弱層53の圧密効果を促進できる。さらに、大きな機械装置が不要で経済的な工法となる。
図19は、本発明の実施例3を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、前記圧縮空気用噴射口32を、スクリュ33の取付け部分のロッド21に複数設けており、すなわち前記スクリュービット34,35の間でロッド21に圧縮空気用噴射口32を設け、この噴射口32は、スクリュー33の先端側の基端側面と、スクリュー33の基端側の先端面との間に位置し、その噴射口32から水平方向に向って圧縮空気が噴射される。
したがって、圧縮空気用噴射口32から圧縮空気を噴射すると、スクリュー33の先端側の基端側面と、スクリュー33の基端側の先端面との間で、表層土52又は採石54を揺動して撹拌され、表層土52又は採石54が固まることなく、それらを均一な状態で、スクリュー33の下方に供給することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、実施例ではロッドの先端が略裁頭三角錐形状のものを示したが、略四角錐でも、それ以上の略角錐であってもよい。また、中詰め材は砕石に限らず、砂利や砂でも良く、要は加重支持材料であれば良い。また、実施例では、二重管を用いたが、圧縮空気をロッドにより供給するようにしてもよい。また、走行手段は無限軌道に限らず車輪などでもよい。また、昇降手段も杭挟持体をリーダに沿って移動するものであれば各種のものを用いることができる。さらに、送り手段は、ベルトコンベアに限らず、スクリューコンベヤやプッシャなどもよい。また、中詰め材は、砂、砂利、採石、コンクリート廃材、その他一定の圧縮強度を有する材料であれば適宜選定可能である。
本発明の実施例1を示す地盤改良装置の縦断面図である。 同上、ロッド先端側の正面図である。 同上、工法を説明する断面図であり、図3(A)は先端ビットの位置合わせ状態を示し、図3(B)はケーシングの設置状態、図3(C)はケーシングに回転伝達部材を取り付けた状態である。 同上、回転伝達部材に先端ビットを嵌合した状態の断面図である。 同上、ロッドを回転してケーシングを挿入する状態の断面図である。 同上、ケーシングを挿入した後、ロッドを引き上げた状態の断面図である。 同上、掘削開始状態の断面図であり、図7(A)は正回転するロッドによる掘削状態、図7(B)は正逆回転により表層土を解しながら掘削する状態を示す断面図である。 同上、表層土を解しながら掘削して解され表層土が地上に溢れ出た状態を示す断面図である。 同上、ロッドの先端が軟弱層に達した状態の断面図である。 同上、解した表層土を軟弱層に押し込む状態の断面図である。 同上、解した表層土を軟弱層に押し込みが完了した状態の断面図である。 同上、掘削孔に中詰め材を投入して突き込む状態の断面図である。 同上、掘削孔に中詰め材を追加投入して突き込む状態の断面図である。 同上、軟弱層に中詰め材の杭を構築する状態の断面図である。 同上、ロッドを表層土に引き上げて表土層部分に中詰め材の杭を構築する状態の断面図である。 同上、中詰め材の杭の構築が完了した状態の断面図である。 同上、ブロック図である。 本発明の実施例2を示す球根形状をなす砕石圧密部分を構築した状態の断面図である。 本発明の実施例3を示すロッド先端側の正面図である。
符号の説明
14 回転駆動手段
21 ロッド
31 先端ビット
32 圧縮空気用噴射口
33 スクリュー
41 ケーシング
44 回転伝達部材
50 地表
51 掘削孔
52 表層土
52A 圧密層
53 軟弱層
54 砕石(中詰め材)
55 砕石杭(中詰め材の杭)

Claims (9)

  1. 軟弱地盤の地盤改良工法において、軟弱層を掘削しないで、締め固め可能な表層土及び中詰め材を前記軟弱層内に押し込み、支持杭の構築と軟弱層の圧密とを行うことを特徴とした地盤改良工法。
  2. 先端側にスクリューを設けたロッドを回転して締め固まった表層土を解しながら掘削し、前記ロッドが軟弱層に達したら、前記ロッドを逆回転させて、前記解した表層土を軟弱層に圧入することを特徴とした地盤改良工法。
  3. 地表に開いた掘削孔に中詰め材を投入し、前記ロッドの逆回転により、投入された中詰め材を前記軟弱層に圧入し、支持杭を構築することを特徴とする請求項2記載の地盤改良工法。
  4. 先端側にスクリューを設けたロッドを同位置で回転させ、中詰め材を投入することにより、前記中詰め材の水平拡散を利用して前記スクリュウー直径以上の基礎杭を構築することを特徴とした地盤改良工法。
  5. 前記ロッドの先端側から圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
  6. 前記表層土を解しながら掘削する際、前記ロッドを上下動し、前記ロッドが軟弱層に達したら、スクリューを掘削方向と逆方向に回転しながらロッドを押し込み、掘削孔に充填した中詰め材に対して前記ロッドを上下動して突き込むことを特徴とする請求項3記載の地盤改良工法。
  7. 表層土に掘削孔用のケーシングを挿入した後、表層土を解しながら掘削することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
  8. 先端側にスクリューを設けたロッドと、このロッドの先端側に設けられ圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射口と、前記ロッドを正逆回転駆動する回転駆動手段と、前記スクリューの先端側に設けた掘削ビットと、前記スクリューの基端側に設けた掘削ビットとを備えることを特徴とする地盤改良装置。
  9. 前記表層土に回転しながら挿入される掘削孔用のケーシングと、このケーシングに着脱可能に設けられ前記ロッドの回転を前記ケーシングに伝達する回転伝達部材とを備えることを特徴とする請求項7記載の地盤改良装置。
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