JP4852732B2 - コラムの置換築造方法 - Google Patents

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この発明は、土木・建築構造物の基礎工法としてのコラムの置換築造方法に関する。
土木・建築構造物の基礎工法として、従来、深層混合処理工法、流動化処理土工法、PIP杭工法およびRGパイル工法等が提案されている。
深層混合処理工法は、地盤中に掘削撹拌混合装置を挿入し、固化材を填充しながら同時に原地盤と撹拌混合することにより、地盤中に円柱状の地盤改良体を築造する工法(例えば、特許文献1参照)であり、掘削撹拌混合装置を地盤中に掘進させる時に固化材を填充する方法と、逆に上方へ引上げるときに固化材を填充する方法がある。また、固化材は水と撹拌混合してスラリー状にして使用する方法と、固化材を粉末状のまま使用する方法とがある。
流動化処理土工法は、連続スパイラルオーガにより掘削排土した土砂を地上のミキサーで固化材と混合し、ソイルセメントとした後、該ソイルセメントを掘削した場所に再び戻すことにより地盤改良を行うものである(例えば、特許文献2および3参照)。
PIP杭工法は、連続したフライトをもつオーガの中空のシャフトの頭部に駆動装置を取り付け、この装置全体を櫓に吊り下げ、地中に回転させながら所定の深さまで掘削し、所定の深さに達したら、シャフト先端部よりモルタルを圧入しながら徐々に引上げることによってモルタル杭を造成し、オーガ引上げ後ただちに鉄筋篭または形鋼をモルタル杭の中に建て込むものである(例えば、特許文献4および非特許文献1参照)。
また、RGパイル工法は、中空軸を有するアースオーガの回転により土砂を上方に排除しながら所定の深さまで掘削し、次にオーガを引上げつつ、中空軸先端オーガヘッドの噴出口からモルタルを圧入して地中に場所打ち杭を造成するものである(例えば、非特許文献1参照)。
特開2003−247228号公報(請求項3、段落番号0002) 特開平8−260450号公報(請求項1) 特許第3280710号公報(請求項1) 特許第3306460号公報(段落番号0002) 地下連続壁工法 設計・施工ハンドブック 社団法人日本建設機械化協会編 技報堂出版株式会社発行(第427頁〜第430頁)
前記深層混合処理工法においては、次のような課題がある。
(1)固化材を填充しながら同時に原地盤と撹拌混合することにより、地盤中に地盤改良体を築造する工法であるため、改良対象地盤の土質の物性が一定でないことに起因して、改良土の品質は特に一軸圧縮強度のバラツキが大きいという欠点がある。そのため、改良する目標強度をバラツキに相応する分だけ設計強度よりも大きくしなければならず、固化材添加量が増え、不経済であった。
(2)深層混合処理工法においては、粘着力の大きな粘性土地盤では共回り現象の発生により混合不良が発生し、目標とする品質を確保出来ないことが多かった。
(3)有機質土やピート等の有機質分が多量に含まれている土層やロームや赤ボク黒ボク等の火山灰質粘性土では地盤改良体の硬化不良が発生したりして、目標とする品質を確保出来ないことが多かった。
(4)有機質分が多量に含まれている地盤では、固化材添加量を多く必要とするため、不経済であった。
(5)地盤が複数の土層で構成されている場合は、強度発現が最も低い土層に必要な固化材添加量で全深度範囲に填充するため、他の土層部分には必要以上の量の固化材を添加しなければならず、不経済であった。また、その分だけ建設発生土(残土)量が増え、環境に対する負荷が大きかった。
(6)撹拌混合が確実に行われたとしても、ソイルセメントの発現強度は改良対象の土質に依存するため、事前に予想していない土質が出現した場合には改良土の一軸圧縮強度が目標値に達せず不良工事になる恐れがあった。
(7)深層混合処理工法では腐植土や有機質土などのように大量の固化材を添加しても発現強度が小さいことに起因して、同一荷重を支持するのにより広い面積を改良する必要があった。これに伴い、地盤改良に要する改良対象土量が増えるのみならず、基礎のフーチング体積も増えるため、建設コストが増大していた。
また、前記流動化処理土工法にも次のような課題がある。
(1)地上のミキサーで現地の土砂と固化材を混合するため、現地発生土砂を使用するので、施工対象地盤の土質の物性や土質のバラツキに起因して、改良後の品質はバラツキが大きいという欠点がある。また、現地の土砂と固化材を混合するため、所要の一軸圧縮強度を得るために多量の固化材を必要とし、不経済となる場合がある。
(2)掘削土砂を地上へ排出し、それを地上のミキサーで固化材と混合してスラリー状の流動化処理土とし、再び元の位置へ戻す工程であるため、施工工程が増え、コストが高い。
(3)一時的とはいえ、改良すべき箇所の土砂を掘削し除去するため、それまでの上載荷重による応力バランスが崩れて支持地盤が緩む。そのため、掘削底地盤の支持力が低下する。
(4)土砂を除去した底面の処理を丁寧にしないと、構造物からの鉛直荷重が作用したときに場所打ち杭の先端スライムと同様な初期沈下の問題が発生する。
さらに、PIP杭工法およびRGパイル工法にも次のような課題がある。
(1)モルタル製造に用いる細骨材の水分管理が必要であり、現実的に品質のバラツキが生ずる。
(2)モルタルは細骨材を含有しているため、モルタルはフロー値が18〜20秒の流動性の高いものを使用せざるを得なく、ブリージングが発生しやすくなるばかりか、モルタルの流動性が高いため、掘削土砂等がモルタル中に落ち込み、モルタル中に土砂等が混入される。
(3)砂質土層や礫質土層などでは、湧水、地下水圧に起因する孔壁崩壊が起り易いので、掘削に際しベントナイト泥水、またはこれに少量のセメントを混合したものを用いる必要がある。また、ベントナイトは汚泥となるため後の処理に莫大な費用が発生する。
(4)その結果、モルタル柱底面と支持地盤との間にスライム層が形成されるため、スライム処理工程が必要となる。
(6)また、PIP杭工法およびRGパイル工法では、孔壁崩壊を防ぐため、施工時に地表面までモルタルで充填する必要がある。また、モルタル充填後、鉄筋篭等を挿入するため、結果として根切り時の頭部整形が困難となる。
この発明の目的は、このような課題を解決することであり、対象地盤の性状に左右されず、安定した品質のコラムの置換築造方法を提供することである。
また、このような課題を解決するために本出願人は、先端に掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの置換底位置に達した後、土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を該コラムの置換底位置から該スクリューオーガ先端部から吐出しつつ、該オーガを正回転で引上げ、コラムの置換予定上端位置に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後該オーガを逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラムとすることを特徴とするコラムの置換築造方法を特願2005−109463として先に出願している。
しかしながら、地盤条件によってはスパイラルスクリューを正回転させながら掘削する工程において孔壁崩壊が生じると、所望した形状・寸法のコラムを築造できなかったり、コラム中に土砂が混入する危険性があり、結果的に期待する周面摩擦力や先端支持力を発揮できなくなり、特に置換コラムを造成する地盤中に緩い細砂層や鋭敏比の高い粘性土層が存在する場合には、その深度区間においてコラム径が大きくなったり、築造したコラム上端が置換予定上端より低かったり、そのコラム中に土砂が含まれる可能性があることを本発明者らが見出した。
この発明の目的は、このようにコラムを造成する地盤中に緩い細砂層や鋭敏比の高い粘性土層が存在する場合でも、土砂の混じらない、安定した品質のコラムの置換築造方法を提供することである。
この発明は、以上に示したような課題を解決せんと提案されたものであり、この発明のコラムの置換築造方法は、少なくとも先端にスパイラルスクリュー状の掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの置換底位置に達した後、そのままの状態で暫くスクリューオーガの回転を続けた後、土砂や骨材を含まず、混和材としてフライアッシュおよび/または高炉スラグ粉体を使用し、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を所望のタイミングで該スクリューオーガの先端部から吐出することによりコラムの置換底位置から上方に地盤土が填充材で置換されたコラムを築造する方法であって、該スクリューオーガのスパイラルスクリューのピッチをPとし、該スクリューオーガを正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガを正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値に略等しくすることを特徴とする。
即ち、図1に示すような少なくとも先端にスパイラルスクリュー状の掘削部6を有するスクリューオーガ1を使用し、掘進速度(毎分Ve)を該スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチPと掘進時の該スクリューオーガ1の毎分の回転数Reとの積に略等しい条件にして該スクリューオーガ1を正回転させながら掘進させ、所望のタイミングで該スクリューオーガ1の先端部9から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出することによりコラムの置換底位置から上方に地盤土が填充材で置換されたコラムを築造するのである。
特に好ましくは、土砂や骨材を含まず、混和材としてフライアッシュおよび/または高炉スラグ粉体を使用し、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を該スクリューオーガ1の先端部9から吐出を開始するするタイミングは、少なくとも先端にスパイラルスクリュー状の掘削部6を有するスクリューオーガ1を正回転させながら掘進し、コラムの置換底位置に達した後、該スクリューオーガ1の先端部9から填充材を吐出することである。
なお、本発明ではスクリューオーガの正回転とは、掘進時に地盤の掘削がスクリューオーガで地上側に移動させて掘進される方向にスクリューオーガが回転する方向を指す。
ただし、本発明のように、スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値に略等しくすると、掘削時に地盤土が殆ど地上に排出されないので、掘削時に孔内がスパイラルスクリュー2と該スパイラルスクリュー2間に残置された地盤土で満たされた状態になる。その結果、緩い細砂層や鋭敏比の高い粘性土層が存在する深度区間でも孔壁内外での応力バランスが保たれて孔壁面の崩壊が発生しなくなるのである。
また、掘削部6は下記のいずれかの部分を指す。図1に示すようにスクリューオーガ1先端に位置するスパイラル翼先端に掘削爪8が付けらてなる掘削翼の他にスクリューオーガ軸5先端に突設された掘削爪7を有する場合は、スクリューオーガ1先端に位置するスパイラル翼先端に掘削爪8が付けらてなる掘削翼とスクリューオーガ軸5先端に突設された掘削爪7が掘削部6であり、スクリューオーガ軸5先端に突設された掘削爪7が存在しない場合は、スクリューオーガ先端に位置するスパイラル翼先端に掘削爪8が付けらてなる掘削翼が掘削部6である。
更に、請求項3に示したように、填充材をオーガ先端部から吐出しつつ、該オーガを正回転で引上げ、コラムの置換予定上端位置に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後該オーガを正回転乃至逆回転させながら引上げることによれば、所定の置換範囲内を該填充材で置換しその上方の非置換範囲に土砂を排土せずにそのまま残置することが可能となる。
前記填充材は、少なくとも水硬性を有する粉体と混練水との混合物からなり、該粉体はセメント単独でもよく、他に混和材や混和剤を含んでいるのでもよく、填充材は特に制限されるものではないが、土砂や骨材を含まない填充材である必要がある。なお、この発明では、骨材とはコンクリートでいう細骨材や粗骨材を意味し、高炉スラグやフライアッシュ等の粉体は骨材ではない。土砂や骨材を含む填充材を使用すると前記したような欠点が生じる。
なお、請求項1に記載したように、前記填充材は練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである必要がある。
また、練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーを、テーブルフロー値で150〜400mm、好ましくは150〜330mmに設定することで、掘削孔内における流動充填性を確保し、また孔壁崩壊を防ぎ、さらに置換範囲上方の土砂が置換されて填充材中に落ち込むことを防ぐことが出来る。
練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーを、テーブルフロー値で150mm〜400mmとするのは、150mm未満では、配管内の抵抗(摩擦力)が大きくなり施工時に時間がかかりすぎるか、施工(吐出)不能になり、400mmを超えるとコラム中に土砂が多く混入される可能性が多くなるためである。
なお、テーブルフロー値は、JIS R 5201のセメントの物理試験方法において規定されたフローテーブルの直径300mmの代わりに、この直径300mmのフローテーブルの上に直径500mmの板を固定して測定したテーブルフロー値である。
このような填充材は、安価なフライアッシュや高炉スラグ粉体を填充材に使用することにより、填充材のコストを下げることが出来るし、填充材の配合を調整することにより、任意の強度を発現するようにすることが可能になる。
なお、フライアシュまたは高炉スラグ粉体との配合比はセメント1重量部に対し、フライアシュまたは高炉スラグ粉体が3乃至20重量部であり、加水混合された状態で前記したテーブルフロー値のコンシステンシーを有する填充材とすることができる。一般的にこの場合、セメントとフライアシュまたは高炉スラグ粉体の合計重量に対し、含水量は30〜50%である。置換されたコラムの一軸圧縮強度を高めるには、高炉スラグ粉末を使用することが望ましい。
また、填充材をスクリューオーガに供給する際に、スクイズ式ポンプやプランジャー式ポンプの他にスネーク式ポンプも使用できる。
なお、スネーク式ポンプ(スクリュー式ポンプ)により填充材を該オーガ先端部に供給し、該填充材を該オーガ先端部から吐出するようにすると、練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーが低いものでも施工できるので特に好ましい。例えば練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜260mmのものでも施工できる。
そして本発明方法によれば、原地盤と填充材を撹拌混合することがないので地上のミキサーで混練した状態の品質とほぼ同じ品質のコラムを得ることができるし、深層混合処理工法による地盤改良体に比べて品質のバラツキを非常に小さくすることができるし、また、填充材の配合を調整することでコラムの一軸圧縮強度を任意に設定し、それを実現することが容易に出来る。
また、この発明のコラムの置換築造方法で使用可能なスクリューオーガ1として、図2(a)に示すようなスパイラルスクリュー2が連続スパイラルスクリュー2aであるオーガ1a、(b)に示すようなスパイラルスクリュー2が断続スパイラルスクリュー2bであるオーガ1b、(c)に示すような2枚羽根2c、2cのスパイラルスクリュー2が断続して設けられたオーガ1c、(d)に示すようなスパイラルスクリュー2が複数の断続スパイラルスクリュー2bからなり、かつ該断続スパイラルスクリュー2bのうち少なくともコラム築造に直接関わる部分には外周に円筒状のリング3が固設してあるオーガ1d、(e)に示すような2枚羽根2c、2cのスパイラルスクリュー2の複数が断続してなり、かつその断続スパイラルスクリューのうち少なくともコラム築造に直接関わる部分には、外周に円筒状のリング3が固設してあるオーガ1e、(f)に示すような断続スパイラルスクリュー2bのスクリュー縁部に縁板4が設けられたオーガ1f、等を挙げることができる。なお、符号5は、オーガ軸を示す。
図2(a)に示すようなスパイラル翼2が連続スパイラルスクリュー2aであるオーガ1aによれば、汎用的なスパイラルスクリューオーガを使用することにより、容易に置換作業が出来る。
図2(b)(c)に示すようなスパイラル翼2が断続スパイラルスクリュー2b、2cであるオーガ1b、1cによれば、砂質地盤や礫質地盤のような崩壊性の地盤では、連続スパイラルスクリューで掘進すると、必要以上に掘削土を排出する可能性があるので、断続スパイラルスクリューオーガ1b、1cを使用することにより、排土量を低下させ、周辺地盛の乱れによる緩みを少なくすることが出来る。その結果として支持地盤の乱れを少なくすることができる。また、断続スパイラルスクリュー2b、2cの外径は掘削翼径と同一であってもよいが、断続スパイラルスクリュー2b、2cの外径は掘削翼径より小径にすればさらに排土量を低下させることが可能になる。
また、締まった砂質地盤や礫質地盤では連続スパイラルスクリューオーガ1aで掘進すると地盤の掘進抵抗が大きくなるが、断続スクリューオーガ1b、1cを使用することにより地盤の掘進抵抗が緩和されるのでオーガモータや施工設備を過大に大型化する必要がない。
また、断続スパイラルスクリュー2b、2cの外径は掘削翼と同一であってもよいが、断続スパイラルスクリュー2b、2cの外径を掘削翼より小径にすれば、地盤の掘進抵抗が更に緩和される。
さらに、図2(d)(e)に示すようなスパイラル翼が複数の断続スパイラルスクリュー2b、2cからなり、かつ該断続スパイラルスクリュー2b、2cのうち少なくともコラム築造に直接関わる部分には外周に円筒状のリング3が固設してあるオーガ1d、1eや図2(f)に示すような断続スパイラルスクリュー外周に縁板4が付いているオーガ1fによれば、孔壁崩壊を防ぐ作用があり、簡便な装置でケーシングを使用するときと同様に確実な原地盤との置換ができる。また、地上に引上げたオーガの土砂落とし作業がケーシングを使用するときに比べて容易に出来る。
なお、図2(f)に示すような、断続スパイラルスクリューに縁板4が付いているスクリューオーガ1fの場合は、スクリュー部に沿って排出されつつある掘削土がスクリュ−端部からこぼれ落ちる可能性が一番低くなる。
また、スクリューオーガ1の先端に有する掘削部6として、図1に示すようにスクリューオーガ1の軸5先端に設けられた掘削爪7及びスパイラル翼の先端に設けられた掘削爪8を例示できる。このスパイラル翼の掘削爪8およびオーガ軸5先端の掘削爪7は、掘削(特に硬質地盤)において威力を発揮するが、このスパイラル翼の先端に設けられた掘削爪8は地盤状況等によっては平爪であってもよい。
掘削部6の存在で掘削効率が向上する。また、置換コラム築造終了後に掘削爪8を突設した掘削翼で填充材置換上端部を整形すると、上端部は爪の形状通りに整形されるため、填充材が固結したときに凹凸ができる。したがって、後工程で置換コラム上端面の再整形作業が必要となる。平爪を用いることにより、置換工程で平面状に仕上げることが出来るので再整形作業が不要となる。
なお、スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値よりも小さすぎる条件とすると、言い換えれば回転数が極めて大きい場合、必要以上に掘削土を排出するので、孔壁内にスパイラルスクリュー2やスパイラルスクリュー2の上に存在する掘削土によって満たされない空洞が生じる結果、図10(a)に例示するように、緩い細砂層や鋭敏比の高い粘性土層が存在する深度区間で孔壁10の崩壊11が生じ、この部分で孔径が部分的に拡径12した状態になる。そして図10(b)に示すように、コラムの置換底位置に達した後、該スクリューオーガ1の先端部9から填充材を吐出してスクリューオーガ1を引き上げると、図10(c)のように、拡径12された区間でスクリューオーガ1のスクリュー2から掘削土が落下し、図10(d)に例示するように、中に掘削土が混入し、コラムの所望の品質が確保できない。
また、スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値よりも大きすぎる条件とすると、言い換えれば回転数が極めて少ないか、ほぼ無回転になる場合、掘進時にスクリューオーガ1を地盤中に押し込む状態になる。従って、硬質地盤の場合、スパイラルスクリュー2の直径が大きいほど地盤の掘進抵抗が大きくなり、施工機械に押込装置を装備するか自重の大きいオーガモータ等が必要となり、不経済となる。また、スパイラルスクリュー2の径が小さくて済む場合は、これらの装備を必要としないでも施工できる場合がある。しかしこの場合は、押込みに要する時間が長くなり、不経済な施工となる。
逆に、地盤が軟弱な場合で回転数が極めて少ないかほぼ無回転になる場合、スパイラルスクリュー2を地盤中に押込むことになるため、周辺地盤を変位させてしまい、近接構造物に悪影響を及ぼす。
この発明のコラムの置換築造方法および該築造方法で得られた置換コラムによれば、次のような効果を奏する。
(1)緩い細砂層や鋭敏比の高い粘性土層が存在する地盤でも、孔壁崩壊に伴って生じる孔径の部分的な拡径現象や、この現象に伴って生じるコラム中へ多量の土砂の混入現象を防ぐことができる。この結果、築造された置換コラムには土砂が混合されておらず、所望した形状寸法が確保され、特に掘削土が混入しない状態でコラムの置換が確実に行えて、地上のミキサーで混練したときとほぼ同じ状態の品質で、一軸圧縮強度のバラツキの小さい置換コラムの築造ができる。
(2)この発明のコラムの置換築造方法によれば、従来の工法に使用されていた流動性の高いモルタルに比べると、この発明に使用する填充材は極めて流動性を低くすることができるため、置換範囲上方の土砂が置換された填充材中に落ち込むことを防ぐことが出来る。その結果、地上のミキサーで混練したときとほぼ同じ状態の品質で一軸圧縮強度のバラツキの小さい置換コラムの築造ができる。
(3)また、この発明のコラムの置換築造方法によれば、従来の工法に使用されていた流動性の高いモルタルに比べると、この発明に使用する填充材は極めて流動性を低くすることができるため、置換範囲上方の土砂が置換されて填充材中に落ち込むことを防ぐことが出来る。その結果所定の置換範囲内を置換しその上方の非置換範囲の土砂を地上に排出せずにそのまま残置することが可能となる。
(4)(2)と同様の理由から、深層混合処理工法による地盤改良体に比べて品質のバラツキを非常に小さくすることができる。
(5)また、同様の理由から、置換コラムの強度を任意に設定し、それを実現することが容易に出来る。
(6)填充材の配合を調整することにより、任意の強度を発現するようにすることが可能になる。
(7)安価なフライアッシュや高炉スラグ粉体を混和材として填充材に使用した場合は、填充材のコストを下げることが出来る。
(8)掘削部の存在で掘削効率が向上する。また、掘削爪を設けたスパイラル翼先端または掘削爪を突設した掘削翼で填充材置換上端部を整形すると、上端部は爪の形状通りに整形されるため、填充材が固結したときに凹凸ができる。したがって、後工程で置換コラム上端面の再整形作業が必要となる。平爪を用いることにより、置換工程で平面状に仕上げることが出来るので再整形作業が不要となる。
(9)この発明によって得られた置換コラムは高い品質のものとすることができるので、従来の地盤改良体に比して同一荷重を支持するために少ない面積のコラムで充分となる。そのため構造物の基礎のフーチング体積も小さくなり、フーチングのコンクリート量の低減のみならず、フーチング構築に伴う建設発生土の減少を図ることが可能となり、建設コストを大幅に縮減することができる。
以下、本発明方法による実施例と比較例を示しながらこの発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
先ず、実施例1として、地表(GL)から2.5mの深度までN値5の粘性土の盛土があり、その下層に地表(GL)からの深度4.0mまでN値10の緩い細砂層があり、その下層に地表(GL)からの深度5.0mまでN値2のシルト層があり、その下方に地表(GL)からの深度6.5mまでN値40の中砂層が存在する地盤Gに、置換コラムを築造した。この地盤Gは、図4および図5に断面で示されている。置換コラムは直径600mm、置換予定上端位置は地表(GL)からの深度1.0mとし、予定置換底位置は地表(GL)からの深度で5.3mとし、置換コラム長は4.3mとした。
その築造方法は、先ず、図3(a)に示すように、地盤Gの築造する置換コラムの中心位置にスクリュ−オーガ1先端中心をセットし、次に図3(b)に示すようにスクリューオーガ1を正回転しながら置換コラムの予定置換底位置まで掘進する。
なお、掘進時の条件は、図1に示すようにスクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値に略等しくした。なお、使用したスパイラルスクリューオーガ1の径は600mmであり、直径600mmの掘削孔を造ることができるオーガ1である。施工装置はベースマシンとして80トン級の三点支持式杭打ち機、ミキサーはコンクリート用の二軸強制練りミキサー、ポンプはスネーク式ポンプ(スクリュー式ポンプ)を使用した。
このスクリューオーガ1の先端が置換コラムの予定置換底位置に達したときの状況を図4に示す。この図に模式的に示すように孔壁10の崩壊は発生していない。
このようにスクリューオーガ1先端が予定置換底深度(この実施例1では地表(GL)から5.3mの位置)に到達したら、図3(c)に示すように、このコラムの置換底位置でスクリューオーガ1先端部9から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で220mmである填充材を吐出しつつ、スクリューオーガ1を正回転で引上げる。図3(d)に示すようにコラムの置換予定上端位置(この実施例1では地表GLから1.0mの位置)に到達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後、図3(e)に示すようにスクリューオーガ1を逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラム13を築造した。このように、図3の例では地上側に置換コラム13が存在していない空掘部14を存在させている。また、填充材の吐出を停止させ、その後、スクリューオーガ1を引上げる際に逆回転させる代わりに正回転させることも可能であるが、正回転よりも逆回転させた方が、空掘部に掘削土を残置させることができるので好ましい。
このようにして築造した置換コラムの天端位置をレベルを用いて計測した結果、置換コラムの天端位置は、表1に示すように、地表GLから1.0mの位置にあった。
また、置換コラムの築造から21日後に全長コアボーリングを実施し、深度区間1m当たり3〜4供試体を、全長4.3mで合計15供試体を採り、この15供試体を対象とし材令28日で一軸圧縮試験を実施した。一軸圧縮強度の平均値は8.2N/mm、最小値は7.4N/mm、最大値は9.2N/mmと高強度であり、一軸圧縮強度の変動係数(V)は8%と、極めてバラツキが少なかった。
また、その後に、このコラムを掘り起こし、置換コラムの直径とコラム断面内の土塊混入率を調査した結果、表1に示すように、実施例1の置換コラムの直径は全長に亘り600mm〜630mmと設計径と同等であり、コラム断面内に残存する土塊混入率は極めて少なかった。
Figure 0004852732
比較例1として実施例1と同じ地盤で、実施例1に使用したスパイラルスクリューオーガと施工設備を使用して置換コラムを築造した。掘進時の回転数は実施例1と同じ条件で、オーガの掘進速度を遅くして掘進した。即ち、スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値よりも小さすぎる条件として掘進した。これ以外の条件は実施例1と同じ条件でコラムを築造した。
この比較例1の場合、スクリューオーガ1の先端が置換コラムの予定置換底位置に達したときの状況を図5に示す。この図に模式的に示すように緩い細砂の層で孔壁10の崩壊11が生じていた。
スクリューオーガ1の引き上げ速度を実施例1と同じにし、置換コラムの置換予定上端位置(この実施例1では地表GLから1mの位置)に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後、スクリューオーガ1を逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラムを築造した。レベルを用いて置換コラムの天端位置を計測した結果、コラムの天端位置は、表1に示すように、地表GLから1.5mの位置にあった。
また、置換コラムの築造から21日後に全長コアボーリングを実施し、深度区間1m当たり、3〜4供試体を、全長3.8mで合計12供試体を採り、この12供試体を対象とし、材令28日で一軸圧縮試験を実施した。一軸圧縮強度の平均値は、3.2N/mm、最小値は0.9N/mm、最大値は8.5N/mmと品質が安定しておらず、一軸圧縮強度の変動係数(V)は76%と、極めてバラツキが大きかった。
更にその後に、置換コラムを掘り起こし、置換コラムの直径とコラム断面内の土塊の混入率を調査した結果、表1に示すように、比較例1の置換コラムの直径は拡径部で860mmと設計径を上回り、コラム断面内には極めて多くの土塊が残存していた。
比較例1から採取したボーリングコアは土塊が混入した部分で連続しておらず、一軸圧縮強度の変動係数が大きい理由は、土塊の混入した供試体と土塊の混入しない供試体との一軸圧縮強度の差異に基づくものである。
次ぎに実施例2として、地表(GL)からの深度2.0mまでN値3のシルト質砂があり、その下層に地表(GL)からの深度6.0mまでN値0の鋭敏比の高い粘土層があり、その下層に地表(GL)からの深度10.0mまでN値25の砂層が存在する地盤Gに、置換コラムを築造した。この地盤Gは、図7および図8に断面で示されている。
その築造方法は、先ず、図6(a)に示すように、地盤Gの築造する置換コラムの中心位置にスクリューオーガ1先端をセットし、次に図6(b)に示すようにスクリューオーガ1を正回転しながら置換コラムの予定置換底位置まで掘進する。
なお、掘進時の条件は、スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値に略等しくした。なお、使用したスパイラルスクリューオーガ1の径は1000mmであり、直径1000mmの掘削孔を造ることができるオーガ1である。施工設備はベースマシンとして80トン級の三点支持式杭打ち機、ミキサーはコンクリート用の二軸強制練りミキサー、ポンプはスネーク式ポンプ(スクリュー式ポンプ)を使用した。
このスクリューオーガの先端が置換コラムの予定置換底位置に達したときの状況を図7に示す。この図に模式的に示すように孔壁10の崩壊は発生していない。
このようにスクリューオーガの先端が予定置換底位置(この実施例2では地表GLから6.5mの位置)に到達したら、図6(c)に示すように、このコラムの置換底位置でスクリューオーガ1先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で220mmである填充材を吐出しつつ、スクリューオーガ1を正回転で引上げ、図6(d)に示すように地表面までコラム13を築造する。
このようにして置換コラム13を築造した。このコラムの天端位置は、表2に示すように、地表GL位置にあった。
また、置換コラムの築造から14日後に全長コアボーリングを実施し、深度区間1m当たり3〜4供試体を、全長で合計21供試体をとり、この21供試体を対象として材令28日で一軸圧縮試験を実施した。一軸圧縮強度の平均値は7.9N/mmで、表2に示すように、一軸圧縮強度の最小値は6.8N/mm、最大値は9.0N/mmと高強度であり、一軸圧縮強度の変動係数(V)は9.2%と極めてバラツキが小さかった。
更にその後に、置換コラムを掘り起こし、置換コラムの直径とコラム断面内の土塊の混入量を調査した結果、表2に示すように、実施例2の置換コラムの直径は1000〜1050mmと設計径1000mmと同等であり、コラム断面内に残存する土塊混入量は極めて少なかった。
Figure 0004852732
比較例2として実施例2と同じ地盤で、実施例2に使用したスパイラルスクリューオーガと施工設備を使用して置換コラムを築造した。掘進時の回転数は実施例2と同じ条件で、オーガの掘進速度を遅くして掘進した。即ち、スクリューオーガ1のスパイラルスクリュー2のピッチをPとし、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガ1を正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値よりも小さすぎる条件として掘進した。これ以外の条件は実施例2と同じ条件で置換コラムを築造した。
この比較例2の場合、スクリューオーガ1の先端が置換コラムの予定置換底位置に達したときの状況を図8に示す。この図に模式的に示すように鋭敏の高い粘土層で孔壁10の崩壊11が生じていた。
スクリューオーガ1の引き上げ速度及び填充材の吐出開始の時間や吐出停止の時間を実施例2の場合と同じにした。孔壁10が崩壊11した部分にも填充材が満たされるため、築造した置換コラムの天端位置は地表面よりも下方に位置すると予想していたが、鋭敏比の高い粘土層での孔壁の崩壊により、地表面で周辺地盤が沈下した結果、表2に示すように填充材は地表面から溢れ出す結果となった。
また、置換コラムの築造から14日後に全長コアボーリングを実施し、深度区間1m当たり、3〜4供試体を、全長で合計17供試体を採り、この17供試体を対象とし、材令28日で一軸圧縮試験を実施した。一軸圧縮強度の平均値は、2.9N/mm、最小値は0.4N/mm、最大値は8.8N/mmと品質が安定しておらず、一軸圧縮強度の変動係数(V)は80%と、極めてバラツキが大きかった。
更にその後に、置換コラムを掘り起こし、置換コラムの直径とコラム断面内の土塊の混入率を調査した結果、表2に示すように、比較例2の置換コラムの直径は拡径部で1250mmと設計径を上回り、縮径部で720mmと設計径を下回っており、コラム断面内には極めて多くの土塊が残存していた。
比較例2から採取したボーリングコアは、土塊の混入した部分で連続しておらず、一軸圧縮強度の変動係数が大きい理由は、土塊の混入した供試体と土塊の混入しない供試体との一軸圧縮強度の差異に基づくものである。
なお、上記した二つの実施例では、スクリューオーガがコラムの置換底位置に到達したら、図9の(a)に示すように、この置換コラムの置換底位置でスクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で220mmである填充材を吐出しつつ、スクリューオーガを正回転で引上げているが、図9(b)に示すように、スクリューオーガがコラムの置換底位置に到達したら、そのままの状態で暫くスクリューオーガの回転を続けた後、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出しつつ、スクリューオーガを引上げてもよい。
また、図9(c)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始め、そのままの状態でスクリューオーガを引き上げることなく暫くスクリューオーガの回転を続けた後、填充材を吐出しつつスクリューオーガを引上げてもよい。
また、図9(d)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達する少し前に、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始めて、置換コラムの置換底位置まで掘進し、置換コラムの置換底位置でそのままの状態でスクリューオーガを引き上げることなく暫くスクリューオーガの回転を続けた後、填充材を吐出しつつスクリューオーガを引上げてもよい。
更に、図9(e)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達する少し前に、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始めて、置換コラムの置換底位置まで掘進し、置換コラムの置換底位置に達したら填充材を吐出しつつ、スクリューオーガを引上げてもよい。
また、図9(f)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、填充材を吐出することなくスクリューオーガを少し引き上げた後、再度置換コラムの置換底位置までスクリューオーガを引き下げ、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出しつつスクリューオーガを引上げてもよい。
また、図9(g)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、填充材を吐出することなくスクリューオーガを少し引き上げた後、再度置換コラムの置換底位置までスクリューオーガを引き下げ、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始め、そのままの状態でスクリューオーガを引き上げることなく暫くスクリューオーガの回転を続けた後、填充材を吐出しつつスクリューオーガを引上げてもよい。
更に、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガを少し引き上げた後、再び置換コラムの置換底位置までスクリューオーガを引き下げ、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達させる場合においては、図9(h)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガを少し引き上げた後、再び置換コラムのスクリューオーガを引き下げる時点からスクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始めてもよく、図9(i)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出してスクリューオーガを少し引き上げ、再び置換コラムのスクリューオーガを引き下げ始める時点で填充材の吐出を止め、置換コラムの置換底位置に到達したら再びスクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出しつつスクリューオーガを引上げてもよく、また、図9(j)に示すように、スクリューオーガが置換コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出してスクリューオーガを少し引き上げ、再び置換コラムのスクリューオーガを引き下げ始める時点で填充材の吐出を止め、置換コラムの置換底位置に到達したら再びスクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始め、そのままの状態でスクリューオーガを引き上げることなく暫くスクリューオーガの回転を続けた後、填充材を吐出しつつスクリューオーガを引上げてもよい。
なお、図9では縦方向に深度を示し、横方向には経過時間を示している。また第9図では置換コラムを斜線が施された長方形で示すと共に填充材の吐出範囲を太線で示している。
また、本発明の請求項2では、置換コラムの置換底位置に到達した後、該スクリューオーガの先端部から填充材を吐出するという条件があるため、請求項2では、図9(d)や(e)(h)のように、スクリューオーガが置換コラムの予定置換底位置に到達する少し前に、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始めて、置換コラムの置換底位置まで掘進することは不可能となるが、図9(b)、(c)、(f)、(g)、(i)、(j)のように、少なくとも先端にスパイラルスクリュー状の掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、置換コラムの置換底位置に達した後、所望のタイミングで該スクリューオーガの先端部から吐出することは、請求項2の場合も適用可能である。
なお、また、図1や図3に示し、図2(a)に示したスパイラル翼2が連続している連続スパイラルスクリュー1、1aの他に、図2(b)(c)等に示すスパイラル翼が断続した断続スパイラルスクリュー1b、1c、図2(d)や(e)に示すスパイラル翼が複数の断続スパイラルスクリューからなり、かつ該断続スパイラルスクリューのうち少なくともコラム築造に直接関わる部分には外周に円筒状のリング3が固設してあるオーガ1d、1e、図2(f)に示すスパイラル翼が複数の断続スパイラルスクリューからなり、かつ該断続スパイラルスクリューに縁板4が付いているオーガ1f等がスクリューオーガとして本発明に使用可能である。勿論、図2(c)や(e)に例示したようなスパイラル翼が同一高さに2枚設けられたオーガでもよい。
なお、実施例や比較例に使用した填充材は、JIS A 6201にて規定されているフライアッシュII種の品質のフライアッシュ6質量部に対し普通ポルトランドセメント1質量部の割合で、前記フライアッシュと普通ポルトランドセメント合計質量に対する水の質量を32.5%とした配合比のものであり、これらの材量をミキサーで撹拌混合したものであり、練り上がり時、即ち施工時のコンシステンシーがテーブルフロー値で220mmであるものを使用した。
本発明の施工に使用するスクリューオーガの一例を示す正面図である。 本発明で使用可能なスクリューオーガを例示(a)(b)(c)(d)(e)(f)した正面図である。 本発明の施工工程の一例を工程順(a)(b)(c)(d)(e)に示す正面説明図である。 実施例1におけるスクリューオーガにより掘進された状態の模式図である。 比較例1におけるスクリューオーガにより掘進された状態の模式図である。 本発明の他の施工工程の一例を工程順(a)(b)(c)(d)(e)に示す正面説明図である。 実施例2におけるスクリューオーガにより掘進された状態の模式図である。 比較例2におけるスクリューオーガにより掘進された状態の模式図である。 本発明の施工工程の例を時間軸と深度軸で示して例示(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)する説明図である。 比較例の施工工程の一例を示す正面説明図である。
符号の説明
1 スクリューオーガ
1a〜1f スクリューオーガ
2 スパイラルスクリュー(スパイラル翼)
2a 連続スクリューオーガ
2b 断続スクリューオーガ
2c 2枚羽根のスパイラルスクリュー
3 円筒状のリング
4 縁板
5 オーガ軸
6 掘削部
7 オーガ軸先端の掘削爪
8 掘削翼の掘削爪
9 オーガ軸の先端
10 孔壁
11 崩壊
12 拡径
13 置換コラム
14 空堀部
G 地盤
P スパイラルスクリューのピッチ

Claims (3)

  1. 少なくとも先端にスパイラルスクリュー状の掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの置換底位置に達した後、そのままの状態で暫くスクリューオーガの回転を続けた後、土砂や骨材を含まず、混和材としてフライアッシュおよび/または高炉スラグ粉体を使用し、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を所望のタイミングで該スクリューオーガの先端部から吐出しつつスクリューオーガを引き上げることによりコラムの置換底位置から上方の地盤土が填充材で置換されたコラムを築造する方法であって、該スクリューオーガのスパイラルスクリューのピッチをPとし、該スクリューオーガを正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガを正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値に略等しくすることを特徴とするコラムの置換築造方法。
  2. 少なくとも先端にスパイラルスクリュー状の掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの置換底位置に到達したら、スクリューオーガ先端部から土砂や骨材を含まず、混和材としてフライアッシュおよび/または高炉スラグ粉体を使用し、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出し始め、そのままの状態でスクリューオーガを引き上げることなく暫くスクリューオーガの回転を続けた後、填充材を吐出しつつスクリューオーガを引き上げることによりコラムの置換底位置から上方の地盤土が填充材で置換されたコラムを築造する方法であって、該スクリューオーガのスパイラルスクリューのピッチをPとし、該スクリューオーガを正回転させながらの掘進時の回転数を毎分Re回転としたとき、該スクリューオーガを正回転させながらの掘進速度(毎分Ve)の値をPとReとの乗じた値に略等しくすることを特徴とするコラムの置換築造方法。
  3. 填充材をスクリューオーガ先端部から吐出しつつ、該スクリューオーガを正回転で引上げ、コラムの置換予定上端位置に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後該スクリューオーガを正回転乃至逆回転させながら引上げることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のコラムの置換築造方法。
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