JP4867044B2 - コラムの置換築造方法 - Google Patents

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この発明は、土木・建築構造物の基礎工法としてのコラムの置換築造方法に関する。
土木・建築構造物の基礎工法として、従来、深層混合処理工法、流動化処理土工法、PIP杭工法およびRGパイル工法等が提案されている。
深層混合処理工法は、地盤中に掘削撹拌混合装置を挿入し、固化材を填充しながら同時に原地盤と撹拌混合することにより、地盤中に円柱状の地盤改良体を築造する工法(例えば、特許文献1参照)であり、掘削撹拌混合装置を地盤中に掘進させる時に固化材を填充する方法と、逆に上方へ引上げるときに固化材を填充する方法がある。また、固化材は水と撹拌混合してスラリー状にして使用する方法と、固化材を粉末状のまま使用する方法とがある。
流動化処理土工法は、連続スパイラルオーガにより掘削排土した土砂を地上のミキサーで固化材と混合し、ソイルセメントとした後、該ソイルセメントを掘削した場所に再び戻すことにより地盤改良を行うものである(例えば、特許文献2および3参照)。
PIP杭工法は、連続したフライトをもつオーガの中空のシャフトの頭部に駆動装置を取り付け、この装置全体を櫓に吊り下げ、地中に回転させながら所定の深さまで掘削し、所定の深さに達したら、シャフト先端部よりモルタルを圧入しながら徐々に引上げることによってモルタル杭を造成し、オーガ引上げ後ただちに鉄筋篭または形鋼をモルタル杭の中に建て込むものである(例えば、特許文献4および非特許文献1参照)。
また、RGパイル工法は、中空軸を有するアースオーガの回転により土砂を上方に排除しながら所定の深さまで掘削し、次にオーガを引上げつつ、中空軸先端オーガヘッドの噴出口からモルタルを圧入して地中に場所打ち杭を造成するものである(例えば、非特許文献1参照)。
特開2003−247228号公報(請求項3、段落番号0002) 特開平8−260450号公報(請求項1) 特許第3280710号公報(請求項1) 特許第3306460号公報(段落番号0002) 地下連続壁工法 設計・施工ハンドブック 社団法人日本建設機械化協会編 技報堂出版株式会社発行(第427頁〜第430貢)
前記深層混合処理工法においては、次のような課題がある。
(1)固化材を填充しながら同時に原地盤と撹拌混合することにより、地盤中に地盤改良体を築造する工法であるため、改良対象地盤の土質の物性が一定でないことに起因して、改良土の品質は特に一軸圧縮強度のバラツキが大きいという欠点がある。そのため、改良する目標強度をバラツキに相応する分だけ設計強度よりも大きくしなければならず、固化材添加量が増え、不経済であった。
(2)深層混合処理工法においては、粘着力の大きな粘性土地盤では共回り現象の発生により混合不良が発生し、目標とする品質を確保出来ないことが多かった。
(3)有機質土やピート等の有機質分が多量に含まれている土層やロームや赤ボク黒ボク等の火山灰質粘性土では固化材の硬化不良が発生したりして、目標とする品質を確保出来ないことが多かった。
(4)有機質分が多量に含まれている地盤では、固化材添加量を多く必要とするため、不経済であった。
(5)地盤が複数の土層で構成されている場合は、強度発現が最も低い土層に必要な固化材添加量で全深度範囲に填充するため、他の土層部分には必要以上の量の固化材を添加しなければならず、不経済であった。また、その分だけ建設発生土(残土)量が増え、環境に対する負荷が大きかった。
(6)撹拌混合が確実に行われたとしても、ソイルセメントの発現強度は改良対象の土質に依存するため、事前に予想していない土質が出現した場合には改良強度が目標値に達せず不良工事になる恐れがあった。
(7)深層混合処理工法では腐植土や有機質土などのように大量の固化材を添加しても発現強度が小さいことに起因して、同一荷重を支持するのにより広い面積を改良する必要があった。これに伴い、地盤改良に要する改良対象土量が増えるのみならず、基礎のフーチング体積も増えるため、建設コストが増大していた。
また、前記流動化処理土工法にも次のような課題がある。
(1)地上のミキサーで現地の土砂と固化材を混合するため、現地発生土砂を使用するので、施工対象地盤の土質の物性や土質のバラツキに起因して、改良後の品質はバラツキが大きいという欠点がある。また、現地の土砂と固化材を混合するため、所要の−軸圧縮強度を得るために多量のセメントを必要とし、不経済となる場合がある。
(2)掘削土砂を地上へ排出し、それを地上のミキサーで固化材と混合してスラリー状の流動化処理土とし、再び元の位置へ戻す工程であるため、施工工程が増え、コストが高い。
(3)一時的とはいえ、改良すべき箇所の土砂を掘削し除去するため、それまでの上載荷重による応力バランスが崩れて支持地盤が緩む。そのため、掘削底地盤の支持力が低下する。
(4)土砂を除去した底面の処理を丁寧にしないと、構造物からの鉛直荷重が作用したときに場所打ち杭の先端スライムと同様な初期沈下の問題が発生する。
さらに、PIP杭工法およびRGパイル工法にも次のような課題がある。
(1)モルタル製造に用いる細骨材の水分管理が必要であり、現実的に品質のバラツキが生ずる。
(2)モルタルは細骨材を含有しているため、モルタルはフロー値が18〜20秒の流動性の高いものを使用せざるを得なく、ブリージングが発生しやすくなるばかりか、モルタルの流動性が高いため、掘削土砂等がモルタル中に落ち込み、モルタル中に土砂等が混入される。
(3)砂質土層や礫質土層などでは、湧水、地下水圧に起因する孔壁崩壊が起り易いので、掘削に際しベントナイト泥水、またはこれに少量のセメントを混合したものを用いる必要がある。また、ベントナイトは汚泥となるため後の処理に莫大な費用が発生する。
(4)その結果、モルタル柱底面と支持地盤との間にスライム層が形成されるため、スライム処理工程が必要となる。
このような課題を解決し、対象地盤の性状に左右されず、安定した品質のコラムの築造方法を提供するために本出願人は、先端に掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの置換底位置に達した後、土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を該コラムの置換底位置から該スクリューオーガ先端部から吐出しつつ、該オーガを正回転で引上げ、コラムの置換予定上端位置に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後該オーガを逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラムとすることを特徴とするコラムの置換築造方法を特願2005−109463として先に出願している。
しかしながら、置換されたコラムに高い支持力を所望される場合、築造条件によっては、コラムの初期沈下が大きくなるという危険性が生じる場合があり、所望した先端支持力を発揮したときに総沈下量が過大になる場合がある。即ち、置換コラムに構造物の鉛直荷重が作用したときに、初期沈下が増大するために沈下量が許容値を超えてしまうという危険性が生じる場合があるのである。
この発明は、このような課題を解決せんと提案されたものであり、その目的は、コンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材で置換させた置換コラムの初期沈下を防止したコラムの置換築造方法を提供することである。
この発明のコラムの置換築造方法は、先端に掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの予定置換底位置の少なくとも10cm程度上方、大きくとも築造する置換コラムの径程度上方の位置に達した後、土砂や骨材を含まずかつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を、該スクリューオーガ先端部から吐出しつつ正回転で掘進し、コラムの置換底位置に達した後、該填充材をスクリューオーガ先端部から吐出しつつ該スクリューオーガを正回転乃至逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラムとすることを特徴とする。
この発明でスクリューオーガの正回転とは、地盤の掘削土がスクリューオーガで地上側に排土される回転を指す。
また、正回転乃至逆回転という表現には、実質的に無回転の場合も含んだ表現であり、実質的に無回転という表現は、回転させてない状態や実質的に回転していないとみなせる非常に低速な回転数で正回転や逆回転する状態も含む表現である。
たとえば、置換されたコラムの先端部をN値30以上(荷重条件等場合により20以上)の良好な支持地盤中に築造する場合、掘進時の回転する掘削爪(刃)のためにコラムの予定置換底部よりも下部の原地盤G中に図5(b)に示すように亀裂4が発生し、コラムの予定置換底部L1よりも下部の原地盤Gが乱され緩むため、その結果として構造物からの荷重が作用したときに置換コラムの初期沈下量が大きくなることがあることを本発明者らが見出した。
そこでコラムの予定置換底位置の少なくとも10cm程度上方、大きくとも築造する置換コラムの径程度上方の位置に達した後、土砂や骨材を含まずかつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を、該スクリューオーガ先端部から吐出しつつ正回転で掘進すると、図5(a)に示すようにこの亀裂4中に填充材が充填され、置換コラムの初期沈下量が少なくなることを発見した。
なお、コラムの予定置換底位置から上方の填充材吐出開始位置を低くすると初期沈下防止効果が小さくなる危険性があり、コラムの予定置換底位置の上方の高い位置から、スクリューオーガ先端部から填充材を吐出しつつ掘進すると、吐出される填充材量が多くなり、スクリューオーガの引き上げ時に排出される土砂に填充材が混ざり、その量が多くなり過ぎ、その分だけ排出される填充材が混ざっていない土砂の量が少なくなる。したがって、排出土砂が填充材の混入した産業廃棄物となり、その処分費用が高価となり好ましくない。それ故に、コラムの予定置換底位置の少なくとも10cm程度上方、大きくとも築造する置換コラムの径程度上方の位置に達した後、スクリューオーガ先端部から填充材を吐出しつつ掘進して、スクリューオーガの引き上げ時に排出される土砂に填充材が混ざる量を少なくして、構造物からの鉛直荷重が作用したときに初期沈下が小さい置換コラムとすることができる。
なお、掘削部は下記のいずれかの部分を指す。スクリューオーガ先端に位置するスパイラル翼先端に掘削爪が付けられてなる掘削翼の他にスクリューオーガ軸先端に突設された掘削爪を有する場合は、スクリューオーガ先端に位置するスパイラル翼先端に掘削爪が付けられてなる掘削翼とスクリューオーガ軸先端に突設された掘削爪が掘削部であり、スクリューオーガ軸先端に突設された掘削爪が存在しない場合は、スクリューオーガ先端に位置するスパイラル翼先端に掘削爪が付けられてなる掘削翼が掘削部である。
この置換コラムの置換築造方法によれば、原地盤と填充材を撹拌混合することがないので地上のミキサーで混練した状態の品質とはば同じ品質の硬化体(コラム)を得ることができるし、深層混合処理工法によるコラムに比べて品質のバラツキを非常に小さくすることができるし、また、填充材の配合を調整することで硬化体(コラム)の強度を任意に設定し、それを実現することが容易に出来るし、所定の置換範囲内を置換しその上方の非置換範囲の土砂を排土せずにそのまま残置することも可能となる。
また、填充材をスクリューオーガに供給する際に、スクイズ式ポンプやプランジャー式ポンプの他にスネーク式ポンプ(スクリュー式ポンプ)も使用できる。
なお、スネーク式ポンプ(スクリュー式ポンプ)により填充材を該オーガに供給し、該填充材を該オーガ先端部から吐出するようにすると、練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーが低いものでも効率良く施工できるので特に好ましい。
前記填充材は、セメント単独でもよく、他に混和材や混和剤を含んでいるのでもよく、填充材は特に制限されるものではないが、土砂や骨材を含まない填充材である必要がある。なお、この発明では、骨材とはコンクリートでいう細骨材や粗骨材を意味し、高炉スラグやフライアッシュ等の粉体は骨材ではない。土砂や骨材を含む填充材を使用すると前記したような欠点が生じる。
また、前記填充材は練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフ
ロー値で150〜400mmである填充材である必要がある。
また、練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーを、テーブルフロー値で150〜400mm、好ましくは150〜330mmに設定することで、掘削孔内における流動充填性を確保し、また孔壁崩壊を防ぎ、さらに置換範囲上方の土砂が置換されて填充材中に落ち込むことを防ぐことが出来る。
練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーを、テーブルフロー値で150mm〜400mmとするのは、150mm未満では、配管内の抵抗(摩擦力)が大きくなり、施工時に時間がかかりすぎるか、施工不能(吐出不能)になり、400mmを超えると固化体中に土砂が多く混入される可能性が多くなるためである。
また、上述したように、スネーク式ポンプ(スクリュー式ポンプ)により填充材を該オーガに供給し、該填充材を該オーガ先端部から吐出するようにすると、練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜260mmのものでも施工できるので特に好ましい。
なお、テーブルフロー値は、JIS R 5201のセメントの物理試験方法において規定されたフローテーブルの直径300mmの代わりに、この直径300mmのフローテーブルの上に直径500mmの板を固定して測定したテーブルフロー値である。
このような填充材は、安価なフライアッシュや高炉スラグ粉体を使用することにより、填充材のコストを下げることが出来るし、填充材の配合を調整することにより、任意の強度を発現するようにすることが可能になる。
なお、フライアッシュまたは高炉スラグ粉体の配合比はセメント1重量部に対し、フライアッシュまたは高炉スラグ粉体が3乃至20重量部であり加水混合された状態で前記したテーブルフロー値のコンシステンシーを有する填充材とすることができる。一般に、この場合、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉体の合計重量に対し含水量は30から50%である。置換されたコラムの圧縮強度を高めるためには高炉スラグ粉末を使用することが好ましい。
また、この発明のコラムの置換築造方法で使用可能なスクリューオーガとして、スパイラル翼が連続スパイラルスクリューであるオーガ、スパイラル翼が断続スパイラルスクリューであるオーガ、オーガが少なくともコラム築造長に相当する長さの円筒形のケーシングに覆われているオーガ、連続スパイラルオーガのスパイラル翼の縁部に縁板が固定されているオーガおよびスパイラル翼が複数の断続スパイラルスクリューからなり、かつ該断続スパイラルスクリューのうち少なくともコラム築造に直接関わる部分には外周に円筒状のリングが固設してあるオーガ、等を挙げることができる。勿論、スパイラル翼が同一高さに位相を180度ずらして2枚設けられたオーガでもよい。
スパイラル翼が連続スパイラルスクリューであるオーガによれば、汎用的なスパイラルスクリューオーガを使用することにより、容易に置換作業が出来る。
スパイラル翼が断続スパイラルスクリューであるオーガによれば、砂質地盤や礫質地盤のような崩壊性の地盤では、連続スパイラルスクリューで掘進すると、必要以上に掘削土を排出する可能性があるので、断続スパイラルスクリューオーガを使用することにより、排土量を低下させ、周辺地盛の緩みを少なくすることが出来る。その結果として支持地盤の乱れを少なくすることができる。また、断続スパイラルスクリューの外径は掘削翼径と同一であってもよいが、断続スパイラルスクリューの外径は掘削翼径より小径にすればさらに排土量を低下させることが可能になる。
また、オーガが少なくともコラム築造長に相当する長さの円筒形のケーシングに覆われているオーガによれば、削孔周辺部の土砂をスパイラルスクリューにより過剰に引き込むことを防ぐため、砂質土層や礫質土層などでは、湧水、地下水圧に起因する孔壁崩壊が起り易い地盤でも周辺地盤を緩めることなく、原地盤との置換がより確実になる。それと共に支持地盤が緩められることなく、構造物から鉛直荷重が作用したときに置換したコラムの初期沈下が大きくなることがない。前記円筒形のケーシングは、スクリューオーガと同軸的に、かつ相対的に正逆回転可能に装着されているか、またはケーシングが独立に回動可能に挿通されているか、ケーシングが回転しないように固設されていてもよい。
さらに、スパイラル翼が複数の断続スパイラルスクリューからなり、かつ該断続スパイラルスクリューのうち少なくともコラム築造に直接関わる部分には外周に円筒状のリングが固設してあるオーガによれば、孔壁崩壊を防ぐ作用があり、簡便な装置でケーシングを使用するときと同様に確実な原地盤との置換ができる。また、地上に引上げたオーガの土砂落とし作業がケーシングを使用するときに比べて容易に出来る。
なお、スパイラルスクリューに縁板が付いているスクリューオーガの場合は、スクリュー部に沿って排出されつつある掘削土がスクリュー端部からこぼれ落ちる可能性が一段と低くなる。
また、スクリューオーガ軸先端に設けられた掘削爪およびスパイラル翼先端に設けられた掘削爪を例示できる。この掘削翼の掘削爪およびスクリューオーガ軸先端の掘削爪は、掘削(特に硬質地盤)において威力を発揮するが、このスパイラル翼先端に設けられた掘削爪は地盤状況等によっては平爪であってもよい。
掘削部の存在で掘削効率が向上する。また、置換コラム築造終了後に掘削爪を突設した掘削翼で填充材置換上端部を整形すると、上端部は爪の形状通りに整形されるため、填充材が固結したときに凹凸ができる。したがって、後工程で置換コラム上端面の再整形作業が必要となる。平爪を用いることにより、置換工程でコラム上端面を平面状に仕上げることが出来るので再整形作業が不要となる。
なお、請求項2に示したように、填充材をスクリューオーガ先端部から吐出しつつ、該オーガを正回転乃至逆回転で引上げ、コラムの置換予定上端位置に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後該オーガを正回転乃至逆回転させながら引上げることを特徴とする請求項1記載のコラムの置換築造方法により、コラムの上方に土砂が存在している置換コラムとした場合でも、填充材のテーブルフロー値が150〜400mmであれば、置換範囲上方の残置された土砂が填充材中に落ち込み混入されることがない。それ故に土砂が混入されていない良品質の置換コラムとなる。なお、填充材のテーブルフロー値が150〜330mmであれば、より崩落が生じやすい地盤条件であっても、コラム上方に残置させる土砂があっても確実に土塊等が混入しない良品質の置換コラムとすることができる。
この発明のコラムの置換築造方法及びその方法によって得られる置換コラムによれば、次のような効果を奏する。
(1)地盤の土質や地盤のバラツキによらず、特にコラムの先端部での置換が確実に行えて、地上のミキサーで混練したときとほぼ同じ品質のコラムの築造ができ、一軸圧縮強度のバラツキの小さい置換コラムの築造ができる。
(2)この発明のコラムの置換築造方法によれば、また従来の工法に使用されていた流動性の高いモルタルに比べると、この発明に使用する填充材は極めて流動性を低くすることができるため、置換範囲上方の土砂が置換されて填充材中に落ち込むことを防ぐことが出来る。その結果、地上のミキサーで混練したときとほぼ同じ品質のコラムの築造ができ、一軸圧縮強度のバラツキの小さい置換コラムの築造ができる。
(3)また、この発明においても、従来の工法に使用されていた流動性の高いモルタルに比べると、この発明に使用する填充材は極めて流動性を低くすることができるため、置換範囲上方の土砂が置換された填充材中に落ち込むことを防ぐことが出来る。その結果所定の置換範囲内を置換しその上方の非置換範囲の土砂を排土せずにそのまま残すことが可能となる。
(4)(2)と同様の理由から、深層混合処理工法によるコラムに比べて品質のバラツキを非常に小さくすることができる。
(5)また、同様の理由から、固化体(コラム)の強度を任意に設定し、それを実現することが容易に出来る。
(6)填充材の配合を調整することにより、任意の強度を発現するようにすることが可能になる。
(7)安価なフライアッシュや高炉スラグ粉体を混和材として填充材に使用した場合は、填充材のコストを下げることが出来る。
(8)掘削部の存在で掘削効率が向上する。また、掘削爪を設けたスクリューオーガ軸先端または掘削爪を突設した掘削翼で填充材置換上端部を整形すると、上端部は爪の形状通りに整形されるため、填充材が固結したときに凹凸ができる。したがって、後工程で置換コラム上端面の再整形作業が必要となる。平爪を用いることにより、置換工程で平面状に仕上げることが出来るので再整形作業が不要となる。
(9)この発明によって得られた置換コラムは高い強度のものとすることができるので、従来の地盤改良コラムに比して同一荷重を支持するために少ない面積のコラムで充分となる。そのため、構造物基礎のフーチング体積も小さくなり、フーチングのコンクリート量の低減のみならず、フーチング構築に伴う建設発生土の減少を図ることが可能となり、建設コストを大幅に縮減することができる。
(10)この発明によって得られた置換コラムは以上のような優れた性能を有すると共に、置換コラムに構造物からの鉛直荷重が作用したときの初期沈下量の少ないコラムとすることができる。
以下、スクリューオーガとしてスパイラル翼が連続しておる連続スクリューオーガを使用した場合の例を用いて、この発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。使用したスクリューオーガの外径は600mmである。
先ず、図1(a)に示すように、築造する置換コラムの中心位置にスクリューオーガ1をセットし、次に図1(b)に示すようにスクリューオーガ1を正回転しながら掘進する。
図1(c)に示すように、スクリューオーガ1がコラムの予定置換底位置L1の30cm上方の位置に達した後、先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出しつつ正回転しながら掘進を続ける。
図1(d)に示すように、スクリューオーガ1がコラムの予定置換底位置L1に到達したらスクリューオーガ1先端部から土砂や骨材を含まず、かつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を吐出しつつ、図1(e)に示すようにスクリューオーガ1を正回転で引上げる。
このスクリューオーガ1の引き上げに際して、正回転の他に逆回転や実質的に無回転で引き上げることも可能であるが、掘削土が置換コラム中により落ち込まないようにするには、正回転もしくは実質的に無回転で引き上げる方がより好ましい。
図1(f)に示すようにコラムの置換予定上端位置L2に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後、図1(g)に示すようにスクリューオーガ1を逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラム2とする。
なお、図1の例では地上側に填充材が存在していない空掘部3を存在させている。
また、填充材の吐出を停止させ、その後、スクリューオーガ1を引上げる際に逆回転させる代わりに正回転させることも可能であるが、正回転よりも逆回転させた方が、空掘部3に掘削土を残置させることができるので好ましい。
以上の工程によって図2に示すGL−5.15mまでローム地盤が続き、その下方はN値50以上の砂礫層が出現する地盤で試験を行った。
使用する填充材は、その硬化後の強度が地盤の地耐力と同等以上あればよく、通常はフライアシュを主原料としてセメントが配合させたものを使用するが、置換コラム中に鋼管や鉄筋篭等の芯材を挿入して複合構造とする場合や高強度とする場合には高炉スラグを主原料としてセメントが配合させたものを使用する。
今回は置換コラムの鉛直載荷試験を実施するので地盤の極限支持力度以上のコラム強度が必要となるため、高強度を発現する高炉スラグを主原料とす填充材を使用した。
これは鉛直載荷試験を実施したときに、支持地盤が破壊に至る前に置換コラムが破壊するのを防ぐためである。具体的な実施配合を表1に示す。なお、使用した高炉スラグ粉体はJIS A6206「コンクリート用小売りスラグ微粉末」に規定される高炉スラグ微粉末4000を使用した。
Figure 0004867044
この配合のテーブルフロー値(表中ではTF値と表記)と一軸圧縮強度を表2に示した。
Figure 0004867044
なお、施工設備は、ベースマシンとして80トン級の三点支持式杭打ち機、ミキサーはコンクリート用の二軸強制練りミキサー、ポンプはスクリュー式ポンプ、スパイラルオーガは前述したように外径600mmのものを使用した。
この実施例では、図2に示した地盤に対し、図1に示した工程で施工を行ったが、施工工程を掘進速度や吐出量と共に下記に示す。なお、築造する置換コラムの先端位置、即ち、コラムの予定置換底位置(以下、所定深度と表記する)はGL−5.2mである。
スパイラルオーガを正回転しながら、所定深度から置換コラムの半径と等しい距離である0.3m分だけ浅い位置まで毎分2.0mの速度で掘進し、その位置から填充材をスパイラルオーガの先端から毎分100リットル吐出しながら所定の深度までスパイラルオーガを正回転しながら毎分2.0mの速度で掘進し、所定深度に達したら直ちに填充材の毎分100リットルの吐出量を維持しつつ、スパイラルオーガを正回転させながら毎分0.35mの速度で引き上げ、GL−1mの位置に達したら、填充材の吐出を停止して、スパイラルオーガを逆回転しながら地上部に引き上げた。
この深度と施工時間との関係を図3(a)に示す。なお、図3(a)の左側には置換コラムと深度との関係を示した。
比較のために、図3(b)に示すように、スパイラルオーガを正回転させながら、所定深度まで掘進し、その位置で填充材を吐出することなしに1分間正回転し、その後にスパイラルオーガの先端から填充材を毎分100リットルの吐出量で吐出しつつスパイラルオーガを正回転させながら毎分0.35mの速度で引き上げ、GL−1mの位置に達したら填充材の吐出を停止してスパイラスオーガを逆回転させながら地上に引き上げる築造方法を示す。
この実施例と比較例により築造された置換コラムにおける填充材の材令が2週間以上になってから、それぞれの置換コラムについて鉛直載荷試験を行った。
これらの載荷試験結果から得られた置換コラム先端の沈下量と置換コラム頭部に載荷した荷重との関係を図4に示す。
図4に示すように、実施例の置換コラムは(a)で示すように、初期沈下量は置換コラム頭部荷重300kNで0.9mmであるのに対し比較例の置換コラムは(b)で示すように、置換コラム頭部荷重300kNで約4.5mmであり、本発明はより初期沈下量が減少している。なお、極限荷重は、コラム先端部の沈下量がコラム径の10%で定義されるので、コラム先端沈下量が60mmに達したときの荷重となる。それ故、極限荷重は(a)は2850kN,(b)は2800kNであり、両者に顕著な差は見られなかった。
なお、このように比較例における初期地盤沈下量が大きいのは、オーガの掘進により、図5(b)に示すように、所定地盤以深の原地盤Gに亀裂4が発生し、先端部地盤が緩められたためであり、本発明に従うと、図5(a)に示すように、この亀裂4に填充材を充填できるので先端部地盤の緩みが解消され、填充材により強化されるので、上記のような結果になったものと推定される。
なお、上記と同条件で実施例と比較例の施工を行い、施工後5日経過後、周辺地盤を掘削して置換コラムを引き揚げ、その先端形状を観察すると共に先端部を切断してその断面形状を観察した。
実施例の置換コラムも比較例の置換コラムも、置換コラムの下端においても殆ど土砂の混入は認められず、置換コラムは所期の強度が発揮されていた。
本発明の実施の形態を施工工程順(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)に示す正面説明図である 施工地盤を示す説明図である。 施工工程の例を時間軸と深度軸で示す説明図である。 載荷荷重と沈下量の関係を示すグラフ図である。 所定深度以深の状態を示す断面説明図である。
符号の説明
1 スクリューオーガ
2 置換コラム
3 空掘部
4 亀裂
L1 予定置換底位置
L2 置換予定上端位置
G 原地盤

Claims (2)

  1. 先端に掘削部を有するスクリューオーガを正回転させながら掘進し、コラムの予定置換底位置の少なくとも10cm程度上方、大きくとも築造する置換コラムの径程度上方の位置に達した後、土砂や骨材を含まずかつ練り上がり時乃至施工時の填充材のコンシステンシーがテーブルフロー値で150〜400mmである填充材を、該スクリューオーガ先端部から吐出しつつ正回転で掘進し、コラムの置換底位置に達した後、該填充材をスクリューオーガ先端部から吐出しつつ該スクリューオーガを正回転乃至逆回転させながら引上げることにより、地盤土が填充材で置換されたコラムとすることを特徴とするコラムの置換築造方法。
  2. 填充材をスクリューオーガ先端部から吐出しつつ、該オーガを正回転乃至逆回転で引上げ、コラムの置換予定上端位置に達したら、該填充材の吐出を停止させ、その後該オーガを正回転乃至逆回転させながら引上げることを特徴とする請求項1記載のコラムの置換築造方法。
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