JP7147351B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

地盤改良工法 Download PDF

Info

Publication number
JP7147351B2
JP7147351B2 JP2018151513A JP2018151513A JP7147351B2 JP 7147351 B2 JP7147351 B2 JP 7147351B2 JP 2018151513 A JP2018151513 A JP 2018151513A JP 2018151513 A JP2018151513 A JP 2018151513A JP 7147351 B2 JP7147351 B2 JP 7147351B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
ground
injection
injection rate
improved
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018151513A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020026661A (ja
Inventor
貴穂 河野
孝昭 清水
雅路 青木
宰 伊藤
公章 方田
一生 小西
偉久 椎葉
孝太郎 大坪
成史 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Corp
Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp, Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2018151513A priority Critical patent/JP7147351B2/ja
Publication of JP2020026661A publication Critical patent/JP2020026661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7147351B2 publication Critical patent/JP7147351B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

本発明は、地盤改良工法に関する。
改良対象地盤にセメントミルク等のセメント系固化材を注入しながら、セメント系固化材と改良対象地盤とを攪拌することにより地盤改良体を形成する地盤改良工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-193971号公報
特許文献1に開示された技術では、セメント系固化材を複数回に分けて改良対象地盤に注入することにより、地盤改良体の圧縮強度を高めている。
しかしながら、特許文献1において、地盤改良体の圧縮強度を効率的に高めるためには、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、地盤改良体の圧縮強度を効率的に高めることを目的とする。
第1態様に係る地盤改良工法は、改良対象地盤にセメント系固化材を注入しながら、前記セメント系固化材と前記改良対象地盤とを攪拌する注入攪拌工程を複数回行うことにより地盤改良体を形成する地盤改良工法であって、複数の前記注入攪拌工程の各々において、前記改良対象地盤に対する前記セメント系固化材の注入率を、前記地盤改良体の一軸圧縮強度を最高値にする限界注入率以下とする。
第1態様に係る地盤改良工法によれば、改良対象地盤にセメント系固化材を注入しながら、セメント系固化材と改良対象地盤とを攪拌する注入攪拌工程を複数回行うことにより地盤改良体を形成する。
ここで、地盤改良体の一軸圧縮強度は、基本的に、改良対象地盤に対するセメント系固化材の注入率が高くなるに従って高くなる。しかしながら、1回の注入攪拌工程において、地盤改良体の一軸圧縮強度が最高値となる注入率(限界注入率)に達すると、それ以上セメント系固化材の注入率を高めても、地盤改良体の一軸圧縮強度は高くならない。
そこで、本発明では、複数の注入攪拌工程の各々において、改良対象地盤に対するセメント系固化材の注入率を、地盤改良体の一軸圧縮強度が最高値となる限界注入率以下とする。これにより、セメント系固化材の無駄を省きつつ、地盤改良体の一軸圧縮強度を効率的に高めることができる。
第2態様に係る地盤改良工法は、第1態様に係る地盤改良工法において、前記改良対象地盤は、粘土質層及び砂質層を有し、前記粘土質層に対しては、前記注入攪拌工程を複数回行い、前記砂質層に対しては、前記注入攪拌工程を前記粘土質層よりも少ない回数行う。
第2態様に係る地盤改良工法によれば、改良対象地盤は、粘土質層及び砂質層を有する。ここで、粘土質層では、セメント系固化材の注入率を高めると、粘土質層とセメント系固化材とを攪拌しても、粘土質層及びセメント系固化材が十分に混合されず、地盤改良体の一軸圧縮強度の発現を阻害する土塊が残存し易くなる。そのため、粘土質層では、砂質層と比較して必要注入率が高くなる。
この対策として本発明では、粘土質層に対しては、注入攪拌工程を複数回行う。これにより、セメント系固化材の無駄を省きつつ、地盤改良体の一軸圧縮強度を効率的に高めることができる。
一方、砂質層では、セメント系固化材の注入率を高めても、粘土質層と比較して、土塊が残存し難い。そのため、砂質層では、粘土質層と比較して必要注入率が低くなる。
そこで、砂質層に対しては、粘土質層よりも少ない回数で注入攪拌工程を行う。これにより、本発明では、砂質層に対して粘土質層と同じ回数で注入攪拌工程を行う場合と比較して、地盤改良体の施工工数を削減することができる。
第3態様に係る地盤改良工法は、第1態様又は第2態様に係る地盤改良工法において、前記改良対象地盤に対する前記セメント系固化材の注入率が、目標値以上となるように、前記注入攪拌工程を複数回行う。
第3態様に係る地盤改良工法によれば、改良対象地盤に対するセメント系固化材の注入率が、目標値以上となるように、注入攪拌工程を複数回行う。これにより、セメント系固化材の無駄を省きつつ、所定の一軸圧縮強度を有する地盤改良体を形成することができる。
以上説明したように、本発明に係る地盤改良工法によれば、地盤改良体の圧縮強度を効率的に高めることができる。
(A)~(D)は、一実施形態に係る地盤改良工法の施工手順を説明する縦断面図である。 (A)~(C)は、一実施形態に係る地盤改良工法の施工手順を説明する縦断面図である。 (A)及び(B)は、改良対象地盤とセメント系固化材と攪拌混合した状態を示す説明図である。 (A)~(C)は、一実施形態に係る地盤改良工法の変形例の施工手順を説明する縦断面図である。 (A)は、セメント系固化材の必要注入率Iと試験用地盤改良体の一軸圧縮強度との関係を示す説明図であり、(B)は、図5(A)で得られた限界注入率Imaxに基づき、注入撹拌工程を2回とした場合の1回目のセメント系固化材の注入率Iと試験用地盤改良体の一軸圧縮強度との関係を示す説明図である。 実施例1~4及び比較例1~4において、改良対象地盤の攪拌回数と試験用地盤改良体の一軸圧縮強度との関係を示すグラフである。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について説明する。
図1(A)には、本実施形態に係る地盤改良工法が適用される地盤10が示されている。地盤10の上層部は、粘土質層12によって構成されている。本実施形態では、この粘土質層12の改良対象地盤(改良対象領域)10Xに、所定の圧縮強度を有する地盤改良体30を形成する。
本実施形態に係る地盤改良工法は、例えば、スラリー式の機械攪拌工による深層地盤改良工法とされる。この地盤改良工法は、複数回の注入攪拌工程を有している。各回の注入攪拌工程では、地盤10の改良対象地盤10Xに、セメントミルク等のセメント系固化材を所定の注入率Iで注入しながら、セメント系固化材と改良対象地盤10Xとを攪拌混合する。以下、各回の注入攪拌工程について、具体的に説明する。
先ず、1回目の注入攪拌工程について説明する。図1(B)及び図1(C)に示されるように、1回目の注入攪拌工程では、回転する複数の攪拌翼22を有する掘削ロッド20によって改良対象地盤10Xを目標深度まで掘削する。この際、掘削ロッド20の先端側(下端側)からセメント系固化材を噴射し、改良対象地盤10Xとセメント系固化材とを攪拌混合する。これにより、改良対象地盤10Xに、セメント系固化材を所定の注入率Iで注入する。なお、セメント系固化材の注入率Iについては、後述する。
次に、引上げ工程において、セメント系固化材の噴射を停止し、図1(D)に示されるように、改良対象地盤10Xから掘削ロッド20を引き上げる。
次に、2回目の注入攪拌工程について説明する。2回目の注入攪拌工程は、例えば、1回目の注入攪拌工程と連続して行う。この2回目の注入攪拌工程では、図2(A)及び図2(B)に示されるように、1回目の注入攪拌工程と同様に、掘削ロッド20によって改良対象地盤10Xを目標深度まで掘削する。この際、掘削ロッド20の先端側からセメント系固化材を噴射し、改良対象地盤10Xとセメント系固化材とを攪拌混合する。これにより、改良対象地盤10Xに、所定の注入率Iでセメント系固化材を注入する。
次に、引上げ工程において、セメント系固化材の噴射を停止し、図2(C)に示されるように、改良対象地盤10Xから掘削ロッド20を引き上げる。これにより、改良対象地盤10Xに、所定の圧縮強度を有する地盤改良体30を形成する。
(セメント系固化材の注入率)
次に、各回の注入攪拌工程におけるセメント系固化材の注入率Iについて説明する。
本実施形態では、前述したように、改良対象地盤10Xに、所定の圧縮強度を有する地盤改良体30を形成する。そのため、先ず、地盤改良体30に所定の圧縮強度(一軸圧縮強度)を発現させるために必要となるセメント系固化材の注入率(以下、「必要注入率I」という)を求める。
なお、セメント系固化材の注入率とは、改良対象地盤10Xの体積に対するセメント系固化材の体積の比(=セメント系固化材の体積/改良対象地盤の体積)を意味する。また、必要注入率Iは、目標値の一例である。
先ず、改良対象地盤10Xの粘土質層12から採取した掘削土(試験土)にセメント系固化材を注入し、攪拌混合して試験用地盤改良体を形成する。この試験用地盤改良体に対して一軸圧縮試験を行い、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度を算出する。これにより、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度を所定値(目標値)以上にするために必要となるセメント系固化材の必要注入率Iを求める。なお、一軸圧縮試験は、例えば、JIS A 1216:2009に規定される方法によって実施する。
ここで、地盤改良体の一軸圧縮強度は、基本的に、セメント系固化材の注入率Iが高くなるに従って高くなる。しかしながら、1回の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが所定値を超えると、後述する一軸圧縮強度試験の結果から分かるように、地盤改良体の一軸圧縮強度が略一定となる。これは、1回の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが所定値を超えると、図3(B)に示されるように、改良対象地盤10Xとセメント系固化材とを攪拌しても、改良対象地盤10Xの土粒子24とセメント系固化材26とが十分に混合されず、地盤改良体の一軸圧縮強度の発現を阻害する土塊28が残存し易くなるためと考えられる。
そこで、本実施形態では、地盤改良体30の一軸圧縮強度が最高(略一定)となるセメント系固化材の最小注入率(以下、「限界注入率Imax」という)を求める。限界注入率Imaxは、例えば、改良対象地盤(改良対象土)の含水比、間隙比、液性限界、及び粒度分布や、改良対象地盤とセメント系固化材とを攪拌混合したソイルセメントの硬化前の流動性等に基づいて決定する。
なお、1回の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率が限界注入率Imax以下の場合は、図3(A)に示されるように、改良対象地盤10Xの土粒子24とセメント系固化材26とが混合され易く、前述した土塊28(図3(B))が残存し難くなる。そのため、セメント系固化材の注入率Iが限界注入率Imax以下の場合は、後述する一軸圧縮強度試験の結果から分かるように、セメント系固化材の注入率の高くなるに従って地盤改良体30の一軸圧縮強度が高くなる。
次に、求められた必要注入率Iと限界注入率Imaxとを比較する。そして、必要注入率Iが限界注入率Imax以下の場合(必要注入率I≦限界注入率Imax)には、1回目の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが必要注入率Iとなるように(I=I)、改良対象地盤10Xにセメント系固化材を注入する。この場合は、注入攪拌工程を複数回行わず、1回の注入攪拌工程で地盤改良体30を形成する。
一方、必要注入率Iが限界注入率Imaxを超える場合(必要注入率I>限界注入率Imax)には、各回の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが限界注入率Imaxを超えないように、注入攪拌工程を複数回行う。つまり、本実施形態では、各回の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率Iが限界注入率Imax以下であり、かつ、各回の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率Iの合計値が必要注入率I以上となるように、各回のセメント系固化材の注入率Iを設定する。
具体的には、例えば、前述した1回目の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが限界注入率Imaxとなるように(I=Imax)、改良対象地盤10Xにセメント系固化材を注入する。次に、前述した2回目の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが、必要注入率Iと1回目の注入攪拌工程の注入率I(Imax)との差分(I-I)となるように、改良対象地盤10Xにセメント系固化材を注入する。
なお、上記とは逆に、例えば、1回目の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが、必要注入率Iと限界注入率Imaxとの差分(I=I-Imax)となるように、改良対象地盤10Xにセメント系固化材を注入し、2回目の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率Iが、必要注入率Iと1回目の注入攪拌工程の注入率Iとの差分(I=I-I)、すなわち限界注入率Imaxとなるように、改良対象地盤10Xにセメント系固化材を注入しても良い。
また、例えば、1回目及び2回目の注入攪拌工程において、セメント系固化材の注入率I1,を限界注入率Imax未満とし、かつ、1回目及び2回目の注入攪拌工程の注入率I1,の合計値が必要注入率I以上となるように、改良対象地盤10Xにセメント系固化材を注入しても良い。
(効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る地盤改良工法によれば、各回の注入攪拌工程において、改良対象地盤10Xに対するセメント系固化材の注入率I(I,I)を限界注入率Imax以下とする(I≦Imax)。これにより、セメント系固化材の無駄を省きつつ、地盤改良体30の一軸圧縮強度を効率的に高めることができる。
さらに、本実施形態では、各回の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率I(I,I)の合計値(I+I)を必要注入率I以上にする(I+I≧I)。これにより、セメント系固化材の無駄を省きつつ、所定の一軸圧縮強度を有する地盤改良体30を形成することができる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、改良対象地盤10Xが、粘土質層12で構成されているが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図4(A)に示されるように、地盤10は、砂質層14及び粘土質層12を有していても良い。
地盤10は、地表から順に、砂質層14及び粘土質層12を有している。この場合、粘土質層12に対して注入攪拌工程を複数回行い、砂質層14に対して注入攪拌工程を粘土質層12よりも少ない回数で行う。より具体的には、粘土質層12に対して注入攪拌工程を2回行い、砂質層14に対して注入攪拌工程を1回行う。
なお、図4(A)の実線は、注入攪拌工程を示し、点線は、引上げ工程を示している。また、これと同様に、後述する図4(B)及び図4(C)の実線は、注入攪拌工程を示し、点線は、引上げ工程を示している。
ここで、粘土質層12では、砂質層14と比較して、一軸圧縮強度の発現を阻害する土塊28(図3(B)参照)が残存し易く、砂質層14よりも限界注入率Imaxが低くなり易い。そのため、粘土質層12では、砂質層14と比較して必要注入率Iが高くなる。
そこで、本変形例では、粘土質層12に対しては、注入攪拌工程を複数回行う。これにより、セメント系固化材の無駄を省きつつ、地盤改良体の一軸圧縮強度を効率的に高めることができる。
一方、砂質層14では、セメント系固化材の注入率を高めても、粘土質層12と比較して、土塊が残存し難く、粘土質層12よりも限界注入率Imaxが高くなり易い。そのため、砂質層14では、粘土質層12と比較して必要注入率Iが低くなる。
そこで、本変形例では、砂質層14に対しては、粘土質層12よりも少ない回数で注入攪拌工程を行う。これにより、本変形例では、砂質層14に対して粘土質層12と同じ回数で注入攪拌工程を行う場合と比較して、地盤改良体の施工工数を削減することができる。
次に、図4(B)及び図4(C)に示される変形例では、地盤10は、地表から順に、粘土質層12及び砂質層14を有している。この場合も、粘土質層12に対して注入攪拌工程を複数回行い、砂質層14に対して注入攪拌工程を粘土質層12よりも少ない回数で行う。
なお、図4(B)に示される変形例では、先ず、粘土質層12及び砂質層14に対して1回目の注入攪拌工程を連続して行い、次に、粘土質層12に対して2回目の注入攪拌工程を行っている。一方、図4(C)に示される変形例では、先ず、粘土質層12に対して1回目の注入攪拌工程を行い、次に、粘土質層12に対する2回目の注入攪拌工程と砂質層14に対する1回目の注入攪拌工程とを連続して行っている。このように粘土質層12及び砂質層14に対する注入攪拌工程の実施順序は、適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、改良対象地盤10Xに対して注入攪拌工程を2回行ったが、上記実施形態はこれに限らない。改良対象地盤10Xには、例えば、セメント系固化材の必要注入率Iに応じて、3回以上の注入攪拌工程を行うことも可能である。
(試験1)
次に、地盤改良体の一軸圧縮強度試験について説明する。
本試験では、セメント系固化材の注入回数及び注入率が地盤改良体の一軸圧縮強度に与える影響を検証するために、実施例1~3及び比較例1~6に係る試験用地盤改良体に対して一軸圧縮試験を行い、各試験用地盤改良体の一軸圧縮強度を求めた。
各試験用地盤改良体は、掘削土(含水比80%、粘着力2.5t/m)に対してセメント系固化材(セメントミルク、高炉B種、水セメント比60%)を注入し、攪拌混合して形成した。
実施例1~3及び比較例1に係る試験用地盤改良体は、下記表1に示されるように、注入攪拌工程を2回行って形成した。また、実施例1~3及び比較例1では、1回目及び2回目の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率I,Iの合計値が必要注入率Iとなるように設定されている(I+I=I)。なお、実施例1~3及び比較例1では、セメント系固化材の必要注入率Iは70%であり、限界注入率Imaxは50%である。
また、実施例1~3では、1回目及び2回目の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率I,Iが、限界注入率Imax以下(I≦Imax、I≦Imax)に設定されている。一方、比較例1では、2回目の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率Iが限界注入率Imax以下(I≦Imax)に設定されているが、1回目の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率Iが限界注入率Imaxを超えるように設定されている(I>Imax)。
次に、比較例2~6は、下記表1に示されるように、注入攪拌工程を1回行って形成した。この比較例2~6では、セメント系固化材の必要注入率I及び注入率Iを30%から70%まで徐々に増加させた。なお、比較例2~6では、セメント系固化材の限界注入率Imaxは50%である。
Figure 0007147351000001
(試験結果)
先ず、注入攪拌工程を1回行って形成した比較例2~6に係る試験用地盤改良体について説明する。
図5(A)には、比較例2~6に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度が示されている。図5(A)に示されるように、セメント系固化材の必要注入率I(注入率I)が限界注入率Imax(50%)以下の場合、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度は、セメント系固化材の注入率Iが高くなるに従って高くなった。これは、セメント系固化材の必要注入率I(注入率I)が限界注入率Imax以下の場合は、図3(A)で前述したように、改良対象地盤10Xの土粒子24とセメント系固化材26とが十分に混合され、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度の発現を阻害する土塊28(図3(B))が残存し難くなるためと考えられる。
一方、セメント系固化材の必要注入率I(注入率I)が限界注入率Imax(50%)を超えた場合、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度は、略一定となった。これは、セメント系固化材の必要注入率Iが限界注入率Imax(50%)を超えると、図3(B)で前述したように、掘削土の土粒子24とセメント系固化材26とが十分に混合されず、前述した土塊28が残存し易くなるためと考えられる。
次に、注入攪拌工程を2回行って形成した実施例1~3及び比較例1に係る試験用地盤改良体について説明する。
図5(B)には、実施例1~3及び比較例1,4~6に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度が示されている。また、上記表1には、実施例1~3及び比較例1に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度の合否が示されている。
なお、実施例1~3及び比較例1に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度が、比較例6に係る試験用地盤改良体(注入率I=50%)の一軸圧縮強度と同等以下の場合を不合格(×)とし、同等よりも高い場合を合格(○)とした。
図5(B)に示されるように、実施例1~3に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度は、比較例6に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度よりも十分に高くなった。一方、比較例1に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度は、比較例6に係る試験用地盤改良体の一軸圧縮強度と同等となった。このことから分かるように、実施例1~3では、セメント系固化材の無駄を省きつつ、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度を効率的に高めることができる。
(試験2)
次に、改良対象地盤の攪拌回数が地盤改良体の一軸圧縮強度に与える影響を検証するために、実施例11~14及び比較例11~14に係る試験用地盤改良体に対して一軸圧縮試験を行い、各試験用地盤改良体の一軸圧縮強度を求めた。
各試験用地盤改良体は、掘削土(含水比80%、粘着力2.5t/m)に対してセメント系固化材(セメントミルク、高炉B種、水セメント比60%)を注入し、攪拌混合して形成した。なお、セメント系固化材の必要注入率Iは70%であり、限界注入率Imaxは50%である。
実施例11~14に係る試験用地盤改良体は、下記表2に示されるように、注入攪拌工程を2回行って形成した。また、実施例11~14では、1回目及び2回目の注入攪拌工程において、掘削ロッドの攪拌回数が変更されている。なお、1回目及び2回目の注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率I,Iは、必要注入率Iの1/2とした。
一方、比較例11~14に係る試験用地盤改良体は、下記表2に示されるように、注入攪拌工程を1回行って形成した。また、比較例11~14は、掘削ロッドの攪拌回数が変更されている。なお、注入攪拌工程のセメント系固化材の注入率Iは、必要注入率Iとした。
Figure 0007147351000002
(試験結果)
図6には、実施例11~14及び比較例11~14について、掘削ロッドの攪拌回数と試験用地盤改良体の一軸圧縮強度との関係が示されている。
図6に示されるように、実施例11~13と比較例12~14とで試験用地盤改良体の一軸圧縮強度をそれぞれ比較すると、実施例11~13の方が試験用地盤改良体の一軸圧縮強度が高くなった。また、実施例14の試験用地盤改良体の一軸圧縮強度は、実施例13の試験用地盤改良体の一軸圧縮強度と同等となった。このことから分かるように、実施例11~14では、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度を、効率的に高めることができる。
次に、試験用地盤改良体の一軸圧縮強度が同等(約14N/mm)の実施例11と比較例14とで攪拌回数を比較すると、比較例14では、攪拌回数が1800回/cmとなり、実施例11では、1回目及び2回目の注入攪拌工程の攪拌回数の合計値が900回/cmとなった。このことから分かるように、実施例11では、比較例14よりも少ない攪拌回数で、比較例14と同等の一軸圧縮強度を有する地盤改良体を形成することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10X 改良対象地盤
12 粘土質層
14 砂質層
26 セメント系固化材
30 地盤改良体
I 注入率
必要注入率(注入率の目標値の一例)
max 限界注入率

Claims (4)

  1. 改良対象地盤にセメント系固化材を注入しながら、前記セメント系固化材と前記改良対象地盤とを攪拌する注入攪拌工程を複数回行うことにより地盤改良体を形成する地盤改良工法であって、
    前記地盤改良体の一軸圧縮強度を最高値にする限界注入率を求め、
    複数の前記注入攪拌工程の各々において、前記改良対象地盤に対する前記セメント系固化材の注入率を、前記限界注入率以下とする、
    地盤改良工法。
  2. 改良対象地盤にセメント系固化材を注入しながら、前記セメント系固化材と前記改良対象地盤とを攪拌する注入攪拌工程を、連続して複数回行うことにより地盤改良体を形成する地盤改良工法であって、
    複数の前記注入攪拌工程の各々において、前記改良対象地盤に対する前記セメント系固化材の注入率を、前記地盤改良体の一軸圧縮強度を最高値にする限界注入率以下とする、
    地盤改良工法。
  3. 前記改良対象地盤は、粘土質層及び砂質層を有し、
    前記粘土質層に対しては、前記注入攪拌工程を複数回行い、
    前記砂質層に対しては、前記注入攪拌工程を前記粘土質層よりも少ない回数行う、
    請求項1又は請求項2に記載の地盤改良工法。
  4. 前記改良対象地盤に対する前記セメント系固化材の注入率が、目標値以上となるように、前記注入攪拌工程を複数回行う、
    請求項1~請求項3の何れか1項に記載の地盤改良工法。
JP2018151513A 2018-08-10 2018-08-10 地盤改良工法 Active JP7147351B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018151513A JP7147351B2 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 地盤改良工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018151513A JP7147351B2 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 地盤改良工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020026661A JP2020026661A (ja) 2020-02-20
JP7147351B2 true JP7147351B2 (ja) 2022-10-05

Family

ID=69622125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018151513A Active JP7147351B2 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 地盤改良工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7147351B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7293449B1 (ja) * 2022-04-05 2023-06-19 みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 土質判定装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057050A (ja) 2004-08-23 2006-03-02 Mitsubishi Materials Corp 地盤改良材
JP2006193971A (ja) 2005-01-13 2006-07-27 Mitsubishi Materials Corp 地盤改良工法
JP2008088746A (ja) 2006-10-04 2008-04-17 Tenox Corp コラムの置換築造方法
JP2011038047A (ja) 2009-08-18 2011-02-24 Marutoku Kigyo:Kk ソイルセメント柱列壁の施工法
JP2014234661A (ja) 2013-06-04 2014-12-15 ジャパンパイル株式会社 ソイルセメントの圧縮強度推定方法
JP2015105522A (ja) 2013-11-29 2015-06-08 株式会社三友土質エンジニアリング 地盤改良方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5681714A (en) * 1979-12-07 1981-07-04 Toyo Kensetsu Kk Deep layer mixing processing machine

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057050A (ja) 2004-08-23 2006-03-02 Mitsubishi Materials Corp 地盤改良材
JP2006193971A (ja) 2005-01-13 2006-07-27 Mitsubishi Materials Corp 地盤改良工法
JP2008088746A (ja) 2006-10-04 2008-04-17 Tenox Corp コラムの置換築造方法
JP2011038047A (ja) 2009-08-18 2011-02-24 Marutoku Kigyo:Kk ソイルセメント柱列壁の施工法
JP2014234661A (ja) 2013-06-04 2014-12-15 ジャパンパイル株式会社 ソイルセメントの圧縮強度推定方法
JP2015105522A (ja) 2013-11-29 2015-06-08 株式会社三友土質エンジニアリング 地盤改良方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020026661A (ja) 2020-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7147351B2 (ja) 地盤改良工法
Ibragimov Characteristics of Soil Grouting by Hydro-Jet Technology.
JP5808153B2 (ja) 山留め壁の構築方法
Grabinsky et al. Interpretation of as-placed cemented paste backfill properties from three mines
JP6831211B2 (ja) 埋戻し材の強度管理方法及び地盤の埋戻し方法
JP5875138B2 (ja) 現場状況を考慮した基礎杭構築方法
JP5698512B2 (ja) 基礎杭の構築方法、圧縮強度の推定方法
JP4555744B2 (ja) 地盤改良工法のセメントと細粒分との配合設計方法及び装置
JP6624931B2 (ja) ソイルセメント硬化体の構築方法
JP5317938B2 (ja) ソイルセメント柱およびソイルセメント連続壁の造成方法
JP2008031638A (ja) 地中充填材および土構造物の補修工法
JP7231513B2 (ja) 流動化砂組成物
JP6260038B2 (ja) 液状泥土の造粒固化方法
JP5809369B2 (ja) 場所打ちコンクリート杭工法
CN112513376B (zh) 深层混合处理工法中的w/c的设定方法及其装置
Adajar et al. Soil-structure interface behavior of cemented-paste backfill material mixed with mining waste
JP5758702B2 (ja) 地盤改良体の造成方法
JP3831282B2 (ja) 杭周固定液、及び地中杭の造成方法
CHIEN et al. Study on sludge recycling with compaction type and placing type by rice husk-cement-stabilized soil method
JP2850652B2 (ja) 埋込み杭根固め部の施工方法
KR101129219B1 (ko) 액상 초고점성 및 유동성 그라우트재를 이용한 강관 속채움 방법
JP4867045B2 (ja) コラムの置換築造方法
JP7430103B2 (ja) 杭引き抜き孔の地盤改良方法
JP6014288B1 (ja) 先端翼付き鋼管杭の回転工法
Makusa et al. Shear strength evaluation of preloaded stabilized dredged sediments using CPT

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7147351

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150