JP5809369B2 - 場所打ちコンクリート杭工法 - Google Patents
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Description
場所打ちコンクリート杭工法とは、掘削機により地中内に掘削孔を形成し、掘削した掘削孔にコンクリートを流し込む工法である。
場所打ちコンクリート杭では、先端支持力係数をα=150kN/m2に設定している。
この工法は、場所打ちコンクリート杭の杭体コンクリート硬化後、鉄筋カゴ先端にあらかじめ取り付けた注入バックに地上からセメントミルクを加圧注入し、杭先端のスライム除去及び地盤の強化を行い、杭の沈下量の減少と支持力の向上を図る工法であり、従来の工法に比べて先端支持力を向上させる工法である。
例えば、特許文献2には、場所打ちコンクリート杭のコンクリートの打ち込みにおいて、杭コンクリート本体よりも硬化を遅延させた膨張性材料を杭の周面に配設し、その膨張性材料が膨張することで杭の周面に膨らみを形成することにより、周面支持力の向上や周面摩擦力の増大を図る工法が開示されている。
また、特許文献3には、セメント等の固化剤に硬化遅延材を混ぜ、杭の周面摩擦を増加させる膨張部材を場所打ちコンクリート杭のかぶり部(外周部)に取り付けて場所打ちコンクリート杭を生成し、杭のかぶり部で膨張部材が膨張することにより、周面摩擦力の増大を図る工法が開示されている。
この隙間は、コンクリート杭の先端側での先端支持力の低下、コンクリート杭の外壁面での周面摩擦力の低下及び引抜抵抗力の低下にも繋がっていた。
従って、コンクリート杭全体の機能低下を招いていた。
しかも、コンクリート杭の基礎となる杭本体の周囲に膨張性材料を配設するような構造を有するため、そのままでは中途部に膨張性材料を位置させるのが困難であり、しかも、コンクリート杭本体と膨張性材料を2回施工する必要があった。
ンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭を形成する場所打ちコンクリート杭工法であって、膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するコンクリートを掘削孔に打設し、これを硬化することにより場所打ちコンクリート杭を形成し、前記発泡剤のアルミニウム粉末の添加量はセメントに対して質量パーセントで0.004%〜0.025%であることを特徴とする。
ちコンクリート杭を形成する場所打ちコンクリート杭工法であって、膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するコンクリートを掘削孔に打設し、これを硬化することにより、簡単な工法によって強固な場所打ちコンクリート杭を形成することができる。
これにより、コンクリート杭の外壁面と掘削孔の内壁面との隙間が埋められ、これらを一体化することができ、前記杭先端支持力等を高めた強固な場所打ちコンクリート杭を構築できる効果を有する。
すなわち、本発明では、セメント、水及び骨材に、膨張作用を有する発泡剤を添加して一体で場所打ちコンクリート杭を構築するようにしているので、前記特許文献に記載のような複数施工する必要がなく、一回の施工のみで済む。
従って、本発明では簡単な工法により場所打ちコンクリート杭を構築することができる。
従って、本発明はコンクリート杭の性能発揮までの時間を短縮できる効果を有する。
本発明では、アルミニウム粉末の添加量はセメントに対して質量パーセントで0.004%〜0.025%であるので、この添加量を添加した膨張するコンクリートが掘削孔内で膨張圧力を生起して掘削孔壁に圧力をかけた状態となり、掘削孔壁地盤からは反作用の反力が生起する状態となる。この状態のまま、コンクリートが硬化することで、コンクリート杭と周辺地中地盤とは強固に一体化する。場所打ちコンクリート杭の杭先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を大きく向上できる効果がある。
アルミニウム粉末の添加率が0.004%未満の場合では、コンクリート圧縮強度の低下は抑えられる反面、膨張率が低いため掘削孔の壁面への膨張圧力を充分に与えることができない。アルミニウム粉末の添加率が0.025%を超えた場合では、強度低下が大きくなり、強度を上げるためにセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
すなわち、コンクリートが膨張することにより、拡幅部において掘削孔の内壁面と杭外壁面との隙間が埋められることで、これらが一体形成されることにより、通常のコンクリートを打設した場合に比べて周面摩擦力や引抜抵抗力が増大する効果を有する。
しかも、膨張作用を有するコンクリートを打設するので、拡幅部の細かい部分までコンクリートが拡散しながら充填できる効果を有する。
また、通常のコンクリート中に膨張する複数のコンクリート層を形成でき、各層での膨張率を異ならせることが可能である。
発泡剤としては、セメント、水との混練時に気泡(ガス)を発泡させるものであればよく、特に限定されない。
例えば、水素ガスを発泡するアルミニウム粉末や窒素ガス発泡物質のスルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、及びヒドラジン誘導体等であり、亜鉛等の両性金属の粉末や、炭素物質や過酸化物質等を使用することができる。前記アルミニウム粉末等の発泡物質は、1種類又は2種類以上を添加して使用することができる。
発泡剤は、通常のコンクリートの軽量化のために使用されているが、本発明では膨張作用を有するものとして使用する。
膨張作用を有する骨材として、セメント、水との混練時に、膨張するもの又は気泡を発生させるものであれば特に限定されない。
細骨材として、通常は砂を用いるが、砂の代わりに、例えば、アルミニウムを含有する溶融スラグや金属製造工程起源スラグ(鉄鋼スラグ、非鉄金属スラグ)等を使用することができる。
そして、本発明では、溶融スラグ内のアルミニウムがコンクリート中の水酸化カルシウム及び水と反応して水素ガスを発生させることで発泡し、この発泡によりコンクリート杭10内での膨張作用を生成可能としている。
このような発泡剤及び骨材の少なくともいずれかを使用することにより、図4に示すように、膨張作用によってコンクリート杭10の外壁面Gに向かって気泡19が拡散する。
そして、気泡19が拡散しながらコンクリート杭10の外壁面Gに向かって膨張するコンクリート12が膨張し、掘削孔11の内壁面Nに圧力をかけるように構成している。
このように、膨張材や発泡剤は、隙間を埋めることができる量に調整して添加するので、コンクリート杭10そのものの強度を大きく低下させることはない。
そして、許容範囲内で制御することにより先端支持力、周面摩擦力、及び引抜抵抗力を向上できる効果を有する。
最初に、本発明の標準的な場所打ちコンクリート杭10の工法について説明する。
図1は、標準的な場所打ちコンクリート杭10の工法を説明する説明図である。
掘削はアースドリル工法、オールケーシング工法、又はリバース工法、地中連続壁基礎工法(壁杭・壁基礎を含む)、深礎工法、BH工法等により行われ、円筒形状又は角筒形状の掘削孔11が地中A内に形成される。
なお、前記アースドリル工法等によって、後述する先端拡幅部14や中途拡幅部15以外での掘削孔11の内壁面Nは同径状に形成される。
鉄筋カゴ13は、コンクリート杭10の長さ及び径によって所定間隔を有して網目状に配筋されている。
コンクリートは、セメント(例えばポルトランドセメント)、水、及び骨材(細骨材及び/又は粗骨材)等で構成している。
なお、本発明では、生コンプラント工場又は現場において膨張するコンクリート12を生成してこれを打ち込むことを特徴とするものである。
または、膨張するコンクリート12は、前記通常の骨材の代わりに、膨張作用を有する骨材を使用したものを使用してもよい。この場合必要に応じて前記膨張材や前記発泡剤等の混和材料を添加したものであってもよい。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。
この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して掘削孔11中にコンクリート12を打設する。
この時、安定液16と膨張するコンクリート12が混ざらないようにする為、トレミー管17底部は常に膨張するコンクリート12の中に埋まっている状態にする。
また、膨張するコンクリート12を打設しながら安定液16の引き抜き処理をする。
このように、膨張材や発泡剤等が添加された膨張するコンクリート12を打設し、これを硬化することで本発明のコンクリート杭10本体を構築できる。
このように、膨張材、発泡剤及び骨材のいずれかによって膨張するコンクリート12を膨張させ、掘削孔11の内壁面Nとコンクリート杭10の外壁面Gとの間に形成される隙間を埋めるように構成している。
これにより、コンクリート杭10の外壁面Gと掘削孔11の内壁面Nとの隙間が埋められ、これらが一体化する。
したがって、コンクリート杭10が大きな先端支持力、周面摩擦力及び引抜抵抗力を有することになる。
従って、先行特許文献に開示の従来技術に比べてコンクリート杭10の性能発揮までの時間を短縮することができる。
次に、掘削孔11の先端部S又は掘削孔11の中途部Tに形成した拡幅部に、前記膨張材、前記発泡剤及び前記骨材の少なくともいずれかを添加した膨張するコンクリート12を打設する工法を説明する。
この拡幅掘削装置は、掘削孔11を所定の深さまで掘削した後、前記バケットを掘削孔11に挿入し、斜面部拡幅ブレードを開いて掘削孔11拡幅部の上部斜面部Bを掘削するとともに、立ち上り部拡幅ブレードを開いて掘削孔11の下部立ち上り部Cを拡幅させて掘削するものである。
そして、掘削孔11の先端拡幅部14に膨張作用を有する膨張するコンクリート12を打設する。
すると、気泡19を発生させて膨張しながら掘削孔11の先端拡幅部14に膨張するコンクリート12が充填されるのである。
また、掘削孔11の先端部Sの内壁面Nからの反力が作用する。
これにより、先端部Sでコンクリート杭10と内壁面Nとが一体になって、先端支持力が増大することになる。
従って、通常のコンクリート18では作用しない前記斜め上方への力が発生することにより、より周面摩擦力が増大することになる。しかも、引抜抵抗力を増大することになる。
中途拡幅部15は、掘削孔11内に複数設けることができる。
すると、気泡19を発生させて膨張しながら中途拡幅部15に膨張するコンクリート12が充填されるのである。しかも、この膨張作用により、中途拡幅部15の最外周の角部の狭い部分まで膨張するコンクリート12が充填される。
また、これに対する反力が掘削孔11の内壁面Nから作用することになる。
従って、中途拡幅部15において、通常のコンクリート18では作用しない力が発生することにより、より周面摩擦力や引抜抵抗力が増大することになる。
すなわち、拡幅部分での膨張するコンクリート12の体積を拡大させ、そこに生じる周面摩擦力の増大を図ると共に、周面支持力の増加及び引抜抵抗力の増大を図ることができる。
本実施例では、膨張するコンクリート12と、膨張しない通常のコンクリート18とを混在させてコンクリート杭10を形成するものである。
図3は、膨張するコンクリート12と通常のコンクリート18とを混在させた場所打ちコンクリート杭10を説明する説明図である。
特に、下部に膨張するコンクリート12層を形成することにより、先端支持力を増大させたコンクリート杭10を構築することができる。
例えば、下部のコンクリート層では膨張率を高め、上部ではその膨張率を低くしたコンクリート杭10を構築できる。
以下の変形例では、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭と既製杭との合成杭の工法である。すなわち、場所打ちコンクリート杭の直杭や先端拡幅杭及び中途部拡幅杭に膨張するコンクリートを打設する場所打ちコンクリート杭工法で、掘削はアースドリル工法、オールケーシング工法、リバース工法、BH工法、深礎工法や地中連続壁工法(壁杭・壁基礎を含む)等の場所打ちコンクリート杭の上部(杭頭部)に既製杭を建込み、その既製杭の先端部(根入れ部)と膨張するコンクリートとを一体化させて、上部は既製杭で構成され、下部は膨張するコンクリート杭とした場所打ちコンクリート合成杭の工法に実施することも可能である。
本実施例では、図5に示すように、掘削孔中の鉄筋カゴに膨張するコンクリート12を打ち込み、さらに膨張するコンクリート12に既製杭20を挿入してコンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を形成するものである。なお、図5中の既製杭20としては、一例として鋼製の構真柱を用いる。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に膨張材や発泡剤等が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。
本実施例では、図6に示すように、掘削孔11中に膨張するコンクリート12を打ち込み、さらに膨張するコンクリート12に既製杭20を挿入してコンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を形成するものである。なお、図6中の既製杭20としては、一例として鋼製の構真柱を用いる。
本実施例では、図7に示すように、掘削孔11中に鉄筋カゴ13と既製杭20を一体化して建て込んだ後、膨張する膨張コンクリート12を打ち込み、コンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を形成するものである。なお、図7中の既製杭20としては、一例として鋼製の鋼管を用いる。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に膨張材や発泡剤等が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。
上述した図7の合成杭工法3と図8の合成杭工法4との違いは、掘削孔内に建て込む鉄筋カゴ13と既製杭20の一体化方法が異なるのみで図8においては既製杭20の先端部(根入れ部)の外周に鉄筋カゴ13上部を重ねて固定して一体化する形態であり、その他の構成は同様であり、同一符号を付して重複説明を省略する。
本実施例では、図9に示すように、掘削孔11中の鉄筋カゴ13上部(杭頭部)に既製杭20をラップさせ一体化して建て込み膨張するコンクリート12を打ち込み、コンクリート杭10と既製杭20付きの鉄筋カゴ13からなる合成杭21を形成するものである。
この合成杭21は杭の曲げ耐力を向上するために、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭の杭頭部を突起付き鋼管や縞鋼管、又は素鋼管等により補強した場所打ち鋼管コンクリート杭や炭素繊維管で補強した場所打ちコンクリート杭である。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に膨張材や発泡剤等が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。
以下、発泡剤のアルミニウム粉末を添加した膨張コンクリートの実証試験について詳説する。実証試験を行うにあたり、5種類の配合例を作製し、各配合例を順次説明したのち考察している。
図10は配合例1に使用する材料を表わした一覧であり、図11は配合例1の使用材料の配合量を表わし、図12は配合例1におけるAL(アルミニウム粉末)添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図13は配合例1の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図14は配合例1におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
図15は配合例2に使用する材料を表わした一覧であり、図16は配合例2の使用材料の配合量を表わし、図17は配合例2におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図18は配合例2におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
この膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率-0.3%であるので、実質膨張率は(0.3+3.87=)4.17%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
図19は配合例3に使用する材料を表わした一覧であり、図20は配合例3の使用材料の配合量を表わし、図21はコンクリートのフレッシュ試験の結果を表わした一覧であり、図22は配合例3におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図23はAL添加量と膨張率測定結果を表わした一覧であり、図24は配合例3の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図25は配合例3におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
図26は配合例4および5に使用する材料を表わした一覧であり、図27は(a)配合条件・試験、(b)使用ミキサ・練り混ぜ方法を表わした一覧であり、図28は配合例4の使用材料の配合量を表わした一覧であり、図29は配合例4におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図30は配合例4の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図31は配合例4におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
この膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率-0.89%であるので、実質膨張率は(0.89+1.05=)1.94%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
図32は配合例5の使用材料の配合量を表わした一覧であり、図33は配合例5におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図34は配合例5の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図35は配合例5におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
この膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率-0.55%であるので、実質膨張率は(0.55+2.93=)3.48%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
上述した配合例1から5の実証実験から、発泡剤のアルミニウム粉末の添加率に基づいた膨張するコンクリートの膨張率は事前に予測することが可能となり、当然にコンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量で適宜調整することができる。
従って、配合例1〜5より、初期膨張率0%にする水セメント比は、コンクリート初期膨張率(アルミニウム粉末の添加率0%のとき)と水セメント比との関係から推測することができる。
これにより、配合例1〜5については水セメント比を39.5%以下となる配合としたのちに、発泡剤のアルミニウム粉末を添加することにより、初期膨張率0%を基準としたコンクリートの設定膨張率を確実に生成することができる。
図36は配合例4および配合例5の使用材料の配合量(ALなし)を表わした一覧であり、図37は、配合例4および配合例5においてのコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図38は配合例4および配合例5においての経過時間あたりのブリーディング量(cm3)を表わすグラフである。
図40は、配合例3,4,5におけるアルミニウム粉末の添加率とコンクリート圧縮強度との関係を表わしたグラフである。
図40に示すように、配合例3,5,4は発泡剤のアルミニウム粉末の添加率が増加するにつれて、圧縮強度の低減が略直線的に推移する。アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合において、配合例3の低減強度率は92.02%となり、配合例5の低減強度率は93.29%となり、配合例4の低減強度率は93.60%となる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合では、低減強度率を最大約92%程度と予測することができる。
アルミニウム粉末の添加率が0.004%未満の場合では、コンクリート圧縮強度の低下は抑えられる反面、膨張率が低いため掘削孔の壁面への膨張圧力を充分に与えることができない。アルミニウム粉末の添加率が0.025%を超えた場合では、強度低下が大きくなり、強度を上げるためにセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
場所打ちコンクリート杭を実際に膨張させ、すなわち、その杭の体積を拡大させるとする。例えば、杭径φ1200mmを10mm膨張してφ1210mmにする膨張率は、1.67%になる。杭径φ1500mmを10mm膨張してφ1510mmにする膨張率は、1.33%になる。杭径φ2000mmを10mm膨張してφ2010mmにする膨張率は、1.00%になる。
また、膨張後のコンクリート強度も実際には、コンクリートは40mm〜50mmは膨らまないので大きく低下することなく予測可能である。
また、コンクリートに膨張材が混入すれば、コンクリートの硬化後のコンクリート収縮補償(収縮ゼロ)以上とすれば、鉄筋カゴによるケミカルプレストレスが発現することになり、杭の性能をより向上することができる。
11 掘削孔
12 膨張するコンクリート
13 鉄筋カゴ
14 先端拡幅部
15 中途拡幅部
16 安定液
17 トレミー管
18 通常のコンクリート
19 気泡
20 既製杭
21 合成杭
A 地中
B 上部斜面部
C 下部立ち上り部
G 外壁面
N 内壁面
S 先端部
T 中途部
Claims (4)
- 地中内に形成した掘削孔にコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭を形成する場所打ちコンクリート杭工法であって、
膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するコンクリートを掘削孔に打設し、これを硬化することにより場所打ちコンクリート杭を形成し、
前記発泡剤のアルミニウム粉末の添加量はセメントに対して質量パーセントで0.004%〜0.025%である
ことを特徴とする場所打ちコンクリート杭工法。 - 掘削孔の先端部又は掘削孔の中途部に形成した拡幅部に、前記発泡剤を添加した膨張するコンクリートを打設することを特徴とする請求項1に記載の場所打ちコンクリート杭工法。
- 場所打ちコンクリート杭の少なくとも一部に、前記発泡剤を添加した膨張するコンクリートを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の場所打ちコンクリート杭工法。
- 膨張するコンクリートには繊維物質を含有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の場所打ちコンクリート杭工法。
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