JPH0841178A - 透湿度の低いシートまたはフィルム - Google Patents

透湿度の低いシートまたはフィルム

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JPH0841178A
JPH0841178A JP6198004A JP19800494A JPH0841178A JP H0841178 A JPH0841178 A JP H0841178A JP 6198004 A JP6198004 A JP 6198004A JP 19800494 A JP19800494 A JP 19800494A JP H0841178 A JPH0841178 A JP H0841178A
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sheet
film
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勉 羽仁
Toshimata Matsui
利又 松井
Teiji Obara
禎二 小原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジシクロペンタジエン系単量体(例えば、ジ
シクロペンタジエン)由来開環繰り返し構造単位80〜
90重量%およびテトラシクロドデセン系単量体(例え
ば、6−メチルテトラシクロドデセン)由来開環繰り返
し構造単位20〜10重量%からなり、実質的にゲルを
含まない共重合体を、主鎖の不飽和結合を水素添加率9
8%以上になるように水素添加して水素添加物を得、こ
れを用いて、延伸倍率1.05〜5.00に延伸したシ
ートまたはフィルムを製造する。 【効果】 本発明のシートまたはフィルムは、透湿度が
低い。従来、熱可塑製ノルボルネン系樹脂製シートで得
られていたものは、厚さ500μmで透湿度がせいぜい
0.15g/m2・24hr程度であったのに対し、
0.13g/m2・24hr以下のものが得られ、0.
10g/m2・24hrのものも得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジシクロペンタジエン
系開環重合体水素添加物製のシートまたはフィルムに関
し、さらに詳しくは、特に透湿度が低いジシクロペンタ
ジエン系開環重合体水素添加物製のシートまたはフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、具体的
には、熱可塑性ノルボルネン系単量体の開環重合体、そ
の水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、
ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型共重合体、
それらの変性物などが挙げられる。これらは、いずれで
も防湿性に優れた透明樹脂として様々な分野に用いられ
始めており、500μmの厚さのシートまたはフィルム
で透湿度が0.15g/m2・24hr程度のものまで
が得られるようになっている。
【0003】しかし、技術の急速な進歩に従い、従来の
熱可塑性ノルボルネン系樹脂製のシートまたはフィルム
では、防湿性が不十分な場合が生じることがあり、防湿
性のより高い樹脂製シートまたはフィルム、特に水蒸気
透過性のより低い樹脂製のシートまたはフィルムが求め
られるようになった。
【0004】一方、ノルボルネン系単量体であるジシク
ロペンタジエン系単量体と同じくノルボルネン系単量体
であるテトラシクロドデセン系単量体の開環共重合体
や、その水素添加物が知られている(特開平1−138
257号公報、特開平1−168725号公報など)。
例えば、特開平1−138257号公報では、ジシクロ
ペンタジエンとメチルテトラシクロドデセンの開環共重
合体を得ており、具体的には、ジシクロペンタジエン由
来開環繰り返し構造単位85重量%とメチルテトラシク
ロドデセン由来開環繰り返し構造15重量%からなる共
重合体、その水素添加物を開示している。しかし、この
重合体はゲル化しており、水素添加物も水素添加率が9
3%程度のものであり、フィルムやシートなどの劣化し
やすい用途での使用には問題のあるものである。また、
特開平1−168625号公報では、ジシクロペンタジ
エン由来開環繰り返し構造単位10〜90重量%とメチ
ルテトラシクロドデセン由来開環繰り返し構造単位90
〜10重量%からなる共重合体水素添加物が開示されて
おり、具体例として、ジシクロペンタジエン由来開環繰
り返し構造単位が75重量%以下のものが開示されてい
る。この共重合体水素添加物は低複屈折性などの光学特
性に優れていることは開示されているが、透湿度に関す
る記載はない。実際にジシクロペンタジエン由来開環繰
り返し構造単位75重量%とメチルテトラシクロドデセ
ン由来開環繰り返し構造単位25重量%からなる共重合
体水素添加物で厚さ500μmのシートを成形しても、
透湿度が0.16g/m2・24hr程度のものしか得
られなかった。このように、ジシクロペンタジエン系単
量体由来開環繰り返し構造単位80〜90重量%および
テトラシクロドデセン系単量体由来開環繰り返し構造単
位20〜10重量%からなり、ゲル化していない共重合
体の水素添加物のシートやフィルムは、具体的には知ら
れていなかった。また、このようなシートやフィルムが
特に透湿度に優れており、延伸することにより、500
μmの厚さで0.13g/m2・24hr以下と従来に
なく透湿度の低い透明なシートまたはフィルムが得られ
ることは予測できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、水蒸気
透過性が特に低い熱可塑性ノルボルネン系樹脂製シート
またはフィルムの開発を目指して鋭意研究の結果、ジシ
クロペンタジエン系単量体とテトラシクロドデセン系単
量体が特定の割合で共重合した開環共重合体の水素添加
物が特に透湿度が低く、さらに延伸することにより、5
00μmの厚さのシートまたはフィルムで透湿度が0.
13g/m2・24hr以下のものを得ることができる
ことを見い出し、本発明を完成させるにいたった。
【0006】
【課題を解決する手段】かくして本発明によれば、ジシ
クロペンタジエン系単量体由来開環繰り返し構造単位8
0〜90重量%およびテトラシクロドデセン系単量体由
来開環繰り返し構造単位20〜10重量%からなり、実
質的にゲルを含まない共重合体の主鎖の不飽和結合を水
素添加率98%以上に水素添加した水素添加物製シート
またはフィルムを、延伸倍率1.05〜5.00に延伸
したシートまたはフィルムが提供される。
【0007】本発明に用いるジシクロペンタジエン系単
量体(以下、DCP系単量体という)は、ジシクロペン
タジエン、そのアルキル、芳香族置換誘導体、あるいは
これらの置換体または非置換のジシクロペンタジエンの
ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ
基、アミド基、イミド基、シリウ基などの極性基置換体
であって、具体的には、ジシクロペンタジエン、2−メ
チルジシクロペンタジエン、5−メチルジシクロペンタ
ジエン、7−メチルジシクロペンタジエン、2−エチル
ジシクロペンタジエン、5−メチルジシクロペンタジエ
ン、5,5−ジメチルジシクロペンタジエンなどが例示
される。これらは単独で、または複数の単量体を混合し
て用いる。DCP系単量体は、これに由来する繰り返し
構造単位が、開環共重合体中、80〜90重量%、好ま
しくは81〜88重量%、より好ましくは82〜87重
量%になるように用いる。少なすぎても多すぎても本発
明のシートまたはフィルムの透湿度が高くなる。また、
極性基が多くなるほど、水素添加物の吸湿性が高くなる
ので、極性基置換体の使用量は少ないほど好ましい。
【0008】本発明に用いるテトラシクロドデセン系単
量体(以下、TCD系単量体という)は、テトラシクロ
ドデセン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘
導体、あるいはこれらの置換体または非置換のジシクロ
ペンタジエンのハロゲン、水酸基、エステル基、アルコ
キシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリウ基など
の極性基置換体であって、具体的には、テトラシクロド
デセン、6−メチルテトラシクロドデセン、6−エチル
テトラシクロドデセン、6−エチリデンテトラシクロド
デセン、6−イソプロピルテトラシクロドデセン、6−
フェニルテトラシクロドデセン、6,7−ジメチル−テ
トラシクロドデセンなどが例示される。TCD系単量体
は、これに由来する繰り返し構造単位が、開環共重合体
中、10〜20重量%、好ましくは12〜19重量%、
より好ましくは13〜18重量%になるように用いる。
少なすぎても多すぎても本発明のシートまたはフィルム
の透湿度が高くなる。また、極性基が多くなるほど、水
素添加物の吸湿性が高くなるので、極性基置換体の使用
量は少ないほど好ましい。
【0009】なお、本発明においては、本発明の効果を
実質的に防がない範囲において重合可能な他のシクロオ
レフィン類などを併用してもよい。そのようなシクロオ
レフィン類としては、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン
などのように反応性の二重結合を一分子中に一つ以上有
するものが例示される。このようなシクロオレフィン類
は、これらに由来する繰り返し構造単位が開環共重合体
中10重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ま
しくは1重量%以下になるように用いる。これらの使用
量が多すぎると透湿度が高くなる。
【0010】これらの単量体の開環重合は、公知の方法
でよく、一般には、重合触媒としてTiCl4、WC
5、MoCl5、VCl5、NiCl2、PdCl2など
の遷移金属化合物と、Al、Li、Na、Mgなどの典
型金属のアルキル化合物などを組み合わせて重合する。
なお、重合反応は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、トルエンなどの不活性溶媒中、−20〜100℃
で行われる。ただし、単量体の種類と触媒の種類によっ
ては、反応性が高すぎるためにゲル化することがあり、
その場合は、触媒を変更するか、温度を下げて反応を抑
制する必要がある。
【0011】本発明においては、開環共重合体を水素添
加する。水素添加反応は開環共重合体の主鎖の不飽和結
合の水素添加率が98%以上、好ましくは99%以上、
より好ましくは99.5%以上になるように行う。主鎖
の水素添加率が低すぎると、耐光劣化性、耐熱劣化性、
耐候劣化性などが不十分となる。本発明においては、水
素添加物をシートまたはフィルムに成形するが、シート
またはフィルムは劣化による透明性、透湿度などの影響
を受けやすいために、他の用途に藻散る場合に比べて、
水素添加率を高くする必要がある。水素添加する方法は
特に限定されず、Ni、Pdなどを触媒金属を担体に担
持させた不均一触媒や、ニッケルアセチルセトナート、
コバルトアセチルアセトナートなどの遷移金属化合物と
アルキルアルミニウム、アルキルリチウムなどの還元性
金属化合物とを組み合わせた均一触媒などを用いる公知
の方法が例示される。水素添加は、通常、0〜250
℃、均一系触媒を用いる場合は、好ましくは20〜10
0℃、不均一系触媒を用いる場合は、好ましくは200
〜240℃、特に特に好ましくは210〜230℃で実
施される。温度が低すぎると反応速度が遅く、高すぎる
と重合体や水素添加物の分解やゲル化が起こり易く、エ
ネルギーコストも高くなる。
【0012】なお、従来公知の重合方法では、重合体中
に重合体中に重合触媒由来の遷移金属が残存する。本発
明のシートまたはフィルムをプレス・スルー・パッケー
ジ用や食品包装用など、食品や薬品などと接触する用途
に用いる場合など、水素添加物中に残留する遷移金属が
溶出しないことが好ましく、そのために水素添加物中に
実質的に遷移金属が残留しないことが好ましい。そのた
めには、細孔容積0.5cm3/g以上、好ましくは
0.6cm3/g以上、好ましくは比表面積250m2
g以上のアルミナなどの吸着剤に、ニッケルなどの水素
添加触媒金属を担持させた不均一水素添加触媒を用いて
重合体を水素添加したり、このような吸着剤で水素添加
物溶液や水素添加反応溶液を処理したり、水素添加物溶
液や水素添加反応溶液を酸性水と純粋で繰り返し洗浄し
たりするなどの方法により、水素添加物中の遷移金属原
子を1ppm以下にすることができる。特に吸着剤を用
いる方法が効率よく、好ましい。
【0013】また、重合触媒や水素添加触媒として、ハ
ロゲン化物を用いる場合があり、ハロゲン原子も残留し
やすい。遷移金属と同様にハロゲン原子も食品や薬品な
どと接触する用途に用いる場合など、水素添加物中にハ
ロゲン原子が残留しないことが好ましい。上記のような
吸着材を用いる方法などにより、水素添加物中のハロゲ
ン原子を1ppm以下にすることができる。
【0014】水素添加反応液などからの水素添加物の回
収は、これらの溶液を多量の貧溶媒中に注ぎ込んで樹脂
を析出させ、溶媒を十分に揮発させる方法、触媒残渣、
未反応モノマーなどの不純物を吸着材で十分に吸着させ
た後、吸着材やゲルなどを濾過により除去し、溶剤を揮
発させる方法などによる。特に吸着材で処理した後、制
御されて清浄な環境下で、メンブレンフィルターやカー
トリッジフィルターのような孔径1μm以下、好ましく
は0.5μm以下のフィルターを用いて溶液を濾過した
後、遠心薄膜連続蒸発器型乾燥器、高粘度リアクター型
乾燥器などを用いて、100torr以下、好ましくは
50torr以下、200〜300℃、好ましくは25
0〜270℃の環境下で溶媒を揮発させる方法は、微細
な異物の混入を防ぎやすい点で好ましく、特に食品や医
薬品などの包装に本発明のシートまたはフィルムを用い
る場合は、この方法い。なお、溶媒を揮発させて除去す
る際に、この水素添加物中に揮発成分が0.2重量%以
下になるようにすることが好ましい。
【0015】本発明に用いる水素添加物の数平均分子量
は、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフィ法で測定したポリスチレン換算値で、1
0,000〜200,000、好ましくは15,000
〜100,000、より好ましくは20,000〜5
0,000である。透湿度などの観点から、ガラス転移
温度(以下、Tgという)は50〜160℃、好ましく
は60〜140℃、より好ましくは70〜110℃であ
る。Tgが低すぎると透湿度が高くなり、Tgが高すぎ
ると成形が困難になり、真空成形が困難になったり、押
し出し成形において、シートまたはフィルムがカールし
たり、波打ったりしやすい。
【0016】本発明に用いる水素添加物には、所望によ
り、フェノール系やリン系などの酸化防止剤; フェノ
ール系などの熱劣化防止剤; ベンゾフェノン系などの
紫外線吸収剤; アミン系などの帯電防止剤; 脂肪族
アルコールのエステル、高アルコールの部分エステルお
よび部分エーテルなどの滑剤; などの各種添加剤を添
加してもよい。ただし、これらの添加物としては、20
℃における蒸気圧が10-6Pa以下のものを選んで用い
ることが好ましく、使用量も水素添加物中の揮発成分が
0.2%以下になるようにすることが好ましい。揮発成
分が多いと押し出し成形など溶融成形において発泡、ボ
イド、フィッシュアイなどの原因となるなどの問題が生
じやすい。
【0017】また、本発明に用いる水素添加物は、包装
に用いる場合、一般に被包装物が外部から見えるように
透明性が高いものが好ましく、厚さ500μmのシート
またはフィルムで波長430〜800nmでの光線透過
率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましく
は90%以上である。しかし、被包装物が可視光などに
より劣化するものである場合は、被包装物を保護するた
め、遮光剤として色素、染料、顔料などを添加して遮光
することが好ましい。
【0018】(成形)本発明の水素添加物は、透湿度の
低い成形材料として用いられ、熱可塑性樹脂の一般的な
成形方法、例えば、射出成形、押し出し成形、熱プレス
成形、溶剤キャスト成形、インフレーションなどによっ
てシートまたはフィルムに成形することができる。単に
成形するだけで、500μmの厚さのシートまたはフィ
ルムで透湿度が0.15g/m2・24hr程度までの
ものを得ることができるが、延伸することにより、より
透湿度の低いシートまたはフィルムを得ることができ
る。一軸延伸と二軸延伸では、透湿度に大きな差がない
のに対し、二軸延伸は作業工程が複雑であり、一軸延伸
が好ましい。延伸は一般にTg〜Tg+100℃、好ま
しくはTg+10℃〜Tg+80℃で行い、延伸倍率は
1.05〜5.00、好ましくは1.10〜3.00、
より好ましくは1.15〜2.00にする。なお、延伸
加工時の温度が低すぎると延伸中にシートまたはフィル
ムが破断しやすく、加工性に劣り、また、破断しない場
合も延伸後のシートまたはフィルムの強度が低下するこ
とがある。延伸加工温度が高すぎると、作業性が低下す
る。延伸倍率が低すぎると、透湿度の低下が小さく、大
きすぎると延伸後のシートまたはフィルムの強度が低下
し、またピンホールが生じやすいという問題がある。押
し出し成形など、溶融した水素添加物を連続的にシート
またはフィルム状にし、冷却して固化させてシートまた
はフィルムを得る場合は、その製造工程において、溶融
樹脂の送り出し速度に対して固化したシートまたはフィ
ルムの巻き取り速度を大きくすることで容易に連続的に
延伸することができ、複雑な工程を必要としない。な
お、この場合の延伸倍率は、溶融樹脂が押し出された時
点での厚さ、例えばTダイを用いた場合はダイスキャッ
プの大きさを、巻き取ったシートまたはフィルムの厚さ
で割った数値で示される。
【0019】(シートまたはフィルム)本発明のシート
またはフィルムは、厚さが10μm〜10mm、好まし
くは50μm〜5mm、より好ましくは100μm〜1
mmであり、透明性、ガス・バリア性、耐衝撃性、低透
湿性などに優れたものである。例えば、透明性は厚さ5
00μmのシートまたはフィルムで85%以上、好まし
くは88%以上、より好ましくは90%以上、内部ヘイ
ズは1.0%以下、好ましくは0.8%以下、より好ま
しくは0.5%以下、さらに、透湿度は、厚さ500μ
mのシートまたはフィルムで0.13g/m2・24h
r以下、好ましくは0.12g/m2・24hr以下、
さらに好ましくは0.11g/m2・24hr以下のも
のを得ることができる。なお、透湿度や透明性は厚さに
よって異なり、透明性は薄くなるほど良くなり、透湿度
は厚くなるほど悪くなる。また、耐衝撃性は、厚さ50
0μmのシートまたはフィルムでの50%破壊エネルギ
ーが、23℃では3.0J以上、好ましくは3.3J以
上、−20℃では1.3J以上、好ましくは1.5J以
上である。
【0020】(用途)本発明のシートまたはフィルム
は、偏光フィルム、位相差フィルム、液晶基板、光拡散
シート、プリズムシートなどの液晶ディスプレイ用など
低透湿性と高度な光学特性が求められるシートや、自動
車の窓材やルーフ材、航空機用窓材、自動販売機用窓
材、ショーウィンドウ材、ショーケース材などの強度が
求められるガラス板代替透明シートなどの光学シート;
レジスト溶液用バッグや医療用薬液バッグ、輸液バッ
グなどの原料として、また食品用、電子部品用などとし
て用いられる包装用シート; 電気絶縁シート、フィル
ムコンデンサーなどの電気用シート; 外装材、屋根材
などの建築用シート; などとして用いられる。
【0021】(態様)本発明のシートまたはフィルムの
態様としては、(1) ジシクロペンタジエン系単量体
由来開環繰り返し構造単位80〜90重量%およびテト
ラシクロドデセン系単量体由来開環繰り返し構造単位2
0〜10重量%からなり、実質的にゲルを含まない共重
合体の主鎖の不飽和結合を水素添加率98%以上に水素
添加した水素添加物からなり、延伸倍率1.05〜5.
00に延伸したシートまたはフィルム、(2) 水素添
加物が主鎖の不飽和結合の水素添加率が99%以上であ
る(1)記載のシートまたはフィルム、(3) 水素添
加物が主鎖の不飽和結合の水素添加率が99.5%以上
である(2)記載のシートまたはフィルム、(4) 水
素添加物がジシクロペンタジエン系単量体開環重合体由
来開環繰り返し構造単位81〜88重量%およびテトラ
シクロドデセン系単量体開環重合体由来繰り返し構造単
位19〜12重量%からなる(1)〜(3)記載のシー
トまたはフィルム、(5) 水素添加物がジシクロペン
タジエン系単量体由来開環繰り返し構造単位83〜87
重量%およびテトラシクロドデセン系単量体由来開環繰
り返し構造単位17〜13重量%からなる(4)記載の
シートまたはフィルム、(6) 水素添加物がジシクロ
ペンタジエン系単量体由来開環繰り返し構造単位および
テトラシクロドデセン系単量体由来開環繰り返し構造単
位以外の繰り返し構造単位を10重量%以下有する
(1)〜(5)記載のシートまたはフィルム、(7)
水素添加物がジシクロペンタジエン系単量体由来開環繰
り返し構造単位およびテトラシクロドデセン系単量体由
来開環繰り返し構造単位以外の繰り返し構造単位を3重
量%以下有する(6)記載のシートまたはフィルム、
(8) 水素添加物がジシクロペンタジエン系単量体由
来開環繰り返し構造単位およびテトラシクロドデセン系
単量体由来開環繰り返し構造単位以外の繰り返し構造単
位を1重量%以下有する(7)記載のシートまたはフィ
ルム、(9) 水素添加物がゲル・パーミエーション・
クロマトグラフィ法で測定したポリスチレン換算値で数
平均分子量が10,000〜200,000である
(1)〜(8)記載のシートまたはフィルム、(10)
水素添加物がゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フィ法で測定したポリスチレン換算値で数平均分子量が
15,000〜100,000である(9)記載のシー
トまたはフィルム、(11) 水素添加物がゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィ法で測定したポリスチ
レン換算値で数平均分子量が20,000〜50,00
0である(10)記載のシートまたはフィルム、(1
2) 水素添加物がガラス転移温度が50〜160℃の
ものである(1)〜(11)記載のシートまたはフィル
ム、(13) 水素添加物がガラス転移温度が60〜1
40℃のものである(12)記載のシートまたはフィル
ム、(14) 水素添加物がガラス転移温度が70〜1
10℃のものである(13)記載のシートまたはフィル
ム、(15) 揮発成分が0.2重量%以下である
(1)〜(14)記載のシートまたはフィルム、(1
6) 延伸倍率が1.10〜3.00である(1)〜
(15)記載のシートまたはフィルム、(17) 延伸
倍率が1.15〜2.00である(16)記載のシート
またはフィルム、(18) 厚さが10μm〜10mm
である(1)〜(17)記載のシートまたはフィルム、
(19) 厚さが50μm〜5mmである(18)記載
のシートまたはフィルム、(20) 厚さが100μm
〜1mmである(1)記載のシートまたはフィルム、な
どが例示される。
【0022】
【実施例】以下に参考例、実施例、比較例を挙げて本発
明を具体的に説明する。なお、分子量はトルエンを用い
たゲル・パーミエーション・クロマトグラフィにて測定
したポリスチレン換算値で、揮発成分は熱重量分析で、
透湿度はJIS Z 0208の方法Bで、ガス透過度
はJIS K 7126の方法で、光線透過率は波長7
00nmで、内部ヘイズ値はJIS K 7105の方
法で、50%破壊エネルギーはJIS K 7211の
方法で測定した。
【0023】参考例1 窒素雰囲気下、200lのガラス製反応器中に、ジシク
ロペンタジエン85重量部、6−メチルテトラシクロド
デセン15重量部、シクロヘキサン250重量部、1−
ヘキセン0.01重量部、イソブチルエーテル0.01
重量部、イソブチルアルコール0.01重量部、および
トリイソブチルアルコール0.01重量部を入れ、60
℃に保ちながら、六塩化タングステンのシクロヘキサン
1%溶液を1時間に渡って連続的に総量0.005重量
部加えて重合反応を行った。重合反応液の一部を回収
し、1H−NMRと13C−NMRを用いて重合反応液中
の重合体を分析したところ、ジシクロペンタジエン由来
開環繰り返し構造単位約85重量%、6−メチルテトラ
シクロドデセン約15重量%からなるものであった。
【0024】この重合反応液を500lのオートクレー
ブに移し、担体であるカーボンにパラジウムを担持させ
た不均一触媒(担持量5重量%)0.6重量部を加え
て、水素圧50kgf/cm2、温度220℃で5時間
反応させた。
【0025】この水素添加反応液を、ケイソウ土(ラヂ
オライト#800)と活性アルミナ(細孔容積0.72
cm3/g、比表面積255m2/g)の同重量混合物を
濾過助剤として、触媒を除去し、さらに孔径0.4μm
のメンブレンフィルターで濾過された溶液をクリーンな
環境下(クラス10000)で遠心薄膜連続蒸発器型乾
燥器を用いて280℃、30torrで5時間乾燥して
樹脂を得、これを二軸押し出し機で処理して、ペレット
化し、水素添加物25.3重量部を得た。
【0026】この水素添加物の数平均分子量は27,0
00、重量平均分子量66,000、分子量分布は2.
44、ガラス転移温度98℃、水素添加率99.7%以
上、遷移金属原子はそれぞれ検出限界以下、塩素原子も
検出限界(100ppb)以下、揮発成分は0.1%以
下であった。
【0027】実施例1 参考例1で得た水素添加物をスクリュー径65mmの押
し出し成形機を用い、樹脂温度210℃で400mm幅
でダイス・ギャップが600μmのTダイから押し出し
速度35kg/時間で押し出し、延伸倍率1.20倍、
厚さが500μmになるように、90℃のロールで引き
取るように調整し、巻き取り速度は2.8m/分とし
た。
【0028】このシートは、ボイドやフィッシュアイな
どの欠陥、カール、ねじれ、波うちなどの外形不良は認
められなかった。このシートの光線透過率は90.5
%、内部ヘイズは0.4%、透湿度は0.10g/m2
・24hr、ガス透過度はO2が10cm3/m2・24
hr、CO2が35cm3/m2・24hr、50%破壊
エネルギーが23℃で3.5J、−20℃で1.6Jで
あった。
【0029】比較例1 参考例1で得た水素添加物の代わりにジシクロペンタジ
エン開環重合体水素添加物(数平均分子量は26,00
0、重量平均分子量58,000、分子量分布2.2
3、ガラス転移温度93℃、水素添加率99.5%以
上、遷移金属原子はそれぞれ検出限界以下、塩素原子も
検出限界以下、揮発成分は0.23%)を用いる以外は
実施例1と同様に厚さが500μmのシートを作成し
た。
【0030】このシートは、カール、ねじれ、波うちな
どは認められなかったが、約1mに一つ程度の割合で
0.5mm以下の大きさのボイドかフィッシュアイが認
められた。このシートの光線透過率は88.4%、内部
ヘイズは1.7%、透湿度は0.16g/m2・24h
r、ガス透過度はO2が15cm3/m2・24hr、C
2が46cm3/m2・24hr、50%破壊エネルギ
ーが23℃で2.8J、−20℃で10.6Jであっ
た。
【0031】比較例2 延伸倍率が1.00になるように押し出し速度を調整
し、Tダイをダイス・ギャップを500μmのものにす
る以外は実施例1と同様に厚さが500μmのシートを
作成した。
【0032】このシートは、ボイドやフィッシュアイな
どの欠陥、カール、ねじれ、波うちなどの外形不良は認
められなかった。このシートの光線透過率は89.1
%、内部ヘイズが0.4%、透湿度は0.14g/m2
・24hr、ガス透過度はO2が14cm3/m2・24
hr、CO2が45cm3/m2・24hr、50%破壊
エネルギーが23℃で3.4J、−20℃で1.4Jで
あった。
【0033】
【発明の効果】本発明のシートは、透湿度に優れる。ま
た、ガス・バリア性、透明性、耐衝撃性などにも優れる
ことから、食品や薬品の包装用のシートなどとして、好
ましい性質を有している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジシクロペンタジエン系単量体由来開環
    繰り返し構造単位80〜90重量%およびテトラシクロ
    ドデセン系単量体由来開環繰り返し構造単位20〜10
    重量%からなり、実質的にゲルを含まない共重合体の主
    鎖の不飽和結合を水素添加率98%以上に水素添加した
    水素添加物製シートまたはフィルムを、延伸倍率1.0
    5〜5.00に延伸したシートまたはフィルム。
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