JP2015100984A - 積層体及び偏光板 - Google Patents

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卓士 寳川
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拓也 小松原
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Yosuke Harauchi
洋輔 原内
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Abstract

【課題】偏光板に好適な密着性に優れたフィルム状の積層体の提供。【解決手段】分子末端に炭素数14〜40のα−オレフィン由来の構造単位を有するノルボルネン系重合体を成形して得られたフィルムを2軸延伸した延伸フィルムとポリビニルアルコールよりなるフィルムに、ヨウ素や二色性染料等よりなる二色物質による染色処理等を施した偏光子とを積層して積層体を得る。この積層体を用いて偏光板を得る。前記ノルボルネン系重合体はノルボルネン系単量体の付加重合体又は開環重合体水素化物である。【選択図】なし

Description

本発明は、ノルボルネン系重合体を成形して成るフィルムに関する。当該フィルムは光学用フィルムとして好適に用いられる。
近年、液晶テレビ、スマートフォン、タブレット端末等の電子デバイスの薄型化が急速に進むことにより、電子デバイスを構成する各部材についても薄型化の要求が高まっており、電子デバイスに搭載される位相差フィルムについても、機能を維持しつつ薄肉化することが求められるようになっている。
位相差フィルムの複屈折性を維持しつつ薄肉化するためには、フィルムの延伸倍率を上げ、単位面積当たりの複屈折発現性を向上させることが有効である。しかしながら、延伸倍率を上げるとフィルムの表面強度が低下し、積層体とした後に問題が生じる場合がある。具体的には、積層体から保護フィルムを剥離させる際に基材破壊が生じたり、積層体切断時に端面に基材破壊が生じたりする場合がある。
ノルボルネン系重合体よりなるフィルムは、一軸又は二軸延伸加工を施すことにより複屈折性を制御することができるため、位相差フィルムとして好適に用いられている。例えば、特許文献1には、延伸倍率を上げても基材破壊(延伸フィルムの強度が不足して生じるフィルムの内部で破壊)の生じない、位相差フィルムに好適なノルボルネン系重合体よりなるフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、炭素数14〜40の長鎖α−オレフィン存在下、ノルボルネン系単量体を開環重合して得られるノルボルネン系開環共重合体を水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物からなるフィルムが、防湿性や透明性に優れたフィルムを与えることが知られている。
特開2009−185135 特開2012−57122
本発明者らは、特許文献1に具体的に記載されたフィルムを偏光板のような他の樹脂基材に積層して用いたところ、他の樹脂基材との接着強度が必ずしも十分ではないことを確認した。
そこで、本発明者らは、他の成形体(基材)に積層した場合に高い接着性を維持する積層体を得るべく鋭意検討した結果、特許文献2に記載されたノルボルネン系重合体が有効であること見出した。
かくして、本発明によれば、分子末端に炭素数14〜40のα−オレフィン由来の構造単位を含有するノルボルネン系重合体よりなるフィルムからなる層を少なくとも一層有することを特徴とする積層体が提供される。
前記フィルムは、延伸フィルムであることが好ましい。
また本発明によれば、前記積層体を有すること特徴とする偏光板が提供される。
本発明に係るフィルムは、分子末端に炭素数14〜40の直鎖アルキル基を含有することを特徴とするノルボルネン系重合体よりなる。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
ノルボルネン系単量体としては、ノルボルネン単量体の他、ジシクロペンタジエン系単量体、テトラシクロドデセン系単量体、メタノテトラヒドロフルオレン系単量体、などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンなどが例示される。
ジシクロペンタジエン系単量体としては、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、2−メチルジシクロペンタジエン、2,3−ジメチルジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロキシジシクロペンタジエンなどが例示される。
テトラシクロドデセン系単量体としては、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(テトラシクロドデセン)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどが例示される。
メタノテトラヒドロフルオレン系単量体としては、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンなどが例示される。
これらのノルボルネン系単量体は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
開環重合によって得られるものとして、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、並びにこれらの水素化物などが挙げられる。
付加重合によって得られるものとしてノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物及びノルボルネン系単量体の付加重合体が、耐熱性、機械的強度等の観点から好ましい。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物の場合、ノルボルネン系単量体及びジシクロペンタジエン系単量体は、少なすぎると複屈折が発現しにくくなる傾向があり、多すぎると耐熱性が低下する傾向があるため、いずれの場合も好ましくない。テトラシクロドデセン系単量体は、少なすぎると耐熱性が低下する傾向があり、多すぎると複屈折が発現しにくくなる上、脆くなる傾向があるため、いずれも好ましくない。メタノテトラフルオレン系単量体は、少なすぎると耐熱性が低下する傾向があり、多すぎると複屈折が発現しにくくなる傾向があるためいずれも好ましくない。
このため、上述したノルボルネン系単量体の中でも、ジシクロペンタジエン系単量体の量が50〜60重量%、テトラシクロドデセン系単量体の量が30〜40重量%、メタノテトラヒドロフルオレン系単量体の量が5〜15重量%、あるいはジシクロペンタジエン系単量体の量が45〜60重量%、置換基を有しないテトラシクロドデセン系単量体の量が30〜40重量%、炭素数1〜4の炭化水素基を有するテトラシキロドデセン系単量体の量が5〜20重量%であるノルボルネン系開環重合体(但しいずれも合計量は100%)の水素化物が、フィルムの加工性、耐熱性、及び複屈折の発現性のバランスに優れたノルボルネン系開環重合体水素化物を与えるため、好ましい。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体は、これらの単量体を、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させて得ることができる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、エチレン、プロピレンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは60:40〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
これらの中でも、耐熱性、機械的強度、成形性等の観点から、ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合することが好ましく、ノルボルネン系単量体とエチレンとの付加共重合体が特に好ましい。
尚、本発明で用いるノルボルネン系重合体は、炭素数14〜40のα−オレフィン存在下で、上述したようにノルボルネン系単量体及び必要に応じて用いられる、ノルボルネン系単量体と共重合可能な単量体を重合することで製造することができる。
例えば、直鎖α−オレフィンとして炭素数20のα−オレフィン(1−エイコセン)存在下、ノルボルネン系単量体を重合した例を下記に示す。
Figure 2015100984
Figure 2015100984
(式中R〜Rはアルキル基を示し、Mtlは重合触媒を示す。)
化1はノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物の分子末端にα−オレフィン由来の構造単位が導入される例を示したものである。重合反応が進行した重合触媒の活性末端とα−オレフィンが反応(連鎖移動反応)すると、α−オレフィン由来の構造末端に重合触媒の活性末端が生じる。続いてこの活性末端とモノマーとで重合反応を進行させた後に、オレフィンの水素化を行うと、分子末端にα−レフィン由来の構造単位が導入されることがわかる。
化2は同様にノルボルネン系単量体とエチレンの付加共重合体の分子末端に、α−オレフィン由来の構造単位が導入される例を示したものである。
ノルボルネン系重合体は一般的に、分子量調整するために連鎖移動剤(分子量調節剤ともいう)存在下、ノルボルネン系単量体を重合することにより製造される。連鎖移動剤としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン類が使用されるが、本発明で使用される炭素数14〜40のα−オレフィンも連鎖移動剤として作用するものである。
本発明で使用する炭素数14〜40のα−オレフィンは、炭素数が14〜40であれば特に限定されない。炭素数14〜40のα−オレフィンの具体例としては、3−メチルテトラデセン、4−メチルテトラデセン、10−メチルテトラデセン、5−シクロヘキシルヘキサデセン等のアルキル鎖に1以上の置換基を有する1置換オレフィン:1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコサセン、1−ドデセン、1−テトラコンテン等の直鎖α−オレフィン等が挙げられる。これらの中でも一置換オレフィンが好ましく、直鎖α−オレフィンがより好ましく、炭素数16〜30の直鎖α−オレフィンが特に好ましい。
本発明で用いるノルボルネン系重合体を重合する際の連鎖移動剤は、炭素数14〜40の直鎖α−オレフィンを2種以上組み合わせても良いし、炭素数14〜40の直鎖α−オレフィンと、炭素数4〜12のα−オレフィン又はスチレン類などのその他の連鎖移動剤を組み合わせても良い。
全連鎖移動剤量(炭素数14〜40のα−オレフィンとその他の連鎖移動剤の量の合計)の添加量は、所望の分子量を持つ共重合体を得るに足る量であればよく、(全連鎖移動剤):(ノルボルネン系単量体)のモル比で、通常1:50〜1:1,000,000、好ましくは1:100〜1:5,000、より好ましくは1:300〜1:3,000である。
また、炭素数14〜40のα−オレフィン量由来の構造単位は、ノルボルネン系単量体と共重合可能なその他の単量体の合計量100重量部に対して、好ましくは0.5〜5.0重量部、より好ましくは1.0〜4.0重量部、特に好ましくは1.3〜3.0重量部含有されていることが好ましい。炭素数14〜40のα−オレフィン量由来の構造単位の量が多すぎると、ガラス転移温度が低下しすぎる恐れがあり、少なすぎるとフィルムの加工性が悪化する恐れがある。
重合温度は、通常−50℃〜250℃、好ましくは−30℃〜200℃、より好ましくは−20℃〜150℃の範囲である。重合圧力は、通常0〜50kg/cm、好ましくは0〜20kg/cmの範囲である。重合時間は、重合条件により適宜選択されるが、通常30分〜20時間、好ましくは1〜10時間の範囲である。
本発明で用いられるノルボルネン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、通常10,000〜100,000、好ましくは15,000〜80,000、より好ましくは20,000〜50,000である。分子量は、シクロヘキサンあるいはテトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリイソプレン換算値あるいは標準ポリスチレン換算値として表す。分子量が、これらの範囲にあるとき機械的強度と成形性とのバランスに優れる。分子量の分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4の範囲である。
本発明で用いるノルボルネン系重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。Tgをこのように高くすることにより、フィルムの高温環境における耐久性を向上させることができる。ただし、Tgが過度に高いとフィルムの成形が困難になる可能性があるので、Tgは通常300℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
これらのノルボルネン系重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いるノルボルネン系重合体には、必要に応じて公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で含有させることができる。添加剤としては、例えば、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコーンオイル、発泡剤、界面活性剤、離型剤などの各種添加剤を配合することができる。
ノルボルネン系重合体に各種添加剤を含有させる方法は、特に限定されず、濾過後のノルボルネン系重合体溶液に添加する方法や、溶融ブレンドする方法など任意の方法を採用することができる。具体的な方法としては、例えば、ノルボルネン系重合体と各種添加剤を、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等を用いて混合し、次いで、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール等を用いて溶融混練する方法;濾過後のノルボルネン系重合体の溶液に、各種添加剤を混合した後、溶剤等の揮発成分を除去する方法;などが挙げられる。
(2)フィルム
必要に応じて各種の配合剤が添加されたノルボルネン系重合体をフィルム状に成形する方法としては特に制約されず、公知の成形法を採用することができる。例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも採用することができるが、シート中の揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法を用いるのが好ましい。
加熱溶融成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度及び表面精度などに優れる延伸フィルムを得るためには、溶融押出し成形法を用いるのが好ましい。
成形条件は、使用目的や成形方法により適宜選択されるが、溶融押出成形法による場合は、シリンダー温度が、好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃の範囲で適宜設定される。
フィルムの厚みは、特に制限されず、用途に応じた厚みにすれば良い。フィルムを延伸して用いる場合の延伸前のフィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な延伸フィルムが得られる観点から、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
(3)延伸
こうして得られたフィルムは、必要に応じて延伸することができる。フィルムを延伸することで、分子が配向されて一定の大きさのレタデーションが得られ、位相差フィルムとして用いるのに好ましい。
フィルムを延伸する方法は特に制限なく、従来公知の方法を適用し得る。具体的には、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンターを用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔が開かれて縦方向の延伸と同時にガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後にその両端部をクリップ把持してテンターを用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機や、横又は縦方向に左右等速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにして、移動する距離が同じで延伸角度θを固定できるようにした若しくは移動する距離が異なるようにしたテンター延伸機を用いて斜め延伸する方法:が挙げられる。
(4)積層体
本発明の積層体は、上述のようにして得られる分子末端に炭素数14〜40のα−オレフィン由来の構造単位を含有するノルボルネン系重合体よりなる、必要に応じて延伸してなるフィルムからなる層を少なくとも一層有するものである。
当該フィルムを積層する基材に格別な制限はなく、任意の形状に成型された成形体であればよい。成形体の材質は、積層体の使用目的に応じて任意に選択することができ、樹脂やゴムなどのポリマー、ガラス、紙、鉱物や金属など、いかなるものであっても良く、これらの混合物であっても良い。成形体の形状も積層体の使用目的に応じて任意に選択することができ、フィルム状、筒状、球状、柱状、角錐状、円錐状、これらの組み合わせなど、いかなる形状であっても良い。
本発明の偏光板を得るには、通常、フィルム状の偏光子やその他の機能性フィルムと共に、本発明のフィルムを積層する。これらの偏光子やその他の機能性フィルムの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の鎖状オレフィン系重合体、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエステルサルホン、変性アクリルポリマー等、及びこれらを含む熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
フィルムの積層体を得る方法としては、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及び基材樹脂フィルムに対して樹脂溶液をコーティングするようなコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。
また、接着剤を用いて積層させることができる。
積層されるフィルムの表面は、必要に応じて表面処理を行うことができる。表面処理する方法としては、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理、シランカップリング剤等の薬剤と接触させる処理などが挙げられる。
処理時間や処理温度は、各処理方法に応じて任意に設定すれば良い。
本発明の積層体に、上述した本発明に係るフィルムからなる層は2層以上あっても良く、その場合、本発明に係るフィルム同士が積層されていても良いし、本発明に係るフィルム同士の間に他の基材が介在していても良い。
(5)偏光板
偏光板は、延伸フィルムと偏光子とを積層してなる。偏光子には、ポリピニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の一般に用いられているビニルアルコール系ポリマーよりなるフィルムに、ヨウ素や二色性染料等よりなる二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適宜な処理を適宜な順序や方式で施したもので、自然光を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いることができる。特に、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。
積層形態としては、本発明のフィルムを偏光子の両面に積層させても、片面に積層させてもよく、また積層数に特に限定はなく、2枚以上積層させてもよい。尚、2枚以上積層させる場合、本発明に係るフィルム同士が積層されていても良いし、本発明に係るフィルム同士の間に他のフィルムが介在していても良い。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。
以下に各種物性の測定法を示す。
(1)分子量
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(MWD)はシクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリイソプレン換算値として測定した。
GPCは、東ソー社製HLC8120GPCを用いた。
標準ポリイソプレンとしては、東ソー社製標準ポリイソプレン、Mw=602、1390、3920、8050、13800、22700、58800、71300、109000、280000の計10点を用いた。
測定は、カラムとして東ソー社製TSKgelG5000HXL、TSKgelG4000HXL及びTSKgelG2000HXLを3本直列に繋いで用い、流速1.0ml/分、サンプル注入量100μml、カラム温度40℃の条件で行った。
(2)水素添加率(炭素−炭素二重結合残存率)
水素添加後の、主鎖及び環状炭化水素構造の水素添加率は、NMR測定により求めた。
(3)ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度は示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製、正否婦負「DSC6220SII」)を用いて、JIS K 6911に基づき昇温速度10℃/minの条件で測定した。
(4)剥離強度
得られた延伸フィルムを偏光フィルム(偏光膜)と常法によって貼りあわせ、25mmの幅に裁断して90度剥離試験を実施し以下の基準で延伸フィルムと偏光フィルムとの間の剥離強度を評価した。
◎:材破壊が先に発生して試験不能
○:剥離強度3.0N以上
×:剥離強度3.0N未満
[実施例1]
ジシクロペンタジエン(以下、DCPと略記)55重量%、テトラシクロドデセン(以下、TCDと略記)35重量%、及びメタノテトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略記)10重量%を混合して、ノルボルネン(NB)系単量体混合物を調製した。前記ノルボルネン系単量体混合物100モルに対して、1−ドコセン(C22)を2.0重量%添加して滴下用単量体混合物を調整した。
次いで乾燥し、窒素置換した重合反応器に、前記滴下用単量体混合物を7重量部(重合に使用する単量体全量に対して1%)、シクロヘキサン1,600部、ジイソプロピルエ−テル1.3部、イソブチルアルコール0.33部、トリイソブチルアルミニウム0.84部並びに六塩化タングステン0.66%シクロヘキサン溶液30部を入れ、55℃で10分間攪拌した。
次いで、反応系を55℃に保持し、攪拌しながら、前記重合反応器中に滴下用単量体混合物693部と六塩化タングステン0.77%シクロヘキサン溶液72部を各々150分かけて連続的に滴下し、さらに滴下終了後30分間攪拌した後にイソプロピルアルコール1.0部を添加して重合反応を停止させた。ガスクロマトグラフィーによって重合反応溶液を測定したところ、モノマーの重合体への転化率は100%であった。
次いで、上記重合体を含有する重合反応溶液300部を攪拌器付きオートクレーブに移し、シクロヘキサン100部及び珪藻土担持ニッケル触媒(日揮化学社製;「T8400RL」、ニッケル担持率58%)2.0部を加えた。オートクレーブ内を水素で置換した後、180℃、4.5MPaの水素圧力下で6時間反応させた。
水素化反応終了後、珪藻土(昭和化学工業社製;「ラヂオライト(登録商標)♯500」)をろ過床として、加圧ろ過器(IHI社製;「フンダフィルター」)を使用し、圧力0.25MPaで加圧ろ過して、ノルボルネン系開環共重合体水素化物の無色透明な溶液を得た。
次いで、得られた溶液に、ノルボルネン系開環共重合体水素化物100重量部に対して、酸化防止剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;「イルガノックス1010」)0.5部を加えて溶解させた。
この溶液を金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)にてろ過して異物を除去した。
次いで、上記で得られたろ液から、円筒型濃縮乾燥機(日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力1kPa以下で、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザー(長田製作所社製;「OSP−2」)でカッティングしてノルボルネン系開環共重合体水素化物のペレットを得た。このノルボルネン系開環共重合体水素化物の分子量はMw=36,000、Mw/Mn=2.2であり、水素化率は99.9%、Tgは120℃であった。
得られたペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、65mmφのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅500mm)を使用し、クラス10,000以下のクリーンルーム内で、溶融樹脂温度220℃、Tダイ温度220℃の成形条件にて、厚さ100μm、幅500mmの未延伸フィルムを押出し成形した。得られたシートはロールに巻き取り回収した。
得られた巻き取り回収した上記シートを、ロールごと上記と同一のクリーンルーム内に設置された延伸装置に取り付け、加熱ロールにて130℃(Tg+10℃)に加熱した後、回転速度の異なる第一ロール、第二ロールの順に通過させながら、シートを押出方向に2.0倍の延伸倍率で、延伸速度(引っ張り速度)15mm/秒にて一軸延伸し、延伸フィルムを得た。延伸されたフィルムは、冷却ロールにて35℃にまで冷却した後、巻き取り回収した。得られた延伸フィルムの厚みは55μmであった。
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μm のポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100 の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が 8.5/8.5/100 の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。
別途、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水性エマルジョン(大日本インキ化学工業社製の“ハイドラン AP−20”、固形分濃度30%、粘度30mPa・sec )100部に、多官能グリシジルエーテルである大日本インキ化学工業(株)製の“CR−5L ”を3部加えて、接着剤とした。先に得られた偏光フィルムの両面に、コロナ処理が施された。
先に得られた厚さ55μmの延伸フィルムを、上記接着剤を介して貼合し、80℃で7分間乾燥して、偏光板を得た。その後、室温にて1週間養生した。
こうして得られた偏光板について、剥離強度を評価した。結果を表1に示した。
[実施例2〜6、比較例1〜3]
ノルボルネン系単量体と連鎖移動剤の種類及び量を、表1に通りにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を得、剥離強度を評価した。結果を表1に示した。
[表1]
Figure 2015100984
この結果から以下のことがわかる。
本発明の積層体は剥離強度が高い(実施例1〜6)。一方で、炭素数が少ないα−オレフィンを用いると、剥離強度が低い(比較例1〜3)。

Claims (3)

  1. 分子末端に炭素数14〜40のα−オレフィン由来の構造単位を含有するノルボルネン系重合体よりなるフィルムからなる層を少なくとも一層有することを特徴とする積層体。
  2. フィルムが延伸フィルムであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 請求項1又は2記載の積層体を有すること特徴とする偏光板。
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