JPH0839744A - 熱収縮性多層フィルム - Google Patents

熱収縮性多層フィルム

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JPH0839744A
JPH0839744A JP21167894A JP21167894A JPH0839744A JP H0839744 A JPH0839744 A JP H0839744A JP 21167894 A JP21167894 A JP 21167894A JP 21167894 A JP21167894 A JP 21167894A JP H0839744 A JPH0839744 A JP H0839744A
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明 三田
Mutsumi Wakai
睦巳 若井
Tomohisa Okuda
智久 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、柔軟性、透明性、ヒートシール性
及び熱収縮性が優れたオーバーラップ包装に好適な熱収
縮性多層フィルムの提供を目的とする。 【構成】 本発明は、(A)エチレン成分を含有するプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体と石油樹脂とを含
有してなる組成物からなる両表面層、および(B)特定
された、特定量のブロック共重合体と特定されたエチレ
ン成分を含有するプロピレン−エチレンランダム共重合
体の特定量との組成物からなる中間層であり、少なくと
も3層に積層されると共に、フラット状に成膜され、且
つ、縦方向及び横方向似2軸延伸され熱収縮性が付与さ
れてなる多層フィルムであり、前記A層の合計厚みとB
層の合計厚みとの比が特定された範囲である熱収縮性多
層フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、柔軟性、透明
性、ヒートシール性及び熱収縮性が優れた、オーバーラ
ップ包装に好適な熱収縮性多層フィルムの提供に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般の商品等では、緩やかな
包装が施された後に、加熱収縮され密着密封包装され
る、所謂オーバラップ包装法によって包装されているも
のがある。このようなオーバラップ包装に用いられる熱
収縮性フィルムとしては、例えば、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂等からなるフィルムが2軸延伸
(例えば、チューブラー延伸法)等により延伸されて使
用される。しかしながら、前記のフィルムは柔軟性が乏
しく、また、収縮包装されたフィルムは感触が硬く、特
に、角部が固くなりシワ等が発生し易く包装仕上りが悪
くなる傾向があり、好ましくないものであった。また、
例えば、ポリプロピレン系樹脂から成るフラット状フィ
ルム(単独または複合フィルム等)が逐次2軸延伸法で
延伸された熱収縮性ポリプロピレン系フィルムは、縦方
向と横方向の収縮性に極端な差が発生し易く、収縮仕上
りに問題がある。
【0003】更に、柔軟性に優れたポリプロピレン系熱
収縮性フィルムを成膜するために、ポリプロピレン系樹
脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合し
た組成物からオーバラップ包装用熱収縮性フィルムが成
膜されている。斯かる柔軟性フィルムは延伸後、透明性
が低下する等の傾向があり、特に、透明性が要求される
包装分野には使用できないという問題が指摘されてい
る。また、逐次2軸延伸する場合に、例えば、縦方向に
延伸後、引続いて横方向に延伸すると、厚みムラ、破断
等が発生し易く、優れた熱収縮性フィルムが得られない
傾向があった。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】本発明は、上記したよう
な状況に鑑み、柔軟性、透明性、ヒートシール性及び熱
収縮性に優れ、オーバーラップ包装に好適な熱収縮性多
層フィルムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
のために鋭意検討を重ねた結果、特定組成を有するプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体からなる両表面層
が、ポリブテン成分とプロピレン−エチレンランダム共
重合体成分又はプロピレン成分及びプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体成分とからなるブロック共重合体を
含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体からな
る中間層を介して積層され、2軸延伸され、表面層の合
計厚みと中間層の厚みの比率を特定される熱収縮性多層
フイルムが上記目的を達成することを見出し、本発明に
到達した。
【0006】本発明の特徴とするところは、(A)エチ
レン成分含有量が2〜5重量%のプロピレン−エチレン
ランダム共重合体98〜70重量%と石油樹脂2〜30
重量%の組成物からなる両外面層、及び(B)ポリブテ
ン成分とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分又
はプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共
重合体成分とからなるブロック共重合体10〜90重量
%と、エチレン成分含有量が2〜5重量のプロピレン−
エチレンランダム共重合体90〜10重量%との組成物
からなる中間層とが、少なくとも3層に積層されると共
に、フラット状に成膜され、且つ、縦方向及び横方向に
2軸延伸され熱収縮性が付与され、前記(A)層の合計
厚みと(B)層の合計厚みとの比が1:10〜5:1で
ある熱収縮性多層フイルムを提供するところにある。
【0007】本発明の両表面層(A)に係るプロピレン
−エチレンランダム共重合体は、エチレン含有量が2〜
5重量%であるプロピレン−エチレンランダム共重合体
であればよい。エチレン含有量が5重量%を超える場合
は、柔軟になり過ぎ、引張弾性率が大幅に低下する傾向
があり、自動包装機で包装する際に、包装用フィルムと
自動包装機の金属案内部との滑り性、包装用フィルムの
自動包装機への自動供給性が悪くなり、包装体に皺、ス
クラッチ、擦り傷等が発生する傾向があり,又2重量%
未満の場合は、柔軟性が乏しく、延伸性が低下し、厚み
ムラが発生し易く、透明性が悪くなる傾向があり好まし
くない。
【0008】また 両表面層(A)のプロピレン−エチ
レンランダム共重合体は、沸騰n−ヘプタン抽出不溶分
が90重量%以上のものであればよく、メルトフローレ
イト(MFR)は0.5〜20g/10分、好ましくは
1〜10g/10分、より好ましくは1〜5g/10分
のものを例示できる。両表面層(A)層におけるプロピ
レン−エチレンランダム共重合体の含有量は98〜70
重量%であり、98重量%を超えるとヒートシール性が
低下し、自動包装機での低温高速ヒートシールが困難に
なる傾向があり、70重量%未満になると引張弾性率が
低下し柔らかくなり過ぎ好ましくない。
【0009】本発明の(A)層を構成する石油樹脂とし
ては、石油ナフサ等の熱分解により精製される不飽和炭
化水素を含む留分を重合することにより得られる脂肪族
系石油樹脂(C留分系)、芳香族系石油樹脂(C
分系)、シクロペンタジエン系石油樹脂及びこれらの水
素化された水素添加石油樹脂を例示できる。具体的に
は、イソプレン、1−ペンテン、1・3ペンタジエン、
ビニルトルエン、インデン、メチルスチレン、スチレ
ン、メチルインデン、ブタジエン、ピペリレン、ペンチ
レン、ジシクロペンタジエン等の不飽和炭化水素を重
合、共重合した石油樹脂及びこれ等の水素添加石油樹脂
を挙げることができる。
【0010】上記のような石油樹脂の含有量は、2〜3
0重量%が好ましい。石油樹脂の含有量が2重量%未満
になると、延伸性が低下し、厚みムラ、未延伸部が発生
し易く好ましくない。石油樹脂の含有量が30重量%を
超えると、摩擦抵抗が高くなる傾向があり、自動包装機
で包装する際に、包装材料の自動包装機への自動供給性
が悪く、包装体に傷、皺、スクラッチが発生し易く、ま
た収縮後タイトな包装物が得難く好ましくない。更に、
逐次2軸延伸する場合に、延伸用加熱ロールに融着、粘
着する傾向があり好ましくない。
【0011】次に、本発明に係る、中間層(B)を形成
するプロピレン−エチレンランダム共重合体としては、
前記表面層(A)に用いられるプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体と同種のものでよいが、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体のメルトフローレート(230
℃、2.16kg)が、0.1〜30g/10min、
より好ましくは0.5〜10g/10min.のものが
例示できる。メルトフローレートが0.1g/10mi
n.未満では、例えば、共押出成形(特にTダイス共押
出成形)の際に、表面層(A)との相互溶融流動性が悪
く、流れムラが発生し易く、表面層(A)との接着性が
低下する傾向があり、30g/10min.を超える
と、厚み安定性が低下する傾向があり好ましくない。
【0012】本発明の中間層(B)に係るブロック共重
合体とは、ポリブテン成分とプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体成分又はポリプロピレン成分及びプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分とがそれぞれブロッ
ク共重合してなるものが好ましい。斯かるブロック共重
合体は、ポリブテン成分が0.1〜10重量%、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体成分とポリプロピレン
成分との合計量が99.9〜90重量%とからなるブロ
ック共重合体及びポリプロピレン成分を0〜30重量%
含むブロック共重合体が好ましい。ここで、該プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分は、エチレンに基づ
く単量体単位を15〜80モル%、プロピレンに基づく
単量単位を85〜20モル%含むランダム共重合体から
構成されたものを例示することができる。更に、柔軟
性、延伸性、熱収縮特性(低温熱収縮性、収縮仕上り)
等を考慮すると、該ブロック共重合体はビカット軟化点
が40〜100℃及びメルトフローレートが0.5〜1
0g/10min.のものが好ましい。
【0013】この際、ポリブテン成分が10重量%を超
えると、ブロック共重合体の均一溶融が困難になる傾向
があり、成膜が難しく好ましくない。ポリブテン成分が
0.1重量未満であると、ブロック共重合体からなるフ
ィルムの透明性が低下する傾向があり好ましくない。一
方、ポリブテン成分とポリプロピレン成分0〜30重量
%及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分から
なるブロック共重合体は、ポリプロピレン成分が30重
量%以下の場合には、ブロックム共重合体の流動性が良
くなり、フィルムの機械的強度(例えば、引張弾性
率)、耐熱性等が向上する傾向がある。ポリプロピレン
成分が30重量%を超えるとフィルムの柔軟性、透明性
等が低下し本発明の目的を達成できない。
【0014】ここで、(B)層に用いられるプロピレン
−エチレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単
量体単位が15モル%未満、プロピレンに基づく単量体
単位が85モル%を超える場合は、本発明多層フィルム
の中間層(B)の柔軟性が十分でなくなり好ましくな
い。また、エチレンに基づく単量体単位が80モル%を
超え、プロピレンに基づく単量体単位が20モル%未満
である場合には、本発明多層フィルムの中間層(B)の
引張強度及び耐熱性が低下する傾向があり好ましくな
い。
【0015】更に、本発明に係る(B)層は、エチレン
成分含有量が2〜5重量のプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体90〜10重量%に前記記載のブロック共重
合体を10〜90重量%を含有してなる組成物からなる
ことが好ましい。この際、ブロック共重合体が10重量
%未満であると柔軟性が低下する傾向になり、90重量
%を超えると透明性が悪くなり好ましくない。
【0016】本発明に係る、(A)層のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体に石油樹脂を含有してなる樹脂
組成物及び(B)層のプロピレン−エチレンランダム共
重合体にブロック共重合体を含有してなる組成物の調製
方法としては、特に制限はないが、従来の各種樹脂組成
物の製法で慣用されている方法、例えば、ニーダー、バ
ンバリーミキサー、ロール等の混練機、リボンブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー等の混合機、一軸又は二軸押出
機を用いて加熱溶融混練して行なう方法等が例示でき
る。
【0017】本発明に係る熱収縮性多層フィルムは、上
記した両外面層(A)及び中間層(B)とからなる少な
くとも3層から構成され、例えば、(A)/(B)/
(A)、(A)/(B)/(A)/(B)/(A)等の
ような多層構成にすることが好ましい。
【0018】本発明に係る熱収縮性多層フィルムを構成
する各層の厚さは、両外面層(A)層の合計厚さと中間
層(B)の合計厚さとの比率が1:10〜5:1にする
ことが好ましい。この際、両外面層(A)の合計厚さが
(B)層の厚さを合計した厚さの5倍を越える場合、本
発明の熱収縮性多層フィルムに柔軟性を付与することが
難しく、(A)層の厚さを合計した厚さが、中間層
(B)層の合計厚さの0.1倍未満である場合、本発明
の熱収縮性多層フィルムは、機械的強度、例えば、引張
弾性率が低下し、また透明性が悪くなり好ましくない。
【0019】本発明の熱収縮性多層フィルムの製法は、
特に制限はないが、例えば、共押出法、ラミネーション
法、ドライラミネーション法等を例示できる。これ等の
内、ダイスの内又は外で溶融接着する共押出法で多層化
するが好ましい。具体的には、多層化する数に見合う数
台の押出機に、例えば、Tダイスを連結し、溶融押出
し、溶融状態で多層化した後、冷却ロール、水冷又は空
冷で冷却する方法を用いて多層フィルムとする方法が例
示できる。又、環状ダイスを用いてチューブ状フィルム
を成膜した後、切り開いてフラット状にしたものでもよ
い。
【0020】本発明に係る多層フィルムに熱収縮性を付
与するためには、延伸することが好ましい。延伸方法と
しては、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法チューブ延伸
法等等で延伸すればよいが、就中、逐次2軸延伸法が便
利である。
【0021】逐次2軸延伸法で製造する場合、延伸条件
としては、延伸倍率が縦方向に2〜5倍、好ましくは3
〜4倍、横方向に2〜7倍、好ましくは3〜5倍を例示
できる。延伸温度としては、逐次2軸延伸法の場合、第
1段目は60〜110℃、好ましくは70〜100℃の
熱ロールで縦方向に延伸し、第2段目は70〜110
℃、好ましくは80〜100℃でテンターによって横方
向に延伸する方法が例示できる。この際、縦方向の延伸
温度が60℃未満では延伸負荷が大きく、透明性が低下
する傾向になり、110℃を越えるとフィルムがロール
に密着しロールに巻き付いたり、延伸段模様等が発生す
る傾向があり好ましくない。また、延伸倍率が2倍未満
では延伸ムラ等が発生し易く、延伸倍率が6倍を越える
と2段目の延伸時に破断等が発生する傾向があり好まし
くない。テンターで横延伸を行なう場合、テンター内の
雰囲気温度が70℃未満では透明性の低下、延伸ムラ、
フィルムの破断等が発生する傾向があり、110℃を越
えると、収縮特性(例えば、低温熱収縮性)が不良にな
る傾向があり好ましくない。テンターでの延伸倍率が2
倍未満では、未延伸が発生し、延伸倍率が7倍を越える
と破断等が発生し易い傾向になり好ましくない。
【0022】本発明に係る、両表面層(A)及び中間層
(B)には、必要に応じて、各層の特性を阻害しない範
囲で、各種添加材、充填材、例えば、耐熱安定剤、酸化
防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、
顔料又は染料、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレ
ー等を添加できる。更に、本発明の特性を阻害しない限
り、他のα−オレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマ
ー、ゴム類、炭化水素樹脂等を配合してもよい。
【0023】本発明に係る表面層(A)は、印刷性、ラ
ミネート性等を向上させるために、表面処理を行なうこ
とができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処
理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特
に制限はない。連続処理が可能であり、該フィルムの製
造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電
処理、プラズマ処理、火炎処理が好ましく、特に操作
性、設置容易性等の点からコロナ放電処理が好ましい。
【0024】
【作用】本発明は、(A)エチレン成分含有量が2〜5
重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体98〜
70重量%と石油樹脂2〜30重量%との組成物からな
る両表面層、(B)ポリブテン成分が0.1〜10重量
%とエチレン成分含有量が2〜5重量%プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分99.9〜90重量%とか
らなるブロック共重合体、及びポリブテン成分が0.1
〜10重量%とポリプロピレン成分0〜30重量%を含
むポリプロピレン成分及びエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体成分の合計が99.9〜90重量%とからな
るブロック共重合体等のブロック共重合体10〜90重
量%と、エチレン成分含有量が2〜5重量%のプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体90〜10重量%を含有
してなる中間層とからなり、少なくとも3層に積層さ
れ、2軸延伸されてなるフラット状多層フィルムであ
り、該フイルムの表面層(A)の合計厚みと中間層
(B)の合計厚みとの比率を特定することにより、優れ
た柔軟性、透明性、ヒートシール性及び熱収縮性を有す
るオーバーラップ包装に好適な熱収縮性多層フィルムが
提供できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて詳細に説明する。本
発明の下記実施例において、柔軟性(引張弾性率で評
価)、透明性(ヘイズで評価)、ヒートシール性(溶断
シール強度で評価)、熱収縮率は下記の方法により評価
を行なった。 [引張弾性率(kg/cm)] ASTM D882
に準じて測定した。 [ヘイズ:Haze(%)] ASTM D1003に
準じて測定した。 [ヒートシール強度(kg/cm)] 溶断シールの1
80度剥離強度を測定した。 [熱収縮率(%)] 80〜120℃のグリセリン浴中
に30秒浸漬したときの収縮率を測定した。
【0026】実施例1 両表面層(A)を構成する組成物として、エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体(エチレン成分含有量3.2
重量%、メルトフローレート2g/10分)95重量%
と石油樹脂(脂肪族炭化水素系樹脂、ビカット軟化点1
15℃)5重量%及び適宜な量の滑剤、アンチブロッキ
ング剤とを配合した組成物を用いた。また、中間層
(B)を構成する組成物として、エチレン−プロピレン
ランダム共重合体(エチレン成分含有量3.2重量%、
メルトフローレート2g/10分)50重量%と、ポリ
ブテン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体
成分とからなるブロック共重合体(ビカット軟化点60
℃、メルトフローレート1.5g/10分)50重量%
及び適宜な量の滑剤、アンチブロッキング剤とを配合し
てなる組成物を用いた。
【0027】上記で得られた組成物を用いた、(A)/
(B)/(A)の厚み構成比が2:10:2になるよう
にし、3層各々独立した3台の押出機及びこれに連結し
た3層Tダイを用いて、押出機のバレル及びダイ温度2
30℃で溶融共押出した後、キャストロールで急冷し3
層積層シートを得た。次いで、得られた3層積層シート
を90℃の加熱ロールを用いて縦方向に3.5倍延伸
し、引続いて、雰囲気温度100℃のテンターで横方向
に4.0倍延伸することによって、柔軟性、透明性、ヒ
ートシール性、熱収縮性が優れた厚さ15μのオーバー
ラップ包装用3層積層フィルムが安定して成膜できた。
該3層積層フィルムの引張弾性率、ヘイズ、溶断シール
強度、熱収縮率を表1に示す。
【0028】実施例2 中間層(B)を構成するブロック共重合体が、ポリブテ
ン成分とプロピレン−エチレン共重合体成分及びプロピ
レンからなるブロック共重合体(ビカット軟化点 8
0.0℃、メルトフローレート1.5g/10分)以外
は実指例1と同様にして柔軟性、透明性、ヒートシール
性、熱収縮性が優れた熱収縮性多層フィルムを得た。該
3層積層フィルムの引張弾性率、ヘイズ、溶断シール強
度、熱収縮率を表1に示す。
【0029】比較例1 エチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン成分
含有量3.2重量%、メルトフローレート2g/10
分)をTダイを付した押出機のバレル及びダイ温度23
0℃で溶融押出した後、キャストロールで急冷し単層シ
ートを得た。次いで90℃の加熱ロールを用いて縦方向
に3.5倍延伸し、引続いて、雰囲気温度100℃のテ
ンターで横方向に4,0倍延伸することによって熱収縮
性単層フィルムを得た。該フィルムの引張弾性率、ヘイ
ズ、溶断シール強度、熱収縮率を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、本発明に係る熱
収縮性多層フイルムは、従来のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体からなる単層の熱収縮性フィルムよりも
柔軟性(引張弾性率が小さい)、透明性、ヒートシール
強度、熱収縮性が優れたものである。
【0032】
【発明の効果】本発明の熱収縮性多層フィルムは、柔軟
性、透明性、ヒートシール性、熱収縮性が良好であり、
オーバーラップ包装に好適な軟質フイルムである。本発
明により、従来のポリオレフィン系フィルムの柔軟性、
透明性、ヒートシール性、熱収縮性が改善され、また軟
質塩化ビニルフイルムのような衛生性及び環境汚染等の
問題がなく自動包装機適性、収縮包装仕上り良好な、包
装用熱収縮性多層フィルムを得ることができる。更に、
本発明は包装分野以外の各種用途に使用できるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/00 LLY B29K 23:00 105:02 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン成分含有量が2〜5重量
    %のプロピレン−エチレンランダム共重合体98〜70
    重量%と石油樹脂2〜30重量%を含有してなる組成物
    からなる両外面層、及び(B)ポリブテン成分とプロピ
    レン−エチレンランダム共重合体成分又はプロピレン成
    分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分とか
    らなるブロック共重合体10〜90重量%と、エチレン
    成分含有量が2〜5重量のプロピレン−エチレンランダ
    ム共重合体90〜10重量%との組成物からなる中間層
    が少なくとも3層に積層されると共に、フラット状に成
    膜され、且つ、縦方向及び横方向に2軸延伸され熱収縮
    性が付与されてなる多層フィルムであり、前記A層の合
    計厚みとB層の合計厚みとの比が1:10〜5:1であ
    ることを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003205966A (ja) * 2002-01-11 2003-07-22 Sumitomo Chem Co Ltd 収縮包装用フィルムおよびラベル

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