JPH0839688A - ポリオレフィンフィルムの平滑化方法 - Google Patents
ポリオレフィンフィルムの平滑化方法Info
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Abstract
フィンフィルムを平滑にする方法を提供する。 【構成】 ポリオレフィンフィルムの原反繰り出し外径
以上の外径を有する巻芯を用いてポリオレフィンフィル
ムを巻き取り直して、一度巻き取られたポリオレフィン
フィルムを平滑化する。
Description
リオレフィンフィルムの歪みを修正するとともに、歪み
を生じさせずに巻き取る方法に関する。
レフィンフィルムは優れた特性を有するため、各種用途
に用いられている。中でも少なくとも一軸延伸したポリ
オレフィンの微多孔膜は、電池用セパレーター、電解コ
ンデンサー用隔膜、精密濾過膜等として用いられてい
る。
ィルム成形法や、インフレーションフィルム成形法等に
よって成形されるが、いずれの方法による場合でも、巻
取り機で巻取る際に、巻き張力やフィルムの厚みむら等
によって歪みが生じ、そのために湾曲したり、波打った
り、端部が垂れたりすることが多かった。それらを防ぐ
ために巻き張力を下げるとフィルムを安定的に巻けず、
またフィルムの厚みむらの低減にも技術的な限界があ
る。このように歪んだフィルムに対してスリット等の工
程を施すと、フィルムが横ずれを起こしたりシワが発生
したりする。
の場合、所定の幅にスリットして円筒状に巻回すること
があるが、もし微多孔膜に歪みがあると、スリットした
微多孔膜を巻き取っていくうちに横ずれし、正確な円筒
状にならない。従って、微多孔膜には歪みがないことが
要求される。
に歪んだポリオレフィンフィルムを平滑化する方法を提
供することである。
の結果、本発明者らは、巻き取ったポリオレフィンフィ
ルムの原反を繰り出し外径以上の外径を有する巻芯を用
いて巻き直すと、最初の巻取りの際に生じた歪みを修正
することができ、もって平滑なポリオレフィンフィルム
が得られることを見出し、本発明に想到した。
ムの平滑化方法は、ポリオレフィンフィルムの原反を繰
り出し、原反繰り出し外径以上の外径を有する巻芯を用
いてポリオレフィンフィルムを巻き取ることを特徴とす
る。
レン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、
1-ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体、共重合
体及びこれらのブレンド物等が挙げられる。共重合体と
しては、例えばプロピレンとエチレンとを順次リアクタ
ーに導入することによるブロック共重合体(多段重合
体)等を使用することができる。これらのうちではポリ
プロピレン、ポリエチレン及びこれらの組成物等が好ま
しい。
には、重量平均分子量が7×105 以上の超高分子量ポリ
オレフィンを1重量%以上含有するポリオレフィン組成
物を使用するのが好ましい。ポリオレフィン組成物中に
重量平均分子量が7×105 以上の超高分子量ポリオレフ
ィンが1重量%未満では、延伸性の向上に寄与する超高
分子量ポリオレフィンの分子鎖の絡み合いが不十分とな
るので、強度を十分に向上させるのが困難となる。一
方、超高分子量成分の含有率の上限は特に限定的ではな
いが、90重量%を超えるとポリオレフィン溶液の高濃度
化の達成及び延伸が困難となるため好ましくない。
量ポリオレフィン以外のポリオレフィン (重量平均分子
量が7×105 未満のポリオレフィン) の分子量の下限と
しては、1×104 以上のものが好ましい。重量平均分子
量が1×104 未満のポリオレフィンを用いると、延伸時
に破断が起こりやすく、目的の微多孔膜が得られないの
で好ましくない。
分布(重量平均分子量/数平均分子量)は5〜300 、特
に5〜50であるのが好ましい。分子量分布が300 を超え
ると、延伸時に低分子量成分の破断が起こり膜全体の強
度が低下するため好ましくない。
及び分子量分布を有していれば、リアクターブレンドに
よるもの(多段重合ポリオレフィン)であっても、2種
以上のポリオレフィンによる組成物であってもよい。
が7×105 以上の超高分子量成分を1重量%以上含有
し、かつ分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)
が5〜300 となるように、多段重合することにより製造
することができる。多段重合法としては、二段重合によ
り、高分子量部分と低分子量部分とを製造する方法を採
用するのが好ましい。
物の場合、前記オレフィンの単独重合体又は共重合体で
重量平均分子量が7×105 以上の超高分子量ポリオレフ
ィンと、重量平均分子量が7×105 未満のポリオレフィ
ンとを、重量平均分子量/数平均分子量が上記範囲とな
るように、適量混合することによって得ることができ
る。
酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔
料、染料、無機充填材、抗菌剤、脱臭剤、遠赤外線放射
剤などの各種添加剤を添加することができる。
く、特に5〜100 μmが好ましい。厚さが1μm未満で
は強度が不十分であり、一方500 μmを越えると例えば
微多孔膜とした場合の透過抵抗が大きくなり好ましくな
い。またポリオレフィン微多孔膜は、空孔率が35〜9
5%であるのが好ましく、平均孔径が0.001 〜0.5 μm
であるのが好ましい。
記ポリオレフィン組成物から微多孔膜を製造する方法を
説明する。
る押出機の途中に、溶融状態で液状の低揮発性溶媒(ポ
リオレフィン組成物に対する良溶媒)を供給し、混練す
ることにより、均一な濃度のポリオレフィン組成物の高
濃度溶液を調製する。
ン、デカン、デカリン、p−キシレン、ウンデカン、ド
デカン、流動パラフィンなどの低揮発性脂肪族または環
式の炭化水素、あるいは沸点がこれらに対応する鉱油留
分などを用いることができる。このような溶媒として
は、25℃における粘度が30〜500 Cst、特に50〜200 C
stであるのが好ましい。25℃における粘度が30Cst未満
では、混練が困難であり、不均一な吐出を生じる。一方
500 Cstを超えると、後工程での脱溶媒が容易でなくな
る。
配合割合は、両者の合計を100 重量%として、ポリオレ
フィン組成物が10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%
であり、低揮発性溶媒が90〜20重量%、好ましくは85〜
30重量%である。ポリオレフィン組成物が10重量%未満
では(低揮発性溶媒が90重量%を超えると)、ダイス出
口でスウェルやネックインが大きくなり、シートの成形
が困難となる。一方、ポリオレフィン組成物が80重量%
を超えると(低揮発性溶媒が20重量%未満では)、均一
な溶液の調製が困難となる。
フィーダー等を有する押出機を用いて、押出機の途中か
ら溶融状態のポリオレフィン組成物に供給する。超高分
子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物と溶媒
とをホッパーから同時に供給すると、粘度差が大き過ぎ
るために十分に混合ができない。
液をダイスから押し出して成形するが、シートダイスの
場合のダイスギャップは通常0.1 〜5mmであるのが好ま
しい。また押出し温度は140 〜250 ℃であり、押し出し
速度は通常2〜30cm/分であるのが好ましい。
オレフィン組成物溶液のシートを冷却して、ゲル状シー
トを得る。冷却は少なくともゲル化温度以下まで行う。
冷却方法としては、冷風、冷却水、その他の冷却媒体に
直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させ
る方法等を用いることができる。なおダイスから押し出
したポリオレフィン組成物溶液は、冷却前あるいは冷却
中に、1〜10好ましくは1〜5の引取比で引き取っても
良い。引取比が10以上になるとネックインが大きくな
り、また延伸時に破断を起こしやすくなり好ましくな
い。
ー法、ロール法、圧延法もしくはこれらの方法の組合せ
によって所定の倍率で延伸する。二軸延伸が好ましく、
縦横同時延伸または逐次延伸のいずれでもよいが、特に
同時二軸延伸が好ましい。
+10℃以下程度、好ましくは結晶分散温度から融点未満
の範囲である。例えば、ポリエチレン組成物(例えば、
超高分子量ポリオレフィン+高分子量ポリオレフィン)
の場合は90〜140 ℃で、より好ましくは100 〜130 ℃の
範囲である。延伸温度が融点+10℃を超える場合は、樹
脂の溶融により延伸による効果的な分子鎖の配向ができ
ないため好ましくない。また延伸温度が結晶分散温度未
満では、樹脂の軟化が不十分で、延伸において破膜し易
く、高倍率の延伸ができない。
なるが、一軸方向で少なくとも2倍以上、好ましくは3
〜30倍、面倍率で10倍以上、好ましくは15〜40
0倍である。面倍率で10倍未満では延伸が不十分で空
孔率が高く、高弾性及び高強度の微多孔膜が得られな
い。一方、面倍率が400倍を超えると、延伸装置及び
延伸操作等の点で制約が生じる。
し、残留する低揮発性溶媒を除去する。洗浄溶剤として
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素、塩
化メチレン、四塩化炭素などの塩素化炭化水素、三フッ
化エタンなどのフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジ
オキサンなどのエーテル類などの易揮発性のものを用い
る。これらの揮発性溶剤はポリオレフィン組成物の溶解
に用いた低揮発性溶媒に応じて適宜選択し、単独もしく
は混合して用いる。洗浄方法は、揮発性溶剤に浸漬し抽
出する方法、揮発性溶剤をシャワーする方法、またはこ
れらの組合せによる方法などにより行うことができる。
発性溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶
剤を乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は加熱乾燥、風乾
等の方法で行うことができる。乾燥により得られた微多
孔膜は、結晶分散温度〜融点の温度範囲で熱固定するの
が望ましい。
ィルムは、ポリオレフィンフィルムの原反ロールから原
反繰り出し外径以上の外径を有する巻芯を用いて巻き直
し平滑化する。
ク製であるが、平滑な面を基準として巻き取るのが望ま
しいため、巻芯の外径精度は凹凸を0.5 mm以下とするの
が好ましく、より好ましくは0.3 mm以下とする。
ルを設けるのが好ましい。この場合中間ロールの外径
は、歪みを原反繰り出し外径以上の曲率半径を有する面
に沿わせて修正するため原反繰り出し外径以上にするの
が好ましく、より好ましくは原反繰り出し外径以上で巻
芯外径以下とする。中間ロールの外径が巻芯の外径を超
えると却って歪みを生じさせるおそれがあるので好まし
くない。
ィルムを巻き直す前に、40℃〜ポリオレフィンの融点−
10℃に加熱しながらポリオレフィンフィルムに1g/mm2
〜1000g/mm2 の引張荷重を加えてもよい。
分であり、一方ポリオレフィンの融点−10℃を超えると
延伸効果が失われる。好ましい温度は50℃〜ポリオレフ
ィンの融点−20℃であり、特に好ましい温度は60℃〜ポ
リオレフィンの融点−30℃である。加熱方法としては、
通常の電熱ヒータ、赤外線ヒータ、遠赤外線ヒータ、誘
電加熱式ヒータ等を使用して直接的に輻射加熱する方法
や、ガス媒体(空気等)を介して対流によって加熱する
方法や、間接的に加熱したガス媒体、液体媒体、固体媒
体(金属等)に接触させる方法が挙げられ、これらを組
み合わせて使用することもできる。また、上記の加熱の
あと巻き取る前までに水冷ロール等で冷却してもよい。
が不十分であり、1000g/mm2 を超えると破断のおそれが
ある。好ましい引張荷重は5〜750 g/mm2 であり、特に
好ましい引張荷重は10〜500 g/mm2 である。引張荷重を
加える方法としては、一般的にフィルムの送給ロールの
周速より巻取りロールの周速を速くする方法が挙げられ
る。
ィルムの製造・巻取り後でかつ最終製品化前であれば、
いかなる段階で行ってもよい。例えばコンデンサーや電
池等のセパレータあるいはカートリッジフィルターに使
用する場合は、原反ロールから繰り出して所定の巾にス
リットする前、又は途中に行うのが好ましい。さらに、
スリットした製品を一旦巻き取る場合は、再度繰り出し
て最終製品化する前、又は途中にも行うのが好ましい。
フィルムの原反を繰り出し外径以上の外径を有する巻芯
を用いて巻き直すことにより、その前の巻取りの際に生
じた歪みを修正することができる。
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
空孔率:42%、平均孔径:0.03μm)をロールから繰り
出して、50mm幅にスリットする際に、表1に示す原反繰
り出し外径、中間ロール径及びスリッターロールの巻芯
外径の条件で、ポリエチレン微多孔膜を原反から繰り出
し中間ロールに沿わせてスリッターロールで巻き取っ
た。スリットして巻き取った後のポリエチレン微多孔膜
について、湾曲、凹凸波打ち及び端部の垂れを評価し
た。結果を表1に示す。
35mmから0.20mm(実施例5)及び0.84mm(比較例2)と
した以外は実施例4と同様にしてポリエチレン微多孔膜
をスリッターロールで巻き取った。スリットして巻き取
った後のポリエチレン微多孔膜について、湾曲、凹凸波
打ち及び端部の垂れを評価した。結果を表1に示す。
面にシーズヒーターを組み込んだアルミニウム製ブロッ
クを接触させることによって70℃に加熱しながら120g/
mm2 の引張荷重を加えた以外は実施例4と同様にして、
ポリエチレン微多孔膜をスリッターロールで巻き取っ
た。スリットして巻き取った後のポリエチレン微多孔膜
について、湾曲、凹凸波打ち及び端部の垂れを評価し
た。結果を表1に示す。
上面に遠赤外線を照射するとともに、下面にシーズヒー
ターを組み込んだアルミニウム製ブロックを接触させる
ことによって110 ℃に加熱しながら70 g/mm2 の引張荷
重を加えた以外は実施例4と同様にしてポリエチレン微
多孔膜をスリッターロールで巻き取った。スリットして
巻き取った後のポリエチレン微多孔膜について、湾曲、
凹凸波打ち及び端部の垂れを評価した。結果を表1に示
す。
ポリエチレン微多孔膜を再度繰り出し、フィルム下面に
シーズヒーターを組み込んだアルミニウム製ブロックを
接触させることによって90℃に加熱しながら40 g/mm2
の引張荷重を加え、次に25℃に保持された直径200 mmの
水冷ロールで冷却してロールで巻き取った。巻き取った
後のポリエチレン微多孔膜について、湾曲、凹凸波打ち
及び端部の垂れを評価した。結果を表1に示す。
方法によるポリエチレン微多孔膜は、湾曲、凹凸波打ち
及び端部の垂れがなく、良好な製品外観を有していた。
ポリオレフィンフィルムに所定の温度条件下で引張荷重
を加えるため、巻取りの際に生じた歪みを除去し、ポリ
オレフィンフィルムを平滑にすることができる。このよ
うな本発明の方法によって平滑化したポリオレフィン微
多孔膜は、リチウム電池などの電池用セパレーター、電
解コンデンサー用隔膜、超精密濾過膜、限外濾過膜、各
種フィルター、透湿防水衣料用多孔質膜等の各種用途に
好適である。
Claims (9)
- 【請求項1】 巻き取られたポリオレフィンフィルムの
平滑化方法であって、ポリオレフィンフィルムの原反を
繰り出し、原反繰り出し外径以上の外径を有する巻芯を
用いてポリオレフィンフィルムを巻き取ることを特徴と
するポリオレフィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のポリオレフィンフィル
ムの平滑化方法において、前記巻芯の外径の凹凸の精度
が0.5 mm以下であること特徴とするポリオレフィンフィ
ルムの平滑化方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリオレフィン
フィルムの平滑化方法において、原反繰り出しと巻き取
りとの間に中間ロールを設け、前記中間ロールの外径が
前記原反繰り出し外径以上であることを特徴とするポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載のポリオレフィン
フィルムの平滑化方法において、原反繰り出しと巻き取
りとの間に中間ロールを設け、前記中間ロールの外径が
前記巻芯の外径以下であることを特徴とするポリオレフ
ィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法において、原反繰り出
しと巻き取りの間に、前記ポリオレフィンフィルムに対
して40℃〜ポリオレフィンの融点−10℃の温度で1g/mm
2 〜1000g/mm2 の引張荷重を加え、歪みを除去すること
を特徴とするポリオレフィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法において、原反繰り出
しと巻き取りの間に、前記ポリオレフィンフィルムに対
して、50℃〜ポリオレフィンの融点−20℃の温度で5〜
750g/mm2 の引張り荷重を加えることを特徴とするポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法において、前記ポリオ
レフィンフィルムは、少なくとも一軸方向に延伸したも
ので厚さが1〜500 μmであることを特徴とするポリオ
レフィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法において、前記ポリオ
レフィンフィルムは、少なくとも一軸方向に延伸したも
ので厚さが5 〜100 μmであることを特徴とするポリオ
レフィンフィルムの平滑化方法。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のポリ
オレフィンフィルムの平滑化方法において、前記ポリオ
レフィンフィルムが、ポリオレフィン微多孔膜であるこ
とを特徴とするポリオレフィンフィルムの平滑化方法。
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JP19354494A JP3597224B2 (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | ポリオレフィンフィルムの平滑化方法 |
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