JPH0837837A - 乗用型田植機 - Google Patents

乗用型田植機

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JPH0837837A
JPH0837837A JP12815795A JP12815795A JPH0837837A JP H0837837 A JPH0837837 A JP H0837837A JP 12815795 A JP12815795 A JP 12815795A JP 12815795 A JP12815795 A JP 12815795A JP H0837837 A JPH0837837 A JP H0837837A
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seedling planting
seedling
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arm
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Mitsuo Shinoda
光夫 信田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗用型田植機において、苗植付装置のローリ
ング操作が小さなアクチュエータによって行えるよう
に、またローリング操作の停止時でも苗植付装置の左右
の振れを抑えることができるように構成する。 【構成】 リンク機構11と苗植付装置の固定部分とに
亘って、苗植付装置のローリング操作用のアクチュエー
タ12を架設し、左右方向に往復スライド駆動される苗
のせ台10側の部分と、リンク機構11側の部分とに亘
り左右各々スプリング14を架設する。苗のせ台10が
苗植付装置の左右中央の位置に在る場合において、左右
のスプリング14が引張り側に弾性変形状態となるよう
に組み付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中央の植付ミッションケ
ースより左右に延出された支持フレームに、植付アーム
を備えた伝動ケースを連結して成る苗植付装置を四連リ
ンク機構後部の前後軸芯周りにローリング自在に連結し
てある乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用型田植機においては前述のように苗
植付装置をローリング自在に連結しているが、近年では
例えば実開昭62‐7811号公報に開示されているように、
田面に対する苗植付装置の傾きを検出し、油圧アクチュ
エータによって苗植付装置が田面と平行となるように強
制的にローリング操作するような構造が提案されて来て
いる。この開示されている構造においては、四連リンク
機構に設けたセンサーにより田面に対する四連リンク機
構の傾きを検出すると共に、四連リンク機構に対する苗
植付装置の傾きを検出することによって、苗植付装置の
田面に対する傾きを検出するような構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多条植の乗用型田植機
では冒記したように中央の植付ミッションケースより左
右に支持フレームを延出し、この支持フレームに伝動ケ
ースを連結して枠組みを構成すると共に、この支持フレ
ーム及び伝動ケースに苗のせ台及びフロート等を取り付
けて苗植付装置が構成されて、中央の植付ミッションケ
ースが四連リンク機構にローリング自在に連結されてい
る。従って、植付ミッションケースより左右の部分が自
身の重量により上下にたわみ易い状態となっている為
に、開示されている構造のように植付ミッションケース
と四連リンク機構との連結点で四連リンク機構に対する
苗植付装置の傾きを検出しても、苗植付装置全体として
の傾きを検出しているとは言い難く、正確な傾き検出に
基づくローリング制御が行われているとは言えない状態
であった。ここで、本発明は前述のような状況に着目し
て成されたものであり、広幅の苗植付装置であっても正
確なローリング制御が行えるように構成することを目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は冒記した
ような乗用型田植機において、 独立に上下動自在な接地センサーを苗植付装置の左
右に取り付け、この左右の接地センサーと連動連結され
た一対のクランク軸を支持フレーム又は伝動ケースの支
持ブラケットにより、支持フレームに沿って回動自在に
支持して、苗植付装置略中央の傾き検出機構に接地セン
サーの上下動をクランク軸を介して伝達するように連係
すると共に、傾き検出機構からの検出結果に基づき苗植
付装置が田面と平行となるように苗植付装置を強制ロー
リング操作する油圧アクチュエータを備えてあることに
あり、又、 前項の構成に加えて、前記油圧アクチュエータに
作動油の給排操作を行う制御弁を苗植付装置側に取り付
け、前記傾き検出機構と制御弁とを機械的に連動連結し
てあることにあり、その作用及び効果は次のとおりであ
る。
【0005】
【作用】前項のように苗植付装置左右での上下動を検
出する接地センサー及び、この接地センサーの上下動を
伝達するクランク軸を伝動ケース又は支持フレーム等に
取り付けることにより、植付ミッションケースから左右
の部分が上下に変位したとしても前記接地センサー及び
クランク軸等の傾き検出系も同様に変位するので、苗植
付装置が変位した状態での傾きが直接に検出されること
になる。又、前項のように油圧アクチュエータに対す
る制御弁を苗植付装置側に取り付けることによって、苗
植付装置が前述のように変位しても制御弁の位置も同様
に変位するので、傾き検出機構と制御弁との距離が変わ
ることはなく、傾き検出機構と制御弁とを機械的に連係
させた場合でも、苗植付装置のたわみ現象に影響を受け
ることなく正確なローリング制御が行える。
【0006】
【発明の効果】以上のように、広幅の苗植付装置であっ
ても苗植付装置のたわみ現象に関係なく、田面に対する
苗植付装置の傾きを適確に検出できるようになり、苗植
付装置の正確なローリング制御が行えるようになった。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例である乗用型田植機に
ついて、図面に基づいて説明する。図1,図6,図7に
示すように、中央の植付ミッションケース1から左右に
延出された支持フレーム2に伝動ケース3が連結され、
この左右の伝動ケース3及び植付ミッションケース1か
ら延出される伝動ケース3の横軸芯P1周りに、各々2
組ずつ計6組の植付ケース4が回転駆動可能に軸支さ
れ、この植付ケース4の両端に2組の植付アーム5が支
持されている。
【0008】そして、植付ミッションケース1には1本
の横送り軸6が貫通配置され、この横送り軸6の両端に
支持部材7が連結されると共に、下方の第1ガイドレー
ル8及び上方の第2ガイドレール9により左右方向にス
ライド自在に支持された苗のせ台10の背面下部と前記
支持部材7とが連結されており、横送り軸6を軸芯方向
に往復横送り駆動することにより苗のせ台10を左右に
スライド駆動できるようにしている。
【0009】以上のようにして構成された苗植付装置
が、機体(図外)から延出された四連リンク機構11の
後端下部の前後軸芯P2周りにローリング自在に連結さ
れると共に、四連リンク機構11の後端上部に油圧アク
チュエータ12としての復動型の油圧シリンダが固定さ
れ、この油圧シリンダ12から左右に突出したピストン
ロッド12aと第2ガイドレール9とが融通用のスプリ
ング13を介して連結されており、油圧シリンダ12の
伸縮操作によって苗植付装置全体を前後軸芯P2周りに
ローリング操作できるのである。そして、四連リンク機
構11の後端上部と左右の支持部材7とに亘って一対の
スプリング14が架設されており、苗のせ台10が苗植
付装置の左右中央位置に在るとき両スプリング14が自
然長よりも長くなるように、つまり引張り側に弾性変形
状態となるように両スプリング14を組み付けているの
である。
【0010】次に、田面に対する苗植付装置の左右の傾
きを検出する構造について詳述すると、図1,図3,図
7に示すように伝動ケース3下面の支持軸15より後方
に延出された第1アーム15a端部の横軸芯P6周り
に、接地センサー16a,16bとしての接地フロート
が上下揺動自在に取り付けられている。これに対して、
支持フレーム2及び伝動ケース3の複数箇所から前方に
支持ブラケット17が延出されると共に、この支持ブラ
ケット17の軸芯P4周りに回動自在に一対のクランク
軸18,19が支持されている。
【0011】そして、クランク軸18,19の両外方端
側において支持ブラケット17より内側の部分に第1ク
ランクアーム18a,19aが設けられ、この第1クラ
ンクアーム18a,19aと接地フロート16a,16
bが連結されているのであるが、その構造について詳述
すると図2に示すように第1クランクアーム18a,1
9aの横軸芯P5周りに回動自在に支持されたボス部材
20に、接地フロート16a,16bに立設されたロッ
ド21が下方より挿入されると共に、ロッド21に固定
された座金22とボス部材20との間にスプリング23
が取り付けてある。そして、図2に示すような通常の状
態において座金22からボス部材20までの間隔、つま
りスプリング23の長さAがスプリング23の自然長よ
りも短く圧縮された状態となるように、ロッド21の上
端にストッパー30が取り付けられているのである。
【0012】これに対して、クランク軸18,19の両
対向側には図1,図3,図4,図5に示すように延出方
向が180°異なる第2クランクアーム18b,19b
が取り付けられると共に、両第2クランクアーム18
b,19bに亘り長穴24aを備えたアーム24が架設
されている。そして、支持ブラケット17より上方にス
テー25が延出され、油圧シリンダ12に作動油の給排
操作を行う制御弁26がステー25に支持されると共
に、制御弁26内のスプール(図示せず)とアーム24
の中央部とが伸縮調節自在なアジャストロッド27を介
して連結されているのである。
【0013】又、苗植付装置の中央下部に設けられたセ
ンターフロート28は昇降制御用であり、第1アーム1
5a後端の横軸芯P6周りに上下揺動自在に取付けられ
ている。そして、このセンターフロート28の上下動作
を検出し四連リンク機構11によって苗植付装置全体を
昇降制御して田面より一定高さに保つのである。そし
て、田面より苗植付装置をいくらの高さに維持すべきか
の調節は支持軸15をその横軸芯P3周りに回動操作し
て、センターフロート28及び接地フロート16a,1
6bの苗植付装置に対する位置を変更することによって
行う。
【0014】そして、図1,図3,図7に示すように支
持軸15に設けられた第2アーム15bと両クランク軸
18,19の第3クランクアーム18c,19cとに亘
りロッド29が架設されている。これにより、前述のよ
うに支持軸15を回動操作して接地フロート16a,1
6b及びセンターフロート28の後側を上下動操作した
場合、これに連動して両クランク軸18,19も回動操
作され、接地フロート16a,16bの前側も同様に上
下動操作されて、前記操作に関係なく接地フロート16
a,16bが田面に対して略平行状態を保つようにして
いる。又、このような操作を行っても後述する図5のよ
うに両クランク軸18,19が同方向に回動するだけ
で、苗植付装置の傾き検出に影響が及ぼされるものでは
ない。
【0015】次に、苗植付装置が田面に対し左右に傾い
た場合のアーム24の動きについて詳述する。図3及び
図4に示すように苗植付装置が進行方向に向って左側に
傾いて左側の接地フロート16aが上方に揺動すると、
この動きがスプリング23及び第1クランクアーム18
aを介してクランク軸18に伝達され、アーム24は第
2クランクアーム18bにより他方の第2クランクアー
ム19bとの連結点周りに下方に回動させられる。この
ようにアーム24が作動するとアーム24の中心がクラ
ンク軸18,19の回動軸芯である軸芯P4より下方に
変位して、この変位が苗植付装置の傾きとして検出され
制御弁26に伝達される。これにより、制御弁26から
油圧シリンダ12に対して作動油の給排操作が行われ
て、苗植付装置が田面に対し平行となるようにローリン
グ操作が行われるのである。そして、図4に示す状態で
アーム24の中心の下方への変位により制御弁26がス
トロークエンドに達してもなお、接地フロート16aが
上方に変位しようとすると、この動きが前記スプリング
23により吸収されるのである。
【0016】又、苗植付装置全体が下方に変位して左右
の接地フロート16a,16bが上方に変位した場合
は、図5に示すように両クランク軸18,19は同方向
に回動するのであるが、第2クランクアーム18b,1
9bの突出方向が正反対の方向に向いているのでアーム
24は前記軸芯P4周りに回動することになり、アーム
24の中心は軸芯P4より変位することはないのであ
る。
【0017】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置の平面図
【図2】接地フロートとクランク軸との連結構造を示す
側面図
【図3】苗植付装置の傾き検出系を示す全体斜視図
【図4】苗植付装置が進行方向に向って左側に傾いた状
態でのアーム及び制御弁付近の側面図
【図5】苗植付装置全体が下方に沈み込んだ状態でのア
ーム及び制御弁付近の側面図
【図6】苗植付装置の正面図
【図7】苗植付装置の側面図
【符号の説明】
1 植付ミッションケース 2 支持フレーム 3 伝動ケース 5 植付アーム 11 四連リンク機構 12 油圧アクチュエータ 16a,16b 接地センサー 17 支持ブラケット 18,19 クランク軸 26 制御弁 P2 四連リンク機構後部の前後軸芯
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 乗用型田植機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乗用型田植機において、
アクチュエータによる苗植付装置のローリング操作の構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用型田植機においては、例えば特開昭
61−149007号公報に開示されているように、リ
ンク機構の後端に苗植付装置をローリング自在に連結し
て、苗植付装置に設けた傾き検出機構の検出結果に基づ
き、苗植付装置を田面に沿うように、アクチュエータで
強制的にローリング操作するように構成しているものが
ある。これにより、耕盤の凹凸による機体の傾斜に伴う
苗植付装置の傾きや、田面自身の傾斜による苗植付装置
の傾き、苗植付装置における苗のせ台の左右の往復スラ
イド駆動や、苗のせ台の左右の植付条での苗の残量の差
による苗植付装置の傾きが防止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】乗用型田植機において
は、苗植付装置の全幅に亘る苗のせ台にマット状の苗が
載置された状態で、苗のせ台が左右に往復スライド駆動
されているので、この苗のせ台により苗植付装置の重心
が左右に大きく移動している。これにより、例えば苗の
せ台が右側にスライド駆動された際に、前述のような原
因(〔従来の技術〕参照)により苗植付装置が右側に傾
いたとすれば、この苗植付装置を田面に沿うようにする
ために、苗植付装置を左側にローリング操作(苗のせ台
が移動している右側を引き上げるような操作)するのに
は、大きな力が必要となる。従って、苗植付装置のロー
リング操作用として、大きな力を出す大型のアクチュエ
ータを装備しなければならないので、全体の小型化及び
生産コストの低減の面で改善の余地がある。本発明は乗
用型田植機において、苗のせ台の往復スライド駆動等の
影響を抑えながら、苗植付装置のローリング操作が楽に
行えるように構成することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな乗用型田植機において、次のように構成することに
ある。機体から延出されたリンク機構の後部の前後軸芯
周りに苗植付装置をローリング自在に連結して、リンク
機構と苗植付装置の固定部分とに亘り、苗植付装置のロ
ーリング操作用のアクチュエータを架設すると共に、左
右方向に往復スライド駆動される苗のせ台側の部分と、
リンク機構側の部分とに亘り左右各々スプリングを架設
し、苗のせ台が苗植付装置の左右中央の位置に在る場合
において、左右のスプリングが引張り側に弾性変形状態
となるように組み付けて、苗植付装置の左右の傾きを検
出する傾き検出機構からの検出結果に基づき、苗植付装
置が田面に沿うようにアクチュエータを操作する操作手
段を備えてある。
【0005】
【作用】 〔I〕苗植付装置の傾きとしては前述のように、苗のせ
台の往復スライド駆動による苗植付装置の傾きに加え
て、耕盤の凹凸による機体の傾斜に伴う苗植付装置の傾
きや、田面自身の傾斜による苗植付装置の傾き、苗のせ
台の左右の植付条での苗の残量の差による苗植付装置の
傾きが考えられる。
【0006】この場合、例えば苗のせ台が右側にスライ
ド駆動されていけば、苗植付装置の重心も右側に移動し
ていき苗植付装置が右側に傾こうとするので、本発明の
ように構成すると、苗のせ台の右側へのスライド駆動に
伴い右側のスプリングが引き伸ばされていき、右側のス
プリングの引張り力によって苗植付装置の右側への傾き
が修正されようとする。これにより、前述のような4種
類の苗植付装置の傾きのうち、苗のせ台の往復スライド
駆動による苗植付装置の傾きは、本発明のスプリングに
よりある程度修正することができる。
【0007】〔II〕本発明のスプリングを備えると前
項〔I〕に記載のように、苗植付装置を傾けようとする
力の総和のうち、苗のせ台の往復スライド駆動による分
の力は、右側及び左側のスプリングによって補われてい
るので、残りの力に対してアクチュエータを作用させれ
ばよいことになる。従って、苗植付装置をローリング操
作する前述のアクチュエータは小さなものでもよくなる
のであり、このアクチュエータによる苗植付装置のロー
リング操作も精度良く行われるようになる。
【0008】〔III〕例えば路上走行時等のように、
アクチュエータによる苗植付装置のローリング操作を停
止した場合、左右のスプリングにより苗植付装置が左右
中央の位置側に付勢されることになる。これにより、ア
クチュエータによる苗植付装置のローリング操作を停止
しての路上走行時等において、機体の振動により苗植付
装置が左右に振れるようなことが少なくなる。
【0009】
【発明の効果】以上のように苗植付装置をローリング自
在に連結した乗用型田植機において、スプリングを効果
的に架設することにより、小さなアクチュエータで苗植
付装置のローリング操作が精度良く行えるようになっ
て、苗植付装置のローリング操作の構造の小型化及び生
産コストの低減を図ることができた。スプリングに初期
弾性変形を与えておくことにより、アクチュエータによ
る苗植付装置のローリング操作を停止しても苗植付装置
の左右の振れが少なくなるので、苗植付装置を安定させ
た状態で路上走行等が行えるようになって、乗用型田植
機の走行性能を向上させることができた。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例の乗用型田植機につい
て、図面に基づいて説明する。図1,6,7に示すよう
に、中央の植付ミッションケース1から左右に延出され
た支持フレーム2に伝動ケース3が連結されて、左右の
伝動ケース3及び植付ミッションケース1から延出され
る伝動ケース3の横軸芯P1周りに、各々2組ずつ計6
組の植付ケース4が回転駆動可能に軸支されており、植
付ケース4の両端に2組の植付アーム5が支持されてい
る。
【0011】植付ミッションケース1に1本の横送り軸
6が貫通配置され、横送り軸6の両端に支持部材7が連
結されて、下方の第1ガイドレール8及び上方の第2ガ
イドレール9により、左右方向にスライド自在に支持さ
れた苗のせ台10の背面下部と支持部材7とが連結され
ており、横送り軸6を軸芯方向に往復横送り駆動するこ
とによって、苗のせ台10を左右に往復スライド駆動す
る。
【0012】以上のようにして構成された苗植付装置
が、機体(図外)から延出されたリンク機構11の後端
下部の前後軸芯P2周りにローリング自在に連結され、
リンク機構11の後端上部に復動型の油圧シリンダ12
(アクチュエータに相当)が固定されて、油圧シリンダ
12から左右に突出したピストンロッド12aと第2ガ
イドレール9とが融通用のスプリング13を介して連結
されており、油圧シリンダ12の伸縮操作によって苗植
付装置全体を前後軸芯P2周りにローリング操作する。
リンク機構11の後端と左右の支持部材7とに亘って一
対のスプリング14が架設されており、苗のせ台10が
苗植付装置の左右中央位置に在るときに、両スプリング
14が自然長よりも長くなるように、つまり引張り側に
弾性変形状態となるように両スプリング14を組み付け
ている。
【0013】苗植付装置の傾きとしては、苗のせ台10
の往復スライド駆動による苗植付装置の傾きに加えて、
耕盤の凹凸による機体の傾斜に伴う苗植付装置の傾き
や、田面自身の傾斜による苗植付装置の傾き、苗のせ台
10の左右の植付条での苗の残量の差による苗植付装置
の傾きが考えられる。この場合、苗のせ台10の空での
重量(苗を全く載せていない状態)は、事前に計量して
認識することができるので、空の苗のせ台10(苗を全
く載せていない状態)が往復スライド駆動の右及び左の
端部に達した場合、苗植付装置の右側及び左側への傾き
を、苗のせ台10によって引き伸ばされた右側又は左側
のスプリング14のみにより修正できるように、この右
側及び左側のスプリング14の引張り力を設定すること
が可能となる。従って、苗のせ台10の往復スライド駆
動のみによる苗植付装置の傾きは、右側及び左側のスプ
リング14によって修正することが可能となる。
【0014】次に、苗植付装置の左右の傾きを検出する
構造について説明する。図1,3,7に示すように、伝
動ケース3の下面の支持軸15より後方に延出された第
1アーム15aの横軸芯P6周りに、接地フロート16
a,16bが上下揺動自在に取り付けられている。支持
フレーム2及び伝動ケース3の複数箇所から前方に支持
ブラケット17が延出され、支持ブラケット17の軸芯
P4周りに回動自在に一対のクランク軸18,19が支
持されている。
【0015】クランク軸18,19の両外方端側におい
て、支持ブラケット17より内側の部分に第1クランク
アーム18a,19aが設けられ、第1クランクアーム
18a,19aと接地フロート16a,16bが図2に
示すように連結されている。第1クランクアーム18
a,19aの横軸芯P5周りに回動自在に支持されたボ
ス部材20に、接地フロート16a,16bに立設され
たロッド21が下方より挿入され、ロッド21に固定さ
れた座金22とボス部材20との間にスプリング23が
取り付けてある。図2に示すような通常の状態におい
て、座金22からボス部材20までの間隔、つまりスプ
リング23の長さAがスプリング23の自然長よりも短
く圧縮された状態となるように、ロッド21の上端にス
トッパー30が取り付けられている。
【0016】クランク軸18,19の両対向側には図
1,3,4,5に示すように、延出方向が180°異な
る第2クランクアーム18b,19bが取り付けられ、
両第2クランクアーム18b,19bに亘り、長穴24
aを備えたアーム24が架設されている。支持ブラケッ
ト17より上方にステー25が延出され、油圧シリンダ
12に作動油の給排操作を行う制御弁26がステー25
に支持されており、制御弁26内のスプール(図示せ
ず)とアーム24の中央部とが、伸縮調節自在なアジャ
ストロッド27を介して連結されている。
【0017】苗植付装置の中央下部に設けられたセンタ
ーフロート28は、昇降制御用であり、第1アーム15
aの後端の横軸芯P6周りに上下揺動自在に取付けられ
ている。これにより、センターフロート28の上下動作
を検出し、リンク機構11によって苗植付装置全体を昇
降制御して田面より一定高さに保つのである。田面より
苗植付装置をいくらの高さに維持すべきかの調節は、支
持軸15をその横軸芯P3周りに回動操作して、センタ
ーフロート28及び接地フロート16a,16bの苗植
付装置に対する位置を変更することによって行う。
【0018】図1,3,7に示すように、支持軸15に
設けられた第2アーム15bと両クランク軸18,19
の第3クランクアーム18c,19cとに亘り、ロッド
29が架設されている。これにより、前述のように支持
軸15を回動操作して接地フロート16a,16b及び
センターフロート28の後側を上下動操作した場合、こ
れに連動して両クランク軸18,19も回動操作され、
接地フロート16a,16bの前側も同様に上下動操作
されて、前述の操作に関係なく接地フロート16a,1
6bが田面に対して略平行状態を保つようにしている。
このような操作を行っても、後述する図5に示すように
両クランク軸18,19が同方向に回動するだけで、苗
植付装置の傾きの検出に影響が及ぼされるものではな
い。
【0019】次に苗植付装置が左右に傾いた場合のアー
ム24の動きについて説明する。図3及び図4に示すよ
うに、苗植付装置が進行方向に向って左側に傾いて左側
の接地フロート16aが上方に揺動すると、この動きが
スプリング23及び第1クランクアーム18aを介して
クランク軸18に伝達され、アーム24は第2クランク
アーム18bにより他方の第2クランクアーム19bと
の連結点周りに下方に回動させられる。このようにアー
ム24が作動するとアーム24の中心がクランク軸1
8,19の回動軸芯である軸芯P4より下方に変位し
て、この変位が苗植付装置の傾きとして検出され制御弁
26に伝達される。これにより、制御弁26から油圧シ
リンダ12に対して作動油の給排操作が行われて、苗植
付装置が田面に沿うように苗植付装置のローリング操作
が行われる。図4に示す状態において、アーム24の中
心の下方への変位により制御弁26がストロークエンド
に達してもなお、接地フロート16aが上方に変位しよ
うとすると、この動きがスプリング23により吸収され
る。
【0020】苗植付装置の全体が下方に変位して左右の
接地フロート16a,16bが上方に変位した場合は、
図5に示すように両クランク軸18,19は同方向に回
動するのであるが、第2クランクアーム18b,19b
の突出方向が正反対の方向に向いているのでアーム24
は軸芯P4周りに回動することになり、アーム24の中
心は軸芯P4より変位することはない。
【0021】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置の平面図
【図2】接地フロートとクランク軸との連結構造を示す
側面図
【図3】苗植付装置の傾き検出系を示す全体斜視図
【図4】苗植付装置が進行方向に向って左側に傾いた状
態のアーム及び制御弁付近の側面図
【図5】苗植付装置の全体が下方に沈み込んだ状態のア
ーム及び制御弁付近の側面図
【図6】苗植付装置の正面図
【図7】苗植付装置の側面図
【符号の説明】 10 苗のせ台 11 リンク機構 12 アクチュエータ 14 スプリング P2 前後軸芯

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体から延出されたリンク機構(11)
    の後部の前後軸芯(P2)周りに苗植付装置をローリン
    グ自在に連結して、前記リンク機構(11)と苗植付装
    置の固定部分とに亘り、前記苗植付装置のローリング操
    作用のアクチュエータ(12)を架設すると共に、 左右方向に往復スライド駆動される苗のせ台(10)側
    の部分と、前記リンク機構(11)側の部分とに亘り左
    右各々スプリング(14)を架設し、前記苗のせ台(1
    0)が苗植付装置の左右中央の位置に在る場合におい
    て、左右の前記スプリング(14)が引張り側に弾性変
    形状態となるように組み付けてある乗用型田植機。
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