JPH083454A - 合成樹脂組成物 - Google Patents

合成樹脂組成物

Info

Publication number
JPH083454A
JPH083454A JP13410194A JP13410194A JPH083454A JP H083454 A JPH083454 A JP H083454A JP 13410194 A JP13410194 A JP 13410194A JP 13410194 A JP13410194 A JP 13410194A JP H083454 A JPH083454 A JP H083454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
silicone
polyester
silicone oil
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP13410194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2915792B2 (ja
Inventor
Ichirou Ono
猪智郎 小野
Shinji Miyadai
進二 宮台
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP13410194A priority Critical patent/JP2915792B2/ja
Publication of JPH083454A publication Critical patent/JPH083454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2915792B2 publication Critical patent/JP2915792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は耐熱性、耐寒性、難燃性、成形性、
離型性、耐衝撃性、摺動性が優れており、シリコーンオ
イルのブリードアウトによる経時変化のない合成樹脂組
成物の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明の合成樹脂組成物は、合成樹脂 100重
量部にシリコーンオイル0.1〜50重量部とシリコーング
ラフトポリエステル 0.1〜20重量部を添加してなること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂組成物、特には
耐熱性、耐寒性、難燃性、離型性、耐衝撃性、摺動性な
どが優れており、シリコーンオイルのブリードアウトに
よる特性の経時変化のない樹脂成形品を与える合成樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂組成物は例えば電気・電子機器
部品、機械部品、自動車部品、日用品、食品包装品など
の各種成形材料として各分野に広く使用されている。し
かして、この合成樹脂組成物についてはその用途によっ
て種々な特性が要求されるが、特に耐熱性、耐寒性、難
燃性、成形性、離型性、耐衝撃性、摺動性などが求めら
れるものについてはジメチルシリコーンオイルを添加す
ることが試みられており、ある程度の効果が上げられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このジメチル
シリコーンオイルは合成樹脂との相溶性が乏しいため
に、合成樹脂中にこれを安定に存在させることが困難で
あり、これは経時で徐々にブリードアウトするためその
特性が劣化する場合が多い。そのため、これについては
このジメチルシリコーンオイルを、アミノ基、カルボキ
シ基、エポキシ基などの反応性基を有する反応性シリコ
ーンオイルに代えるという方法もあるが、この場合には
合成樹脂とこの反応性基とが互いに反応する組合せの時
にはブリードアウト現象を防ぐことができるが、それ以
外の組合せではジメチルシリコーンオイルと同様な結果
となってしまう。
【0004】そのため、これについてはブリードアウト
現象を起さないシリコーンとして、室温で固体状のポリ
ラクトン−シリコーン共重合体を使用する方法が提案さ
れている(特開昭61-37843号、特開昭 63-187772号、特
開平2-272021号、特開平4-100845号各公報参照)が、こ
れらは高価なラクトン−シリコーン共重合体のみで合成
樹脂の特性を向上させようとするものであることから、
これを使用した合成樹脂が高価なものとなるために用途
が限定されてしまうという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点を解決した合成樹脂組成物に関するものであ
り、これは合成樹脂 100重量部に対してシリコーンオイ
ル 0.1〜50重量部と、幹ポリマーが多価カルボン酸およ
び/またはその誘導体と多価アルコールとの縮重合によ
り得られるポリエステルで形成され、枝ポリマーがメチ
ルポリシロキサンであるシリコーングラフトポリエステ
ル 0.1〜20重量部を添加してなることを特徴とするもの
である。
【0006】すなわち、本発明者らは耐熱性、耐寒性、
難燃性、成形性、離型性、耐衝撃性、摺動性などが優れ
ており、シリコーンオイルのブリードアウトによる経時
変化のない合成樹脂組成物を開発すべく種々検討した結
果、これについては合成樹脂にこれらの物性を与えるた
めに公知の方法にしたがってシリコーンオイルを添加す
ると共に、このシリコーンオイルのブリードアウトによ
る経時変化を防止するために、これに幹ポリマーが多価
カルボン酸および/またはその誘導体と多価アルコール
との縮重合により得られたポリエステルで形成され、枝
ポリマーがメチルポリシロキサンであるシリコーングラ
フトポリエステルを添加したところ、このシリコーンオ
イルのブリードアウトが防止され、したがってこのもの
の経時変化を防止することができることを見出し、これ
らのシリコーンオイル、シリコーングラフトポリエステ
ルの種類、添加量などについての研究を進めて本発明を
完成させた。以下にこれをさらに詳述する。
【0007】
【作用】本発明は合成樹脂組成物に関するものであり、
これは前記したように合成樹脂100重量部に対してシリ
コーンオイル 0.1〜50重量部とシリコーングラフトポリ
エステル 0.1〜20重量部を添加してなることを特徴とす
るものであるが、この組成物にはこれが耐熱性、耐寒
性、難燃性、成形性、離型性、耐衝撃性、摺動性の優れ
たものとなり、シリコーンオイルのブリードアウトによ
る経時変化もないものになるという有利性が与えられ
る。
【0008】本発明は合成樹脂組成物に関するものであ
り、これは合成樹脂にシリコーンオイルとシリコーング
ラフトポリエステルを添加したものとされる。この合成
樹脂は特に限定されるものではなく、これは公知の合成
樹脂とすればよいが、これにはポリエステル樹脂、塩化
ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルア
ルコール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などの熱可塑性樹脂、
フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂が例
示される。
【0009】この合成樹脂にはこれを耐熱性、耐寒性、
難燃性、成形性、離型性、耐衝撃性、摺動性の優れたも
のとすることから、シリコーンオイルが添加されるので
あるが、このシリコーンオイルは公知のものから任意に
選ぶことができ、これにはジメチルシリコーンオイルが
最も一般的なものとされるが、これはそのメチル基の一
部を水素原子、フェニル基、炭素数2以上のアルキル
基、水酸基、アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、フ
ェニルアルキル基、アミノ基含有基、エポキシ基含有
基、カルボキシル基含有基、(メタ)アクリル基含有
基、メルカプト基含有基、カルビノール基含有基、ポリ
エーテル基などで置換した変性シリコーンオイルとして
もよい。
【0010】このシリコーンオイルはこれが合成樹脂に
添加されるものであることから25℃における粘度が5〜
100,000,000cS のもの、好ましくは50〜100,000cS のも
のとすればよく、この添加量は合成樹脂 100重量部に対
し 0.1重量部未満では少量にすぎてこの物性向上が不充
分となり、50重量部より多くすると、合成樹脂の強度が
低下するので、 0.1〜50重量部の範囲とすることが必要
とされるが、これは好ましくは 0.5〜30重量部とされ
る。
【0011】この合成樹脂に添加されるシリコーングラ
フトポリエステルは幹ポリマーが多価カルボン酸および
/またはその誘導体と多価アルコールとの縮重合により
得られたポリエステルで形成され、枝ポリマーがメチル
シロキサンからなるものとされる。ここで使用される多
価カルボン酸又はその誘導体としては、マレイン酸、フ
マル酸、シトラコン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のジカ
ルボン酸;無水マレイン酸、無水フタル酸等のジカルボ
ン酸無水物;マレイン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチ
ル、ナフタレンジカルボン酸ジメチル、アジピン酸ジメ
チル等のジカルボン酸の低級アルキルエステル;テレフ
タル酸クロライド、アジピン酸クロライド等のジカルボ
ン酸クロライドなどが例示されるが、これはさらにゲル
状物を生成しない程度の1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、それ
らの無水物、又はそれらの低級ア6ルキルエステル等を
少量使用しても良い。
【0012】また、ここに使用される多価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、2,2,4−トリメチルペンタン
−1,3−ジオール、水素化ビスフェノールA、2,2
−ジ(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ジ(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロ
パン等のジオール化合物が好ましいものとして例示され
るが、これには、ゲル状物を生成しない程度のグリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール等のトリオール化合物又はテトラ
オール化合物を少量使用しても良い。
【0013】この幹ポリマーを形成するポリエステル
は、上記の多価アルコールと多価カルボン酸および/ま
たはその誘導体とを、不活性ガス雰囲気下、 150〜 280
℃で、必要に応じて減圧下で縮重合する、通常のポリエ
ステルの製造方法により製造することができるが、この
ポリエステルの製造に際しては、エステル化反応を促進
させる触媒として、テトラブチルジルコネート、ジルコ
ニウムナフテネート、テトラブチルチタネート、テトラ
オクチルチタネート、テトラフェニル錫、ジブチル錫ジ
クロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキ
シド、酢酸亜鉛、酢酸カルシウム、酸化アンチモン、し
ゅう酸第一錫等の、通常使用されている触媒を使用する
ことができる。
【0014】このようにして得られる、本発明における
幹ポリマーを形成するポリエステルは、GPCにおける
ポリスチレン換算の重量平均分子量が 2,000未満では軟
化点が低くなりすぎ、 100,000を超えると合成樹脂との
相溶性が低下するので、重量平均分子量が 2,000〜 10
0,000の範囲にあることが好ましい。
【0015】つぎに、本発明における枝ポリマーを形成
するメチルポリシロキサンはGPCにおけるポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が 200未満では本発明の合成樹
脂組成物中でのシリコーンオイルのブリードアウト防止
効果が小さくなり、10,000を超えると合成樹脂との相溶
性が低下するので、これは 200〜10,000の範囲にあるも
のが好ましい。
【0016】本発明のシリコーングラフトポリエステル
を製造する方法としては、以下の2つの方法が代表的な
方法として挙げられる。第一の方法は、側鎖に水酸基を
有するポリエステルポリオールにイソシアネート基含有
オルガノポリシロキサンを反応させる方法(特開平 4-3
6325号公報参照)であり、このイソシアネート基含有オ
ルガノポリシロキサンとしては下記のものが例示され
る。
【化1】 (式中R1 は2価の有機基であり、L は0〜50の自然
数、mは2〜3の整数、nは1〜 130の整数を示す。)
【化2】 (式中、R2 、R3 およびR4 はメチル基又は−OSi
(CH3)3 であり、kは1〜10の整数、aは0〜2の自
然数を示す。)
【化3】 (式中、bは0〜2の自然数、jは0〜 130の自然数を
示す。)
【0017】このポリエステルポリオールとイソシアネ
ート基含有オルガノポリシロキサンとの反応はポリエス
テルポリオールが常温で固体であることおよびポリエス
テルポリオールとイソシアネート基含有オルガノポリシ
ロキサンが反応前に相溶しないことなどの観点から、反
応系を均一にするために溶媒を使用することが好まし
い。この溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、アセトン、M
EK、MIBK、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが
挙げられ、これらの溶媒を単独若しくは2種以上混合し
て使用することができる。
【0018】また、この反応には、必要に応じてジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、錫ジオク
テート等の有機錫化合物;トリエチルアミン、N−エチ
ルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−
1,3−ブタンジアミン、1,4−ジアザビシクロ
(2,2,2)オクタン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等の3級アミン化合物等
の通常のポリウレタン製造用触媒を、単独若しくは2種
以上混合して使用することができる。この触媒は、短時
間で反応を完結させる上から、イソシアネート基含有オ
ルガノポリシロキサンに対して0.01〜5重量%、特に0.
05〜2重量%の範囲で添加することが好ましい。反応温
度は50〜 100℃で、反応時間は1〜20時間で十分であ
る。
【0019】第二の方法は、多価アルコールと多価カル
ボン酸および/またはその誘導体とを縮重合させる際
に、片末端に2個のエステル結合を形成することが可能
な官能基を有するオルガノポリシロキサンを使用して共
縮重合させる方法であるが、このオルガノポリシロキサ
ンとしては下記
【化4】 (式中、Xはエステル結合を2個形成することが可能な
官能基を有する一価の有機基、nは1〜 130の整数を示
す。)
【化5】 (式中、a、R2 、R3 およびR4 は前記と同様であ
る。)が例示される。
【0020】なお、このXは、2個のエステル結合を形
成することが可能な官能基を含有する一価の有機基であ
る限り特に制限されるものではないが、特にはジヒドロ
キシ基、ジカルボキシ基、カルボン酸無水物、エポキシ
基等が好適な官能基として挙げられ、これには下記
【化6】 で示されるものが例示される。
【0021】上記のようにして作られたシリコーングラ
フトポリエステルにおける幹ポリマーを形成するポリエ
ステル成分と枝ポリマーを形成するメチルポリシロキサ
ン成分との比率は、ポリエステル成分の比率が97%を超
えるとシリコーンオイルとの相溶性が低下してブリード
アウト防止効果が十分でなくなり、これが10%未満にな
ると合成樹脂との相溶性が低下すると共に、シリコーン
グラフトポリエステルの軟化点も低下してシリコーンオ
イルのブリードアウト防止効果が不十分となるので、こ
れは97/3〜10/90 の範囲とすることがよく、特には 90/
10〜20/80 の範囲とすることが好ましい。
【0022】本発明の合成樹脂に対するシリコーングラ
フトポリエステルの添加量は、これが合成樹脂 100重量
部に対して 0.1重量部未満ではシリコーンオイルのブリ
ードアウト防止効果が不充分となり、20重量部より多く
してもそれ以上の性能向上は期待できないので、 0.1〜
20重量部の範囲とすればよいが、これは好ましくは 0.5
〜10重量部の範囲とすればよい。なお、このシリコーン
グラフトポリエステルについてはこれが軟化点40℃未
満、特に室温以下のものはシリコーンオイルのブリード
アウト防止効果が少なくなるので、軟化点が40℃以上の
ものとすることが必要とされる。
【0023】本発明の合成樹脂組成物は上記した合成樹
脂に前記したシリコーンオイルとシリコーングラフトポ
リエステルの所定量をドライブレンド、押出し混合、溶
融混合などで混合することによって得ることができ、こ
のようにして得られた合成樹脂組成物は射出成形、押出
し成形、真空成形などで所定の成形品とすることができ
るが、この組成物に必要に応じてガラス繊維、カーボ
ン、アルミナ、タルクなどの補強剤や高級脂肪酸、高級
脂肪酸アミド、パラフィンワックス、カルナバワック
ス、ポリエチレンワックスなどの滑剤、可塑剤、帯電防
止剤、UV吸収剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色
剤などを添加することは任意とされる。
【0024】
【実施例】つぎに本発明で使用されるシリコーングラフ
トポリエステルを製造するためのポリエステルポリオー
ルの合成例、シリコーングラフトポリエステルの合成
例、および実施例、比較例をあげるが、例中の部は重量
部を、粘度は25℃での測定値を示したものであり、例中
のアイゾット衝撃強さ、動摩擦係数は下記による試験結
果を示したものである。 (アイゾット衝撃強さ)ASTM D256に準じて、
試験片寸法 6.3×12.7×3.2mm 、温度23℃でアイゾット
衝撃試験装置(東洋精機社製)を用いて試験する。 (摩擦試験)JIS K7204に準じて、試験片寸法50×
80×1.2mm 平板に切り出したものを、相手材料S45C
(約 0.8μmRa)、荷重15.3kgf/cm2 、周速50cm/
秒、測定時間 100分で測定する。
【0025】(ポリエステルポリオールの合成例)撹拌
装置、温度計、コンデンサー、エステルアダプターおよ
び減圧装置を備えた容量1リットルのガラス製フラスコ
に、テレフタル酸ジメチル196.6g、無水フタル酸 37.5
g、2,2−ジ(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)
プロパン285.5g、エチレングリコール157.1g、グリセリ
ン 23.3gおよびテトラブチルチタネート 0.33gを投入
し、窒素通気下でマントルヒーターを用いて 160〜 170
℃で6時間脱メタノール反応を行った。この際、エステ
ルアダプターで留去したメタノールは、61.3g であっ
た。ついで、1時間かけて 220℃まで昇温した後、 220
〜 240℃で20mmHgの減圧下に3時間脱エチレングリコー
ル反応を行った。留去したエチレングリコールは120.4g
であった。反応が終了した後、得られたポリマーを室温
に冷却したところ、淡褐色で透明な固体のポリエステル
ポリオール471.4gが得られた。得られたポリエステルポ
リオールのGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均
分子量は10,260、環球法による軟化点は 122℃であり、
DSC(示差熱分析装置)によって求めたガラス転移点
は67℃であった。また、水酸基価(JIS K0070)は
38.6mgKOH/gであった。
【0026】シリコーングラフトポリエステルの合成例
1 撹拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた容量1リ
ットルのガラス製フラスコに、前記合成例で得られたポ
リエステルポリオール150gおよびトルエン300gを投入
し、60℃で溶解した。ついで、ジブチル錫ジラウレート
0.17gおよび下記式
【化7】 で示されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサ
ン 17.8gを添加し、窒素通気下、70℃で5時間反応を行
った。ここで得られた反応液のIRスペクトル分析を行
ったところ、反応前に観察されたNCOに起因する 2,2
60cm-1の吸収が消失し、メチルポリシロキサンを表す80
0cm-1、 1,020cm-1、 1,094cm-1および 1,260cm-1の吸
収が観察されたことから、反応によって得られた物質
は、オルガノポリシロキサンがグラフトされたポリエス
テルであるということが確認された。つぎに、反応液か
ら溶媒であるトルエンをストリッピングして除去したと
ころ、淡褐色で半透明な固体のシリコーングラフトポリ
エステル1の 151.2g を得た。得られたシリコーングラ
フトポリエステルの、GPCにおけるポリスチレン換算
の重量平均分子量は11,500であり、環球法による軟化点
は97℃、DSCによるガラス転移点は51℃であった。
【0027】シリコーングラフトポリエステルの合成例
2 撹拌装置、温度計、コンデンサー、エステルアダプター
および減圧装置を備えた容量1リットルのガラス製フラ
スコに、テレフタル酸ジメチル155.2g、無水フタル酸 2
9.6g、2,2−ジ(4−ヒドロキシプロポキシフェニ
ル)プロパン210.0g、エチレングリコール124.0g、下記
【化8】 で示されるエポキシ基含有オルガノポリシロキサン 37.
0g、およびテトラブチルチタネート 0.26gを投入し、窒
素通気下でマントルヒーターを用いて、 160〜 170℃で
6時間脱メタノール反応を行った。この際、エステルア
ダプターで留去したメタノールは 51.1gであった。つい
で、1時間かけて 220℃まで昇温した後、 220〜 240℃
で20mmHgの減圧下に3時間脱エチレングリコール反応を
行った。留去したエチレングリコールは 85.3gであっ
た。反応が終了した後、得られたポリマーを室温に冷却
し、淡褐色透明な固体326.7gを得た。この固体のIRス
ペクトル分析を行ったところ、メチルポリシロキサンが
グラフトされたポリエステルであることが確認された。
得られたシリコーングラフトポリエステル2のGPCに
おけるポリエチレン換算の重量平均分子量は14,300であ
り、環球法による軟化点は 118℃、DSCによって求め
たガラス転移点は63℃であった。
【0028】実施例1〜3 ポリプロピレン樹脂 100部に、表1に示したように粘度
が10,000cSまたは 1,000cSのシリコーンオイル・KF−
96HまたはKF−96[信越化学工業(株)製商品名]と
合成例1、2で得られたシリコーングラフトポリエステ
ル1または2を表1に示した量で添加し、 170℃の条件
で溶融混練して合成樹脂組成物を調製し、これを射出成
形機を用いて 100mm× 250mm×1mmのプレートに成形し
試験片を作成した。ついで、この成形直後の試験片およ
び40℃で7日間放置後の試験片をポリプロピレン板上に
載置し、これに 200gfの荷重を加え、5mm/分の引張り
速度で引張り、オートグラフを使用してその静摩擦係数
を測定したところ、その外観、静摩擦係数について後記
する表2に示したとおりの結果が得られた。
【0029】比較例1〜2 比較のために、シリコーンオイルおよびシリコーングラ
フトポリエステルを全く添加しないポリプロピレン樹脂
(比較例1)、およびポリプロピレン樹脂 100部に粘度
が10,000cSのシリコーンオイル・KF−96H(前出)を
2部添加したが、シリコーングラフトポリエステルは添
加しない組成物(比較例2)について実施例1と同様の
試験を行なったところ、その外観および静摩擦係数につ
いてつぎの表2に示したとおりの結果が得られた。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】実施例4〜5 ポリエチレンテレフタレート樹脂・TR−4550BHK
[帝人(株)製商品名]100部に、表3に示したように
粘度が10,000cSであるシリコーンオイル・KF−96H
(前出)5部と合成例1、2で得られたシリコーングラ
フトポリエステル1、2の各1部、ガラス繊維40部、タ
ルク3部を添加し、 250℃で溶融混練して樹脂組成物を
調製し、これを射出成形機を用いて63mm×12.7mm×3.2m
m のバーを作成して試験片を作成し、この得られた直後
の試験片および40℃で7日間放置後の試験片についてア
イゾット衝撃試験および摩擦試験を行なったところ、後
記する表4に示すとおりの結果が得られた。
【0032】比較例3〜4 比較のために表3に示したようにシリコーンオイルとシ
リコーングラフトポリエステルを全く添加しないがガラ
ス繊維40部とタルク3部を添加したポリエチレンテレフ
タレート樹脂(比較例3)、およびポリエチレンテレフ
タレート樹脂 100部に粘度が10,000cSのシリコーンオイ
ル・KF−96H(前出)5部とガラス繊維40部、タルク
3部は添加したが、シリコーングラフトポリエステルを
添加しない組成物(比較例4)について、実施例3と同
様の試験を行なったところ、アイゾット衝撃強さ、動摩
擦係数についてつぎの表4に示したとおりの結果が得ら
れた。
【0033】
【表3】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明の合成樹脂組成物は合成樹脂 100
重量部にシリコーンオイル 0.1〜50重量部とシリコーン
グラフトポリエステル 0.1〜20重量部を添加してなるこ
とを特徴とするものであり、このものには耐熱性、耐寒
性、難燃性、成形性、離型性、耐衝撃性、摺動性が優れ
ており、シリコーンオイルのブリードアウトによる経時
変化もないという有利性が与えられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂 100重量部にシリコーンオイル
    0.1〜50重量部と、幹ポリマーが多価カルボン酸および
    /またはその誘導体と多価アルコールとの縮重合により
    得られるポリエステルで形成され、枝ポリマーがメチル
    ポリシロキサンであるシリコーングラフトポリエステル
    0.1〜20重量部を添加してなることを特徴とする合成樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーングラフトポリエステルが軟化
    点40℃以上のものである請求項1に記載した合成樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンオイルがジメチルシリコーン
    オイルである請求項1に記載した合成樹脂組成物。
JP13410194A 1994-06-16 1994-06-16 合成樹脂組成物 Expired - Fee Related JP2915792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13410194A JP2915792B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 合成樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13410194A JP2915792B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 合成樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH083454A true JPH083454A (ja) 1996-01-09
JP2915792B2 JP2915792B2 (ja) 1999-07-05

Family

ID=15120476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13410194A Expired - Fee Related JP2915792B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 合成樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2915792B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11279421A (ja) * 1998-01-27 1999-10-12 Oiles Ind Co Ltd 樹脂組成物
WO2016175076A1 (ja) * 2015-04-28 2016-11-03 住友電気工業株式会社 ノンハロゲン難燃樹脂組成物及び絶縁電線

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11279421A (ja) * 1998-01-27 1999-10-12 Oiles Ind Co Ltd 樹脂組成物
WO2016175076A1 (ja) * 2015-04-28 2016-11-03 住友電気工業株式会社 ノンハロゲン難燃樹脂組成物及び絶縁電線
CN106414593A (zh) * 2015-04-28 2017-02-15 住友电气工业株式会社 非卤素阻燃树脂组合物及绝缘电线
JPWO2016175076A1 (ja) * 2015-04-28 2017-05-18 住友電気工業株式会社 ノンハロゲン難燃樹脂組成物及び絶縁電線

Also Published As

Publication number Publication date
JP2915792B2 (ja) 1999-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1942145B1 (en) Functional filler and resin composition containing same
JP5793616B2 (ja) ラクチド共重合体、その製造方法およびそれを含む樹脂組成物
JPH0115532B2 (ja)
CN103732684B (zh) 耐水解和生物可降解脂肪族/芳香族共聚酯树脂组合物
KR101604113B1 (ko) 생분해성 수지 조성물
JPH11140292A (ja) ポリカーボネート化合物を含有するポリ乳酸系樹脂組成物
JP2862786B2 (ja) ポリエステル−シリコーン共重合体及びそれを用いた被覆組成物
KR101690082B1 (ko) 생분해성 수지 조성물 및 그로부터 제조되는 생분해성 필름
JPH06145359A (ja) オルガノポリシロキサン変性ポリエステルおよびその製造方法
WO2006112398A1 (ja) ポリエーテルエステルブロック共重合体
JP2915792B2 (ja) 合成樹脂組成物
JP2915793B2 (ja) 合成樹脂組成物
JP3032673B2 (ja) 合成樹脂含有塗料用改質剤
JP4763297B2 (ja) 生分解性樹脂組成物およびその成型品
JP2004211008A (ja) 生分解性共重合体とその製造方法
JP4152767B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体及びその製造方法
JP3985156B2 (ja) 表面改質材及びその製造方法
KR102595623B1 (ko) 폴리에스테르 얼로이 수지 조성물 및 이로부터 제조된 폴리에스테르 수지
JP2006045513A (ja) 生分解性ポリ(オキサレート・アミド)
JP4171891B2 (ja) ポリエステルカーボネート共重合体及びその製造法
JP2004352908A (ja) 乳酸系ポリマー組成物及びその成形体
JP2000159983A (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物
KR101576974B1 (ko) 블로운 필름
JPH10316742A (ja) ポリエステル樹脂
JP2008174620A (ja) ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080416

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees