JPH083452A - 熱硬化性組成物及びその硬化方法 - Google Patents
熱硬化性組成物及びその硬化方法Info
- Publication number
- JPH083452A JPH083452A JP13530594A JP13530594A JPH083452A JP H083452 A JPH083452 A JP H083452A JP 13530594 A JP13530594 A JP 13530594A JP 13530594 A JP13530594 A JP 13530594A JP H083452 A JPH083452 A JP H083452A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- thermosetting composition
- composition according
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)エポキシ基含有化合物、(B)シラノ
ール基及び/又は珪素原子に直接結合した加水分解性基
を含有する化合物、及び(C)有機錫系化合物を含有し
てなることを特徴とする熱硬化性組成物。 【効果】 貯蔵安定性、低温硬化性等に優れ、且つ硬化
物の耐変色性等に優れる。
ール基及び/又は珪素原子に直接結合した加水分解性基
を含有する化合物、及び(C)有機錫系化合物を含有し
てなることを特徴とする熱硬化性組成物。 【効果】 貯蔵安定性、低温硬化性等に優れ、且つ硬化
物の耐変色性等に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な硬化性組成物及
びその硬化性組成物を用いた硬化方法に関する。
びその硬化性組成物を用いた硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂の硬化触媒としてル
イス酸(例えば、塩化アルミニウム、塩化スズ、フッ化
硼素、フッ化硼素エーテル錯体等)、金属アルコラート
(例えば、アルミニウムトリアルコキシド、チタニウム
テトラアルコキシド等)、金属キレート化合物(トリス
アセチルアセトナトアルミニウム等)、金属キレート化
合物と活性水素化合物との複合物(トリスアセチルアセ
トナトアルミニウムとシラノール化合物との反応物等)
等が知られている。
イス酸(例えば、塩化アルミニウム、塩化スズ、フッ化
硼素、フッ化硼素エーテル錯体等)、金属アルコラート
(例えば、アルミニウムトリアルコキシド、チタニウム
テトラアルコキシド等)、金属キレート化合物(トリス
アセチルアセトナトアルミニウム等)、金属キレート化
合物と活性水素化合物との複合物(トリスアセチルアセ
トナトアルミニウムとシラノール化合物との反応物等)
等が知られている。
【0003】しかしながら、これらの触媒のうち、上記
したルイス酸又は金属アルコラートを含む硬化性組成物
は、それぞれ常温での貯蔵安定性が著しく悪いこと、そ
して金属キレート化合物又はその複合物を含む硬化性組
成物は、それぞれ、常温での貯蔵安定性が悪く、且つ硬
化物が黄変するといった欠点がある。
したルイス酸又は金属アルコラートを含む硬化性組成物
は、それぞれ常温での貯蔵安定性が著しく悪いこと、そ
して金属キレート化合物又はその複合物を含む硬化性組
成物は、それぞれ、常温での貯蔵安定性が悪く、且つ硬
化物が黄変するといった欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貯蔵安定性
に優れ、且つ低温で硬化するとともに変色のない硬化物
を開発することを目的としてなされたものである。
に優れ、且つ低温で硬化するとともに変色のない硬化物
を開発することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の如
き問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、エポ
キシ基含有化合物の反応性硬化触媒として、シラノール
及び/又は珪素原子に直接結合した加水分解性基を有す
る化合物と有機錫系化合物とを併用した複合触媒を用い
た硬化性組成物が、貯蔵安定性、低温硬化性等に優れ、
且つ硬化物の耐変色性等に優れたものであることを見出
し、本発明を完成するに至った。
き問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、エポ
キシ基含有化合物の反応性硬化触媒として、シラノール
及び/又は珪素原子に直接結合した加水分解性基を有す
る化合物と有機錫系化合物とを併用した複合触媒を用い
た硬化性組成物が、貯蔵安定性、低温硬化性等に優れ、
且つ硬化物の耐変色性等に優れたものであることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(A)エポキシ基含有化
合物、(B)シラノール基及び/又は珪素原子に直接結
合した加水分解性基を含有する化合物、及び(C)有機
錫系化合物を含有してなることを特徴とする熱硬化性組
成物、並びに上記熱硬化性組成物を有機溶剤に溶解又は
分散させてなる有機溶液又は分散液を基材に塗布した
後、加熱して硬化させることを特徴とする硬化方法に係
る。
合物、(B)シラノール基及び/又は珪素原子に直接結
合した加水分解性基を含有する化合物、及び(C)有機
錫系化合物を含有してなることを特徴とする熱硬化性組
成物、並びに上記熱硬化性組成物を有機溶剤に溶解又は
分散させてなる有機溶液又は分散液を基材に塗布した
後、加熱して硬化させることを特徴とする硬化方法に係
る。
【0007】本発明において、シラノール基とは珪素原
子に直接結合した水酸基を意味し、珪素原子に直接結合
した加水分解性基とは加水分解によってシラノール基を
生じる基を意味する。
子に直接結合した水酸基を意味し、珪素原子に直接結合
した加水分解性基とは加水分解によってシラノール基を
生じる基を意味する。
【0008】本発明において、珪素原子に直接結合した
加水分解性基としては、例えば、一般式−OR4 で表さ
れるアルコキシル基、一般式−OCOR5 で表されるア
シロキシ基、及び一般式−ON=C(R6 )2 で表され
るケトオキシム基等が包含される。上記各一般式におい
て、R4 はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素
数1〜5好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を示し、
R5 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6 は炭素数
1〜5のアルキル基を示す。
加水分解性基としては、例えば、一般式−OR4 で表さ
れるアルコキシル基、一般式−OCOR5 で表されるア
シロキシ基、及び一般式−ON=C(R6 )2 で表され
るケトオキシム基等が包含される。上記各一般式におい
て、R4 はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素
数1〜5好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を示し、
R5 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6 は炭素数
1〜5のアルキル基を示す。
【0009】上記加水分解性基の好ましい具体例として
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等
のアルコキシル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ
基等のアシロキシ基、アセトキシム基、プロピオニルオ
キシム基等のケトオキシム基等が挙げられる。これらの
加水分解性基の中でも、特に、貯蔵安定性及び低温硬化
性に優れた効果を持つ炭素数1〜3のアルコキシル基が
好ましい。
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等
のアルコキシル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ
基等のアシロキシ基、アセトキシム基、プロピオニルオ
キシム基等のケトオキシム基等が挙げられる。これらの
加水分解性基の中でも、特に、貯蔵安定性及び低温硬化
性に優れた効果を持つ炭素数1〜3のアルコキシル基が
好ましい。
【0010】本発明において、シラノール基及び珪素原
子に直接結合した加水分解性基を、以下、あわせて「反
応性珪素基」ということがある。
子に直接結合した加水分解性基を、以下、あわせて「反
応性珪素基」ということがある。
【0011】本発明において、(A)成分中のエポキシ
基は、直鎖状炭化水素基の炭素原子間にエーテル基が結
合した脂肪族タイプエポキシ基、脂環式炭化水素基の炭
素原子間にエーテル基が結合した脂環式タイプエポキシ
基のいずれのタイプのエポキシ基でもよいが、脂環式タ
イプエポキシ基である場合は他の(B)及び(C)成分
によってカチオン重合反応又はカチオン的付加反応が容
易に且つ迅速に起こるため、低温硬化性に優れるといっ
た特徴がある。
基は、直鎖状炭化水素基の炭素原子間にエーテル基が結
合した脂肪族タイプエポキシ基、脂環式炭化水素基の炭
素原子間にエーテル基が結合した脂環式タイプエポキシ
基のいずれのタイプのエポキシ基でもよいが、脂環式タ
イプエポキシ基である場合は他の(B)及び(C)成分
によってカチオン重合反応又はカチオン的付加反応が容
易に且つ迅速に起こるため、低温硬化性に優れるといっ
た特徴がある。
【0012】本発明の硬化性組成物は、(A)エポキシ
基含有化合物、(B)シラノール基及び/又は珪素原子
に直接結合した加水分解性基含有化合物、及び(C)有
機錫系化合物を含有してなるものである。
基含有化合物、(B)シラノール基及び/又は珪素原子
に直接結合した加水分解性基含有化合物、及び(C)有
機錫系化合物を含有してなるものである。
【0013】化合物(A) 化合物(A)としては、エポキシ基を含有するものであ
れば、従来から知られたエポキシ基含有化合物が使用で
きるが、特に、エポキシ基の数が1分子中に平均約1個
以上、好ましくは平均約2〜100個、及び平均分子量
約130〜100,000の範囲のものが好適である。
該エポキシ基の数が1分子中に平均約1個を下回ると低
温硬化性が低下するので好ましくない。
れば、従来から知られたエポキシ基含有化合物が使用で
きるが、特に、エポキシ基の数が1分子中に平均約1個
以上、好ましくは平均約2〜100個、及び平均分子量
約130〜100,000の範囲のものが好適である。
該エポキシ基の数が1分子中に平均約1個を下回ると低
温硬化性が低下するので好ましくない。
【0014】化合物(A)としては、例えば、エポキシ
基含有エチレン性不飽和モノマー及び必要に応じてその
他のエチレン性不飽和モノマーの重合体;ビス(3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘ
キセンカルボン酸エチレングリコールジエステル、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化
合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
エポキシ化ポリブタジエン、トリグリシジルイソシアヌ
レート等の脂肪族エポキシ化合物;ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の
樹脂等が挙げられる。
基含有エチレン性不飽和モノマー及び必要に応じてその
他のエチレン性不飽和モノマーの重合体;ビス(3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘ
キセンカルボン酸エチレングリコールジエステル、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化
合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
エポキシ化ポリブタジエン、トリグリシジルイソシアヌ
レート等の脂肪族エポキシ化合物;ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の
樹脂等が挙げられる。
【0015】上記したエポキシ基含有エチレン性不飽和
モノマー及び必要に応じてその他のエチレン性不飽和モ
ノマーの重合体は、特に平均分子量約8,000〜10
0,000の範囲のものが好適である。
モノマー及び必要に応じてその他のエチレン性不飽和モ
ノマーの重合体は、特に平均分子量約8,000〜10
0,000の範囲のものが好適である。
【0016】上記した重合体において、エポキシ基含有
エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)ア
クリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が好
適である。
エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)ア
クリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が好
適である。
【0017】また、エポキシ基含有エチレン性不飽和モ
ノマーと必要に応じて共重合させるその他のエチレン性
不飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オク
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のC1 〜24のア
ルキル(メタ)アクリレート又はシクロアルキル(メ
タ)アクリレート類;パーフルオロブチルエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート等
のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル
基含有エチレン性不飽和モノマー類;スチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニルモノマー類;(メタ)アクリ
ロニトリル等のニトリルモノマー類;(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等
のアミドモノマー類等が挙げられる。
ノマーと必要に応じて共重合させるその他のエチレン性
不飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オク
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のC1 〜24のア
ルキル(メタ)アクリレート又はシクロアルキル(メ
タ)アクリレート類;パーフルオロブチルエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート等
のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル
基含有エチレン性不飽和モノマー類;スチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニルモノマー類;(メタ)アクリ
ロニトリル等のニトリルモノマー類;(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等
のアミドモノマー類等が挙げられる。
【0018】化合物(B) 化合物(B)としては、反応性珪素基を含有するもので
あれば、従来から知られた反応性珪素基含有化合物が使
用できるが、特に、反応性珪素基の数が1分子中に平均
約1個以上、好ましくは平均約2〜300個、及び平均
分子量約76〜100,000の範囲のものが好適であ
る。該反応性珪素基の数が1分子中に平均約1個を下回
ると低温硬化性が低下するので好ましくない。
あれば、従来から知られた反応性珪素基含有化合物が使
用できるが、特に、反応性珪素基の数が1分子中に平均
約1個以上、好ましくは平均約2〜300個、及び平均
分子量約76〜100,000の範囲のものが好適であ
る。該反応性珪素基の数が1分子中に平均約1個を下回
ると低温硬化性が低下するので好ましくない。
【0019】化合物(B)としては、例えば、メトキシ
トリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、プロポ
キシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン、
メトキシトリオクチルシラン、メトキシトリフェニルシ
ラン、メトキシトリベンジルシラン、トリフェニルヒド
ロキシシラン等の1官能シラン化合物;ジメトキシジメ
チルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジ
ブチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジメト
キシジラウリルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、
ジメトキシジベンジルシラン、メトキシベンジルオキシ
ジプロピルシラン、メトキシ2−エチルヘキシルオキシ
ジプロピルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官
能シラン化合物;トリメトキシメチルシラン、トリエト
キシエチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、ト
リメトキシステアリルシラン、トリメトキシフェニルシ
ラン、トリメトキシベンジルシラン、メトキシジベンジ
ルオキシプロピルシラン、メトキシトリヒドロキシシラ
ン、フェニルトリヒドロキシシラン等の3官能シラン化
合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリ
メトキシベンジルオキシシラン、トリエトキシベンジル
オキシシラン、ジメトキシジ2−エチルヘキシルオキシ
シラン、テトラヒドロキシシラン等の4官能シラン化合
物;上記した3官能シラン化合物及び/又は4官能シラ
ン化合物の低縮合物(約2〜20量体);ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルプ
ロピルトリメトキシシラン等の反応性珪素基含有エチレ
ン性不飽和モノマー、及び必要に応じて前記その他のエ
チレン性不飽和モノマーとの重合体等が挙げられる。
トリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、プロポ
キシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン、
メトキシトリオクチルシラン、メトキシトリフェニルシ
ラン、メトキシトリベンジルシラン、トリフェニルヒド
ロキシシラン等の1官能シラン化合物;ジメトキシジメ
チルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジ
ブチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジメト
キシジラウリルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、
ジメトキシジベンジルシラン、メトキシベンジルオキシ
ジプロピルシラン、メトキシ2−エチルヘキシルオキシ
ジプロピルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官
能シラン化合物;トリメトキシメチルシラン、トリエト
キシエチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、ト
リメトキシステアリルシラン、トリメトキシフェニルシ
ラン、トリメトキシベンジルシラン、メトキシジベンジ
ルオキシプロピルシラン、メトキシトリヒドロキシシラ
ン、フェニルトリヒドロキシシラン等の3官能シラン化
合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリ
メトキシベンジルオキシシラン、トリエトキシベンジル
オキシシラン、ジメトキシジ2−エチルヘキシルオキシ
シラン、テトラヒドロキシシラン等の4官能シラン化合
物;上記した3官能シラン化合物及び/又は4官能シラ
ン化合物の低縮合物(約2〜20量体);ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルプ
ロピルトリメトキシシラン等の反応性珪素基含有エチレ
ン性不飽和モノマー、及び必要に応じて前記その他のエ
チレン性不飽和モノマーとの重合体等が挙げられる。
【0020】有機錫系化合物(C) 有機錫系化合物(C)は、2価又は4価の錫原子に有機
基が結合した化合物であって、150℃以上の沸点を有
する常温(20℃)で液状又は固体状のものである。該
有機基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基で
あり、そしてこの炭化水素基と共にエーテル結合及び/
又はエステル結合を含んでいても良い。更に、該有機錫
系化合物は1分子中に錫が2個以上のものも包含され
る。
基が結合した化合物であって、150℃以上の沸点を有
する常温(20℃)で液状又は固体状のものである。該
有機基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基で
あり、そしてこの炭化水素基と共にエーテル結合及び/
又はエステル結合を含んでいても良い。更に、該有機錫
系化合物は1分子中に錫が2個以上のものも包含され
る。
【0021】本発明において、上記した有機錫系化合物
(C)の中でも、有機基として、炭化水素基とエーテル
結合及び/又はエステル結合とを含有する下記一般式
(I)及び(II)の有機錫系化合物を使用した硬化性組
成物は貯蔵安定性、低温硬化性、耐黄変性等の性能が更
によくなるといった利点がある。
(C)の中でも、有機基として、炭化水素基とエーテル
結合及び/又はエステル結合とを含有する下記一般式
(I)及び(II)の有機錫系化合物を使用した硬化性組
成物は貯蔵安定性、低温硬化性、耐黄変性等の性能が更
によくなるといった利点がある。
【0022】即ち、好ましい有機錫系化合物として、一
般式 (R1 )n Sn(OR2 )4-n (I) 及び一般式 (R1 )p Sn(OR2 )2-p (II) (各式中、R1 は、同一又は異なって、炭素数1〜20
の1価の炭化水素基を示す。R2 は、同一又は異なっ
て、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、
般式 (R1 )n Sn(OR2 )4-n (I) 及び一般式 (R1 )p Sn(OR2 )2-p (II) (各式中、R1 は、同一又は異なって、炭素数1〜20
の1価の炭化水素基を示す。R2 は、同一又は異なっ
て、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、
【0023】
【化3】
【0024】を示す。R3 は、炭素数1〜20の1価の
炭化水素基を示す。また、nは0〜3の整数を示し、p
は0又は1を示し、mは1〜20の整数を示す。)で表
わされるものが包含される。特に、一般式(I)のもの
がより好ましい。
炭化水素基を示す。また、nは0〜3の整数を示し、p
は0又は1を示し、mは1〜20の整数を示す。)で表
わされるものが包含される。特に、一般式(I)のもの
がより好ましい。
【0025】上記した有機基及び一般式(I)又は(I
I)で表される有機錫系化合物の炭素数1〜20の1価
の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基が組合わさっ
たもののいずれのタイプであってもよい。脂肪族炭化水
素基は、直鎖状又は分岐鎖状であっても、また、不飽和
結合を含んでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチ
ル、tert−ペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキ
シル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−
デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル基等が挙
げられる。
I)で表される有機錫系化合物の炭素数1〜20の1価
の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基が組合わさっ
たもののいずれのタイプであってもよい。脂肪族炭化水
素基は、直鎖状又は分岐鎖状であっても、また、不飽和
結合を含んでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチ
ル、tert−ペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキ
シル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−
デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル基等が挙
げられる。
【0026】脂環式炭化水素基としては、例えば、シク
ロヘキシル基等が例示される。芳香族炭化水素基として
は、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、ト
ルイル、キシリル基等が挙げられる。また、脂肪族炭化
水素基と芳香族炭化水素基とが組合わさった基として
は、例えば、ベンジル、フェネチル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基の中でも炭素数1〜20のアルキル
基及びフェニル基が好ましい。
ロヘキシル基等が例示される。芳香族炭化水素基として
は、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、ト
ルイル、キシリル基等が挙げられる。また、脂肪族炭化
水素基と芳香族炭化水素基とが組合わさった基として
は、例えば、ベンジル、フェネチル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基の中でも炭素数1〜20のアルキル
基及びフェニル基が好ましい。
【0027】上記一般式(I)の有機錫系化合物におい
て、R2 が
て、R2 が
【0028】
【化4】
【0029】であるエステル結合を持つものが、貯蔵安
定性、低温硬化性等に優れる。また、一般式(I)又は
(II)において、R3 が炭素数1〜20のアルキル基又
はフェニル基であるものが好ましい。
定性、低温硬化性等に優れる。また、一般式(I)又は
(II)において、R3 が炭素数1〜20のアルキル基又
はフェニル基であるものが好ましい。
【0030】更に、上記一般式(I)において、特に、
nが0又は1のものが、貯蔵安定性、低温硬化性等に優
れる。
nが0又は1のものが、貯蔵安定性、低温硬化性等に優
れる。
【0031】上記一般式(I)の有機錫系化合物とし
て、エステル結合を含むものとしては、例えば、スズテ
トラアセテート、スズテトラオクテート、スズテトララ
ウレート、ブチルスズトリアセテート、ブチルスズトリ
ブチレート、ブチルスズトリヘキシレート、ブチルスズ
トリオクテート、ブチルスズトリラウレート、ブチルス
ズトリメチルマレート、オクチルスズトリアセテート、
オクチルスズトリブチレート、オクチルスズトリヘキシ
レート、オクチルスズトリオクテート、オクチルスズト
リラウレート、オクチルスズトリメチルマレート、フェ
ニルスズトリブチレート、フェニルスズトリラウレー
ト、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジブチレ
ート、ジブチルスズジヘキシレート、ジブチルスズジオ
クテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ
エチルマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオク
チルスズジブチレート、ジオクチルスズジヘキシレー
ト、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラ
ウレート、ジオクチルスズジエチルマレート、トリブチ
ルスズアセテート、トリブチルスズブチレート、トリブ
チルスズヘキシレート、トリブチルスズオクテート、ト
リブチルスズラウレート、トリブチルスズメチルマレー
ト、トリオクチルスズアセテート、トリオクチルスズブ
チレート、トリオクチルスズヘキシレート、トリオクチ
ルスズオクテート、トリオクチルスズラウレート、トリ
オクチルスズメチルマレート等が挙げられる。また、エ
ーテル結合を含むものとしては、例えば、ブチルスズト
リメトキシ、ブチルスズトリブトキシ、オクチルスズト
リメトキシ、フェニルスズトリメトキシ、ジブチルスズ
ジメトキシ、ジオクチルスズジメトキシ、ジオクチルス
ズジブトキシ、トリブチルスズブトキシ等が挙げられ
る。
て、エステル結合を含むものとしては、例えば、スズテ
トラアセテート、スズテトラオクテート、スズテトララ
ウレート、ブチルスズトリアセテート、ブチルスズトリ
ブチレート、ブチルスズトリヘキシレート、ブチルスズ
トリオクテート、ブチルスズトリラウレート、ブチルス
ズトリメチルマレート、オクチルスズトリアセテート、
オクチルスズトリブチレート、オクチルスズトリヘキシ
レート、オクチルスズトリオクテート、オクチルスズト
リラウレート、オクチルスズトリメチルマレート、フェ
ニルスズトリブチレート、フェニルスズトリラウレー
ト、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジブチレ
ート、ジブチルスズジヘキシレート、ジブチルスズジオ
クテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ
エチルマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオク
チルスズジブチレート、ジオクチルスズジヘキシレー
ト、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラ
ウレート、ジオクチルスズジエチルマレート、トリブチ
ルスズアセテート、トリブチルスズブチレート、トリブ
チルスズヘキシレート、トリブチルスズオクテート、ト
リブチルスズラウレート、トリブチルスズメチルマレー
ト、トリオクチルスズアセテート、トリオクチルスズブ
チレート、トリオクチルスズヘキシレート、トリオクチ
ルスズオクテート、トリオクチルスズラウレート、トリ
オクチルスズメチルマレート等が挙げられる。また、エ
ーテル結合を含むものとしては、例えば、ブチルスズト
リメトキシ、ブチルスズトリブトキシ、オクチルスズト
リメトキシ、フェニルスズトリメトキシ、ジブチルスズ
ジメトキシ、ジオクチルスズジメトキシ、ジオクチルス
ズジブトキシ、トリブチルスズブトキシ等が挙げられ
る。
【0032】上記した中でも、特に、スズテトラアセテ
ート、ブチルスズトリアセテート、ブチルスズトリブチ
レート、ブチルスズトリオクテート、ブチルスズトリラ
ウレート、オクチルスズトリアセテート、オクチルスズ
トリブチレート等が好ましい。
ート、ブチルスズトリアセテート、ブチルスズトリブチ
レート、ブチルスズトリオクテート、ブチルスズトリラ
ウレート、オクチルスズトリアセテート、オクチルスズ
トリブチレート等が好ましい。
【0033】上記一般式(II)の有機錫系化合物とし
て、例えばスズジアセテート、スズジブチレート、スズ
ジオクテート、スズジラウレート等が挙げられる。
て、例えばスズジアセテート、スズジブチレート、スズ
ジオクテート、スズジラウレート等が挙げられる。
【0034】本発明の熱硬化性組成物において、化合物
(A)、化合物(B)及び有機錫系化合物(C)の配合
割合は、化合物(A)100重量部当たり、化合物
(B)が約0.1〜200重量部、好ましくは約1〜1
00重量部の範囲、及び有機錫系化合物(C)が約0.
001〜20重量部、好ましくは約0.01〜15重量
部の範囲が好適である。
(A)、化合物(B)及び有機錫系化合物(C)の配合
割合は、化合物(A)100重量部当たり、化合物
(B)が約0.1〜200重量部、好ましくは約1〜1
00重量部の範囲、及び有機錫系化合物(C)が約0.
001〜20重量部、好ましくは約0.01〜15重量
部の範囲が好適である。
【0035】化合物(B)及び有機錫系化合物(C)が
それぞれ上記した範囲を下回ると低温硬化性が低下し、
一方、上記した範囲を上回ると、さらなる低温硬化性が
得られず、また、硬化物の仕上り外観や耐久性も低下す
るので好ましくない。
それぞれ上記した範囲を下回ると低温硬化性が低下し、
一方、上記した範囲を上回ると、さらなる低温硬化性が
得られず、また、硬化物の仕上り外観や耐久性も低下す
るので好ましくない。
【0036】本発明の熱硬化性組成物は、上記した化合
物(A)、化合物(B)、及び有機錫系化合物(C)成
分以外に、必要に応じて、着色剤、充填剤、有機溶剤、
紫外線安定剤、紫外線吸収剤、流動性調整剤及びその他
の添加剤が配合できる。
物(A)、化合物(B)、及び有機錫系化合物(C)成
分以外に、必要に応じて、着色剤、充填剤、有機溶剤、
紫外線安定剤、紫外線吸収剤、流動性調整剤及びその他
の添加剤が配合できる。
【0037】本発明の熱硬化性組成物は、60℃以上の
温度で硬化が可能であり、また、特に用途は限定される
ことなく広範囲の分野から選択して適用できる。特に好
ましくは、例えば、塗料分野に適用することができる。
温度で硬化が可能であり、また、特に用途は限定される
ことなく広範囲の分野から選択して適用できる。特に好
ましくは、例えば、塗料分野に適用することができる。
【0038】次に、本発明の硬化方法について述べる。
【0039】本発明の硬化方法は、上記した熱硬化性組
成物を有機溶剤に溶解又は分散させてなる有機溶液又は
分散液を、基材に塗布した後、加熱して硬化させること
により、行なうことができる。
成物を有機溶剤に溶解又は分散させてなる有機溶液又は
分散液を、基材に塗布した後、加熱して硬化させること
により、行なうことができる。
【0040】熱硬化性組成物を溶解又は分散する有機溶
剤としては、熱硬化性組成物の種類によって適宜選択す
ればよいが、通常、エステル系、ケトン系、エーテル
系、アルコール系、炭化水素系等の溶剤が使用できる。
剤としては、熱硬化性組成物の種類によって適宜選択す
ればよいが、通常、エステル系、ケトン系、エーテル
系、アルコール系、炭化水素系等の溶剤が使用できる。
【0041】該基材としては、有機溶剤によって溶解し
たり、又60℃程度の加熱によって溶融、変質しないも
のであれば、特に制限はなく、従来から使用されている
ものを選択して使用することができる。具体的には、処
理又は未処理の金属、プラスチック、紙、繊維、これら
のものに塗装を施したもの等が挙げられる。
たり、又60℃程度の加熱によって溶融、変質しないも
のであれば、特に制限はなく、従来から使用されている
ものを選択して使用することができる。具体的には、処
理又は未処理の金属、プラスチック、紙、繊維、これら
のものに塗装を施したもの等が挙げられる。
【0042】基材に塗布する方法としては、例えば、ス
プレー塗装、刷毛塗装、ローラー塗装、浸漬塗装等の通
常の塗装手段を用いることができる。これにより、乾燥
膜厚が約1〜100μm程度の範囲になるように塗装す
る。
プレー塗装、刷毛塗装、ローラー塗装、浸漬塗装等の通
常の塗装手段を用いることができる。これにより、乾燥
膜厚が約1〜100μm程度の範囲になるように塗装す
る。
【0043】加熱硬化は、通常、約60℃以上、好まし
くは約100〜300℃程度の温度で行うことが好適で
ある。また、加熱時間は温度によって大きく異なるが、
例えば、通常、約250℃では約10秒程度、又は約6
0℃では約3時間程度である。
くは約100〜300℃程度の温度で行うことが好適で
ある。また、加熱時間は温度によって大きく異なるが、
例えば、通常、約250℃では約10秒程度、又は約6
0℃では約3時間程度である。
【0044】
【作用及び発明の効果】本発明の熱硬化性組成物は、室
温(20℃程度)では全く反応しないが、60℃程度の
温度を加えることによって反応が急激に起こるので、組
成物の貯蔵安定性が優れ、しかも低温硬化性に優れ、且
つ硬化物の耐変色性に優れた効果を発揮する。この理由
は明らかではないが、熱によって、有機錫系化合物とシ
ラノール基(又は加水分解性基)含有化合物とが結合し
た錫と珪素のコンプレックスが生成され、ついでこのも
のが、エポキシ基のカチオン重合反応又はカチオン的付
加反応を促進させる硬化触媒として作用するものと推察
される。
温(20℃程度)では全く反応しないが、60℃程度の
温度を加えることによって反応が急激に起こるので、組
成物の貯蔵安定性が優れ、しかも低温硬化性に優れ、且
つ硬化物の耐変色性に優れた効果を発揮する。この理由
は明らかではないが、熱によって、有機錫系化合物とシ
ラノール基(又は加水分解性基)含有化合物とが結合し
た錫と珪素のコンプレックスが生成され、ついでこのも
のが、エポキシ基のカチオン重合反応又はカチオン的付
加反応を促進させる硬化触媒として作用するものと推察
される。
【0045】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、
本発明をさらに具体的に説明する。
本発明をさらに具体的に説明する。
【0046】製造例1 エポキシ基含有化合物(i)の
製造 還流装置、攪拌装置を備えた反応容器で、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチルメタクリレート400g、ブ
チルメタクリレート600g及びアゾイソブチロニトリ
ル10gの混合物を110℃のキシレン1000g中に
滴下し、5時間反応させて、数平均分子量10,000
のアクリル樹脂(1分子中にエポキシ基約20個を含有
する)を製造した。
製造 還流装置、攪拌装置を備えた反応容器で、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチルメタクリレート400g、ブ
チルメタクリレート600g及びアゾイソブチロニトリ
ル10gの混合物を110℃のキシレン1000g中に
滴下し、5時間反応させて、数平均分子量10,000
のアクリル樹脂(1分子中にエポキシ基約20個を含有
する)を製造した。
【0047】製造例2 エポキシ基含有化合物(ii)の
製造 還流装置、攪拌装置を備えた反応容器で、グリシジルメ
タクリレート284g、ブチルメタクリレート716g
及びアゾイソブチロニトリル10gの混合物を110℃
のキシレン1000g中に滴下し、5時間反応させて、
数平均分子量10,000のアクリル樹脂(1分子中に
エポキシ基約20個を含有する)を製造した。
製造 還流装置、攪拌装置を備えた反応容器で、グリシジルメ
タクリレート284g、ブチルメタクリレート716g
及びアゾイソブチロニトリル10gの混合物を110℃
のキシレン1000g中に滴下し、5時間反応させて、
数平均分子量10,000のアクリル樹脂(1分子中に
エポキシ基約20個を含有する)を製造した。
【0048】製造例3 反応性珪素基含有化合物(a)
の製造 「コルコートES40」(コルコート社製、テトラエチ
ルシリケートの平均約5量体、1分子中に平均約12個
のエトキシ基を有する)775g、ベンジルアルコール
225g及びトリス(アセチルアセトナト)アルミニウ
ム0.05gの混合物を、160℃、3時間で96g脱
エタノール反応を行って、目的物を得た。このものは1
分子中に平均約10個のエトキシ基及び2個のベンジル
エーテル基を含有する。
の製造 「コルコートES40」(コルコート社製、テトラエチ
ルシリケートの平均約5量体、1分子中に平均約12個
のエトキシ基を有する)775g、ベンジルアルコール
225g及びトリス(アセチルアセトナト)アルミニウ
ム0.05gの混合物を、160℃、3時間で96g脱
エタノール反応を行って、目的物を得た。このものは1
分子中に平均約10個のエトキシ基及び2個のベンジル
エーテル基を含有する。
【0049】製造例4 反応性珪素基含有化合物(b)
の製造 還流装置、攪拌装置を備えた反応容器で、メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン243g、ブチルメタク
リレート757g及びアゾイソブチロニトリル10gの
混合物を110℃のキシレン1000g中に滴下し、5
時間反応させて、数平均分子量10,000のアクリル
樹脂(1分子中にメトキシ基約30個を含有する)を製
造した。
の製造 還流装置、攪拌装置を備えた反応容器で、メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン243g、ブチルメタク
リレート757g及びアゾイソブチロニトリル10gの
混合物を110℃のキシレン1000g中に滴下し、5
時間反応させて、数平均分子量10,000のアクリル
樹脂(1分子中にメトキシ基約30個を含有する)を製
造した。
【0050】実施例1 エポキシ基含有化合物(iii )である「ERL−422
1」(ユニオンカーバイド社製、商品名、脂環式ジエポ
キシ化合物)200g(樹脂固形分100g)、反応性
珪素基含有化合物(a)30gにブチルスズトリアセテ
ート1.5gを配合して、本発明硬化性組成物を製造し
た。
1」(ユニオンカーバイド社製、商品名、脂環式ジエポ
キシ化合物)200g(樹脂固形分100g)、反応性
珪素基含有化合物(a)30gにブチルスズトリアセテ
ート1.5gを配合して、本発明硬化性組成物を製造し
た。
【0051】実施例2〜10及び比較例1〜2 表1に記載した配合で実施例2〜10の本発明組成物及
び比較例1〜2の比較組成物を製造した。
び比較例1〜2の比較組成物を製造した。
【0052】実施例及び比較例の各硬化性組成物の貯蔵
安定性を下記試験方法により調べた。
安定性を下記試験方法により調べた。
【0053】貯蔵安定性:次の基準で評価した。
【0054】◎:40℃で7日間以上増粘なし、 ○:40℃、7日間で若干増粘する、 △:40℃、1〜6日間で増粘、ゲル化する、 ×:20℃、1時間でゲル化する。
【0055】次に、実施例及び比較例の各硬化性組成物
を、それぞれ脱脂した軟鋼板に乾燥膜厚が約50μmに
なるように塗装した後、120℃で30分間加熱硬化し
た。得られた硬化物の性能を下記試験方法により調べ
た。
を、それぞれ脱脂した軟鋼板に乾燥膜厚が約50μmに
なるように塗装した後、120℃で30分間加熱硬化し
た。得られた硬化物の性能を下記試験方法により調べ
た。
【0056】外観:硬化膜のワレ、ツヤボケ等の異常の
有無を観察した。異常のないものを良好とした。
有無を観察した。異常のないものを良好とした。
【0057】硬化性:剥離した硬化膜をアセトン溶剤を
用いて還流温度で2時間抽出させた後、硬化膜の残存率
(%)を調べた。
用いて還流温度で2時間抽出させた後、硬化膜の残存率
(%)を調べた。
【0058】耐黄変性:加熱前の膜と加熱後の硬化膜と
を比較して、黄変を肉眼で観察し、次の基準で評価し
た。○:変化がなく良好である、×:黄変して悪い。
を比較して、黄変を肉眼で観察し、次の基準で評価し
た。○:変化がなく良好である、×:黄変して悪い。
【0059】試験結果を、表1に併記した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】上記表1において、反応性珪素基含有化合
物(c)はフェニルトリメトキシシランを、(d)はジ
フェニルシランジオールを示す。また、金属キレート化
合物はトリスアセチルアセトナトアルミニウムを示す。
物(c)はフェニルトリメトキシシランを、(d)はジ
フェニルシランジオールを示す。また、金属キレート化
合物はトリスアセチルアセトナトアルミニウムを示す。
Claims (11)
- 【請求項1】 (A)エポキシ基含有化合物、(B)シ
ラノール基及び/又は珪素原子に直接結合した加水分解
性基を含有する化合物、及び(C)有機錫系化合物を含
有してなることを特徴とする熱硬化性組成物。 - 【請求項2】 エポキシ基が、脂環式エポキシ基である
ことを特徴とする請求項1記載の熱硬化性組成物。 - 【請求項3】 化合物(A)が、エポキシ基含有エチレ
ン性不飽和モノマー、及び必要に応じてその他のエチレ
ン性不飽和モノマーを(共)重合させてなる(共)重合
体であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱硬化
性組成物。 - 【請求項4】 該加水分解性基が、アルコキシル基であ
ることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性組成物。 - 【請求項5】 化合物(B)が、シラノール基及び/又
は珪素原子に直接結合した加水分解性基を含有するエチ
レン性不飽和モノマー、及び必要に応じてその他のエチ
レン性不飽和モノマーを(共)重合させてなる(共)重
合体であることを特徴とする請求項1又は4記載の熱硬
化性組成物。 - 【請求項6】 有機錫系化合物(C)が、一般式 (R1 )n Sn(OR2 )4-n (I) (式中、R1 は、同一又は異なって、炭素数1〜20の
1価の炭化水素基を示す。R2 は、同一又は異なって、
炭素数1〜20の1価の炭化水素基、 【化1】 を示す。R3 は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を
示す。また、nは0〜3の整数を示し、mは1〜20の
整数を示す。)で表されることを特徴とする請求項1記
載の熱硬化性組成物。 - 【請求項7】 有機錫系化合物(C)が、上記一般式
(I)において、R2が 【化2】 であることを特徴とする請求項6記載の熱硬化性組成
物。 - 【請求項8】 有機錫系化合物(C)が、上記一般式
(I)において、R3が炭素数1〜20のアルキル基又
はフェニル基であることを特徴とする請求項6又は7記
載の熱硬化性組成物。 - 【請求項9】 有機錫系化合物(C)が、上記一般式
(I)において、nが0又は1であることを特徴とする
請求項6乃至8記載の熱硬化性組成物。 - 【請求項10】 有機錫系化合物(C)が、上記一般式
(I)において、R1 が炭素数1〜20のアルキル基又
はフェニル基であることを特徴とする請求項6乃至9記
載の熱硬化性組成物。 - 【請求項11】 請求項1乃至10記載の熱硬化性組成
物を有機溶剤に溶解又は分散させてなる有機溶液又は分
散液を基材に塗布した後、加熱して硬化させることを特
徴とする硬化方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13530594A JPH083452A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 |
US08/750,468 US5821314A (en) | 1994-06-17 | 1995-06-15 | Thermosetting compositions and methods of forming a finish coat |
EP95921973A EP0768326A4 (en) | 1994-06-17 | 1995-06-15 | THERMALIZING COMPOSITION AND METHOD FOR PRODUCING A TOP LAYER |
PCT/JP1995/001198 WO1995035336A1 (fr) | 1994-06-17 | 1995-06-15 | Composition thermodurcissable et procede de constitution d'une pellicule de finition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13530594A JPH083452A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083452A true JPH083452A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15148614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13530594A Pending JPH083452A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083452A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131678A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ樹脂接着組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
JP2007131677A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ樹脂接着組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
JP2011088947A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ基含有接着剤樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
JP2011111550A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ樹脂接着組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
-
1994
- 1994-06-17 JP JP13530594A patent/JPH083452A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131678A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ樹脂接着組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
JP2007131677A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ樹脂接着組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
JP2011088947A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ基含有接着剤樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
JP2011111550A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | エポキシ樹脂接着組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE60110212T2 (de) | Bei raumtemperatur härtende beschichtungszusammensetzungen | |
KR900003427B1 (ko) | 비겔화반응 생성물을 경화제로서 함유하는 코우팅 조성물 | |
KR900008334B1 (ko) | 비겔화 아크릴수지 및 그의 제조방법 | |
US4684697A (en) | Compositions based on silane hydrolyzates and vinyl polymers containing hydrolyzable silyl groups | |
JP2013151688A (ja) | 環境温度で硬化するコーティング組成物 | |
JPS5852350A (ja) | プライマ−組成物 | |
KR900004678B1 (ko) | 공기 산화성기 및 에폭시기 함유수지와 가수분해성기를 갖고있는 에폭시-반응성실리콘-함유화합물을 함유하는 조성물 | |
EP0534753A1 (en) | Composite composition having high transparency and process for producing same | |
DE602004005308T3 (de) | Rtv-beschichtungszusammensetzung | |
JPH07316440A (ja) | 水性硬化性樹脂組成物 | |
JPH09208674A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
JP6477473B2 (ja) | 湿気硬化性組成物 | |
JPH083452A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 | |
JPS63168469A (ja) | 室温硬化性塗料組成物 | |
JPS5889661A (ja) | 分散方法 | |
JPS58173158A (ja) | 常温硬化性樹脂組成物 | |
JPH083286A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 | |
JPH08239581A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化法 | |
JPH083289A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 | |
JPH083288A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 | |
JP3175900B2 (ja) | 電着塗装アルミニウム用プライマー | |
JPH083425A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 | |
JPH08239582A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化法 | |
JPH10212454A (ja) | 親水性硬化性組成物 | |
JPH083287A (ja) | 熱硬化性組成物及びその硬化方法 |