JPH083398A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH083398A
JPH083398A JP13890694A JP13890694A JPH083398A JP H083398 A JPH083398 A JP H083398A JP 13890694 A JP13890694 A JP 13890694A JP 13890694 A JP13890694 A JP 13890694A JP H083398 A JPH083398 A JP H083398A
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JP
Japan
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flame retardant
weight
flame
resin composition
parts
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Pending
Application number
JP13890694A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Miura
義昭 三浦
Kazutoshi Kurokawa
和俊 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル
樹脂、融点または軟化点が230℃以下の臭素系難燃
剤、難燃助剤及びパラフィンを特定割合で含有してなる
樹脂組成物。 【効果】 耐熱性、熱安定性、耐衝撃性、難燃性、射出
成形性、外観および耐傷付き性の優れた成形品に成形可
能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、難燃性樹脂組成物に
関し、詳しくは、耐熱性、熱安定性および耐衝撃性に優
れ、しかも射出成形により外観および耐傷付き性の優れ
た成形品にすることができ、情報家電分野、自動車分
野、建材分野をはじめとする各種分野において好適に用
いることができる難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ポリスチ
レン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂とのポリマーア
ロイが、変性ポリフェニレンエーテル樹脂として知られ
ている。
【0003】この変性ポリフェニレンエーテル樹脂を難
燃化するために、リン酸エステル等のリン系難燃剤を配
合することが知られている。
【0004】しかしながら、リン系難燃剤を配合する
と、変性ポリフェニレンエーテル樹脂の耐熱性および成
形時の熱安定性が低下するという問題が生じる。
【0005】一方、変性ポリフェニレンエーテル樹脂に
は、それ自体、流動性が低いという問題点があり、この
問題点は射出成形を困難にするという更なる問題点に繋
がる。
【0006】この発明は上記事情に基づいて完成され
た。すなわち、この発明の目的は、前記従来の問題点を
解消することにある。この発明の目的は、難燃剤を含有
しているにもかかわらず、耐熱性の改善された難燃性樹
脂組成物を提供することにある。この発明の目的は、難
燃剤を含有しているにもかかわらず、耐熱性および成形
時の熱安定性に優れ、射出成形により容易に外観の良好
な成形品を得ることができる難燃性樹脂組成物を提供す
ることにある。この発明の目的は、難燃性、耐熱性、熱
安定性および耐衝撃性に優れ、しかも射出成形により容
易に外観および耐傷付き性の優れた成形品にすることが
でき、情報家電分野、自動車分野、建材分野をはじめと
する各種分野において好適に用いることができる難燃性
樹脂組成物を提供することにある。この発明の目的は、
前記目的を一挙に達成することのできる難燃性樹脂組成
物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、ポリスチレン樹脂100重量部と、ポリ
フェニレンエーテル樹脂5〜40重量部と、融点または
軟化点が高くとも230℃のハロゲン系難燃剤5〜30
重量部と、難燃助剤1〜10重量部と、パラフィン1〜
10重量部とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組
成物である。
【0008】この発明の好適な態様を以下に列挙する。
【0009】この発明の第1の態様は、ポリスチレン樹
脂100重量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂5〜4
0重量部、好ましくは10〜35重量部、更に好ましく
は15〜30重量部と、融点または軟化点が高くとも2
30℃のハロゲン系難燃剤5〜30重量部と、難燃助剤
1〜10重量部と、パラフィン1〜10重量部とを含有
することを特徴とする難燃性樹脂組成物であり、第2の
態様は、前記第1の態様において、前記ポリスチレン樹
脂のメルトインデックス(MI)が少なくとも5g/1
0分であり、また5〜100g/10分であり、好まし
くは8〜100g/10分であり、更に好ましくは8〜
50g/10分であることを特徴とする難燃性樹脂組成
物であり、第3の態様は、前記第1または2の態様にお
いて、前記ポリスチレン樹脂の分子量が60,000以
上、好ましくは60,000〜300,000、さらに
好ましくは80,000〜300,000であることを
特徴とする難燃性樹脂組成物であり、第4の態様は、前
記第1〜3のいずれかの態様において、前記ポリスチレ
ン樹脂が、ゴム補強ポリスチレン樹脂および/またはホ
モポリスチレン樹脂であることを特徴とする難燃性樹脂
組成物であり、第5の態様は、前記第1〜4のいずれか
の態様において、前記ポリフェニレンエーテル樹脂の、
25℃におけるクロロホルム中での固有粘度が高くとも
0.47dl/gであり、また0.35〜0.47dl
/gであり、好ましく0.35〜0.45dl/gであ
り、更に好ましくは0.35〜0.42dl/gである
ことを特徴とする難燃性樹脂組成物であり、第6の態様
は、前記第1〜5のいずれかの態様において、前記ポリ
フェニレンエーテル樹脂がポリ(2,6−ジアルキル−
1,4−フェニレン)エーテル樹脂であり、好ましくは
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル樹脂であることを特徴とする難燃性樹脂組成物であ
り、第7の態様は、前記第1〜6のいずれかの態様にお
いて、ハロゲン系難燃剤が臭素系難燃剤であり、好まし
くは臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体およびト
リアジン系難燃剤よりなる群から選択される少なくとも
一種であることを特徴とする難燃性樹脂組成物であり、
第8の態様は、前記第1〜7のいずれかの態様におい
て、難燃助剤がアンチモン系難燃助剤であることを特徴
とする難燃剤樹脂組成物であり、第9の態様は、前記第
1〜8のいずれかの態様において、パラフィンがパラフ
ィン油であり、好ましくは40℃における動粘度が10
〜200cStであるパラフィン油であることを特徴と
する難燃剤樹脂組成物である。
【0010】以下に、この発明について詳細に説明す
る。
【0011】(1)ポリスチレン樹脂 この発明におけるポリスチレン樹脂としては、ゴム補強
ポリスチレン樹脂および/またはホモポリスチレン樹脂
を挙げることができる。前記ゴム補強ポリスチレン樹脂
としては、ゴム質重合体にスチレン系モノマーをグラフ
ト重合してなる樹脂、あるいはゴム質重合体にスチレン
系モノマーおよび他の重合性モノマーをグラフト重合し
てなる樹脂を挙げることができる。
【0012】前記ゴム質重合体としては、たとえば天然
ゴムおよび合成ゴムを挙げることができる。前記合成ゴ
ムとしては、たとえば、ポリイソプレンゴム、ポリブタ
ジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム、プロクロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリル
ゴム、エピクロルヒドリンゴム等を挙げることができ
る。この発明においては、前記天然ゴムおよび合成ゴム
のいずれかまたはその両方を併用することができる。ま
た前記合成ゴムの内いずれか一種または二種以上を併用
することができる。これらの中でも、ポリブタジエンゴ
ムが好ましい。
【0013】前記スチレン系モノマーとしては、スチレ
ン、ベンゼン核に置換基を有するスチレン例えば、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼ
ン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、α−メ
チル−p−メチルスチレン、ブロモスチレン等を挙げる
ことができる。この発明におけるゴム補強ポリスチレン
樹脂は、スチレン系モノマーとして、前記各種のモノマ
ーのいずれかが単独でゴム質重合体にグラフト重合して
なる樹脂であっても良く、また、前記各種のモノマーの
内の二種以上がゴム質重合体にグラフト重合してなる樹
脂であっても良いのであるが、好ましいゴム補強ポリス
チレン樹脂においては、スチレンが単独でグラフト重合
している。
【0014】この発明におけるゴム補強ポリスチレン樹
脂においては、ゴム質重合体にスチレン系モノマーと共
に他の重合性モノマーがグラフトしていても良い。この
重合性モノマーとしては、スチレン系モノマーと共重合
可能な重合性モノマーであれば特に制限がなく、例えば
芳香族モノビニル化合物たとえばビニルトルエン、ビニ
ルエチルベンゼン、ビニルキシレン、p−t−ブチルス
チレン、α−メチル−p−メチルスチレン、ビニルナフ
タレン、ブロモスチレンなど、アクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸低級アルキルエステル例えばメタクリル
酸メチル、アクリル酸メチルなど、(メタ)アクリル酸
例えばメタクリル酸、アクリル酸など、無水マレイン
酸、フェニルマレイミドなどを挙げることができる。こ
れらは一種単独でグラフトしていてもよく、あるいは二
種以上がグラフトしていてももよい。
【0015】このゴム補強ポリスチレン樹脂およびホモ
ポリスチレン樹脂は、塊状重合法、懸濁重合法および乳
化重合法のいずれにより製造されたものであっても良
い。
【0016】この発明におけるポリスチレン樹脂のMI
としては、特に制限はないのであるが、小さくとも5g
/10分であれば良く、通常5〜100g/10分であ
り、好ましくは8〜100g/10分であり、特に好ま
しくは8〜50g/10分である。また、場合によって
は、この発明におけるポリスチレン樹脂のMIとして、
5g/dlおよび8g/dlのいずれかを下限値とし、
30g/dl、50g/dlおよび100g/dlのい
ずれかを上限値とする範囲を、好適な範囲として選択す
ることができる。いずれにしても、MIが前記範囲内に
あると、難燃性樹脂組成物の流動性が特に良好であり、
射出成形性も良好であり、得られる成形品の耐熱性およ
び外観等の特性も良好である。なお、これらのMIの値
は、JIS K−7210に準拠し、温度200℃、荷
重5Kgの条件にて測定した値である。
【0017】前記ポリスチレンの分子量は、特に制限は
ないのであるが、重量平均分子量が少なくとも60,0
00であり、また60,000〜300,000の範囲
内であることが好ましく、80,000〜300,00
0の範囲内であるとより好ましい。場合によっては、ポ
リスチレンの好ましい重量平均分子量につき、60,0
00、80,000、および90,000のいずれかを
下限値とし、110,000、130,000、20
0,000および300,000のいずれかを上限値と
する任意の範囲を好適な範囲とすることもできる。
【0018】前記重量平均分子量が前記範囲内である
と、難燃性樹脂組成物は、優れた流動性を有し、耐衝撃
性に優れた成形品にすることができる。
【0019】(2)ポリフェニレンエーテル樹脂 この発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂(以下、
PPEと略称することがある。)としては、下記一般式
(1)で表わされるPPEを好適に採用することができ
る。
【0020】
【化1】
【0021】このようなPPEの具体例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、およびポリ(2−メチ
ル−1,4−フェニレン)エーテルなどの(2,6−ジ
アルキル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−エチル−6−ブロモ−1,4−フェニレン)エー
テル、ならびにポリ(2−フェニル−1,4−フェニレ
ン)エーテル等を挙げることができる。この発明におい
ては、これらのPPEの中から一種を単独で使用するこ
ともできるし、二種以上のPPEを組み合わせて使用す
ることもできる。これらの中でも、(2,6−ジアルキ
ル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが
特に好ましい。
【0022】また、この発明において使用するPPEと
しては、25℃のクロロホルム中における固有粘度の範
囲が次の範囲内であることが好ましい。すなわち、下限
値を0.35dl/gとし、上限値を0.47dl/
g、より好ましくは0.45dl/g、特に好ましくは
0.42dl/gとする範囲である。また、場合によっ
ては、0.37dl/gまたは0.39dl/gが好ま
しい前記下限値となることもある。
【0023】PPEの固有粘度が、前記範囲内にあると
成形品の耐傷付き性や耐熱性が特に向上し、難燃性性樹
脂組成物の流動性が良好で成形性に支障がなく、成形品
の外観も良好である。
【0024】PPEの配合量は、ポリスチレン樹脂10
0重量部に対して、通常5〜40重量部であり、好まし
くは10〜35重量部、より好ましくは15〜30重量
部である。また、場合によっては、5重量部、10重量
部、15重量部のいずれかを下限値とし、40重量部、
35重量部、30重量部、20重量部のいずれかを上限
値とする範囲を好ましい範囲とすることができる。配合
量がこのような範囲内にあると、他の成分と相俟って、
耐傷付き性、耐熱性または難燃性が特に向上する。PP
Eの配合量が5重量部未満であると難燃性樹脂組成物か
らなる成形品の耐傷付性、耐熱性および難燃性が不足
し、40重量部を越えると樹脂組成物の流動性が低下し
て成形性が悪化する。
【0025】(3)ハロゲン系難燃剤 この発明の難燃性樹脂組成物には、特に融点または軟化
点が高くとも230℃であるハロゲン系の難燃剤が含有
される。融点または軟化点が230℃を超えるハロゲン
系難燃剤を採用すると、流動性が不足し、射出成形性に
劣るので好ましくない。この発明におけるハロゲン系難
燃剤としては、通常−50〜230℃の融点または軟化
点を有するハロゲン系難燃剤が使用され、好ましくは−
35〜230℃の融点または軟化点を有する難燃剤が使
用され、特に好ましくは30〜230℃の融点または軟
化点を有する難燃剤が使用される。
【0026】前記ハロゲン系の難燃剤としては、塩素系
難燃剤、臭素系難燃剤、フッ素系難燃剤を挙げることが
できる。
【0027】これらの中でも、塩素系難燃剤および臭素
系難燃剤を好適に採用することができる。前記塩素系難
燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリ
エチレン等を挙げることができる。
【0028】前記臭素系難燃剤としては、例えば、臭素
化ビスフェノールA型エポキシ重合体、ペンタブロモベ
ンジルアクリレート、臭素化ポリカーボネーネートオリ
ゴマー、トリアジン系難燃剤、テトラブロモビスフェノ
ールA、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラ
ブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチル
エーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス
(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモ
ビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、ヘキサブ
ロモシクロドデカン、ポリジブロモフェニレンオキサイ
ド、臭素化フタル酸エステル等を挙げることができる。
【0029】これらの中でも、前記臭素系難燃剤を特に
好適に使用することができる。この発明においては、上
記各種のハロゲン系難燃剤の中から一種を選択して単独
で用いても良いし、二種以上を組み合わせて併用するこ
ともできる。
【0030】前記臭素系難燃剤の中でも、臭素化ビスフ
ェノールA型エポキシ重合体、トリアジン系難燃剤が好
ましく、特に臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体
が好ましい。この臭素化ビスフェノールA型エポキシ重
合体を難燃剤として採用すると、熱安定性および耐衝撃
性を維持しつつ、流動性、耐傷付き性をより一層向上さ
せることができる。
【0031】前記臭素化ビスフェノールA型エポキシ重
合体としては、トリブロモフェノール・エンドキャップ
型の変性エポキシタイプ(分子量1,400〜3,00
0)を特に好適に採用することができる。これを難燃剤
として採用すると、特に優れた流動性および耐傷付き性
の向上効果を得ることができる。
【0032】前記ハロゲン系難燃剤の配合量は、ポリス
チレン樹脂100重量部に対して、通常5〜30重量部
であり、好ましくは8〜30重量部であり、特に好まし
くは10〜25重量部である。また、好ましい配合量の
範囲として、場合によっては、5重量部、8重量部およ
び10重量部のいずれかを下限値とし、30重量部およ
び25重量部のいずれかを上限値とする範囲を取り得る
し、この明細書に記載された実施例に記載された、いず
れか難燃剤の配合量を下限値とし、いずれか難燃剤の配
合量を上限値とする範囲を取り得る。配合量が5重量部
未満であると難燃性や流動性の向上効果があまり見られ
ず、配合量が30重量部を超えると耐衝撃性や成形品の
外観が悪化することがある。
【0033】(4)難燃助剤 この発明の難燃性樹脂組成物は、上記難燃剤の他に難燃
助剤を配合してなる。
【0034】前記難燃助剤としては、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、金属アン
チモン、三塩化アンチモン、または五塩化アンチモン等
のアンチモン系難燃助剤を好適に採用することができ
る。また、これら以外にもメタホウ酸バリウム、酸化ジ
ルコニウム等を採用することもできる。これらの難燃助
剤は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用
いることもできる。
【0035】上記各種の難燃助剤の中でも、アンチモン
系難燃剤が好ましく、三酸化アンチモンを特に好ましく
採用することができる。
【0036】難燃助剤の好ましい配合量は、ポリスチレ
ン樹脂100重量部に対して、1〜10重量部であり、
特に好ましくは2〜8重量部である。
【0037】前記配合量が、1重量部未満であると難燃
助剤添加の効果が得られず、一方10重量部を超えて
も、その添加の量に応じた効果が得られず、逆に他の特
性を損なう恐れがあるので好ましくない。
【0038】(5)パラフィン この発明におけるパラフィンとしては、硬質パラフィ
ン、合成パラフィン、マイクロワックス、パラフィン油
等を挙げることができる。
【0039】これらの中でも、パラフィン油が好まし
く、中でも40℃における動粘度が10〜200cs
t.)であるパラフィン油が特に好ましい。
【0040】この発明の難燃性樹脂組成物中におけるパ
ラフィンの配合量としては、ポリスチレン樹脂100重
量部に対して、通常1〜10重量部であり、好ましくは
2〜8重量部である。また、好ましい配合量の範囲とし
て、場合によっては、1重量部および2重量部のいずれ
かを下限値とし、10重量部および8重量部のいずれか
を上限値とする範囲を取り得るし、この明細書に記載さ
れた実施例に記載された、いずれか難燃剤の配合量を下
限値とし、いずれか難燃剤の配合量を上限値とする範囲
を取り得る。配合量が1重量部未満であると流動性、耐
衝撃性が不充分であったり、成形品の外観に劣ることが
あり、一方、配合量が10重量部を超えると耐熱性が不
充分であったり、成形時の熱安定性に劣ることがあり好
ましくない。
【0041】(6)他の任意成分 この発明の難燃性樹脂組成物は、前記ポリスチレン樹脂
と、前記ポリフェニレンエーテル樹脂と、前記特定の融
点を有する臭素系難燃剤と、前記難燃助剤と、前記パラ
フィンとをそれぞれ特定の割合で含有することが重要な
のであるが、この発明の目的を阻害しない範囲で各種の
他の成分を含有させることも可能である。そのような他
の成分としては、着色剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、
エラストマー、ゴム、可塑剤、耐光安定剤、離型剤、帯
電防止剤等を挙げることができる。また、上記した難燃
剤以外の難燃剤、上記した難燃助剤以外の難燃助剤を含
有させることも可能である。
【0042】前記着色剤としては、例えば、酸化チタ
ン、ベンガラ、黄鉛、カドミウム系顔料、群青及びカー
ボンブラック等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ
顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系
顔料、キナクドリン系顔料、ジオキサジン系顔料及び染
付レーキ顔料等を挙げることができる。これらの顔料は
単独で使用しても良いし、適宜混合して所望の色を調整
しても良い。
【0043】前記充填剤としては、例えば、石綿、グラ
ファイト、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、カーボン
ブラック、ケイソウ土、カオリン、酸化マグネシウム、
酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイ
カ等を挙げることができる。
【0044】前記滑剤としては、例えば、流動パラフィ
ン、天然パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤;ス
テアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン
酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸あるいはオキシ脂肪酸
等の脂肪酸系滑剤;ステアリン酸、パルミチン酸、オレ
イン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸の
メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの低級アルキル
エステルである脂肪酸エステル系;脂肪族の高級あるい
は低級アルコール、ポリグリコール等のアルコール系滑
剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸バリウム等の金属石ケン;シリコンオイル、変
性シリコン等のシリコン等を挙げることができる。
【0045】前記酸化防止剤としては、例えば、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキ
シアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフ
ェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−
メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビ
ス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テト
ラキス{メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、1,
1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタンのようなフェノール系化合
物、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N−ジフェニ
ル−p−フェニレンジアミンのようなアミン系化合物、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニル
フォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、ジ
フェニルイソデシルフォスファイトのようなリン系化合
物、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチ
オジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
トのような硫黄化合物等を挙げることができる。
【0046】前記ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポ
リブタジエンゴム、ポリイソブレンゴム、スチレン−イ
ソプレン系共重合体ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロ
ピレン系共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン系共重合
体、プロピレン−ブタジエン共重合体あるいはこれらと
スチレンとのグラフト共重合体ゴムなどを挙げることが
できる。
【0047】前記耐光安定剤としては、例えば、フェニ
ルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート
等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等を挙げることがで
きる。
【0048】前記離型剤としては、例えば、カルナバワ
ックス、パラフィンワックス、シリコーン油等を挙げる
ことができる。
【0049】前記帯電防止剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミドのような非イオン系帯電防止剤、アルキルス
ルホネート、アルキルベンゼンスルホネートのようなア
ニオン系帯電防止剤、第4級アンモニウムクロライド、
第4級アンモニウムサルフェートのようなカチオン系帯
電防止剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン
型のような両性帯電防止剤等を挙げることができる。
【0050】(7)樹脂組成物の調製方法 樹脂組成物の調製方法としては、特に制限はなく、たと
えば前記ポリスチレン樹脂と、前記ポリフェニレンエー
テル樹脂と、前記特定の融点または軟化点を有する臭素
系難燃剤と、前記難燃助剤と、前記パラフィンと、所望
に応じて用いられる各種の任意成分とを270〜320
℃、好ましくは260〜300℃で混練することにより
得ることができる。
【0051】このような混練は、ニーダー、ミキシング
ロール、イリボンブレンダー、タンブルミキサー、ヘン
シェルミキサー、オープンロール、バンバリーミキサ
ー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、単
軸往復動スクリュー押出機などを用いた溶融混練法や溶
液ブレンド法によって行なうことができる。
【0052】(8)この発明の難燃性樹脂組成物の用途 この難燃性樹脂組成物は、各種分野においてその目的に
応じて様々な応用が可能である。特に、携帯電話、パソ
コン、ファクシミリ、テレビ、ラジオの箱体あるいは筐
体等の情報家電分野、自動車の、フロントパネル、バン
パー、サイドモール等の自動車分野、冷蔵庫の内張や仕
切板、洗濯機のパネルボード、照明器具などをはじめと
する家電製品の分野、電卓、タイプライター、複写機な
どをはじめとするOA機器の分野、シート分野、包装・
容器の分野、家具や建材など、各種の分野において好適
に用いることができる。
【0053】
【実施例】以下、この発明を実施例により詳細に説明す
る。かかる実施例によりこの発明は何ら限定されず、こ
の発明の目的を奏する限りにおいて諸種の変更が可能で
ある。
【0054】(実施例1〜11および比較例1〜8)表
1から表3に示す各成分を、表示の配合割合でドライブ
レンドした後、二軸混練押出機を用いて260℃〜30
0℃で溶融混練し、錠剤化した。
【0055】得られたペレットを用いて、下記の各項目
について評価を行ない、その結果を表1、2または3に
示した。
【0056】(1)流動性 得られたペレットのMIを、JIS K7210に準拠
し、温度200℃、5kgf荷重のPS条件で測定し
た。
【0057】(2)耐熱性、耐衝撃性および難燃性 射出成形により、得られたペレットから下記の各試験に
適合する形状の試験片を作成し、各評価試験を行なっ
た。
【0058】耐熱性評価試験 ;JIS K7207に
準拠して、荷重たわみ温度を測定した 耐衝撃性評価試験;JIS K7110に準拠して、ア
イゾッド衝撃強度を測定した 難燃性評価試験 ;UL−94規格に準拠して、1/8
インチ厚の試験片を用いて難燃性を評価した。
【0059】(3)耐傷付き性 射出成形することにより、得られたペレットから試験片
(角板;70×70×3mm)を作成した。この試験片
を用いて、JIS K5400に準拠し、耐傷付き性の
評価を行なった。すなわち、硬度の異なる各鉛筆を用い
て、試験片の表面を引っ掻き、試験片表面に傷が生じる
か否かを調べた。
【0060】使用した鉛筆の硬度は、硬度の大きい順
に、H、F、HB、B、2B、3Bである。この試験の
結果を示した、表1〜3における鉛筆強度の欄には、引
っ掻くことにより角試験片に傷を生じさせない硬度の
内、最も大きい硬度を記載した。 (4)外観 射出成形することにより、得られたペレットから試験片
(70×70×3mm)を作成した。この試験片につい
て、その外観を下記の基準によって目視により評価し
た。
【0061】◎;優れている。分散不良物は全く見られ
ない。 ○;良好である。分散不良物がわずかに認められる。 △;分散不良物が散在していおり、肌荒れが見られる。 ×;分散不良物が多く、銀条痕が目立つ、肌荒れも大で
ある。
【0062】(表1〜3中における記号の説明) −ポリスチレン樹脂− A1;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン、平均重量
分子量20万、MI=2g/10分 A2;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン、平均重量
分子量13万、MI=8g/10分 A3;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン、平均重量
分子量11万、MI=10g/10分 A4;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン(平均重量
分子量13万、MI=8g/10分)と、ホモポリスチ
レン(平均重量分子量15万、MI=30g/10分)
との混合物(混合比70:30)、MI=13g/10
分 A5;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン(平均重量
分子量13万、MI=8g/10分)と、ポリブタジエ
ンゴム補強ポリスチレン(平均重量分子量9万、MI=
30g/10分)との混合物(混合比5:5)、MI=
15g/10分 A6;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン、平均重量
分子量9万、MI=30g/10分 A7;ポリブタジエンゴム補強ポリスチレン、平均重量
分子量8万、MI=50g/10分。
【0063】−ポリフェニレンエーテル樹脂− B1〜B4;(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテルの粉末 但し、25℃のクロロホルム中での固有粘度は、それぞ
れ B1;0.40dl/g 、 B2;0.42dl/
g、B3;0.45dl/g 、 B4;0.48dl
/gである。
【0064】−難燃剤− C1;臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体(大日
本インキ化学工業株式会社製、プラサームEC−14
(登録商標)) 軟化点;99℃、分子量1,400 C2;臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体(大日
本インキ化学工業株式会社製、プラサームEP−200
(登録商標)) 軟化点;197℃、分子量20,000 C3;トリアジン系難燃剤(第一工業製薬株式会社製、
ピロガードSR−245(登録商標))、 融点;230℃、分子量1,000以上 C4;エチレンビステトラブロモフタルイミド(エチル
社製、BT−93) 融点;445℃、分子量952 −難燃助剤− D1;三酸化アンチモン(日本精鉱株式会社製、ATO
X−S)、平均粒径0.5μm −パラフィン− E1;パラフィン油(出光興産株式会社製、KP−10
0)、 40℃動粘度;95cst. E2;パラフィン油(出光興産株式会社製、CP−50
S)、 40℃動粘度;50cst.
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】この発明によると、耐熱性および成形時
の熱安定性に優れると共に、射出成形性に優れ、外観の
良好な成形品を得ることができる難燃性樹脂組成物を提
供することができる。
【0069】この発明によると、従来の変性ポリフィニ
レンエーテル樹脂の優れた特性を損なわせることなく、
優れた難燃性を付与した変性ポリフィニレンエーテル樹
脂組成物を提供することができる。
【0070】この発明によると、耐熱性、熱安定性、耐
衝撃性および難燃性に優れ、しかも射出成形性に優れ、
容易に外観および耐傷付き性の優れた成形品にすること
ができる樹脂組成物を提供することができる。
【0071】この発明によると、特に射出成形性に優
れ、射出成形によって低コストで優れた特性を有する成
形体に効率的に成形することができる難燃性樹脂組成物
を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン樹脂100重量部と、ポリ
    フェニレンエーテル樹脂5〜40重量部と、融点または
    軟化点が高くとも230℃のハロゲン系難燃剤5〜30
    重量部と、難燃助剤1〜10重量部と、パラフィン1〜
    10重量部とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリスチレン樹脂のMIが少なくと
    も5g/10分である前記請求項1に記載の難燃性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリフェニレンエーテル樹脂の固有
    粘度が高くとも0.47dl/gである前記請求項1ま
    たは2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記融点または軟化点が高くとも230
    ℃のハロゲン系難燃剤が、臭素化ビスフェノールA型エ
    ポキシ重合体およびトリアジン系難燃剤よりなる群から
    選択される少なくとも一種である前記請求項1〜3のい
    ずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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