JP2000063651A - 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品

Info

Publication number
JP2000063651A
JP2000063651A JP22885898A JP22885898A JP2000063651A JP 2000063651 A JP2000063651 A JP 2000063651A JP 22885898 A JP22885898 A JP 22885898A JP 22885898 A JP22885898 A JP 22885898A JP 2000063651 A JP2000063651 A JP 2000063651A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
parts
resin composition
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22885898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4022324B2 (ja
Inventor
Akio Nodera
明夫 野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP22885898A priority Critical patent/JP4022324B2/ja
Publication of JP2000063651A publication Critical patent/JP2000063651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4022324B2 publication Critical patent/JP4022324B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂とのポ
リマーアロイにおいて、溶融流動性、相溶性、ウエルド
外観、ウエルド強度の向上したた熱可塑性樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂1〜99重量
%、(B)スチレン系樹脂99〜1重量%からなる樹脂
100重量部に対して、(C)テルペン系樹脂1〜15
重量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物である。ま
た、難燃剤、特に、ハロゲン非含有リン酸エステルを含
有することにより、安全性の高い難燃性成形品を、無機
充填剤の含有により、強度、剛性の向上を図ることがで
きる。本熱可塑性樹脂組成物は、すぐれた溶融流動性、
多点ゲートの採用により、より薄肉化、軽量化、大型の
射出成形品の成形が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
及び射出成形品に関し、さらに詳しくは、耐衝撃性、成
形性にすぐれるとともに、ウエルド外観にすぐれ、ウエ
ルド強度の向上した熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、すぐれた耐衝
撃特性、耐熱性、電気的特性などにより、OA(オフィ
スオートメーション)機器、家庭電化機器、電気・電子
機器、自動車分野、建築分野等様々な分野において幅広
く利用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹
脂は、成形加工温度が高い、溶融流動性が悪いという問
題点を有している。このため、成形温度が比較的高く、
特に、各種添加剤を配合した場合に成形時の熱安定性が
低下したり、その性能が十分生かされない場合がある。
一方、ポリカーボネート樹脂は、一般的に自己消火性樹
脂ではあるが、OA機器、家庭電化機器、電気・電子機
器分野を中心として、高度の難燃性を要求される分野が
あり、各種難燃剤の添加により、その改善が図られてい
る。
【0003】この、ポリカーボネート樹脂による、OA
機器、電気・電子機器、家庭電化機器などにあっては、
射出成形による成形が一般的であるが、機器の軽量化、
省資源の立場から薄肉化が望まれている。しかしなが
ら、成形品の大きさ、形状によっては、溶融粘度が低
く、高流動性のポリカーボネート樹脂を用いたのでは、
耐衝撃性などが低下する。このため、ポリカーボネート
樹脂の溶融流動性の改良のために、アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル・スチレン樹脂(AS樹脂)などのスチレン系樹
脂をポリカーボネート樹脂に配合した組成物は、ポリマ
ーアロイとして、その耐熱性、耐衝撃性の特性を生か
し、多くの成形品分野に用いられてきている。一方、こ
れらの用途の中でも、OA機器、電気・電子機器などに
用いる場合には、その製品の安全性を高めるために、あ
るレベル以上の難燃性が求められている。
【0004】これらを目的として、多くの方法が提案さ
れている。具体的には、特開昭61−55145号公報
には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)AB
S樹脂、(C)AS樹脂、(D)ハロゲン化合物、
(E)リン酸エステル、(F)ポリテトラフルオロエチ
レン成分からなる熱可塑性樹脂組成物が記載されてい
る。特開平2−32154号公報には、(A)芳香族ポ
リカーボネート樹脂、(B)ABS樹脂、(C)AS樹
脂、(D)リン酸エステル、(E)ポリテトラフルオロ
エチレン成分からなる難燃性高衝撃性ポリカーボネート
成形用組成物が記載されている。特開平8−23956
5号公報には、(A)芳香族ポリカーボネート、(B)
ゴム状弾性体を含有する耐衝撃ポリスチレン樹脂、
(C)ハロゲン非含有リン酸エステル、(D)コアシエ
ルタイプグラフトゴム状弾性体、(E)タルクを含むポ
リカーボネート樹脂組成物が記載されている。
【0005】これらは、いずれも、ポリカーボネートの
溶融流動性の改良による成形性、耐衝撃性、難燃性の改
良を目的としたもので、そのすぐれた効果を生かし、各
種成形品として用いられてきている。しかしながら、こ
れらのポリマーアロイにあっては通常ゴム成分を含有す
るものであり、両成分の相溶性が必ずしも十分でなく、
これに原因するウエルド強度が低い場合がある。また、
溶融成形性にも限界があり、成形品の薄肉化に対して更
なる成形性、溶融流動性の向上が求められてきている。
特に、ガラス繊維やタルクなどの無機充填剤を含有した
組成物にあっては、その必要性が高いものである。
【0006】ポリカーボネート樹脂の成形加工性、すな
わち溶融流動性を改良するものとして、(1)特開平8
−199059号公報には、ポリカーボネート樹脂にテ
ルペン樹脂を1〜10重量%配合したポリカーボネート
樹脂組成物が開示されている。すなわち、テルペン樹脂
を特定量配合することにより、引張特性、曲げ特性を維
持しながら、溶融流動性が改良できることが示されてい
る。しかし、テルペン樹脂の配合により、衝撃強度、熱
変形温度はかなりの低下を示している。また、他の樹脂
とのポリマーアロイへの適用については、開示がない。
【0007】(2)特開平8−199050、9−19
9051号公報には、ポリ(フェニレンエーテル)樹脂
とポリエステル樹脂と当該組成物の延性を効果的に向上
させる上で充分な量のポリカーボネート樹脂と当該組成
物の剛性を効果的に増大させる上で充分な量の少なくと
も1種の強化充填剤とテルペンフェノール材料とを含む
組成物が開示されている。しかしながら、明細書の記載
より明らかなように、組成物中のポリカーボネート樹脂
は重量比で3〜50%、好適には8〜20%であり、他
はポリ(フェニレンエーテル)樹脂とポリエステル樹脂
であり、あくまでも、主成分はポリ(フェニレンエーテ
ル)樹脂とポリエステル樹脂からなるポリマーアロイで
ある。また、用いるポリカーボネート樹脂は、延性の向
上のために、重量平均分子量が40,000以上との記
載より、一般の射出成形用のポリカーボネート樹脂とは
異なり、非常に高分子量のものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状の
下、ポリカーボネート樹脂による、薄肉化、複雑化する
OA機器、電気・電子機器、家庭電化機器、自動車など
に用いられるポリカーボネート樹脂において、耐衝撃
性、強度を維持しつつ、成形性の指標である溶融流動性
にすぐれ薄肉化、大型化成形品の成形を可能にする熱可
塑性樹脂組成物、さらには難燃性にすぐれた熱可塑性樹
脂組成物及び射出成形品の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ため、本発明者は、ポリカーボネート樹脂、スチレン系
樹脂、特にゴム変性スチレン系樹脂を含有してなる、熱
可塑性樹脂組成物の溶融流動性の向上について、鋭意検
討した結果、テルペン系樹脂の含有により溶融流動性が
向上するとともに、他の物性への影響が比較的少ないこ
とを見出した。また、テルペン系樹脂の含有がポリカー
ボネート樹脂とスチレン系樹脂の相溶化に寄与するとと
もに、射出成形品におけるウエルド外観、ウエルド強度
の向上効果があることを合わせ見出し、本発明を完成し
た。
【0010】すなわち、本発明は、 (1)(A)ポリカーボネート樹脂1〜99重量%、
(B)スチレン系樹脂99〜1重量%からなる樹脂10
0重量部に対して、(C)テルペン系樹脂0.5〜15
重量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。 (2)さらに、(D)難燃剤を、(A)および(B)か
らなる樹脂100重量部に対して、1〜50重量部含有
してなる上記1記載の熱可塑性樹脂組成物。 (3)難燃剤がハロゲン非含有リン酸エステルである上
記(2)記載の熱可塑性樹脂組成物。 (4)さらに、(E)フルオロオレフィン樹脂を、
(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対し
て、0.05〜5重量部含有する上記(2)または
(3)記載の熱可塑性樹脂組成物。 (5)フルオロオレフィン樹脂がフィブリル形成能を有
する上記(4)記載の熱可塑性樹脂組成物。 (6)スチレン系樹脂がゴム質重合体変性スチレン系樹
脂であり、(A)ポリカーボネート樹脂40〜95重量
%、(B)スチレン系樹脂60〜5重量%である上記
(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成
物。 (7)さらに、(F)ゴム状弾性体を、(A)および
(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜30重
量部含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱
可塑性樹脂組成物。 (8)さらに、(G)無機充填剤を、(A)および
(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜100
重量部含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の
熱可塑性樹脂組成物、および (9)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂組成物からなるOA機器、電気・電子機器または家
庭電化機器のハウジングまたは部分品である射出成形品
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の熱可塑性樹脂組成物の構成成分(A)〜
(C)について説明する。 (A)ポリカーボネート樹脂(PC) 本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分であ
るポリカーボネート樹脂(PC)としては、特に制限は
なく種々のものが挙げられる。通常、二価フェノールと
カーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポ
リカーボネートを用いることができる。すなわち、2価
フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶
融法、すなわち、二価フエノールとホスゲンの反応、2
価フエノールとジフェニルカーボネートなどとのエステ
ル交換法により反応させて製造されたものを使用するこ
とができる。
【0012】2価フェノールとしては、様々なものが挙
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなどが挙げられる。
【0013】特に好ましい2価フエノールとしては、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAを主原料としたものである。また、カーボネート
前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエス
テル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホ
スゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネートなどである。この他、二価フェノールとして
は、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げ
られる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】なお、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造
を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,
α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメ
リット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがあ
る。また、分子量の調節のためには、フェノール、p−
t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、
p−クミルフェノールなどが用いられる。
【0015】また、本発明に用いるポリカーボネート樹
脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキ
サン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有
するポリカーボネート樹脂であってもよい。また、テレ
フタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステ
ル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカー
ボネートの重合を行うことによって得られるポリエステ
ル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、種々
のポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもでき
る。本発明において用いられる(A)成分のポリカーボ
ネート樹脂は、機械的強度および成形性の点から、その
粘度平均分子量は、10,000〜100,000のも
のが好ましく、特に14,000〜40,000のもの
が好適である。
【0016】(B)スチレン系樹脂 本発明の難燃性樹脂組成物を構成する(B)成分のスチ
レン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレンな
どのモノビニル系芳香族単量体20〜100重量%、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビ
ニル系単量体0〜60重量%、およびこれらと共重合可
能なマレイミド、(メタ)アクリル酸メチルなどの他の
ビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体または単
量体混合物を重合して得られる重合体がある。これらの
重合体としては、ポリスチレン(GPPS)、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)などがある。
【0017】また、スチレン系樹脂としてはゴム質重合
体変性スチレン系樹脂が好ましく利用できる。この変性
スチレン系樹脂としては、好ましくは、少なくともスチ
レン系単量体がゴム質重合体にグラフト重合した耐衝撃
性スチレン系樹脂である。ゴム変性スチレン系樹脂とし
ては、たとえば、ポリブタジエンなどのゴム質重合体に
スチレンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIP
S)、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンと
が重合したABS樹脂、ポリブタジエンにメタクリル酸
メチルとスチレンが重合したMBS樹脂などがあり、ゴ
ム変性スチレン系樹脂は、二種以上を併用することがで
きるとともに、前記のゴム未変性であるスチレン系樹脂
との混合物としても使用できる。
【0018】ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム質重合体
の含有量は、例えば2〜50重量%、好ましくは、5〜
30重量%である。ゴム質重合体の割合が2重量%未満
であると、耐衝撃性が不十分となり、また、50重量%
を超えると熱安定性が低下したり、溶融流動性の低下、
ゲルの発生、着色などの問題が生じる場合がある。上記
ゴム質重合体の具体例としては、ポリブタジエン、アク
リレートおよび/またはメタクリレートを含有するゴム
質重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)
ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ン・アクリルゴム、イソプレン・ゴム、イソプレン・ス
チレンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エチレン・プ
ロピレンゴム等が挙げられる。
【0019】このうち、特に好ましいものはポリブタジ
エンである。ここで用いるポリブタジエンは、低シスポ
リブタジエン(例えば1,2−ビニル結合を1〜30モ
ル%、1,4−シス結合を30〜42モル%含有するも
の)、高シスポリブタジエン(例えば1,2−ビニル結
合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以
上含有するもの)のいずれを用いてもよく、また、これ
らの混合物であってもよい。
【0020】(C)テルペン系樹脂 本発明の(C)成分である、テルペン系樹脂としては、
テルペン単量体単独、またはテルペン単量体と芳香族ビ
ニル単量体、テルペン単量体とフェノール類を共重合し
て得られたものである。また、得られたテルペン系樹脂
を水素添加して得られる水添テルペン樹脂であってもよ
い。ここで、テルペン単量体としては、α−ピネン、β
−ピネン、ジペンテン、d−リモネンなど、芳香族ビニ
ル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエンなど、フェノール類としては、フェノー
ル、クレゾール、ビスフェノールAなどを例示すること
ができる。これらのテルペン系樹脂は、テルペン単量体
単独あるいは芳香族ビニル単量体、フェノール類ととも
に有機溶媒中、フリーデルクラフト型触媒の存在下に反
応することによって得られる。テルペン系樹脂として
は、具体的に、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テル
ペン−フェノール樹脂、テルペン−ビスフェノールA樹
脂などである。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)、
(B)および(C)成分を必須とするもので、これによ
り、成形性、衝撃強度、ウエルド外観、ウエルド強度の
向上と言う本発明の目的を達成することができるもので
ある。したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、基
本的には、(A)ポリカーボネート樹脂1〜99重量
%、好ましくは、40〜95重量%、(B)スチレン系
樹脂99〜1重量%、好ましくは、60〜5重量%から
なる樹脂100重量部に対して、(C)テルペン系樹脂
1〜15重量部、好ましくは、2〜10重量部を含有し
てなるものである。ここで、(A)成分のポリカーボネ
ート樹脂が1重量%未満では、耐熱性、強度が十分でな
く、また、99重量%を越えると溶融流動性が十分でな
くなる。したがって、両樹脂成分の複合効果の点から
は、(A)ポリカーボネ40〜95重量%、(B)スチ
レン系樹脂60〜5重量%であることが、耐衝撃性、耐
熱性、成形性などの点から好ましい。
【0022】また、(C)成分のテルペン系樹脂が1重
量部未満であると、成形性、溶融流動性、ウエルド強
度、外観などの改良効果が十分でなく、また、15重量
部を越えると、耐衝撃性、耐熱性が低下する場合があり
好ましくない。したがって、この(C)成分の含有量
は、(A)および(B)からなる樹脂成分の比率、後述
の(D)成分の難燃剤の含有量、(F)成分であるゴム
状弾性体、(G)成分である無機充填剤の含有量に加え
て、射出成形品の大きさ、重量、形状、金型設計、ゲー
トの位置など、さらには成形品に要求される耐衝撃性、
耐熱性、ウエルド強度、外観などを総合的に判断して決
定することが好ましい。
【0023】(D)難燃剤 成形品がOA機器、電気・電子機器などに用いられる場
合には、難燃性が要求される。この場合には、本発明の
熱可塑性樹脂組成物に各種難燃剤を含有することによっ
てその要求に対応することができる。難燃剤としては、
有機リン系化合物、ハロゲン非含有リン系化合物、ハロ
ゲン系化合物、チッソ系化合物、金属水酸化物、赤リ
ン、アンチモン化合物などを例示できる。ハロゲン系化
合物としては、テトラブロモビスフェノールA、ハロゲ
ン化ポリカーボネートまたはハロゲン化ポリカーボネー
ト共重合体オリゴマー、デカブロモジフェニルエーテ
ル、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ポリオレフィ
ンなどがある。また、チッソ系化合物としては、メラミ
ン、アルキル基または芳香族基置換メラミンなど、金属
水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウムなど、アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモンなどを例示できる。
【0024】しかしながら、ハロゲン系の難燃剤は、成
形品の焼却時に有害物質を排出する恐れがあり、好まし
い難燃剤は、ハロゲン非含有の有機リン系難燃剤であ
る。有機リン系難燃剤としては、リン原子を有し、ハロ
ゲンを含まない有機化合物であれば特に制限なく用いる
ことができる。好ましくは、リン原子に直接結合するエ
ステル性酸素原子を1つ以上有するリン酸エステル系化
合物が用いられる。
【0025】リン酸エステル系化合物としては、たとえ
ば、次式(1)
【0026】
【化1】
【0027】(ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は、そ
れぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは2
価以上の有機基を表し、pは0または1であり、qは1
以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)で示さ
れるリン酸エステル系化合物である。
【0028】式(1)において、有機基とは、置換され
ていてもいなくてもよいアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基などである。また置換されている場合の
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基などがある。さ
らに、これらの置換基を組み合わせた基であるアリール
アルコキシアルキル基など、またはこれらの置換基を酸
素原子、窒素原子、イオウ原子などにより結合して組み
合わせたアリールスルホニルアリール基などを置換基と
したものなどがある。
【0029】また、式(1)において、2価以上の有機
基Xとしては、上記した有機基から、炭素原子に結合し
ている水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基
を意味する。たとえば、アルキレン基、(置換)フェニ
レン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から
誘導されるものである。好ましいものとしては、ビスフ
ェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニ
ルメタン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフ
タレン等がある。
【0030】ハロゲン非含有リン酸エステル系化合物
は、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの
混合物であってもよい。具体的には、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オ
クチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキ
シル)ホスフェート、ジイソプピルフェニルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピ
ルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェー
ト、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノン
ビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾ
ルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベン
ゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
トなどを例示できる。
【0031】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物の(D)成分として好適に用いることができる市販の
ハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、たとえ
ば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニル
ホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェー
ト〕、PFR〔レゾルシノール(ジフェニルホスフェー
ト)〕、PX200〔1,3−フェニレン−テスラキス
(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル、PX2
01〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメ
チルフェニル)リン酸エステル、PX202〔4,4’
−ビフェニレン−テスラキス)2,6−ジメチルフェニ
ル)リン酸エステル、CR733S〔フェニルレゾルシ
ンポリホスフェート〕などを挙げることができるここ
で、難燃剤の含有量は、前記(A)および(B)からな
る樹脂100重量部に対して、1〜50重量部、好まし
くは、2〜30重量部、特に、3〜15重量部である。
ここで、2重量部未満であると、目的とする難燃性を得
ることが難しく、また、50重量部を越えると、耐熱性
の低下、衝撃強度の低下が起こる場合がある。したがっ
て、この含有量は、成形品の要求性状を考慮して、他の
ゴム状弾性体や無機充填剤の含有量、難燃剤の種類など
をもとに総合的に決定される。
【0032】本発明の熱可塑性樹脂組成物に難燃剤を含
有させてなる組成物の場合には、さらに、燃焼時の滴下
防止を目的にさらに、(E)フルオロオレフィン樹脂を
含有することができる。ここで(E)フルオロオレフィ
ン樹脂としては、フルオロエチレン構造を含む重合体、
共重合体、たとえば、ジフルオロエチレン重合体、テト
ラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエ
チレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重
合体である。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)であり、その平均分子量は、500,00
0以上であることが好ましく、特に好ましくはは50
0,000〜10,000,000である。本発明にお
けるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られ
ているすべての種類のものを用いることができる。
【0033】なお、ポリテトラフルオロエチレンのう
ち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに
高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格にお
いて、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具
体例としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポン
フロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1、ポリ
フロンF−103、ポリフロンF201L(ダイキン工
業株式会社製)、CD−076(旭アイシーアイフロロ
ポリマーズ株式会社製)等が挙げられる。また、上記タ
イプ3に分類されるもの以外では、例えばアルゴフロン
F5(モンテフルオス株式会社製)、ポリフロンMPA
FA−100(ダイキン工業株式会社製)等が挙げら
れる。これらのポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
てもよい。上記のようなフィブリル形成能を有するポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えばテトラ
フルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、
1〜100psiの圧力下、温度0〜200℃、好まし
くは20〜100℃で重合させることによって得られ
る。
【0034】ここで、フルオロオレフィン樹脂の含有量
は、、前記(A)および(B)からなる樹脂100重量
部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは、0.1
〜2重量部である。ここで、0.05重量部未満である
と、目的とする難燃性における溶融滴下性が十分でない
場合があり、5重量部を越えても、これに見合った効果
の向上はなく、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を与える
場合がある。したがって、それぞれの成形品に要求され
る難燃性の程度、たとえば、UL−94のV−0、V−
1、V−2などにより他の含有成分の使用量などを考慮
して適宜決定することができる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、さら
に、(F)成分としてのゴム状弾性体を、熱可塑性樹脂
組成物の耐衝撃性の一層の向上のために含有することが
できる。その含有量は、前記(A)および(B)からな
る樹脂100重量部に対して、1〜30重量部、好まし
くは2〜15重量部である。このゴム状弾性体の含有量
は、目的の成形品に要求される耐衝撃性、耐熱性、剛性
などを総合的に考慮して決定される。ゴム状弾性体とし
ては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブ
タジエン・スチレン(SBS)ゴム、スチレン・ブタジ
エンゴム(SBR)、ブタジエン・アクリルゴム、イソ
プレン・スチレンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エ
チレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエ
ンゴム、シロキサンゴム等が挙げられる。
【0036】このうち、好ましくは、コア(芯)とシェ
ル(殻)から構成される2層構造を有しており、コア部
分は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は
硬質な樹脂状態であり、弾性体自体は粉末状(粒子状
態)のものである。このゴム状弾性体は、ポリカーボネ
ート樹脂と溶融ブレンドした後も、その粒子状態は、大
部分がもとの形態を保っている。配合されたゴム状弾性
体の大部分がもとの形態を保っていることにより、表層
剥離を起こさない効果が得られる。
【0037】このコアシェルタイプグラフトゴム状弾性
体としては、種々なものを挙げることができる。市販の
ものとしては、例えばハイブレンB621(日本ゼオン
株式会社製)、KM−330(ローム&ハース株式会社
製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、メ
タブレンC223、メタブレンB621(三菱レイヨン
株式会社製)等が挙げられる。
【0038】これらの中で、例えば、アルキルアクリレ
ートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを
主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下
に、ビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて
得られるものが挙げられる。ここで、アルキルアクリレ
ートやアクリルメタクリレートとしては、C2〜C10
アルキル基を有するものが好適である。具体的には、例
えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト等が挙げられる。これらのアルキルアクリレート類を
主体とする単量体から得られるゴム状弾性体としては、
アルキルアクリレート類70重量%以上と、これと共重
合可能な他のビニル系単量体、例えばメチルメタクリレ
ート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等30
重量%以下とを反応させて得られる重合体が挙げられ
る。なお、この場合、ジビニルベンゼン、エチレンジメ
タクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート等の多官能性単量体を架橋剤として適宜
添加して反応させてもよい。
【0039】ゴム状重合体の存在下に反応させるビニル
系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等
が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて用いてもよいし、また、他のビニル系重
合体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル化合物等と共重合させてもよ
い。この重合反応は、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化
重合などの各種方法によって行うことができる。特に、
乳化重合法が好適である。
【0040】このようにして得られるコアシェルタイプ
グラフトゴム状弾性体は、前記ゴム状重合体を20重量
%以上含有していることが好ましい。このようなコアシ
ェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、具体的には
60〜80重量%のn−ブチルアクリレートと、スチレ
ン、メタクリル酸メチルとのグラフト共重合体などのM
AS樹脂弾性体が挙げられる。中でも、ポリシロキサン
ゴム成分が5〜95重量%とポリアクリル(メタ)アク
リレートゴム成分95〜5重量%とが、分離できないよ
うに相互に絡み合った構造を有する、平均粒子径が0.
01〜1μm程度の複合ゴムに少なくとも一種のビニル
単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共
重合体がある。この共重合体は、それぞれのゴム単独で
のグラフト共重合体よりも耐衝撃改良効果が高い。この
複合ゴム系グラフト共重合体は、市販品としての、三菱
レーヨン株式会社製メタブレンS−2001などとし
て、入手できる。
【0041】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
さらに、(G)無機充填剤を、成形品の剛性、さらには
難燃性をさらに向上させるために含有させることができ
る。ここで、無機充填剤としては、タルク、マイカ、カ
オリン、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム
繊維などをあげることができる。なかでも、板状である
タルク、マイカなどや、繊維状の充填剤が好ましい。タ
ルクとしては、、マグネシウムの含水ケイ酸塩であり、
一般に市販されているものを用いることができる。タル
クには、主成分であるケイ酸と酸化マグネシウムの他
に、微量の酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄
を含むことがあるが、本発明の樹脂組成物を製造するに
は、これらを含んでいてもかまわない。また、タルクな
どの無機充填剤は平均粒径が0.1〜50μm、好まし
くは、0.2〜20μmである。これら無機充填剤、特
にタルクを含有させることにより、剛性向上効果ととも
に難燃剤としてのハロゲン非含有リン酸エステルの配合
量を減少させることができる。
【0042】ここで、(G)無機充填剤の含有量は、、
前記(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対
して、1〜100重量部、好ましくは、2〜50重量部
である。ここで、1重量部未満であると、目的とする剛
性、難燃性改良効果が十分でない場合があり、100重
量部を越えると、耐衝撃性、溶融流動性が低下する場合
があり、成形品の大きさ、重量、成形品の要求性状と射
出成形性を考慮して適宜決定することができる。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記した
ように、テルペン系樹脂の溶融流動性の向上と言う従来
知られた効果に加えて、スチレン系樹脂とのポリマーア
ロイにあっては、両成分樹脂の相溶性、射出成形時のウ
エルド外観、ウエルド強度の向上と言う、予期できない
効果を有するものである。したがって、射出成形性に加
えて、難燃性、外観改善、耐候性改善、剛性改善等の目
的で、上記(A)、(B)、(C)からなる必須成分
に、(D)〜(G)から選ばれた任意成分の一種以上と
ともに、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分を必
要により添加含有することができる。例えば、フェノー
ル系、リン系、イオウ系酸化防止剤、帯電防止剤、ポリ
アミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防止性
能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の
紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐候
剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)等が挙
げられる。任意成分の配合量は、本発明の,熱可塑性樹
脂組成物の特性、特に射出成形性が維持される範囲であ
れば特に制限はない。
【0044】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造
方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、前記の各成分(A)、(B)、(C)を上記割合
で、さらに必要に応じて用いられる、(D)〜(G)の
各種任意成分、さらには他の成分を適当な割合で配合
し、混練することにより得られる。このときの配合およ
び混練は、通常用いられている機器、例えばリボンブレ
ンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシ
ェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押
出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、
コニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際
の加熱温度は、通常240〜300℃の範囲で適宜選択
される。なお、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂
以外の含有成分は、あらかじめ、ポリカーボネート樹
脂、スチレン系樹脂あるいはこれ以外の他の熱可塑性樹
脂と溶融混練、すなわちマスターバッチとして添加する
こともできる。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の溶
融混練成形機、あるいは、得られたペレットを原料とし
て、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー
成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法などに
より各種成形品を製造することができる。しかし、上記
溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、
ついで、このペレットを用いて、射出成形、射出圧縮成
形などの成形法に好適に用いられる。特に、溶融流動性
のみでなく、ウエルド外観、ウエルド強度の向上効果が
高く、薄肉化、大型化成形品への適応が可能になるとと
もに、ウエルドの発生が多い多点ゲートを用いた薄肉
化、大型化成形品に好適である。本発明の熱可塑性樹脂
組成物から得られる特に、射出成形品としては、特に制
限はなく多くの分野があるが、複写機、ファックス、パ
ソコン、プリンターなどのOA機器、電気・電子機器、
テレビ、ビディオデッキ、ラジオ、テープレコーダー、
冷蔵庫、電子レンジなどの家庭電化機器のハウジングや
各種部分品、ケース、さらには、自動車部品など他の分
野にも用いられる。
【0046】
【実施例】本発明について実施例および比較例を示して
より具体的に説明するが、これらに、何ら制限されるも
のではない。 実施例1〜8および比較例1〜3 表1に示す割合で各成分を配合〔(A)と(B)成分は
重量%、他の成分は(A)および(B)からなる樹脂1
00重量部に対する重量部で示す。〕し、押出機(機種
名:VS40、田辺プラスチック機械株式会社製)に供
給し、260℃で溶融混練し、ペレット化した。なお、
すべての実施例および比較例において、酸化防止剤とし
てイルガノックス1076(チバガイギー株式会社製)
0.2重量部およびアデカスタブC(旭電化工業株式会
社社製)0.1重量部をそれぞれ配合した。得られたペ
レットを、80℃で12時間乾燥した後、成形温度26
0℃で射出成形して試験片を得た。得られた試験片の性
能を各種試験によって評価し、その結果を表1に示し
た。
【0047】なお、用いた材料および性能評価方法を次
に示す。 (A)ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAポリカ
ーボネート樹脂) PC−1:タフロン:A1900(出光石油化学株式会
社製)、粘度平均分子量:19000 PC−2:タフロン:A1700(出光石油化学株式会
社製)、粘度平均分子量:17000 (B)耐衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS) PS−1:IDEMITSU PS HT52(出光石
油化学社株式会社製):ポリブタジエンにポリスチレン
がグラフト重合したもの、ゴム状弾性体10重量%含
有、MI:2g/10分(200℃、5Kg荷重) (C)テルペン系樹脂 T−1:TR105(α−ピネン−フェノール共重合
体):(ヤスハラケミカル株式会社製) T−2:YS2130(α−ピネン−ビスフェノールA
共重合体):(ヤスハラケミカル株式会社製) T−3:P125(α−ピネン共重合体):(ヤスハラ
ケミカル株式会社製)。 (D)難燃剤:レゾルシノールビス(ジフェニルホスフ
ェート):リン酸エステルPFR(旭電化工業株式会社
製) (E)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) PTFE:F201L(ダイキン化学工業株式会社
製):分子量400万〜500万 (F)ゴム状弾性体:コアシェルタイプグラフトゴム状
弾性体 メタブレンS2001(三菱レーヨン株式会社製):複
合ゴム系グラフト共重合体(ポリジメチルシロキサン含
有量:50重量%以上) (G)無機充填剤 タルク:FFR(浅田製粉株式会社製):平均粒径:
0.7μm ガラス繊維:径:13μm、長さ:3mm
【0048】〔性能評価方法] (1)SFL(スパイラルフロー長さ)、単位:cm 出光法(成形温度:260℃、金型温度:80℃、金型
(厚み:3mm、巾:10mm、射出圧力:110MP
a) (2)曲げ弾性率:ASTM D790に準拠(試験条
件等:23℃、4mm)、単位:MPa (3)IZOD衝撃強度:ASTM D256に準拠、
23℃(肉厚1/8インチ)、単位:kJ/m2 (4)HDT(熱変形温度):ASTM D648に準
拠(荷重18.6kg/cm2 肉厚1/8インチ)、単
位:℃ (5)ウエルド強度:引張試験片金型を用いて2点ゲー
トで成形し、引張強度を測定した。 (6)ウエルド強度保持率=(ウエルド部の引張強度/
非ウエルド部の引張強度)×100 (7)ウエルド外観:目視 (8)難燃性:UL94燃焼試験に準拠(1.5mm)
【0049】
【表1】
【0050】表1より、テルペン系樹脂を含有しない比
較例1と比べ、実施例1は、溶融流動性(SFL)、衝
撃強度が向上するとともに、ウエルド外観にすぐれるこ
とが明らかである。同様にテルペン系樹脂を含有しない
比較例3と比べ、実施例5、6は、溶融流動性(SF
L)、衝撃強度が向上するとともに、ウエルド外観すぐ
れ、しかもウエルド強度も改善されていることが明らか
である。特に、ウエルド外観が良好であることは、多点
ゲートでの成形が容易となり、比較的大型の成形品、た
とえば機器のハウジングなどの成形に好適である。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート樹脂
(PC)とスチレン系樹脂(PS)からなる樹脂組成物
の溶融流動性が向上し、より薄肉化、大型の成形品の射
出成形が可能となる。また、ポリカーボネート樹脂とス
チレン系樹脂の相溶性が改善され、成形品の外観、特に
ウエルド外観が改良されるとともにウエルド強度が向上
する。したがって、溶融流動性の向上に加えて多点ゲー
トの採用により、薄肉化、大型成形品の製造が可能にな
る。また、難燃剤としてハロゲン非含有リン酸エステ
ル、さらにはフルオロオレフィン系樹脂を含有させるこ
とにより、すぐれた射出成形性、物性を維持しつつ、環
境汚染の問題のない難燃性の射出成形品などを製造する
ことができる。さらに、ゴム状弾性体、無機充填剤を含
有させることにより、成形品に要求される耐衝撃性、剛
性、耐熱性、難燃性に対しての対応範囲を拡大すること
ができ、OA機器などの軽量化、省資源化に貢献でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/02 C08L 25/02 27/12 27/12 45/00 45/00 51/04 51/04 // B29K 25:00 69:00 B29L 31:34 Fターム(参考) 4F206 AA12 AA13J AA28 AA45 AB05 AB11 AC01 AH42 AM36 JA00 JA03 JA07 JF01 JF02 JL02 JM01 JN01 4J002 AC035 AC065 AC085 BB155 BC03X BC06X BD134 BD154 BD164 BK003 BN14X BN15X BN16X CG00W DA017 DE187 DE237 DG047 DJ007 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 EW046 FD017 FD136 GQ00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂1〜99重
    量%、(B)スチレン系樹脂99〜1重量%からなる樹
    脂100重量部に対して、(C)テルペン系樹脂0.5
    〜15重量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、(D)難燃剤を、(A)および
    (B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜50重
    量部含有してなる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 難燃剤がハロゲン非含有リン酸エステル
    である請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、(E)フルオロオレフィン樹脂
    を、(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対
    して、0.05〜5重量部含有する請求項2または3記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 フルオロオレフィン樹脂がフィブリル形
    成能を有する請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 スチレン系樹脂がゴム質重合体変性スチ
    レン系樹脂であり、(A)ポリカーボネート樹脂40〜
    95重量%、(B)スチレン系樹脂60〜5重量%であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 さらに、(F)ゴム状弾性体を、(A)
    および(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜
    30重量部含有する請求項1〜6のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 さらに、(G)無機充填剤を、(A)お
    よび(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜1
    00重量部含有する請求項1〜7のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物からなるOA機器、電気・電子機器または家
    庭電化機器のハウジングまたは部分品である射出成形
    品。
JP22885898A 1998-08-13 1998-08-13 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 Expired - Fee Related JP4022324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22885898A JP4022324B2 (ja) 1998-08-13 1998-08-13 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22885898A JP4022324B2 (ja) 1998-08-13 1998-08-13 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000063651A true JP2000063651A (ja) 2000-02-29
JP4022324B2 JP4022324B2 (ja) 2007-12-19

Family

ID=16882995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22885898A Expired - Fee Related JP4022324B2 (ja) 1998-08-13 1998-08-13 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4022324B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001270981A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Idemitsu Petrochem Co Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP2005526154A (ja) * 2002-03-19 2005-09-02 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 樹脂組成物、その製造方法並びに該組成物から製造された物品
KR100558824B1 (ko) 2003-06-18 2006-03-10 캐논 가부시끼가이샤 카트리지 및 토너 용기
WO2006067948A1 (ja) * 2004-12-21 2006-06-29 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体
JP2006291081A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形体
JP2006312670A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Sumitomo Dow Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2006316100A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Sumitomo Dow Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2009007505A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Sumitomo Dow Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2013501103A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ 難燃性強化ポリカーボネート組成物
JP2013537255A (ja) * 2010-09-17 2013-09-30 エルジー・ハウシス・リミテッド 低複屈折性高分子ブレンドを含む射出用樹脂組成物及びこれを用いて製造された前面パネル

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001270981A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Idemitsu Petrochem Co Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP2005526154A (ja) * 2002-03-19 2005-09-02 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 樹脂組成物、その製造方法並びに該組成物から製造された物品
US7091267B2 (en) 2002-03-19 2006-08-15 General Electric Company Resinous compositions, method of manufacture thereof and articles fabricated from the composition
KR100558824B1 (ko) 2003-06-18 2006-03-10 캐논 가부시끼가이샤 카트리지 및 토너 용기
WO2006067948A1 (ja) * 2004-12-21 2006-06-29 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体
JP2006176569A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Idemitsu Kosan Co Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体
US8299150B2 (en) 2004-12-21 2012-10-30 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Aromatic polycarbonate resin composition and molding thereof
JP4599211B2 (ja) * 2005-04-13 2010-12-15 出光興産株式会社 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形体
JP2006291081A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形体
JP2006312670A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Sumitomo Dow Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2006316100A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Sumitomo Dow Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2009007505A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Sumitomo Dow Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2013501103A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ 難燃性強化ポリカーボネート組成物
US8552096B2 (en) 2009-07-31 2013-10-08 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Flame-retardant reinforced polycarbonate compositions
KR101750422B1 (ko) * 2009-07-31 2017-06-23 사빅 글로벌 테크놀러지스 비.브이. 난연성 강화 폴리카보네이트 조성물
JP2013537255A (ja) * 2010-09-17 2013-09-30 エルジー・ハウシス・リミテッド 低複屈折性高分子ブレンドを含む射出用樹脂組成物及びこれを用いて製造された前面パネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP4022324B2 (ja) 2007-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3461125B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びブロー成形品
JP3432426B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および射出成形品
JP3432434B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
EP0990679B1 (en) Thermoplastic resin compositons and their injection moldings
JP3662424B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および射出成形品
JP3662420B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および射出成形品
JP4772940B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP4778601B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP4022324B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品
JP2004027113A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JPH08239565A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2001055500A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP3638806B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP4018822B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP3638800B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法
JP3688905B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び射出成形品
JP3983388B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および射出成形品
JP4263276B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP3649611B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP3637224B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP4156099B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び射出成形品
JP4050413B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP2000186193A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物および射出成形品
JP4316033B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法
JP4233664B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071001

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131005

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees