JPH08337720A - 熱可塑性耐熱樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性耐熱樹脂組成物

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JPH08337720A
JPH08337720A JP7176892A JP17689295A JPH08337720A JP H08337720 A JPH08337720 A JP H08337720A JP 7176892 A JP7176892 A JP 7176892A JP 17689295 A JP17689295 A JP 17689295A JP H08337720 A JPH08337720 A JP H08337720A
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征希 前田
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Osamu Aoki
修 青木
Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高剛性にして高耐熱性であり、成形時発生す
るバリが著しく減少し、成形加工性、耐衝撃性、摺動性
に優れた熱可塑性耐熱樹脂組成物を得る。 【構成】 (a)ポリアリーレンスルフィド樹脂40〜
99重量%および(b)ノルボルネン系樹脂60〜1重
量%〔ただし、(a)+(b)=100重量%〕の合計
量100重量部に対し、(c)特定の官能基含有共重合
体0.1〜30重量部、さらに必要に応じて(d)特定
の添加剤0.01〜400重量部を配合してなる熱可塑
性耐熱樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高剛性にして高耐熱性
であり、成形時に発生するバリが著しく減少し、成形加
工性、耐衝撃性、さらには特定用途で必要な摺動性に優
れた熱可塑性耐熱樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐熱
性、耐薬品性、電気的特性、機械的特性、寸法安定性な
どに優れた熱可塑性樹脂であるため、精密部品用材料や
電気・電子部品の封止材料として用いられている。しか
しながら、この樹脂は、高結晶性ポリマーであるため、
融点を超える温度域において著しく高い流動性を示す。
このため、射出成形時に流動性の制御が困難となり、成
形品にバリが発生し、精密成形品の歩留まりを著しく低
下させるという問題がある。従来、ポリアリーレンスル
フィド樹脂に、他の熱可塑性樹脂を配合して成形加工性
を改良する試みが知られているが(特公昭53−134
69号公報、特開平2−180945号公報、特開平3
−281564号公報、特開平6−306287号公
報)、成形時のバリの発生が実用上問題にならない程度
まで抑えることができない。
【0003】また、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、
耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックであるこ
とから、ギア、軸受け、カムといった機構部品に使用さ
れている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィド樹
脂は、それ自体、自己潤滑性に乏しく、摺動部品として
用いるには、潤滑性を付与しなければならない。ポリア
リーレンスルフィド樹脂に潤滑性を付与する方法として
は、4フッ化エチレン樹脂を添加する方法(特公平5−
72936号公報)、超高分子量ポリエチルと鉱油を併
用する方法(特開昭61−285256号公報)、4フ
ッ化エチレン樹脂と無機ウィスカーを併用する方法(特
公平5−45626号公報、特開平4−7360号公
報、特開平5−140452号公報、特開平5−306
371号公報)などが知られている。しかしながら、こ
れらの潤滑性を付与する方法では、成形時に発生するバ
リのため、成形後、バリ取りなどの後加工が必要とな
り、さらには摺動性を保持するために、精密な面出しな
どが加わり、著しく生産性を低下させるという問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたものであり、ポリアリーレン
スルフィド樹脂の物性(高剛性、高耐熱性)を維持しな
がら、成形時のバリを著しく減少させ、成形加工性、耐
衝撃性、さらには摺動性に優れた熱可塑性耐熱樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ポリア
リーレンスルフィド樹脂40〜99重量%および(b)
ノルボルネン系樹脂60〜1重量%〔ただし、(a)+
(b)=100重量%〕の合計量100重量部に対し、
(c)オレフィン単位と、カルボキシル基、酸無水物
基、オキサゾリン基およびエポキシ基の群から選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物単位を主
体とする直鎖型の官能基含有共重合体0.1〜30重量
部を配合してなる、熱可塑性耐熱樹脂組成物を提供する
ものである。
【0006】また、本発明は、上記(a)〜(b)成分
100重量部に対し、上記(c)成分0.1〜30重量
部および(d)下記〜の群から選ばれた少なくとも
1種の添加剤0.01〜400重量部を配合してなる、
熱可塑性耐熱樹脂組成物を提供するものである。 無機繊維 有機繊維 無機ウィスカー フルオロカーボン重合体 ポリマー粉末 無機粉末 VIA族金属の硫化物 潤滑油
【0007】(a)成分;(a)ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂は、主とする構成単位が一般式;−Ar−S−
(式中、Arは2価の芳香族基を示し、Sはイオウ原子
である)で表される重合体である。このポリアリーレン
基を構成する2価の芳香族基としては、p−フェニレン
基、m−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、4,
4′−ビフェニレン基、p,p′−ビベンジル基、およ
びこれらの各置換基などが代表例として挙げられる。こ
れらのうちでは、核無置換基のp−フェニレン基を有す
るポリ−p−フェニレンスルフィド(PPS)が、成形
加工性の点で好ましい。
【0008】本発明において、(a)ポリアリーレンス
ルフィド樹脂は、上記構成単位を1分子中に少なくとも
70モル%以上含有していることが必要である。この構
成単位が70モル%未満では、得られるポリアリーレン
スルフィド樹脂の結晶性が低下したり、ガラス転移温度
が低かったり、成形品の物性が悪いなど、好ましくない
結果を生じる。また、本発明において、(a)ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂は、1分子中に30モル%未満で
あれば、3価以上の結合手を有する芳香族基、例えば
1,2,4−結合フェニレン核や、脂肪族基、ヘテロ原
子含有基などを含んでいても差し支えない。さらに、
(a)ポリアリーレンスルフィド樹脂の末端基は特に限
定されるものではないが、好ましくはチオール基(SH
基)が80モル%以上含有されていることが望ましい。
さらに、(a)ポリアリーレンスルフィド樹脂として
は、直鎖型のもの、未架橋型のもの、および架橋型のも
のを、それぞれ単独に、あるいは目的に応じて混合して
用いることも可能である。
【0009】さらに、(a)ポリアリーレンスルフィド
樹脂として、変性ポリアリーレンスルフィド樹脂、また
は変性ポリアリーレンスルフィド樹脂とポリアリーレン
スルフィド樹脂の混合物を用いることもできる。この変
性ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、エポキシ
基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾ
リン基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル
基、イソシアナート基、メルカプト基などの官能基で変
性された樹脂を使用することができるが、特にエポキシ
基変性ポリアリーレンスルフィド樹脂およびアミノ基変
性ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましい。これらの
官能基は、(b)ノルボルネン系樹脂中のエステルと反
応してポリアリーレンスルフィド樹脂とノルボルネン系
樹脂のブロック共重合体を形成することにより、両者の
相溶性が高まり、得られる樹脂組成物の物性を向上させ
るとともに、ポリアリーレンスルフィド樹脂の欠点であ
る物性、成形加工性の異方性を小さくすることができ
る。
【0010】上記(a)ポリアリーレンスルフィド樹脂
を製造する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合物と
ジオール芳香族化合物との縮合反応、またはモノハロゲ
ン化芳香族チオールの縮合反応、あるいはジハロゲン化
合物と硫化アルカリあるいは水硫化アルカリとアルカリ
または硫化水素とアルカリ化合物とからの脱塩縮合反応
を利用する方法などが例示されるが、これに限定される
ものではない。なお、本発明において、(a)ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂の粘度は、通常、温度300℃、
歪速度1,000sec-1において、100〜4,00
0poiseである。
【0011】(a)ポリアリーレンスルフィド樹脂の使
用量は、(a)成分および(b)成分の合計中に40〜
99重量%、好ましくは50〜90重量%である。40
重量%未満では、樹脂組成物の耐熱性が低下し、一方9
9重量%を超えると、バリの発生が著しく、好ましくな
い。
【0012】(b)成分;本発明の(b)ノルボルネン
系樹脂としては、下記一般式(I)で表される特定単量
体から誘導される重合体であって、具体的には下記〜
が含まれる。 特定単量体の開環重合体 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体 前記開環(共)重合体の水素添加重合体 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重
合体
【0013】
【化1】
【0014】〔一般式(I)中、R1 〜R4 は、それぞ
れ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素
基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一
または異なっていてもよい。R1 とR2 またはR3 とR
4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
1 またはR2 とR3 またはR4 とは互いに結合して、
単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正
の整数であり、pは0または正の整数である。〕
【0015】上記一般式(I)で表される特定単量体の
具体例としては、テトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−
エチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−
3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5 .17,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.
4.0.12,5 .19,12.03,13〕−3−ペンタデセ
ン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13〕−4−ペンタデセン、ヘキサシクロ〔6.6.
1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14〕−4−ヘプタ
デセン、ヘプタシクロ〔8.7.0.12,9 .14,7
11,17 .03,8 .012,16 〕−5−エイコセン、オク
タシクロ〔8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .1
13,16 .03,8 .012,17 〕−5−ドコセン、5−カル
ボキシメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エ
ン、5−メチル−5−カルボキシメチルビシクロ〔2.
2.1〕ヘプト−2−エン、
【0016】5−シアノビシクロ〔2.2.1〕ヘプト
−2−エン、8−カルボキシメチルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−カルボ
キシエチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−3−ドデセン、8−カルボキシn−プロピル
テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ド
デセン、8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−
カルボキシn−ブチルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−3−ドデセン、
【0017】8−メチル−8−カルボキシメチルテトラ
シクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−カルボキシエチルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−
メチル−8−カルボキシn−プロピルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−
メチル−8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−
メチル−8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17 ,10 〕−3−ドデセン、ペンタシ
クロ〔7.4.0.12,5 .19,12.08,13〕−3−ペ
ンタデセンなどを挙げることができる。
【0018】これらのうち、得られる重合体の耐熱性の
面から、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシク
ロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8
−エチリデンテトロラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、ペンタシク
ロ〔7.4.0.12,5 .19,12.08,13〕−3−ペン
タデセンが好ましく、さらに(a)成分との相溶性の面
から、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセンが最も
好ましい。上記の特定単量体は、必ずしも単独で用いる
必要はなく、2種以上を用いて開環共重合反応を行うこ
ともできる。
【0019】(b)ノルボルネン系樹脂は、上記の特定
単量体を単独で開環重合させたものであっても良いが、
該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させた共
重合体であっても良い。この場合に使用される共重合性
単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプト−2−エン、トリシクロ〔5.2.1.
2,6 〕−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを
挙げることができる。さらに、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−
非共役ジエン重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭
素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーな
どの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。そし
て、この場合に得られる開環共重合体の水素添加物は、
耐衝撃性の大きいノルボルネン系樹脂の原料として有用
である。
【0020】さらに、飽和共重合体よりなる(b)ノル
ボルネン系樹脂を得るために、前記特定単量体と共に使
用される不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエ
チレン、プロピレン、ブテンなどを挙げることができ
る。
【0021】本発明において、特定単量体の開環重合
体、特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体、
および開環(共)重合体の水素添加重合体を得るため
の開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われ
る。
【0022】開環重合反応において用いられる溶媒(分
子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/ま
たはメタセシス触媒の溶媒)としては、アルカン類、シ
クロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、ハロゲン化
アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、飽和カル
ボン酸エステル類、エーテル類などを挙げることがで
き、これらは単独であるいは混合して用いることができ
る。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の
使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、
通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは
1:1〜5:1となる量とされる。
【0023】(b)ノルボルネン系樹脂の分子量の調節
は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行う
ことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反
応系に共存させることにより調節する。ここに、好適な
分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−
オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これ
らのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混
合して用いることができる。分子量調節剤の使用量とし
ては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対し
て0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.
5モルとされる。本発明で用いられる(b)ノルボルネ
ン系樹脂の分子量は、固有粘度ηinh で0.2〜5.0
の範囲のものが好適である。
【0024】以上のようにして得られる開環重合体は、
水素添加触媒を用いて水素添加することができる。水素
添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に
水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ま
しくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ま
しくは20〜180℃で作用させることによって行われ
る。水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物
の水素添加反応に用いられるものを使用することができ
る。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均
一系触媒が挙げられる。
【0025】不均一系触媒としては、パラジウム、白
金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒
物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの
担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。ま
た、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチ
ルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボ
ニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジ
クロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉
末でも粒状でもよい。
【0026】これらの水素添加触媒は、開環重合体:水
素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:2とな
る割合で使用される。このように、水素添加することに
より得られる水素添加重合体は、優れた熱安定性を有す
るものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱
によっても、その特性が劣化することはない。ここに、
水素添加率は、通常、50%以上、好ましく70%以
上、さらに好ましくは90%以上である。また、本発明
において、熱可塑性樹脂として使用される水素添加重合
体は、成形品の外観を良くするという面から、該水素添
加重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下である
ことが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に
好ましい。
【0027】(b)ノルボルネン系樹脂の使用量は、
(a)〜(b)成分中に60〜1重量%、好ましくは5
0〜10重量%である。60重量%を超えると、耐熱性
が低下し、一方1重量%未満では、バリの発生が著し
く、好ましくない。
【0028】(c)成分;(c)官能基含有共重合体
は、オレフィン単位と、カルボキシル基、酸無水物基、
オキサゾリン基およびエポキシ基の群から選ばれた少な
くとも1種の官能基を有する不飽和化合物単位を主体と
する直鎖型の官能基含有共重合体であって、特開平6−
306287号公報第5頁第7欄第29行〜第5頁8欄
第44行で開示されているような多相構造(グラフト構
造)を有する重合体は、相溶性が低下するため好ましく
ない。この(c)成分は、ブロック共重合体またはラン
ダム共重合体である。
【0029】ここで、(c)官能基含有共重合体として
は、例えばオレフィンと上記官能基を有する不飽和化合
物および必要に応じて他の不飽和化合物との、二元、三
元または多元の共重合体である。(c)官能基含有共重
合体中のオレフィンとしては、エチレン、プロピレンが
好ましく、特に好ましくはエチレンである。また、カル
ボキシル基含有不飽和化合物としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸など、酸無水物基含有不飽和化合
物としては無水マレイン酸、無水イタコン酸など、オキ
サゾリン基含有不飽和化合物としてはビニルオキサゾリ
ンなど、エポキシ基含有不飽和化合物としてはグリシジ
ルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙
げられる。好ましい官能基は、エポキシ基、酸無水物基
である。
【0030】(c)官能基含有共重合体中、オレフィン
量は、通常、60〜99.5重量%、官能基含有不飽和
化合物量は、通常、40〜0.5重量%、他の不飽和化
合物量は、通常、0〜39.5重量%である。(c)成
分を製造する方法としては、一般に良く知られている連
鎖移動法、電0性放射線照射法など、いずれの方法によ
ってもよいが、最も好ましい方法は、特開昭64−48
856号公報第9頁左下欄第1行〜第10頁左上欄第9
行に記載の方法である。
【0031】(c)成分の使用量は、(a)〜(b)成
分の合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、
好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは3〜10重
量部である。0.1重量部未満では、耐衝撃性が低下
し、バリの面積も大きくなり、一方30重量部を超える
と、耐熱性が低下する。
【0032】(d)添加剤;(d)添加剤は、本発明の
組成物において、摺動性を与え、また機械的強度や耐熱
性、流動性などを向上させるために、必要に応じて配合
される。(d)添加剤について、以下上記〜の順で
説明する。
【0033】無機繊維 本発明で使用される無機繊維としては、ガラス繊維、
アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、セラミックス繊維、ア
スベスト繊維、セッコウ繊維、金属繊維、炭素繊維など
が挙げられる。ここで、得られる樹脂組成物の剛性を高
くするためには、無機繊維のアスペクト比(平均長L/
平均径D)を20〜500とすることが好ましい。アス
ペクト比が20未満では、異方性は小さくなるが、剛性
は高くならず、一方500を超えると、剛性は高くなる
が、異方性が大きくなって実用的ではない。なお、異方
性を改良するためには、繊維状充填剤のアスペクト比
は、20未満、好ましくは10以下である。また、無機
繊維の平均径は、好ましくは0.1〜250μmであ
り、0.1μm未満では剛性は高くならず、一方250
μmを超えると、耐衝撃性と外観が悪化する。
【0034】無機繊維の使用量は、(a)〜(b)成分
100重量部に対し、0.01〜400重量部、好まし
くは1〜100重量部、さらに好ましくは40〜70重
量部である。この範囲の使用量であれば、補強効果が大
きく、充分な摺動特性や機械的強度が得られる。この無
機繊維は、1種単独で使用することも、あるいは2種以
上を混合して用いることもできる。
【0035】有機繊維 本発明で使用される有機繊維としては、ポリアミド繊
維、全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリエ
ステル繊維、セルロース繊維などが挙げられる。この有
機繊維のうち、耐熱性が良好な全芳香族ポリアミド繊維
が好ましく、特に母材の補強効果が大きいポリフェニレ
ンテレフタルアミド繊維が好ましい。有機繊維の繊維長
は、好ましくは0.1〜30mm、さらに好ましくは3
〜15mmである。
【0036】有機繊維の使用量は、(a)〜(b)成分
100重量部に対し、0.01〜400重量部、好まし
くは10〜50重量部、さらに好ましくは20〜40重
量部である。この範囲の使用量であれば、補強効果が大
きく、充分な摺動特性や機械的強度が得られる。特に、
相手材がアルミニウム合金やポリアセタールなどの比較
的軟質な材料の場合、相手材摩耗量を著しく低減させる
ことができる。有機繊維は、1種単独で使用すること
も、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0037】無機ウィスカー 本発明で使用される無機ウィスカーとしては、チタン酸
カリウムウィスカー、シリコーンカーバイトウィスカ
ー、カーボングラファイトウィスカー、シリコンナイト
ライドウィスカー、α−アルミナウィスカー、酸化亜鉛
ウィスカーなどが挙げられる。この無機ウィスカーに
は、針状、テトラポッド状などが存在するが、寸法精度
の向上効果や相手材摩耗量の低減が著しいテトラポッド
状の酸化亜鉛ウィスカーが好ましい。
【0038】無機ウィスカーの使用量は、(a)〜
(b)成分100重量部に対し、0.01〜400重量
部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは
20〜50重量部である。この範囲の使用量であれば、
寸法精度、表面平滑性に優れ、充分な摺動特性や機械的
強度が得られる。特に、高速、高荷重で使用される用途
に必要な耐荷重性を著しく向上させることができる。無
機ウィスカーは、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
【0039】フルオロカーボン重合体 本発明で使用されるフルオロカーボン重合体としては、
ポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」ともい
う)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン/エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、クロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合
体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオラ
イドなどが挙げられる。このフルオロカーボン重合体
は、粒子状、針状などが存在するが、樹脂組成物中の分
散が良好な粒子状のものが好ましい。
【0040】フルオロカーボン重合体の分子量は、好ま
しくは100万以下、さらに好ましくは30万以下であ
る。粒子状のフルオロカーボン重合体の平均粒径は、好
ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以
下である。また、繊維状のフルオロカーボン重合体の繊
維径は、好ましくは2〜800μm、さらに好ましくは
10〜300μm、繊維長は、0.01〜100μm、
さらに好ましくは1〜20μmであるフルオロカーボン
重合体の使用量は、(a)〜(b)成分100重量部に
対し、0.01〜400重量部、好ましくは5〜50重
量部、さらに好ましくは10〜40重量部である。この
範囲の使用量であれば、摩擦係数の低下および耐荷重性
の向上に寄与し、しかも耐摩耗性および機械的強度が良
好である。フルオロカーボン重合体は、1種単独で使用
することも、あるいは2種以上を混合して用いることも
できる。
【0041】ポリマー粉末 本発明で使用されるポリマー粉末としては、粘度平均分
子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン粒子、ポ
リアリーレンチオエーテルケトン粒子、芳香族ポリエス
テル粒子などが挙げられる。ポリマー粉末の平均粒径
は、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは10
0〜200μmである。ポリマー粉末の使用量は、
(a)〜(b)成分100重量部に対し、0.01〜4
00重量部、好ましくは5〜25重量部、さらに好まし
くは5〜20重量部である。この範囲の使用量であれ
ば、摩擦係数および摩耗量の低減、ならびに耐荷重性の
向上に寄与し、しかも耐熱性や機械的強度が良好であ
る。ポリマー粉末は、1種単独で使用することも、ある
いは2種以上を混合して用いることもできる。
【0042】無機粉末 本発明で使用される無機粉末としては、アスペクト比が
1である粒子状のものと、アスペクト比が1を超えるリ
ン片状のものが挙げられる。粒子状の無機粉末として
は、ガラス粒子、セラミックス粒子、カーボン粒子など
が挙げられる。これらの粒子状の無機粉末の平均粒径
は、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは20
0μm以下である。また、リン片状の無機粉末として
は、マイカ、ガラスリン片などが挙げられる。これらの
リン片状の無機粉末の平均粒径は、好ましくは300μ
m以下、さらに好ましくは150μm以下である。
【0043】無機粉末の使用量は、(a)〜(b)成分
100重量部に対し、0.01〜400重量部、好まし
くは1〜30重量部、さらに好ましくは10〜15重量
部である。この範囲の使用量であれば、摩擦係数の低
下、ならびに耐荷重性の向上に寄与し、しかも耐熱性や
機械的強度が良好である。また、導電性の付与を目的と
し、この無機粉末に無電解メッキ法または真空蒸着法な
どにより、メッキされたものも使用することができる。
無機粉末は、1種単独で使用することも、あるいは2種
以上を混合して用いることもできる。
【0044】VIA族金属の硫化物 本発明で使用されるVIA族金属の硫化物としては、ク
ロム、モリブデン、タングステンの硫化物が挙げられ、
好ましくはモリブデンの硫化物であり、特に好ましくは
2硫化モリブデンである。VIA族金属の硫化物は、粒
子状のものが好ましく、その平均粒径は、好ましくは
0.1〜40μm、さらに好ましくは0.5〜20μm
である。VIA金属の硫化物の使用量は、(a)〜
(b)成分100重量部に対し、0.01〜400重量
部、好ましくは3〜50重量部、さらに好ましくは5〜
40重量部である。この範囲の使用量であれば、良好な
滑り性能が発現でき、特に摩擦係数を著しく低下させる
ことができる。VIA族金属の硫化物は、1種単独で使
用することも、あるいは2種以上を混合して用いること
もできる。
【0045】潤滑油 本発明で使用される潤滑油としては、常温で、液状であ
る潤滑油と、固体であるワックスとが挙げられる。常温
で液状である潤滑油としては、シリコン油、芳香族オイ
ル、フッ素油、硬油などが挙げられる。また、常温で固
体である潤滑油としては、ポリエチレンワックス、エチ
レンビスステアロアマイド、脂肪族の金属塩などが挙げ
られる。潤滑油の使用量は、(a)〜(b)成分100
重量部に対し、0.01〜400重量部、好ましくは
0.01〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量
部である。この範囲の使用量であれば、摩擦係数、相手
材摩耗量、摩耗量の低減に寄与し、しかも機械的強度が
良好である。潤滑油は、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0046】以上の(d)成分は、1種単独で使用する
ことも、あるいは2種以上を混合して用いることもでき
る。(d)成分の使用量は、(a)〜(b)成分の合計
量100重量部に対し、0.01〜400重量部、好ま
しくは0.05〜300重量部である。0.01重量部
未満では、充分な潤滑性が得られず、一方400重量部
を超えると、成形加工性、耐衝撃性が低下する。
【0047】本発明の樹脂組成物には、そのほか必要に
応じて他の熱可塑性樹脂またはエラストマーを、本発明
の樹脂組成物100重量部に対し、50重量部以下程度
加えることができる。この他の熱可塑性樹脂またはエラ
ストマーとしては、具体的にはスチレン系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチ
レン−ブタジエン(ブロック、ランダム)共重合体の水
素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水
素添加物、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴムな
0を挙げることができる。
【0048】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて難燃剤が配合される。この難燃剤としては、ハロゲ
ン系難燃剤、リン系難燃剤、金属酸化物や無機系難燃剤
などが挙げられる。このうち、ハロゲン系難燃剤として
は、臭化アンモニウム、テトラブロモビスフェノール
A、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼ
ン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ブロモエチル
エーテル)テトラブロモビスフェノールA、臭化ポリカ
ーボネート、臭素化ポリスチレンなどの臭素系難燃剤
や、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、有機塩素
系難燃剤(ヘット酸、デクロランプラス、四塩化無水フ
タル酸)などが挙げられる。これらのハロゲン系難燃剤
には、Sb2 3 を併用すると難燃効果が上がる。
【0049】リン系難燃剤としては、非ハロゲンリン酸
エステル(トリフェニルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート)、含ハロゲンリン酸エステル〔トリ
ス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−
ジブロモプロピル)ホスフェート〕などが挙げられる。
金属酸化物および無機系難燃剤としては、酸化アンチモ
ン、アンチモン酸ソーダ、フレームカットA−1、ファ
イヤーDT、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
【0050】以上の難燃剤は、1種単独であるいは2種
以上を併用することができる。難燃剤の使用割合は、
(a)〜(b)成分の合計100重量部に対し、好まし
くは1〜40重量部、さらに好ましくは2〜30重量
部、特に好ましくは2〜20重量部であり、1重量部未
満では、難燃性を良くすることができない場合があり、
一方40重量部を超えると、耐熱性、剛性が低下する場
合がある。
【0051】さらに、本発明の樹脂組成物には、酸化防
止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−
ジメチルフェノール、2,2−メチレン−ビス(4−エ
チル−6−t−ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニ
ルフェニルホスファイト);紫外線吸収剤、例えばp−
ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ
−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−(2′−ジヒド
ロキシ−4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、「TINUVIN320」(チガガイギー社
製)、「TINUVIN329」(チバガイギー社
製)、「TINUVIN622LD」(チバガイギー社
製)、「CHIMASSORB119FL」(チバガイ
ギー社製);滑剤、例えばパラフィンワックス、ステア
リン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステア
ロアミド、m−ブチルステアレート、ケトンワックス、
オクチルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリ
セリドなどを必要量添加してもよい。
【0052】さらに、本発明の樹脂組成物には、結晶核
剤を添加してもよい。この結晶核剤としては、無機物、
有機物いずれも使用することができる。無機物として
は、亜鉛粉末、アルミニウム粉末、グラファイト、カー
ボンブラックなどの単体や、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、アルミナ、二酸化チタン、二酸化マンガン、二酸化
ケイ素、四三酸化鉄などの金属酸化物、ボロンナイトラ
イドなどの窒化物、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムなどの無機塩、タ
ルク、カオリン、クレー、白土などの粘土類を使用する
ことができる。
【0053】また、有機物としては、シュウ酸カルシウ
ム、シュウ酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、フタル
酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウムなどの有機塩類、耐熱性の高分子、耐熱性高分子
の架橋物などを使用することができる。これらの結晶核
剤のうち、好ましくはボロンナイトライド;タルク、カ
オリン、クレー、白土などの粘土類;架橋または分岐構
造を有する耐熱性高分子などである。
【0054】なお、上記結晶核剤中には、上記(d)添
加剤と重複するものもあるが、これらの物質は、両機能
を果たすことができる。結晶核剤の使用量は、(a)ポ
リアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対し、好ま
しくは0.002〜5重量部、さらに好ましくは0.0
2〜2重量部であり、0.002重量部未満では結晶化
速度の増大効果が充分でない場合があり、一方5重量部
を超えるとビカット軟化温度や曲げ弾性率を下げる場合
があり好ましくない。上記結晶核剤は、(a)ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂の結晶化速度を制御できるので、
射出成形で金型内に樹脂組成物が入った時点で結晶化を
終了させることにより、バリの形成を少なくすることが
できる。また、結晶核剤は、低分子化合物であるため、
可塑剤としての効果もあり、溶融状態における本発明の
樹脂組成物の流動性や成形加工性を改良することができ
る。
【0055】本発明の樹脂組成物は、単軸押出機、多軸
押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロ
ールなどの混合機を用い、(a)〜(c)成分、必要に
応じてさらに(d)成分や、難燃剤、その他の添加剤を
混合することによって得られる。本発明の樹脂組成物の
製造方法の例を示すと、ミキサーで各成分を混合したの
ち、押出機を用い、240〜360℃で溶融混練りして
造粒物を得る方法、さらに簡便な方法としては、各成分
を直接、成形機内で溶融混練りしてペレットを得る方法
などが挙げられる。また、二軸押出機を用いて樹脂成分
を混練りしたのち、充填剤を後添加してペレットを作製
する方法がある。
【0056】かくして得られる本発明の樹脂組成物は、
特に耐熱性に優れ、ビカット軟化温度が180〜330
℃、好ましくは210〜300℃である。ビカット軟化
温度が180℃未満では、耐熱性、剛性が低く、一方3
30℃を超える場合は、成形加工性、特に流動性が悪く
なる。ここで、本発明の樹脂組成物のビカット軟化温度
を調整するには、(a)ポリアリーレンスルフィド樹脂
と(b)ノルボルネン系樹脂の比率を変えたり、相溶化
剤である(c)成分、(d)添加剤、または他の熱可塑
性樹脂もしくはエラストマーなどの配合量を変量すれば
よい。
【0057】本発明の樹脂組成物は、種々の公知の成形
加工法、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、
ブロー成形法などの公知の成形手段を適用して成形品と
される。本発明の樹脂組成物は、OA機器、自動車部品
などの耐熱性と摺動性が併せて要求される部品に使用す
ることができる。例えば、軸受けブッシュ、ピストンリ
ング、スラストワッシャー、滑り板、ベアリング、カ
ム、ローラ、転がり軸受けのリテイナー、あるいは歯
車、ギャップ保持コロ、テープガイドなどが挙げられ
る。
【0058】本発明の好ましい実施態様は、次のとおり
である。 (a)ポリアリーレンスルフィド樹脂がポリ−p−フ
ェニレンスルフィドである、熱可塑性耐熱樹脂組成物。 (b)ノルボルネン系樹脂を構成する特定単量体が8
−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセンである、熱可
塑性耐熱樹脂組成物。 (c)官能基含有共重合体がエチレン−エポキシ基含
有不飽和化合物および/または酸無水物基含有不飽和化
合物共重合体、さらに好ましくはエチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体である、熱可塑性耐熱樹脂組成
物。 (d)添加剤が、摺動性の付与を目的とする無機およ
び/または有機化合物である、熱可塑性耐熱樹脂組成
物。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
いかぎり重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。
【0060】固有粘度(ηinh ) 溶媒にクロロホルムを使用し、0.5g/dlの重合体
濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定し
た。水素添加率 水素添加単独重合体の場合には、60MHz、 1H−N
MRで測定した。耐熱性(ビカット軟化温度 ) JIS K7206に準じ、1/8″の厚みの試験片を
用いて、荷重1kgf、昇温速度50℃/時間で測定し
た。成形加工性(MFR ) JIS K7210に準じて、316℃×5kgfの条
件下でメルトフローレート(MFR)を測定した。
【0061】バリの面積 長さ5″×幅1/2″×厚さ1/32″の矩形状金型を
用いて、下記の条件で成形した試験片のゲートと反対側
にある樹脂溜まりに試料がほぼ充填される圧力を試行錯
誤で求め、その圧力下で成形した試験片のバリ(金型の
成形品からはみ出した部分)の面積を測定した。なお、
バリの面積が0.03cm2 以下のとき、実用上、問題
のないレベルになる。
【0062】成形条件; 射出成形機=ARBURG社製、オールラウンダーハイ
ドロニカD シリンダー温度=315℃ 金型温度=150℃ 保圧時間=5秒 冷却時間=8〜22秒 クッション量=3〜5mm サイクル時間=約19秒 射出圧力=試料により異なる。
【0063】耐衝撃性(アイゾット衝撃強度) 試験片(1/4″×1/2″×5/2″、ノッチなし)
を用いて、ASTMD790に準じて、アイゾットイン
パクト(Izod Imp)を測定した。
【0064】摩擦摩耗試験 摩擦摩耗試験は、通常の摩擦摩耗試験機を用い、相手材
には円筒状の硬鋼(S45C)を用い、無潤滑の状態で
試験を行った。この場合、摩擦速度(V)を20m/分
に固定して、面圧(P)を10分ごとに変化させて試験
を行った。動摩擦係数は、各PV値での摩擦力をトルク
レバーに直結したロードセルで検出、測定し求めた。限
界PV値は、面圧の制御が不可能となったときをもって
判定した。摩耗量の速度は、PV値が1,200kg/
cm2 ・m/分まで運転し、試験前後の重量差(mg)
を求め、その重量差を累計のPV値×時間で除した値、
すなわち定常摩耗量(mg/kg/cm2 ・m/分・h
r)を求めた。
【0065】参考例 樹脂組成物を製造するに際し、各成分を調製した。(a)成分 直鎖型ポリフェニレンスルフィド(PPS);(株)ト
ープレン製、LN−1を使用した。(b)成分 チッ素ガスで置換した反応容器内に、8−メチル−8−
メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5 .17,10〕−3−ドデセンを400g、トルエン
1,200g、分子量調節剤である1−ヘキセン65
g、触媒としてジクロロフェニルホスホン酸とメタノー
ルで変性した六塩化タングステンの濃度0.05モル/
リットルのトルエン溶液1.5g、トリエチルアルミニ
ウムの濃度1.15モル/リットルのトルエン溶液0.
4gとを加え、80℃で3時間反応させることにより、
固有粘度ηinh が0.43dl/g(クロロホルム中、
30℃、濃度0.5g/dl)の開環重合体溶液(濃度
=25%)を得た。
【0066】この開環重合体溶液1,600gに、水素
添加触媒としてクロロヒドロカルボニルトリストリフェ
ニルホスフィンルテニウム0.3gを添加し、オートク
レーブ内において、水素ガス圧100kg/cm2 、温
度165℃の条件下で4時間加熱することにより、水素
添加反応を行った。得られた反応液を冷却したのち、水
素ガスを放出し、水素添加重合体溶液を得た。得られた
水素添加重合体溶液1,600gとトルエン400gと
を、反応容器内に仕込み、乳酸2.84gと水4.6g
とを添加して、60℃で30分間攪拌し、次いでメタノ
ール1,040gを添加して、60℃でさらに1時間攪
拌した。
【0067】その後、反応容器を室温まで冷却し、貧溶
媒相(メタノール相)と良溶媒相(重合体含有相)とを
分離させ、貧溶媒のみを抜き出した。次いで、抜き出さ
れた貧溶媒の45%に相当するメタノールと、55%に
相当するトルエンとを、反応容器内に添加して60℃で
1時間攪拌した。再び、室温まで冷却して貧溶媒相と良
溶媒相とを分離させ、貧溶媒のみを抜き出した。このメ
タノールによる抽出操作をもう一度繰り返したのち、良
溶媒相を分離し、この良溶媒相から水添ノルボルネン系
樹脂(b)(水素添加率=100%)を得た。
【0068】(c)成分 (c−1);日本石油化学(株)製、レクスパールRA
3150(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体) (c−2);日本油脂(株)製、モディパーA4101
(エポキシ基含有ポリスチレングラフト構造体)
【0069】(d)成分 (d−1);ガラス繊維〔アスペクト比=230、旭フ
ァイバーグラス(株)製、CS03MA486A〕 (d−2);炭素繊維〔ドナカーボ S−231、大日
本インキ化学社製〕 (d−3);全芳香族ポリアミド繊維〔ケブラー49、
繊維長=3mm、東レデュポン社製〕 (d−4);チタン酸カリウムウィスカー〔ティスモD
−102、大塚化学社製〕 (d−5);酸化亜鉛ウィスカー〔パナテトラ、松下ア
ムテック社製〕
【0070】(d−6);ポリテトラフルオロエチレン
重合体〔ルブロンL−2、ダイキン工業社製〕 (d−7);高分子量ポリエチレン粉末〔Hostal
en GUR−415、ヘキスト社製〕 (d−8);黒鉛〔ACP−1000、日本黒鉛工業社
製〕 (d−9);二硫化モリブデン〔モリパウダーB、日本
黒鉛工業社製〕 (d−10);ジフェニルエーテル系オイル〔モレスコ
ハイループ LB−100、松村石油研究所製〕
【0071】実施例1〜17、比較例1〜5 表1〜4に示す配合処方で、40mmφ2軸押出機を用
いて310℃で溶融混練りしてペレット化した。得られ
たペレットを用いて、上記射出条件に従い、射出成形し
て評価用の試験片を得た。評価結果を表1〜4に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明の熱可塑性耐熱樹脂組成物は、ポ
リアリーレンスルフィド樹脂とノルボルネン系樹脂を必
須成分とし、これに特定の官能基含有共重合体と、さら
に必要に応じて特定の添加剤を配合した組成物であるた
め、高剛性にして高耐熱性であり、成形時に発生するバ
リが著しく減少し、成形加工性、耐衝撃性、さらには摺
動性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 45/00 LKB C08L 45/00 LKB 65/00 LNY 65/00 LNY (72)発明者 大月 敏敬 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリアリーレンスルフィド樹脂4
    0〜99重量%および(b)ノルボルネン系樹脂60〜
    1重量%〔ただし、(a)+(b)=100重量%〕の
    合計量100重量部に対し、(c)オレフィン単位と、
    カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基およびエ
    ポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有
    する不飽和化合物単位を主体とする直鎖型の官能基含有
    共重合体0.1〜30重量部を配合してなる、熱可塑性
    耐熱樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリアリーレンスルフィド樹脂4
    0〜99重量%および(b)ノルボルネン系樹脂60〜
    1重量%〔ただし、(a)+(b)=100重量%〕の
    合計量100重量部に対し、(c)オレフィン単位と、
    カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基およびエ
    ポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有
    する不飽和化合物単位を主体とする直鎖型の官能基含有
    共重合体0.1〜30重量部、ならびに(d)下記〜
    の群から選ばれた少なくとも1種の添加剤0.01〜
    400重量部を配合してなる、熱可塑性耐熱樹脂組成
    物。 無機繊維 有機繊維 無機ウィスカー フルオロカーボン重合体 ポリマー粉末 無機粉末 VIA族金属の硫化物 潤滑油
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