JPH08337543A - 2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級もしくは、第3級アルキル)トルエンの製造方法 - Google Patents
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級もしくは、第3級アルキル)トルエンの製造方法Info
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- JPH08337543A JPH08337543A JP7170297A JP17029795A JPH08337543A JP H08337543 A JPH08337543 A JP H08337543A JP 7170297 A JP7170297 A JP 7170297A JP 17029795 A JP17029795 A JP 17029795A JP H08337543 A JPH08337543 A JP H08337543A
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- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
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- B01J31/02—Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing organic compounds or metal hydrides
- B01J31/0215—Sulfur-containing compounds
- B01J31/0218—Sulfides
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/093—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
- C07C17/10—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of hydrogen atoms
- C07C17/12—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of hydrogen atoms in the ring of aromatic compounds
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 反応規模による制約を受けることなしに、高
収率で目的物の得られる製造方法を可能にする助触媒を
見いだす。 【構成】 化1の反応式中、式(II)の3,5−ジ(第
2級もしくは、第3級アルキル)トルエンの塩素化に際
して、ルイス酸と、助触媒として、式(III )の芳香族
硫黄化合物とを共存させる、式(I )の2,6−ジクロ
ロ−3,5−ジ(第2級もしくは、第3級アルキル)ト
ルエンの製造方法。(式中、R1、R2は、各々独立して、
第2級アルキルまたは、第3級アルキルを示す。Ar1 、
Ar2 は、各々独立して、無置換または、置換芳香環を示
す。n は、 1または、 2を示す) 【化1】
収率で目的物の得られる製造方法を可能にする助触媒を
見いだす。 【構成】 化1の反応式中、式(II)の3,5−ジ(第
2級もしくは、第3級アルキル)トルエンの塩素化に際
して、ルイス酸と、助触媒として、式(III )の芳香族
硫黄化合物とを共存させる、式(I )の2,6−ジクロ
ロ−3,5−ジ(第2級もしくは、第3級アルキル)ト
ルエンの製造方法。(式中、R1、R2は、各々独立して、
第2級アルキルまたは、第3級アルキルを示す。Ar1 、
Ar2 は、各々独立して、無置換または、置換芳香環を示
す。n は、 1または、 2を示す) 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬の製造中間
体として有用な化合物である2,6−ジクロロ−3,5
−ジ(第2級または、第3級アルキル)トルエンの製造
方法に関するものである。
体として有用な化合物である2,6−ジクロロ−3,5
−ジ(第2級または、第3級アルキル)トルエンの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明により製造できる2,6−ジクロ
ロ−3,5−ジ(第2級または、第3級アルキル)トル
エンは、殺虫性2,6−ジクロロベンズアミド誘導体
や、除草性2,6−ジクロロベンゾニトリルの製造中間
体である2,6−ジクロロトルエンに誘導できる有用な
化合物であることが知られている。特開平2-53743 号公
報には、3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエ
ンの塩素化に際して、塩化アルミニウムまたは、塩化第
2鉄と、硫黄とを共存させることにより、サルファモノ
クロリド、硫化亜鉛、硫化第2鉄または、硫化第2銅を
共存させる場合に比べて、2,6−ジクロロ−3,5−
ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエンを、収率よく得
られることが記載されている。さらに、特開平4-202148
号公報には、硫黄とルイス酸との使用割合の選択によ
り、収率の改善が記載されている。しかしながら、より
高い収率への強い要望があり、さらには、特開平2-5374
3号公報や、特開平4-202148号公報に記載されている硫
黄が反応混合物に難溶であることに由来する、反応操作
上の問題点が明らかになっている。他方、ウィリアム
デビット ワトソン氏は、フェノール類の塩素化に際し
て、ルイス酸と、硫黄化合物(フェニルスルフィドや、
フェニルジスルフィドを含む)とを共存させて、塩素化
剤を作用させることにより、パラ位選択性の高い塩素化
が可能であるとの提案を行っている(特開昭51-122031
号公報)。また、このウィリアム デビット ワトソン
氏は、上記提案に記載されたフェニルスルフィドの効果
について、Tetrahedron Lett., 1976, 2591-2594. に速
報を記載し、J. Org. Chem., 50, 2145-2148(1985). に
考察を含む報文を記載している。ワトソン氏の報文は、
フェノール類以外のモノ置換ベンゼン類の塩素化につい
ても記載しているが、『クロロベンゼン、トルエン、エ
チルベンゼンと、イソプロピルベンゼンを、塩化アルミ
ニウムとフェニルスルフィドとの存在下で塩素化すると
きに、スルフリルクロリドでも塩素でも、同じオルソ/
パラ比が得られる。』と記載するに留まっている。(J.
Org. Chem., 50, 2147, 右欄の段落 3)このため、
3,5−ジ(第2級または、第3級アルキル)トルエン
の塩素化時に、ルイス酸とフェニルスルフィドまたは、
フェニルジスルフィドとの共存効果について、具体的な
報告を見いだすことができない。
ロ−3,5−ジ(第2級または、第3級アルキル)トル
エンは、殺虫性2,6−ジクロロベンズアミド誘導体
や、除草性2,6−ジクロロベンゾニトリルの製造中間
体である2,6−ジクロロトルエンに誘導できる有用な
化合物であることが知られている。特開平2-53743 号公
報には、3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエ
ンの塩素化に際して、塩化アルミニウムまたは、塩化第
2鉄と、硫黄とを共存させることにより、サルファモノ
クロリド、硫化亜鉛、硫化第2鉄または、硫化第2銅を
共存させる場合に比べて、2,6−ジクロロ−3,5−
ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエンを、収率よく得
られることが記載されている。さらに、特開平4-202148
号公報には、硫黄とルイス酸との使用割合の選択によ
り、収率の改善が記載されている。しかしながら、より
高い収率への強い要望があり、さらには、特開平2-5374
3号公報や、特開平4-202148号公報に記載されている硫
黄が反応混合物に難溶であることに由来する、反応操作
上の問題点が明らかになっている。他方、ウィリアム
デビット ワトソン氏は、フェノール類の塩素化に際し
て、ルイス酸と、硫黄化合物(フェニルスルフィドや、
フェニルジスルフィドを含む)とを共存させて、塩素化
剤を作用させることにより、パラ位選択性の高い塩素化
が可能であるとの提案を行っている(特開昭51-122031
号公報)。また、このウィリアム デビット ワトソン
氏は、上記提案に記載されたフェニルスルフィドの効果
について、Tetrahedron Lett., 1976, 2591-2594. に速
報を記載し、J. Org. Chem., 50, 2145-2148(1985). に
考察を含む報文を記載している。ワトソン氏の報文は、
フェノール類以外のモノ置換ベンゼン類の塩素化につい
ても記載しているが、『クロロベンゼン、トルエン、エ
チルベンゼンと、イソプロピルベンゼンを、塩化アルミ
ニウムとフェニルスルフィドとの存在下で塩素化すると
きに、スルフリルクロリドでも塩素でも、同じオルソ/
パラ比が得られる。』と記載するに留まっている。(J.
Org. Chem., 50, 2147, 右欄の段落 3)このため、
3,5−ジ(第2級または、第3級アルキル)トルエン
の塩素化時に、ルイス酸とフェニルスルフィドまたは、
フェニルジスルフィドとの共存効果について、具体的な
報告を見いだすことができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、2,6
−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第3級アルキ
ル)トルエンの製造において、高収率で目的物を得るこ
とができる新たな助触媒を見いだすことを課題とした。
−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第3級アルキ
ル)トルエンの製造において、高収率で目的物を得るこ
とができる新たな助触媒を見いだすことを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、反応混合物に溶け合う性質の化合
物を、種々検討した結果、化2の式(III )の芳香族硫
黄化合物を、ルイス酸の助触媒として使用することによ
り、2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第
3級アルキル)トルエンが収率良く得られることを見い
だし本発明を完成するに至った。(Ar1 、Ar2 は、各々
独立して、無置換または、置換芳香環を示す。n は、 1
または、 2を示す)
的を達成するために、反応混合物に溶け合う性質の化合
物を、種々検討した結果、化2の式(III )の芳香族硫
黄化合物を、ルイス酸の助触媒として使用することによ
り、2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第
3級アルキル)トルエンが収率良く得られることを見い
だし本発明を完成するに至った。(Ar1 、Ar2 は、各々
独立して、無置換または、置換芳香環を示す。n は、 1
または、 2を示す)
【化2】
【0005】
【発明の構成】すなわち、本発明は次の構成上の特徴を
有する。本発明は、化3の反応式中、式(II)の3,5
−ジ(第2級または、第3級アルキル)トルエンの塩素
化に際して、ルイス酸と、助触媒として、式(III )の
芳香族硫黄化合物とを共存させて、塩素化剤を作用させ
る、式(I )の2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級
または、第3級アルキル)トルエンの製造方法に関す
る。(式中、R1、R2は、各々独立して、第2級アルキル
または、第3級アルキルを示す。Ar1 、Ar2 は、各々独
立して、無置換または、置換芳香環を示す。n は、 1ま
たは、 2を示す)
有する。本発明は、化3の反応式中、式(II)の3,5
−ジ(第2級または、第3級アルキル)トルエンの塩素
化に際して、ルイス酸と、助触媒として、式(III )の
芳香族硫黄化合物とを共存させて、塩素化剤を作用させ
る、式(I )の2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級
または、第3級アルキル)トルエンの製造方法に関す
る。(式中、R1、R2は、各々独立して、第2級アルキル
または、第3級アルキルを示す。Ar1 、Ar2 は、各々独
立して、無置換または、置換芳香環を示す。n は、 1ま
たは、 2を示す)
【化3】
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。以下の記
載において、[]内の略称を使用する。上記式(I )の
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第3級
アルキル)トルエン[以下、生成物(I )と記載]、上
記式(II)の3,5−ジ(第2級または、第3級アルキ
ル)トルエン[以下、基質(II)と記載]及び、式(II
I )の芳香族硫黄化合物[以下、助触媒(III )と記
載]。本発明で使用する、基質(II)、塩素化剤、ルイ
ス酸、助触媒(III )として、次のものを例示できる。
基質(II)の中では、3,5−ジ(第2級または、第3
級C3〜C4アルキル)トルエンが好ましく使用でき
る。たとえば、3,5−ジ(1−メチルエチル)トルエ
ンや、3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエン
である。塩素化剤では、塩素、スルフリルクロリドであ
る。塩素をより好ましく使用できる。ルイス酸では、塩
化アルミニウム、塩化第2鉄、3塩化アンチモン、5塩
化アンチモン、塩化第2スズである。塩化アルミニウム
または、塩化第2鉄をより好ましく使用できる。助触媒
(III )では、芳香環はベンゼン環が好ましい。これら
のベンゼン環は、各々、無置換であっても、ハロゲン及
び/または、C1〜C4アルキルの、1〜5個で置換し
ていてもよい。例えば、フェニルスルフィド、フェニル
ジスルフィドである。ジスルフィドの場合には、対応す
るチオール化合物を、反応系内で塩素化剤により、酸化
して生成させて使用することもできる。また、本発明で
は溶媒を特に必要としないが、使用を所望する場合に
は、四塩化炭素、クロロホルム、ニトロメタン、ニトロ
エタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン等の溶媒を例
示できる。
載において、[]内の略称を使用する。上記式(I )の
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第3級
アルキル)トルエン[以下、生成物(I )と記載]、上
記式(II)の3,5−ジ(第2級または、第3級アルキ
ル)トルエン[以下、基質(II)と記載]及び、式(II
I )の芳香族硫黄化合物[以下、助触媒(III )と記
載]。本発明で使用する、基質(II)、塩素化剤、ルイ
ス酸、助触媒(III )として、次のものを例示できる。
基質(II)の中では、3,5−ジ(第2級または、第3
級C3〜C4アルキル)トルエンが好ましく使用でき
る。たとえば、3,5−ジ(1−メチルエチル)トルエ
ンや、3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエン
である。塩素化剤では、塩素、スルフリルクロリドであ
る。塩素をより好ましく使用できる。ルイス酸では、塩
化アルミニウム、塩化第2鉄、3塩化アンチモン、5塩
化アンチモン、塩化第2スズである。塩化アルミニウム
または、塩化第2鉄をより好ましく使用できる。助触媒
(III )では、芳香環はベンゼン環が好ましい。これら
のベンゼン環は、各々、無置換であっても、ハロゲン及
び/または、C1〜C4アルキルの、1〜5個で置換し
ていてもよい。例えば、フェニルスルフィド、フェニル
ジスルフィドである。ジスルフィドの場合には、対応す
るチオール化合物を、反応系内で塩素化剤により、酸化
して生成させて使用することもできる。また、本発明で
は溶媒を特に必要としないが、使用を所望する場合に
は、四塩化炭素、クロロホルム、ニトロメタン、ニトロ
エタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン等の溶媒を例
示できる。
【0007】本発明において、基質(II)の塩素化は、
次のようにして行う。基質(II)、基質(II)に対し
て、ルイス酸を、0.0001〜2質量%、好ましく
は、0.005〜0.5質量%、助触媒(III )を、
0.0006〜35質量%、好ましくは、0.06〜2
0質量%、さらに、所望ならば、溶媒をも含む混合物を
調製する。この混合物を十分に攪拌しながら、−10〜
70℃、好ましくは、30〜60℃の反応温度に維持し
て、塩素化剤を仕込み、塩素化度1.4〜2.4、好ま
しくは、1.8〜2.1まで塩素化する。ここで、塩素
化度は、基質(II)の塩素化度を0、1塩素化物を塩素
化度1、2塩素化物を塩素化度2、3塩素化物を塩素化
度3として、反応混合物の組成より求める値である。
次のようにして行う。基質(II)、基質(II)に対し
て、ルイス酸を、0.0001〜2質量%、好ましく
は、0.005〜0.5質量%、助触媒(III )を、
0.0006〜35質量%、好ましくは、0.06〜2
0質量%、さらに、所望ならば、溶媒をも含む混合物を
調製する。この混合物を十分に攪拌しながら、−10〜
70℃、好ましくは、30〜60℃の反応温度に維持し
て、塩素化剤を仕込み、塩素化度1.4〜2.4、好ま
しくは、1.8〜2.1まで塩素化する。ここで、塩素
化度は、基質(II)の塩素化度を0、1塩素化物を塩素
化度1、2塩素化物を塩素化度2、3塩素化物を塩素化
度3として、反応混合物の組成より求める値である。
【0008】生成物(I )の収率を低下させる主たる副
反応には、基質(II)の脱アルキル化反応及び、基質
(II)の位置の異なった2塩素化反応や、過塩素化反応
(=3塩素化反応)等がある。しかしながら、助触媒
(III )を、ルイス酸1モルに対して、10〜150倍
モル、好ましくは、20〜70倍モル使用して、基質
(II)を塩素化することにより、これらの副反応を抑制
することができるので、塩素化度2付近で、90%以上
の収率で生成物(I )を得ることができる。なお、本発
明の特徴はこれだけではない。反応中も、反応後も、不
溶分が極めて少ないので、反応液の一部を外部熱交換器
で冷却することが容易にできる。このため、塩素化速度
で反応熱を制御しなくても済む。すなわち、助触媒(II
I )を使用することにより、反応規模による制約を受け
ることの少ない製造方法になっている。
反応には、基質(II)の脱アルキル化反応及び、基質
(II)の位置の異なった2塩素化反応や、過塩素化反応
(=3塩素化反応)等がある。しかしながら、助触媒
(III )を、ルイス酸1モルに対して、10〜150倍
モル、好ましくは、20〜70倍モル使用して、基質
(II)を塩素化することにより、これらの副反応を抑制
することができるので、塩素化度2付近で、90%以上
の収率で生成物(I )を得ることができる。なお、本発
明の特徴はこれだけではない。反応中も、反応後も、不
溶分が極めて少ないので、反応液の一部を外部熱交換器
で冷却することが容易にできる。このため、塩素化速度
で反応熱を制御しなくても済む。すなわち、助触媒(II
I )を使用することにより、反応規模による制約を受け
ることの少ない製造方法になっている。
【0009】
【実施例】以下、製造例により本発明を説明するが、発
明の要旨を越えない限り、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、本製造例1及び、2では、基質
(II)、塩素化剤、ルイス酸、助触媒(III )として、
次のものを使用した。 基質(II):3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)
トルエン、以下の製造例において、DBTと記載する。 塩素化剤:塩素。 ルイス酸:塩化アルミニウム。 助触媒(III ):フェニルスルフィド[製造例1で使
用]、フェニルジスルフィド[製造例2で使用]。 反応終了の決定は、反応混合物の一部をガスクロマトグ
ラフィーで組成分析して得られる、塩素化度をもとに行
った。
明の要旨を越えない限り、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、本製造例1及び、2では、基質
(II)、塩素化剤、ルイス酸、助触媒(III )として、
次のものを使用した。 基質(II):3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)
トルエン、以下の製造例において、DBTと記載する。 塩素化剤:塩素。 ルイス酸:塩化アルミニウム。 助触媒(III ):フェニルスルフィド[製造例1で使
用]、フェニルジスルフィド[製造例2で使用]。 反応終了の決定は、反応混合物の一部をガスクロマトグ
ラフィーで組成分析して得られる、塩素化度をもとに行
った。
【0010】製造例1 2,6−ジクロロ−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチ
ル)トルエンの製造 [助触媒にフェニルスルフィドを使用した例]可変ター
ビン翼、反応液循環ポンプ、排気コンデンサー、助触媒
溶解槽、外部熱交換器及び、塩化アルミニウム投入口ポ
ットを取り付けた4m3 ジャケット付き反応器(内面ガ
ラスライニング)に、DBT3310kg(16.23
キロモル)を仕込み、40℃に加温し、窒素置換した。
ついで、塩化アルミニウム投入口ポットから、0.6k
g(0.0045kmol)の塩化アルミニウムをすば
やく反応器内に加えた。さらに、フェニルスルフィド3
2kg(0.172kmol)を助触媒溶解槽から反応
器内に加えた。反応温度を50±10℃に調節しなが
ら、塩素ガスを反応器の底部から仕込み、塩素化度が、
2.05になったところで反応を終了した。反応終了ま
でに、14時間40分を必要とした。ついで、反応混合
物に窒素を吹き込み溶存気体を除いてから水洗し、有機
層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ガスクロマトグラフ
ィーにより組成分析した。その結果、収率93%で、
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチ
ル)トルエンが生成していることを確認した。
ル)トルエンの製造 [助触媒にフェニルスルフィドを使用した例]可変ター
ビン翼、反応液循環ポンプ、排気コンデンサー、助触媒
溶解槽、外部熱交換器及び、塩化アルミニウム投入口ポ
ットを取り付けた4m3 ジャケット付き反応器(内面ガ
ラスライニング)に、DBT3310kg(16.23
キロモル)を仕込み、40℃に加温し、窒素置換した。
ついで、塩化アルミニウム投入口ポットから、0.6k
g(0.0045kmol)の塩化アルミニウムをすば
やく反応器内に加えた。さらに、フェニルスルフィド3
2kg(0.172kmol)を助触媒溶解槽から反応
器内に加えた。反応温度を50±10℃に調節しなが
ら、塩素ガスを反応器の底部から仕込み、塩素化度が、
2.05になったところで反応を終了した。反応終了ま
でに、14時間40分を必要とした。ついで、反応混合
物に窒素を吹き込み溶存気体を除いてから水洗し、有機
層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ガスクロマトグラフ
ィーにより組成分析した。その結果、収率93%で、
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチ
ル)トルエンが生成していることを確認した。
【0011】製造例2 2,6−ジクロロ−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチ
ル)トルエンの製造 [助触媒にフェニルジスルフィドを使用した例]DBT
3266kg(16.01キロモル)、塩化アルミニウ
ム1.0kg(0.0075kmol)、フェニルジス
ルフィド100kg(0.459kmol)を仕込む他
は、製造例1と同様の操作をした。塩素化度が、2.0
3になったところで反応を終了した。反応終了までに、
12時間10分を必要とした。製造例1と同様に後処理
と分析を行った結果、収率90%で、2,6−ジクロロ
−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエンが生
成していることを確認した。
ル)トルエンの製造 [助触媒にフェニルジスルフィドを使用した例]DBT
3266kg(16.01キロモル)、塩化アルミニウ
ム1.0kg(0.0075kmol)、フェニルジス
ルフィド100kg(0.459kmol)を仕込む他
は、製造例1と同様の操作をした。塩素化度が、2.0
3になったところで反応を終了した。反応終了までに、
12時間10分を必要とした。製造例1と同様に後処理
と分析を行った結果、収率90%で、2,6−ジクロロ
−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)トルエンが生
成していることを確認した。
【0012】
【発明の効果】ルイス酸と、助触媒として、上記式(II
I )の芳香族硫黄化合物とを使用して、3,5−ジ(第
2級または、第3級アルキル)トルエンを塩素化するこ
とにより、反応規模による制約を受けることなしに、
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第3級
アルキル)トルエンを高収率で製造することが可能にな
った。
I )の芳香族硫黄化合物とを使用して、3,5−ジ(第
2級または、第3級アルキル)トルエンを塩素化するこ
とにより、反応規模による制約を受けることなしに、
2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級または、第3級
アルキル)トルエンを高収率で製造することが可能にな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠見 忠仁 福島県いわき市南台1丁目5の1
Claims (2)
- 【請求項1】 化1の反応式中、式(II)の3,5−ジ
(第2級または、第3級アルキル)トルエンの塩素化に
際して、ルイス酸と、助触媒として、式(III )の芳香
族硫黄化合物とを共存させて、塩素化剤を作用させる、
式(I )の2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級また
は、第3級アルキル)トルエンの製造方法。(式中、
R1、R2は、各々独立して、第2級アルキルまたは、第3
級アルキルを示す。Ar1 、Ar2 は、各々独立して、無置
換または、置換芳香環を示す。n は、 1または、 2を示
す) 【化1】 - 【請求項2】 3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)
トルエンの塩素化に際して、塩化アルミニウムまたは、
塩化第2鉄と、フェニルスルフィドまたは、フェニルジ
スルフィドとを共存させて、塩素を作用させる、2,6
−ジクロロ−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)ト
ルエンの製造方法。
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