JPH0651648B2 - パラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体の製造法 - Google Patents

パラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体の製造法

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JPH0651648B2
JPH0651648B2 JP60292431A JP29243185A JPH0651648B2 JP H0651648 B2 JPH0651648 B2 JP H0651648B2 JP 60292431 A JP60292431 A JP 60292431A JP 29243185 A JP29243185 A JP 29243185A JP H0651648 B2 JPH0651648 B2 JP H0651648B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体を液相ハ
ロゲン化して、ハロゲン化ベンゼン誘導体を製造する方
法に関するものである。更に詳しくは、フォージャサイ
ト型ゼオライトを触媒として用い、反応系中に含硫黄化
合物を共存させて、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体
を液相ハロゲン化してパラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導
体を製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
ハロゲン化ベンゼン誘導体は医薬、農薬をはじめ有機合
成化学分野で、工業的に重要な原料中間体であり、一般
的には、塩化第二鉄や塩化アンチモン等のルイス酸を触
媒として、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体を液相ハ
ロゲン化して製造されている。例えば、ジクロロベンゼ
ン(以下、DCBと略称する)は、塩化第二鉄の存在
下、ベンゼンあるいはモノクロロベンゼン(以下、MC
Bと略称する)に塩素ガスを吹きこむことにより製造さ
れている。
モノ置換ベンゼン誘導体の液相ハロゲン化によるジ置換
ベンゼン誘導体の製造においては、生成物として1,2
−ジ置換体(オルト体)、1,3−ジ〔−〕置換体(メ
タ体)、1,4−ジ置換体(パラ体)の三種類の異性体
が得られるが、これらの各異性体の生成割合が、既に存
在する置換基の種類、触媒の種類等により決定されるこ
とは良く知られている。例えば、塩化第二鉄存在下での
MCBの液相塩素化反応によるDCBの製造の際、生成
する三種類の異性体の生成割合は下記のようになる。
オルトジクロロベンゼン:30〜40% メタジクロロベンゼン : 0〜 5% パラジクロロベンゼン :60〜70% 三種類の異性体の中で、工業的にはパラ置換ハロゲン化
ベンゼン誘導体が最も重要であり、需要も多い。従っ
て、パラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体を選択的に製造
する方法がこれまで数多く提案されてきた。
パラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体を選択的に製造する
方法のひとつとして、ルイス酸触媒を使用しないで、ゼ
オライトを触媒として用いる方法が最近見い出されてい
る。例えば、ジャーナル・オブ・キャタリシス(Journa
l of Catalysis)60,110(1979)には、ハロ
ゲン化ベンゼンの臭素化触媒として、ゼオライトの使用
が報告されている。本引用例において、ハロゲン化触媒
として、各種イオン交換ゼオライト、すなわちX型、Y
型ゼオライトが用いられており、パラ置換ブロモベンゼ
ン誘導体が選択的に生成することが示されている。
また、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letter
s)21,3809(1980)には、ZSM−5、Z
SM−11、モルデナイト、L型ゼオライト、Y型ゼオ
ライト等を触媒とするベンゼンの塩素化反応が報告され
ており、特に、L型ゼオライトの場合に高いパラジクロ
ロベンゼン(以下、PDCBと略称する)選択率が得ら
れることが述べられている。更に、例えば特開昭59−
130227号公報、同59−144722号公報、同
59−163329号公報等において、L型ゼオライト
やY型ゼオライトを触媒とするベンゼンやアルキルベン
ゼンのハロゲン化方法が開示されている。
これらに加えて、本出願人は、Y型ゼオライトやL型ゼ
オライト等を金属塩により修飾することにより、パラ置
換ハロゲン化ベンゼン誘導体の選択率が向上することを
見い出し、先に出願した。(特開昭61−189236
号公報) 一方、塩化第二鉄等のルイス酸を触媒とした場合に、各
種の含硫黄化合物を助触媒として反応系に加えると、パ
ラ置換ベンゼン誘導体の選択率が向上することは公知で
ある。例えば、米国特許第3226447号にはベンゼ
ン、MCB等の塩素化反応において、塩化第二鉄等のル
イス酸に2価の硫黄を含む有機硫黄化合物を助触媒とし
て加えるとパラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体の選択率
が向上することが報告されている。すなわち、本引用例
では、触媒として鉄及びチオグリコール酸を用いて、ベ
ンゼンの塩素化反応を行うと、生成するDCB中のPD
CBの比率が77%に達することが示されている。ま
た、アルキルベンゼン類等の塩素化反応において、塩化
第二鉄や三塩化アンチモン等のルイス酸とともに、単体
の硫黄や無機硫黄化合物を触媒として使用し、パラ置換
ハロゲン化ベンゼン誘導体を製造する例として、例えば
米国特許第1946040号、英国特許第115374
6号等を挙げることができる。
しかし、これらの公知の方法では、触媒としてルイス酸
が必須であることは、当業者において、良く知られてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体の液相ハロゲン化反
応において、ゼオライトを触媒として用いることによ
り、従来の塩化第二鉄等のルイス酸を触媒とする場合に
比較して、パラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体を選択的
に製造しうることは、先行技術より明らかである。
しかし、これらの先行技術においても、パラ置換ハロゲ
ン化ベンゼン誘導体の選択率は、十分とは言い難く、更
に高い選択率でパラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体を製
造する方法の開発が切望されている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、この現状に鑑み、ベンゼン及び/又はベ
ンゼン誘導体の液相ハロゲン化反応によるパラ置換ハロ
ゲン化ベンゼン誘導体の選択的製造方法について、特
に、ゼオライト触媒を使用する反応について詳細に検討
した。
その結果、本発明者らは、フォージャサイト型ゼオライ
トを触媒とした場合、反応系中に含硫黄化合物を共存さ
せると、驚くべきことに、活性はほとんど低下せずに、
ハロゲン化の位置選択性が変化し、パラ置換ハロゲン化
ベンゼン誘導体の選択率が向上することを見い出した。
前述したように、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体の
ハロゲン化反応において、塩化第二鉄等のルイス酸を触
媒として使用した場合、含硫黄化合物を助触媒として添
加すると、パラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体の選択率
が向上することは公知であり、これは、含硫黄化合物が
ルイス酸を変性することによると考えられる。すなわ
ち、ルイス酸触媒による液相ハロゲン化反応において
は、ルイス酸は反応溶液中に溶解して触媒作用を示すい
わゆる均一系触媒であり、従って含硫黄化合物による助
触媒効果の理由は、ルイス酸と同様に反応溶液中に溶解
している含硫黄化合物がルイス酸に配位等することによ
って、ルイス酸の性質を変化させることであると推定さ
れる。
これに対し、ゼオライト触媒による液相ハロゲン化反応
においては、触媒であるゼオライトは反応溶液中には全
く溶解せず、ゼオライトは固液不均一触媒として働いて
おり、ゼオライト触媒の作用機構はルイス酸触媒の場合
とは全く異なっている。更に、ゼオライト触媒による含
硫黄化合物の共存効果がゼオライトの中でもフォージャ
サイト型ゼオライトについて特異的であることを考え合
わせると、含硫黄化合物の共存効果はルイス酸触媒にお
ける助触媒効果とは全く異なるものであり、本発明は新
しい事実の発見にもとづき完成されたものである。
すなわち、本発明は、フォージャサイト型ゼオライトを
触媒として、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体の液相
ハロゲン化反応によりハロゲン化ベンゼン誘導体を製造
するにあたり、含硫黄化合物を反応系中に共存させるこ
とを特徴とする、ハロゲン化ベンゼン誘導体の製造法を
提供するものである。
本発明の方法においては、触媒としてゼオライトが用い
られるが、ゼオライトとは通常、結晶性アルミノシリケ
ートと呼ばれるものである。ゼオライトはSiO4四面体お
よびAlO4四面体から構成されているが、各四面体の結合
様式の相違により多くの種類が知られている。本発明の
方法において触媒として使用されるゼオライトはフォー
ジャサイト型ゼオライトである。フォージャサイト型ゼ
オライトは天然にも存在するが、公知の方法により合成
することも可能であり、合成フォージャサイト型ゼオラ
イトは、X型ゼオライトおよびY型ゼオライトとして広
く知られている。本発明の方法においては、フォージャ
サイト型ゼオライトの中でも不純物が少なく結晶化度の
高い合成フォージャサイト型ゼオライトが好ましく、Y
型ゼオライトが特に好ましい。フォージャサイト型ゼオ
ライトは特徴的な結晶構造を有するので粉末X線回折ス
ペクトルを測定することにより、他のゼオライトと識別
することが可能である。
フォージャサイト型ゼオライトの化学的組成は酸化物の
モル比で表わすと、 で示される。合成フォージャサイト型ゼオライト、すな
わちX型ゼオライトおよびY型ゼオライトは、一般に、
合成されたままの状態では陽イオンとしてNaイオンを含
んでいる。
本発明の方法においては、フォージャサイト型ゼオライ
トに含有される陽イオンに特に制限はなく、合成時に含
有されるNaイオンを有するものを触媒として使用すれば
良いが、必要に応じて、他の陽イオンに交換したものを
使用しても差し支えない。この場合には、交換したい陽
イオンを含む水溶液を用いて、公知の方法によりイオン
交換処理を実施すれば良い。
本発明の方法においては、各種のイオン交換フォージャ
サイト型ゼオライトをそのまま、触媒として用いれば良
いが、好ましくは、金属塩により修飾されたフォージャ
サイト型ゼオライトを用いる。フォージャサイト型ゼオ
ライトの金属塩による修飾は、例えば特開昭61−18
9236号公報に記載されている方法に従って実施すれ
ば良い。すなわち、フォージャサイト型ゼオライトと金
属塩とを均密に接触させれば良く、具体的には、通常の
含浸法、混合法、混練法等を挙げることができる。金属
塩による修飾の方法に特に制限はないが、フォージャサ
イト型ゼオライトの粒子外表面だけでなく、細孔内も均
密に修飾できること、更に、簡便であることから、金属
塩を所望の溶媒、例えば水等に溶かし、これをフォージ
ャサイト型ゼオライトに含浸させる通常の含浸法が好適
である。
この場合、修飾に使用する金属塩について特に制限はな
く、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属等の
ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩等を用いれば良い。例え
ば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウ
ム、塩化バリウム、塩化ランタン、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸
バリウム等を挙げることができる。
修飾に用いられる金属塩の使用量はフォージャサイト型
ゼオライトに対する重量パーセントで表わして、0.1〜
90%で良く、好ましくは、10〜80%である。
本発明の方法においては、触媒の形状については特に制
限はなく、通常成型して触媒として用いれば良いが、粉
末のまま使用しても一向に差し支えない。成型方法は通
常の方法で良く、例えば、押出成型法、打錠成型法、噴
霧乾燥造粒法等を挙げることができる。成型する場合、
その機械的強度を高める等の目的で、本反応に対して不
活性な物質を粘結剤あるいは成型助剤として添加しても
良い。例えば、シリカ、粘土類、グラファイト、ステア
リン酸、殿粉、ポリビニルアルコール等を0〜80wt
%、好ましくは、2〜30wt%の範囲で添加できる。
このようにして得られた触媒は、必要に応じて、乾燥処
理を行なったのち、空気流通下あるいは窒素、ヘリウム
等の不活性ガス流通下で10分〜24時間焼成処理を行
い、液相ハロゲン化反応に用いる。焼成温度は200〜
900℃の温度範囲で良く、好ましくは300〜850
℃が良い。
本発明の方法においては、反応系中に含硫黄化合物を共
存させてベンゼン及び/又はベンゼン誘導体の液相ハロ
ゲン化反応を実施する。含硫黄化合物とは、単体の硫
黄、結合原子価が2価である硫黄原子を含有する無機化
合物又は硫黄を含有する有機化合物を意味する。ここ
で、結合原子価とは、ひとつの硫黄原子が他の原子(他
の硫黄原子も含む)と結合している結合数を指す。結合
原子価が2価である硫黄原子を含有する無機化合物の場
合、非金属性元素、例えば、水素又は、周期表で炭素
族、窒素族、ハロゲン族の元素と結合原子価が2価であ
る硫黄原子からなる化合物が好ましい。
無機化合物の例としては、単体の硫黄のほか、一塩化硫
黄、二塩化硫黄、一臭化硫黄、二硫化炭素、硫化水素、
二硫化ケイ素、窒化硫黄類、硫化リン類を挙げることが
でき、特に単体の硫黄、一塩化硫黄および二塩化硫黄が
好ましい。
含硫黄有機化合物としては、メチルメルカプタン、エチ
ルメルカプタン、プロピルメルカプタン、フエニルメル
カプタン等のメルカプタン類、ジメチルスルフィド、ジ
エチルスルフィド、ジフェニルスルフィド等のスルフィ
ド類、チオフェン、メチルチオフェン、クロロチオフェ
ン等のチオフェン類、ジメチルジスルフィド、ジフェニ
ルジスルフィド等のジスルフィド類、ジメチルスルホキ
シド、ジフェニルスルホキジト等のスルホキシド類、ジ
メチルスルホン、ジフェニルスルホン等のスルホン類を
挙げることができ、特にジフェニルスルフィド等のスル
フィド類、チオフェン等のチオフェン類、ジフェニルス
ルホキシド等のスルホキシド類およびジフェニルスルホ
ン等のスルホン類が好ましい。
これらの含硫黄化合物は、液相ハロゲン化反応液中に共
存すれば良く、添加方法等について特に制限はない。
すなわち、含硫黄化合物を反応系中に原料や触媒とは別
に加えても良いし、予め触媒であるフォージャサイト型
ゼオライトに吸着あるいは担持して、触媒とともに反応
系中に導入しても良い。また、連続反応においては、原
料中に含硫黄化合物を含有させて、例えば、液体原料に
これらの含硫黄化合物を溶解させる等して、原料ととも
に反応系中に供給すれば良い。
含硫黄化合物は多岐に亘り、更に添加方法等の影響を受
けるため、その共存量を一義的に限定するのは困難であ
るが、含硫黄化合物中に含まれる硫黄原子の重量で規定
することが可能である。本発明の方法において、含硫黄
化合物の共存量は、触媒であるフォージャサイト型ゼオ
ライトの単位重量に対して1×10-4g/g−フォージ
ャサイト〜1.0g/g−フォージャサイト、好ましくは
1×10-3g/g−フォージャサイト〜0.5g/g−フ
ォージャサイトである。含硫黄化合物の共存量が1×1
-4g/g−フォージャサイト未満ではパラ置換ハロゲ
ン化ベンゼン誘導体の選択率向上の効果は得られず、ま
た、1.0g/g−フォージャサイトより多いと共存量を
大きくした効果はなく、不経済である。
本発明の方法において、ベンゼン誘導体とは、ハロゲン
化ベンゼン、アルキルベンゼン等のように、ベンゼンの
水素がハロゲン、アルキル基等の置換基で置換された化
合物を意味し、例えばモノフルオロベンゼン、MCB、
モノブロモベンゼン、モノヨードベンゼン、トルエン、
エチルベンゼン等を挙げることができる。また、ハロゲ
ン化剤は単体のハロゲンで良く、例えば、塩素、臭素、
ヨウ素を挙げることができる。
本発明の方法において、反応装置、反応方法および反応
条件は、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体が液状で触
媒と接触する限り、何ら制限はない。例えば、反応装置
は回分式、半回分式あるいは連続式のいずれを用いても
差し支えない。触媒は、例えば、固定床、懸濁床等の形
で用いれば良い。
反応は、ハロゲン化反応に関与しない溶媒、例えば、四
塩化炭素等の存在下で行なっても良い。溶媒を用いる場
合には、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体の濃度は5
〜99wt%が良く、20〜99wt%が好ましい。5wt%
以下では、原料が触媒と接触する機会が少なくなり、十
分な転化率が得られない。ハロゲン化剤を連続的に供給
する場合には、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性
ガスを同伴しても良い。同伴ガスを用いる場合には、ハ
ロゲン化剤の濃度は5〜99vol.%が良く、20〜99
vol.%が好ましい。
回分式、半回分式反応装置を用いた場合、触媒は主に溶
液に懸濁させた形で用いるが、単位反応液容積当たりの
触媒量は0.001〜1kg/が良く、0.005〜0.1kg
/が好ましい。0.001kg/未満では、触媒の負荷
が大きく、十分な転化率を得られない。また、1kg/
より多いと触媒量を増加する効果が小さくなる。ハロゲ
ン化剤を連続的に供給する場合、ハロゲン化剤の供給量
は、ゼオライト重量に対する単位時間当たりのハロゲン
化剤の量で表わすことができ、1〜1500mol/kg−c
at.hrが良く、10〜800mol/kg−cat.hrが好まし
い。1mol/kg−cat.hr未満では十分なハロゲン化ベン
ゼン生成速度が得られず、1500mol/kg−cat.hrを
越える場合には、未反応のハロゲン化剤の量が増加し、
経済的でない。
連続式反応装置を用いた場合、ベンゼン及び/又はベン
ゼン誘導体の供給量は、使用するゼオライトに対する単
位時間当たりの量で表わすことができ、0.5〜300
/kg−cat.hrで良く、2〜100/kg−cat.hrが好ま
しい。その他の反応条件は、回分式あるいは半回分式反
応装置を用いた場合と同様である。
本発明の方法において、反応温度および反応圧力はベン
ゼン及び/又はベンゼン誘導体が液相である限り、何ら
制限はない。反応温度がベンゼン及び/又はベンゼン誘
導体の沸点より高い場合には、反応圧力を高めることに
より液相でのハロゲン化反応を行なうことができるが、
反応温度は0〜200℃が好ましく、20〜150℃が
更に好ましい。0℃未満では、十分な反応速度が得られ
ず、また、200℃より高いとパラ置換ハロゲン化ベン
ゼン誘導体の選択率が低下する。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、ベンゼン及び/又はベンゼン誘
導体の液相ハロゲン化反応において、工業的に価値の高
いパラ置換ハロゲン化ベンゼン誘導体を公知の方法に比
べて、高収率で取得することができ、従って、本発明は
工業的にみて、極めて有意義なものである。
〔実施例〕
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではな
い。なお、実施例中に示される転化率および選択率とは
以下の式により計算された数値を表わす。
実施例1〜6 1の磁性ビーカーに4.29gの塩化ナトリウムを入
れ、これを150mlの蒸留水に溶解させた。温浴を用い
て、この溶液を95℃に保ち、ガラス製の攪拌羽根で十
分にかきまぜながら、ここにSiO/Al比5.
5のNa−Y型ゼオライト(東洋曹達工業(株)製)10
gを加えた。温浴上で水分がなくなるまで蒸発乾固し、
130℃に保った乾燥器中で、15時間乾燥したのち、
空気流通下で540℃で3時間焼成してNaClを30重量
%担持したNa−Y型ゼオライト触媒を得た。
この触媒と含硫黄化合物として一塩化硫黄を用い、MC
Bの液相塩素化反応を実施した。反応は通常の半回分式
反応装置を用いて行った。ガス吹込み管、冷却管を装着
した容積約100mlのパイレックス製反応器(内径40
mm、高さ100mm)に40gのMCBおよび0.016
g、0.035g、0.069g、0.140g、0.245
g、0.574g、の一塩化硫黄を充填し、更に、1.4g
の上記ゼオライト触媒を加え、懸濁液とした。
反応混合物をマグネチック・スターラで充分に攪拌しな
がら、30ml/mmの供給速度で塩素ガス(等量の窒素ガ
スを同伴)を吹き込んだ。反応温度は反応器の周囲をオ
イルバスによりコントロールし、100℃とした。塩素
ガスを吹き込みはじめてから3時間経過後、生成物をガ
スクロマトグラフにより分析した。その結果を第1表に
示す。
比較例1 実施例1と同様な方法で調製したNaClにより修飾したNa
−Y型ゼオライトを触媒として用い、反応系中に含硫黄
化合物を共存させなかった以外は、実施例1と全く同様
にMCBの液相塩素化反応を行った。塩素ガスを吹き込
みはじめてから3時間経過後の反応結果を第1表に示
す。
実施例7 単体の硫黄0.07gを二硫化炭素15mlに溶解させ、そ
の溶液に実施例1で調製したNaClにより修飾したNa−Y
型ゼオライト3gを加え、二硫化炭素をエバポレータを
用いて留去し、硫黄を担持したNaCl修飾Na−Y型ゼオラ
イト触媒を調製した。この場合、フォージャサイト単位
重量当たりの硫黄の重量は0.033g/g−フォージャ
サイトである。
この触媒1.52gを用い、一塩化硫黄を共存させなかっ
た以外は、実施例1と全く同様にMCBの液相塩素化反
応を行った。塩素ガスを吹き込みはじめてから3時間経
過後、MCB転化率は65.0%PDCB選択率は88.8%
であった。
実施例8 実施例1と同様な方法で調製したNaCl修飾Na−Y型ゼオ
ライトを触媒として用い、一塩化硫黄の代わりにチオフ
ェン0.083gを共存させ、反応温度80℃でMCBの
液相塩素化反応を行った。この場合、フォージャサイト
単位重量当たりの硫黄の重量は0.032g/g−フォー
ジャサイトであった。なお、上記以外の反応条件は実施
例1と全く同様である。
塩素ガスを吹き込みはじめてから3時間経過後の反応結
果を第2表に示す。
実施例9〜11 実施例1と同様な方法で調製したNaCl修飾Na−Y型ゼオ
ライトを触媒として用い、一塩化硫黄の代わりに0.10
8gのジフェニルスルフィド、又は0.121gのジフェ
ニルスルホキシドあるいは0.131gのジフェニルスル
ホンを共存させた以外は実施例1と全く同様にMCBの
液相塩素化反応を行った。塩素ガスを吹き込みはじめて
から3時間経過後の反応結果を第2表に示す。
実施例12 触媒として、1.0gのNa−Y型ゼオライト(東洋曹達工
業(株)製)を用い、一塩化硫黄を0.540g共存させ
た以外は実施例1と全く同様にMCBの液相塩素化反応
を行った。塩素ガスを吹き込みはじめてから3時間経過
後の反応結果を第3表に示す。
比較例2 一塩化硫黄を共存させなかった以外は実施例12と全く
同様にMCBの液相塩素化反応を行った。塩素ガスを吹
き込みはじめてから、3時間経過後の反応結果を第3表
に示す。
実施例13 触媒として、SiO2/Al2O3比が2.5のNa−X型ゼオライト
(東洋曹達工業(株)製)を用いた以外は実施例12と
全く同様にMCBの液相塩素化反応を行った。塩素ガス
を吹き込みはじめてから3時間経過後、MCB転化率は
38.1%PDCB選択率は73.8%であった。
比較例3 一塩化硫黄を共存させなかった以外は、実施例13と全
く同様にMCBの液相塩素化反応を行った。塩素ガスを
吹き込みはじめてから3時間経過後、MCB転化率は3
7.2%、PDCB選択率は72.0%であった。
比較例4、5 触媒として、SiO2/Al2O3が15.0のNa−モルデナイト
(東洋曹達工業(株)製)を用いて、一塩化硫黄の共存
下あるいは非共存下で、実施例12と同様にMCBの液
相塩素化反応を行った。塩素ガスを吹きこみはじめてか
ら3時間経過後の反応結果を第4表に示す。
比較例6、7 米国特許3.790.471号に記載されている方法に準じ
てZSM−5ゼオライトを合成した。得られたゼオライ
トがZSM−5であることは、銅のKα二重線を用いた
粉末X線回折により確認した。このZSM−5を空気流
通下、540℃で焼成したのち、塩化ナトリウム水溶液
を用いてイオン交換処理を行い、Na−ZSM−5ゼオラ
イトを得た。このNa−ZSM−5は酸化物のモル比で表
わすと次のような組成を有していた。
1.05Na2O・Al2O3・23.3 SiO2 触媒として、上記のNa−ZSM−5を用いて、一塩化硫
黄の共存下あるいは比共存下で実施例12と同様にMC
Bの液相塩素化反応を行なった。塩素ガスを吹きこみは
じめてから、3時間経過後の反応結果を第4表に示す。
実施例14 MCBをトルエンに代えた以外は実施例1と全く同様に
してトルエンの液相塩素化反応を行なった。塩素ガスを
吹き込みはじめてから3時間経過後、トルエン転化率は
54.2%、パラクロロトルエン選択率は66.8%であっ
た。
比較例8 一塩化硫黄を添加しなかった以外は、実施例14と全く
同様にトルエンの液相塩素化反応を行なった。塩素ガス
を吹き込みはじめてから3時間経過後、トルエン転化率
は54.6%、パラクロロトルエン選択率は62.4%であ
った。
比較例9 触媒として、ゼオライト触媒の代りに塩化第二鉄0.4g
を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、MCBの
液相塩素化反応を行なった。塩素ガスを吹きこみはじめ
てから3時間経過後、MCB転化率は64.7%、PDC
B選択率は68.5%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フォージャサイト型ゼオライトを触媒とし
    て、ベンゼン及び/又はベンゼン誘導体の液相ハロゲン
    化反応によりハロゲン化ベンゼン誘導体を製造するにあ
    たり、含硫黄化合物を反応系中に共存させることを特徴
    とする、ハロゲン化ベンゼン誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】フォージャサイト型ゼオライトが、X型ゼ
    オライトまたはY型ゼオライトである特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】フォージャサイト型ゼオライトがアルカリ
    金属、アルカリ土類金属または希土類金属の塩により修
    飾されたX型ゼオライトまたはY型ゼオライトである特
    許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  4. 【請求項4】含硫黄化合物が単体の硫黄、結合原子価が
    2価である硫黄原子を含有する無機化合物である特許請
    求の範囲第(1)項記載の方法。
  5. 【請求項5】含硫黄化合物が、硫黄原子を含有する有機
    化合物である特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  6. 【請求項6】含硫黄化合物が、単体の硫黄、ハロゲン化
    硫黄類、チオフェン類、スルフィド類、スルホキシド類
    またはスルホン類である特許請求の範囲第(1)項記載の
    方法。
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