JP2595650B2 - パラ置換塩素化ベンゼン誘導体の高選択的製造法 - Google Patents

パラ置換塩素化ベンゼン誘導体の高選択的製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はベンゼン誘導体を液相塩素化してパラ置換塩
素化ベンゼン誘導体を高選択的に製造する方法に関する
ものである。
更に詳しくは、触媒として特定の組成及び構造を有す
る結晶性合成ゼオライトを用い、ベンゼン誘導体を液相
塩素化して、オルソ置換塩素化ベンゼン誘導体、メタ置
換塩素化ベンゼン誘導体、多塩素化ベンゼン誘導体、塩
素付加物等の副生を少なくして、パラ置換塩素化ベンゼ
ン誘導体を高選択的に製造する方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
塩素化ベンゼン誘導体、中でも二置換塩素化ベンゼン
誘導体は多くの化合物の原料中間体として工業的に重要
な化合物であり、一般には、塩化第二鉄、塩化アンチモ
ン等のルイス酸を触媒として、ベンゼン誘導体を液相塩
素化して製造されている。二置換塩素化ベンゼン誘導体
には、オルソ、メタ、パラの三種類の異性体が存在する
が、特にパラ置換塩素化ベンゼン誘導体は各種の有機化
合物の原料として重要である。例えば、パラ置換塩素化
ベンゼン誘導体の一つであるパラジクロロベンゼン(以
下PDCBと略称する)は、医薬、農薬の原料として、また
それ自体が殺虫剤、防虫剤として用いられ工業的価値の
極めて高いものである。
現在、ジクロロベンゼン(以下DCBと略称する)は、
塩化第二鉄等のルイス酸触媒の存在下で、ベンゼン又は
モノクロロベンゼン(以下MCBと略称する)に塩素を吹
込むことにより製造されている。しかしながら、この方
法により製造されるDCB異性体の生成割合は、オルソ体3
0〜40%、メタ体0〜5%、パラ体60〜70%であり、こ
れらの生成割合を大きく変化させることは困難であっ
た。加えてオルソ置換塩素化ベンゼン誘導体からパラ置
換塩素化ベンゼン誘導体への異性化反応は非常に困難で
ある為、パラ選択率向上を目的として多くの研究が行わ
れてきている。
パラ置換パロゲン化ベンゼン誘導体を選択的に製造す
る方法の一つとしてルイス酸触媒を使用しないでゼオラ
イトを触媒として用いる方法が報告されている。例え
ば、ジャーナル・オブ・キャタリシス(Journal of Cat
alysis)第60巻110〜120頁(1979年発行)には、ハロゲ
ン化ベンゼンの液相臭素化触媒として各種のイオン交換
したX型、Y型ゼオライトを使用することにより、ルイ
ス酸を触媒として用いる従来の方法よりも高い選択率で
パラ体が生成することが示されている。
また、特開昭59−163329号公報にはベンゼン類のハロ
ゲン化においてL型ゼオライトを使用することにより、
選択性良くパラ置換ハロゲン化ベンゼンが製造できるこ
とが開示されている。
〔発明が解決しようとしている問題点〕
現在、また将来において二置換塩素化ベンゼン誘導体
中のパラ置換塩素化ベンゼン誘導体の需要はますます増
加していくものと考えられるので、副生するオルソ置換
塩素化ベンゼン誘導体、メタ置換塩素化ベンゼン誘導体
などを可能な限り少なくしてパラ置換塩素化ベンゼン誘
導体を選択的に製造することは工業的に極めて重要であ
る。
また、本塩素化反応は、通常、液相で存在する原料の
ベンゼン誘導体に塩素ガスを供給することにより実施さ
れる。
その際、反応生成物のひとつである塩素化ベンゼン誘
導体は液相に残るが、別の主生成物である塩化水素は気
体となって反応系外に出る。従って、塩素転化率が低い
と、原料である塩素と塩化水素が混合気体となって、反
応器より放出される事となる。
塩素と塩化水素を分離することは可能であるが、本反
応において経済的見地からは、塩素転化率が高く、生成
ガス中の塩素濃度が低く、塩素の分離、回収が不必要で
あることが好ましい。
更に、触媒の塩素化活性が低いと、無触媒で進行しう
る塩素付加物が系中に多量に生成しパラ置換塩素化ベン
ゼン誘導体選択率が低下することになる。従って、ベン
ゼン誘導体の塩素化によりパラ置換塩素化ベンゼン誘導
体を製造する場合にはオルソ置換塩素化ベンゼン誘導体
やメタ置換塩素化ベンゼン誘導体等の他の塩素化ベンゼ
ン誘導体の生成を可能な限り少なくする事に加えて、塩
素転化率を高め、未反応塩素を低下させるとともに、塩
素付加物の生成を少なくする事が望まれる。従来、ゼオ
ライト、例えばL型ゼオライト等を触媒として用いて、
ベンゼン誘導体を塩素化する場合、反応温度を80℃未満
の低温に保持すれば二置換塩素化ベンゼン誘導体中のパ
ラ置換塩素化ベンゼン誘導体生成比率が高まる傾向を示
すが、塩素転化率は低下し、塩素付加物が生成する。こ
の塩素付加物の中には、二重結合が残存するものが多
く、これらは、触媒に強吸着することが推定され、その
結果、触媒寿命に対し悪影響を及ぼすと考えられ、工業
的見地から好ましくない。
また、反応温度を高めれば塩素転化率は向上するが、
パラ置換塩素化ベンゼン誘導体の選択率が低下する。高
塩素転化率、高選択率を維持することは、反応温度を低
温に保持した状態で、触媒量を増加させることにより、
すなわち、単位ゼオライト重量当りの塩素供給量を低下
させることにより、ある程度達成することが可能ではあ
るが、反応液中の触媒(固体)濃度の増加の影響による
反応操作上の問題や触媒費用の増加等により、工業的見
地からは好ましくない。
従って、反応温度を高め、塩素転化率が高い状態で、
高選択率、かつ高収率でパラ置換塩素化ベンゼン誘導体
を製造する触媒の開発が望まれている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、このような現状に鑑みベンゼン誘導体
の液相塩素化反応によるパラ置換塩素化ベンゼン誘導体
の選択的製造方法について、特に触媒に関して詳細に検
討した結果、触媒として、ある特定の組成及び構造を有
する結晶性合成ゼオライトを用いることにより、従来技
術に比べ、高塩素転化率を維持した状態でオルソ置換塩
素化ベンゼン誘導体等の副生を著しく低下させ、高い選
択率及び収率で、パラ置換塩素化ベンゼン誘導体が製造
できることを見出した。
本発明の方法において、触媒として用いられるゼオラ
イトは構造的には、L型ゼオライト、ゼオライト Ω、
(Ba,K)−G,L等に類似したものであるが、ベンゼン誘
導体の液相塩素化反応に用いると、その理由は不明であ
るが上述のゼオライト等に比べ、高温条件下で塩素転化
率が高い場合でも、著しくパラ置換塩素化ベンゼン誘導
体への選択率が高いことが確認され、本発明を完成する
に至った。
すなわち本発明は、ベンゼン誘導体の液相塩素化反応
により、パラ置換塩素化ベンゼン誘導体を高選択的に製
造するにあたり、触媒として酸化物のモル比で表わした
ときに、次の範囲の組成: 0.9〜1.1M2/nO・Al2O3・2.5〜5.1SiO2・xH2O (ここで、Mは周期律表の第I族〜第VIII族から選ばれ
る少なくとも1種の交換可能なカチオンであり、nはM
の原子価、xは0〜約6の数を示す)を有し、下記のX
線粉末回折パターン: と実質的に同じX線回折パターンを有する結晶性合成ゼ
オライトを使用することを特徴とするパラ置換塩素化ベ
ンゼン誘導体の高選択的製造法を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の方法において、触媒として通常、結晶性アル
ミノシリケートと呼ばれているゼオライトが用いられ
る。
ゼオライトの構造はSiO4四面体及びAlO4四面体から構
成されているが、構造中のSi及びAlの存在比、及び各四
面体の結合様式の相違により多くの種類が知られてい
る。従って、ゼオライトは組成分析、粉末X線回折スペ
クトルの測定等により他のゼオライトと識別する事が可
能である。
本発明の方法において、使用されるゼオライトは、前
記した酸化物組成比及びX線回折パターンを有する結晶
性合成ゼオライトであり、代表的な例として、特開昭60
−127226号公報において、便宜上、ECR−2と略称され
るものを挙げることができる。本発明で用いる結晶性合
成ゼオライトを以後ECR−2と略称する。
ECR−2の合成は、前出の特開昭60−127226号公報に
記載された方法により実施すれば良い。すなわち (a)水、シリカ源、アルミナ源、水酸化カリウム及び
水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの合計量を基準とし
て、30モル%以下の水酸化ナトリウムとを含有し、かつ
酸化物のモル比で表したときに、次の組成範囲: M2O/Al2O3 1.0〜 1.6 SiO2/Al2O3 2.5〜 5.1 H2O/Al2O3 80 〜140 (式中、Mはカリウム又はカリウムとナトリウムとの混
合物を示す。) を有する反応用混合物を調製し、 (b)ECR−2の結晶を形成させるのに十分な期間、こ
の反応用混合物を140〜300℃で自然増の圧力下で保持す
る事によって製造される。
ECR−2は合成されたままの状態では金属カチオンと
してカリウムイオン、又はカリウムイオンとナトリウム
イオンを含んでいる。
本発明の方法において、ECR−2に含有される金属カ
チオンに特に制限はなく、合成時に含有されるカリウム
イオン又はカリウムイオンとナトリウムイオンを有する
ものを触媒として使用すれば良いが、必要に応じて公知
の方法により他の金属カチオン及び/又はプロトンにこ
れらの金属カチオンの一部又は全部をイオン交換したも
のを使用しても差し支えない。この際のイオン交換処理
は、例えば、交換したい金属カチオンを含む水溶液にゼ
オライトを懸濁させ20〜100℃で1〜50時間撹拌して行
うことができる。
本発明の方法において、各種のイオン交換されたECR
−2をそのまま触媒として用いれば良いが、特開昭61−
189236号公報に記載されている方法により金属塩により
修飾したものを用いることができる。
本発明の方法において、触媒の形状については特に制
限はなく、合成されたものをそのまま用いることも、ま
た成型して用いることも可能である。触媒の成型方法は
通常の方法で良く、例えば、圧縮成型法、押出成型法、
噴霧乾燥造粒法等を挙げることができる。成型する場合
には、その機械的強度を高める等の目的で、ECR−2の
性能、特にパラ置換塩素化ベンゼン誘導体への選択性に
悪影響を及ぼさない物質を粘結剤、あるいは成型助剤と
して添加しても良い。例えば、シリカ、粘土類、グラフ
ァイト、ステアリン酸、澱粉、ポリビニルアルコール等
を0〜80重量%、好ましくは、2〜30重量%の範囲で添
加できる。
触媒として用いるECR−2は、必要に応じて、乾燥処
理を行った後、空気流通下あるいは窒素、ヘリウム等の
不活性ガス流通下で10分〜24時間焼成処理を行い、液相
塩素化反応に用いる。触媒の焼成温度はECR−2が完全
に構造破壊を起こさない範囲であれば特に制限はなく、
例えば、300〜900℃の温度範囲を挙げることができる。
本発明の方法において、ベンゼン誘導体とは、ベンゼ
ン及びハロゲン化ベンゼン、アルキルベンゼン等のベン
ゼンの水素がハロゲンあるいはアルキル基等で置換され
た化合物を意味し、例えば、ベンゼン、MCB、モノブロ
モベンゼン、モノフルオロベンゼン、モノヨードベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン等を挙げることができ
る。
また、塩素化剤としては単体の塩素を用いれば良い。
本発明の方法において、反応装置及び反応方法はベン
ゼン誘導体が液相状態で塩素と触媒上で効率よく接触す
る限り何ら制限はなく、反応装置は回分式、半回分式、
あるいは連続式のいずれであっても良い。
ここで用いる触媒は、例えば、固定床、懸濁床等の形
で用いればよい。
本発明の塩素化反応は、塩素化反応に関与しない溶媒
の存在下で行っても良く、溶媒を用いる場合には、ベン
ゼン誘導体の濃度は5〜99重量%が良く、20〜99重量%
が更に好ましい。前記濃度が5重量%未満では、原料が
触媒と接触する機会が少なくなり充分な転化率が得られ
ない。
塩素化反応において、塩素を連続的に供給する場合に
は、窒素、ヘリウム等の本反応に対して不活性なガスを
希釈剤として用いてもよい。その際、塩素の濃度は5〜
99容量%が良く、20〜99重量%が更に好ましい。
反応に回分式、半回分式反応装置を用いた場合、触媒
は主に反応液に懸濁させた形で用いるが、単位反応容積
あたりの触媒量(Kg/)は0.005〜0.5Kg/が良く、0.
01〜0.1Kg/が好ましい。触媒量が0.005Kg/未満では
触媒の負荷が大きく十分な転化率が得られず、また0.5K
g/を越えると触媒量を増加させることの効果は相対的
に小さくなるとともに、操作上の問題が生じる。塩素を
連続的に供給する場合、塩素の供給量はゼオライト重量
に対する単位時間当たりの塩素の量で表わすことがで
き、1〜200mol/kg−cat・hrが良く、5〜100mol/kg−c
at・hrが好ましい。塩素の供給量が1mol/kg−cat・hr未
満では十分な塩素化ベンゼン誘導体生成速度が得られ
ず、200mol/kg−cat・hrを越える場合には、未反応の塩
素が増加し経済的でない。
また、連続式反応装置を用いた場合、液体原料の供給
量は、使用する触媒重量に対する単位時間当たりの量で
表わすことができ、0.5〜100/kg−cat・hrで良く、2
〜50/kg−cat・hrが好ましい。
その他の反応条件は回分式、半回分式反応装置を用い
た場合と同様である。
本発明の方法において、反応温度は塩素転化率及びパ
ラ置換塩素化ベンゼン誘導体選択率に大きく影響を与え
るので重要であり、80℃から反応系の沸点までの温度範
囲が良く、90〜130℃好ましい。反応温度が80℃未満の
場合には塩素転化率が低下し、反応液の沸点を越える場
合には、反応系が加圧状態となり装置上、経済的でな
い。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、ベンゼン誘導体の液相塩素化
反応において、高い塩素転化率でオルソ置換塩素化ベン
ゼン誘導体、メタ置換塩素化ベンゼン誘導体、塩素付加
物等の副生を著しく少なくし、工業的に価値の高いパラ
置換塩素化ベンゼン誘導体を公知の方法に比べて、より
高い選択率及び収率で、長期に亘って安定して製造する
ことができ、本発明の方法は工業的に極めて有利なパラ
置換塩素化ベンゼン誘導体の製造方法である。
〔実施例〕
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、
本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではな
い。
なお、実施例中に示される転化率、選択率及び収率と
は以下の式により計算された値を表わす。
実施例1 市販のカオリン(Georgia Kaolin Company社製)から
誘導したメタカオリン45.1gを市販のケイ酸カリウム
(和光純薬工業社製)151.2g、市販の水酸化カリウム
(関東化学社製85.5%)19.4g及び水284gと混合して、
酸化物のモル比として表したときに、次の組成を有する
スラリーを調製した。
K2O/Al2O3=1.4 SiO2/Al2O3=4.5 H2O/Al2O3=110 このスラリーをステンレススチール製の500mlオート
クレーブに入れ、220℃で72時間保った。生成物をろ
過、水洗、さらに乾燥して次の化学組成を有する粉末を
得た。
1.0K2O・Al2O3・4.6SiO2 この粉末を銅のKα二重線を用いて粉末X線回折スペ
クトルを測定したところ、第1表のような結果が得ら
れ、この粉末がECR−2であることが確認された。得ら
れたECR−2を空気流通下540℃で3時間焼成処理し、こ
れを触媒としてMCBの液相塩素化反応を実施した。
反応は通常の半回分式反応装置を用いて行った。ガス
吹込み管、冷却管を装着した容積約100mlのパイレック
ス製反応器(内径40mm、高さ100mm)に、40gのMCBと1g
の上記の粉末触媒を加えて懸濁液とした。反応混合物を
マグネチツク・スターラーで十分に撹拌しながら、60ml
/minの供給速度で塩素及び窒素の混合ガス(Cl2:N2=1:
1)を吹込んだ。この時の塩素供給量は80.3mol/kg−cat
・hrであった。反応温度は反応器の周囲をオイルバスに
よりコントロールし100℃とした。供給ガスを吹込みは
じめてから、3時間経過後、生成物をガスクロマトグラ
フィーにより分析した。その結果を第2表に示す。
実施例2 実施例1と同様の方法で、メタカオリン45.1gをケイ
酸カリウム151.2g、水酸化カリウム(85.5%)23.1g及
び水282.6gと混合して、酸化物のモル比として表したと
きに、次の組成を有するスラリーを調製した。
K2O/Al2O3=1.54 SiO2/Al2O3=4.5 H2O/Al2O3=110 このスラリーをステンレススチール製の500mlオート
クレーブに入れ、220℃で72時間保った。生成物をろ
過、水洗、さらに乾燥して次の化学組成を有する粉末を
得た。
1.0K2O・Al2O3・4.6SiO2 この粉末がECR−2であることを、銅のKα二重線を
用いたX線回折により確認した。
得られたECR−2を空気流通下540℃で3時間焼成処理
し、これを触媒として用いた以外は実施例1と同様にし
て、MCBの液相塩素化反応を実施した。供給ガスを吹込
みはじめてから3時間経過後の結果を第2表に示す。
実施例3 実施例1と同様の方法で、メタカオリン45.1gをケイ
酸カリウム120.5g、水酸化カリウム(85.5%)17.7g及
び水306.2gと混合して、酸化物のモル比として表したと
きに、次の組成を有するスラリーを調製した。
K2O/Al2O3=1.2 SiO2/Al2O3=4.0 H2O/Al2O3=110 このスラリーをステンレススチール製の500mlオート
クレーブに入れ、220℃で72時間保った。生成物をろ
過、水洗、さらに乾燥して次の化学組成を有する粉末を
得た。
1.0K2O・Al2O3・3.9SiO2 この粉末がECR−2であることを、銅のKα二重線を
用いたX線回折により確認した。
得られたECR−2を空気流通下540℃で3時間焼成処理
し、これを触媒として用いた以外は実施例1と同様にし
て、MCBの液相塩素化反応を実施した。供給ガスを吹込
みはじめてから3時間経過後の結果を第2表に示す。
実施例4 実施例1と同様の方法で、メタカオリン45.1gをケイ
酸カリウム120.5g、水酸化カリウム(85.5%)17.7g及
び水306.2gと混合して、酸化物のモル比として表したと
きに、次の組成を有するスラリーを調製した。
K2O/Al2O3=1.2 SiO2/Al2O3=4.0 H2O/Al2O3=110 このスラリーをステンレススチール製の500mlオート
クレーブに入れ、240℃で72時間保った。生成物をろ
過、水洗、さらに乾燥して次の化学組成を有する粉末を
得た。
1.0K2O・Al2O3・3.8SiO2 この粉末がECR−2であることを、銅のKα二重線を
用いたX線回折により確認した。
得られたECR−2を空気流通下540℃で3時間焼成処理
し、これを触媒として用いた以外は実施例1と同様にし
て、MCBの液相塩素化反応を実施した。供給ガスを吹込
みはじめてから、3時間経過後の結果を第2表に示す。
実施例5〜9 実施例1で調製した粉末を用いて、第3表に示す様な
反応条件で、実施例1と同様にしてMCBの液相塩素化反
応を行なった。供給ガスを吹込みはじめてから3時間経
過後の結果を第3表に示す。
実施例10〜13 実施例1で調製した粉末を用いて、第4表に示す様な
反応条件で、実施例1と同様にしてMCBの液相塩素化反
応を行なった。
供給ガスを吹込みはじめてから、3時間経過後の結果
を第4表に示す。
比較例1 触媒として市販のカリウムイオン含有L型ゼオライト
(東ソー株式会社製)を用いて、実施例1と同様にして
MCBの液相塩素化反応を実施した。使用したL型ゼオラ
イトの組成は 1.0K2O・Al2O3・6.2SiO2 であった。供給ガスを吹込みはじめてから3時間経過後
の結果を第5表に示す。
比較例2 固型シリカ(日本シリカ社製)114.2g、アルミン酸ソ
ーダ39.4g、水酸化ナトリウム40.5g、テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド(TMAと略称する,10%水溶液)12
1.5%、水441.5gを混合し、1のステンレス製オート
クレーブに入れ80℃で7日間保持し、結晶化させた。
生成した粉末をろ過、水洗、さらに乾燥して次の化学
組成を有する粉末を得た。
0.9Na2O・0.1(TMA)2O・Al2O3・7.5SiO2 この粉末を銅のKα二重線を用いた粉末X線回折スペ
クトルを測定したところ第6のような結果が得られ、こ
の粉末がゼオライト Ωであることが確認された。
得られたΩを空気流通下430℃で3時間焼成処理し、
これを触媒として用いた以外は実施例1と同様にして、
MCBの液相塩素化反応を行なった。供給ガスを吹込みは
じめてから3時間経過後の結果を第5表に示す。
比較例3 メタカオリン24.1g、水酸化カリウム(85.5%)36g、
水酸化バリウム8水和物10.2g、水527.8gを混合し、1
のステンレス製オートクレーブに入れ85℃で7日間保
持し、結晶化させた。生成した粉末をろ過、水洗、さら
に乾燥して次の化学組成を有する粉末を得た。
0.63K2O・0.33BaO・Al2O3・2.4SiO2 この粉末を銅のKα二重線を用いた粉末X線回折スペ
クトルを測定したところ第7表のような結果が得られ、
この粉末がゼオライト(Ba,K)−G,Lであることが確認
された。得られた(Ba,K)−G,Lを空気流通下350℃で3
時間焼成処理し、これを触媒として用いた以外は実施例
1と同様にして、MCBの液相塩素化反応を行なった。供
給ガスを吹込みはじめてから3時間経過後の結果を第5
表に示す。
実施例14 実施例1で調製したECR−2の22.8gを、2規定塩化ナ
トリウム水溶液860mlに懸濁させ、90℃で5時間、撹拌
下、イオン交換処理を行った。その後ろ過、水洗、さら
に乾燥した後、空気流通下540℃で3時間焼成処理し
た。
この生成物の組成は酸化物のモル比で表して 0.7Na2O・0.29K2O・Al2O3・4.6SiO2 であり、70%の交換カチオンがナトリウム型のECR−2
が得られた。これを触媒として用いた以外は、実施例1
と同様にしてMCBの液相塩素化反応を実施した。
供給ガスを吹込みはじめてから3時間経過後の結果、
塩素転化率98.2%、PDCB選択率91.9%、PDCB収率90.2%
であった。
実施例15 実施例1と同様にして調製したECR−2の粉末800gと
バインダーとして酸性白土160gを1900mlの水に加えて撹
拌下、均一のスラリーにした。このスラリーを1/hr
の速度で供給しながら、噴霧乾燥造粒機で顆粒状に成型
した。次にこれを乾燥、さらに空気流通下、600℃で1
時間焼成処理した。その後、フルイで分級して44〜250
μmの粒径分布をもつ触媒を得た。この触媒を空気流通
下500℃で1時間脱水処理をして、連続反応に用いた。
連続反応は1.25の撹拌機付の反応器を用い、反応条件
は上記触媒を100g、MCBの供給量は3.33/kg−cat・h
r、塩素の供給量は39.2mol/kg−cat・hr、反応温度は11
0℃で211時間の連続反応を行った。その結果を第8表に
示す。
実施例16 MCBをトルエンに代えた以外は、実施例1と同様にし
てトルエンの液相塩素化反応を行なった。
供給ガスを吹込みはじめてから3時間経過後の結果を
第9表に示す。
比較例4 MCBをトルエンに代えた以外は、比較例1と同様にし
てトルエンの液相塩素化反応を行なった。供給ガスを吹
込みはじめてから3時間経過後の結果を第9表に示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンゼン誘導体の液相塩素化反応により、
    パラ置換塩素化ベンゼン誘導体を高選択的に製造するに
    あたり、触媒として酸化物のモル比で表わしたときに、
    次の範囲の組成: 0.9〜1.1M2/nO・Al2O3・2.5〜5.1SiO2・xH2O (ここで、Mは周期律表の第I族〜第VIII族から選ばれ
    る少なくとも1種の交換可能なカチオンであり、nはM
    の原子価、xは0〜約6の数を示す)を有し、下記のX
    線粉末回折パターン: と実質的に同じX線回折パターンを有する結晶性合成ゼ
    オライトを使用することを特徴とするパラ置換塩素化ベ
    ンゼン誘導体の高選択的製造法。
  2. 【請求項2】ゼオライト単位重量あたりの塩素の供給量
    が1〜200mol/kg−cat・hrである特許請求の範囲第1項
    記載の方法
  3. 【請求項3】反応温度が80℃から反応系を構成する物質
    の沸点までの範囲である特許請求の範囲第1項記載の方
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