JPH0618796B2 - パラジアルキルベンゼンの製造方法 - Google Patents

パラジアルキルベンゼンの製造方法

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JPH0618796B2
JPH0618796B2 JP60062723A JP6272385A JPH0618796B2 JP H0618796 B2 JPH0618796 B2 JP H0618796B2 JP 60062723 A JP60062723 A JP 60062723A JP 6272385 A JP6272385 A JP 6272385A JP H0618796 B2 JPH0618796 B2 JP H0618796B2
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toluene
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な変性結晶性アルミノシリケートを触媒
とするジアルキルベンゼンの製造方法に関する。更に詳
しくは、新規な変性結晶性アルミノシリケートを触媒と
して選択的にパラジアルキルベンゼンを製造する方法に
関する。
〔従来の技術〕
種々のアルキルベンゼン、例えばエチルトルエン、ジエ
チルベンゼン等は対応するビニル芳香族単量体を作るた
めの先駆物質として使用され、これから得られる単量体
即ちビニルトルエン、ジビニルベンゼン等は種々の高分
子化合物の製造原料として重要な物質である。また、パ
ラシメンは酸化防止剤などの中間体として利用されるパ
ラクレゾールの原料となり、パラジイソプロピルベンゼ
ンはハイドロキノンの製造原料として有用である。従来
これらのジアルキルベンゼンの製造には、通常はモノア
ルキルベンゼンとアルキル化剤をフリーデルクラフト型
触媒の存在下に接触させる方法が採用されている。しか
し該方法では、アルキル化反応後のジアルキルベンゼン
異性体混合物中に含まれるパラ体の含有率が、熱力学平
衡組成以上であるジアルキルベンゼン混合物を得ること
はできなかった。従って、パラジアルキルベンゼンの収
率を高めるためには、反応生成物からパラ体を分離した
残りのオルトおよびメタ体をさらに異性化反応に付す必
要があった。
さらに、上記フリーデルクラフト型触媒は強い腐食性を
有し、反応系にグラスライニング等を施した装置を使用
しなければならず、かつそれでも接合部分等は著しく腐
食されるという欠点を有するものであった。
以上のような事情からフリーデルクラフト型触媒以外の
触媒を使用してパラジアルキルベンゼンを選択的に得よ
うとする種々の試みがなされてきた。
その中でも、結晶性アルミノシリケートを触媒として利
用する方法はパラ体の含有率が熱力学的平衡組成以上に
高められるものとして注目され、種々の検討がなされて
きた。
例えば特開昭54−27528号公報には、モノアルキ
ルベンゼンとエチレンとをマグネシウム、リンおよびそ
の他の元素を含む化合物で変性したゼオライトに接触さ
せてエチル化し、パラジアルキルベンゼンを製造する方
法が開示されている。しかるに該方法を追試した結果、
エチルトルエン合成におけるパラエチルトルエンの選択
率は90%以上の高い値を示したが、同時に高いトルエ
ン転化率を得るのは困難であった。
また、特開昭56−133032号公報には、結晶性ゼ
オライトをモリブデン、タングステン等の第VIA族金属
で変性した結晶性ゼオライトを触媒として用いて、1,
4−ジアルキルベンゼン異性体が平衡濃度より過剰に存
在するジアルキルベンゼン化合物を製造する方法が開示
されている。しかるに該方法は、熱力学的平衡濃度以上
の1,4−ジアルキルベンゼンを含有すジアルキルベン
ゼンを生成するものであるが、パラ選択性は約30〜7
0%と必ずしも満足できるほど高いものではなかった。
要するに、これら従来の変性ゼオライトを触媒として使
用した方法は、いずれにおいてもパラ体の選択率及び原
料の転化率の双方を同時に満し得るほど高い値にするこ
とができないという問題点を有し、さらに触媒の活性が
比較例短時間のうちに低下するという欠点をも併せて有
するものであった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明は、モノアルキルベンゼンとアルコールと
を原料とし、触媒を用いて、高転化率かつ高選択率で、
しかも長時間高い触媒活性を保持しながらパラジアルキ
ルベンゼンを製造する方法を提供することを目的とする
ものである。中でも、上記触媒として新規な変性した結
晶性アルミノシリケートを使用するパラジアルキルベン
ゼンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、本技術分野における現状に鑑み、上記目
的を達成すべく鋭意研究を重ね、その結果、特定範囲に
プロトン交換率を調製し、ついで、ヘテロポリ酸および
その塩からなる群から選ばれる一種または二種以上の化
合物を含む変性剤と接触させることにより得られる結晶
性アルミノシリケートを触媒として使用することによっ
て、モノアルキルベンゼンとアルコールとから高転化率
かつ高パラ選択性で、しかも長時間触媒活性が低下する
ことなくパラジアルキルベンゼンを製造することができ
ることを見出し、本発明に到達した。
〔発明の構成〕
すなわち本発明は、プロトン交換率を60%以上に調製
した結晶性アルミノシリケートとヘテロポリ酸およびそ
の塩からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合
物を接触させ、次いで焼成することにより得られる結晶
性アルミノシリケート触媒の存在下に、モノアルキルベ
ンゼンとアルコールとを反応させることを特徴とするパ
ラジアルキルベンゼンの製造方法に関するものである。
本発明の方法に使用する触媒の基材としての結晶性アル
ミノシチケートとは、例えば、モルデナイト、シャバサ
イト、エリオナイトのような天然ゼオライト、およびX
型、Y型、ペンタシル型などの合成ゼオライトである。
特に主細孔の入口が10員酸素環からなる、いわゆるペ
ンタシル型の合成ゼオライトであることが好ましい。更
に使用の目的に応じてカチオン交換によって得られる各
種の金属塩型あるいは脱アルミニウム等の適当な処理が
施されるものも使用できる。また本発明においては、結
晶性アルミノシリケートを構成するアルミニウムあるい
はケイ素の一部または全部を、ガリウム、ゲルマニウ
ム、ベリリウムなどの他の金属で置き換えた、結晶性メ
タロシリケートも用いることができる。
本発明で用いる結晶性アルミノシリケートは、粉末状の
ものでも、実用に適した成形品であってもよい。その成
形を行う際に混合する結合剤としては、アルミナゾル、
粘土などのごく一般的なものが使用できる。
本発明の方法に使用する触媒は、前記結晶性アルミノシ
リケートをプロトン交換率が60%以上となるように調
製し、次いで変性処理したものである。
プロトン交換率が60%に満たない結晶性アルミノシリ
ケートを変性処理したものを触媒としても、工業的に有
利な高い転化率でパラジアルキルベンゼンを製造するこ
とができないからである。
結晶性アルミノシリケートのプロトン交換は、公知のい
ずれの方法によっても支障なく行うことができ、例えば
酸水溶液による方法、アンモニウム塩水溶液による方法
等を適宜使用することができる。
尚、本発明においてプロトン交換率とは、ナトリウム型
結晶性アルミノシリケートを例にとれば、次式によって
定義される。
ここでA:プロトン交換処理液中に溶出したナトリウム
量(g) B:プロトン交換処理に供した結晶性アルミノシリケー
ト量(g) C:プロトン交換処理に供した結晶性アルミノシリケー
ト中のNa2Oの濃度(重量%) 尚、Aで示されるナトリウム量はプロトン交換後の処理
液中のナトリウム濃度を原子吸光光度法等の方法で測定
することによって、またCで示されるNa2Oの濃度は、結
晶性アルミノシリケートをフッ化水素酸を使って分解
し、分解液中のナトリウム濃度を同様の方法で測定する
ことによって求めることができる。
本発明においては、さらに上記プロトン交換率を60%
以上に調製した結晶性アルミノシリケートはヘテロポリ
酸あるいはその塩により処理される。
本発明においてヘテロポリ酸とは、二種以上の無機酸素
酸が縮合して生成した酸の総称であり、ヘテロポリ酸ア
ニオンの中心のヘテロ原子(I〜VIII族元素)と、酸素
を介して配位するポリ原子(通常Mo、W、Nb、Vなど)と
の組合せによって、種々の形態をとりうるものである。
本発明において結晶性アルミノシリケートの変性剤とし
て使用するヘテロポリ酸としては、各種のものが使用で
きる。具体的には、例えば12−タングストリン酸(H3
PW12O40 )、12−タングストケイ酸(H4SiW12O
40 )、12−モリブドリン酸(H3PMo12O40)、12−
タングスストゲルマン酸(H3GCW12O40)、12−モリブ
ドゲルマン酸(H3GeMo12O40 )等を挙げることができ
る。
さらに、本発明に於いて使用するヘテロポリ酸塩とは、
上記ヘテロポリ酸のアルミニウム塩、アルカリ金属塩、
アリカリ土類金属塩、及びその他の金属塩例えば、12
−タングストケイ酸マグネシウム、12−タングストリ
ン酸マグネシウム、12−タングストリン酸マンガン、
12−タングストリン酸亜鉛などである。
これらのヘテロポリ酸あるいはヘテロポリ酸塩は、プロ
トン交換率を60%以上に調製した結晶性アルミノシリ
ケートおよびヘテロポリ酸あるいはヘテロポリ酸塩を不
活性な溶媒に溶解して使用する。工業的実施の観点か
ら、溶解度の高いものを用いることが望ましい。前記の
好ましい適当な溶媒の例としては、水、アルコール、エ
ーテル、ケトンなどをあげることができる。工業的実施
の観点から水の使用が、より好ましい。
本発明に於いて、触媒調製のための変性処理は、プロト
ン交換率60%以上に調製した結晶性アルミノシリケー
トと前記の変性剤とを、浸漬法、噴霧法等の各種公知手
段によって接触させることによって行う。その際の浸漬
温度は、ヘテロポリ酸あるいはその塩が分解しない温度
であればよい。処理の容易さから約10〜30℃である
ことが好ましい。
該処理に於ける変性剤の接触時間は約30分〜50時間
程度であり、通常は約5〜20時間であることが好まし
い。
また、接触処理をする際の水素イオン濃度は、強酸性で
あるヘテロポリ酸が変質するのを防ぐために適宜調節
し、低pH域で行うこともできる。
なお、変性剤は例えば、約30重量%のアルミゾナル等
の結合剤を含む結晶性アルミノシリケートに対して、約
1〜50重量%の割合で適用することが好ましい。
以上の接触処理の後、結晶性アルミノシリケートを濾別
し、例えば約150℃以下の温度で乾燥する。この乾燥
は、変性剤を溶解するのに使用した溶媒の除去が目的で
ある。
次いで酸素または空気等の存在下で焼成する。焼成は、
結晶性アルミノシリケートの結晶構造が変質しない範囲
の条件で実施する。例えば、焼成温度は約400〜65
0℃、焼成時間は約1〜20時間である。
理論に拘泥する意図はないが、この焼成によってヘテロ
ポリ酸あるいはヘテロポリ酸塩中の金属は、結晶性アル
ミノシリケートの、主として外表面上に、金属酸化物の
形態として存在するようになると予測される。
なお、この変性と焼成の処理を数回繰り返してもよい。
このようにして変性した結晶性アルミノシリケートは、
使用の目的に応じて粉体状、粒状及びペレット状など多
種多様の形状で、触媒として供することができる。
本発明のパラジアルキルベンゼンの製造は、前記のよう
にして得られる触媒の存在下、モノアルキルベンゼンと
アルコールとを接触反応させることによりよって行われ
る。
本発明における「モノアルキルベンゼン」としては、例
えばトルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン
などを挙げることができ、また本発明における「アルコ
ール」としては例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアル
コールなどを挙げることができる。
接触反応の温度は、反応の種類すなわちモノアルキルベ
ンゼンとアルコールとの組み合せによって適宜選択する
ことができ、一般には約150〜400℃の温度である
ことが好ましい。
反応圧力は通常常圧から約30kg/cm2までの範囲とす
る。
反応形式は固定床または流動床触媒系を使用して連続
式、半連続式などの形式が採用できる。工業的な観点か
らは常圧において固定床または流動床触媒系を使用して
連続式で行うのが安全性、経済性の点から好ましい。
以下、本発明を実施例を掲げてさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらの具体例に限定されるものではな
い。
実施例1 ペンタシル型のシリカ/アルミナのモル比23のナトリ
ウム型結晶性アルミノシリケート100gを0.65重
量%塩化アンモニウム水溶液1に加えて90〜95℃
において10時間処理した。次に該結晶性アルミノシリ
ケートを濾別して110℃において2時間乾燥し、更に
空気中520℃において5時間焼成した。得られた結晶
性アルミノシリケートのプロトン交換率は、濾液中のナ
トリウム濃度を原子吸光々度法によって分析した結果、
72%であった。
次にプロトン交換した結晶性アルミノシリケートに結合
剤としてアルミナゾルを30重量%になるように加えて
成形し、110℃において2時間乾燥した後、520℃
において16時間焼成した。次にこの成形、焼成した結
晶性アルミノシリケート25gを12−タングストリン
酸の10重量%の水溶液100g中に加え、ゆるやかに
かきまぜながら10時間浸漬した。浸漬後の濾液中の1
2−タングストリン酸濃度を重量法で測定した結果、1
2−タングストリン酸の担持量は30重量%であった。
濾別した結晶性アルミノシリケートは110℃において
2時間乾燥した後、610℃において空気の存在下で5
時間焼成した。
以上のような処理によって得られた結晶性アルミノシリ
ケートを触媒としてトルエンとエチルアルコールとの反
応を行った。
反応は、ガラス製の内径15mm、長さ400mmの反応管
を有し、その一部を原料の予熱部とした常圧流通式反応
装置を用いて行った。反応管は電熱式管状炉によって加
熱した。触媒充填量は5gであり、その粒度は20〜4
2メッシュであった。触媒層の中心温度は350℃とし
た。トルエン/エチルアルコールのモル比は5、水素/
エチルアルコールのモル比は3、重量時間空間速度は2
0hr-1とした。
反応生成物は定期的にガスクロマトグラフによって分析
した。
反応を開始してから4時間後の結果を表1に示す。ま
た、トルエンの転化率の経時変化を表2に示す。
尚、表1に示す実施例2〜10及び比較例1〜6の結果
は、全て反応開始後4時間経過時のものである。
実施例2 実施例1に使用したプロトン交換率72%の結晶性アル
ミノシリケートを12−タングストリン酸の代りに12
−タングストケイ酸を用いて、実施例1と同様の方法で
変性した。変性した結晶性アルミノシリケートを触媒と
して、実施例1と同様の方法でトルエンとエチルアルコ
ールを反応させた。
得られた結果を表1に、また、トルエンの転化率の経時
変化を表2にそれぞれ示す。
実施例3 実施例1に用いた結晶性アルミノシリケート100gを
0.6重量%塩化アンモニウム水溶液1に加えて90
〜95℃において10時間処理してプロトン交換率65
%の結晶性アルミノシリケートを得た。これを実施例1
と同様の方法で成形、焼成したのち、実施例1に使用し
た12−タングストリン酸の代りに12−タングストケ
イ酸を用いて、実施例1と同様の方法で変性した。変性
した結晶性アルミノシリケートを触媒として、実施例1
と同様の方法でトルエンとエチルアルコールを反応させ
た。
実施例4 ペンタシル型のシリカ/アルミナのモル比23のナトリ
ウム型結晶性アルミノシリケート100gを1の0.
6重量%塩化アンモニウム水溶液で処理してプロトン交
換率60%の結晶性アルミノシリケートを得た。これを
実施例1と同様の方法で成形、焼成した。次に、この結
晶性アルミノシリケート25gを12−モリブドリン酸
の0.2重量%の水溶液100g中に室温で10時間浸
漬した。浸漬後の12−モリブドリン酸の担持量は4.
1重量%であった。実施例1と同様の方法で焼成したの
ち、トルエンとエチルアルコールとの反応に触媒として
供した。反応条件は実施例1と同一とした。
結果を表1に示す。
実施例5 実施例4に使用したプロトン交換率60%の結晶性アル
ミノシリケートを成形、焼成したのち、その25gを1
2−モリブドケイ酸の5重量%の水溶液100g中に室
温で10時間浸漬した。浸漬後の12−モリブドケイ酸
の担持量は6.0重量%であった。実施例1と同様の方
法で焼成したのち、トルエンとエチルアルコールとの反
応に触媒として供した。反応条件は実施例1と同一とし
た。
結果を表1に示す。
実施例6 実施例1に使用したプロトン交換率72%の成形、焼成
した結晶性アルミノシリケート25gをヘテロポリ酸の
5重量%の水溶液(この水溶液は12−タングストリン
酸と12−モリブドケイ酸を重量比4:1で含有する)
100g中に室温で10時間浸漬した。浸漬後のヘテロ
ポリ酸の担持量は10重量%であった。次いで実施例1
と同様の方法で焼成したのち、トルエンとエチルアルコ
ールとの反応に触媒として供した。反応条件は実施例1
と同一とした。
結果を表1に示す。
実施例7 12−タングストケイ酸5gを30mlの純水に溶解し、
これに過剰量の清浄なマグネシウムリボンの小片を加え
て水素の発生がなくなるまで室温で5時間静置した。未
反応のマグネシウム片を濾別して得られた12−タング
ストケイ酸マグネシウム水溶液に、実施例1に使用した
プロトン交換率72%の成形、焼成した結晶性アルミノ
シリケート10gを加えて、室温で10時間浸漬した。
浸漬後の12−タングストケイ酸マグネシウムの担持量
は15重量%であった。実施例1と同様の方法で焼成し
たのち、トルエンとエチルアルコールとの反応に触媒と
して供した。反応条件は実施例1と同一とした。
結果を表1に示す。
実施例8 12−タングストリン酸マグネシウム水溶液は実施例7
と同様の方法で12−タングストリン酸と金属マグネシ
ウムを反応させて調製した。この水溶液に実施例1に使
用したプロトン交換率72%の成形、焼成した結晶性ア
ルミノシリケートを実施例7と同様の方法、条件で浸漬
した。浸漬後の12−タングストリン酸マグネシウムの
担持量は15重量%であった。実施例1と同様の方法で
焼成したのち、トルエンとエチルアルコールとの反応に
触媒として供した。反応条件は実施例1と同一とした。
結果を表1に示す。
実施例9 12−タングストリン酸マンガン水溶液は実施例7と同
様の方法で12−タングストリン酸と金属マンガンを反
応させて調製した。この水溶液に実施例1に使用したプ
ロトン交換率72%の成形、焼成した結晶性アルミノシ
リケートを実施例7と同様の方法、条件で浸漬した。浸
漬後の12−タングストリン酸マンガンの担持量は16
重量%であった。実施例1と同様の方法で焼成したの
ち、トルエンとエチルアルコールとの反応に触媒として
供した。反応条件は実施例1と同一とした。
結果を表1に示す。
実施例10 12−タングストリン酸亜鉛水溶液は実施例7と同様の
方法で12−タングストリン酸と金属亜鉛を反応させて
調製した。この水溶液に実施例1に使用したプロトン交
換率72%の成形、焼成した結晶性アルミノシリケート
を実施例7と同様の方法、条件で浸漬した。浸漬後の1
2−タングストリン酸亜鉛の担持量は14重量%であっ
た。実施例1と同様の方法で焼成したのち、トルエンと
エチルアルコールとの反応に触媒として供した。反応条
件は実施例1と同一とした。
結果を表1に示す。
比較例1 特開昭54−27528号公報に記載の方法に準じて、
下記の操作を行った。
実施例1に使用したプロトン交換率72%の結晶性アル
ミノシリケートを実施例1と同様の方法、条件にて結合
剤を加えて成形し、次に40重量%の酢酸マグネシウム
水溶液に16時間浸漬した。酢酸マグネシウムの担持量
は、結合剤を含有する結晶性アルミノシリケートに対し
て金属マグネシウムとして5重量%であった。酢酸マグ
ネシウムを担持した結晶性アルミノシリケートは実施例
1と同様の方法で乾燥、焼成し、トルエンとエチルアル
コールの反応に触媒として供した。触媒層の中心温度は
350℃、トルエン/エチルアルコールのモル比は5、
水素/エチルアルコールのモル比は3、重量時空間速度
は10hr-1とした。
結果を表1に示す。
比較例2 実施例1に使用した結晶性アルミノシリケート100g
を0.95重量%塩化アンモニウム水溶液で処理してプ
ロトン交換率99%の結晶性アルミノシリケートを得
た。これを実施例1と同様の方法、条件で成形、焼成し
たのち、比較例1と同様の方法、条件で酢酸マグネシウ
ムによって変性した結晶性アルミノシリケートを触媒と
して比較例1と同様の反応条件でトルエンとエチルアル
コールの反応に供した。
結果を表1に示す。
また、トルエンの転化率の経時変化を表2に示す。
比較例3 特開昭56−133032号公報に記載の方法に準じて
下記の操作を行った。
実施例1に使用したプロトン交換率72%の成形、焼成
した結晶性アルミノシリケート12gをパラモリブデン
酸アンモニウムの25重量%水溶液80g中に加えて5
5℃において4時間浸漬した。濾別した結晶性アルミノ
シリケートは90℃において3時間乾燥したのち、500
℃において空気の存在下で5時間焼成した。なお、パラ
モリブデン酸アンモニウムの担持量は金属モリブデンと
して30重量%であった。得られた結晶性アルミノシリ
ケートは触媒として実施例1と同様の反応条件でトルエ
ンとエチルアルコールとの反応に供した。
結果を表1に示す。
比較例4 実施例1に使用したプロトン交換率72%の結晶性アル
ミノシリケートを実施例1と同様の方法、条件で成形、
焼成した。得られた結晶性アルミノシリケートを変性せ
ずにそのまま触媒として、実施例1と同様の反応条件で
トルエンとエチルアルコールとの反応に供した。
結果を表1に示す。
比較例5 実施例1に使用した結晶性アルミノシリケート100g
を0.4重量%塩化アンモニウム水溶液1で処理して
プロトン交換率40%の結晶性アルミノシリケートを得
た。これを実施例1と同様の方法で成形、焼成したの
ち、実施例1の同一条件で12−タングストリン酸を用
いて変性した。変性した結晶性アルミノシリケートを触
媒として実施例1と同様の反応条件でトルエンとエチル
アルコールとの反応に供した。
結果を表1に示す。
本比較例のプロトン交換率40%の結晶性アルミノシリ
ケートを使用した場合は、プロトン交換率60%以上の
場合(実施例1〜10)に比べて反応の転化率、選択率
ともに大幅に低下した。
比較例6 比較例5に使用したプロトン交換率40%の結晶性アル
ミノシリケートを実施例1と同様の方法、条件で成形、
焼成した。得られた結晶性アルミノシリケートを変性せ
ずにそのまま触媒として実施例1と同様の反応条件でト
ルエンとエチルアルコールとの反応に供した。
結果を表1に示す。
実施例11 ペンタシル型のシリカ/アルミナのモル比50のナトリ
ウム型結晶性アルミノシリケート100gを1の0.
4重量%塩化アンモニウム水溶液中に加えて90〜95
℃において10時間処理した。濾別して得られたプロト
ン交換率60%の結晶性アルミノシリケートを実施例1
と同様の方法で成形、焼成したのち、実施例1と同様の
方法、条件によって12−タングストリン酸水溶液で変
性した。
実施例1の反応装置を使用して、上記の変性した結晶性
アルミノシリケートを触媒としてトルエンとメチルアル
コールとの反応を行った。触媒の中心温度は400℃と
した。トルエン/メチルアルコールのモル比は5、水素
/メチルアルコールのモル比は3、重量時間空間速度は
10hr-1とした。
この反応では主要な生成物としてキシレンとエチルトル
エンが生成した。
反応を開始してから4時間後の結果を表3に示す。
比較例7 比較例11に用いた結晶性アルミノシリケートを比較例
3と同様の方法、条件でパラモリブデン酸アンモニウム
によって変性した。変性して得られた結晶性アルミノシ
リケートを触媒として、実施例11と同様の反応条件で
トルエンとメチルアルコールとの反応に供した。
結果を表3に示す。
実施例12 実施例2に使用したプロトン交換率72%、且つ12−
タングストケイ酸で変性した結晶性アルミノシリケート
を触媒としてエチルベンゼンとイソプロピルアルコール
との反応を行った。触媒層の中心温度は300℃とし
た。エチルベンゼン/イソプロピルアルコールのモル比
は5、水素/イソプロピルアルコールのモル比は2.
7、重量時間空間速度は5hr-1とした。
反応を開始してから4時間後の結果を表4に示す。
実施例3 実施例1の方法によって変性した結晶性アルミノシリケ
ートを触媒として、実施例1と同様の方法でクメンとイ
ソプロピルアルコールとの反応を行った。触媒層の中心
温度は230℃とした。クメン/イソプロピルアルコー
ルのモル比は5、水素−イソプロピルアルコールのモル
比は2.7、重量時間空間速度は1hr-1とした。
反応を開始してから3時間後の結果を表4に示す。
実施例14 実施例11に使用した結晶性アルミノシリケート100
gを0.5重量%を塩化アンモニウム水溶液1で処理
して、プロトン交換率85%の結晶性アルミノシリケー
トを得た。これを実施例1と同様の方法で成形、焼成し
たのち、実施例1と同様の方法、条件によって12−タ
ングストリン酸水溶液で変性した。
実施例1の反応装置を使用して、上記の変性した結晶性
アルミノシリケートを触媒としてトルエンとイソプロピ
ルアルコールとの反応を行った。触媒層の中心温度は3
00℃とした。トルエン/イソプロピルアルコールのモ
ル比は5、水素/イソプロピルアルコールのモル比は
2.7、重量時間空間速度は1hr-1とした。
反応を開始してから4時間後の結果を表4に示す。
比較例8 比較例2に使用した酢酸マグネシウムによって変性した
結晶性アルミノシリケートを触媒として、実施例14と
同様に反応を行った。
結果を表4示す。
〔発明の効果〕 (1) 本発明の製造方法によれば、高いモノアルキルベ
ンゼン転化率かつ高いパラ選択率でパラジアルキルベン
ゼンを製造することができる。すなわち、本発明は、転
化率及びパラ選択率の両方がバランス良く高い値をパラ
ジアルキルベンゼンの製造方法を提供することができる
ものであり、その結果パラジアルキルベンゼンの収率も
向上することができるものである。
(イ)例えば表1の実施例1〜10に示すごとく、本発
明の製造方法によれば、比較例1、2と比べ、パラ選択
率は幾分(1割弱)劣るもののトルエン転化率は約4〜
5倍も向上することができ、又、比較例3と比べ、トル
エン転化率はほぼ同等であるがパラ選択率は約50%も
向上することができ、その結果、高い収率でp−エチル
トルエンを得ることができる。
(ロ)さらに表3及び表4に示すごとく、本発明の製造
方法によれば、トルエンとエタノール以外の種々の組合
せにおいても同様に高転化率かつ高パラ選択率で種々の
パラジアルキルベンゼンを製造することができる。
(2) 本発明の製造方法によれば、使用する触媒を長時
間活性に維持しつつパラジアルキルベンゼンを製造する
ことができる。すなわち、表2に示したように、本発明
の製造方法は、トルエン転化率が高く、しかも転化率の
経時的低下も著しく小さいものである。
(3) さらに表1の比較例4、5及び6の結果から明ら
かなように、本発明に特有の効果である高転化率及び高
パラ選択率は、使用する触媒が特に単にプロトン交換率
を60%以上に調製した結晶性アルミノシリケート、あ
るいは単にヘテロポリ酸等で処理した結晶性アルミノシ
リケートである場合には得られないものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロトン交換率を60%以上に調製した結
    晶性アルミノシリケートとヘテロポリ酸およびその塩か
    らなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を接
    触させ、次いで焼成することにより得られる結晶性アル
    ミノシリケート触媒の存在下に、モノアルキルベンゼン
    とアルコールとを反応させることを特徴とするパラジア
    ルキルベンゼンの製造方法。
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