JPH08331832A - 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造 - Google Patents

同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造

Info

Publication number
JPH08331832A
JPH08331832A JP15665195A JP15665195A JPH08331832A JP H08331832 A JPH08331832 A JP H08331832A JP 15665195 A JP15665195 A JP 15665195A JP 15665195 A JP15665195 A JP 15665195A JP H08331832 A JPH08331832 A JP H08331832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
linear motor
axis
slider
fixed
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15665195A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Nagatomi
隆志 永冨
Kunio Kojima
邦夫 小嶋
Shinya Okamoto
慎哉 岡本
Ryuji Suzuki
竜二 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP15665195A priority Critical patent/JPH08331832A/ja
Publication of JPH08331832A publication Critical patent/JPH08331832A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Linear Motors (AREA)
  • Machine Tool Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】同一軸上におけるリニアモータの推力の切換。 【構成】 工作機械のコラムCL上に設置されるリニア
モータは、工具テーブルTBに取り付けられたスライダ
SL、コラムCL上で軸方向に沿って敷設された固定マ
グネットMG、ガイド機構で構成される。ガイド機構
は、ガイドレールGL、工具テーブルTBに取り付けら
れたガイドナットGNで構成される。固定マグネットM
Gは、加工領域にあたる区間では永久磁石セグメントを
2列配置とし、工具交換領域にあたる区間では1列配置
とする。これにより、工具交換領域における固定マグネ
ットの磁場発生能力は、加工領域のほぼ半分となる。加
工領域で静止した状態で工具交換領域への移動指令が制
御装置内で出力されると、可動スライダSL内に巻回さ
れたコイルが励磁され移動が開始される。可動スライダ
SLが加工領域内にある間は強い推進力で移動が行なわ
れるが、その先端が工具交換領域に進入を開始すると、
次第に発生し得る推進力が低下する。可動スライダSL
が工具交換領域内に完全に収まると、発生し得る推進力
がほぼ半減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明はリニアモータの推力を
同一軸上で切り換える為の技術に関し、更に詳しく言え
ば、同一軸上の位置に応じて推力の切換が行なわれるよ
うにしたリニアモータの構造に関する。本願発明は、工
作機械や産業機械の移動機構の駆動源として用いられる
リニアモータに適用して有利なものである。
【0002】
【従来技術】周知のように、リニアモータには、軌道状
に配設された固定マグネットあるいはコイルを備えた固
定スライダに対し、可動スライダを移動させる形で直線
的な推進力が直接得られるという基本的な特徴を有して
いる。そのため、工作機械や産業機械の移動機構の駆動
源としてリニアモータが使用されるケースが近年多くな
っている。
【0003】図1(1),(2)は、コイルを備えた可
動スライダを工作機械の移動テーブル(例えば、工具テ
ーブル)に取り付けて移動体としたケースを例にとり、
リニアモータの本体部の概略構造を説明する図である。
図1(1)には可動スライダ部分を透視して見たリニア
モータ本体部の平面構造が示されており、これを右端側
から見た断面構造が図1(2)に示されている。
【0004】図1(1)あるいは図1(2)において、
符号CLは例えば工作機械の本体のコラムを表わしてい
る。コラムCL上に設置されるリニアモータの本体部
は、テーブルTBに取り付けられたスライダSL、コラ
ムCL上に所定の軸方向(例えばZ軸方向)に沿ってラ
イン状に敷設された固定マグネットMG、並びにガイド
機構で構成される。ガイド機構は、コラムCL上で固定
マグネットMGを挟んで互いに平行に敷設された2本の
ガイドレールGLと、各ガイドレールGLに嵌合するよ
うにテーブルTBの四隅に取り付けられたガイドナット
GNで構成される。
【0005】固定マグネットMGは、図示されているよ
うに上面側を交互にN極、S極として列状に規則正しく
配列(ここでは2列)された多数の同磁力、同サイズの
永久磁石セグメントN,S,N・・・(右端部のみ符号
を表示)から構成される。また、可動スライダSL内に
は励磁時に固定マグネットMGによって生成される磁場
との間の相互作用によって推力を発生するようにコイル
(図示省略)が巻回されている。符号PSは位置検出器
を表わしており、テーブルTBの側部に取り付けられた
指標部PS’とともにリニアスケールによる位置検出信
号を出力する。
【0006】図示しない制御装置を介して、可動スライ
ダSL内に巻回されたコイルに電流が供給されると、コ
イルが励磁されて可動スライダSLにガイドレールGL
に沿った推力が与えられる。これにより、テーブルTB
がガイドナットGNとガイドレールGLからなる案内機
構に案内されて、ガイドレールGLに沿って右方あるい
は左方へ移動する。固定マグネットMGは、同一軸上に
一律に同じ磁力を発生するから、テーブルTBがどの位
置にあっても同等の推力を発生する能力を有することに
なる。
【0007】移動の向きは、可動スライダSL内のコイ
ルに供給される電流の極性で制御される。また、フィー
ドバック信号を生成するために位置検出器PS,PS’
の出力を制御装置に送ることで、テーブルTBの位置決
めが可能である。なお、移動側のみならず、固定側をも
励磁用のコイルを備えたユニット(以下、固定スライダ
と呼ぶ。)で構成することや、移動体側にマグネットを
配し、固定側にコイルを用いる構造も良く知られてい
る。それらの場合でも、同一軸上では均等な磁場発生能
力を持つように固定側のコイルが配設されており、同一
軸上における推力が移動体の位置に応じて自動的に切り
換わり得る構造とはなっていない。
【0008】ところで、リニアモータを工作機械等にお
ける移動手段として実際に用いる場合には、同一軸上の
移動区間の中に、大きな推力が要求される区間とそうで
ない区間が含まれることが多い。また、場合によって
は、大きな推力の発生が安全の妨げになるような区間が
含まれるケースも珍しくない。
【0009】例えば、工作機械の工具テーブルを加工領
域と工具交換領域との間の移動にリニアモータを使用し
た場合、加工領域では比較的大きな推力が要求されるの
に対し、工具交換領域では加工領域において必要とされ
るような大きな推進力は不要であることが通例である。
更に言えば、工具交換領域で強力な推力が発生すること
は、オペレータが工具交換の為にアクセスする上で危険
でもある。
【0010】しかし、上述したように、従来のリニアモ
ータは、同一軸上に一律に同じ磁力を発生する同サイズ
のマグネットあるいはコイル(スライダ)が配置される
ので、このうようなニーズに適合した構造を有している
とは言えない。
【0011】即ち、リニアモータの制御装置側でコイル
の給電条件を移動体の区間毎に切り換えるような制御を
行なわない限り、加工領域において必要とされるような
強力な推力を要しない工具交換領域においても過大な推
力が発生する恐れがあり、安全上問題であった。また、
固定側のマグネットあるいはスライダ内のコイルについ
て、大きな推力を要しない部分まで一律の配置状態とす
ることは、装置全体の小型化、軽量化、低コスト化、省
電力化等の観点から見ても好ましくなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで本願発明の目的
は、同一軸上の移動時に推力の切換を簡便に行なうこと
が可能なリニアモータの構造を提供することにある。ま
た、そのことを通して、工具テーブルをリニアモータで
駆動した場合の工作機械の工具交換領域等における過大
な推力の発生を防止することにある。更に、本願発明は
装置全体の小型化、軽量化、低コスト化、省電力等の観
点から見て有利な方向で、上記従来技術の問題点を解決
しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明は、リニアモー
タの本体部の固定側部分を構成するマグネット(固定マ
グネット)あるいはコイル(固定スライダ)と移動側部
分を構成するコイル(可動スライダ)あるいはマグネッ
ト(可動マグネット)の内、軸上で移動しない側(ガイ
ド機構に沿って案内されない側)の磁場発生能力を同一
軸上に沿って設けられた複数の区間毎に定めるという考
え方に基づいて、上記技術課題を解決したものである。
【0014】移動側がコイルを有する可動スライダで構
成され、固定側が固定マグネットで構成される場合に
は、固定マグネットの磁場発生能力を左右する固定マグ
ネットの配置状態が一つの軸に沿った複数の区間に分け
て定められる。また、移動側がコイルを有する可動スラ
イダで構成され、固定側もコイルを有する固定スライダ
で構成される場合には、固定スライダの磁場発生能力を
左右する固定スライダのコイルの配置状態が一つの軸に
沿った複数の区間に分けて定められる。
【0015】例えば工作機械の工具テーブルの加工領域
と工具交換領域のように大きな推力を要する区間と大き
な推力を要しない区間では、固定マグネットあるいは固
定スライダのコイルの軸方向の配置線密度をそれに応じ
て変える。例えば、加工領域では固定マグネットを2列
配置とし工具交換領域では1列配置とする方法や、工具
交換領域におけるコイル巻回密度を加工領域におけるコ
イル巻回密度より低くする方法などがある。
【0016】
【作用】本願発明のリニアモータの構造は、軸上で移動
する側(ガイド機構に沿って案内される側)のコイルマ
グネット部分と移動しない側の部分の内、後者の磁場発
生能力を同一軸上に沿って設けられた複数の区間に分け
て定めた点に基本的な特徴がある。
【0017】コイルが組み込まれたスライダ側が移動す
る場合には、スライダの軸上における位置に応じて、マ
グネット側の磁場発生能力が切り換わる。一方、マグネ
ット側が移動する場合には、マグネットの軸上における
位置に応じて、スライダ側の磁場発生能力が切り換わ
る。
【0018】例えば工作機械の工具テーブルの加工領域
と工具交換領域の間の移動に本願発明を適用した場合、
加工領域内におけるテーブル移動についてはテーブルの
迅速正確な位置決めの為に必要とされる大きな推力の発
生を可能とする一方、小さな推力で十分な工具交換領域
では大きな推力が発生する恐れがなくなる。本願発明の
リニアモータの構造は、従来構造では必要以上の磁力発
生能力を持った状態で配置されていたマグネットあるい
はコイルの一部を除去した構造に相当しているので、装
置全体の小型化、軽量化、低コスト化、省電力等の観点
から見ても有利なものである。
【0019】
【実施例】本願発明の実施例として、工作機械の工具テ
ーブルを加工領域と工具交換領域の間で移動させる移動
機構に本願発明の構造を有するリニアモータを利用する
ケースを説明する。図2は、工作機械の工具テーブルの
加工領域と工具交換領域の間の移動について説明する図
で、(1)は工具テーブルが加工領域にある状態を正面
から見た全体の様子を表わし、(2)は工具交換領域に
ある状態を正面から見た工具テーブル周辺部分の様子を
表わしている。なお、以下工具テーブルの駆動軸はZ軸
であるものとする。また、例えばX軸及びY軸で駆動さ
れるワークテーブルに関連した構造等については記載を
省略した。
【0020】これらの図において、符号1は工作機械全
体を指示しており、その本体上部のコラム2(他図では
CLで表示)上に工具テーブルTBを移動させる為のリ
ニアモータが設置される。工具テーブルTBは可動スラ
イダSLに取り付けられており、コラム2上に敷設され
た固定マグネットMG(あるいは固定スライダSL’)
に沿って±Z軸方向に移動する。工具テーブルTB上に
は主軸ヘッド3が載置され、主軸ヘッド3の取り付け部
5には工具ホルダ4が着脱自在に取り付けられる。
【0021】工具ホルダ4に装着された工具(図示省
略)を用いて通常の加工が行なわれる間は、工具テーブ
ルTBは図2(1)に示した加工領域内で位置決めされ
る。工具の交換、保守等を行なう際には、図2(2)に
示したように、工具テーブルTBを図中右方(−Z軸方
向)の工具交換領域へ移動させ、工具ホルダ4を取り付
け部5の取り外し、工具交換、保守等、所要の作業を行
なう。
【0022】図3は、図2に示した工作機械1の制御を
行なう数値制御装置(CNC)のハードウェアの一般的
な構成を表わす要部ブロック図である。同図において、
符号10で示された数値制御装置(CNC)は全体を統
括制御するプロセッサ11を備える。プロセッサ11
は、バス21を介して、ROM12に格納されたシステ
ムプログラムを読み出し、このシステムプログラムに従
って、数値制御装置(CNC)10全体の制御を実行す
る。例えばDRAMで構成されるRAM13には一時的
に計算データ、表示データ等が格納される。
【0023】CMOS14には、加工プログラム及び各
種パラメータが格納される。また、工具テーブルTBの
移動動作等の為のプログラムが格納される。以下、これ
らプログラムを合わせて動作プログラムと呼ぶこととす
る。CMOS14は図示されないバッテリでバックアッ
プされ、数値制御装置(CNC)10の電源がオフされ
てもデータが消去されない不揮発性メモリとして機能す
る。
【0024】インターフェイス15は、外部機器用との
入出力を行なう為に設けられ、オフラインプログラミン
グ装置、プリンタ等の外部機器31が接続される。オフ
ラインプログラミング装置で作成された動作プログラム
のデータは、インターフェイス15を介して数値制御装
置(CNC)10に読み込まれる。数値制御装置(CN
C)10で編集された動作プログラムのデータは、例え
ばプリンタで出力可能である。
【0025】PMC(プログラマブル・マシン・コント
ローラ)16は、数値制御装置(CNC)10に内蔵さ
れ、ラダー形式で作成されたシーケンスプログラムで機
械を制御する。即ち、動作プログラムで指令されたM機
能、S機能及びT機能に従って、これらをシーケンスプ
ログラムで必要な信号に変換し、I/Oユニット17か
ら機械側に出力する。
【0026】この出力信号は、機械側(工作機械本体の
他、ワークテーブル交換台等の周辺機器を適宜含む。)
のマグネット、油圧バルブ、空圧バルブ、ボールネジ、
電気アクチュエータ等を作動させる。機械側のリミット
スイッチ及び機械操作盤のスイッチ等の信号を受けて、
必要な処理をして、プロセッサ11に渡す。
【0027】グラッフィク制御回路18は、各軸の現在
位置、アラーム、パラメータ、画像データ等のディジタ
ルデータを画像信号に変換して出力する。この画像信号
は、CRT/MDIユニット25の表示装置26に送ら
れ、表示装置26に表示される。インターフェイス19
は、CRT/MDIユニット25内のキーボード27か
らデータを受けて、プロセッサ11へ渡す。
【0028】インターフェイス20は、手動パルス発生
器32に接続され、手動パルス発生器32からのパルス
を受ける。手動パルス発生器32は機械操作盤に実装さ
れ、手動で機械本体及び周辺機器の可動部を移動、位置
決めするのに使用される。
【0029】軸制御回路41〜43は、プロセッサ11
からの各軸の移動指令を受けて、各軸の指令をサーボア
ンプ51〜53に出力する。サーボアンプ51〜53
は、この移動指令を受けて、各軸のサーボモータ61〜
63を駆動する。これら各軸のサーボモータ61〜63
は、X軸、Y軸及びZ軸を駆動する。これらサーボモー
タ61〜63の全部または一部はリニアモータとされ
る。但し、工具テーブルTBの移動には後述する構造の
リニアモータで駆動されるZ軸が使用される。X軸、Y
軸の駆動については必ずしもリニアモータを用いなくと
も良い。
【0030】符号631はZ軸駆動用のサーボモータ
(リニアモータ)63に付設されたパルスコーダで、リ
ニアスケールでZ軸の位置信号を表わすパルスを出力す
る。なお、この後述する事例(図4〜図6)及び従来例
(図1)においては位置検出器として符号PSで示され
ている。
【0031】X軸、Y軸駆動用の各サーボモータ61,
62についても、図示しないパルスコーダが付設され
る。これらパルスコーダの出力パルスは位置フィードバ
ック信号や速度のフィードバック信号の生成に使用され
る。なお、X軸あるいはY軸の駆動を必要としない工作
機械の場合には、サーボモータ61あるいは62とその
制御系は不要となる。
【0032】スピンドル制御回路71は、スピンドル回
転指令及びスピンドルのオリエンテーション等の指令を
受けて、スピンドルアンプ72にスピンドル速度信号を
出力する。スピンドルアンプ72は、このスピンドル速
度信号を受けて、工具ホルダ4を取り付けた主軸ヘッド
3内に設けられたスピンドルモータ73を指令された回
転速度で回転させる。また、オリエンテーション指令に
よって所定の位置にスピンドルを位置決めする。
【0033】スピンドルモータ73には歯車あるいはベ
ルトでポジションコーダ82が結合されている。従っ
て、ポジションコーダ82はスピンドルモータ73に同
期して回転し、帰還パルスを出力し、その帰還パルスは
スピンドル制御回路71にフィードバックされる。この
帰還パルスは速度信号の生成にも利用される。
【0034】次に、図4〜図6を参照して、図2を参照
して説明した工具テーブル移動の為のZ軸の駆動に用い
られるリニアモータ本体部の配置と構造について2つの
実施例を説明する。なお、各図において、図1に示した
従来例と共通性を有する要素については適宜同じ参照記
号を使用した。また、本願発明の技術思想に直接関係の
無い部分については適宜記載を省略した。
【0035】先ず、図4及び図5を参照して第1の実施
例について説明する。図4には第1の実施例に係るリニ
アモータによって移動される工具テーブルが加工領域に
ある状態、図5には同リニアモータによって工具テーブ
ルが工具交換領域に移動された状態が、(1)可動スラ
イダ部分を透視した平面構造を表わす図、並びに(2)
これらを右端側から見た断面構造を表わす図で各々示さ
れている。
【0036】これらの図において、図2に示した工作機
械のコラムCL上に設置されるリニアモータの本体部
は、工具テーブルTBに取り付けられたスライダSL、
コラムCL上に所定の軸方向(例えばZ軸方向)に沿っ
てライン状に敷設された固定マグネットMG、並びにガ
イド機構で構成される。ガイド機構は、コラムCL上で
固定マグネットMGを挟んで互いに平行に敷設された2
本のガイドレールGLと、各ガイドレールGLに嵌合す
るように工具テーブルTBの四隅に取り付けられたガイ
ドナットGNで構成される。
【0037】固定マグネットMGが上面側を交互にN
極、S極として列状に規則正しく配列された永久磁石セ
グメントN,S,N・・・で構成される点は、図1に示
した従来例と同様である。しかし、本実施例では移動区
間を2つに分け、加工領域にあたる区間では永久磁石セ
グメントを2列配置(図1と同じ。)とし、工具交換領
域にあたる区間では同等の永久磁石セグメントを1列で
配置した。これにより、工具交換領域における固定マグ
ネットの磁場発生能力は、加工領域のほぼ半分となる。
【0038】可動スライダSL内には励磁時に固定マグ
ネットMGによって生成される磁場との間の相互作用に
よって推力を発生するようにコイル(図示省略)が巻回
されている。符号PSは位置検出器を表わしており、工
具テーブルTBの側部に取り付けられた指標部PS’と
ともにリニアスケールによる位置検出信号を出力する。
【0039】今、加工領域で静止した状態(図4)で、
工具交換領域への移動指令が図3に示した制御装置10
内で出力されると、可動スライダSL内に巻回されたコ
イルが励磁され、可動スライダSLをガイドレールGL
に沿って右方(−Z軸方向)へ向かわせる推力が発生す
る。これにより、工具テーブルTBがガイドナットGN
とガイドレールGLからなる案内機構に案内されて、ガ
イドレールGLに沿って右方へ移動を開始する。
【0040】可動スライダSLが加工領域内にある間
は、固定マグネットMGの2列配置部分を通過するの
で、強い推進力で移動が行なわれる。従って、この範囲
では急速な加速(あるいは減速)を伴う動作も可能であ
る。可動スライダSLが更に進行し、その先端が工具交
換領域に進入を開始すると、可動スライダSLの一部が
固定マグネットMGの1列配置部分を通過するようにな
り、次第に発生し得る推進力が低下する(図4と図5の
中間状態)。
【0041】そして、可動スライダSLが工具交換領域
内に完全に収まると(図5の状態)、固定マグネットM
Gの2列配置部分を通過しなくなるので、加工領域内に
ある時に比して、発生し得る推進力がほぼ半減する。従
って、この状態で(例えば、可動スライダSLの停止直
前)にオペレータが主軸ヘッド等に接触しても、比較的
安全である。また、従来構造(図1)に比して、装置が
小型軽量化され、使用部品量や消費電力も節減出来る。
【0042】工作実行時及び工具交換時の工具テーブル
TBの位置決めには、位置検出器PSの出力を制御装置
に送り、フィードバック信号を生成する周知の手法が利
用される。また、リミットスイッチを用いた手法を利用
しても良い。
【0043】本実施例の変形としては、例えば永久磁石
セグメントの配置列数を他の組合せ(例えば、3列と2
列)とすることや、配列する永久磁石セグメントの磁力
に区間に応じた差をつけること等が考えられる。更に、
3つ以上の区間を設け、磁場発生能力を3段階に設定す
ることも可能である。
【0044】次に、図6を参照して第2の実施例につい
て説明する。図6には第2の実施例に係るリニアモータ
によって移動される工具テーブルが加工領域にある状態
が、(1)可動スライダ部分を透視した平面構造を表わ
す図、並びに(2)これを右端側から見た断面構造を表
わす図で各々示されている。
【0045】同図において、図2に示した工作機械のコ
ラムCL上に設置されるリニアモータの本体部は、工具
テーブルTBに取り付けられたスライダSL、コラムC
L上に所定の軸方向(例えばZ軸方向)に沿ってライン
状に敷設された固定スライダSL’、並びにガイド機構
で構成される。ガイド機構は、コラムCL上で固定スラ
イダSL’を挟んで互いに平行に敷設された2本のガイ
ドレールGLと、各ガイドレールGLに嵌合するように
工具テーブルTBの四隅に取り付けられたガイドナット
GNで構成される。
【0046】固定スライダSL’は、第1の実施例にお
ける固定マグネットMGに代えて設けられるもので、励
磁時に上面側を交互にN極、S極となるように規則正し
く配列されたコイルセグメントCN,CS,CN・・・
CN’,CS’,CN’・・・で構成される。第1の実
施例と同様に、工具交換領域と加工領域に対応させた2
つの区間を設定し、前者においては磁場発生能力の低い
(例えば巻線密度が低い)コイルセグメントCN,C
S,CN・・・、後者においては磁場発生能力の高い
(例えば巻線密度が高い)コイルセグメントCN’,C
S’,CN’・・・を2列配置した。これにより、工具
交換領域における固定スライダの磁場発生能力は、加工
領域のほぼ半分となる。
【0047】可動スライダSL内には励磁時に固定スラ
イダSL’によって生成される磁場との間の相互作用に
よって推力を発生するようにコイル(図示省略)が巻回
されている。符号PSは位置検出器を表わしており、工
具テーブルTBの側部に取り付けられた指標部PS’と
ともにリニアスケールによる位置検出信号を出力する。
【0048】今、加工領域で静止した状態(図6)で、
工具交換領域への移動指令が図3に示した制御装置10
内で出力されると、可動スライダSLのコイルと固定ス
ライダSL’のコイルが励磁され、可動スライダSLに
ガイドレールGLに沿って右方(−Z軸方向)への推力
が発生する。これにより、工具テーブルTBがガイドナ
ットGNとガイドレールGLからなる案内機構に案内さ
れて、ガイドレールGLに沿って右方へ移動を開始す
る。
【0049】可動スライダSLが加工領域内にある間
は、固定スライダSL’による磁場発生能力が大きい部
分を通過するので、強い推進力で移動が行なわれる。従
って、この範囲では急速な加速(あるいは減速)を伴う
動作も可能である。可動スライダSLが更に進行し、そ
の先端が工具交換領域に進入を開始すると、可動スライ
ダSLの一部が固定スライダSL’による磁場発生能力
が小さい部分を通過するようになり、次第に発生し得る
推進力が低下する。
【0050】そして、可動スライダSLが工具交換領域
内に完全に収まると、固定スライダSL’による磁場発
生能力が大きい部分を通過しなくなるので、加工領域内
にある時に比して、発生し得る推進力が低下する。従っ
て、第1の実施例の場合と同様、この状態で(例えば、
可動スライダSLの停止直前)にオペレータが主軸ヘッ
ド等に接触しても、比較的安全である。また、移動経路
全体に加工領域で必要とされると同等の大きな磁場発生
能力を持たせた場合に比べ、装置が小型軽量化され、使
用部品量や消費電力も節減出来る。
【0051】工作実行時及び工具交換時の工具テーブル
TBの位置決めには、第1の実施例の場合と同じく、位
置検出器PSの出力を制御装置に送り、フィードバック
信号を生成する周知の手法が利用される。また、リミッ
トスイッチを用いた手法を利用しても良い。
【0052】本実施例の変形としては、例えば区間に応
じてコイルセグメントの配置列数を変える(例えば2列
と1列)とすることや、3つ以上の区間を設け、磁場発
生能力を3段階に設定することなども可能である。更
に、移動側にマグネットを配し、固定側にコイルを用い
る構造しても良い。
【0053】これら変形を行なった場合でも、同一軸上
で磁場発生能力を複数区間に亙って変化させることによ
り、同一軸上における推力が移動体の位置に応じて自動
的に切り換わり得る構造が得られる。
【0054】
【発明の効果】本願発明によれば、リニアモータの本体
部の構造に簡単な改良を加えることにより、同一軸上の
移動経路に沿った区間毎に推力の切換を簡便に行なうこ
とが可能となる。また、そのことを通して、例えば工作
機械の工具テーブルが工具交換領域にある際等に、過大
な推力が発生することを確実に防止することが出来る。
更に、本願発明によれば、装置全体の小型化、軽量化、
低コスト化、省電力等の観点から見て有利な方向で、従
来技術の問題点が解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コイルを備えた可動スライダを工作機械の移動
テーブル(例えば、工具テーブル)に取り付けて移動体
としたケースを例にとり、リニアモータの本体部の概略
構造を説明する図である。(1)には可動スライダ部分
を透視して見たリニアモータ本体部の平面構造が示され
ており、これを右端側から見た断面構造が(2)に示さ
れている。
【図2】工作機械の工具テーブルの加工領域と工具交換
領域の間の移動について説明する図で、(1)は工具テ
ーブルが加工領域にある状態を正面から見た全体の様子
を表わし、(2)は工具交換領域にある状態を正面から
見た工具テーブル周辺部分の様子を表わしている。
【図3】図2に示した工作機械の制御を行なう数値制御
装置(CNC)のハードウェアの一般的な構成を表わす
要部ブロック図である。
【図4】第1の実施例に係るリニアモータによって移動
される工具テーブルが加工領域にある状態を表わした図
である。(1)には可動スライダ部分を透視した平面構
造、(2)にはこれを右端側から見た断面構造が示され
ている。
【図5】第1の実施例に係るリニアモータによって移動
される工具テーブルが工具交換領域にある状態を表わし
た図である。(1)には可動スライダ部分を透視した平
面構造、(2)にはこれを右端側から見た断面構造が示
されている。
【図6】第2の実施例に係るリニアモータによって移動
される工具テーブルが加工領域にある状態を表わした図
である。(1)には可動スライダ部分を透視した平面構
造、(2)にはこれを右端側から見た断面構造が示され
ている。
【符号の説明】
1 工作機械 2,CL コラム 3 主軸ヘッド 4 工具ホルダ 5 工具ホルダの取り付け部 10 数値制御装置(CNC) 11 プロセッサ 12 ROM 13 RAM 14 CMOS 15 インターフェイス 16 PMC(プログラマブル・マシン・コントロー
ラ) 17 I/Oユニット 18 グラッフィク制御回路 19 インターフェイス 20 インターフェイス 21 バス 25 CRT/MDIユニット 26 表示装置 27 キーボード 31 外部機器 32 手動パルス発生器 41〜43 軸制御回路 51〜53 サーボアンプ 61〜63 サーボモータ(リニアモータ) 631 パルスコーダ 71 スピンドル制御回路 72 スピンドルアンプ 73 スピンドルモータ 82 ポジションコーダ GL ガイドレール GN ガイドナット MG 固定マグネット PS 位置検出器 PS’ 位置検出器の指標部 SL 可動スライダ SL’ 固定スライダ TB テーブル(工具テーブル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 慎哉 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 鈴木 竜二 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモ
    ータの構造であって、前記リニアモータの本体部の固定
    側部分を構成する固定マグネットあるいは固定スライダ
    と、案内機構に案内されて一つの軸上で可動な移動側部
    分を構成する可動スライダあるいは可動マグネットの
    内、軸上で移動しない側の磁場発生能力を同一軸上に沿
    って設けられた複数の区間毎に定められており、前記可
    動側部分の前記一つの軸上の移動位置に応じて推力の切
    換が行われる、前記リニアモータの構造。
  2. 【請求項2】 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモ
    ータの構造であって、固定マグネットと、コイルを有す
    る可動スライダと、前記可動スライダと一体的に移動す
    る移動体を一つの軸に沿って案内するガイド機構とを備
    え、 前記固定マグネットの磁場発生能力を左右する前記固定
    マグネットの配置状態が、前記軸に沿った複数の区間に
    分けて定められており、 前記可動スライダの前記一つの軸上の移動位置に応じて
    推力の切換が行われる、前記リニアモータの構造。
  3. 【請求項3】 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモ
    ータの構造であって、コイルを有する固定スライダと、
    コイルを有する可動スライダと、前記可動スライダと一
    体的に移動する移動体を一つの軸に沿って案内するガイ
    ド機構とを備え、 前記固定スライダの磁場発生能力を左右する前記固定ス
    ライダのコイルの配置状態が前記軸に沿った複数の区間
    に分けて定められており、 前記可動スライダの前記一つの軸上の移動位置に応じて
    推力の切換が行われる、前記リニアモータの構造。
  4. 【請求項4】 前記移動体が加工領域と工具交換領域の
    間で移動する工作機械の工具テーブルであり、前記複数
    の区間には前記工具交換領域に対応した区間が含まれて
    おり、該区間における前記固定マグネットの磁場発生能
    力が相対的に弱くなるように前記固定マグネットの配置
    状態が定められている、請求項2に記載された同一軸上
    で推力の切換が可能なリニアモータの構造。
  5. 【請求項5】 前記移動体が加工領域と工具交換領域の
    間で移動する工作機械の工具テーブルであり、前記複数
    の区間には前記工具交換領域に対応した区間が含まれて
    おり、該区間における前記固定スライダの磁場発生能力
    が相対的に弱くなるように前記固定スライダのコイルの
    配置状態が定められている、請求項3に記載された同一
    軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造。
JP15665195A 1995-06-01 1995-06-01 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造 Withdrawn JPH08331832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15665195A JPH08331832A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15665195A JPH08331832A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08331832A true JPH08331832A (ja) 1996-12-13

Family

ID=15632322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15665195A Withdrawn JPH08331832A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08331832A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0877465A1 (de) * 1997-05-09 1998-11-11 Rovema Verpackungsmaschinen GmbH Vorrichtung zur Erzeugung eines Kraftstosses
JP2001314072A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Yaskawa Electric Corp 永久磁石形リニアモータ
CN1087209C (zh) * 1997-06-12 2002-07-10 利德雪平机器工具公司 补偿机床构件和支承装置变形的装置及校准该装置的方法
JP2006020415A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Yamazaki Mazak Corp リニアモータ用位置検出装置
JP2008238335A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Okuma Corp 工作機械におけるリニアモータの構造
CN108000172A (zh) * 2017-11-06 2018-05-08 东莞市恒鼎自动化设备有限公司 一种直线电机驱动的机床

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0877465A1 (de) * 1997-05-09 1998-11-11 Rovema Verpackungsmaschinen GmbH Vorrichtung zur Erzeugung eines Kraftstosses
CN1087209C (zh) * 1997-06-12 2002-07-10 利德雪平机器工具公司 补偿机床构件和支承装置变形的装置及校准该装置的方法
JP2001314072A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Yaskawa Electric Corp 永久磁石形リニアモータ
JP4491759B2 (ja) * 2000-04-28 2010-06-30 株式会社安川電機 永久磁石形リニアモータ
JP2006020415A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Yamazaki Mazak Corp リニアモータ用位置検出装置
JP2008238335A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Okuma Corp 工作機械におけるリニアモータの構造
CN108000172A (zh) * 2017-11-06 2018-05-08 东莞市恒鼎自动化设备有限公司 一种直线电机驱动的机床

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4555610A (en) Laser machining system
US5888037A (en) Method of and apparatus for moving feed shafts of numerical controlled machine tool
JP2000117480A (ja) レーザ加工機
JPH0736514A (ja) 3次元工具径補正方式
EP0416116A1 (en) Spindle control instruction system
JPH08331832A (ja) 同一軸上で推力の切換が可能なリニアモータの構造
JP2584889B2 (ja) パンチプレス機械の工具選択方法
JPH09101814A (ja) 数値制御装置及び自動プログラミング装置
WO1991010179A1 (en) Display system of numerical controller
JPH02178708A (ja) 重力軸のブレーキ制御方式
JP2008269483A (ja) 数値制御装置
JP2017174119A (ja) 干渉検出後の対策を容易にする数値制御装置
JPH08318440A (ja) リニアモータを用いてテーブル交換を行なう工作機械
JPH0753331B2 (ja) 工作機械
JPH04177404A (ja) 数値制御装置のm機能出力方式
JP2628914B2 (ja) 加工シミュレーション方式
JP2628923B2 (ja) 数値制御装置の送り速度制御方法
JPH0360620B2 (ja)
JP2868527B2 (ja) 数値制御装置
JPH03166609A (ja) 加工径路描画方式
JPH05200648A (ja) Nc工作機械の主軸速度制御方式
JPH06312341A (ja) 数値制御装置
JPH0830318A (ja) 送り速度制御方式
JPH08234821A (ja) Cncの工具移動制御方式
JPH06110517A (ja) スピンドル制御方式

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806