JPH0832875B2 - 蓄熱材組成物 - Google Patents
蓄熱材組成物Info
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- JPH0832875B2 JPH0832875B2 JP26373987A JP26373987A JPH0832875B2 JP H0832875 B2 JPH0832875 B2 JP H0832875B2 JP 26373987 A JP26373987 A JP 26373987A JP 26373987 A JP26373987 A JP 26373987A JP H0832875 B2 JPH0832875 B2 JP H0832875B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、蓄熱材組成物に関する。更に詳しくは、空
調、特にグリーンハウス内の温度調節に適した潜熱蓄熱
材組成物に関する。
調、特にグリーンハウス内の温度調節に適した潜熱蓄熱
材組成物に関する。
空調、特にグリーンハウス内の温度調節は、植物の成
長を促進し、収穫時期を早めるために非常に重要な問題
である。ハウス内の温度は、通常は昼間は太陽の熱で30
℃以上にも達するため、25℃以上になると天窓が開き、
ハウス内の余剰の熱を外部に放出するようにして換気を
行っている。一方、夜間には、外気温度の低下に伴いハ
ウス内温度も低下し、特に冬場には0℃以下になるた
め、ハウス内温度が10℃以下にならないようにボイラー
で暖房を行っているのが現状である。
長を促進し、収穫時期を早めるために非常に重要な問題
である。ハウス内の温度は、通常は昼間は太陽の熱で30
℃以上にも達するため、25℃以上になると天窓が開き、
ハウス内の余剰の熱を外部に放出するようにして換気を
行っている。一方、夜間には、外気温度の低下に伴いハ
ウス内温度も低下し、特に冬場には0℃以下になるた
め、ハウス内温度が10℃以下にならないようにボイラー
で暖房を行っているのが現状である。
そこで、昼間の余剰な熱を夜間の暖房に利用しようと
いう考えが提案され、近年空調温度レベル、特に20℃前
後に融点を持つ潜熱蓄熱材の開発が活発に行われるよう
になってきた。
いう考えが提案され、近年空調温度レベル、特に20℃前
後に融点を持つ潜熱蓄熱材の開発が活発に行われるよう
になってきた。
本発明者らは、融解温度10〜25℃の潜熱蓄熱材の開発
を目的として研究を行った結果、リン酸水素2ナトリウ
ム・12水和物(Na2HPO4・12H2O)とチオ硫酸ナトリウム
・5水和物(Na2S2O3・5H2O)とを混合したとき、共晶
点付近の組成において融解温度23℃で潜熱量が30cal/g
前後の潜熱蓄熱材の組成物が得られることを先に見出し
た(特願昭62−186,625号)。
を目的として研究を行った結果、リン酸水素2ナトリウ
ム・12水和物(Na2HPO4・12H2O)とチオ硫酸ナトリウム
・5水和物(Na2S2O3・5H2O)とを混合したとき、共晶
点付近の組成において融解温度23℃で潜熱量が30cal/g
前後の潜熱蓄熱材の組成物が得られることを先に見出し
た(特願昭62−186,625号)。
図面の第1図には、Na2HPO4・12H2OとNa2S2O3・5H2O
との混合物の融解温度が示されている。横軸の座標は、
Na2S2O3・5H2Oの添加モル%を示しており、Na2HPO4・12
H2Oが100モル%の場合の融解温度は左端の縦軸上に、ま
たNa2S2O3・5H2Oが100モル%の場合の融解温度は右端の
縦軸上にそれぞれ示されている。
との混合物の融解温度が示されている。横軸の座標は、
Na2S2O3・5H2Oの添加モル%を示しており、Na2HPO4・12
H2Oが100モル%の場合の融解温度は左端の縦軸上に、ま
たNa2S2O3・5H2Oが100モル%の場合の融解温度は右端の
縦軸上にそれぞれ示されている。
36℃に融解温度を持つNa2HPO4・12H2Oに、49℃の融解
温度を持つNa2S2O3・5H2Oを加えて行くと、36℃の融解
温度が次第に低下し、添加量20モル%あたりから融解温
度約33℃の相とは別に、融解温度23℃付近の相(図中、
aで示す)が生成するようになる。添加を更に進め、添
加量が約30モル%に達すると高温側の相はみられなくな
り、23℃に融解温度を持つ低温側の相(図中、bで示
す)だけがみられるようになる。更に添加量が増大し、
約30〜65モル%の間では23℃に融解温度を持つ相だけが
表われる。添加量が約70モル%になると、再び高温側の
相(図中、cで示す)がみられるようになり、添加量90
モル%では23℃に融解温度を持つ相はみられなくなる。
温度を持つNa2S2O3・5H2Oを加えて行くと、36℃の融解
温度が次第に低下し、添加量20モル%あたりから融解温
度約33℃の相とは別に、融解温度23℃付近の相(図中、
aで示す)が生成するようになる。添加を更に進め、添
加量が約30モル%に達すると高温側の相はみられなくな
り、23℃に融解温度を持つ低温側の相(図中、bで示
す)だけがみられるようになる。更に添加量が増大し、
約30〜65モル%の間では23℃に融解温度を持つ相だけが
表われる。添加量が約70モル%になると、再び高温側の
相(図中、cで示す)がみられるようになり、添加量90
モル%では23℃に融解温度を持つ相はみられなくなる。
そこで、23℃に融解温度を持つ相について、各組成物
の潜熱量を測定した。その結果を、次の表1に示す。
の潜熱量を測定した。その結果を、次の表1に示す。
表1 Na2S2O3・5H2O添加量(モル%) 潜熱量(cal/g) 20 14.4 30 25.5 40 27.8 50 30.7 55(b1点) 31.0 60(b2点) 31.6 65(b3点) 26.0 70(b4点) 16.3 75(b5点) 13.5 80 10.5 かかるリン酸水素2ナトリウム・12水和物およびチオ
硫酸ナトリウム・5水和物よりなる系について、その後
更に詳細な検討を加えた結果、以上の共晶組成の他に、
リン酸水素2ナトリウム・7水和物(Na2HPO4・7H2O)
やチオ硫酸ナトリウム・2水和物(Na2S2O3・2H2O)が
相分離により析出し、これらの析出物は共晶組成での本
来の潜熱量を著しく低下させるものであることが判明し
た。
硫酸ナトリウム・5水和物よりなる系について、その後
更に詳細な検討を加えた結果、以上の共晶組成の他に、
リン酸水素2ナトリウム・7水和物(Na2HPO4・7H2O)
やチオ硫酸ナトリウム・2水和物(Na2S2O3・2H2O)が
相分離により析出し、これらの析出物は共晶組成での本
来の潜熱量を著しく低下させるものであることが判明し
た。
このため、本発明者らは、リン酸水素2ナトリウム・
7水和物やチオ硫酸ナトリウム・2水和物の相分離を抑
えることにより潜熱量の低下を抑制することを考え、こ
のための手段として水(結晶水あるいは明確に区別し得
ないがこれと自由水とに由来する水)の組成を調整する
ことを試み、それがかかる課題の解決にとってきわめて
有効であることを見出した。
7水和物やチオ硫酸ナトリウム・2水和物の相分離を抑
えることにより潜熱量の低下を抑制することを考え、こ
のための手段として水(結晶水あるいは明確に区別し得
ないがこれと自由水とに由来する水)の組成を調整する
ことを試み、それがかかる課題の解決にとってきわめて
有効であることを見出した。
従って、本発明は融解温度を23℃に調整しかつ一般に
約25cal/g以上の潜熱量を示す蓄熱材組成物に係り、こ
の蓄熱材組成物は、リン酸水素2ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウムおよび水の3成分系よりなり、無機塩がリン
酸水素2ナトリウム約40〜30%およびチオ硫酸ナトリウ
ム約60〜70%のモル比を有し、かつ水が全組成の89.5〜
91.5モル%を占める組成を有している。
約25cal/g以上の潜熱量を示す蓄熱材組成物に係り、こ
の蓄熱材組成物は、リン酸水素2ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウムおよび水の3成分系よりなり、無機塩がリン
酸水素2ナトリウム約40〜30%およびチオ硫酸ナトリウ
ム約60〜70%のモル比を有し、かつ水が全組成の89.5〜
91.5モル%を占める組成を有している。
図面の第2図には、Na2HPO4・12H2OとNa2S2O3・5H2O
とを混合したときの共晶付近の組成がb1〜b5として示さ
れ、その潜熱量は前記表1に示した如くである。
とを混合したときの共晶付近の組成がb1〜b5として示さ
れ、その潜熱量は前記表1に示した如くである。
これらb1〜b5の組成において、それぞれ無水物として
のNa2HPO4およびNa2S2O3と3成分系を形成する水のモル
比を種々に増大させ、共晶組成の潜熱量を測定すると、
次の表2に示されるような結果が得られた。
のNa2HPO4およびNa2S2O3と3成分系を形成する水のモル
比を種々に増大させ、共晶組成の潜熱量を測定すると、
次の表2に示されるような結果が得られた。
以上の潜熱量データーを第2図に、次のようにして示
した。
した。
◎:共晶組成の潜熱量30cal/g以上 ○: 〃 25〜30cal/g ●: 〃 25cal/g以下 実用上からは、蓄熱材は少くとも約25cal/g程度の潜
熱量を有していなければならないので、かかる観点から
は3成分間のモル比範囲を選択すると、無機塩の組成と
してはNa2HPO4が約40〜30%、Na2S2O3が約60〜70%のモ
ル比を有し、かつ水の組成が全組成の89.5〜91.5モル
%、好ましくは90.0〜91.5モル%を占めるようなもの
が、本発明の目的にかなった潜熱材を提供する。
熱量を有していなければならないので、かかる観点から
は3成分間のモル比範囲を選択すると、無機塩の組成と
してはNa2HPO4が約40〜30%、Na2S2O3が約60〜70%のモ
ル比を有し、かつ水の組成が全組成の89.5〜91.5モル
%、好ましくは90.0〜91.5モル%を占めるようなもの
が、本発明の目的にかなった潜熱材を提供する。
なお、本発明の蓄熱材組成物は、発核剤は必ずしも用
いる必要はないが、所望により適当量を添加し、過冷却
防止を行なってもよい。発核剤としては、ホウ砂または
無水ホウ酸ナトリウムなどを用いることができる。
いる必要はないが、所望により適当量を添加し、過冷却
防止を行なってもよい。発核剤としては、ホウ砂または
無水ホウ酸ナトリウムなどを用いることができる。
本発明によれば、融解温度が23℃で、植物成長におけ
る適温(約15〜25℃)を与えることができ、かつ蓄熱量
の大きい蓄熱材組成物が提供される。従って、本発明の
蓄熱材組成物は、冬期ビニルハウスなどの蓄熱材として
きわめて有用である。
る適温(約15〜25℃)を与えることができ、かつ蓄熱量
の大きい蓄熱材組成物が提供される。従って、本発明の
蓄熱材組成物は、冬期ビニルハウスなどの蓄熱材として
きわめて有用である。
第1図は、Na2HPO4・12H2OとNa2S2O3・5H2Oの混合物の
融解温度を示すグラフである。また、第2図は、Na2HPO
4−Na2S2O3−H2O3成分組成図である。
融解温度を示すグラフである。また、第2図は、Na2HPO
4−Na2S2O3−H2O3成分組成図である。
Claims (1)
- 【請求項1】リン酸水素2ナトリウム、チオ硫酸ナトリ
ウムおよび水の3成分系よりなり、無機塩がリン酸水素
2ナトリウム約40〜30%およびチオ硫酸ナトリウム約60
〜70%のモル比を有し、かつ水が全組成の89.5〜91.5モ
ル%を占めている蓄熱材組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26373987A JPH0832875B2 (ja) | 1987-10-21 | 1987-10-21 | 蓄熱材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26373987A JPH0832875B2 (ja) | 1987-10-21 | 1987-10-21 | 蓄熱材組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01108293A JPH01108293A (ja) | 1989-04-25 |
JPH0832875B2 true JPH0832875B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=17393617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26373987A Expired - Fee Related JPH0832875B2 (ja) | 1987-10-21 | 1987-10-21 | 蓄熱材組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0832875B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3621725B2 (ja) * | 1994-07-21 | 2005-02-16 | 日本パイオニクス株式会社 | 冷熱剤 |
-
1987
- 1987-10-21 JP JP26373987A patent/JPH0832875B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01108293A (ja) | 1989-04-25 |
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JPH0352511B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |