JPH08327956A - コンタクトレンズ溶液及びそれを用いた洗浄消毒方法 - Google Patents

コンタクトレンズ溶液及びそれを用いた洗浄消毒方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】最終調製組成物として多価カルボン酸塩、
界面活性剤、蛋白分解酵素を特定量含む溶液を特徴とす
るコンタクトレンズ溶液、及びその溶液にコンタクトレ
ンズを浸漬し35〜75℃にて加温洗浄、または続いて
煮沸消毒することを特徴とするコンタクトレンズの洗浄
方法。 【効果】洗浄活性化成分として安全性の高い多価カルボ
ン酸塩を最終調製濃度として0.01〜1%含むことで
洗浄効力を飛躍的に向上させることができ、特に酵素を
用いた洗浄剤の洗浄能力を有効に働かせることができ
る。また35〜75℃に加温することでより高い洗浄効
力を得ることができるため、コンタクトレンズケアが容
易にしかも確実簡単に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
の洗浄及び消毒方法、これらを適切に行う為に必要なコ
ンタクトレンズ溶液、特にソフトコンタクトレンズ溶液
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズの洗浄は界面活性剤を
主成分とする洗浄剤を用いる方法、または酵素剤への浸
漬洗浄方法によってコンタクトレンズ表面上のタンパク
質汚れや脂質汚れを乳化分解させている。特に酵素を用
いた洗浄方法は有用性が確認されており粉末、顆粒、錠
剤あるいは濃縮液体酵素製剤を保存液やリンス液等で希
釈溶解して用いる。酵素としては蛋白分解酵素、脂質分
解酵素、多糖類分解酵素、リゾチーム等が利用されてい
る。これらの技術は例えば、特公昭53−47810号
公報に有効量の蛋白分解酵素を含有する組成物による洗
浄方法及びパパイン等の特定の蛋白分解酵素からなる洗
浄剤が開示されている。特開昭62−913号公報に
は、アミラーゼやセルラーゼ等の特定酵素と尿素、アミ
ノ酸等の活性化剤とからなる洗浄剤が開示されている。
特開昭53−125412号公報にはリパーゼを用いた
洗浄剤が開示されている。
【0003】上述のように洗浄剤として蛋白分解酵素及
び界面活性剤が主成分として用いられ、洗浄力を高める
方法として蛋白分解酵素を活性化させるために加温する
方法や活性化剤を利用する方法がとられる。活性化剤と
してカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の金属イ
オンやSH基含有化合物が用いられるが、金属イオンの
コンタクトレンズへの沈着固着やSH基含有化合物のコ
ンタクトレンズの吸着変性による黄変化などの問題があ
り好ましいものではない。また、洗浄力の点でも満足す
るものではなく、汚れの残存による充血、濡れ性の低下
による曇り発生等の問題点が指摘されている。界面活性
剤の添加は洗浄力の向上に寄与するが満足するものでな
く、界面活性剤の種類によってはコンタクトレンズを変
色させてしまうものやコンタクトレンズに吸着して変形
を起こすもの、あるいはコンタクトレンズに残存し眼障
害を起こすものがあり十分な注意が必要である。
【0004】一方、コンタクトレンズは洗浄あるいは消
毒後に特定の保存液等に保存することが一般的であり、
ハードコンタクトレンズでは親水性化剤等を含む保存液
に保存する。ソフトコンタクトレンズでは塩化ナトリウ
ムを主成分とする生理的浸透圧と等張性の保存液に保存
あるいは煮沸保存するのが一般的であるが、近年では液
体酵素洗浄剤数滴を保存液中に加え加熱煮沸しながらソ
フトコンタクトレンズを洗浄及び消毒する方法がとられ
るようになった。
【0005】この方法は洗浄と消毒が1回の処理で済む
ため非常に便利であり急速に広まった。しかしながら適
切な組成でないとコンタクトレンズの変形、変色あるい
は眼障害が起きやいという欠点を持つ。また、これまで
のに提案されてきた組成では洗浄力が十分満足できるも
のではなく、定期的なこすり洗浄等の処理が必要であっ
た。したがって、眼に対する安全性を確保した上で十分
な洗浄力と簡便性を兼ね備えた洗浄剤が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、洗浄
剤の活性を増すために活性化成分としてシステイン等の
SH基賦活剤やカルシウム等の金属イオンを洗浄液等に
加える方法が用いられるが、SH基賦活剤はスルフィド
結合の形成によるコンタクトレンズの黄変化を、金属イ
オンはコンタクトレンズ上の蛋白質の水不溶化や汚れの
デポジットを生じ、特に加熱によって促進されるため問
題がある。この様な問題を回避するために、一般的には
酵素剤あるいは洗浄剤で洗浄すすぎ後、生理食塩水ある
いは専用保存液等を用いて煮沸消毒しているが、操作が
煩雑であるだけでなくコンタクトレンズの破損及び紛失
の危険性を高くしている一因でもある。
【0007】改善された方法として液体酵素洗浄剤数滴
を保存液中に加え加熱煮沸しながらソフトコンタクトレ
ンズを洗浄及び消毒する方法がとられるようになった。
この方法は洗浄と消毒が1回の処理で済むため非常に便
利であるが、適切な組成でないとコンタクトレンズの変
形変色あるいは眼障害が起きやいという欠点を持つ。ま
た、これまでのに提案されてきた組成では洗浄力が十分
満足できるものではなく、定期的なこすり洗浄等の処理
が必要であった。
【0008】そこで本発明は、これらの問題点を解決す
ることを課題として鋭意研究を行い到達したものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた技術的手段としては、洗浄力を飛躍的に高め
る成分として安全でコンタクトレンズへの影響のほとん
どない多価カルボン酸を見いだし、また特定の濃度範囲
内で有効であること、さらにこの洗浄力活性化が加温に
よって高まるため特別な処理は必要とせず、コンタクト
レンズに対して影響を与えず、安全で最適なコンタクト
レンズ溶液及び洗浄消毒方法を見いだした。
【0010】本発明はこの様な知見に基づいて完成した
ものであり、 (1)最終調製組成物として、下記の成分を含むことを
特徴とするコンタクトレンズ溶液、 1)多価カルボン酸塩 0.01〜1 W/V% 2)界面活性剤 0.0005〜0.5 W/V% 3)蛋白質分解酵素 100〜5000 PUN単位/dl (2)多価カルボン酸塩がクエン酸塩、酒石酸塩,リン
ゴ酸塩のうち少なくとも1種であることを特徴とするコ
ンタクトレンズ溶液、 (3)界面活性剤が非イオン性界面活性剤で、そのHL
Bが12〜18であることを特徴とするコンタクトレン
ズ溶液、 (4)(1)記載のコンタクトレンズ溶液にコンタクト
レンズを浸漬して、約35〜75℃にて加温洗浄するこ
とを特徴とするコンタクトレンズの洗浄方法、 (5)(1)記載のコンタクトレンズ溶液にコンタクト
レンズを浸漬して、約35〜75℃にて加温洗浄後、続
いて煮沸消毒することを特徴とするコンタクトレンズの
洗浄方法を要旨とするものである。
【0011】本発明を具体的に説明すると、本発明のコ
ンタクトレンズ溶液の洗浄力を飛躍的に高める成分とし
て多価カルボン酸塩を用いることを特徴とする。特に多
価カルボン酸塩類の中でクエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ
酸塩が生体に対する安全性上好ましい。クエン酸塩及び
リンゴ酸塩は生体で重要な成分であり、代謝系回路のT
CA回路(Krebsサイクル)では重要な役割を持
つ。また、医薬品としては抗凝固剤,顆粒等の矯味剤,
錠剤の発砲成分として用いられ、医薬品の塩としてはク
ロミフェン、ジエチルカルバマジン、ペントキシベリン
等に利用されている。多価カルボン酸塩の濃度としては
0.01〜1%であることが好ましい。0.01%未満
であると洗浄力の向上が認められず、1%を越えると洗
浄力の向上があまり認められなくなり、またコンタクト
レンズの形状に対して影響を与えるので好ましくない。
更に好ましくは0.05〜0.2%の範囲がよい。
【0012】本発明のコンタクトレンズ溶液は、油脂性
汚れに対する洗浄性及び汚れの再付着防止のために適当
な界面活性剤を含み、界面活性剤はコンタクトレンズへ
の影響及び生物学的安全性の面から非イオン性のものが
選択される。非イオン性界面活性剤の中でもコンタクト
レンズへの影響がほとんどなく、蛋白質分解酵素の作用
に影響を与えずに生物学的安全性の高いものが選ばれ
る。本発明ではこの条件に適合する界面活性剤としてH
LB(親水性−疎水性バランス値)12〜18のものが
好ましく、特にHLB15〜17の非イオン性界面活性
剤が好ましい。
【0013】代表的な界面活性剤としてポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキ
シエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル及びコラーゲンペプチドアルキルエステルが挙げ
られる。これらの界面活性剤はPBC−34、PBC−
44、TS−10、MYS−40、CCK−40、HC
O60、HCO100(日本サーファクタント工業株式
会社)、TW−L120、エマノーンCH−60、エマ
ノーンCH−80(花王株式会社)、ニユーポールPE
−108、PE−68(三洋化成工業株式会社)等の商
品名で市販されている。界面活性剤の濃度としては0.
0005〜0.5W/V%が好ましい。0.0005W
/V%未満であれば界面活性剤としての機能を果たさ
ず、0.5W/V%を越えるとコンタクトレンズへの吸
着残存の面で好ましくなく洗浄性もあまり向上しない。
【0014】本発明の洗浄方法は、本発明のコンタクト
レンズ溶液中にコンタクトレンズを浸漬し、加温した状
態で洗浄することによって高い洗浄効果が現れる。特に
蛋白質分解酵素等の酵素洗浄剤を用いた場合、加温する
ことでより洗浄効果が向上することを見いだした。一般
に酵素は加温によって洗浄効果が増大するが、本発明の
コンタクトレンズ溶液に用いる多価カルボン酸塩を共存
させることで洗浄効果が飛躍的に向上することを示し
た。したがって少量の酵素で高い洗浄性を確保すること
ができ、これは酵素あるいは変性蛋白質で刺激を誘発さ
れるユーザーに対しても使用できる可能性を提供でき
る。加温する温度は35〜75℃が好ましく、より好ま
しくは40〜60℃である。このようにして安全で効率
的なコンタクトレンズを洗浄する方法を提供することが
できる。
【0015】本発明の洗浄消毒方法は、本発明のコンタ
クトレンズ溶液中にコンタクトレンズを浸漬し加温した
状態で洗浄する。引き続いて温度を約100℃付近まで
上昇させて煮沸消毒することによって本発明の目的が達
成される。実際にはコンタクトレンズ用煮沸消毒器(一
般名称はライザー)にセットし、煮沸温度約100℃に
達するまでの昇温時間である約30分の間に洗浄させる
ことになるが、より好ましくは40〜60℃で約15〜
40分間の洗浄時間を経て、その後煮沸温度まで昇温す
る設定を持つ煮沸消毒器が好ましい。例えばマイクロバ
イオライザー(セイコーコンタクトレンズ株式会社製)
が好適である。本発明のコンタクトレンズ溶液を用いて
洗浄煮沸を行えば、コンタクトレンズを十分に洗浄する
ことができ、さらに同一行程で煮沸消毒を行うことがで
きる。したがってコンタクトレンズに対して影響を与え
ることなく、安全性を十分に確保しながら適切で簡単な
コンタクトレンズケアを提供することができる。
【0016】本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コン
タクトレンズの形状変化に影響を与えるような浸透圧は
好ましくないため生理的等張に近い浸透圧にすることが
好ましい。浸透圧としては約220〜350mmol/
lであることが好ましく、より生理的浸透圧値である3
00mmol/lに近いことが理想的である。浸透圧が
生理的浸透圧値から離れるにしたがいコンタクトレンズ
の形状変化が大きくなり装用時のフィッティングに問題
が生じ、装用時の違和感や角膜輪部の圧迫障害を生じ易
いため好ましくない。
【0017】コンタクトレンズ溶液のpHは中性であ
り、特にpH6.5〜7.5が好ましい。この範囲を逸
脱すると生理学的に好ましくなく、また極端にpH値が
ずれるとコンタクトレンズの変形やコンタクトレンズポ
リマー鎖の切断等が発生するため不適である。
【0018】本発明では、コンタクトレンズに影響を与
えない範囲内で従来既知の成分を用いることができる。
即ち、適正な浸透圧を維持するための塩化ナトリウムや
塩化カリウム等の無機塩、カルシウムイオンや鉄イオン
等の金属イオンをキレートして取り除くことができるエ
チレンジアミン四酢酸塩等の金属キレート剤、リン酸
塩、ホウ酸塩等の緩衝剤等を含むことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】(実施例1) 塩化ナトリウム 700 mg ホウ酸 50 mg ホウ砂 5 mg 酒石酸2ナトリウム 50 mg MYS−401) 10 mg サブチリシンA2) 500 PUN 蒸留水 全量100 ml1)ホ゜リオキシエチレン (40)ラウリルエステル(日本サーファクタント工業
株式会社製)2) 細菌由来蛋白質分解酵素(ノホ゛・ノルテ゛ィスク・ハ゛イオインタ゛ストリー
・シ゛ャハ゜ン株式会社製) 上記のコンタクトレンズ溶液2.4mlをレンズケース
(セイコーコンタクトレンズ株式会社製)に入れ、ソフ
トコンタクトレンズ(セイコーコンタクトレンズ株式会
社製、セイコーソフトCSI)を入れ、45℃,20分
間の加温工程と引き続いて100℃,15分間の煮沸消
毒工程を持つ煮沸消毒器マイクロバイオライザー(セイ
コーコンタクトレンズ株式会社製)を用いて洗浄及び煮
沸消毒を行った。冷後新しいコンタクトレンズ溶液でコ
ンタクトレンズをリンスした。この操作を100回繰り
返した。ソフトコンタクトレンズのスペックは初期値が
ベスカーブ8.60mm、サイズ13.75mmであっ
たが、処理後はベースカーブ8.75mm、サイズ1
3.80mmであり問題なく、また紫外線透過率の変化
(200nm〜800nm)も認められずコンタクトレ
ンズへの影響はなかった。
【0021】また人工タンパク質汚れを付着させたソフ
トコンタクトレンズを用い、コンタクトレンズ溶液で洗
浄及び煮沸消毒し、冷後ビーカー中のコンタクトレンズ
溶液で軽くリンス後、暗室にてスリットランプ(カール
ツァイス株式会社製)で汚れの付着程度を判定した。そ
の結果、タンパク質汚れはきれいに除去されており評価
ランクはAであった。
【0022】<人工タンパク質汚れ付着ソフトコンタク
トレンズの作成方法>牛血清アルブミン0.4g、牛血
清γ−グロブリン0.2g、卵製リゾチーム0.2g、
豚胃由来ムチン0.05gを生理食塩水100ml懸濁
溶解させ、不溶物を濾紙(TOYO No.1) にて濾過した。
この汚れ液を200mlビーカーに25ml入れ、ソフ
トコンタクトレンズを浸漬して65℃にて30分間変性
付着させ、50℃にて30分間乾燥させた。この操作を
3回行いソフトコンタクトレンズ全面に白くタンパク質
が付着した人工タンパク質汚れ付着ソフトコンタクトレ
ンズを作成した。
【0023】<洗浄力の評価基準> A レンズに白濁がない B レンズがわずかに白濁している C レンズの白濁が全体の20%以上 D レンズの白濁が全体の50%以上 E レンズの白濁が全体の75%以上 F レンズ全面が白濁している (実施例2〜10)表1の組成を実施例1と同様な方法
でコンタクトレンズ溶液を調合し、同様の試験を実施し
た。その結果、表2に示すとおりソフトコンタクトレン
ズのスペック変化は許容できるレベル(±0.2mm以
内)であり、変色変形及び紫外線透過率の変化もなく、
また洗浄力も十分満足できる水準であった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(実施例11) 塩化ナトリウム 700 mg ホウ酸 50 mg ホウ砂 5 mg 酒石酸2ナトリウム 100 mg EDTA−2ナトリウム 10 mg 蒸留水 全量100 ml 上記のコンタクトレンズ溶液2.4ml及びスーパーバ
イオステップ1液1滴(セイコーコンタクトレンズ株式
会社製)の混合液を用いて実施例1と同様に評価した。
その結果、ソフトコンタクトレンズのスペック変化は許
容できるレベル(±0.2mm以内)であり、変色変形
及び紫外線透過率の変化もなく、また洗浄力も十分満足
できる水準(ランクA)であった。
【0027】(実施例12)実施例3のコンタクトレン
ズ溶液を用いて、洗浄温度による洗浄効力を比較した。
洗浄温度は25℃、35℃、40℃、50℃、60℃、
75℃、80℃の7水準で行い、洗浄時間は30分間と
して評価は実施例1に従った。その結果、25℃での洗
浄効力は不十分(ランクE)であったが35℃ではラン
クB、40℃から75℃の間においてはランクAで満足
できるものであった。また80℃ではランクDで洗浄効
力は低下した。これは熱変性で酵素が失活して人工汚れ
タンパク質が分解される前に変性したためと考えられ
る。
【0028】(比較例1〜6)表3の組成を実施例1と
同様な方法でコンタクトレンズ液を調合し、同様の試験
を実施した。その結果、比較例1では多価カルボン酸塩
が存在しないため洗浄力が弱く、比較例2では多価カル
ボン酸塩の量が多いためコンタクトレンズのスペック変
化が大きく、比較例3では蛋白質分解酵素が少なく十分
な洗浄力を示さず、比較例4では界面活性剤の量が多い
ためコンタクトレンズに吸着し透過率の減少と少しの変
形が見られ、比較例5では界面活性剤が存在しないため
洗浄力が不十分であり、比較例6ではHLBが13以下
の界面活性剤であるため界面活性剤がコンタクトレンズ
に吸着、白濁して好ましくなかった。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明は、請求項1、2及び3により洗
浄活性化成分として安全性の高い多価カルボン酸塩を最
終調製濃度として0.01〜1%含むことで洗浄効力を
飛躍的に向上させることができ、特に酵素を用いた洗浄
剤の洗浄能力を有効に働かせることができる。また特定
の界面活性剤を適正量用いることで洗浄を更に有効なも
のとすることができる。請求項4及び5により35〜7
5℃に加温することでより高い洗浄効力を得ることがで
き、さらに適正なコンタクトレンズ溶液の組成によりコ
ンタクトレンズへ影響を与えることなく洗浄後、続いて
煮沸消毒することができるためコンタクトレンズケアが
容易にしかも簡単に行うことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最終調製組成物として、下記の成分を含む
    ことを特徴とするコンタクトレンズ溶液。 1)多価カルボン酸塩 0.01〜1 W/V% 2)界面活性剤 0.0005〜0.5 W/V% 3)蛋白質分解酵素 100〜5000 PUN単位/dl
  2. 【請求項2】多価カルボン酸塩がクエン酸塩、酒石酸
    塩,リンゴ酸塩のうち少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1記載のコンタクトレンズ溶液。
  3. 【請求項3】界面活性剤が非イオン性界面活性剤で、そ
    のHLBが12〜18であることを特徴とする請求項1
    記載のコンタクトレンズ溶液。
  4. 【請求項4】請求項1記載のコンタクトレンズ溶液にコ
    ンタクトレンズを浸漬して、約35〜80℃にて加温洗
    浄することを特徴とするコンタクトレンズの洗浄方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のコンタクトレンズ溶液にコ
    ンタクトレンズを浸漬して、約35〜75℃にて加温洗
    浄後、続いて煮沸消毒することを特徴とするコンタクト
    レンズの洗浄方法。
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