JPH0832771B2 - 溶融成形可能な全芳香族ポリエステル - Google Patents

溶融成形可能な全芳香族ポリエステル

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JPH0832771B2
JPH0832771B2 JP62056925A JP5692587A JPH0832771B2 JP H0832771 B2 JPH0832771 B2 JP H0832771B2 JP 62056925 A JP62056925 A JP 62056925A JP 5692587 A JP5692587 A JP 5692587A JP H0832771 B2 JPH0832771 B2 JP H0832771B2
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邦輔 福井
正則 本岡
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は溶融成形可能な全芳香族ポリエステルに関す
る。さらに詳しくは、曲げ剛性率、引張強度、耐衝撃強
度などの機械的性質に優れしかも耐熱性および耐高温加
水分解性に優れた全芳香族コポリエステルに関する。
[従来の技術] パラオキシ安息香酸ポリエステルは従来から耐熱性に
優れた芳香族ポリエステルとして知られている。しかし
ながら、パラオキシ安息香酸ポリエステルは、分子量の
大きいものが得難く、また溶融時に熱分解が著しいの
で、それを形成する際射出成形や押出成形などの通常の
溶融成形法を採用することができないという欠点があ
り、耐熱性に優れているが工業的にはほとんど利用され
ていない。
また、このパラオキシ安息香酸ポリエステルのこれら
の欠点を改善しようとする試みとして、種々の芳香族ジ
カルボン酸成分および種々の芳香族ジオール成分を共縮
合した芳香族ポリエステルが提案されている。
米国特許第3,637,595号明細書および対応する特公昭4
7−47870号公報には、 下記式A ここで、R1は水素、ベンゾイル基又は低級アルカノイル
基でありそしてR2は水素、フエニル基、ベンジル基又は
低級アルキル基である、 で表わされるオキシベンゾイル化合物、 下記式B ここで、R3およびR4は、互に独立に、水素、フエニル
基、ベンジル基又は低級アルキル基である、但し式中の
カルボニル基は互にメタ又はパラ位にある、 で表わされる芳香族ジカルボニル化合物、及び 下記式C ここで、R5およびR6は、互に独立に、水素、ベンゾイル
基又は低級アルカノイル基であり、 Xは−O−又は−SO2−であり、 mは0又は1であり、そして nは0又は1である、但し、式中のオキシ基は互にメタ
又はパラ位にある、 で表わされる芳香族ジオキシ化合物を、該オキシオキシ
ベンゾイル化合物A対該芳香族ジカルボニル化合物Bの
モル比が、1:100〜100:1でありそして該芳香族ジカルボ
ニル化合物B対該芳香族ジオキシ化合物Cのモル比が1
5:10〜10:15で、縮合させることを特徴とする耐熱性ポ
リエステルの製造法が記載されている。
また、米国特許第4,603,190号明細書および対応する
特開昭60−38425号公報には、 (a)置換されていてもよいp−ヒドロキシ安息香酸 (b)イソフタル酸および場合によりテレフタル酸 (c)ハイドロキノンおよび (d)3,4′−及び/又は4,4′−ジヒドロキシ−ジフエ
ニル、3,4′−及び/又は4,4′−ジヒドロキシ−ジフエ
ニルエーテル及び/又は3,4′−及び/又は4,4′−ジヒ
ドロキシ−ジフエニルスルフイド を基本とし、その際に縮合した残基a/bのモル比が80:20
〜50:50であり、縮合した残基b/c/dのモル比が20:10:10
〜50:48:2であり、且つ縮合した残基b/(c+d)のモ
ル比が0.95〜1.05であり、そして成分(b)の50モル%
までがテレフタル酸から成り得る、熱互変性全芳香族ポ
リエステルが開示されている。
同米国特許第4,603,190号明細書および特開昭60−384
25号公報には、 p−ヒドロキシ安息香酸 2.4モル、 テレフタル酸 1.44モル、 ハイドロキノン 1.2モル および 4,4′−ジヒドロキシ ジフエニルエーテル 0.24モル を原料として製造された反応生成物に、異方性溶融相は
観察されなかったことが記載されている。
これらの先行技術に提案されたp−オキシ安息香酸コ
ポリエステルは、p−オキシ安息香酸ホモポリエステル
に比べ低温度で溶融するようになるので溶融成形性は改
善されるが、それにともなつて耐熱性が低下し、さらに
は曲げ剛性率、引張強度および耐衝撃強度などの機械的
特性が低下したり、耐薬品性、耐水性が低下するものが
多い。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、新規組成を持つ溶融成形可能な全芳
香族ポリエステルを提供することにある。
本発明の他の目的は、曲げ剛性率、引張強度、耐衝撃
強度の如き機械的性質に優れ、しかも耐熱性および耐加
水分解性に優れた全芳香族ポリエステルを提供すること
にある。
本発明のさらに他の目的は、その優れた溶融成形性に
基づき、通常の射出成形あるいは押出成形によつて種々
の成形体に形成することができ、特にポリエチレンテレ
フタレートの溶融紡糸法と同様の方法により繊維に形成
することのできる全芳香族ポリエステルを提供すること
にある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から
明らかとなろう。
[問題点を解決するための手段と作用] 本発明によれば、本発明のかかる目的および利点は、 (A)下記式(I) −CO−Ar1−O− ・・・(I) ここで、Ar1はp−フエニレン基が少くともその60モ
ル%を占める二価の芳香族炭化水素基である、 で表わされる芳香族オキシカルボン酸残基40〜70モル
%、 (B)下記式(II) −O−Ar2−O− ・・・(II) ここで、Ar2はp−フエニレンおよび4,4′−ジフエニ
レンより成る群から選ばれる少くとも一つの基が二価の
芳香族基である、 で表わされる芳香族ジオール残基3〜18モル%、 (C)下記式(III) で表わされる4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル
残基3〜24モル%、および (D)下記式(IV) で表わされるテレフタール酸残基15〜30モル% の組成からなり、 但し(B)の芳香族ジオール残基と(C)の4,4′−
ジヒドロキシジフエニルエーテル残基のモル%の和は
(D)のテレフタール酸残基のモル%に実質的に等し
く、 全芳香族ポリエステルの融点よりも30℃高い温度およ
び100sec-1のずり速度で測定した溶融粘度の値が102〜1
07ポイズであり、そして 示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が302な
いし400℃である ことを特徴とする溶融成形可能な全芳香族ポリエステル
によつて達成される。
本発明の上記全芳香族ポリエステルは、芳香族オキシ
カルボン酸のエステル形成性誘導体、芳香族ジオールの
エステル形成性誘導体、4,4′−ジヒドロキシジフエニ
ルエーテルのエステル形成性誘導体および芳香族ジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体を、高められた温
度で、減圧下に加熱して生成する低沸点化合物を留去せ
しめることによつて製造することができる。
上記式(I)で表わされる芳香族オキシカルボン酸残
基(A)を与える上記芳香族オキシカルボン酸の上記エ
ステル形成性誘導体は、下記式(I)′ HOCO−Ar11−OH ・・・(I)′ ここで、Ar11はp−フエニレン基の如き二価の芳香族
炭化水素基である、 で表わされる芳香族オキシカルボン酸から誘導される。
上記式(I)′で表わされる芳香族オキシカルボン酸
としては、例えばp−オキシ安息香酸、m−オキシ安息
香酸あるいは6−オキシ−2−ナフトエ酸等を挙げるこ
とができる。エステル形成性誘導体としては、これらの
芳香族オキシカルボン酸のオキシ基についてのエステ
ル、例えば炭素数2〜6の低級アルカノイルエステル、
ベンゾイルエステルあるいはカルボキシル基についての
エステル例えば炭素数2〜6の低級アルキルエステル、
フエニルエステル、ベンゾイルエステル等を挙げること
ができる。
本発明の全芳香族ポリエステルを製造する際の重縮合
反応には、上記芳香族オキシカルボン酸の上記エステル
形成性誘導体として、p−オキシ安息香酸のエステル形
成性誘導体が用いられるかあるいは少くとも60モル%の
p−オキシ安息香酸のエステル形成性誘導体と40モル%
までの他の芳香族オキシカルボン酸のエステル形成性誘
導体の混合物が用いられ、ポリマー主鎖中に上記式
(I)で表わされる芳香族オキシカルボン酸残基(A)
が生成される。
上記式(II)で表わされる芳香族ジオール残基(B)
を与える芳香族ジオールのエステル形成性誘導体は、下
記式(II)′ HO−Ar21−OH ・・・(II)′ ここで、Ar21はp−フエニレン基又は4,4′−ジフエ
ニレン基の二価の芳香族基である、 で表わされる芳香族ジオールから誘導される。
上記(II)′で表わされる芳香族ジオールは、ハイド
ロキノンと4,4′−ジヒドロキシジフエニルである。
芳香族ジオールのエステル形成性誘導体としては、例
えば、炭素数2〜6の低級アルカノイルエステルあるい
はベンゾイルエステルを好ましいものとして挙げること
ができる。
本発明の全芳香族ポリエステルを製造する際の重縮合
には、ハイドロキノンのエステル形成性誘導体および4,
4′−ジヒドロキシジフエニルのエステル形成性誘導体
の少くとも一種が用いられ、ポリマー主鎖中に、上記式
(II)で表わされる芳香族ジオール残基(B)が生成さ
れる。
また、上記式(III)で表わされる4,4′−ジヒドロキ
シジフエニルエーテル残基(C)を与える4,4′−ジヒ
ドロキシジフエニルエーテルのエステル形成性誘導体
は、例えば下記式(III)′ で表わされる4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル
の炭素数2〜6の低級アルカノイルエステルあるいはベ
ンゾイルエステルである。
本発明によれば、上記ハイドロキノンのエステル形成
性誘導体および4,4′−ジヒドロキシジフエニルのエス
テル形成性誘導体の少くとも1種と上記4,4′−ジヒド
ロキシジフエニルエーテルのエステル形成性誘導体の合
計の40モル%までを、その他のジオールのエステル形成
性誘導体で置換することができる。
その他のジオールとしては、例えばレゾルシン、3,
4′−ジヒドロキシジフエニル、2,6−ジヒドロキシナフ
タレン、3,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル、フ
エニルハイドロキノン、クロルハイドロキノン、メチル
ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンの如き炭素数6〜15の芳香族ジオールを好
ましい化合物として挙げることができる。これらのジオ
ールのエステル形成性誘導体としては、例えば炭素数1
〜6の低級アルカノイルエステルあるいはベンゾイルエ
ステルを好ましいものとして挙げることができる。
さらに、上記式(IV)で表わされる芳香族ジカルボン
酸残基(D)を与える芳香族ジカルボン酸およびそのエ
ステル形成性誘導体は、下記式(IV)′ HOCO−Ar31−COOH ・・・(IV)′ ここで、Ar31はp−フエニレン基である、 で表わされる芳香族ジカルボン酸であるか又はそれから
誘導される。
芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体として
は、例えば炭素数2〜6の低級アルキルエステル、フエ
ニルエステル、ベンジルエステル等を好ましいものとし
て挙げるこができる。
本発明の全芳香族ポリエステルを製造する際の重縮合
反応には、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体
が用いられるか、あるいは少くとも60モル%のそれと40
モル%のそれ以外の上記他の芳香族ジカルボン酸又はそ
のエステル形成性誘導体との混合物が用いられ、ポリマ
ー主鎖中に、上記式(IV)で表わされる芳香族ジカルボ
ン酸残基(D)が生成される。
重縮合反応を実施する際の原料混合物中には、例えば
酢酸アルミニウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム、
硫酸ナトリウム、酢酸銅、酸化アンチモン、テトラブト
キシチタン、酢酸スズなどの触媒を使用することができ
る。その使用割合は重縮合原料に対して通常0.0001ない
し1重量%、より好ましくは0.001ないし0.1重量%の範
囲である。
重縮合反応は、たとえば、オキシカルボン酸の酢酸エ
ステル、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールのビ
ス酢酸エステルを原料とする場合、例えばこの原料を20
0ないし450℃、より好ましくは250ないし400℃の温度で
通常常圧ないし0.1mmHgの減圧下に加熱して反応によつ
て生成する酢酸を留去することによつて実施できる。
また、オキシカルボン酸のフエニルエステル、芳香族
ジカルボン酸のビスフエニルエステルおよび芳香族ジオ
ールを原料とする場合、例えばこの原料を200ないし450
℃、より好ましくは250ないし400℃の温度で通常常圧な
いし0.1mmHgの減圧下に加熱して反応によって生成する
フエノールを溜去せしめることによって実施できる。
かくして、本発明によれば、上記式(I)で表わされ
る芳香族オキシカルボン酸残基(A)、上記式(II)で
表わされる芳香族ジオール残基(B)、上記式(III)
で表わされる4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル
残基(C)および上記式(IV)で表わされる芳香族ジカ
ルボン酸残基(D)を有する本発明の全芳香族ポリエス
テルが与えられる。
上記芳香族オキシカルボン酸残基(A)としては、例
えば上記式(I)においてAr1がp−フエニレン基であ
るp−オキシ安息香酸残基、あるいは少くとも60モル%
のp−オキシ安息香酸残基と40モル%までのm−フエニ
レン又は2,6−ナフチレンの如きp−フエニレン以外の
二価の芳香族炭化水素基との混合基等を好ましいものと
して例示できる。上記混合基に占めるp−オキシ安息香
酸残基は、好ましくは少くとも70モル%、より好ましく
は少くとも80モル%、特に好ましくは少くとも90モル%
である。
上記芳香族ジオール残基(B)としては、例えば上記
式(II)においてAr2がp−フエニレンであるハイドロ
キノン残基、Ar2が4,4′−ジフエニレン基である4,4′
−ジヒドロキシジフエニル残基、あるいはこれらの残基
混合基を挙げることができる。
本発明の全芳香族ポリエステルにおいては、上記
(A),(B),(C)および(D)の残基の全モル数
を基準として、(A)残基が30〜80モル%、好ましくは
40〜70モル%を占め、(B)残基が1〜20モル%、好ま
しくは3〜18モル%を占め、(C)残基が1〜32モル
%、好ましくは3〜24モル%を占め、そして(D)残基
が10〜35モル%、好ましくは15〜30モル%を占める。
特に、芳香族ジオール残基(B)がハイドロキノン残
基であるときには、就中、同様に上記全モル数を基準と
して、3〜16モル%を占めるのが好ましい。
本発明の全芳香族ポリエステルにおいて、化学量論的
原則に基づいて、(B)残基と(C)残基のモル数の和
は(D)残基のモル数に実質的に等しい。
また、上記残基(A),(B),(C)および(D)
は、ランダムに分布しており且つエステル結合を形成し
て結合している。
本発明の全芳香族ポリエステルのうち、特に好ましい
ものは、 (A)−1 下記式(I)−1 で表わされるp−オキシ安息香酸残基、 (B)−1 下記式(II)−1 で表わされるハイドロキノン残基、 (C) 下記式(III) で表わされる4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル
残基、 (D)−1 下記式(IV)−1 で表わされるテレフタル酸残基、 を含有して成り、そして (E)上記(A)−1、(B)−1、(C)および
(D)−1の残基の全モル数を基準として、(A)−1
が40〜70モル%、(B)−1が3〜16モル%、(C)が
3〜24モル%および(D)−1が15〜30モル%を占め
る、但し(B)−1残基と(C)残基のモル数の和は
(D)−1残基のモル数に実質的に等しいものとする、 ものである。
本発明の全芳香族ポリエステルは、好ましくは該全芳
香族ポリエステルの融点よりも30℃高い温度および100s
ec-1のずり速度で測定した溶融粘度の値として、102〜1
07ポイズ、好ましくは2×102〜106ポイズ、特に好まし
くは5×102〜105ポイズを示す。
この全芳香族ポリエステルの融点の測定が困難である
場合には、上記の融点に替えて軟化点を指標にして、上
記と同様の溶融粘度範囲を規定することができる。
本発明の上記全芳香族ポリエステルは、いずれも実質
的に線状であり、そのポリマー鎖の末端には前記残基の
いずれが位置していてもよい。また、常法により、その
カルボキシル基末端を、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノールの如き一価の低級アルコールある
いはフエノール、クレゾールの如き一価の芳香族ヒドロ
キシ化合物でエステル化したもの、およびそのヒドロキ
シル基末端を、例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸の
如き一価のカルボン酸でエステル化したものも、本発明
の全芳香族ポリエステルに包含される。
本発明の全芳香族ポリエステルのガラス転移温度(T
g)は通常示差走査熱量計(DSC)では検出されず、DSC
によって測定した融点(Tm)は通常200ないし450℃、好
ましくは250ないし400℃の範囲である。
本発明の全芳香族ポリエステルから溶融紡糸して得ら
れた繊維は、通常100ないし2000g/d、好ましくは200な
いし1500g/dの弾性率、通常5ないし50g/d、好ましくは
10ないし40g/dの強度および通常1ないし10%、好まし
くは2ないし6%の伸びを示す。
本発明の全芳香族ポリエステルは、耐熱性および曲げ
剛性率、引張強度、耐衝撃強度などの機械的強度に優
れ、耐高温加水分解性に優れ、さらに溶融成形性に優れ
ているので、耐熱性の成形体および繊維の製造に利用す
ることができる。
本発明の芳香族コポリエステルを実施例によって具体
的に説明する。
なお、該芳香族コポリエステルの性能評価は次の方法
に従った。
Tm,Tg:パーキンエルマー社製示差走査熱量計(DSC II
型)を用いて、芳香族ポリエステルの試料量約10mgを、
50℃から450℃まで20℃/分の速度で昇温し、次いで50
℃まで40℃/分で降温し、再び450℃まで20℃/分で昇
温し、吸熱サーモグラムを測定した。溶融温度Tmは昇温
1度目と2度目の吸熱ピーク値から、ガラス転移点Tgは
昇温2度目の値(最初の変曲点)から求めた。
溶融粘度:島津製作所製キヤピラリー型レオメータを用
いて、ずり速度100sec-1で測定した。但し、昇温2度目
の融点(Tm)から30℃高い温度で測定した。
紡糸:東洋製機製作所製メルトテンシヨンテスターを用
いて、ノズル直径0.2mm、ノズル長さ1mmの円筒状ダイよ
り紡糸を行った。紡糸された原糸を通常の変速モータを
用いロール上に巻取った。重合物の紡糸温度は400℃以
下の温度で適宜選んだ。又、ダイより紡糸された原糸は
特に冷却しなかった。
熱処理:紡糸された原糸の熱処理は窒素気流下あるいは
減圧下弛緩された条件で行った。
引張試験:インストロン社製インストロン万能試験機11
23型を用いて室温(23℃)にて測定した。このとき、ク
ランプ間の試験長は100mmで引張速度100mm/分とした。
但し、引張弾性率は1%歪における応力を用いて計算し
た。
実施例1 パラオキシ安息香酸単位40モル%、4,4′−ジヒドロ
キシジフエニル単位15モル%、4,4′−ジヒドロキシジ
フエニルエーテル単位15モル%、テレフタル酸単位30モ
ル%からなるコポリエステルを次のようにして合成し
た。500モルの反応器に、パラアセトキシ安息香酸72g
(0.4モル)、4,4′−ジアセトキシジフエニル40.5g
(0.15モル)、4,4′−ジアセトキシジフエニルエーテ
ル42.9g(0.15モル)、テレフタール酸49.8g(0.3モ
ル)を仕込み、275℃で攪拌下に1時間反応し、酢酸を
留出させ、次いで2時間かけて350℃に昇温し、そして3
50℃、0.5mmHgで1時間反応させた。
該コポリエステルのDSC測定による昇温1度目のTmは3
38℃、昇温2度目のTmは334℃であり、Tgは検出されな
かった。364℃、100sec-1での溶融粘度は2300ポイズで
あった。380℃で28デニールの繊維を紡糸し、300℃、1m
mHgで24時間熱処理したところ、弾性率530g/d、強度20.
3g/d、伸び3.8%の繊維を得ることができた。
実施例2 第1表に示す原料モノマー組成を用いた以外は、実施
例1と同様の方法で反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの組成及び物性を実
施例1と同様にして測定した。結果を表2および表3に
示す。
実施例3 第1表に示す原料モノマー組成を使用した以外は実施
例1と同様の方法で反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。ただし紡糸温度は360℃とした。
結果を表2および表3に示した。
実施例4 第1表に示す原料モノマー組成を用いた以外は、実施
例1と同様の方法で反応させた。得られた全芳香族コポ
リエステルの組成及び物性を実施例1と同様にして測定
した結果を表2および表3に示す。
実施例5 第1表に示すモノマー組成の原料を500mlの反応器に
仕込み、275℃で攪拌下に1時間反応して酢酸を留出さ
せ、次いで2時間かけて380℃に昇温し、そして380℃、
0.5mmHgで1時間反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。ただし紡糸温度を400℃、熱処理
温度を340℃とした。結果を表2および表3に示した。
実施例6 第1表に示すモノマー組成の原料を500mlの反応器に
仕込み275℃で攪拌下に1時間反応して酢酸を留出さ
せ、次いで2時間かけて330℃に昇温し、そして330℃、
0.5mmHgで1時間反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。ただし紡糸温度を350℃とし、熱
処理温度を260℃とした。結果を表2および表3に示し
た。
比較例1 第1表に示すモノマー組成の原料を500mlの反応器に
仕込み、275℃で攪拌下に1時間反応して酢酸を留出さ
せ、次いで2時間かけて400℃に昇温し、そして400℃、
0.5mmHgで1時間反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様の方法で測定した。ただし、該コポリエステルを35
0ないし450℃で紡糸を試みたが繊維化することができ
ず、繊維を得ることができなかった。結果を表2および
表3に示した。
比較例2 第1表に示すモノマー組成の原料を500mlの反応器に
仕込み、275℃で攪拌下に1時間反応して酢酸を留出さ
せ、次いで2時間かけて330℃に昇温し、そして350℃、
0.5mmHgで1時間反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様の方法で測定した。Tgは180℃であった。また紡糸
温度を350℃、熱処理温度を280℃とした。結果を表2と
表3に示した。
実施例7 第1表に示すモノマー組成の原料を用い、反応温度を
370℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。ただし紡糸温度を400℃、熱処理
温度を330℃とした。結果を表2と表3に示した。
実施例8 第1表に示すモノマー組成の原料を用い、実施例1と
同様に反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。結果を表2と表3に示した。
実施例9 第1表に示すモノマー組成の原料を用い、実施例1と
同様に反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。ただし熱処理温度を290℃とし
た。結果を表2と表3に示した。
実施例10 第1表に示すモノマー組成の原料を用い、実施例1と
同様に反応させた。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。結果を表2と表3に示した。
実施例11 第1表に示すモノマー組成の原料を用い、反応温度を
400℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
得られた全芳香族コポリエステルの物性を実施例1と
同様にして測定した。ただし紡糸温度を400℃、熱処理
温度を360℃とした。結果を表2と表3に示した。
比較例2 第1表に示すモノマー組成の原料を用い、反応温度を
400℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
該コポリエステルのTmとTgは450℃以下で検出されな
かった。350ないし450℃で紡糸を試みたが繊維を得るこ
とができなかった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記式(I) −CO−Ar1−O− ・・・(I) ここで、Ar1はp−フエニレン基が少くともその60モル
    %を占める二価の芳香族炭化水素基である、 で表わされる芳香族オキシカルボン酸残基40〜70モル
    %、 (B)下記式(II) −O−Ar2−O− ・・・(II) ここで、Ar2はp−フエニレンおよび4,4′−ジフエニレ
    ンより成る群から選ばれる少くとも一つの基が二価の芳
    香族基である、 で表わされる芳香族ジオール残基3〜18モル%、 (C)下記式(III) で表わされる4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル
    残基3〜24モル%、および (D)下記式(IV) で表わされるテレフタール酸残基15〜30モル% の組成からなり、 但し(B)の芳香族ジオール残基と(C)の4,4′−ジ
    ヒドロキシジフエニルエーテル残基のモル%の和は
    (D)のテレフタール酸残基のモル%に実質的に等し
    く、 全芳香族ポリエステルの融点よりも30℃高い温度および
    100sec-1のずり速度で測定した溶融粘度の値が102〜107
    ポイズであり、そして 示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が302ない
    し400℃である ことを特徴とする溶融成形可能な全芳香族ポリエステ
    ル。
  2. 【請求項2】上記芳香族オキシカルボン酸残基(A)が
    上記式(I)においてAr1がp−フエニレン基であるp
    −オキシ安息香酸残基である特許請求の範囲第1項に記
    載の全芳香族ポリエステル。
  3. 【請求項3】上記式(I)において、Ar1の40モルまで
    を占めることのできる、p−フエニレン基以外の二価の
    芳香族炭化水素残基がm−フエニレン又は2,6−ナフチ
    レン基である特許請求の範囲第1項に記載の全芳香族ポ
    リエステル。
  4. 【請求項4】上記芳香族ジオール残基(B)が上記式
    (II)においてAr2がp−フエニレンであるハイドロキ
    ノン残基である特許請求の範囲第1項に記載の全芳香族
    ポリエステル。
  5. 【請求項5】上記芳香族ジオール残基(B)が上記式
    (II)においてAr2が4,4′−ジフエニレン基である4,
    4′−ジヒドロキシジフエニル残基である特許請求の範
    囲第1項に記載の全芳香族ポリエステル。
  6. 【請求項6】芳香族ジオール残基(B)がハイドロキノ
    ン残基でありそして(A)、(B)、(C)および
    (D)の残基の全モル数を基準として、3〜16モル%を
    占める特許請求の範囲第1項記載の全芳香族ポリエステ
    ル。
  7. 【請求項7】(A)−1 下記式(I)−1 で表わされるp−オキシ安息香酸残基、 (B)−1 下記式(II)−1 で表わされるハイドロキノン残基、 (C)下記式(III) で表わされる4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル
    残基、 (D)−1 下記式(IV)−1 で表わされるテレフタル酸残基、 を含有して成り、そして (E)上記(A)−1、(B)−1、(C)および
    (D)−1の残基の全モル数を基準として、(A)−1
    が40〜70モル%、(B)−1が3〜16モル%、(C)が
    3〜24モル%および(D)−1が15〜30モル%を占め
    る、但し(B)−1残基と(C)残基のモル%の和は
    (D)−1残基のモル数に実質的に等しいものとする、 特許請求の範囲第1項記載の全芳香族ポリエステル。
JP62056925A 1986-03-14 1987-03-13 溶融成形可能な全芳香族ポリエステル Expired - Lifetime JPH0832771B2 (ja)

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