JPH0762067B2 - 芳香族ポリエステル - Google Patents

芳香族ポリエステル

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JPH0762067B2
JPH0762067B2 JP61260767A JP26076786A JPH0762067B2 JP H0762067 B2 JPH0762067 B2 JP H0762067B2 JP 61260767 A JP61260767 A JP 61260767A JP 26076786 A JP26076786 A JP 26076786A JP H0762067 B2 JPH0762067 B2 JP H0762067B2
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acid
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邦輔 福井
正則 本岡
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性、曲げ剛性率および引張強度、耐衝撃
強度などの機械的強度、耐高温加水分解性に優れた芳香
族ポリエステルに関する。さらに詳細には、これらの性
質に優れた成形体あるいは繊維を成形することのできる
芳香族ポルエステルに関する。
〔従来の技術〕
パラオキシ安息香酸ポルエステルは従来から耐熱性に優
れた芳香族ポリエステルとして知られている。該ポリエ
ステルは分子量の大きいものが得難いこと、溶融時に熱
分解が著しいもので射出成形、押出成形などの通常の溶
融成形法を採用することができないことなどの欠点があ
り、耐熱性には優れているが工業的にはほとんど利用さ
れていない。
また、このパラオキシ安息香酸ポリエステルのこれらの
欠点を改善しようとする試みとして、種々の芳香族ジカ
ルボン酸成分および種々の芳香族ジオール成分を共縮合
した芳香族ポリエステルが多数提案されている〔たとえ
ば、特公昭47−47870号公報、特開昭47−11697号公報、
特開昭55−66927号公報、特開昭54−50594号公報、特開
昭54−77691号公報、特開昭55−144024号公報、特開昭5
6−99225号公報、特開昭56−136818号公報、特開昭56−
141317号公報、特開昭57−87423号公報、特開昭58−172
0号公報、特開昭58−29819号公報、特開昭58−29820号
公報、特開昭58−32630号公報、特開昭59−62630号公
報、特開昭55−135134号公報、特開昭56−47423号公
報、特開昭56−50921号公報、特開昭56−50922号公報、
特開昭58−67719号公報、特開昭53−35794号公報、特開
昭58−53920号公報、特開昭53−91721号公報、特開昭58
−194530号公報、特開昭59−41328号公報、特開昭50−6
6593号公報、特開昭50−108392号公報、特開昭58−6562
9号公報、特開昭59−918117号公報、特開昭53−24391号
公報、特開昭55−149321号公報、特開昭52−98087号公
報、特開昭52−98088号公報、特開昭52−121619号公
報、特開昭53−47492号公報、特開昭53−110696号公
報、特開昭53−136098号公報、特開昭54−43296号公
報、特開昭54−136098号公報、特開昭56−59843号公
報、特開昭58−45224号公報、特開昭51−136785号公報
などを参照〕。これらの先行技術に提案された方法によ
ると、確かに共重縮合によつてパラオキシ安息香酸ポリ
エステルにくらべて低い温度で溶融するようになるので
溶融成形性は改善されるが、それにともなつて耐熱性が
低下し、さらには曲げ剛性率、引張強度および耐衝撃強
度などの機械的特性が低下したり、耐薬品性、耐水性が
低下するものが多い。
また、これらの先行技術の中では特公昭47−47870号公
報や特開昭51−136785号公報にはパラオキシ安息香酸成
分単位、ジヒドロキシジフエニルエーテル成分単位およ
びテレフタル酸成分単位からなる芳香族ポリエステルが
開示されている。しかし、後述する比較例でも判るとお
り、機械的特性が未だ不十分である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、耐熱性、溶融成形性に優れ、曲げ剛性
率、引張強度及び耐衝撃強度などの機械的特性に優れた
新規な芳香族ポリエステルを鋭意検討した結果、パラオ
キシ安息香酸成分単位を主成分とする芳香族オキシカル
ボン酸成分単位(A)、特定の芳香族ジオール成分単位
(B)およびテレフタール酸成分単位を主成分とする芳
香族ジカルボン酸成分単位(C)からなる特定の組成の
芳香族ポリエステルが前記目的を達成することを見出
し、本発明に到達した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、 (A)パラオキシ安息香酸成分単位を主成分とする芳香
族オキシカルボン酸成分単位が30ないし80モル%の範
囲、 (B)芳香族ジオール成分単位が10ないし35モル%の範
囲にあつて、該ジオール成分単位は4,4′−ジヒドロキ
シジフエニルエーテル成分単位(B1)および1,4−ビス
(4′−ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン成分単位
(B2)を主成分とし、かつ、B1:B2(モル比)は90:10〜
0:100であり、 (C)テレフタール酸成分単位を主成分とする芳香族ジ
カルボン酸成分単位が10ないし35モル%の範囲、 から構成され、250ないし450℃の温度で100sec-1で測定
した溶融粘度が102ないし107ポイズの範囲にあることを
特徴とする芳香族ポリエステルが提供される。
〔作 用〕
本発明の芳香族ポリエステルを構成するパラオキシ安息
香酸成分単位を主成分とする芳香族オキシ安息香酸成分
単位(A)は、パラオキシ安息香酸成分単位のみからな
つていてもよいし、パラオキシ安息香酸成分単位の他に
少量成分の6−オキシ−2−ナフト酸成分単位、メタオ
キシ安息香酸成分単位を含有しても差しつかえない。該
芳香族オキシカルボン酸成分単位(A)中のパラオキシ
安息香酸成分単位の含有率はたとえば60モル%以上、好
ましくは80モル%以上の範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルを構成する該オキシ安息香
酸成分単位(A)の含有率は30ないし80モル%、好まし
くは40ないし70モル%の範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルを構成する芳香族ジオール
成分単位(B)は4,4′−ジヒドロキシジフエニルエー
テル成分単位(B1)および1,4−ビス(4′−ヒドロキ
シフエノキシ)ベンゼン成分単位(B2)を主成分とする
芳香族ジオール成分単位であり、1,4−ビス(4′−ヒ
ドロキシフエノキシ)ベンゼン成分単位のみからなつて
いても良いし、1,4−ビス(4′−ヒドロキシフエノキ
シ)ベンゼン成分単位と4,4′−ジヒドロキシジフエニ
ルエーテルの混合物からなつていてもよいし、これらの
芳香族ジオール成分単位の他に、少量成分の他の芳香族
ジオール成分単位を含有しても差しつかえない。芳香族
ジオール成分単位(B)中におけるB1とB2の割合は、
B1:B2(モル比)で90:10〜0:100、好ましくは80:20〜2
0:80であり、芳香族ジオール成分単位中にB1とB2の合計
量は50モル%以上、好ましくは60モル%以上とくには70
モル%以上存在する。
該芳香族ジオール成分単位(B)の中に含まれる4,4′
−ジヒドロキシジフエニルエーテル成分単位または1,4
−ビス(4′−ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン成分単
位以外の芳香族ジオール成分単位としては、ハイドロキ
ノン、4,4′−ジヒドロキシジフエニル、レゾルシン、
3,4′−ジヒドロキシジフエニル、3,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル、フエニルハイドロキノン、クロル
ハイドロキノン、メチハイドロキノン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフエニル)プロパンなどの炭素原子数が6
ないし15の芳香族ジオール成分単位を例示することがで
きる。
本発明の芳香族ポリエステルを構成する該芳香族ジオー
ル成分単位(B)の含有率は10ないし35モル%、好まし
くは15ないし30モル%の範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルを構成する芳香族ジカルボ
ン酸成分単位(C)はテレフタール酸成分単位を主成分
とする芳香族ジカルボン酸成分単位であり、テレフター
ル酸成分単位のみからなつていてもよいし、テレフター
ル酸成分単位の他に、少量成分の他の芳香族ジカルボン
酸成分単位を含有していても差しつかえない。該芳香族
ジカルボン酸成分単位(C)中のテレフタール酸成分単
位の含有率はたとえば60モル%以上、好ましくは80モル
%以上の範囲である。
該芳香族ジカルボン酸成分単位(C)中に含まれるテレ
フタール酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成分単位
としては、4,4′−ジカルボキシジフエニルエーテル、
3,4′−ジカルボキシジフエニルエーテル、4,4′−ジカ
ルボキシジフエニル、イソフタル酸、2,6−ジカルボキ
シナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレンなどの炭
素原子数が8ないし15の芳香族ジカルボン成分単位を例
示することができる。
本発明の芳香族ポリエステルを構成する該芳香族ジカル
ボン酸成分単位(C)の含有率は10ないし35モル%、好
ましくは15ないし30モル%の範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルを構成する該芳香族オキシ
カルボン酸成分単位(A)は、一般式〔I〕 〔式中、−Ar1−は前記同様に を主成分とし、炭素数6ないし15の2価の芳香族炭化水
素基を含んでいてもよい〕なる構成を形成しており、該
芳香族ジオール成分単位(B)は一般式〔II〕 −O−Ar2−O− 〔II〕 〔式中、−Ar2−は前記同様に を主成分とし、他に炭素原子数が6ないし15の二価の芳
香族炭化水素基を含んでいてもよい〕なる構造を形成し
ており、該芳香族ジカルボン酸成分単位(C)は一般式
〔III〕 〔式中、−Ar3−は前記同様に を主成分とし、他に炭素原子数が6ないし13の二価の芳
香族基を含有していてもよい〕なる構造を形成してい
る。本発明の芳香族ポリエステルにおいて、該芳香族オ
キシカルボン酸成分単位(A)、該芳香族ジオール成分
単位(B)および該芳香族ジカルボン酸成分単位(C)
はそれぞれランダムの配列してエステル結合を形成し、
線状の芳香族ポリエステルの分子末端には、該オキシ安
息香酸成分単位(A)が配列していてもよいし、該芳香
族ジオール成分単位(B)が配置していてもよいし、芳
香族ジカルボン酸成分単位(C)が配置していてもよ
い。また、本発明の芳香族ポリエステルの分子末端のカ
ルボキシル基はメタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどの1価のアルコールまたはフエノール、クレゾ
ールなどの1価のフエノールでエステル化されていても
よいし、また同様に分子末端の水酸基は酢酸、プロピオ
ン酸、安息香酸などの1価のカルボン酸でエステル化さ
れていてもよい。
本発明の芳香族ポリエステルの250ないし450℃の温度、
たとえば該芳香族ポリエステルの融点(Tm)から30℃高
い温度で100sec-1で測定した溶融粘度は102ないし107
イズ、好ましくは2×102ないし106ポイズ、とくに好ま
しくは5×102ないし105ポイズの範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は
通常示差走査熱量計(DSC)では検出されず、DSCによつ
て測定した融点(Tm)は通常200ないし450℃、好ましく
は250ないし400℃の範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルからなる繊維の弾性率は通
常100ないし2000g/d、好ましくは200ないし1500g/dであ
り、強度は通常5ないし50g/d、好ましくは10ないし40g
/dであり、伸びは通常1ないし10%、好ましくは2ない
し6%である。
本発明の芳香族ポリエステルは次の方法によつて製造す
ることができる。すなわち、該オキシカルボン酸エステ
ル形成誘導体、該芳香族ジカルボン酸またはそのエステ
ル形成誘導体および該芳香族ジオールのエステル形成誘
導体を高温で溶融条件下ならびに減圧条件下に反応せし
め、反応によつて生成する低沸点化合物を反応系外に留
去せしめることによつて芳香族ポリエステルを生成せし
めることができる。たとえば、該オキシカルボン酸の酢
酸エステル、該芳香族ジカルボン酸および該芳香族ジオ
ールのビス酢酸エステルを通常200ないし450℃、好まし
くは250ないし400℃の温度で通常常圧ないし0.1mmHgの
減圧下に反応させることにより、反応によつて生成する
酢酸を留去しながら重縮合反応を行う方法によつて、本
発明の芳香族ポリエステルを製造することができる。ま
た、該オキシカルボン酸のフエノールエステル、該芳香
族ジカルボン酸のビスフエノールエステルおよび該芳香
沿ジオールを通常200ないし450℃、好ましくは250ない
し400℃の温度で通常常圧ないし0.1mmHgの減圧下に反応
させることにより、反応によつて生成するフエノールを
留去しながら重縮合反応を行う方法によつて、本発明の
芳香族ポリエステルを製造することができる。重縮合反
応には触媒は使用しなくてもよいが、重縮合反応に用い
ることのできる触媒としては、酢酸アルミニウム、酢酸
カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナ
トリウム、リン酸カリウム、硫酸ナトリウム、酢酸銅、
酸化アンチモン、テトラブトキシチタン、酢酸スズなど
を例示することができる。その使用割合は重縮合原料に
対して通常は0.0001ないし1重量%、好ましくは0.001
ないし0.1重量%の範囲である。
本発明の芳香族ポリエステルは種々の耐熱性の成形用途
に利用できる。たとえば、通常の射出成形および押出成
形において成形体を製造できることの他に、通常ポリエ
チレンテレフタレート等で行われている溶融紡糸法によ
り繊維状に成形することができる。
〔発明の効果〕
本発明の芳香族ポリエステルは耐熱性および曲げ剛性
率、引張強度、耐衝撃強度などの機械的強度に優れ、耐
高温加水分解性に優れ、さらに溶融成形性に優れている
ので、耐熱性の成形体および繊維の分野に利用すること
ができる。
〔実施例〕
本発明の芳香族ポリエステルを実施例によつて具体的に
説明する。
なお、該芳香族ポリエステルの性能評価は次の方法に従
つた。
Tm,Tg:パーキンエルマー社製示差走査熱量計(DSC II
型)を用いて、重合したポリエステルから試料量約10mg
を取り、50℃から450℃まで20℃/分の速度で昇温し、
次いで50℃まで40℃/分で降温し、再び450℃まで20℃
/分で昇温、吸熱サーモグラムを測定した。溶融温度Tm
は昇温1度目と2度目の吸熱ピーク値を、ガラス転移点
Tgは昇温2度目の値(最初の変曲点)から求めた。
溶融粘度:島津製作所製キヤピラリー型レオメータを用
いて、ずり速度100sec-1で測定した。但し、軟化点(T
s)から30℃高い温度で測定した。
紡糸:東洋精機製作所製メルトテンシヨンテスターを用
いて、ノズル直径0.2mm、ノズル長さ1mmの円筒状ダイよ
り紡糸を行つた。紡糸された原糸を通常の変速モータを
用いロール上に巻取つた。重合物の紡糸温度は400度以
下の温度で適宜選んだ。又、ダイより紡糸された原糸は
特に冷却しなかつた。
熱処理:紡糸された原糸の熱処理は窒素気流下あるいは
減圧下弛緩された条件で行つた。
引張試験:インストロン社製インストロン万能試験後11
23型を用いて室温(23℃)にて測定した。このとき、ク
ランプ間の試験長は100mmで引張速度100mm/分とした。
但し、引張弾性率は1%歪における応力を用いて計算し
た。
実施例 1 パラオキシ安息香酸単位50mol%、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル単位19mol%、1,4−ビス(4′−ヒ
ドロキシフエノキシ)ベンゼン単位6mol%、テレフター
ル酸25mol%からなるポリエステルを次のようにして合
成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.5mol、4,
4′−ジアセトキシジフエニルエーテル0.19mol、1,4−
ビス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.06mo
l、テレフタール酸0.25molを仕込み、275℃で撹拌下に
1時間反応し、酢酸を溜出させ、次いで2時間かけて38
0℃に昇温し、380℃、0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは339℃、昇温2度目
のTmは333℃であり、363℃、100sec-1での溶融粘度は16
00ポイズであつた。380℃で27デニールの繊維を紡糸
し、320℃で24時間熱処理したところ弾性率680g/d、強
度19.8g/d、伸び2.9%の繊維を得ることができた。
実施例 2 パラオキシ安息香酸単位60mol%、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル単位15mol%、1,4−ビス(4′−ヒ
ドロキシフエノキシ)ベンゼン単位5mol%、テレフター
ル酸20mol%からなるポリエステルを次のようにして合
成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.6mol、4,
4′−ジアセトキシジフエニルエーテル0.15mol、1,4−
ビス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.05mo
l、テレフタール酸0.2molを仕込み、275℃で撹拌下に1
時間反応し、酢酸を溜出させ、次いで2時間かけて380
℃に昇温し、380℃、0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは325℃、昇温2度目
のTmは321℃であり、351℃、100sec-1での溶融粘度は18
00ポイズであつた。380℃で32デニールの繊維を紡糸
し、300℃で24時間熱処理したところ弾性率720g/d、強
度21.4g/d、伸び3.0%の繊維を得ることができた。
実施例 3 パラオキシ安息香酸単位40mol%、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル単位15mol%、1,4−ビス(4′−ヒ
ドロキシフエノキシ)ベンゼン単位15mol%、テレフタ
ール酸30mol%からなるポリエステルを次のようにして
合成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.4mol、4,
4′−ジアセトキシジフエニルエーテル0.15mol、1,4−
ビス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.15mo
l、テレフタール酸0.3molを仕込み、275℃で撹拌下に1
時間反応し、酢酸を溜出させ、次いで2時間かけて380
℃に昇温し、380℃、0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは332℃、昇温2度目
のTmは327℃であり、357℃、100sec-1での溶融粘度は20
00ポイズであつた。380℃で28デニールの繊維を紡糸
し、310℃で24時間熱処理したところ弾性率750g/d、強
度21.4g/d、伸び2.9%の繊維を得ることができた。
実施例 4 パラオキシ安息香酸単位50mol%、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル単位12.5mol%、1,4−ビス(4′−
ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン単位12.5mol%、テレ
フタール酸25mol%からなるポリエステルを次のように
して合成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.5mol、4,
4′−ジアセトキシジフエニルエーテル0.125mol、1,4−
ビス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.125mo
l、テレフタール酸0.25molを仕込み、275℃で撹拌下に
1時間反応し、酢酸を溜出させ、次いで2時間かけて38
0℃に昇温し、380℃、0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは324℃、昇温2度目
のTmは310℃であり、340℃、100sec-1での溶融粘度は23
00ポイズであつた。380℃で26デニールの繊維を紡糸
し、290℃で24時間熱処理したところ弾性率640g/d、強
度20.4g/d、伸び3.2%の繊維を得ることができた。
実施例 5 パラオキシ安息香酸単位60mol%、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル単位10mol%、1,4−ビス(4′−ヒ
ドロキシフエノキシ)ベンゼン単位10mol%、テレフタ
ール酸20mol%からなるポリエステルを次のようにして
合成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.6mol、4,
4′−ジアセトキシジフエニルエーテル0.1mol、1,4−ビ
ス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.1mol、テ
レフタール酸0.2molを仕込み、275℃で撹拌下に1時間
反応し、酢酸を溜出させ、次いで2時間かけて380℃に
昇温し、380℃、0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは312℃、昇温2度目
のTmは304℃であり、334℃、100sec-1での溶融粘度は25
00ポイズであつた。380℃で30デニールの繊維を紡糸
し、280℃で24時間熱処理したところ弾性率780g/d、強
度24.3g/d、伸び3.1%の繊維を得ることができた。
実施例 6 パラオキシ安息香酸単位60mol%、1,4′−ビス(4′−
ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン単位20mol%、テレフ
タール酸20mol%からなるポリエステルを次のようにし
て合成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.6mol、1,4
−ビス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.2mo
l、テレフタール酸0.2molを仕込み、275℃で撹拌下に1
時間反応し、酢酸を溜出させ、次いで2時間かけて380
℃に昇温した後冷却し、1mm以下の大きさに粉砕し、330
℃、0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは380℃、昇温2度目
のTmは375℃であり、405℃、100sec-1での溶融粘度は12
00ポイズであつた。390℃で27デニールの繊維を紡糸
し、350℃で24時間熱処理したところ弾性率730g/d、強
度20.3g/d、伸び2.8%の繊維を得ることができた。
実施例 7 パラオキシ安息香酸単位60mol%、ハイドロキノン単位5
mol%、4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル単位10
mol%、1,4−ビス(4′−ヒドロキシフエノキシ)ベン
ゼン単位5mol%、テレフタール酸20mol%からなるポリ
エステルを次のようにして合成した。
500mlの反応器に、パラアセトキシ安息香酸0.6mol、4,
4′−ジアセトキシジフエニルエーテル0.1mol、1,4−ビ
ス(4′−アセトキシフエノキシ)ベンゼン0.05mol、
1,4−ジアセトキシベンゼン0.05mol、テレフタール酸0.
2molを仕込み、275℃で撹拌下に1時間反応し、酢酸を
溜出させ、次いで2時間かけて380℃に昇温し、380℃、
0.5mmHgで10分間反応させた。
該ポリエステルの昇温1度目のTmは330℃、昇温2度目
のTmは324℃であり、354℃、100sec-1での溶融粘度は17
00ポイズであつた。380℃で27デニールの繊維を紡糸
し、300℃で24時間熱処理したところ弾性率780g/d、強
度21.9g/d、伸び2.8%の繊維を得ることができた。
比較例 1 パラオキシ安息香酸単位60mol%、ハイドロキノン単位2
0mol%、テレフタール酸単位20mol%からなるポリエス
テルを次のようにして合成した。500mlの反応器に、パ
ラアセトキシ安息香酸108g(0.6mol)、パラジアセトキ
シベンゼン38.8g(0.2mol)、テレフタール酸33.2g(0.
2mol)を仕込み、275℃で撹拌下に1時間反応し、酢酸
を溜出させ、次いで2時間かけて380℃に昇温した後冷
却し、1mm以下の大きさに粉砕し、350℃、0.5mmHgで10
時間反応させた。
該コポリエステルのTmとTgは450℃以下で検出されなか
つた。350ないし450℃の紡糸を試みたが繊維を得ること
ができなかつた。
比較例 2 パラオキシ安息香酸単位60mol%、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニルエーテル単位20mol%、テレフタール酸単位2
0mol%からなるコポリエステルを次のようにして合成し
た。500mlの反応器に、パラアセトキン安息香酸108g
(0.6mol)、4,4′−ジアセトキシジフエニルエーテル5
7.2g(0.2mol)、テレフタール酸33.2g(0.2mol)を仕
込み、275℃で撹拌下に1時間反応し、酢酸を溜出さ
せ、次いで2時間かけて330℃に昇温し、350℃、0.5mmH
gで1時間反応させた。
該コポリエステルの昇温1度目のTmは253℃と310℃、昇
温2度目のTmは251℃であり、Tgは180℃であつた。281
℃、100sec-1での溶融粘度は9300ポイズであつた。350
℃で25デニールの繊維を紡糸し、280℃、1mmHgで24時間
熱処理したところ弾性率110g/d、強度9.6g/d、伸びは8.
8%であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)パラオキシ安息香酸成分単位を主成
    分とする芳香族オキシカルボン酸成分単位が30ないし80
    モル%の範囲、 (B)芳香族ジオール成分単位が10ないし35モル%の範
    囲にあつて、該ジオール成分単位は4,4′−ジヒドロキ
    シジフエニルエーテル成分単位(B1)および1,4−ビス
    (4′−ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン成分単位
    (B2)を主成分とし、かつ、B1:B2(モル比)は90:10〜
    0:100であり、 (C)テレフタール酸成分単位を主成分とする芳香族ジ
    カルボン酸成分単位が10ないし35モル%の範囲、 から構成され、250ないし450℃の温度で100sec-1で測定
    した溶融粘度が102ないし107ポイズの範囲にあることを
    特徴とする芳香族ポリエステル。
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