JPH08327473A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JPH08327473A
JPH08327473A JP13227895A JP13227895A JPH08327473A JP H08327473 A JPH08327473 A JP H08327473A JP 13227895 A JP13227895 A JP 13227895A JP 13227895 A JP13227895 A JP 13227895A JP H08327473 A JPH08327473 A JP H08327473A
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JP
Japan
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magnets
shaft
torque sensor
fixed
torque
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Application number
JP13227895A
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English (en)
Inventor
Mikiya Shinohara
原 幹 弥 篠
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低廉で耐久信頼性に優れるトルクセンサを提供
する。 【構成】操舵機構側軸2の軸端外周部に同心状に固定さ
れた径の相異なる各々のリング状の多極磁石5,6と、
多極磁石5,6と同一形状で且つ同一の着磁ピッチを有
する操舵側軸1の軸端外周部に同心状に固定された各々
のリング状の多極磁石7,8と、トーションバー3の径
よりも大きい径の孔が形成された環状の基板12の一方
面に多極磁石5,6および多極磁石7,8のうち外側に
位置する各々の多極磁石6,8に対応する位置と内側に
位置する各々の多極磁石5,7に対応する位置とに磁気
抵抗素子10として機能する抵抗膜パターンがそれぞれ
形成されている構成とした

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車の電動
パワーステアリング装置等に適用されるトルクセンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の操舵輪を操作する力を補助する
パワーステアリング装置として、電動式の装置が開発さ
れている。これは、運転者の操舵トルクを検出し、その
検出トルクに応じて操舵機構に設けた電動機が操舵補助
力を発生する装置であり、油圧式のように、油圧ポンプ
駆動のためにエンジン出力を消費しないという特徴があ
る。
【0003】この操舵トルク検出手段としては、信頼性
やコストの点から非接触で且つ検出特性が汚染によって
影響されにくい磁気式の検出手段が適しており、大きく
分けて、ステアリング軸に対して完全に非接触で操舵ト
ルクを検出できる磁気結合方式と、より安価な構成であ
る磁石とホール素子とを使用して印加トルクによるトー
ションバーの捩じれを検出する方式がある。
【0004】従来の磁気結合方式のトルクセンサとして
は、例えば、特開平2−102428号公報に開示され
たものがあり、図8に示す構成のものとなっている。
【0005】図8は、トルクセンサの構成を示す半裁断
面図であって、図示しない操舵輪を取付けている操舵側
軸101と、操舵機構が取付けられている操舵機構側軸
102とが、トーションバー103を介して同軸的にか
つ相対的に変位可能に連結されており、これらの軸は図
示していない他の部品に固定された筒状のケース109
によって回転自在に支持されている。
【0006】そして、操舵側軸101の軸端部の外周に
は、非磁性体よりなる円筒部材113aを介して、電気
伝導性を有する磁性体よりなる第1、第2の円筒コア1
04,105が軸方向に適当な間隔をおいて並べられた
状態で操舵側軸101に嵌め込んで固定してある。
【0007】また、操舵機構側軸102の軸端外周部に
は、非磁性体よりなる円筒部材113bを介して、磁性
体よりなる第3の円筒コア106が第2の円筒コア10
5と適当な間隔をおいて固定してある。
【0008】さらに、各円筒コア104,105および
106のそれぞれが対向する端面には、円周方向に連続
して等間隔に矩形状の複数の歯部104a,105aお
よび106aが形成されている。
【0009】また、ケース109の内側には、磁性体か
らなるヨーク110a、110bのコ字形状断面の溝内
に、温度補償コイル111および磁気結合検出コイル1
12がそれぞれ巻回されており、温度補償コイル111
はコア104と105に、磁気結合検出コイル112は
円筒コア105と106に股がるようにそれぞれ配置さ
れている。これら2つのコイルには、交流電源から交流
電流が流され、温度補償コイル111は円筒コア10
4,105と、磁気結合検出コイル112はコア10
5,106とそれぞれ磁気結合する。
【0010】このような構成のトルクセンサにおいて
は、操舵側軸101にトルクが印加されてトーションバ
ー103が捩じれると、コア105の歯部105aとコ
ア106の歯部106aとの対向面積が変化して、両コ
ア間の磁気抵抗が変わり、磁気結合検出コイル112の
インピーダンスに変化が生じるため、磁気結合検出コイ
ル112に誘起される誘導電圧の変化を検出することに
より、トーションバー103に作用したトルクを検知す
ることができるものである。
【0011】一方、磁石とホール素子を使用して印加ト
ルクによるトーションバーの捩じれを検出する方式とし
ては、例えば、特開昭61−235270号公報に開示
されたものがあり、その原理的な構成は図9に示すよう
になっている。
【0012】図9において、図示しない操舵輪を取付け
ている操舵側軸201と、操舵機構が取付けられている
操舵機構側軸202とが、トーションバー203を介し
て、相対的に回転変位可能に連結されており、これらの
軸はケース204によって、回転自在に支持されてい
る。
【0013】また、操舵機構側軸202の軸端部には、
磁石205が固定されており、操舵側軸201の軸端部
には磁石205が発生する磁束を検出するホール素子2
06が固定されている。さらに、操舵側軸201にはス
リップリング207が、ケース204にはブラシ208
が取付けられ、ホール素子206からの検出信号は、ス
リップリング207とブラシ208とを介して、ケース
204の外周に取り付けられた回路209によって増幅
され、操舵補助力を発生する電動機の制御回路に送られ
る。
【0014】このような構成のトルクセンサにおいて
は、操舵側軸201よりトルクが印加されてトーション
バー203が捩れると、磁石204とホール素子205
とが相対的に変位し、磁石204より発生してホール素
子205を通過している磁束密度が変化することにより
印加トルクが検知されることとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の従来のトルクセンサにおいては、次のような
問題があった。
【0016】すなわち、磁気結合方式のトルクセンサに
おいては、円筒コア間の磁気抵抗を高周波コイルである
磁気結合検出コイル112のインピーダンスの変化とし
て検出する方式を採用しているため、磁気結合検出コイ
ル112に精度の高い高周波電流を流し、磁気結合検出
コイル112に発生する誘導電圧の大きさと位相を精密
に検出するセンサ回路が必要であり、センサ回路が極め
て高価なものになるという問題があった。また、各コイ
ル111,112自体もトルクセンサを構成する他の部
品と比べて高価であり、結果として、安価なトルクセン
サを提供するのが難しいという問題があった。
【0017】さらに、磁石とホール素子とを使用して印
加トルクによるトーションバーの捩じれを検出する方式
では、磁気結合方式のトルクセンサのように複雑な回路
を構成する必要はなく、磁石とホール素子も安価であ
り、低廉なトルクセンサを提供することはできるが、ホ
ール素子206が回転する操舵側軸201に実装されて
いるため、信号を取り出すスリップリング207が必要
となり、ブラシ208による導通が、操舵側軸201の
回転や振動により、瞬間的に途切れたり、長期の使用に
より、スリップリング207やブラシ208が摩耗する
ため、摩耗が著しい使用条件の場合には、その交換が必
要になる等の問題があり、これらの問題を解決すること
が課題であった。
【0018】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、低廉で耐久信頼性に優れるトルクセ
ンサを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
トルクセンサは、トーションバーを介して同軸的に連結
され、且つ回転トルクが加わった際にトーションバーの
捩じれにより相対的に回転変位可能な2つの軸における
前記回転トルクを検出するトルクセンサにおいて、一方
の軸の軸端外周部に同心状に固定された径の相異なる各
々のリング状の多極磁石と、前記各々のリング状の多極
磁石と同一形状で且つ同一の着磁ピッチを有するととも
に着磁面が前記各々のリング状の多極磁石の着磁面と対
向して他方の軸の軸端外周部に同心状に固定された各々
のリング状の多極磁石と、トーションバーの径よりも大
きい径の孔が形成された環状の基板とを備え、前記基板
のその一方面に前記一方の軸の軸端外周部に同心状に固
定された各々の多極磁石および前記他方の軸の軸端外周
部に固定された各々の多極磁石のうち外側に位置する各
々の多極磁石に対応する位置と内側に位置する各々の多
極磁石に対応する位置とに磁気抵抗素子として機能する
抵抗膜パターンがそれぞれ形成されているとともに、前
記基板は、ベアリング等を介して軸を支持するケースに
固定され、かつ、前記トーションバーの径よりも大きい
径の孔にトーションバーが挿入されかつ前記一方の軸の
軸端外周部に固定された各々の多極磁石と他方の軸の軸
端外周部に固定された各々の多極磁石との間に前記抵抗
膜パターンが配設されている構成とし、請求項2とし
て、一方の軸の軸端外周部に固定された各々の多極磁石
および他方の軸の軸端外周部に固定された各々の多極磁
石は、トルクが印加されていない状態において、内側と
外側の多極磁石同士の各々の位置関係のうちいずれか一
方は内側および外側の多極磁石の同極同士が同一の角度
位置に位置し、且つ、他方は内側および外側の多極磁石
の異極同士が同一の角度位置に位置する位置関係にある
とともに、着磁面が対向する多極磁石同士の各々の位置
関係においては、それぞれ着磁ピッチの半分の角度分だ
け互いにずれた状態の位置にある構成とし、請求項3と
して、磁気抵抗素子の環状の基板の一方面に各々の抵抗
膜パターンが繰り返し折り返し状に形成されているとと
もに、各々の抵抗膜パターンの全長が互いに等しい構成
としており、上記の構成を課題を解決するための手段と
している。
【0020】
【発明の作用】本発明の請求項1に係るトルクセンサ
は、上記構成としたことにより、回転トルクの印加によ
ってトーションバーに捩じれが生じた際に、トーション
バーの両端に固定された各々の多極磁石より発生される
磁束の分布の変化によって生ずる各々の多極磁石の間に
配設された磁気抵抗素子の抵抗値の変化を直流電圧とし
て非接触で検出することにより、印加されるトルクが検
出されることとなり、非接触で検出するため、スリップ
リング等の摺動部品が不要となり、そのため耐久信頼性
が高いものとなる。
【0021】さらに、高周波コイル等を使用しない簡素
な構成のセンサ回路により抵抗膜パターンに生じる抵抗
値の変化が検出されるため、低廉なトルクセンサとな
る。
【0022】本発明の請求項2に係るトルクセンサは、
上記の構成とすることにより、計測可能な最大トルク印
加時に、磁気抵抗素子に形成された各々の抵抗膜パター
ンのうち一方の抵抗膜パターンの抵抗値が最小となり、
他方の抵抗膜パターンの抵抗値が最大となるため、この
差動電圧を検出することにより、トルクセンサの検出特
性が高感度なものとなる。
【0023】本発明の請求項3に係るトルクセンサは、
磁気抵抗素子の環状の基板の一方面に各々の抵抗膜パタ
ーンが繰り返し折り返し状に形成されている構成とする
ことにより、磁束の変化がより効果的に検出されること
となり、また、各々の抵抗膜パターンの全長が互いに等
しい構成とすることにより、トルクセンサに入力される
回転トルクの方向が異なってもトルク検出特性が対称な
ものとなり、検出信号を補正等する必要がないため、結
果的にトルクセンサが簡素なものとなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0025】図1は、本発明のトルクセンサの一実施例
を示す構成図であって、図1において、図示しない操舵
輪が取付けられている操舵側軸1と、操舵機構が取付け
られている操舵機構側軸2とが、トーションバー3を介
して、同軸的に且つ相対的に回転変位可能に連結されて
おり、これらの軸は図示していない他の部品に固定され
た筒状のケース4によって、回転自在に支持されてい
る。
【0026】また、操舵機構側軸2の軸端部の外周に
は、径の異なるリング状の多極磁石5と6とが同心状に
それぞれ固定されている。
【0027】一方、操舵側軸1の軸端部の外周には、多
極磁石5と同一形状で且つ同一の着磁ピッチのリング状
の多極磁石7と、多極磁石6と同一形状で且つ同一の着
磁ピッチのリング状の多極磁石8とが同心状にそれぞれ
固定されている。
【0028】そして、多極磁石5と7とおよび多極磁石
6と8とは、それぞれの着磁面5aと7aとおよび着磁
面6aと8aとが互いに対向して固定されている。
【0029】多極磁石5と7とおよび多極磁石6と8と
の間隔の中間位置には、図3(a)に示すような、トー
ションバー3の径よりも大きい径の孔12hが形成され
た環状の基板12の抵抗膜パターン形成面12aに多極
磁石5,6および多極磁石7,8のうち外側に位置する
多極磁石6,8に対応する位置と内側に位置する多極磁
石5,7に対応する位置とに強磁性体からなる抵抗膜パ
ターン11a,11bがそれぞれ形成されている磁気抵
抗素子10が、その抵抗膜パターンが形成された面12
aが多極磁石5および6の着磁面5aおよび6aと対向
しかつトーションバー3と非接触の状態でケース4の内
周面に固定されている。
【0030】ここで、図2(a)および図2(b)は、
多極磁石5,6,7および8の着磁面5a,6a,7a
および8aの着磁ピッチを示す説明図であって、図2
(a)は多極磁石5,6の着磁面5a,6a、図2
(b)は多極磁石7,8の着磁面7a,8aをそれぞれ
示している。
【0031】各々の多極磁石5,6,7および8の半径
は、実用的には多極磁石6,8の外周半径が50mm以
下であることが望ましく、多極磁石5と6とおよび多極
磁石7と8との間隔W2 は、後述する多極磁石間隔の2
倍以上とすることが望ましい。
【0032】本実施例においては、多極磁石5,7の着
磁面5a,7aの中央位置における半径r1 を17.5
mm、多極磁石6,8の着磁面6a,8aの中央位置に
おける半径r2を32.5mmとし、各々の多極磁石の
着磁面の幅W1 を、全て5mmとし、また、多極磁石5
と6とおよび多極磁石7と8との間隔W2 は10mmと
した。
【0033】各々の多極磁石5,6,7および8の着磁
ピッチθ1 は、トーションバー3にトルクが印加されて
生じる捩じれ角の2倍以上とする必要があり、また、ト
ーションバー3の一般的な捩じれ角度が2〜10°であ
ることから、着磁ピッチθ1は4〜20°が望ましく、
本実施例では8°とした。
【0034】多極磁石5と6とは上記のように同心状に
固定されているが、図2(a)に示すように同極同士が
同じ角度位置に位置するように、即ち、NS極を同相に
して固定される。
【0035】また、多極磁石7と8も、上記のように同
心状に固定されるが、図2(b)に示すように異極同士
が同じ角度位置に位置するように、即ち、NS極を逆相
にして固定される。
【0036】多極磁石5,6,7および8の材料は、フ
ェライト磁石やSmCo磁石あるいはその他の磁石を使
用することができるが、本実施例では、温度特性が安定
しているSmCo磁石を使用した。
【0037】さらに、多極磁石5,6,7および8と磁
気抵抗素子10の抵抗膜パターン形成面12aとの距離
は、対向する多極磁石5,6あるいは7,8の一方が無
いものとした場合に、磁気抵抗素子10を通過する磁束
密度が200G以上となることが望ましいことから10
mm以下とするのが好ましい。したがって、多極磁石5
と7とおよび6と8との間隔は、その倍の20mm以下
とするのが好ましく、本実施例では、多極磁石5と7と
および6と8との間隔を5mmとし、各々の多極磁石
5,6,7および8から磁気抵抗素子10の抵抗膜パタ
ーン形成面12aまでの距離は2.5mmとした。
【0038】次に、図3(a)は、磁気抵抗素子10の
抵抗膜パターン形成面12aの構成図であり、中心に少
なくともトーションバー3を通すことができるトーショ
ンバー挿入用孔12hが形成され、ガラス、絶縁コート
付きSi、セラミックス等の絶縁性基板12上に、Ni
−Co合金等の強磁性体金属からなる抵抗膜パターン1
1aおよび11bが形成されている。
【0039】また、図3(b)は、図3(a)の抵抗膜
パターン11a,11bの曲率を示したものであり、二
つの抵抗膜パターン11a,11bは、その中央部の曲
率半径がそれぞれ多極磁石5,7の半径r1と多極磁石
6,8の半径r2とに等しくなるように形成されてお
り、同心状に形成されている。
【0040】また、抵抗膜パターン11a,11bの半
径方向の幅W3 は、多極磁石5,6,7および8の幅W
1 以下であることが望ましく、本実施例においては3m
mとした。
【0041】さらに、図3(c)は、抵抗膜パターン1
1a,11bの詳細を示した説明図あり、抵抗膜パター
ン11a,11bの曲率中心から見て、放射状になるよ
うに繰り返し折り返し状に形成されている。
【0042】この抵抗膜パターン11a,11bは、多
極磁石5,6,7および8からの磁束の変化を効果的に
検出するため、着磁ピッチθ1 内に繰り返し折り返し状
に形成された抵抗膜パターンの半径方向の直線部分11
cを5本以上有することが望ましく、抵抗膜パターン1
1aおよび11bにおいて繰り返し折り返し状に形成さ
れた抵抗膜パターンの半径方向の直線部分11cはそれ
ぞれ同一のピッチで配置されるているものとすることが
望ましい。
【0043】また、抵抗膜パターン11a,11bのう
ち、円周方向の部分の長さPは抵抗膜パターン11a,
11bの半径方向幅W3 に対して、1/5以下とするこ
とが望ましく、本実施例においても、着磁ピッチθ1 内
の繰り返し折り返し状に形成された抵抗膜パターンの半
径方向の直線部分11cを10本としながら、繰り返し
折り返し状に形成された抵抗膜パターンの半径方向の直
線部分11cを等ピッチで折り返し、P/W3 を1/5
以下とした。
【0044】なお、抵抗膜の幅W4 は、150μmとし
た。
【0045】さらに、抵抗膜パターン11aおよび11
bの抵抗膜の全抵抗を等しくする必要があり、外側の抵
抗膜パターン11aは、形成部分の抵抗膜全長を内側の
抵抗膜パターン11bと等しくするため、図3(a)に
示すように2か所に分けて形成し、当該各部分を磁気抵
抗効果を有しない金属膜で、直列に接続した。
【0046】ここで、図4は、磁気抵抗素子10内の配
線を示す回路図であり、端子Q,U間に定電圧Vccを
印加し、抵抗膜パターン11aおよび11bによって構
成される温度補償ブリッジの中間の端子Rの電位変動を
センサ出力として回路処理している。
【0047】次に、以上説明してきた構成のトルクセン
サの動作を説明する。
【0048】まず、磁気抵抗素子10の抵抗膜パターン
11a,11bは、その膜厚が、幅W4 と比べて数十分
の一程度に形成されているため、形状磁気異方性効果に
より、磁束が磁気抵抗素子10の環状の基板12を垂直
に貫くときは、抵抗膜パターン11a,11bはほとん
ど磁化されず磁気抵抗効果は生じない。
【0049】これに対して、磁束が環状の基板12の面
内において電流と直角方向に抵抗膜パターン11a,1
1bを貫くときは、磁気抵抗効果を生じ、抵抗膜パター
ンの電気抵抗は最小となる。
【0050】この原理により、図5(a)に示すよう
に、多極磁石5,7または6,8の着磁面が磁気抵抗素
子10を挟んで、異極同士が互いに対向する状態にある
ときは、磁束φは大部分が環状の基板12に対して垂直
となり、磁気抵抗素子10の抵抗膜パターンの電気抵抗
は最大となる。
【0051】逆に、図5(b)に示すように、多極磁石
5,7または6,8の着磁面が磁気抵抗素子10を挟ん
で、同極が対向する状態の時は、磁束φは対向する磁極
の磁束同士が反発して基板12面内方向の成分が生じ
る。
【0052】この時、この磁束φに垂直に電流が流れる
抵抗膜パターン11a,11bの繰り返し折り返し状に
形成された抵抗膜パターンの半径方向の直線部分11c
(図3(c)参照)の電気抵抗が最小となり、抵抗膜パ
ターン全体の電気抵抗も最小となる。
【0053】本実施例においては、図5(a)の状態と
図5(b)の状態とでは、抵抗が1%程度変化した。
【0054】次に、図6(a)および図6(c)は、零
トルク時の、各多極磁石5,6,7および8の位置関係
を図1の矢印Aの方向から見たものであり、多極磁石5
と7とおよび多極磁石6と8とは、対向する同極が着磁
ピッチの半分だけずれて対向するように配置してある。
そのため、磁気抵抗素子10の抵抗膜パターン11aお
よび11bの抵抗は等しく、図4における端子Rの電圧
はVcc/2である。
【0055】この状態で、トーションバー3にトルクが
印加されて捩じれを生じ、多極磁石7が多極磁石5に対
して(同様に多極磁石8が多極磁石6に対して)X方向
にずれると、図6(b)および(d)に示す状態とな
る。
【0056】この時、多極磁石7と5は異極が対向する
状態となるため、上記した原理により、抵抗膜パターン
11aの抵抗は増加し、一方、多極磁石6と8とは、図
2(b)に示したように多極磁石7と8が逆相に配置し
てあることから、同極が対向する状態となり、抵抗膜パ
ターン11bの抵抗は減少し、この結果、端子Rの電位
が下がり、トルクを検出することができる。
【0057】また、逆方向にトルクが印加された場合に
は、同様の原理により、端子Rの電位が上昇し、逆方向
にトルクが印加されたことを検出することができる。
【0058】このような構成としたことにより、本発明
に係るトルクセンサにおいては、トーションバーのねじ
れを回転センサを使用して検出する方式の公知のトルク
センサと比較しても、より簡単な構成の回路によりトル
クを検出できる。
【0059】例えば、トーションバー3の両端部に取付
けられた2個の回転センサから、軸の回転により連続正
弦波として検出される信号の位相差からトーションバー
3の捩じれを検出する原理を用いた場合等においては、
位相差をトーションバー3の捩れ量に変換するための複
雑な演算処理回路が必要であり、信号処理回路が高価と
なり、また、検出する正弦波信号が正弦波の頂点付近で
変化率が小さくなるため、90度ずれた位置に一組の磁
気感応素子を配置し、信号補正処理をしなければならな
いが、本発明に係るトルクセンサにおいては、トーショ
ンバー3の捩じれにより、磁気抵抗素子10内の抵抗ブ
リッジのアンバランスによるブリッジ出力電圧の変化を
検出するため、ブリッジのバランス調整および簡単な構
成の電圧信号増幅回路により検出可能なトルクセンサと
することができる ここで、本実施例のトルクセンサのトルク検出特性は、
図7に示すようなものとなり、高周波コイル等を必要と
しない簡素な構成のセンサ回路により、多極磁石および
磁気抵抗素子によって得られた直流電圧を処理すること
により、所望の検出特性を得ることができる。
【0060】なお、端子Rの電位変動は、差動増幅回路
等により零トルク時に0V出力とし、任意のトルク印加
方向を正電圧出力とすることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係るトルクセンサによれば、回転トルクの印加に
よりトーションバーに捩じれが生じた際に、トーション
バーの両端に固定された各々の多極磁石より発生される
磁束の分布の変化によって、各々の多極磁石の間に配設
された磁気抵抗素子に形成された抵抗膜パターンの抵抗
値の変化としてトルクを非接触で検出することができる
ため、スリップリング等の摺動部品が不要となり、その
ため耐久信頼性が高く低廉なトルクセンサを得ることが
できるという優れた効果がもたらされる。
【0062】本発明の請求項2に記載の構成とすれば、
計測可能な最大トルク印加時に、磁気抵抗素子に形成さ
れた各々の抵抗膜パターンのうち一方の抵抗膜パターン
の抵抗値を最小とし、他方の抵抗膜パターンの抵抗値を
最大とすることができるため、感度の高いトルクセンサ
を得ることができるという優れた効果がもたらされる。
【0063】本発明の請求項3に記載の構成とすれば、
磁気抵抗素子の環状の基板の一方面に各々の抵抗膜パタ
ーンが繰り返し折り返し状に形成されている構成とする
ことにより、磁束の変化をより効果的に検出することが
可能となり、また、各々の抵抗膜パターンの全長が互い
に等しい構成とすることにより、トルクセンサに入力さ
れる回転トルクの方向が異なってもトルク検出特性を対
称なものとすることができ、かつ、検出信号を補正等す
る必要がなくそのまま信号として使用することができる
ため、高感度でかつ簡素なトルクセンサを得ることがで
きるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るトルクセンサの一実施例を示す
半裁断面説明図である。
【図2】 図1に示すトルクセンサの操舵機構側軸に取
付けられた各々の多極磁石の配置を示した説明図(図2
(a))および操舵側軸に取付けられた各々の多極磁石
の配置を示す説明図(図2(b))である。
【図3】 本発明に係る磁気抵抗素子の抵抗膜パターン
を示す説明図であって、基板全体のパターン配置を示す
説明図(図3(a))、図3(a)中のB部分の詳細を
示した説明図(図3(b))および抵抗膜パターンの構
成を示す説明図(図3(c))である。
【図4】 本発明に係る磁気抵抗素子の抵抗膜パターン
の配線を示す回路図である。
【図5】 多極磁石が変位した時の磁気抵抗素子付近の
磁束分布を示す説明図であって、向かい合う多極磁石の
同極同士が対向している状態における磁束分布を示す説
明図(図5(a))および向かい合う多極磁石の異極同
士が対向している状態における磁束分布を示す説明図
(図5(b))である。
【図6】 トーションバーにトルクが印加された時の各
々の多極磁石の磁極の位置関係を示す説明図であって、
零トルク時の各々の多極磁石の磁極の位置関係を示す説
明図(図6(a))および計測可能なトルクの上限トル
クが印加された時の各々の多極磁石の磁極の位置関係を
示す説明図(図6(b))である。
【図7】 本発明に係るトルクセンサのトルク検出特性
を示す特性図である。
【図8】 従来の磁気結合方式のトルクセンサの構成を
示す半裁断面図である。
【図9】 従来の磁石とホール素子とを使用して印加ト
ルクによるトーションバーの捩じれを検出する方式のト
ルクセンサの構成を示す半裁断面図である。
【符号の説明】
1 操舵側軸 2 操舵機構側軸 3 トーションバー 4 ケース 5 リング状の多極磁石(内側) 5a 着磁面 6 リング状の多極磁石(外側) 6a 着磁面 7 リング状の多極磁石(内側) 7a 着磁面 8 リング状の多極磁石(外側) 8a 着磁面 10 磁気抵抗素子 11 抵抗膜パターン 11a 抵抗膜パターン(内側) 11b 抵抗膜パターン(外側) 11c 抵抗膜パターンの半径方向の直線部分 12 環状の基板 12a 抵抗膜パターン形成面 12h トーションバー挿入用孔 φ 磁束 θ1 多極磁石の着磁ピッチ Q,U,R 端子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トーションバーを介して同軸的に連結さ
    れ、且つ回転トルクが加わった際にトーションバーの捩
    じれにより相対的に回転変位可能な2つの軸における前
    記回転トルクを検出するトルクセンサにおいて、一方の
    軸の軸端外周部に同心状に固定された径の相異なる各々
    のリング状の多極磁石と、前記各々のリング状の多極磁
    石と同一形状で且つ同一の着磁ピッチを有するとともに
    着磁面が前記各々のリング状の多極磁石の着磁面と対向
    して他方の軸の軸端外周部に同心状に固定された各々の
    リング状の多極磁石と、トーションバーの径よりも大き
    い径の孔が形成された環状の基板とを備え、前記基板の
    その一方面に前記一方の軸の軸端外周部に同心状に固定
    された各々の多極磁石および前記他方の軸の軸端外周部
    に固定された各々の多極磁石のうち外側に位置する各々
    の多極磁石に対応する位置と内側に位置する各々の多極
    磁石に対応する位置とに磁気抵抗素子として機能する抵
    抗膜パターンがそれぞれ形成されているとともに、前記
    基板は、ベアリング等を介して軸を支持するケースに固
    定され、かつ前記トーションバーの径よりも大きい径の
    孔にトーションバーが挿入されかつ前記一方の軸の軸端
    外周部に固定された各々の多極磁石と他方の軸の軸端外
    周部に固定された各々の多極磁石との間に前記抵抗膜パ
    ターンが配設されていることを特徴とするトルクセン
    サ。
  2. 【請求項2】 一方の軸の軸端外周部に固定された各々
    の多極磁石および他方の軸の軸端外周部に固定された各
    々の多極磁石は、トルクが印加されていない状態におい
    て、内側と外側の多極磁石同士の各々の位置関係のうち
    いずれか一方は内側および外側の多極磁石の同極同士が
    同一の角度位置に位置し、且つ、他方は内側および外側
    の多極磁石の異極同士が同一の角度位置に位置する位置
    関係にあるとともに、着磁面が対向する多極磁石同士の
    各々の位置関係においては、それぞれ着磁ピッチの半分
    の角度分だけ互いにずれた状態の位置にあることを特徴
    とする請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗素子の環状の基板の一方面に各
    々の抵抗膜パターンが繰り返し折り返し状に形成されて
    いるとともに、各々の抵抗膜パターンの全長が互いに等
    しいことを特徴とする請求項1または2に記載のトルク
    センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19757008A1 (de) * 1997-12-20 1999-06-24 Bosch Gmbh Robert Sensoranordnung zur Erfassung von Winkeländerungen
JP2011209143A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Honda Lock Mfg Co Ltd トルクセンサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19757008A1 (de) * 1997-12-20 1999-06-24 Bosch Gmbh Robert Sensoranordnung zur Erfassung von Winkeländerungen
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