JPH08325768A - 洗浄槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄した被洗浄物を空気中に出すことなく洗
浄液の液切りを行い、かつ、液切りを行った被洗浄物に
洗浄液が再付着することを防止する。 【構成】 槽本体１内を仕切り板４によって左右の部分
１Ａ，１Ｂに仕切ると共に、仕切り板４の下端を槽本体
１の底面より上方に間隔をおいて位置させる。前記部分
１Ａ，１Ｂ内には、仕切り板４の下端より上方迄洗浄液
より比重が大きく、洗浄液に溶けず、かつ、表面張力が
小さい液切り剤（水切り剤３）を収容し、一方の部分１
Ａにおいて水切り剤に接してその上方に洗浄液（水２）
が収容される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属部品の水系洗浄等
に用いられる洗浄槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の水洗槽は、図２に示すように、水
洗水２を収容した水洗槽９と水切り剤３を収容した水切
り槽１０が別になっていて、前工程の洗浄液が付着した
ワーク８を水洗槽９で水洗した後ワーク８を吊り上げて
水切り槽１０に入れ水切りを行っていた。

【０００３】なお、図２中５は水洗槽９への給水パイ
プ、６は水洗槽９の上部に接続されたオーバーフロー水
パイプ、矢印はワーク８が移動する方向を示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記の従来の水洗槽で
水洗を行う時には、ワークを水洗槽で水洗後ワークを空
気（大気）中に取り出して水切り槽に入れるため、鉄鋼
のような錆易いワークは空気中の酸素の影響で錆が出る
ことが多かった。また、水切り槽の表面には、図２に示
すように、ワークが持ち込んだ水２が浮き、ワークを水
切り槽から取り出すときワークに水が再付着して水切り
が不十分となることがあった。

【０００５】本発明は、以上の問題点を解決することが
できる洗浄槽を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の洗浄槽は、槽本
体内の上部を２部分に仕切り下端が槽本体の底面より上
方に間隔をおいて位置する仕切り板、槽本体内の前記仕
切り板の両側の２部分に収容された洗浄液より比重が大
きく、洗浄液に溶けず、かつ、表面張力の小さい液切り
剤、及び槽本体の前記仕切り板で仕切られた一方の部分
において前記液切り剤に接してその上方に収容された洗
浄液よりなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明の洗浄槽は、仕切り板で仕切られた槽本
体内の一方の部分が洗浄槽の機能を有し、ここで被洗浄
物が洗浄液で洗浄される。このようにして洗浄された被
洗浄物は、前記槽内の一方の部分を下降して液切り剤の
中に入り、ここで被洗浄物に付着した洗浄液が、表面張
力の小さい液切り剤により追い出される。ここで追い出
された洗浄液は比重の関係で上方に浮き上り、前記槽内
の一方の部分内の洗浄液と一体化する。この後、被洗浄
物は横に移動して液切り剤の入った槽内の他方の部分に
移動し、同他方の部分内を上方に移動する。

【０００８】このため、前記他方の部分の液切り剤の表
面に洗浄液が浮くことがない。また、被洗浄物は洗浄液
による洗浄後空気中の酸素にさらされることがなく、か
つ、液切り後洗浄液が被洗浄物に再付着することがない
ため、鉄鋼製等の被洗浄物の発錆を防止することができ
る。

【０００９】

【実施例】本発明の一実施例を、図１によって説明す
る。本実施例は、前工程において洗浄を行った洗浄液が
付着したワークを、水洗した上水切りを行う水切り機能
をもつ水洗槽に係るものである。

【００１０】槽本体１の図１におけるほぼ中央の上部に
は、槽本体１内を左右の部分１Ａ，１Ｂに仕切る上下方
向の仕切り板４が設けられており、同仕切り板４の下端
は槽本体１の上方に間隔をおいて位置しており、この部
分に前記部分１Ａ，１Ｂを連通する連通部１Ｃが形成さ
れている。

【００１１】一方の部分１Ａの上部には給水パイプ５が
開口しており、また、同部分１Ａの上部にはオーバーフ
ロー水パイプ６が接続されている。他方の部分１Ｂには
水切り剤３の液面を制御するための液面計７が設けられ
ている。

【００１２】以上のように構成された槽本体１内には、
先ず水切り剤３を槽本体１内の部分１Ａ，１Ｂに入れ、
その液面を水切り板４の下端より上方の適切な高さとす
る。水切り剤３としては、水より比重が大きく、水に溶
けず、かつ、表面張力の小さいものが用いられ、例えば
フロロカーボン（ＦＣ７７）等を用いることができる。

【００１３】その上で、給水パイプ５より一方の部分１
Ａ内に給水し、水２がオーバーフローパイプ６よりオー
バーフローするまで入れる。水切り剤３は水に溶けず水
より比重が大きいために、給水された水２は部分１Ａ内
において、水切り剤３に接してその上方に収容され、ま
た、これに伴って、他方の部分１Ｂの水切り剤３の液面
も上昇する。なお、この場合、部分１Ａにおける水２と
水切り剤３とが接する面は、仕切り板４の下端より上に
くるようにされる。

【００１４】本実施例において、ワーク８を水洗する場
合には、槽本体１内の一方の部分１Ａの水２の中にワー
ク８を入れ、給水パイプ５から水を出しながら一定時間
保持して水洗を行う。この間、汚れた水はオーバーフロ
ー水パイプ６からオーバーフローする。水洗が完了する
と、矢印に示すように、ワーク８を下方に移動して水切
り剤３に全体がつかるようにする。この時ワーク８に付
着した水は表面張力の小さい水切り剤３により追し出さ
れ、上方に上って部分１Ａ内の水洗用の水２と一体化す
る。この後、矢印に示すように、ワーク８を連通部１Ｃ
を経て横に移動させた上、水切り剤３の入った槽本体１
の他方の部分１Ｂ内を上方に移動させ、ワーク８を空気
中に取り出す。

【００１５】本実施例では、以上の通り、ワーク８を空
気中に取り出すことなく水洗と水切りを行うことがで
き、ワーク８に錆が発生することを防止することができ
る。また、ワーク８より追い出された水は水洗が行われ
る一方の部分１Ａ内の水洗用の水２と一体化し、他方の
部分１Ｂ内にはワーク８より追い出された水が入ること
がないために、水切り後のワーク８に水が再付着するこ
とはない。

【００１６】なお、前記実施例は、前工程で洗浄を行っ
た洗浄液が付着したワークを水洗して水切りする水洗槽
に係るが、本発明は水以外の洗浄液でワーク等を洗浄
し、この洗浄液を液切りする洗浄槽に広く適用すること
ができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、特許請求の範囲に記載された
構成を有するので、被洗浄物を空気中に出すことなく洗
浄液による洗浄とその液切りを行うことによって被洗浄
物の腐食を防ぐことができ、また洗浄液が被洗浄物に再
付着することがなく洗浄液の液切りを確実に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の断面図である。

【図２】従来の水洗槽と水切り槽の断面図である。

【符号の説明】

１ 槽本体 １Ａ，１Ｂ 槽本体内の部分 １Ｃ 連通部 ２ 水 ３ 水切り剤 ４ 仕切り板 ５ 給水パイプ ６ オーバーフロー水パイプ ７ 液面計 ８ ワーク ９ 水洗槽 １０ 水切り槽

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 槽本体内の上部を２部分に仕切り下端が
   槽本体の底面より上方に間隔をおいて位置する仕切り
   板、槽本体内の前記仕切り板の両側の２部分に収容され
   た洗浄液より比重が大きく、洗浄液に溶けず、かつ、表
   面張力の小さい液切り剤、及び槽本体内の前記仕切り板
   で仕切られた一方の部分において前記液切り剤に接して
   その上方に収容された洗浄液よりなることを特徴とする
   洗浄槽。