JPH0832553B2 - 内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒子 - Google Patents

内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒子

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JPH0832553B2
JPH0832553B2 JP63056131A JP5613188A JPH0832553B2 JP H0832553 B2 JPH0832553 B2 JP H0832553B2 JP 63056131 A JP63056131 A JP 63056131A JP 5613188 A JP5613188 A JP 5613188A JP H0832553 B2 JPH0832553 B2 JP H0832553B2
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    • C01B33/113Silicon oxides; Hydrates thereof
    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
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    • C01B33/163Preparation of silica xerogels by hydrolysis of organosilicon compounds, e.g. ethyl orthosilicate

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒
子に関するものである。該微粒子は吸着剤、乾燥剤、撥
水剤、増粘剤、消泡剤、滑り性向上剤、光拡散剤、固体
潤滑剤、化粧品、塗料、ゴム、樹脂及び紙の充填剤、ク
ロマトグラフのカラム充填剤等として有用である。
[従来の技術及び発明が解決しようとする問題点] 粒子内部骨格中のケイ素原子に有機基がその炭素原子
との結合を介して存在するいわゆる内部に有機基を有す
るシリカ微粒子(以下、含有機シリカ微粒子と称す。)
が、ケイ素−炭素結合した有機基を有する加水分解、縮
合可能なケイ素化合物原料(以下、有機シリカ原料と称
す。)と、場合によりケイ素−炭素結合した有機基を有
しない縮合可能なケイ素化合物原料(以下、シリカ原料
と称す。)を共縮合して得られることは従来より知られ
ている。例えば含有機シリカ微粒子の製法として、特公
昭59-15083号公報にシリカ原料としてアルカリ金属ケイ
酸塩を用いる方法が、また特開昭61-243828号公報には
有機シリカ原料及びシリカ原料として塩素化合物を用い
る方法が開示されている。しかしこれらの方法では粒子
中に原料由来のアルカリ金属又は塩素が混入し、水洗、
抽出等の操作を行っても完全に除去することができず、
用途が限定されるという問題があった。
不純物が少ない含有機シリカ微粒子の製法としては、
有機シリカ原料としてメチルトリアルコキシシラン又は
その縮合物を用いる方法(特開昭60-13813号公報)、有
機シリカ原料としてフェニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを用い、シリカ原料としてテトラエトキシ
シランを用いて加水分解、共縮合する方法(第6回無機
高分子討論会予稿集、第66〜67頁、1987年)が示されて
いる。しかしこれらの方法によって得られる含有機シリ
カ微粒子は、(1)粒子形状が真球である、(2)粒度
分布がシャープである、(3)多孔質である、という性
質をすべて満足するものはない。
ここで上記性質の中で(3)の項は、従来一般にBET
比表面積値が大きければ多孔質であると定性的に言われ
ているが、比表面積は粒子径により大きく左右される事
を考慮する必要がある。平滑な表面を有する非孔質な真
球状粒子の場合、 S×d×ρ=6 (但し、Sは比表面積(m2/g)、dは数平均粒子径
(m)、ρは粒子の密度(g/m3)をそれぞれ表わす。) と計算され、実際にSとしてBET法により測定された
値、dとして電子顕微鏡により測定される数平均粒子
径、ρとして真比重測定器による測定値を代入すると良
く一致する。従来公知の含有機シリカ微粒子は、仮に上
記性質のうち(1)項又は(2)項を満足するものであ
っても(3)項即ちS×d×ρ>180を満足するものは
知られていない。本発明の目的とするところは(1)
項、(2)項、(3)項ともに十分に満足する内部に有
機基を有する多孔質球状シリカ微粒子である。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、平均組成が一般式(I) (但し、Rは直接ケイ素原子に結合する炭素原子を有す
る有機基の平均組成を示し、nは1までの正の数をそれ
ぞれ表わす。) で示され、下記に示す(A)〜(D)の物性をすべて満
足することを特徴とする内部に有機基を有する多孔質球
状シリカ微粒子として特定される。
記 (A) S×d×ρ>180 (但し、SはBET法により測定した粒子の比表面積(m2/
g)、dは電子顕微鏡観察により測定した数平均粒子径
(m)、ρは粒子の密度(g/m3)をそれぞれ表わす。) (B) 平均粒子径が0.05〜10μmの範囲にある。
(C) 粒子径の標準偏差値が1.0〜1.5の範囲にある。
(D) 実質的にアルカリ金属及び塩素を含まない。
このように特定される内部に有機基を有する多孔質球状
シリカ微粒子は従来の公知の技術では得られない新規な
ものである。
本発明でいう多孔質とはS×d×ρ>180なる関係式
を満足するものをいう。又、実質的にアルカリ金属及び
塩素を含まないとは、微粒子中アルカリ金属及び塩素が
それぞれ1ppm以下の実質上無視しうる含量であることを
示す。これは微粒子原料としてシリカ原料又は有機シリ
カ原料にアルカリ金属ケイ酸塩又は塩化ケイ素化合物を
用いて粒子化後脱アルカリ金属処理又は脱塩素処理を施
しても到達しえない含量である。
本発明者らが従来公知の技術では本発明でいう多孔質
球状シリカ微粒子が得られない原因について種々検討し
たところ、加水分解、縮合時の反応条件及び加水分解、
縮合後得られた微粒子懸濁体より微粒子を単離する条件
に問題があることが判明し、更に検討を重ねた結果、上
記問題点を克服した製法により始めて新規な内部に有機
基を有する多孔質球状シリカ微粒子が得られたものであ
る。
本発明に示す内部に有機基を有する多孔質球状シリカ
微粒子の製法例について以下に詳述する。
加水分解、縮合可能な一般式(II) R′mSiX4-m (但し、R′は置換基を有していてもよい、アルキル
基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群から選
ばれる少なくとも一種の基、Xは水素原子、水酸基、ア
ルコキシ基、アシロキシ基からなる群から選ばれる少な
くとも一種の基、mは0〜3の範囲の整数をそれぞれ表
わす。) で示されるシラン化合物及びその誘導体からなる群から
選ばれる少なくとも一種(但し、一般式(II)において
m=0,2または3で示されるシラン化合物又はその誘導
体の単独使用は除く。)を触媒と水を含む有機性溶液中
で加水分解、縮合して、内部に有機基を有する球状シリ
カ水和物微粒子の有機性溶液懸濁体とする。該懸濁体よ
り水和物微粒子を単離して乾燥する時点又はそれ以前
に、常圧での沸点が120℃以上のアルコール(以下、ア
ルコール(A)と称す。)を微粒子内部細孔内表面のシ
ラノール基と結合せしめ、その後微粒子を単離、乾燥及
び場合により焼成することにより製造しうる。
ここで一般式(II)に示す加水分解としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシ
シラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2
−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルシ
ラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシ−3−グリ
シドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニル
シラン、ジメトキシジメチルフェニルシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチ
ルエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、等の
アルコキシシラン化合物、テトラアセトキシシラン、メ
チルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシ
ラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチ
ルシラン、アセトキシトリメチルシラン等のアシロキシ
シラン化合物、ジフェニルシランジオール、トリメチル
シラノール等のシラノール化合物等が挙げられる。
また、他の微粒子原料としては、これらシラン化合物
の誘導体がある。例えば、一部の加水分解性基(X)が
カルボキシル基、β−ジカルボニル基などのキレート化
合物を形成しうる基で置換された化合物、あるいはこれ
らシラン化合物またはキレート化合物を部分的に加水分
解して得られる低縮合物がある。
上述した微粒子原料は一種単独で、又は二種以上を混
合して使用することができる。しかし、m=2又は3で
示されるシラン化合物及び/又はその誘導体のみを原料
としても内部に有機基を有する球状シリカ微粒子が得ら
れない。
一般式(II)に示す化合物の中でもXがアルコキシ基
であるアルコキシシラン化合物及び/又はその誘導体が
好ましい。その中でも特にメトキシシラン化合物及び/
又はその誘導体を用いると、シラノール基とアルコール
(A)との結合量を低くしても、本発明で示す内部に有
機基を有する多孔質球状シリカ微粒子が得られるので特
に好ましい。その場合更に多孔質なS×d×ρ>250を
満足する微粒子とすることができる。
上記一般式(II)で示されるシリコン化合物及び/又
はその誘導体(以下原料シラン化合物と称す。)は有機
性溶液と混合して加水分解・縮合される。混合方法は一
括、分割、連続など任意の方法をとることができるが、
その際原料シラン化合物の有機性溶液中の最終濃度は2
モル/リットル以下とした方が生成した粒子の凝集が起
こり難く好ましい。
有機性溶液とは、原料シラン化合物を溶解しうる有機
溶剤に水及び触媒が完全に溶解しているか、又は水及び
触媒がミセルとした有機溶剤中に均一に分散した溶液を
いう。ここで用いる有機溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアル
コール類が好ましい。また触媒としては、アンモニア、
尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド等が好ましい。
有機性溶液中に存在させる水、触媒量は粒子の形状や
粒子径、分散状態に影響を及ぼすので好ましい量に制御
する必要があるが、有機性溶液における水及び触媒の濃
度は各々0.1〜50モル/リットル、0.1〜10モル/リット
ルの範囲で調製することが好ましい。これらは原料シラ
ン化合物の添加に応じて分割して添加することもでき
る。
加水分解、縮合は、例えば上記した原料シラン化合物
またはその有機溶剤溶液を上記有機性溶液に添加し、0
〜100℃の範囲、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜100
時間攪拌することによって行われる。
このようにして原料シラン化合物を有機性溶液中で適
切な条件の元で加水分解、縮合すれば球形でしかも粒度
分布の非常にシャープな水和物微粒子として析出し懸濁
体となる。その場合水和物微粒子は、平均粒子径が0.05
〜10μmの範囲で任意の粒子径にコントロールされ、か
つ粒子径の標準偏差値が1.0〜1.5の範囲にあるような粒
子とすることができる。さらに原料シラン化合物の種
類、及び濃度、反応温度、水濃度、触媒の種類及び濃
度、有機溶剤の種類、反応方法等を好ましくは選定する
ことにより、凝集がなくかつ粒子径の標準偏差値が1.0
〜1.3の範囲にあるような均一な粒子とすることができ
る。
また、上記に示した加水分解、縮合条件下で粒子を得
た(以下第一の工程と称す。)後、水、触媒を含む有機
性溶液を添加し、原料シラン化合物と混合して加水分
解、縮合し第一の工程で得られた粒子を成長させる(以
下第二の工程と称す。)、いわゆる逐次反応もとりう
る。さらに第二の工程で得られた粒子を種粒子として逐
次反応を行い、粒子を成長させることも可能で、逐次反
応は何度でも繰り返すことができる。第一の工程に使用
した原料シラン化合物と第二の工程に使用した原料シラ
ン化合物の種類は同一であっても異なっても良い。ま
た、原料シラン化合物の濃度を変化させ粒子内に有機基
の濃度分布を作ることも可能である。特に原料シラン化
合物として、一般式(II)においてm=0で示されるシ
ラン化合物及びその誘導体の単独使用または一般式
(I)においてn<0.2を満足するように一般式(II)
に示したシラン化合物及びその誘導体を使用して第一の
工程を行い種粒子を得た後逐次反応を行い、最終的に得
られた粒子の平均組成が一般式(I)を満足するような
内部に有機基を有する球状シリカ水和物微粒子を製造す
る方法では、粒子径のコントロールが容易でしかも得ら
れた粒子は凝集がなく、かつ非常に均一な粒度分布を有
する粒子とすることができ好ましい。
次いでこのようにして得られた水和物微粒子表面のシ
ラノール基とアルコール(A)を結合せしめる。アルコ
ール(A)を結合させずに加熱処理を施すと粒子表面の
シラノール基の脱水縮合が容易に進行し、比表面積が急
激に低下して多孔質性が消失する。
ここでアルコール(A)とは常圧での沸点が120℃以
上のアルコールで例えば水と任意の割合で溶解する炭素
数が5個以上の一価アルコール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどの二
価アルコール、グリセリンなどの多価アルコール、ポリ
エチレングリコールやポリビニルアルコールなどの高分
子アルコールが好ましい。さらに炭素数が4個以下であ
ってアミノ基やカルボキシル基などの官能基を有し、常
圧での沸点が120℃以上のアルコールならばよく、これ
らに限定されるものではない。また、沸点が同じ程度で
も一価アルコールより二価アルコール、さらに二価アル
コールより多価アルコールの方が結合量を低くしても本
発明で示す内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒
子が得られるので好ましい。常圧での沸点が120℃未満
のアルコールでは多孔質性に対する効果は小さい。
シリカ水和物微粒子表面にアルコール(A)を結合せ
しめるには種々の方法がとりうる。例えば (1) 水和物微粒子の有機性溶液懸濁体より該微粒子
を遠心分離、濾過等によって分離した後、該微粒子にア
ルコール(A)を十分含浸させ加熱する方法。
(2) 有機性溶液懸濁体又はその濃縮液にアルコール
(A)を添加した後該微粒子を分離して加熱する方法。
(3) 有機性溶液懸濁体又はその濃縮液中の有機性溶
液の一部又は全部をアルコール(A)に加熱下溶媒置換
して、溶媒置換と加熱を兼ねる方法。
(4) 有機性溶液懸濁体又はその濃縮液中の有機性溶
液の一部又は全部をアルコール(A)に溶媒置換した後
加熱する方法。
等がとりうる。
このように少なくとも水和物微粒子のシラノール基が
脱水縮合を起こしうる時点に該粒子表面にアルコール
(A)を存在させることが重要である。そうすることに
よりシラノール基とアルコール(A)との結合反応が起
こりシラノール基どうしの脱水縮合が抑えられるものと
考えられる。
加熱温度は50℃以上好ましくは100℃以上アルコール
(A)の沸点以下の温度で処理することにより達成され
る。その時の操作圧力は減圧、常圧、加圧のいずれでも
良い。沸点とはその操作圧力での値をいう。加熱処理中
有機性溶液の蒸発留去を伴っても良い。
次いで得られたアルコール(A)を結合せしめた内部
に有機基を有する球状シリカ微粒子がアルコール(A)
を含む懸濁体の場合には、濾過、遠心分離、減圧濃縮等
行って単離した後又は単離すると同時に、あるいは粉体
の場合は引き続き50℃以上粒子内部に存在する有機基の
炭素原子と粒子内部骨格中のケイ素原子との結合分解温
度以下で焼成することにより本発明の目的とする内部に
有機基を有する多孔質球状シリカ微粒子を製造すること
ができる。
なお、以上記述した数値は後記した実施例中に記載の
分析・評価方法に基づいて定義されるものである。
[発明の効果] 本発明によれば、従来の技術で不可能であった新規な
平均粒子径が0.05〜10μmの範囲で粒子径の標準偏差値
が1.0〜1.5の範囲にあって粒度分布はシャープであり、
実施的にアルカリ金属及び塩素を含まない内部に有機基
を有する多孔質球状シリカ微粒子であって、産業上種々
の用途に利用することができる。
本発明の内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒
子は高純度であり、しかも微細孔を多数有する。従っ
て、実際の使用に当っては、微粒子にアルカリ金属、塩
素元素、その他種々の元素又はその化合物を用いて任意
量を後処理することが可能であり吸着剤等の活性や選択
性を付与させることが出来る。更に各種表面処理剤等に
使用される場合には細孔内に染料、屈折率調整剤、紫外
線吸収剤等を有効に吸蔵させることができる。
更に有機基の量及び種類を任意に選択することによっ
て粒子の真比重、溶剤、ゴム、及び樹脂等との親和性を
自由に制御することができる。
[実施例] 以下、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する
が、実施例によって本発明の範囲が制限されることはな
い。
なお、内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒子
の形状、平均粒子径、標準偏差値、比表面積、真比重、
含有アルカリ金属及び塩素量、及び結合有機基量は下記
の方法により分析・評価した。
・粒子形状 5万倍の電子顕微鏡観察により判定した。
・平均粒子径及び標準偏差値 5万倍の電子顕微鏡撮影像の任意の粒子 300個の粒子径を実測して下記の式より求めた。
・比表面積(Sの測定) BET方により比表面積を測定した。
・真比重(ρの測定) 島津製オートピクノメーター1320を使用して真比重を
測定した。
・含有アルカリ金属及び塩素量 得られた内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒
子を5%フッ化水素酸水溶液に溶解し、アルカリ金属は
原子吸光分析により、また塩素はイオンクロマトグラフ
により定量した。
・結合有機基量(nの測定) アルコール(A)とシラノール量を結合せしめた後の
懸濁体または、アルコール(A)性懸濁体の一部を50℃
にて真空乾燥し、溶媒などの揮発成分を完全に除去して
微粒子の粉体試料を得る。得られた粉体試料約5gを精秤
し、0.05N-NaOH水溶液250mlに添加し、室温で10時間攪
拌を続ける。これにより微粒子中の加水分解性基は全て
加水分解されて水溶液に抽出される。該懸濁液中の微粒
子を超遠心分離により分離、水洗をくり返し行った後、
200℃で5時間乾燥した微粒子粉末試料について、元素
分析により全炭素含量を測定し、原料に用いたR′mSiX
4mのm個のR′の平均炭素数より一般式(I)中のRを
計算した上でnを求めた。また一方でFT-IRにより粒子
中の の結合についても確認した。
実施例1 攪拌機、滴下口、温度計を備えた2リットルのガラス
製反応器にメタノール933ミリリットル及び28%アンモ
ニア水溶液100gを添加した後、さらにアンモニアガスを
吹き込み17gを吸収させて混合しアンモニア濃度を調整
した。該有機性溶液を10±0.5℃に調整し、攪拌しなが
らテトラメトキシシラン81g及びフェニルトリメトキシ
シラン53gの混合物をメタノール133mlに希釈した溶液を
滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後、内温を50℃ま
で上げて5時間攪拌を続けて熟成して加水分解を行い、
内部に有機基を有する球状シリカ水和物微粒子の懸濁体
を得た。この時の最終溶液全量に対する各原料の濃度
は、テトラメトキシシラン0.40モル/リットル、フェニ
ルトリメトキシシラン0.20モル/リットル、水3.0モル
/リットル、アンモニア2.0モル/リットルであった。
一方、外部より熱媒加熱しうる攪拌器、滴下口、温度
計、留出ガス出口を備えた1リットルのガラス製蒸発釜
と留出ガス出口に続き留出ガス凝縮器、減圧吸引口、凝
縮液受け器からなる蒸発装置の蒸発釜にエチレングリコ
ール300gを仕込み、攪拌しながら系内を常圧にして熱媒
温度を120℃に設定した。次いで滴下口より上に得られ
た懸濁体を連続的に供給し、メタノール、水、アンモニ
ア及び蒸気成分のエチレングリコールを含むアルコール
性溶媒を留去させ、懸濁体の供給終了後熱媒温度を230
℃に設定し、エチレングリコールの沸点下で5時間加熱
を続け溶媒置換を行い、内部に有機基を有する球状シリ
カ微粒子のエチレングリコール懸濁体を得た。次いでエ
バポレーターを用いて90℃で減圧濃縮してエチレングリ
コールを除去した。得られた粉体を400℃で焼成して、
内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒子を製造し
た。その結果を表2に示す。
実施例2〜6 シラン化合物またはその誘導体の種類、組成比、有機
溶剤の種類、最終溶液全量に対する各原料の濃度、反応
温度、アルコール(A)の種類、及び焼成温度等の反応
条件を表1に示した通りとする以外は実施例1と同様に
して内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒子を製
造した。その結果を表2に示す。
実施例7 シラン化合物またはその誘導体の種類、組成比、有機
溶剤の種類、最終溶液全量に対する各原料の濃度、反応
温度等の反応条件を表1に示した通りとする以外は実施
例1と同様にして水和物微粒子の懸濁体を得た。続い
て、攪拌機、滴下口、温度計を備えた10リットルのガラ
ス製反応器に得られた水和物微粒子の懸濁体を移し、前
と同じ条件でテトラブトキシシラン及びジアセトキシジ
メチルシランの混合物を加水分解し逐次反応を行い、水
和物微粒子の懸濁体を得た。この時の最終溶液全量は6.
2リットルであった。
次にアルコール(A)の種類、及び焼成温度を表1に
示した通りとする以外は実施例1と同様にして内部に有
機基を有する多孔質球状シリカ微粒子を製造した。その
結果を表2に示す。
実施例8 シラン化合物またはその誘導体の種類、組成比、有機
溶剤の種類、最終溶液全量に対する各原料の濃度、反応
温度等の反応条件を表1に示した通りとする以外は例1
と同様にして水和物微粒子の懸濁体を得た。続いて、攪
拌機、滴下口、温度計を備えた10リットルのガラス製反
応器に得られた水和物微粒子の懸濁体を移し、前と同じ
条件でテトラブトキシシラン及びジエトキシメチルシラ
ンの混合物を加水分解し逐次反応を行い、水和物微粒子
の懸濁体を得た。この時の最終溶液全量は8.6リットル
であった。
さらに得られた水和物微粒子の懸濁体を1/5量に減ら
して、再び同じ条件で逐次反応を続行し、水和物微粒子
の懸濁体を得た。この時の最終溶液全量は、8.0リット
ルであった。
次にアルコール(A)の種類、及び焼成温度を表1に
示した通りとする以外は実施例1と同様にして内部に有
機基を有する多孔質球状シリカ微粒子を製造した。その
結果を表2に示す。
実施例9 攪拌機、滴下口、温度計を備えた2リットルのガラス
製反応器にメタノール507.7g、28%アンモニア水242.9g
を添加して混合した。該有機性溶液を15±0.5℃に調整
し攪拌しながら、テトラメトキシシラン91.3gを滴下口
より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間攪拌を続け加
水分解を行い、内部に有機基のない球状シリカ水和物微
粒子(9−a)の懸濁体を得た。この時、最終溶液全量
は1.0リットルであり、また最終溶液全量に対する各原
料の濃度は、テトラメトキシシラン0.60モル/リット
ル、水9.72モル/リットル、アンモニア4.00モル/リッ
トルであった。
続いて、攪拌機、滴下口、温度計を備えた5リットル
のガラス製反応器に得られた内部に有機基のない球状シ
リカ水和物微粒子(9−a)の懸濁体を移し、シラン化
合物またはその誘導体の種類、組成比、有機溶剤の種
類、最終溶液全量に対する各原料の濃度等の反応条件を
表1に示した通りとする以外は同様にして逐次反応を行
い、内部に有機基を有する球状シリカ水和物微粒子(9
−b)の懸濁体を得た。この時の最終溶液全量は4.0リ
ットルであった。
次にアルコール(A)の種類及び焼成温度を表1に通
りとする以外は実施例1と同様にして内部に有機を有す
る多孔質球状シリカ微粒子を製造した。その結果を表2
に示す。
比較例1、2 シラン化合物またはその誘導体の種類、組成比、有機
溶剤の種類、最終溶液全量に対する各原料の濃度、反応
温度等の反応条件を表1に示した通りとする以外は実施
例1と同様にして水和物微粒子の懸濁体を得た。
続いて得られた水和物微粒子の懸濁体をエバポレータ
ーを用いて、50℃で減圧濃縮して有機溶剤、水及びアン
モニアを留去した。得られた粉体を350℃で焼成して、
内部に有機基を有する球状シリカ微粒子を製造した。そ
の結果を表2に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均組成が一般式(I) (但し、Rは直接ケイ素原子に結合する炭素原子を有す
    る有機基の平均組成を示し、nは1までの正の数をそれ
    ぞれ表わす。) で示され、下記に示す(A)〜(D)の物性をすべて満
    足することを特徴とする内部に有機基を有する多孔質球
    状シリカ微粒子。 記 (A) S×d×ρ>180 (但し、SはBET法により測定した粒子の比表面積(m2/
    g)、dは電子顕微鏡観察により測定した数平均粒子径
    (m)、ρは粒子の密度(g/m3)をそれぞれ表わす。) (B) 平均粒子径が0.05〜10μmの範囲にある。 (C) 粒子径の標準偏差値が1.0〜1.5の範囲にある。 (D) 実質的にアルカリ金属及び塩素を含まない。
  2. 【請求項2】(A)の物性がS×d×ρ>250を満足す
    ることを特徴とする請求項1に記載の内部に有機基を有
    する多孔質球状シリカ微粒子。
  3. 【請求項3】(C)の物性である粒子径の標準偏差値が
    1.0〜1.3の範囲であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の内部に有機基を有する多孔質球状シリカ微粒
    子。
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