JPH08325168A - フッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造方法 - Google Patents
フッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造方法Info
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- JPH08325168A JPH08325168A JP33502495A JP33502495A JPH08325168A JP H08325168 A JPH08325168 A JP H08325168A JP 33502495 A JP33502495 A JP 33502495A JP 33502495 A JP33502495 A JP 33502495A JP H08325168 A JPH08325168 A JP H08325168A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高い[18F]フッ化物イオンの捕集率を維持し
つつ、収率が高く且つ経済的な18F標識有機化合物の製
造方法を提供する。 【構成】下式で示され且つピリジニウム塩の含有量が
0.4ないし1.7mmol/gの範囲内である樹脂に
[ 18F] フッ化物イオン含有水を接触させて、樹脂に[
18F] フッ化物イオンを捕集させる。次に、樹脂にアセ
トニトリルを接触させて[ 18F] フッ化物イオンを活性
化する。樹脂に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マ
ンノピラノースをアセトニトリルに溶解した溶液を接触
させて[ 18F] フッ化物イオンと反応させて[18F]−
2−フルオロ−2−デオキシ−D−グルコースを得る。 【化1】 (式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基を表し、Zは
対イオンを表す)
つつ、収率が高く且つ経済的な18F標識有機化合物の製
造方法を提供する。 【構成】下式で示され且つピリジニウム塩の含有量が
0.4ないし1.7mmol/gの範囲内である樹脂に
[ 18F] フッ化物イオン含有水を接触させて、樹脂に[
18F] フッ化物イオンを捕集させる。次に、樹脂にアセ
トニトリルを接触させて[ 18F] フッ化物イオンを活性
化する。樹脂に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マ
ンノピラノースをアセトニトリルに溶解した溶液を接触
させて[ 18F] フッ化物イオンと反応させて[18F]−
2−フルオロ−2−デオキシ−D−グルコースを得る。 【化1】 (式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基を表し、Zは
対イオンを表す)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、フッ素放射性同位
元素標識有機化合物の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】医療用画像診断技術の一つであるポジト
ロン断層検査法で使用されるポジトロン放射断層撮影
(Positron Emission Tomography) (以下、PETとい
う)システムにおいて、フッ素放射性同位元素標識有機
化合物(以下、18F標識有機化合物という)が利用され
ている。 【0003】従来、18F標識有機化合物R−18Fは、次
式(1)で表される求核置換反応を利用して製造され
る。 R−X+18F- →R−18F- +X- (1) この反応において、[18F]フッ化物イオン(18F- )
は、18O−濃縮水をターゲットとして陽子ビームを照射
することにより、[18F]フッ化物イオン含有水として
得ることができる。しかし、18O−濃縮水は高価である
ため、[18F]フッ化物イオン含有水から18O−濃縮水
を回収し、再利用することが必要である。 【0004】装置化のための18O−濃縮水の回収を考慮
した18F標識有機化合物の合成方法として次のような方
法が報告されている。 (1)Appl.Radiat.Isot.Vol.4
1,No.1,pp.49−55(1990) [18F]フッ化物イオン 含有水を陰イオン交換樹脂に
通して一旦[18F]フッ化物イオンを捕集して、18O−
濃縮水を回収する。次に、陰イオン交換樹脂に捕集され
た[18F]フッ化物イオンを、炭酸カリウムを含む水溶
液により溶離する。その後、相間移動触媒としてアミノ
ポリエーテル(クリプトフィックス222)を加え、蒸
発乾固することにより[18F]フッ化物イオンを活性化
する。この残渣に基質R−Xを含んだ溶液を加えて求核
置換反応を行なわせる。この方法によれば、捕集率>9
5%、反応収率40−55%、合成時間<1hであると
報告されている。 【0005】(2)J.Labelled Comp
d.Radipha.26(1989) [18F]フッ化物イオン含有水を、4−アミノピリジニ
ウム樹脂に通して[18F]フッ化物イオンを捕集し、18
O−濃縮水を回収する。その後、この[18F]フッ化物
イオンを捕集した樹脂にアセトニトリルあるいはジメチ
ルスルホキシドを通すことにより、[18F]フッ化物イ
オンを活性化した。次に、この樹脂に、基質R−Xを含
んだ溶液を数回往復させて求核置換反応を行う。この方
法によれば、捕集率75−90%、基質が脂肪族の場合
の反応収率40−65%、基質が芳香族の場合の反応収
率20−35%であることが報告されている。 【0006】この方法で使用されている4−アミノピリ
ジニウム樹脂とは、4−(N,N−ジアルキル)アミノ
ピリジンとクロロメチルポリスチレン:ジビニルベンゼ
ンコポリマー(いわゆる「メリフィールド樹脂」)とを
アセトニトリル中で加熱することにより合成される。 【0007】(3)Nucl.Med.Bio.Vo
l.17,No.3,pp.273−279(199
0) [18F]フッ化物イオン含有水を上述の4−アミノピリ
ジニウム樹脂と繊維状陽イオン交換樹脂の混合床に通し
て[18F]フッ化物イオンを捕集させ、18O−濃縮水を
回収する。その後、アセトニトリルをこの混合床に通す
ことにより[18F]フッ化物イオンを活性化させる。次
いで、活性化された[18F]フッ化物イオンを捕集した
混合床に基質R−Xを含んだ溶液を通して、求核置換反
応を行う。この方法によれば、4−アミノピリジニウム
樹脂および繊維状陽イオン交換樹脂の混合比が4:1で
あるとき、捕集率約66%、反応収率約77%であり、
4−アミノピリジニウム樹脂および繊維状陽イオン交換
樹脂の混合比が6:1のとき、捕集率約95%、反応収
率約61%、合成時間40分であることが報告されてい
る。ここで、使用されている4−アミノピリジニウム樹
脂は、4−(4−メチル−1−ピペリジノ)ピリジンと
クロロメチルポリスチレン:2%架橋ジビニルベンゼン
コポリマービーズ(いわゆる「メリフィールド樹脂」)
(塩素含有量1.2等量/g)とをアセトニトリル中で
加熱して合成したものであることが明記されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法(1)によれば、反応操作の手順が多く、合成に長
時間かかるため、その間に18Fが崩壊(半減期:10
9.7分)してしまい、18F標識化合物の収量が低くな
る。また、相間移動触媒に毒性があるアミノポリエーテ
ルが使用されている。このため、注射薬として使用する
にはその毒性が問題となり、アミノポリエーテルの除去
操作が必要となる。 【0009】これに対して、上述の方法(2)および
(3)は、相間移動触媒に上述のように4−アミノピリ
ジンをメリフィールド樹脂に結合させた4−アミノピリ
ジニウム樹脂を使用しているため、活性基であり、有毒
な4−アミノピリジニウムは系外に流出することがな
い。また、蒸発乾固やアミノポリエーテルの除去の必要
が無いため、方法(1)に比べて工程数を軽減し、合成
時間を短縮することができる。 【0010】方法(2)および(3)では、4−アミノ
ピリジニウム樹脂に基質を含む極性溶液(以下、基質含
有極性溶液という)を十分に接触させる必要がある。こ
のため、4−アミノピリジニウム樹脂をカラム容器に充
填し、このカラム容器に基質含有極性溶液を通してい
る。例えば、方法(2)では、基質含有極性溶液をカラ
ム内で数回往復させている。一方、方法(3)は、カラ
ム容器の形状を改良し、基質含有極性溶液をカラムに1
回通している。 【0011】しかしながら、メリフィールド樹脂は、上
述の(3)Nucl.Med.Bio.Vol.17,
No.3,pp.273−279(1990)に記載さ
れているように、塩素原子の含有量が約1.2mmol
/gである。従って、このメリフィールド樹脂を用いて
調製された4−アミノピリジニウム樹脂のピリジニウム
塩の含有量は、約1.2mmol/gになる。ピリジニ
ウム塩は親水基であるため、この4−アミノピリジニウ
ム樹脂は親水性が高く、極性が高い溶媒で膨潤を起こ
す。一方、極性が低い溶媒を通した場合には樹脂は収縮
を起こす。 【0012】このように4−アミノピリジニウム樹脂は
溶媒の極性に応じて膨潤状態が変化する。カラムに充填
した樹脂が膨潤を起こすと、このカラムに溶液を通す際
に背圧が高くなり、流動性が悪化する。一方、樹脂が収
縮を起こすと、カラム効率の低下を引き起こす。 【0013】上述の文献(3)では、4−アミノピリジ
ニウム樹脂の流動特性を改善するために、繊維状陽イオ
ン交換樹脂をカラムに添加している。しかし、繊維状陽
イオン交換樹脂の添加により、製造コストが高くなる。
また、繊維状陽イオン交換樹脂の配合割合を低く、すな
わち4−アミノピリジニウム樹脂の配合割合を高くし、
[18F]フッ化物イオンの捕集率を高くすると、基質と
の反応に寄与しない[18F]フッ化物イオンが結合した
樹脂の比率が高くなり、反応収率が低下する欠点があ
る。 【0014】以上説明したように、従来の方法(1)〜
(3)は何れも十分に高い収率で18F標識有機化合物の
製造を行うことができない。本発明は、かかる点に鑑み
てなされたものであり、高い[18F]フッ化物イオンの
捕集率を維持しつつ、収率が高く且つ経済的な18F標識
有機化合物の製造方法を提供する。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、下式
で示されるフッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造
方法であって、18 F−R (式中、Rは脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基
である)下式で示され且つピリジニウム塩の含有量がn
=1の場合には0.1〜1.0mmol/gであり、n
=2〜7の場合には0.4ないし1.7mmol/gの
範囲内である樹脂に[ 18F] フッ化物イオン含有水を接
触させて、前記樹脂に[18F] フッ化物イオンを捕集さ
せる工程、 【0016】 【化3】 【0017】(式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基
を表し、Zは対イオンを表し、nは1ないし7の整数を
表す)前記樹脂に第1極性中性溶媒を接触させて前記[
18F] フッ化物イオンを活性化する工程、および、前記
樹脂に下式で示される基質を第2極性中性溶媒に溶解し
た溶液を接触させて前記基質および[ 18F] フッ化物イ
オンを反応させる工程 X−R (式中、Xは離核性脱離基を表し、Rは上記と同じ意味
を示す)を具備することを特徴とするフッ素放射性同位
元素標識有機化合物の製造方法を提供する。 【0018】また、本発明は、第2に、[18F]−2−
フルオロ−2−デオキシ−D−グルコースの製造方法で
あって、下式で示され且つピリジニウム塩の含有量が
0.4ないし1.7mmol/gの範囲内である樹脂に
[ 18F] フッ化物イオン含有水を接触させて、前記樹脂
に[ 18F] フッ化物イオンを捕集させる工程、 【0019】 【化4】 【0020】(式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基
を表し、Zは対イオンを表すし、nは1ないし7の整数
を表す)前記樹脂に第1極性中性溶媒を接触させて前記
[ 18F] フッ化物イオンを活性化する工程、および、前
記樹脂に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−
O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピ
ラノースを第2極性中性溶媒に溶解した溶液を接触させ
て[ 18F] フッ化物イオンと反応させる工程を具備する
ことを特徴とする[18F]−2−フルオロ−2−デオキ
シ−D−グルコースの製造方法を提供する。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明で使用する樹脂(以下、4−ア
ミノピリジニウム樹脂という)は、下式に示す通りであ
る。 【0022】 【化5】 (式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基を表し、Zは
対イオンを表し、nは1ないし7の整数を表す) この4−アミノピリジニウム樹脂において、4−アミノ
ピリジウムは炭素数1ないし7のアルキレンを介してス
チレンの4位に結合している。このアルキレンは、具体
的には、ブチルまたはへプチルである。4−アミノピリ
ジニウムの4位の置換基Yは、アミノ基またはピペリジ
ノ基であり、置換または非置換の何れでも良い。アミノ
基は、例えば、ジメチルアミンである。 【0023】対イオンZは、ピリジニウムイオンと共に
塩を形成する1価もしくは2価の陰イオンであり、例え
ば、/炭酸イオン(CO32 - )/炭酸水素イオン(HC
O3-)等である。 【0024】4−アミノピリジニウム塩が結合する樹脂
本体は、架橋ハロゲン化アルキルスチレン−スチレン共
重合担体である。この共重合担体は、ジビニルベンゼン
により架橋して三次元構造をとっている。ジビニルベン
ゼンは、共重合担体の1〜4重量%である。 【0025】4−アミノピリジニウム樹脂は、上記一般
式において、n=1の場合には4−アミノピリジニウム
塩を樹脂全体に対して0.4〜1.0mmol/g、n
=2〜7の場合には0.4〜1.7mmol/gの割合
で含有する。4−アミノピリジニウム塩の含有量が0.
4mmol/g未満の場合には、18F捕集率が大幅に低
下する不都合を生じるからである。n=1の場合には、
1.0mmol/g、n=2〜7の場合には1.7mm
ol/gを越えると、樹脂の親水性が高すぎるため、収
率が低くなるからである。 【0026】本発明の4−アミノピリジニウム塩樹脂
は、例えば、次のようにして合成される。まず、水にゼ
ラチン、ホウ酸、ジアリルアンモニウム−二酸化硫黄共
重合体および亜硝酸ナトリウムを溶解したものを水酸化
ナトリウムでアルカリとし、懸濁重合用水相を調製す
る。次に、スチレンと、4−ブロモブチルスチレンまた
はp−クロロメチルスチレンのようなハロゲン化アルキ
ルスチレンと、ジビニルベンゼンとの混合物に、アゾビ
スイソブチロニトリルを溶解して有機相を調製する。上
述の水相および有機相を混合して懸濁重合により、スチ
レン−p−ハロゲン化アルキルスチレン架橋ポリマーを
得る。 【0027】この後、スチレン−p−ハロゲン化アルキ
ルスチレン架橋ポリマーと4−ジメチルアミノピリジン
のような4−アルキルアミノピリジンとを、適当な溶媒
中、窒素雰囲気下で加熱しながら攪袢する。冷却後、分
離および洗浄し、次いで、イオン転化して4−アミノピ
リジニウム樹脂を塩の形で得ることができる。 【0028】この4−アミノピリジニウム樹脂の合成方
法において、懸濁重合用の水相を調製する際に、スチレ
ン、ハロゲン化アルキルスチレンおよびジビニルベンゼ
ンの配合割合を変更することにより、4−アミノピリジ
ニウム樹脂の4−アミノピリジニウム塩の含有量を変更
可能である。 【0029】本発明の方法では、上述の4−アミノピリ
ジニウム樹脂を用いて、18F標識有機化合物の製造を行
う。まず、[18F]フッ化物イオン含有水を用意する。
[18F]フッ化物イオン含有水は、例えば、18O−濃縮
水([18O]H2 O)をターゲットとして陽子ビームを
照射することにより、[18O]酸素イオンを[18F]フ
ッ化物イオンに変換して得られる。従って、[18F]フ
ッ化物イオン含有水は、18O−濃縮水を含有する。 【0030】次に、必要に応じて、4−アミノピリジニ
ウム樹脂をカラム容器に充填する。この4−アミノピリ
ジニウム樹脂を充填したカラム容器(以下、単にカラム
という)に[18F]フッ化物イオン含有水を通す。これ
により、[18F]フッ化物イオン含有水が4−アミノピ
リジニウム樹脂に接触し、[18F]フッ化物イオン含有
水中の[18F]フッ化物イオンが、対イオンZと入れ換
わって4−アミノピリジニウムと塩を形成し、4−アミ
ノピリジニウム樹脂に捕集される。この結果、カラムか
らは、[18F]フッ化物イオンをほとんど含有しない18
O−濃縮水が流出する。この18O−濃縮水は、再び[18
F]フッ化物イオンの生成に利用される。 【0031】この後、カラムに第1極性中性溶媒を通し
て、4−アミノピリジニウム樹脂に捕集された[18F]
フッ化物イオンを活性化する。第1極性中性溶媒は、例
えば、アセトアミド、アセトニトリルまたはジメチルス
ルホキシドである。 【0032】次に、基質X−Rはを第2極性中性溶媒に
溶解した溶液をカラムに通し、[18F]フッ化物イオン
と基質の反応を行わせる。基質X−Rは、離核性脱離基
Xおよび環式炭化水素基Rからなる。環式炭化水素基R
は、置換または非置換の、脂環式炭化水素基および芳香
族炭化水素基を包含する。脂環式炭化水素基は、例え
ば、シクロパラフィン残基等の同素環式脂肪族炭化水素
基、または、糖残基等の複素環式脂肪族炭化水素基のい
ずれであっても良い。一方、芳香族炭化水素基は、例え
ば、フェニル基のような同素環式芳香族炭化水素基、ま
たは、フラン残基等の複素環式芳香族炭化水素基が挙げ
られる。 【0033】離核性脱離基Xは、環式炭化水素基Rに応
じて適宜選択して使用される。例えば、環式炭化水素基
Rが脂環式炭化水素基である場合には、離核性脱離基X
はトリフレート基(−OTf)である。一方、例えば、
環式炭化水素基Rが芳香族炭化水素基である場合には、
離核性脱離基Xはニトロ基またはトリフレート基であ
る。 【0034】基質X−Rは、具体的には、1,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタ
ンスルホニル−β−D−マンノピラノースまたは6−ニ
トロピペロナールである。 【0035】基質X−Rを溶解する第2極性中性溶媒
は、例えば、アセトアミド、アセトニトリルまたはジメ
チルスルホキシドである。基質X−Rを第2極性中性溶
媒に溶解した溶液を、4−アミノピリジニウム樹脂に接
触させると、基質X−Rおよび[18F]フッ化物イオン
の間で上記式(1)に示す求核置換反応が起こる。反応
終了後、例えば、分離精製等の後処理を行い、18F標識
有機化合物(18F−X)が得られる。 【0036】本発明の18F標識有機化合物の製造方法の
目的化合物は、例えば、[18F]−2−フルオロ−2−
デオキシ−D−グルコース(以下、[18F]FDGとい
う)である。[18F]FDGを製造する場合には、基質
として1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O
−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラ
ノースが使用される。 【0037】以上説明したように、本発明の18F標識有
機化合物の製造方法は、ピリジニウム塩の含有量が0.
4ないし1.7mmol/gの範囲内である4−アミノ
ピリジニウム樹脂を使用している。この4−アミノピリ
ジニウム樹脂は、親水基であるピリジニウム塩の密度が
低いため、親水性が低い、すなわち親油性(疎水性)が
高い。このため、4−アミノピリジニウム樹脂に捕集さ
れた[18F]フッ化物イオン(活性点)の近傍での水分
子量が減少し、反応性に優れた試薬アニオンが生成す
る。また、4−アミノピリジニウム樹脂の親油性が高い
と基質X−Rの樹脂内への拡散が円滑に行われる。これ
らの結果、18F標識有機化合物の反応収率が向上する。 【0038】また、4−アミノピリジニウム樹脂は親水
性が低いため、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド等の極性溶媒に対する膨潤度が低い。例えば、従来
の市販のメリフィールド樹脂から合成した4−アミノピ
リジニウム樹脂(ピリジニウム塩含有量1.2mmol
/g)の溶媒取込量は、アセトニトリルの場合0.6g
/gであり、水の場合1.1g/gである。これに対し
て、本発明のピリジニウム塩含有量がn=1の場合0.
4〜1.0mmol/g、n=2〜7の場合には0.4
〜1.7mmol/gの範囲内である4−アミノピリジ
ニウム樹脂の溶媒取込量は、アセトニトリルの場合0.
4g/g以下であり、水の場合0.5g/g以下であ
る。このため、カラムの背圧の上昇が防止され、極性溶
媒の流動性が良好である。また、収縮も起き難いため、
カラム効率の低下も起こし難い。このようにピリジニウ
ム塩の含有量が上記の範囲内である4 −アミノピリジニ
ウムスペーサ−導入樹脂は、取り扱い易く、カラム容器
に充填して使用するのに適している。さらに、繊維状陽
イオン交換樹脂を使用する必要が無いので製造コストを
低滅できる。また、繊維状陽イオン交換樹脂の混合によ
る収率低下の恐れもない。 【0039】以上説明した通り、本発明の18F標識有機
化合物の製造方法は、ピリジニウム塩含有量が上記の範
囲内である4−アミノピリジニウム樹脂を用いる。これ
により、当該樹脂の活性点の近傍での反応性を高め、基
質の樹脂内への拡散を円滑にすることにより、反応収率
を向上することができる。この結果、基質を樹脂を充填
したカラムに1回通過させるだけで高い収率で18F標識
有機化合物を得ることができる。また、ピリジニウム塩
含有量が低いため、当該樹脂は親水性が低いので、極性
溶媒による膨潤および収縮を防止し、極性溶媒の流動性
を改善できる。この結果、高い[18F]フッ化物イオン
の捕集率を維持し、カラム効率を向上できる。また、繊
維状陽イオン交換樹脂を添加する必要が無いので製造コ
ストを低減することができる。 【0040】より具体的には、本発明の18F標識有機化
合物の製造方法により、例えばPET用の重要な
[18F]フッ化物イオンで標識した放射性薬品(具体的
には、[
18F]FDG等)を経済的に製造することができる。 【0041】 【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 ピリジニウム塩含有量約0.5mmol/gである、下
式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニウム、
対イオンZ;炭酸イオン、スペーサー鎖数;n=1)を
、J.Am.Chem.Soc.1981,103,3
821−3828(1980)記載の方法に従って以下
のように作成した。 【0042】 【化6】 【0043】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。89.9gのスチレン、15.
2gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.92gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を11の三つ
口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約450r
pmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終了後、
得られたポリマービーズをガラスフィルター上に分離し
、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾燥し、
10%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2%ジビ
ニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロロメチ
ルスチレン架橋ポリマーという)を収率83%で得た。 【0044】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン13.3g、塩化ベンゼン300mlを50
0mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃
で24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、7
0℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(2
)の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)42.8gを
得た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Chem
.Soc.103,3821(1981)に記載されて
いるホルハルト法により滴定して、4−アミノピリジニ
ウム塩の含有量を求めたところ、0.53mmol/g
であった。 【0045】このピリジニウム塩含有量0.53mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物を
、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオン
を炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩を得た。 【0046】得られた4−アミノピリジニウム樹脂(2
)の炭酸塩の物理的データは以下のようであった。 IR:ν(cm −1 ) 3648.70 3380.64 3081.73 3058.59 3025.80 2921.66 2848.38 1943.92 1872.56 1803.14 1747.21 1648.86 1602.58 1567.86 1511.94 1492.65 1450.22 1380.80 1216.88 1168.67 1066.46 1025.96 906.39 838.89 759.90 700.04 539.98 3081.73 芳香族C−H伸縮振動 3058.59 3025.80 2921.66 メチレンC−H伸縮振動 2848.38 1943.92 倍音振動または結合振動吸収帯 1872.56 1803.14 1747.21 1602.58 芳香環伸縮による面内骨格振動 1567.86 1511.94 1492.65 1450.22 1400〜1800 指紋領域 757.90 芳香族C−H面外変角振動 700.04 ・芳香族第3アミン由来の特性吸収 C−N伸縮振動 1380〜1330 ・N−メチル由来の特性吸収 C−N伸縮振動 2820〜2760 ・ピリジン由来の特性吸収 C−H面内および面外変角振動と環置換 1230〜1210 1070〜1065 元素分析: 【0047】 【表1】 【0048】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99
%であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回
通すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。
次に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−
トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノ
ース20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(2)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]F
DGを得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグ
ラフィーにより行った。カラムにはLichrosor
b−NH2 (登録商標;メルク社製)を、溶離液にはア
セトニトリル/水(95:5)混合液を用いて、流速1
ml/分で行った。この液体クロマトグラフィーの結果
を図1に示す。 【0049】図1から明らかなように、[18F]FDG
の溶出時間は3.9分であり、JNucl Med 2
7:235−238(1986)に示されたデータと一
致していた。合成時間は、約32分、収率は約82%で
あった。なお、収率は下式に従って求めた。 【0050】収率(%)=[生成物の18F放射能総量]
/[反応前の18F放射能総量]×100 実施例2 ピリジニウム塩含有量約1.0mmol/gである、上
記式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニ
ウム、対イオンZ;炭酸イオン、スペーサー鎖数;n=
1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,10
3,3821−3828(1980)記載の方法に従っ
て以下のように作成した。 【0051】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。79.5gのスチレン、30.
4gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.96gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
50rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、20%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2
%ジビニルベンゼン架橋ポリマーを収率80%で得た。 【0052】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン25.5g、塩化ベンゼン300mlを50
0mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃
で24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、7
0℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)45.7
gを得た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Ch
em.Soc.103,3821(1981)に記載さ
れているホルハルト法により滴定して、4−アミノピリ
ジニウム塩の含有量を求めたところ、1.02mmol
/gであった。 【0053】このピリジニウム塩含有量1.02mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物
を、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオ
ンを炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹
脂(2)の炭酸塩を得た。 【0054】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩のIRデータは実施例1で得られた物理
的データと一致した。元素分析の結果を以下に示す。 元素分析: 【0055】 【表2】 【0056】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99
%であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回
通すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。
次に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−
トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノ
ース20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(2)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]F
DGを得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグ
ラフィーにより行った。カラムにはLichrosor
b−NH2 (登録商標;メルク社製)を、溶離液にはア
セトニトリル/水(95:5)混合液を用いて、流速1
ml/分で行った。 【0057】[18F]FDGの溶出時間は3.9分であ
り、J Nucl Med 27:235−238(1
986)に示されたデータと一致していた。合成時間
は、約33分、収率は約71%であった。 【0058】実施例3 ピリジニウム塩含有量約1.2mmol/gである、下
式(3)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノビリジニウ
ム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖数; n
=4)を、J.Am.Chem.Soc.1981,1
03,382l−3828(1980)記載の方法に従
って以下のように作成した。 【0059】 【化7】 【0060】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。37.9gのスチレン、23.
9gの4−ブロモブチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルペンゼンの混合物に0.55gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
00rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、20%の4−ブロモブチルスチレン単位を含む4
%ジビニルペンゼン架橋ポリマー(以下、スチレン/4
−ブロモブチルスチレン架橋ポリマーという)を収率8
1%で得た。 【0061】得られたビーズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン22.0g、アセトニトリル300mlを5
00mlの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70℃
で18時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃
で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の
臭化物(対イオンZ;臭化物イオン)46.9gを得
た。この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノビリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、1.21mmol/gで
あった。 【0062】このビリジニウム塩含有量1.21mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより塩化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(3)の炭酸水素塩を得
た。得られた4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹
脂(3)の炭酸水素塩のIRデータは実施例1と一致し
た。元素分析の結果を以下に示す。 元素分折: 【0063】 【表3】 【0064】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガべク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(4)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製l8FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2 ,
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速lml/分で
行った。[l8F]FDGの溶出時間は3.9分であり、
J Nucl Med27:235−238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
3分、収率は約74%であった。 【0065】実施例4 ピリジニウム塩含有量約1.2mmol/gである、下
式(4)で示される4−アミノビリジニウムスペーサー
導入樹脂(4)の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルア
ミノピリジニウム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペ
ーサー鎖数;n=7)を、J.Am.Chem.So
c.l981,103,3821‐3828(198
0)記載の方法に従って以下のように作成した。 【0066】 【化8】 【0067】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。37.9gのスチレン、28.
1gの7−ブロモヘプチルスチレン、4.7gの工業用
ジビニルベンゼンの混合物に0.59gのアゾビスイソ
ブチロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リット
ルの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約
400rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応
終了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上
に分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧
乾燥し、20%の7−ブロモヘプチルスチレン単位を含
む4%ジビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/7−
ブロモヘプチルスチレン架橋ポリマーという)を収率8
3%で得た。得られたビーズ状のスチレン/7−ブロモ
ヘプチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルア
ミノピリジン20.7g、アセトニトリル300mlを
500mlの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70
℃で18時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを
分離し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70
℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(4)
の臭化物(対イオンZ;臭化物イオン)47.1gを得
た。この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノピリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、1.23mmol/gで
あった。 【0068】このビリジニウム塩含有量1.23mmo
l/gの4−アミノピリジニウムスぺーサー導入樹脂
(4)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより臭化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(4)の炭酸水素塩を得
た。得られた4−アミノピリジニウム樹脂(4)の炭酸
水素塩の物理的データは以下のようであった。 元素分析: 【0069】 【表4】 【0070】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(4)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガベク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[l8F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1m1のアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温して活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(4)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製18FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速1ml/分で
行った。[18F]FDGの溶出時間は3.9分であり、
J Nucl Med27:235−238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
4分、収率は約83%であった。 【0071】実施例3 ピリジニウム塩含有量約1.7mmol/gである、式
(3)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(3)の
炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノビリジニウ
ム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖数; n
=4)を、J.Am.Chem.Soc.1981,1
03,382l−3828(1980)記載の方法に従
って以下のように作成した。 【0072】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。39.4gのスチレン、32.
8gの4−ブロモブチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルペンゼンの混合物に0.64gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
00rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、33%の4−ブロモブチルスチレン単位を含む4
%ジビニルペンゼン架橋ポリマー(以下、スチレン/4
−ブロモブチルスチレン架橋ポリマーという)を収率8
2%で得た。 【0073】得られたビーズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン31.4g、アセトニトリル300mlを5
00mlの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70℃
で18時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃
で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の
臭化物(対イオンZ;臭化物イオン)50.5gを得
た。この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノビリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、1.70mmol/gで
あった。 【0074】このビリジニウム塩含有量1.70mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより塩化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(3)の炭酸水素塩を得
た。得られた4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹
脂(3)の炭酸水素塩のIRデータは実施例1と一致し
た。元素分析の結果を以下に示す。 元素分折: 【0075】 【表5】 【0076】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガべク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(4)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製l8FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2 ,
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速lml/分で
行った。[l8F]FDGの溶出時間は3.9分であり、
J Nucl Med27:235−238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
3分、収率は約71%であった。 【0077】比較例1 ピリジニウム塩含有量約1.5mmol/gである、上
記式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニ
ウム、対イオンZ;炭酸イオン、スペーサー鎖数;n=
1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,10
3,3821−3828(1980)記載の方法に従っ
て以下のように作成した。 【0078】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。69.1gのスチレン、45.
6gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に1.00gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
50rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、30%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2
%ジビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロ
ロメチルスチレン架橋ポリマーという)を収率84%で
得た。 【0079】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン36.8g、塩化ベンゼン300mlを50
0mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃
で24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、7
0℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)49.4
gを得た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Ch
em.Soc.103,3821(1981)に記載さ
れているホルハルト法により滴定して、4−アミノピリ
ジニウム塩の含有量を求めたところ、1.56mmol
/gであった。 【0080】このピリジニウム塩含有量1.56mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物
を、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオ
ンを炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹
脂(2)の炭酸塩を得た。 【0081】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩の物理的データは以下のようであった。 元素分析: 【0082】 【表6】 【0083】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99
%であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回
通すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。
次に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−
トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノ
ース20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(2)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]F
DGを得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグ
ラフィーにより行った。カラムにはLichrosor
b−NH2 (登録商標;メルク社製)を、溶離液には
アセトニトリル/水(95:5)混合液を用いて、流速
1ml/分で行った。[18F]FDGの溶出時間は3.
9分であり、J NuclMed 27:235−23
8(1986)に示されたデータと一致していた。合成
時間は、約36分、収率は約61%であり、実施例1
(82%)に比べて収率が低下した。 【0084】比較例2 ピリジニウム塩含有量約1.2mmol/gである、下
式(5)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(5)
の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニウ
ム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖数;n
=1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,1
03,3821‐3828(1980)記載の方法に従
って以下のように作成した。 【0085】 【化9】 【0086】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。37.9gのスチレン、15.
2gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.48gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコに人れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
00rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、20%のp−クロロメチルスチレン単位を含む4
%ジビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロ
ロメチルスチレン架橋ポリマーという)を収率80%で
得た。得られたビーズ状のスチレン/p−クロロメチル
スチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミノピリ
ジン25.3g、アセトニトリル300mlを500m
lの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70℃で18
時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離し、
メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃で減圧
乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(5)の塩化物
(対イオンZ;塩化物イオン)46.8gを得た。この
生成物の塩化物イオンをJ.Am.Chem.Soc.
103,3821(1981)に記載されているホルハ
ルト法により滴定して、4−アミノピリジニウム塩の含
有量を求めたところ、1.19mmol/gであった。 【0087】このピリジニウム塩含有量1.19mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(5)の塩化物
を、1.0M炭酸水素ナトリウムで灌ぐことにより塩化
物イオンを炭酸水素イオンに転化して、4−アミノピリ
ジニウム樹脂(5)の炭酸水素塩を得た。得られた4−
アミノピリジニウム樹脂(5)の炭酸水素塩の物理的デ
−タは以下のようであった。 元素分折: 【0088】 【表7】 【0089】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(5)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガペク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(5)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製18FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速1ml/分で
行った。[l8F]FDGの溶出時問は3.9分であり、
J Nucl Med27=235‐238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
3分、収率は約68%であった。 【0090】比較例3 ピリジニウム塩含有量約0.35mmol/gである、
上記式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニ
ウム、対イオンZ;炭酸イオン,スペーサー鎖数;n=
1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,10
3,3821−3828(1980)記載の方法に従っ
て以下のように作成した。 【0091】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。95.1gのスチレン、7.6
gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジビ
ニルベンゼンの混合物に0.90gのアゾビスイソブチ
ロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットルの
三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約45
0rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終了
後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に分
離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾燥
し、5%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2%ジ
ビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロロメ
チルスチレン架橋ポリマーという)を収率79%で得
た。 【0092】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン6.8g、塩化ベンゼン300mlを500
mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃で
24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離
し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、70
℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)41.8gを得
た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノピリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、0.35mmol/gで
あった。 【0093】このピリジニウム塩含有量0.35mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物
を、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオ
ンを炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹
脂(2)の炭酸塩を得た。 【0094】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩の物理的データは以下のようであった。 元素分析: 【0095】 【表8】 【0096】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約39
%であった。 【0097】比較例4 ピリジニウム塩含有量約1.8mmol/gである、上
記式(3)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(3)の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノピリ
ジニウム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖
数;n=4)を、J.Am.Chem.Soc.198
1,103,3821−3828(1980)記載の方
法に従って以下のように作成した。 【0098】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。30.1gのスチレン、41.
8gの4−ブロモブチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.64gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコへ仕込み、窒素下70℃、約400r
pmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終了後ポ
リマ−ビ−ズをガラスフィルター上に分離し、水、アセ
トンで十分洗浄した後70℃で減圧乾燥し、35%の4
−ブロモブチルスチレン単位を含む4%ジビニルベンゼ
ン架橋ポリマーを収率84%で得た。 【0099】得られたビ−ズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマ−40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン33.4g、アセトニトリル300mlを5
00mlの三つロフラスコに仕込み、窒素下70℃で1
8時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離
し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃で
減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の塩
化物(対イオンZ;臭化物イオン)51.3gを得た。
この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.So
c.103,3821(1981)に記載されているホ
ルハルト法により滴定して、4−アミノビリジニウム塩
の含有量を求めたところ、1.81mmol/gであっ
た。 【0100】このピリジニウム塩含有量1.81mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより臭化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(3)の炭酸水素塩を得
た。 【0101】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(3)の炭酸水素塩の物理的データは以下のようであっ
た。 元素分析: 【0102】 【表9】 【0103】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガベク
レルの[18F]フッ素イオン含有水4mlを通し、[18
F]フッ素イオンを捕集させた。捕集率は約99%であ
った。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通すこ
とにより[18F]フッ素イオンを活性化した。次に1,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフル
オロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース20
mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液を、10
0℃に加温した活性化された4−アミノピリジニウム樹
脂(3)を充填したカラムに通過させることにより求核
置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを添加し、
110℃で約10分間加水分解した。得られた生成物を
塩酸除去用のイオン遅延樹脂(パイオラドAG11A
8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]FDGを
得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグラフィ
ーにより行った。カラムにはLichro sorb−
NH2 (登録商標:メルク社製)を、溶離液はアセトニ
トリル/水(95:5)混合液を用いて、流速1ml/
分で行った。[18F]FDGの溶出時間は3.9分であ
り、J Nucl Med 27:235−238(1
986)に示されたデータと一致していた。合成時間は
約32分、収率は約61%であった。 【0104】比較例5 ピリジニウム塩含有量約0.35mmol/gである、
上記式(3)で示される4−アミノビリジニウムスペー
サー導入樹脂(3)の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチ
ルアミノビリジニウム、対イオンZ;炭酸水素イオン、
スペーサー鎖数;n=4)を、J.Am.Chem.S
oc.1981,103,3821−3828(198
0)記載の方法に従って以下のように作成した。600
mlの水にゼラチン2.0g、ホウ酸7.4g、ポリア
ミンスルホン−A(日東紡績製)20g、亜硝酸ナトリ
ウム0.4gを溶解したものに、pH9まで25%水酸
化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重合用の水相を調製し
た。45.7gのスチレン、6.0gの4−ブロモブチ
ルスチレン、4.7gの工業用ジビニルベンゼンの混合
物に0.47gのアゾビスイソブチロニトリルを溶解し
た有機相と前記水相を1リットルの三つロフラスコヘ仕
込み、窒素下70℃、約400rpmの撹拌条件下、1
6時間重合させた。反応終了後ポリマービーズをガラス
フィルター上に分離し、水、アセトンで十分洗浄した後
70℃で減圧乾燥し、5%の4−ブロモブチルスチレン
単位を含む4%ジビニルペンゼン架橋ポリマーを収率8
4%で得た。 【0105】得られたビーズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン6.4g、アセトニトリル300mlを50
0mlの三つロフラスコに仕込み、窒素下70℃で18
時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離し、
メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃で減圧
乾煤して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の臭化物
対イオンZ;臭化物イオン)41.8gを得た。この生
成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.Soc.1
03,3821(1981)に記載されているホルハル
ト法により滴定して、4−アミノピリジニウム塩の含有
量を求めたところ、0.35mmol/gであった。 【0106】このピリジニウム塩含有量0.35mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで灌ぐ
ことにより臭化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウムスベーサー導入樹脂(3)の炭
酸水素塩を得た。得られた4−アミノピリジニウムスペ
ーサー導人樹脂(3)の炭酸水素塩の物理的データは以
下のようであった。 元素分析: 【0107】 【表10】 【0108】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガベク
レルの[18F]フッ素イオン含有水4mlを通し、[18
F]フッ素イオンを捕集させた。捕集率は約43%であ
った。
元素標識有機化合物の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】医療用画像診断技術の一つであるポジト
ロン断層検査法で使用されるポジトロン放射断層撮影
(Positron Emission Tomography) (以下、PETとい
う)システムにおいて、フッ素放射性同位元素標識有機
化合物(以下、18F標識有機化合物という)が利用され
ている。 【0003】従来、18F標識有機化合物R−18Fは、次
式(1)で表される求核置換反応を利用して製造され
る。 R−X+18F- →R−18F- +X- (1) この反応において、[18F]フッ化物イオン(18F- )
は、18O−濃縮水をターゲットとして陽子ビームを照射
することにより、[18F]フッ化物イオン含有水として
得ることができる。しかし、18O−濃縮水は高価である
ため、[18F]フッ化物イオン含有水から18O−濃縮水
を回収し、再利用することが必要である。 【0004】装置化のための18O−濃縮水の回収を考慮
した18F標識有機化合物の合成方法として次のような方
法が報告されている。 (1)Appl.Radiat.Isot.Vol.4
1,No.1,pp.49−55(1990) [18F]フッ化物イオン 含有水を陰イオン交換樹脂に
通して一旦[18F]フッ化物イオンを捕集して、18O−
濃縮水を回収する。次に、陰イオン交換樹脂に捕集され
た[18F]フッ化物イオンを、炭酸カリウムを含む水溶
液により溶離する。その後、相間移動触媒としてアミノ
ポリエーテル(クリプトフィックス222)を加え、蒸
発乾固することにより[18F]フッ化物イオンを活性化
する。この残渣に基質R−Xを含んだ溶液を加えて求核
置換反応を行なわせる。この方法によれば、捕集率>9
5%、反応収率40−55%、合成時間<1hであると
報告されている。 【0005】(2)J.Labelled Comp
d.Radipha.26(1989) [18F]フッ化物イオン含有水を、4−アミノピリジニ
ウム樹脂に通して[18F]フッ化物イオンを捕集し、18
O−濃縮水を回収する。その後、この[18F]フッ化物
イオンを捕集した樹脂にアセトニトリルあるいはジメチ
ルスルホキシドを通すことにより、[18F]フッ化物イ
オンを活性化した。次に、この樹脂に、基質R−Xを含
んだ溶液を数回往復させて求核置換反応を行う。この方
法によれば、捕集率75−90%、基質が脂肪族の場合
の反応収率40−65%、基質が芳香族の場合の反応収
率20−35%であることが報告されている。 【0006】この方法で使用されている4−アミノピリ
ジニウム樹脂とは、4−(N,N−ジアルキル)アミノ
ピリジンとクロロメチルポリスチレン:ジビニルベンゼ
ンコポリマー(いわゆる「メリフィールド樹脂」)とを
アセトニトリル中で加熱することにより合成される。 【0007】(3)Nucl.Med.Bio.Vo
l.17,No.3,pp.273−279(199
0) [18F]フッ化物イオン含有水を上述の4−アミノピリ
ジニウム樹脂と繊維状陽イオン交換樹脂の混合床に通し
て[18F]フッ化物イオンを捕集させ、18O−濃縮水を
回収する。その後、アセトニトリルをこの混合床に通す
ことにより[18F]フッ化物イオンを活性化させる。次
いで、活性化された[18F]フッ化物イオンを捕集した
混合床に基質R−Xを含んだ溶液を通して、求核置換反
応を行う。この方法によれば、4−アミノピリジニウム
樹脂および繊維状陽イオン交換樹脂の混合比が4:1で
あるとき、捕集率約66%、反応収率約77%であり、
4−アミノピリジニウム樹脂および繊維状陽イオン交換
樹脂の混合比が6:1のとき、捕集率約95%、反応収
率約61%、合成時間40分であることが報告されてい
る。ここで、使用されている4−アミノピリジニウム樹
脂は、4−(4−メチル−1−ピペリジノ)ピリジンと
クロロメチルポリスチレン:2%架橋ジビニルベンゼン
コポリマービーズ(いわゆる「メリフィールド樹脂」)
(塩素含有量1.2等量/g)とをアセトニトリル中で
加熱して合成したものであることが明記されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法(1)によれば、反応操作の手順が多く、合成に長
時間かかるため、その間に18Fが崩壊(半減期:10
9.7分)してしまい、18F標識化合物の収量が低くな
る。また、相間移動触媒に毒性があるアミノポリエーテ
ルが使用されている。このため、注射薬として使用する
にはその毒性が問題となり、アミノポリエーテルの除去
操作が必要となる。 【0009】これに対して、上述の方法(2)および
(3)は、相間移動触媒に上述のように4−アミノピリ
ジンをメリフィールド樹脂に結合させた4−アミノピリ
ジニウム樹脂を使用しているため、活性基であり、有毒
な4−アミノピリジニウムは系外に流出することがな
い。また、蒸発乾固やアミノポリエーテルの除去の必要
が無いため、方法(1)に比べて工程数を軽減し、合成
時間を短縮することができる。 【0010】方法(2)および(3)では、4−アミノ
ピリジニウム樹脂に基質を含む極性溶液(以下、基質含
有極性溶液という)を十分に接触させる必要がある。こ
のため、4−アミノピリジニウム樹脂をカラム容器に充
填し、このカラム容器に基質含有極性溶液を通してい
る。例えば、方法(2)では、基質含有極性溶液をカラ
ム内で数回往復させている。一方、方法(3)は、カラ
ム容器の形状を改良し、基質含有極性溶液をカラムに1
回通している。 【0011】しかしながら、メリフィールド樹脂は、上
述の(3)Nucl.Med.Bio.Vol.17,
No.3,pp.273−279(1990)に記載さ
れているように、塩素原子の含有量が約1.2mmol
/gである。従って、このメリフィールド樹脂を用いて
調製された4−アミノピリジニウム樹脂のピリジニウム
塩の含有量は、約1.2mmol/gになる。ピリジニ
ウム塩は親水基であるため、この4−アミノピリジニウ
ム樹脂は親水性が高く、極性が高い溶媒で膨潤を起こ
す。一方、極性が低い溶媒を通した場合には樹脂は収縮
を起こす。 【0012】このように4−アミノピリジニウム樹脂は
溶媒の極性に応じて膨潤状態が変化する。カラムに充填
した樹脂が膨潤を起こすと、このカラムに溶液を通す際
に背圧が高くなり、流動性が悪化する。一方、樹脂が収
縮を起こすと、カラム効率の低下を引き起こす。 【0013】上述の文献(3)では、4−アミノピリジ
ニウム樹脂の流動特性を改善するために、繊維状陽イオ
ン交換樹脂をカラムに添加している。しかし、繊維状陽
イオン交換樹脂の添加により、製造コストが高くなる。
また、繊維状陽イオン交換樹脂の配合割合を低く、すな
わち4−アミノピリジニウム樹脂の配合割合を高くし、
[18F]フッ化物イオンの捕集率を高くすると、基質と
の反応に寄与しない[18F]フッ化物イオンが結合した
樹脂の比率が高くなり、反応収率が低下する欠点があ
る。 【0014】以上説明したように、従来の方法(1)〜
(3)は何れも十分に高い収率で18F標識有機化合物の
製造を行うことができない。本発明は、かかる点に鑑み
てなされたものであり、高い[18F]フッ化物イオンの
捕集率を維持しつつ、収率が高く且つ経済的な18F標識
有機化合物の製造方法を提供する。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、下式
で示されるフッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造
方法であって、18 F−R (式中、Rは脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基
である)下式で示され且つピリジニウム塩の含有量がn
=1の場合には0.1〜1.0mmol/gであり、n
=2〜7の場合には0.4ないし1.7mmol/gの
範囲内である樹脂に[ 18F] フッ化物イオン含有水を接
触させて、前記樹脂に[18F] フッ化物イオンを捕集さ
せる工程、 【0016】 【化3】 【0017】(式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基
を表し、Zは対イオンを表し、nは1ないし7の整数を
表す)前記樹脂に第1極性中性溶媒を接触させて前記[
18F] フッ化物イオンを活性化する工程、および、前記
樹脂に下式で示される基質を第2極性中性溶媒に溶解し
た溶液を接触させて前記基質および[ 18F] フッ化物イ
オンを反応させる工程 X−R (式中、Xは離核性脱離基を表し、Rは上記と同じ意味
を示す)を具備することを特徴とするフッ素放射性同位
元素標識有機化合物の製造方法を提供する。 【0018】また、本発明は、第2に、[18F]−2−
フルオロ−2−デオキシ−D−グルコースの製造方法で
あって、下式で示され且つピリジニウム塩の含有量が
0.4ないし1.7mmol/gの範囲内である樹脂に
[ 18F] フッ化物イオン含有水を接触させて、前記樹脂
に[ 18F] フッ化物イオンを捕集させる工程、 【0019】 【化4】 【0020】(式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基
を表し、Zは対イオンを表すし、nは1ないし7の整数
を表す)前記樹脂に第1極性中性溶媒を接触させて前記
[ 18F] フッ化物イオンを活性化する工程、および、前
記樹脂に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−
O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピ
ラノースを第2極性中性溶媒に溶解した溶液を接触させ
て[ 18F] フッ化物イオンと反応させる工程を具備する
ことを特徴とする[18F]−2−フルオロ−2−デオキ
シ−D−グルコースの製造方法を提供する。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明で使用する樹脂(以下、4−ア
ミノピリジニウム樹脂という)は、下式に示す通りであ
る。 【0022】 【化5】 (式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基を表し、Zは
対イオンを表し、nは1ないし7の整数を表す) この4−アミノピリジニウム樹脂において、4−アミノ
ピリジウムは炭素数1ないし7のアルキレンを介してス
チレンの4位に結合している。このアルキレンは、具体
的には、ブチルまたはへプチルである。4−アミノピリ
ジニウムの4位の置換基Yは、アミノ基またはピペリジ
ノ基であり、置換または非置換の何れでも良い。アミノ
基は、例えば、ジメチルアミンである。 【0023】対イオンZは、ピリジニウムイオンと共に
塩を形成する1価もしくは2価の陰イオンであり、例え
ば、/炭酸イオン(CO32 - )/炭酸水素イオン(HC
O3-)等である。 【0024】4−アミノピリジニウム塩が結合する樹脂
本体は、架橋ハロゲン化アルキルスチレン−スチレン共
重合担体である。この共重合担体は、ジビニルベンゼン
により架橋して三次元構造をとっている。ジビニルベン
ゼンは、共重合担体の1〜4重量%である。 【0025】4−アミノピリジニウム樹脂は、上記一般
式において、n=1の場合には4−アミノピリジニウム
塩を樹脂全体に対して0.4〜1.0mmol/g、n
=2〜7の場合には0.4〜1.7mmol/gの割合
で含有する。4−アミノピリジニウム塩の含有量が0.
4mmol/g未満の場合には、18F捕集率が大幅に低
下する不都合を生じるからである。n=1の場合には、
1.0mmol/g、n=2〜7の場合には1.7mm
ol/gを越えると、樹脂の親水性が高すぎるため、収
率が低くなるからである。 【0026】本発明の4−アミノピリジニウム塩樹脂
は、例えば、次のようにして合成される。まず、水にゼ
ラチン、ホウ酸、ジアリルアンモニウム−二酸化硫黄共
重合体および亜硝酸ナトリウムを溶解したものを水酸化
ナトリウムでアルカリとし、懸濁重合用水相を調製す
る。次に、スチレンと、4−ブロモブチルスチレンまた
はp−クロロメチルスチレンのようなハロゲン化アルキ
ルスチレンと、ジビニルベンゼンとの混合物に、アゾビ
スイソブチロニトリルを溶解して有機相を調製する。上
述の水相および有機相を混合して懸濁重合により、スチ
レン−p−ハロゲン化アルキルスチレン架橋ポリマーを
得る。 【0027】この後、スチレン−p−ハロゲン化アルキ
ルスチレン架橋ポリマーと4−ジメチルアミノピリジン
のような4−アルキルアミノピリジンとを、適当な溶媒
中、窒素雰囲気下で加熱しながら攪袢する。冷却後、分
離および洗浄し、次いで、イオン転化して4−アミノピ
リジニウム樹脂を塩の形で得ることができる。 【0028】この4−アミノピリジニウム樹脂の合成方
法において、懸濁重合用の水相を調製する際に、スチレ
ン、ハロゲン化アルキルスチレンおよびジビニルベンゼ
ンの配合割合を変更することにより、4−アミノピリジ
ニウム樹脂の4−アミノピリジニウム塩の含有量を変更
可能である。 【0029】本発明の方法では、上述の4−アミノピリ
ジニウム樹脂を用いて、18F標識有機化合物の製造を行
う。まず、[18F]フッ化物イオン含有水を用意する。
[18F]フッ化物イオン含有水は、例えば、18O−濃縮
水([18O]H2 O)をターゲットとして陽子ビームを
照射することにより、[18O]酸素イオンを[18F]フ
ッ化物イオンに変換して得られる。従って、[18F]フ
ッ化物イオン含有水は、18O−濃縮水を含有する。 【0030】次に、必要に応じて、4−アミノピリジニ
ウム樹脂をカラム容器に充填する。この4−アミノピリ
ジニウム樹脂を充填したカラム容器(以下、単にカラム
という)に[18F]フッ化物イオン含有水を通す。これ
により、[18F]フッ化物イオン含有水が4−アミノピ
リジニウム樹脂に接触し、[18F]フッ化物イオン含有
水中の[18F]フッ化物イオンが、対イオンZと入れ換
わって4−アミノピリジニウムと塩を形成し、4−アミ
ノピリジニウム樹脂に捕集される。この結果、カラムか
らは、[18F]フッ化物イオンをほとんど含有しない18
O−濃縮水が流出する。この18O−濃縮水は、再び[18
F]フッ化物イオンの生成に利用される。 【0031】この後、カラムに第1極性中性溶媒を通し
て、4−アミノピリジニウム樹脂に捕集された[18F]
フッ化物イオンを活性化する。第1極性中性溶媒は、例
えば、アセトアミド、アセトニトリルまたはジメチルス
ルホキシドである。 【0032】次に、基質X−Rはを第2極性中性溶媒に
溶解した溶液をカラムに通し、[18F]フッ化物イオン
と基質の反応を行わせる。基質X−Rは、離核性脱離基
Xおよび環式炭化水素基Rからなる。環式炭化水素基R
は、置換または非置換の、脂環式炭化水素基および芳香
族炭化水素基を包含する。脂環式炭化水素基は、例え
ば、シクロパラフィン残基等の同素環式脂肪族炭化水素
基、または、糖残基等の複素環式脂肪族炭化水素基のい
ずれであっても良い。一方、芳香族炭化水素基は、例え
ば、フェニル基のような同素環式芳香族炭化水素基、ま
たは、フラン残基等の複素環式芳香族炭化水素基が挙げ
られる。 【0033】離核性脱離基Xは、環式炭化水素基Rに応
じて適宜選択して使用される。例えば、環式炭化水素基
Rが脂環式炭化水素基である場合には、離核性脱離基X
はトリフレート基(−OTf)である。一方、例えば、
環式炭化水素基Rが芳香族炭化水素基である場合には、
離核性脱離基Xはニトロ基またはトリフレート基であ
る。 【0034】基質X−Rは、具体的には、1,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタ
ンスルホニル−β−D−マンノピラノースまたは6−ニ
トロピペロナールである。 【0035】基質X−Rを溶解する第2極性中性溶媒
は、例えば、アセトアミド、アセトニトリルまたはジメ
チルスルホキシドである。基質X−Rを第2極性中性溶
媒に溶解した溶液を、4−アミノピリジニウム樹脂に接
触させると、基質X−Rおよび[18F]フッ化物イオン
の間で上記式(1)に示す求核置換反応が起こる。反応
終了後、例えば、分離精製等の後処理を行い、18F標識
有機化合物(18F−X)が得られる。 【0036】本発明の18F標識有機化合物の製造方法の
目的化合物は、例えば、[18F]−2−フルオロ−2−
デオキシ−D−グルコース(以下、[18F]FDGとい
う)である。[18F]FDGを製造する場合には、基質
として1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O
−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラ
ノースが使用される。 【0037】以上説明したように、本発明の18F標識有
機化合物の製造方法は、ピリジニウム塩の含有量が0.
4ないし1.7mmol/gの範囲内である4−アミノ
ピリジニウム樹脂を使用している。この4−アミノピリ
ジニウム樹脂は、親水基であるピリジニウム塩の密度が
低いため、親水性が低い、すなわち親油性(疎水性)が
高い。このため、4−アミノピリジニウム樹脂に捕集さ
れた[18F]フッ化物イオン(活性点)の近傍での水分
子量が減少し、反応性に優れた試薬アニオンが生成す
る。また、4−アミノピリジニウム樹脂の親油性が高い
と基質X−Rの樹脂内への拡散が円滑に行われる。これ
らの結果、18F標識有機化合物の反応収率が向上する。 【0038】また、4−アミノピリジニウム樹脂は親水
性が低いため、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド等の極性溶媒に対する膨潤度が低い。例えば、従来
の市販のメリフィールド樹脂から合成した4−アミノピ
リジニウム樹脂(ピリジニウム塩含有量1.2mmol
/g)の溶媒取込量は、アセトニトリルの場合0.6g
/gであり、水の場合1.1g/gである。これに対し
て、本発明のピリジニウム塩含有量がn=1の場合0.
4〜1.0mmol/g、n=2〜7の場合には0.4
〜1.7mmol/gの範囲内である4−アミノピリジ
ニウム樹脂の溶媒取込量は、アセトニトリルの場合0.
4g/g以下であり、水の場合0.5g/g以下であ
る。このため、カラムの背圧の上昇が防止され、極性溶
媒の流動性が良好である。また、収縮も起き難いため、
カラム効率の低下も起こし難い。このようにピリジニウ
ム塩の含有量が上記の範囲内である4 −アミノピリジニ
ウムスペーサ−導入樹脂は、取り扱い易く、カラム容器
に充填して使用するのに適している。さらに、繊維状陽
イオン交換樹脂を使用する必要が無いので製造コストを
低滅できる。また、繊維状陽イオン交換樹脂の混合によ
る収率低下の恐れもない。 【0039】以上説明した通り、本発明の18F標識有機
化合物の製造方法は、ピリジニウム塩含有量が上記の範
囲内である4−アミノピリジニウム樹脂を用いる。これ
により、当該樹脂の活性点の近傍での反応性を高め、基
質の樹脂内への拡散を円滑にすることにより、反応収率
を向上することができる。この結果、基質を樹脂を充填
したカラムに1回通過させるだけで高い収率で18F標識
有機化合物を得ることができる。また、ピリジニウム塩
含有量が低いため、当該樹脂は親水性が低いので、極性
溶媒による膨潤および収縮を防止し、極性溶媒の流動性
を改善できる。この結果、高い[18F]フッ化物イオン
の捕集率を維持し、カラム効率を向上できる。また、繊
維状陽イオン交換樹脂を添加する必要が無いので製造コ
ストを低減することができる。 【0040】より具体的には、本発明の18F標識有機化
合物の製造方法により、例えばPET用の重要な
[18F]フッ化物イオンで標識した放射性薬品(具体的
には、[
18F]FDG等)を経済的に製造することができる。 【0041】 【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 ピリジニウム塩含有量約0.5mmol/gである、下
式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニウム、
対イオンZ;炭酸イオン、スペーサー鎖数;n=1)を
、J.Am.Chem.Soc.1981,103,3
821−3828(1980)記載の方法に従って以下
のように作成した。 【0042】 【化6】 【0043】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。89.9gのスチレン、15.
2gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.92gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を11の三つ
口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約450r
pmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終了後、
得られたポリマービーズをガラスフィルター上に分離し
、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾燥し、
10%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2%ジビ
ニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロロメチ
ルスチレン架橋ポリマーという)を収率83%で得た。 【0044】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン13.3g、塩化ベンゼン300mlを50
0mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃
で24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、7
0℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(2
)の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)42.8gを
得た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Chem
.Soc.103,3821(1981)に記載されて
いるホルハルト法により滴定して、4−アミノピリジニ
ウム塩の含有量を求めたところ、0.53mmol/g
であった。 【0045】このピリジニウム塩含有量0.53mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物を
、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオン
を炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩を得た。 【0046】得られた4−アミノピリジニウム樹脂(2
)の炭酸塩の物理的データは以下のようであった。 IR:ν(cm −1 ) 3648.70 3380.64 3081.73 3058.59 3025.80 2921.66 2848.38 1943.92 1872.56 1803.14 1747.21 1648.86 1602.58 1567.86 1511.94 1492.65 1450.22 1380.80 1216.88 1168.67 1066.46 1025.96 906.39 838.89 759.90 700.04 539.98 3081.73 芳香族C−H伸縮振動 3058.59 3025.80 2921.66 メチレンC−H伸縮振動 2848.38 1943.92 倍音振動または結合振動吸収帯 1872.56 1803.14 1747.21 1602.58 芳香環伸縮による面内骨格振動 1567.86 1511.94 1492.65 1450.22 1400〜1800 指紋領域 757.90 芳香族C−H面外変角振動 700.04 ・芳香族第3アミン由来の特性吸収 C−N伸縮振動 1380〜1330 ・N−メチル由来の特性吸収 C−N伸縮振動 2820〜2760 ・ピリジン由来の特性吸収 C−H面内および面外変角振動と環置換 1230〜1210 1070〜1065 元素分析: 【0047】 【表1】 【0048】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99
%であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回
通すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。
次に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−
トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノ
ース20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(2)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]F
DGを得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグ
ラフィーにより行った。カラムにはLichrosor
b−NH2 (登録商標;メルク社製)を、溶離液にはア
セトニトリル/水(95:5)混合液を用いて、流速1
ml/分で行った。この液体クロマトグラフィーの結果
を図1に示す。 【0049】図1から明らかなように、[18F]FDG
の溶出時間は3.9分であり、JNucl Med 2
7:235−238(1986)に示されたデータと一
致していた。合成時間は、約32分、収率は約82%で
あった。なお、収率は下式に従って求めた。 【0050】収率(%)=[生成物の18F放射能総量]
/[反応前の18F放射能総量]×100 実施例2 ピリジニウム塩含有量約1.0mmol/gである、上
記式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニ
ウム、対イオンZ;炭酸イオン、スペーサー鎖数;n=
1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,10
3,3821−3828(1980)記載の方法に従っ
て以下のように作成した。 【0051】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。79.5gのスチレン、30.
4gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.96gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
50rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、20%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2
%ジビニルベンゼン架橋ポリマーを収率80%で得た。 【0052】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン25.5g、塩化ベンゼン300mlを50
0mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃
で24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、7
0℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)45.7
gを得た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Ch
em.Soc.103,3821(1981)に記載さ
れているホルハルト法により滴定して、4−アミノピリ
ジニウム塩の含有量を求めたところ、1.02mmol
/gであった。 【0053】このピリジニウム塩含有量1.02mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物
を、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオ
ンを炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹
脂(2)の炭酸塩を得た。 【0054】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩のIRデータは実施例1で得られた物理
的データと一致した。元素分析の結果を以下に示す。 元素分析: 【0055】 【表2】 【0056】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99
%であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回
通すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。
次に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−
トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノ
ース20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(2)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]F
DGを得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグ
ラフィーにより行った。カラムにはLichrosor
b−NH2 (登録商標;メルク社製)を、溶離液にはア
セトニトリル/水(95:5)混合液を用いて、流速1
ml/分で行った。 【0057】[18F]FDGの溶出時間は3.9分であ
り、J Nucl Med 27:235−238(1
986)に示されたデータと一致していた。合成時間
は、約33分、収率は約71%であった。 【0058】実施例3 ピリジニウム塩含有量約1.2mmol/gである、下
式(3)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノビリジニウ
ム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖数; n
=4)を、J.Am.Chem.Soc.1981,1
03,382l−3828(1980)記載の方法に従
って以下のように作成した。 【0059】 【化7】 【0060】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。37.9gのスチレン、23.
9gの4−ブロモブチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルペンゼンの混合物に0.55gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
00rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、20%の4−ブロモブチルスチレン単位を含む4
%ジビニルペンゼン架橋ポリマー(以下、スチレン/4
−ブロモブチルスチレン架橋ポリマーという)を収率8
1%で得た。 【0061】得られたビーズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン22.0g、アセトニトリル300mlを5
00mlの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70℃
で18時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃
で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の
臭化物(対イオンZ;臭化物イオン)46.9gを得
た。この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノビリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、1.21mmol/gで
あった。 【0062】このビリジニウム塩含有量1.21mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより塩化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(3)の炭酸水素塩を得
た。得られた4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹
脂(3)の炭酸水素塩のIRデータは実施例1と一致し
た。元素分析の結果を以下に示す。 元素分折: 【0063】 【表3】 【0064】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガべク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(4)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製l8FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2 ,
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速lml/分で
行った。[l8F]FDGの溶出時間は3.9分であり、
J Nucl Med27:235−238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
3分、収率は約74%であった。 【0065】実施例4 ピリジニウム塩含有量約1.2mmol/gである、下
式(4)で示される4−アミノビリジニウムスペーサー
導入樹脂(4)の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルア
ミノピリジニウム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペ
ーサー鎖数;n=7)を、J.Am.Chem.So
c.l981,103,3821‐3828(198
0)記載の方法に従って以下のように作成した。 【0066】 【化8】 【0067】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。37.9gのスチレン、28.
1gの7−ブロモヘプチルスチレン、4.7gの工業用
ジビニルベンゼンの混合物に0.59gのアゾビスイソ
ブチロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リット
ルの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約
400rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応
終了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上
に分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧
乾燥し、20%の7−ブロモヘプチルスチレン単位を含
む4%ジビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/7−
ブロモヘプチルスチレン架橋ポリマーという)を収率8
3%で得た。得られたビーズ状のスチレン/7−ブロモ
ヘプチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルア
ミノピリジン20.7g、アセトニトリル300mlを
500mlの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70
℃で18時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを
分離し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70
℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(4)
の臭化物(対イオンZ;臭化物イオン)47.1gを得
た。この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノピリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、1.23mmol/gで
あった。 【0068】このビリジニウム塩含有量1.23mmo
l/gの4−アミノピリジニウムスぺーサー導入樹脂
(4)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより臭化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(4)の炭酸水素塩を得
た。得られた4−アミノピリジニウム樹脂(4)の炭酸
水素塩の物理的データは以下のようであった。 元素分析: 【0069】 【表4】 【0070】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(4)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガベク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[l8F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1m1のアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温して活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(4)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製18FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速1ml/分で
行った。[18F]FDGの溶出時間は3.9分であり、
J Nucl Med27:235−238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
4分、収率は約83%であった。 【0071】実施例3 ピリジニウム塩含有量約1.7mmol/gである、式
(3)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(3)の
炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノビリジニウ
ム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖数; n
=4)を、J.Am.Chem.Soc.1981,1
03,382l−3828(1980)記載の方法に従
って以下のように作成した。 【0072】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。39.4gのスチレン、32.
8gの4−ブロモブチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルペンゼンの混合物に0.64gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
00rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、33%の4−ブロモブチルスチレン単位を含む4
%ジビニルペンゼン架橋ポリマー(以下、スチレン/4
−ブロモブチルスチレン架橋ポリマーという)を収率8
2%で得た。 【0073】得られたビーズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン31.4g、アセトニトリル300mlを5
00mlの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70℃
で18時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃
で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の
臭化物(対イオンZ;臭化物イオン)50.5gを得
た。この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノビリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、1.70mmol/gで
あった。 【0074】このビリジニウム塩含有量1.70mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより塩化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(3)の炭酸水素塩を得
た。得られた4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹
脂(3)の炭酸水素塩のIRデータは実施例1と一致し
た。元素分析の結果を以下に示す。 元素分折: 【0075】 【表5】 【0076】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガべク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(4)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製l8FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2 ,
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速lml/分で
行った。[l8F]FDGの溶出時間は3.9分であり、
J Nucl Med27:235−238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
3分、収率は約71%であった。 【0077】比較例1 ピリジニウム塩含有量約1.5mmol/gである、上
記式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニ
ウム、対イオンZ;炭酸イオン、スペーサー鎖数;n=
1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,10
3,3821−3828(1980)記載の方法に従っ
て以下のように作成した。 【0078】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。69.1gのスチレン、45.
6gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に1.00gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
50rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、30%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2
%ジビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロ
ロメチルスチレン架橋ポリマーという)を収率84%で
得た。 【0079】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン36.8g、塩化ベンゼン300mlを50
0mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃
で24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分
離し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、7
0℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)49.4
gを得た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Ch
em.Soc.103,3821(1981)に記載さ
れているホルハルト法により滴定して、4−アミノピリ
ジニウム塩の含有量を求めたところ、1.56mmol
/gであった。 【0080】このピリジニウム塩含有量1.56mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物
を、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオ
ンを炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹
脂(2)の炭酸塩を得た。 【0081】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩の物理的データは以下のようであった。 元素分析: 【0082】 【表6】 【0083】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99
%であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回
通すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。
次に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−
トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノ
ース20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(2)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]F
DGを得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグ
ラフィーにより行った。カラムにはLichrosor
b−NH2 (登録商標;メルク社製)を、溶離液には
アセトニトリル/水(95:5)混合液を用いて、流速
1ml/分で行った。[18F]FDGの溶出時間は3.
9分であり、J NuclMed 27:235−23
8(1986)に示されたデータと一致していた。合成
時間は、約36分、収率は約61%であり、実施例1
(82%)に比べて収率が低下した。 【0084】比較例2 ピリジニウム塩含有量約1.2mmol/gである、下
式(5)で示される4−アミノピリジニウム樹脂(5)
の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニウ
ム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖数;n
=1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,1
03,3821‐3828(1980)記載の方法に従
って以下のように作成した。 【0085】 【化9】 【0086】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。37.9gのスチレン、15.
2gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.48gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコに人れ、窒素雰囲気下、70℃、約4
00rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終
了後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に
分離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾
燥し、20%のp−クロロメチルスチレン単位を含む4
%ジビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロ
ロメチルスチレン架橋ポリマーという)を収率80%で
得た。得られたビーズ状のスチレン/p−クロロメチル
スチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミノピリ
ジン25.3g、アセトニトリル300mlを500m
lの三つロフラスコに入れ、窒素雰囲気下70℃で18
時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離し、
メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃で減圧
乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(5)の塩化物
(対イオンZ;塩化物イオン)46.8gを得た。この
生成物の塩化物イオンをJ.Am.Chem.Soc.
103,3821(1981)に記載されているホルハ
ルト法により滴定して、4−アミノピリジニウム塩の含
有量を求めたところ、1.19mmol/gであった。 【0087】このピリジニウム塩含有量1.19mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(5)の塩化物
を、1.0M炭酸水素ナトリウムで灌ぐことにより塩化
物イオンを炭酸水素イオンに転化して、4−アミノピリ
ジニウム樹脂(5)の炭酸水素塩を得た。得られた4−
アミノピリジニウム樹脂(5)の炭酸水素塩の物理的デ
−タは以下のようであった。 元素分折: 【0088】 【表7】 【0089】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(5)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガペク
レルの[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、[
18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約99%
であった。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通
すことにより[18F]フッ化物イオンを活性化した。次
に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−ト
リフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノー
ス20mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液
を、100℃に加温した活性化された4−アミノピリジ
ニウム樹脂(5)を充填したカラムに通過させることに
より求核置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを
添加し、110℃で約10分間加水分解した。得られた
生成物を塩酸除去用のイオン遅延樹脂(バイオラドAG
11A8)に通して、塩酸を除去して、精製18FDGを
得た。18FDGの分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。カラムにはLichrosorb−NH2
(登録商標;メルク社製)を、溶離液にはアセトニトリ
ル/水(95:5)混合液を用いて、流速1ml/分で
行った。[l8F]FDGの溶出時問は3.9分であり、
J Nucl Med27=235‐238(198
6)に示されたデータと一致していた。合成時間は約3
3分、収率は約68%であった。 【0090】比較例3 ピリジニウム塩含有量約0.35mmol/gである、
上記式(2)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩(活性基;4−ジメチルアミノピリジニ
ウム、対イオンZ;炭酸イオン,スペーサー鎖数;n=
1)を、J.Am.Chem.Soc.1981,10
3,3821−3828(1980)記載の方法に従っ
て以下のように作成した。 【0091】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。95.1gのスチレン、7.6
gのp−クロロメチルスチレン、4.7gの工業用ジビ
ニルベンゼンの混合物に0.90gのアゾビスイソブチ
ロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットルの
三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、70℃、約45
0rpmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終了
後、得られたポリマービーズをガラスフィルター上に分
離し、水、アセトンで十分洗浄した後70℃で減圧乾燥
し、5%のp−クロロメチルスチレン単位を含む2%ジ
ビニルベンゼン架橋ポリマー(スチレン/p−クロロメ
チルスチレン架橋ポリマーという)を収率79%で得
た。 【0092】得られたビーズ状のスチレン/p−クロロ
メチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン6.8g、塩化ベンゼン300mlを500
mlの三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下100℃で
24時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離
し、ジクロロメタン、アセトンで十分洗浄した後、70
℃で減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の塩化物(対イオンZ;塩化物イオン)41.8gを得
た。この生成物の塩化物イオンをJ.Am.Chem.
Soc.103,3821(1981)に記載されてい
るホルハルト法により滴定して、4−アミノピリジニウ
ム塩の含有量を求めたところ、0.35mmol/gで
あった。 【0093】このピリジニウム塩含有量0.35mmo
l/gの4−アミノピリジニウム樹脂(2)の塩化物
を、1.8M炭酸カリウムで濯ぐことにより塩化物イオ
ンを炭酸イオンに転化して、4−アミノピリジニウム樹
脂(2)の炭酸塩を得た。 【0094】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(2)の炭酸塩の物理的データは以下のようであった。 元素分析: 【0095】 【表8】 【0096】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(2)
の炭酸塩20mgを充填したカラムに37ギガベクレル
の[18F]フッ化物イオン含有水4mlを通し、
[18F]フッ化物イオンを捕集させた。捕集率は約39
%であった。 【0097】比較例4 ピリジニウム塩含有量約1.8mmol/gである、上
記式(3)で示される4−アミノピリジニウム樹脂
(3)の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチルアミノピリ
ジニウム、対イオンZ;炭酸水素イオン、スペーサー鎖
数;n=4)を、J.Am.Chem.Soc.198
1,103,3821−3828(1980)記載の方
法に従って以下のように作成した。 【0098】600mlの水にゼラチン2.0g、ホウ
酸7.4g、ポリアミンスルホン−A(日東紡績製)2
0g、亜硝酸ナトリウム0.4gを溶解したものに、p
H9まで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重
合用の水相を調製した。30.1gのスチレン、41.
8gの4−ブロモブチルスチレン、4.7gの工業用ジ
ビニルベンゼンの混合物に0.64gのアゾビスイソブ
チロニトリルを溶解した有機相と前記水相を1リットル
の三つロフラスコへ仕込み、窒素下70℃、約400r
pmの撹拌条件下、16時間重合させた。反応終了後ポ
リマ−ビ−ズをガラスフィルター上に分離し、水、アセ
トンで十分洗浄した後70℃で減圧乾燥し、35%の4
−ブロモブチルスチレン単位を含む4%ジビニルベンゼ
ン架橋ポリマーを収率84%で得た。 【0099】得られたビ−ズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマ−40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン33.4g、アセトニトリル300mlを5
00mlの三つロフラスコに仕込み、窒素下70℃で1
8時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離
し、メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃で
減圧乾燥して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の塩
化物(対イオンZ;臭化物イオン)51.3gを得た。
この生成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.So
c.103,3821(1981)に記載されているホ
ルハルト法により滴定して、4−アミノビリジニウム塩
の含有量を求めたところ、1.81mmol/gであっ
た。 【0100】このピリジニウム塩含有量1.81mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで濯ぐ
ことにより臭化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウム樹脂(3)の炭酸水素塩を得
た。 【0101】得られた4−アミノピリジニウム樹脂
(3)の炭酸水素塩の物理的データは以下のようであっ
た。 元素分析: 【0102】 【表9】 【0103】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガベク
レルの[18F]フッ素イオン含有水4mlを通し、[18
F]フッ素イオンを捕集させた。捕集率は約99%であ
った。その後、アセトニトリル2.5mlを2回通すこ
とにより[18F]フッ素イオンを活性化した。次に1,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフル
オロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース20
mgを1mlのアセトニトリルに溶解した溶液を、10
0℃に加温した活性化された4−アミノピリジニウム樹
脂(3)を充填したカラムに通過させることにより求核
置換反応を行った。その後、1M塩酸1mlを添加し、
110℃で約10分間加水分解した。得られた生成物を
塩酸除去用のイオン遅延樹脂(パイオラドAG11A
8)に通して、塩酸を除去して、精製[18F]FDGを
得た。[18F]FDGの分析は、液体クロマトグラフィ
ーにより行った。カラムにはLichro sorb−
NH2 (登録商標:メルク社製)を、溶離液はアセトニ
トリル/水(95:5)混合液を用いて、流速1ml/
分で行った。[18F]FDGの溶出時間は3.9分であ
り、J Nucl Med 27:235−238(1
986)に示されたデータと一致していた。合成時間は
約32分、収率は約61%であった。 【0104】比較例5 ピリジニウム塩含有量約0.35mmol/gである、
上記式(3)で示される4−アミノビリジニウムスペー
サー導入樹脂(3)の炭酸水素塩(活性基;4−ジメチ
ルアミノビリジニウム、対イオンZ;炭酸水素イオン、
スペーサー鎖数;n=4)を、J.Am.Chem.S
oc.1981,103,3821−3828(198
0)記載の方法に従って以下のように作成した。600
mlの水にゼラチン2.0g、ホウ酸7.4g、ポリア
ミンスルホン−A(日東紡績製)20g、亜硝酸ナトリ
ウム0.4gを溶解したものに、pH9まで25%水酸
化ナトリウム水溶液を加えて懸濁重合用の水相を調製し
た。45.7gのスチレン、6.0gの4−ブロモブチ
ルスチレン、4.7gの工業用ジビニルベンゼンの混合
物に0.47gのアゾビスイソブチロニトリルを溶解し
た有機相と前記水相を1リットルの三つロフラスコヘ仕
込み、窒素下70℃、約400rpmの撹拌条件下、1
6時間重合させた。反応終了後ポリマービーズをガラス
フィルター上に分離し、水、アセトンで十分洗浄した後
70℃で減圧乾燥し、5%の4−ブロモブチルスチレン
単位を含む4%ジビニルペンゼン架橋ポリマーを収率8
4%で得た。 【0105】得られたビーズ状のスチレン/4−ブロモ
ブチルスチレン架橋ポリマー40g、4−ジメチルアミ
ノピリジン6.4g、アセトニトリル300mlを50
0mlの三つロフラスコに仕込み、窒素下70℃で18
時間撹拌した。冷却後ろ過でポリマービーズを分離し、
メタノール、アセトンで十分洗浄した後、70℃で減圧
乾煤して、4−アミノピリジニウム樹脂(3)の臭化物
対イオンZ;臭化物イオン)41.8gを得た。この生
成物の臭化物イオンをJ.Am.Chem.Soc.1
03,3821(1981)に記載されているホルハル
ト法により滴定して、4−アミノピリジニウム塩の含有
量を求めたところ、0.35mmol/gであった。 【0106】このピリジニウム塩含有量0.35mmo
l/gの4−アミノビリジニウムスペーサー導入樹脂
(3)の臭化物を、1.0M炭酸水素ナトリウムで灌ぐ
ことにより臭化物イオンを炭酸水素イオンに転化して、
4−アミノピリジニウムスベーサー導入樹脂(3)の炭
酸水素塩を得た。得られた4−アミノピリジニウムスペ
ーサー導人樹脂(3)の炭酸水素塩の物理的データは以
下のようであった。 元素分析: 【0107】 【表10】 【0108】上述の4−アミノピリジニウム樹脂(3)
の炭酸水素塩30mgを充填したカラムに37ギガベク
レルの[18F]フッ素イオン含有水4mlを通し、[18
F]フッ素イオンを捕集させた。捕集率は約43%であ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における[18F]FDGの液体
クロマトグラフィーの結果を示す特性図。
クロマトグラフィーの結果を示す特性図。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 門脇 琢哉
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日
本鋼管株式会社内
(72)発明者 友井 正男
神奈川県横浜市緑区鴨居6丁目14−14
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】下式で示されるフッ素放射性同位元素標識
有機化合物の製造方法であって、18 F−R (式中、Rは脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基
である) 下式で示され且つピリジニウム塩の含有量がn=1の場
合には0.1〜1.0mmol/gであり、n=2〜7
の場合には0.4ないし1.7mmol/gの範囲内で
ある樹脂に[ 18F] フッ化物イオン含有水を接触させ
て、前記樹脂に[18F] フッ化物イオンを捕集させる工
程、 【化1】 (式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基を表し、Zは
対イオンを表し、nは1ないし7の整数を表す) 前記樹脂に第1極性中性溶媒を接触させて前記[ 18F]
フッ化物イオンを活性化する工程、および、 前記樹脂に下式で示される基質を第2極性中性溶媒に溶
解した溶液を接触させて前記基質および[ 18F] フッ化
物イオンを反応させる工程 X−R (式中、Xは離核性脱離基を表し、Rは上記と同じ意味
を示す)を具備することを特徴とするフッ素放射性同位
元素標識有機化合物の製造方法。 【請求項2】 樹脂をカラムに充填した状態で使用する
請求項1記載のフッ素放射性同位元素標識有機化合物の
製造方法。 【請求項3】 離核性脱離基Xが、Rが脂環式炭化水素
基である場合にはトリフレート基であり、Rが芳香族炭
化水素基である場合にはニトロ基またはトリフレート基
である請求項1記載のフッ素放射性同位元素標識有機化
合物の製造方法。 【請求項4】[18F]−2−フルオロ−2−デオキシ−
D−グルコースの製造方法であって、 下式で示され且つピリジニウム塩の含有量がn=1の場
合には0.1〜1.0mmol/gであり、n=2〜7
の場合には0.4ないし1.7mmol/gの範囲内で
ある樹脂に[ 18F] フッ化物イオン含有水を接触させ
て、前記樹脂に[18F] フッ化物イオンを捕集させる工
程、 【化2】 (式中、Yはアミノ基またはピペリジノ基を表し、Zは
対イオンを表し、nは1ないし7の整数を表す) 前記樹脂に第1極性中性溶媒を接触させて前記[ 18F]
フッ化物イオンを活性化する工程、および、 前記樹脂に1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2
−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノ
ピラノースを第2極性中性溶媒に溶解した溶液を接触さ
せて[ 18F] フッ化物イオンと反応させる工程を具備す
ることを特徴とする[18F]−2−フルオロ−2−デオ
キシ−D−グルコースの製造方法。 【請求項5】 樹脂をカラムに充填した状態で使用する
請求項4記載の[
18F]−2−フルオロ−2−デオキシ−D−グルコー
スの製造方法。 【請求項6】 第1極性中性溶媒および第2極性中性溶
媒の少なくとも一方がアセトニトリルである請求項4記
載の[ 18 F]−2−フルオロ−2−デオキシ−D−グ
ルコースの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33502495A JPH08325168A (ja) | 1995-03-29 | 1995-12-22 | フッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7152795 | 1995-03-29 | ||
JP7-71527 | 1995-03-29 | ||
JP33502495A JPH08325168A (ja) | 1995-03-29 | 1995-12-22 | フッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08325168A true JPH08325168A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=26412626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33502495A Pending JPH08325168A (ja) | 1995-03-29 | 1995-12-22 | フッ素放射性同位元素標識有機化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08325168A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005030677A1 (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-07 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | 放射性フッ素化合物の製造方法 |
WO2005044758A1 (ja) * | 2003-11-11 | 2005-05-19 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | 放射性フッ素標識化合物の製造方法 |
JP2007532524A (ja) * | 2004-04-08 | 2007-11-15 | ジーイー・ヘルスケア・リミテッド | フッ素化方法 |
JP2013539497A (ja) * | 2010-09-09 | 2013-10-24 | ピラマル イメージング ソシエテ アノニム | 求核的[18f]フッ素化のための、好適な[18f]フッ化物の迅速な調製方法 |
-
1995
- 1995-12-22 JP JP33502495A patent/JPH08325168A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005030677A1 (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-07 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | 放射性フッ素化合物の製造方法 |
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JPWO2005044758A1 (ja) * | 2003-11-11 | 2007-11-29 | 日本メジフィジックス株式会社 | 放射性フッ素標識化合物の製造方法 |
AU2004287704B2 (en) * | 2003-11-11 | 2008-01-17 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | Process for producing radioactive-fluorine-labeled compound |
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