JPH08324897A - エレベータの運転制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 介護者がいない場合でも、車椅子利用者に苦
労をかけることなく容易にかご室から退出ができるエレ
ベータの運転制御装置を得る。 【構成】 車椅子利用者のためのかご呼び登録を行う登
録装置と、かご室床面に設けられて載置された車椅子の
方向転換を行うターンテーブルと、ターンテーブルに車
椅子が載ったことを検出する検出手段と、ターンテーブ
ルに設けられ車椅子を係止させる車止めと、登録装置及
び検出手段の出力に基づいてかごがターンテーブルに載
ると車止めを突出させてかごの走行前にターンテーブル
の回転制御を行って車椅子を方向転換させると共に車椅
子利用者が利用する停止階に到着すると車止めを埋没さ
せる制御手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、車椅子利用者の利用
が可能なエレベータの制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来のエレベータのかご室に身
障者が乗った車椅子が乗り込んだ様子を示した図であ
る。図５中、１はかご天井、２はかご室壁、３はかご
床、４はかご扉、５は身障者、６は身障者５が乗った車
椅子、７はかご室壁２上であって車椅子６に乗った身障
者５の手が届く高さ位置に設けてある車椅子身障者用の
かご室内呼び釦である。

【０００３】このように構成した従来のエレベータで
は、車椅子６に乗った身障者５が待機した乗場階にかご
が到着すると、かご扉４は戸開して、身障者５が乗った
車椅子６はかご室内に乗り込むことができる。そして、
かご室内に乗り込んだ身障者５は、かご室内呼び釦７を
操作することによりかご扉４の戸閉や、目的階の呼びの
登録を行うことができる。

【０００４】やがて、かご扉４は戸閉してかごは呼び登
録された目的階に向けて昇降を始めるが、図５に示すよ
うに、かご室内では車椅子６に乗った身障者５はかご扉
４を背にして目的階にかごが到着するまでその位置で待
機する。目的階にかごが到着すると、身障者５の乗った
車椅子６は後退しながら、または、かご室内で車椅子６
の方向転換の切り返し操作をしてかご室内から乗場に退
出する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のエレベータは以
上のように構成してあるので、目的階にかごが到着後、
車椅子６に乗った身障者５がかご室の外へ移動するとき
に介護者の付き添いがない場合、身障者５自信が後ろを
振り向きながら車椅子６を操作して乗場に退出するか、
あるいは身障者５自信がかご室内で車椅子６の方向転換
の切り返し操作しなければならず、身障者５にとっては
操作に苦労をするだけでなく、容易なかご室５からの退
出が困難であった。

【０００６】この発明はかかる問題点を解決するために
なされたもので、介護者がいない場合でも、車椅子利用
者に苦労をかけることなく容易にかご室から退出ができ
る車椅子の方向転換装置付エレベータを得ることを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
タの運転制御装置は、車椅子利用者のためのかご呼び登
録を行う登録装置と、かご室床面に設けられて載置され
た車椅子の方向転換を行うターンテーブルと、ターンテ
ーブルに車椅子が載ったことを検出する検出手段と、タ
ーンテーブルに設けられ車椅子を係止させる車止めと、
登録装置及び検出手段の出力に基づいてかごがターンテ
ーブルに載ると車止めを突出させてかごの走行前にター
ンテーブルの回転制御を行って車椅子を方向転換させる
と共に車椅子利用者が利用する停止階に到着すると車止
めを埋没させる制御手段とを備えたものである。

【０００８】また、登録装置は、車椅子利用者の個人情
報を記憶した個人カードの内容を読み取る読取装置を備
えたものである。

【０００９】

【作用】この発明では、車椅子利用者のためのかご呼び
登録を行う登録装置と、かご室床面に設けられて載置さ
れた車椅子の方向転換を行うターンテーブルと、ターン
テーブルに車椅子が載ったことを検出する検出手段と、
ターンテーブルに設けられ車椅子を係止させる車止め
と、登録装置及び検出手段の出力に基づいてかごがター
ンテーブルに載ると車止めを突出させてかごの走行前に
ターンテーブルの回転制御を行って車椅子を方向転換さ
せると共に車椅子利用者が利用する停止階に到着すると
車止めを埋没させる制御手段とを備えたので、介護者が
いない場合でも、車椅子利用者自信がかご室内で車椅子
の方向転換の切り返し操作や、後ろを振り向きながらの
車椅子の退出操作を排除することができ、車椅子利用者
は苦労することなく容易にかご室から退出することがで
きる。

【００１０】また、登録装置は、車椅子利用者の個人情
報を記憶した個人カードの内容を読み取る読取装置を備
えたので、かご呼びが車椅子利用者によるものであるこ
とを容易に識別させることができる。

【００１１】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の実施例１を図１〜図４に基
づいて説明する。尚、図１〜図４中、前記従来例と同一
又は相当部分には同一の符号を付しその説明を省略す
る。図１はこの発明の一実施例に示すエレベータのかご
室に車椅子が乗り込んだ状態を示す図である。図１中、
８は車椅子６の方向転換を行うターンテーブル、９はか
ごの昇降中にターンテーブル８に載った車椅子６を係止
させる車止めである。車止め９は車椅子６の車輪の前後
の係止させる位置に合わせてターンテーブル８に２カ所
設けてある。これらターンテーブル８、車止め９はとも
に公知の技術により構成されている。また、かご室内呼
び釦７にはカードリーダ装置１５が併設してあり、かご
室内呼び釦７とカードリーダ装置１５により車椅子利用
者のためのかご呼び登録を行う登録装置を構成する。

【００１２】ここで、カードリーダ装置１５は車椅子利
用者がそれぞれ所有する個人カードを読み取り、かご室
内呼び釦７によるかご呼びが車椅子利用者によるもので
あることを識別するものである。個人カードには例えば
カード使用者が車椅子利用者であることの情報が予め登
録してある。そして、カードリーダ装置１５が挿入され
た個人カードの情報を読み込み、かご室内呼び釦７によ
り呼び登録がされると図示しない公知の技術により構成
したエレベータの制御装置が後述する特殊運転を行うよ
うになっている。

【００１３】図２はかご室を天井側から透視した図であ
る。図２中、１３はかご扉４と連動して開閉するエレベ
ータ乗場階に設けた乗場扉、１４はエレベータ乗場階の
壁面に設けた乗場呼び釦である。

【００１４】図３はかご室を側面側から透視した図であ
る。図３中、１０はターンテーブル８に埋没している車
止め９をテーブル面より上部に突出させる車止め駆動部
であり、車止め駆動部１０は例えば油圧又は電磁石によ
って駆動する公知の技術より構成してある。１１は車椅
子６がターンテーブル８上に載っていることを検出する
検出手段としての例えば光検出センサ、マイクロスイッ
チ等で構成した検出スイッチであり、１２はターンテー
ブル８を１８０度回転させるターンテーブル駆動部であ
り、ターンテーブル駆動部１２もまた電動機を用いた公
知の技術より構成してある。

【００１５】このように構成した車椅子の方向転換装置
付きエレベータの動作を、図４に示すフローチャートに
従って説明する。エレベータを利用しようとする車椅子
６に乗った身障者５は、乗場階より乗場呼び釦１４を押
してかご呼びの登録を行ってかごを呼び寄せる。これに
よりかごはそのかご呼びのあった乗場階に向かって走行
する（ステップＳ１０）。

【００１６】身障者５によりかご呼びされた階にエレベ
ータが到着するとかご扉４と連動して乗場扉１３が戸開
する（ステップＳ２０）。そして、車椅子６はかご室内
に乗り込むことができるが、その際、車椅子６の乗り込
みに伴い、車椅子６の車輪が車止め９（２カ所）を踏む
ことにより、車椅子６がかご室に乗り込んでターンテー
ブル８に載ったことを検出スイッチ１１が検出する（ス
テップＳ３０）。

【００１７】かご室に乗り込んだ身障者５は、車椅子利
用者によるエレベータのかご呼び登録であることをエレ
ベータの制御装置に知らせるべく、カードリーダ装置１
５に個人カードを挿入しかご室呼び釦７を押して目的階
の登録を行い（ステップＳ４０）、登録の後、個人カー
ドをカードリーダ装置１５から取り出す。従って、車椅
子利用者によるかご呼び登録を個人カードの挿入中に行
わせるようにしたことにより、制御装置は、かご室内呼
びが車椅子利用者によるかご呼びであるか、一般利用者
によるかご呼びであるかの判別が可能になる。

【００１８】このような、車椅子利用者によるエレベー
タの利用を制御装置に認識させると、身障者５が先に呼
び登録を行った目的階に到着するまでは、エレベータは
身障者のための、例えば、戸開時間の延長、低速運転に
よる昇降などの特殊運転に入る。

【００１９】また、かご室内呼び釦７に併設した戸閉釦
を押すか、又は所定の時間経過することにより、乗場扉
１３と連動してかご扉４が閉まる（ステップＳ５０）。
戸閉の後、かごの走行前に、身障者５がかご扉４を背に
してターンテーブル８上の所定の停止位置に車椅子６が
待機していると、数秒後に車止め駆動部９の駆動により
車止め９がターンテーブル８の面から例えば１０mm迫り
上がって（ステップＳ６０）、車椅子６はターンテーブ
ル８に係止される。そして、ターンテーブル駆動部９の
駆動によりターンテーブル８が図１に示す矢印の方向に
１８０度回転して（ステップＳ７０）、身障者５はかご
扉４の方向に向く。その後、かごは目的階に向かって低
速走行する（ステップＳ８０）。

【００２０】かごが身障者５の指定した目的階に到着す
ると、車止め９は迫り下がり（ステップＳ１００）、車
椅子６のターンテーブル８への係止状態が解除になる。
そして、その後乗場扉１３と連動してかご扉４が戸開す
る（ステップＳ９０）。

【００２１】身障者５は、車椅子６を自ら操作してかご
室より退出することが可能となるが、車椅子６がかご室
から乗場への退出移動中に車止め９を再度踏むことによ
り検出スイッチ１１が車椅子６のターンテーブル８から
の移動を検出して（ステップＳ１００）、車止め９を踏
んでから所定の時間（例えば５秒）経過後に特殊運転の
設定が解除されて設定前の通常運転に戻る（ステップＳ
１１０）。

【００２２】本実施例によれば、車椅子利用者のための
かご呼び登録を行う登録装置と、かご室床面に設けられ
て載置された車椅子６の方向転換を行うターンテーブル
７と、ターンテーブル７に車椅子６が載ったことを検出
する検出スイッチ１０と、ターンテーブル７に設けられ
車椅子６を係止させる車止め９と、登録装置及び検出ス
イッチ１０の出力に基づいてかごがターンテーブル７に
載ると車止め９を突出させてかごの走行前にターンテー
ブル７の回転制御を行って車椅子６を方向転換させると
共に車椅子利用者が利用する停止階に到着すると車止め
を埋没させる制御手段とを備えたので、介護者がいない
場合でも、車椅子利用者自信がかご室内で車椅子６の方
向転換の切り返し操作や、後ろを振り向きながらの車椅
子６の退出操作を排除することができ、車椅子利用者は
苦労することなく容易にかご室から退出することができ
る。

【００２３】登録装置には、車椅子利用者の個人情報を
記憶した個人カードの内容を読み取るカードリーダ装置
１５を備えたので、車椅子利用者は個人カードを識別装
置に挿入するだけで、かご呼びが車椅子利用者によるも
のであることを容易に制御装置に識別させることができ
る。

【００２４】

【発明の効果】この発明によれば、車椅子利用者のため
のかご呼び登録を行う登録装置と、かご室床面に設けら
れて載置された車椅子の方向転換を行うターンテーブル
と、ターンテーブルに車椅子が載ったことを検出する検
出手段と、ターンテーブルに設けられ車椅子を係止させ
る車止めと、登録装置及び検出手段の出力に基づいてか
ごがターンテーブルに載ると車止めを突出させてかごの
走行前にターンテーブルの回転制御を行って車椅子を方
向転換させると共に車椅子利用者が利用する停止階に到
着すると車止めを埋没させる制御手段とを備えたので、
介護者がいない場合でも、車椅子利用者自信がかご室内
で車椅子の方向転換の切り返し操作や、後ろを振り向き
ながらの車椅子の退出操作を排除することができ、車椅
子利用者は苦労することなく容易にかご室から退出する
ことができる。

【００２５】また、登録装置は、車椅子利用者の個人情
報を記憶した個人カードの内容を読み取る読取装置を備
えたので、かご呼びが車椅子利用者によるものであるこ
とを容易に識別させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例１に示すエレベータのかご室に車椅子
が乗り込んだ状態を示す図である。

【図２】 実施例１に示すエレベータのかご室を天井側
から透視した図である。

【図３】 実施例１に示すエレベータのかご室を側面側
から透視した図である。

【図４】 実施例１に示すエレベータの運転動作の手順
を示すフローチャートである。

【図５】 従来のエレベータのかご室に車椅子が乗り込
んだ状態を示す図である。

【符号の説明】

８ ターンテーブル、９ 車止め、１０ 車止め駆動
部、１１ 検出スイッチ、１２ ターンテーブル駆動
部、１３ 乗場扉、１４ 乗場呼び釦、１５ カードリ
ーダ装置。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車椅子利用者のためのかご呼び登録を行
   う登録装置と、かご室床面に設けられて載置された車椅
   子の方向転換を行うターンテーブルと、前記ターンテー
   ブルに前記車椅子が載ったことを検出する検出手段と、
   前記ターンテーブルに設けられ車椅子を係止させる車止
   めと、前記登録装置及び前記検出手段の出力に基づいて
   かごが前記ターンテーブルに載ると前記車止めを突出さ
   せてかごの走行前に前記ターンテーブルの回転制御を行
   って前記車椅子を方向転換させると共に車椅子利用者が
   利用する停止階に到着すると前記車止めを埋没させる制
   御手段とを備えたことを特徴とするエレベータの運転制
   御装置。
2. 【請求項２】 前記登録装置は、車椅子利用者の個人情
   報を記憶した個人カードの内容を読み取る読取装置を備
   えたことを特徴とする請求項１記載のエレベータの運転
   制御装置。