JPH08324588A - 易開封性袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用してな
る包装用袋でありながら、開封のためのハサミ、ナイフ
等を使用することなく、誰でも容易に開封することがで
きる易開封性袋を提供することである。 【構成】 周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設け
てなる包装用袋において、該包装用袋の少なくともいず
れかの一辺のシ−ル部の外側端部であって、更にそのシ
−ル部のシ−ル巾長手方向にある箇所の外側端部にその
長手方向に向けて開封用切れ目を刻設してなる易開封用
袋である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、易開封性袋に関するも
のであり、更に詳しくは、食品、医薬品、家庭用品、雑
貨品、その他等の種々の内容物を充填包装するに適する
易開封性袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、合成樹脂のフィルムないしシ−ト
を使用して種々の包装用袋が提案され、食品、医薬品、
工業製品、雑貨品、その他等の充填包装に使用されてい
る。例えば、麺類、チョコレ−ト、菓子等の固形食品に
ついては、所望の合成樹脂のフィルムを積層したラミネ
−トフィルムを製造し、これを使用してピロ−タイプの
包装形態等が採用されて包装されている。また、医薬品
については、上記と同様にラミネ−トフィルムを使用し
て、錠剤であれば、いわゆるＰＴＰ（Ｐｒｅｓｓ Ｔｈ
ｒｏｕｔｈ Ｐａｃｋ）包装の形態で、また、粉末、顆
粒状薬品であれば、分包の包装形態等で包装されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な合成樹脂のフィルムないしシ−トを使用してなる包装
体においては、その開封に悩まされるものである。開封
に際しては、一般的には、ハサミあるいはナイフ、カッ
タ−等を使用して開封しているが、しかしハサミ、ナイ
フ、カッタ−等は、いつも近くにあるものではなく、通
常、包装体を手にとって、そのままで開封することを試
みるものである。しかし、どこの箇所から開封したらよ
いのか戸惑うものであり、包装体を裏返ししたりして、
袋の隅を摘んで開封しようとするが、容易に開封するこ
とができないものである。近年、包装体には、開封用の
切れ目、あるいはＶ字型のノッチ等が刻設され、かつ開
封用の表示等も付されているが、開封に際しては、真っ
直ぐに開封することが困難で、開封途中から曲がってし
まい、相変わらず開封に不便を感じているというのが実
状である。特に、内容物が固形物の場合、該固形物が、
包装袋を真っ直ぐに引き裂いて開封することを妨害し、
真っ直ぐに引き裂かないで外側にずれて引き裂いて開封
し、場合によっては、内容物を取り出すに十分な開口を
形成することが困難であるという問題点を生じる。ま
た、開封を真っ直ぐに行うために、例えば、一軸方向に
延伸した方向性のフィルムを新たに別パ−ツとして貼り
合わせるなどの工夫もなされているが、その分、コスト
高になるという問題点がある。更に、一軸方向に延伸し
た方向性のフィルムを使用したとしても、ノッチ等の入
れ方によっては、内容物によって開封を妨害され、満足
する開封を行うことが困難であるという欠点がある。そ
こで本発明の目的は、合成樹脂のフィルムないしシ−ト
を使用してなる包装用袋でありながら、開封のためにハ
サミ、ナイフ等を使用することなく、誰でも容易に開封
することができる易開封性袋を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題を解決すべく鋭意研究した結果、合成樹脂のフィ
ルムないしシ−ト等を積層してなるラミネ−トシ−トを
折り曲げて、または重ね合わせてその周辺端部をヒ−ト
シ−ルしてシ−ル部を設けた包装用袋を製造し、更に該
包装用袋の少なくともいずれかの一辺のシ−ル部の外側
端部であって、更にそのシ−ル部のシ−ル巾長手方向に
ある箇所の外側端部にその長手方向に向いて開封用切れ
目を刻設し、而して該開封用切れ目部分を把持して、該
包装用袋を開封したところ、まず、包装用袋のシ−ル部
の部分が引き裂かれ、次いで引き裂かれ目がシ−ル部と
非シ−ル部との境目に移動し、その境目に沿って該境目
の部分の非シ−ル部の包装材料が引き裂かれて、極めて
容易に包装用袋を開封することができることを見出し
て、本発明を完成したものである。

【０００５】すなわち、本発明は、周辺端部をヒ−トシ
−ルしてシ−ル部を設けてなる包装用袋において、該包
装用袋の少なくともいずれかの一辺のシ−ル部の外側端
部であって、更にそのシ−ル部のシ−ル巾長手方向にあ
る箇所の外側端部にその長手方向に向けて開封用切れ目
を設けてなることを特徴とする易開封性袋に関するもの
である。

【０００６】

【作用】本発明においては、周辺の端部にシ−ル部を有
する包装用袋において、少なくともそのいずれかの一辺
にシ−ル部の外側端部であって、更にそのシ−ル部のシ
−ル巾長手方向にある箇所の外側端部にその長手方向に
向いて開封用切れ目を刻設し、而して該開封用切れ目部
分を把持して、該包装用袋を開封することによって、シ
−ル部分においては、包装材料が二層に重なり合ってシ
−ル部を構成していることから強度があり、他方、非シ
−ル部においては、包装材料が一層であることから上記
の二層からなるシ−ル部よりは強度が劣り、このため、
開封用切れ目部分を把持して引き裂くと、まず、シ−ル
部の部分が引き裂かれ、次に引き裂かれ目がシ−ル部と
非シ−ル部との境目に移動したときに、その境目に沿っ
て該境目の部分の強度の劣る一層からなる包装材料から
なる非シ−ル部が引き裂かれ、極めて容易に包装用袋を
開封することができるというものである。

【０００７】

【本発明の詳細な説明】上記の本発明について更に詳し
く説明する。まず、本発明において、包装用袋について
説明すると、かかる包装用袋としては、従来、種々の物
品を包装するために使用されている通常のプラスチック
製の軟包装用袋を挙げることができる。具体的には、例
えば、樹脂のフィルムないしシ−ト、紙基材、合成紙、
アルミニュウム等の金属の箔、あるいはアルミニュウ
ム、酸化アルミニュウム、酸化珪素等の金属あるいは金
属酸化物等の蒸着膜、織布ないし不織布、その他等の材
料の一種ないしそれ以上を任意に組み合わせて製造して
なる包装用袋を挙げることができる。

【０００８】上記において、樹脂のフィルムないしシ−
トとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹
脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブ
テン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、ポリ（メタ）アクリル系樹脂、
ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−
ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポ
リアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等の
公知の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することがで
きる。その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙
等も使用することができる。本発明において、上記のフ
ィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に
延伸されたもの等のいずれのものでも、本発明の開封機
構を阻害しない範囲において使用することができる。ま
た、その厚さは、任意であるが、数μｍから３００μｍ
位の範囲から選択して使用することができる。更に、本
発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し
出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等の
いずれの性状の膜でもよい。

【０００９】また、上記において、紙基材としては、例
えば、薄葉紙、グラシン紙、純白ロ−ル紙、板紙、クラ
フト紙、加工紙等の公知の紙基材を使用することができ
る。本発明において、紙基材は、通常、包装用袋に剛
性、腰等を保持させるために使用するものであり、ま
た、文字、図形、記号、絵柄等の印刷模様を保持するた
めにも使用するものである。

【００１０】ところで、本発明においては、上記に挙げ
た材料を単体で使用することもできるが、通常、包装目
的、包装する内容物、包装方法、その他等の条件を考慮
して、上記の材料を任意に選択し、それらの材料を、例
えば、通常の積層法で積層してラミネ−トシ−トを製造
し、これを包装材料として使用して包装用袋を製造する
ことができる。本発明において、包装材料の基材となる
フィルムないしシ−トとしては、例えば、上記に挙げた
樹脂のフィルムないしシ−トの中から強度に優れ、耐候
性、耐溶剤性、耐熱性等に富むフィルム、例えば、ポリ
プロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステ
ルフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム等を選択して使
用することができる。

【００１１】また、本発明において、包装用袋は、通
常、包装材料の周辺端部をヒ−トシ−ルすることによっ
て製袋することから、包装材料には、通常、ヒ−トシ−
ル層を具備することが必要である。而して、そのような
ヒ−トシ−ル層を構成するフィルムないしシ−トとして
は、例えば、上記に挙げた樹脂から、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイ
オノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ
−、ポリブテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、その他等を選択して、その単体ない
し混合体からなるフィルムないしシ−トを使用すること
ができる。

【００１２】また、本発明において、水分透過性、ガス
バリヤ−性等を要求される場合には、水分透過性に対し
ては、上記に挙げた樹脂から、例えば、低密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂を選択し
て、そのフィルムないしシ−トを使用することができ、
また、ガスバリヤ−性に対しては、上記に挙げた樹脂の
中から、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹
脂を選択して、そのフィルムないしシ−トを使用するこ
とができる。その他、ガスバリヤ−性の包装材料として
は、例えば、アルミニュウム箔あるいはその蒸着膜、あ
るいは酸化珪素、酸化アルミニュウム等の金属酸化物の
膜を有する樹脂のフィルム等も使用することができる。

【００１３】本発明では、包装目的、内容物、包装形
態、その他等の条件を考慮して包装材料を設計して、そ
して、上記に挙げた材料の中から任意にその材料を選択
し、それらを積層してラミネ−トシ−トを製造すること
ができる。而して、本発明において、その積層法として
は、通常の方法、例えば、ウエットラミネ−ト法、ドラ
イラミネ−ト法、押し出しラミネ−ト法、共押し出しコ
−ティングラミネ−ト法、Ｔダイ共押し出し成形法等を
採用することができる。その際、イソシアネ−ト系（ウ
レタン系）、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系
等のアンカ−コ−ト剤、ポリウレタン系、ポリアクリル
系、ポリエステル系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系
等のラミネ−ト系接着剤等、公知のアンカ−コ−ト剤、
接着剤等を使用することができる。

【００１４】次に、本発明においては、上記で得たラミ
ネ−トシ−トを使用し、それを折り曲げて、あるいは重
ね合わせてその周辺端部を、例えば、側面シ−ル形、二
方シ−ル形、三方シ−ル形、四方シ−ル形、封筒貼りシ
−ル形、合掌貼りシ−ル形（ピロ−シ−ル形）、ひだ付
シ−ル形、平底シ−ル形、角底シ−ル形、その他等のヒ
−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルすることによって、
種々の包装用袋を製造することができる。 上記におい
て、ヒ−トシ−ルして製袋する方法としては、その包装
用袋の形態に合わせて、公知の製袋機等を使用し、加熱
バ−シ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等のヒ−トシ
−ル方式によって、シ−ル部を形成して、包装用袋を製
造することができる。なお、本発明において、ヒ−トシ
−ルに際しては、シ−ルバ−としてその表面にエンボス
加工がしてあるものを使用する場合については、そのエ
ンボス形状は、引き裂き性を妨害しない形状であること
が望ましい。

【００１５】而して、本発明では、上記のような包装用
袋において、その包装用袋の少なくとも一辺のシ−ル部
の外側端部であって、更にそのシ−ル部のシ−ル巾長手
方向にある箇所の外側端部に、その長手方向に向けて開
封用切れ目を設けることによって、本発明にかかる易開
封性袋を製造することができる。

【００１６】上記の易開封性袋について、その二三の例
を挙げて図面を用いて更に詳しく説明すると、図１は、
四辺の周辺端部がヒ−トシ−ルされ、四辺にシ−ル部を
形成した四方シ−ル形の包装用袋からなる易開封性袋の
構成を示す平面図であり、図２は、該易開封性袋の開封
機構を示す斜視図である。図１に示すように、前述した
材料から所望の包装材料を構成し、これを二層に重ね合
わせ、次いでその三辺の周辺端部をヒ−トシ−ルし、更
に内容物を充填後、残りの一辺をヒ−トシ−ルして四辺
の周辺端部にシ−ル部Ｐを形成して四辺シ−ル形の包装
用袋Ａを形成する。次に、上記で製造した包装用袋Ａの
少なくともいずれかの一辺のシ−ル部１の外側端部であ
って、そのシ−ル部１の横Ｘまたは縦Ｙのいずれかのシ
−ル巾であって、そのシ−ル巾が長い方の縦Ｙのシ−ル
巾長手方向Ｓにある箇所の外側端部の部分２にその長手
方向Ｓに向けて開封用切れ目３を刻設することによっ
て、本発明にかかる易開封性袋Ｆを製造することができ
る。

【００１７】而して、上記で製造した易開封性袋Ｆの開
封機構について説明すると、図２に示すように、まず、
上記で開封用切れ目３を刻設した易開封性袋Ｆの該開封
用切れ目３を境にして、その外側にあるシ−ル部１の部
分４と、その内側にあるシ−ル部１の部分５とをそれぞ
れの手でもって、その一方のシ−ル部１の部分４を矢印
６で示す袋の内側の方向に向けて力を加えつつ引っ張る
ことによって、まず、シ−ル部１に刻設した開封用切れ
目３を開封きっかけとし、この部分のシ−ル部１が引き
裂かれ、次に矢印Ｗで示すように、更にシ−ル部１の部
分４を矢印６に示す袋の内側の方向に向けて力を加えて
引っ張ると、シ−ル部１の部分においては、包装材料が
二層に重なり合ってシ−ル部１を構成しているので強度
があり、他方、非シ−ル部７においては、包装材料が一
層であるので上記の二層からなるシ−ル部１よりは強度
が劣ることから、まず、開封用切れ目３によってシ−ル
部１の部分が引き裂かれた後、引き裂かれ目がシ−ル部
１と非シ−ル部７との境目に移動し、このときに、その
境目に沿って該境目の部分の強度の劣る一層からなる包
装材料からなる非シ−ル部７の部分において引き裂かれ
て、以降、この境目に沿って袋は非シ−ル部７の部分で
引き裂かれて開封し、これによって極めて容易に包装用
袋を開封することができるものである。

【００１８】次に本発明にかかる易開封性袋の別の例を
挙げると、図３は、中央合掌シ−ル形（ピロ−シ−ル
形）のピロ−タイプの包装用袋からなる易開封性袋の構
成を示す平面図である。図３に示すように、前述した材
料から所望の包装材料を構成し、これを縦または横ピロ
−包装方式のいずれかの製袋機にかけ、まず、包装材料
の上に、チョコレ−ト、菓子等の所望の内容物を置き、
次いで該包装材料をフォ−ムしながら折り曲げて、その
対向周辺端部をヒ−トシ−ルして、上部のシ−ル部１１
Ｐ、縦部のシ−ル部１２Ｐ、下部のシ−ル部１３Ｐをそ
れぞれ形成して、ピロ−タイプの包装用袋Ａ′を製造す
る。次に、上記で製造したピロ−タイプの包装用袋Ａ′
の少なくともいずれかの一辺である縦部のシ−ル部１２
Ｐの外側端部であって、そのシ−ル部１２Ｐの横Ｘまた
は縦Ｙのいずれかのシ−ル巾であって、そのシ−ル巾が
長い方の縦Ｙのシ−ル巾長手方向Ｓにある箇所の外側端
部の部分２にその長手方向Ｓに向けて開封用切れ目３を
刻設することによって、本発明にかかるピロ−タイプの
易開封性袋Ｆ′を製造することができる。

【００１９】而して、上記で製造したピロ−タイプの易
開封性袋Ｆ′の開封機構について説明すると、詳細は図
示しないが、上記の図３を参照すると、まず、上記で開
封用切れ目３を刻設した易開封性袋Ｆ′の該開封用切れ
目３を境にして、その外側にあるシ−ル部１２Ｐの部分
４と、その内側にあるシ−ル部１２Ｐの部分５とをそれ
ぞれの手でもって、その一方のシ−ル部１２Ｐの部分４
を矢印６で示す袋の内側の方向に向けて力を加えつつ引
っ張ることによって、まず、シ−ル部１２Ｐに刻設した
開封用切れ目３を開封きっかけとし、この部分のシ−ル
部１２Ｐが引き裂かれ、更にシ−ル部１２Ｐの部分４を
矢印６に示す袋の内側の方向に向けて力を加えて引っ張
ると、シ−ル部１２Ｐの部分においては、包装材料が二
層に重なり合ってシ−ル部１２Ｐを構成していることか
ら強度があり、他方、非シ−ル部においては、包装材料
が一層であることから上記の二層からなるシ−ル部１２
Ｐよりは強度が劣ることから、まず、開封用切れ目３に
よってシ−ル部１２Ｐの部分が引き裂かれた後、引き裂
かれ目がシ−ル部１２Ｐと非シ−ル部との境目に移動
し、このときに、その境目に沿って該境目の部分の強度
の劣る一層からなる包装材料からなる非シ−ル部の部分
において引き裂かれて、以降、この境目に沿って袋は非
シ−ル部の部分で引き裂かれて開封し、これによって極
めて容易に包装用袋を開封することができるものであ
る。

【００２０】上記に挙げた例は、本発明にかかる易開封
性袋の二三を例示するものであり、これによって本発明
は限定されるものではなく、本発明にかかる易開封性袋
は、周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けてなる
包装用袋において、該包装用袋の少なくともいずれかの
一辺のシ−ル部の外側端部であって、そのシ−ル部のシ
−ル巾長手方向にある箇所の外側端部にその長手方向に
向けて開封用切れ目を設けることができるものであれ
ば、いずれのものでも易開封性袋を構成することができ
るものである。

【００２１】上記の本発明において、開封用切れ目とし
ては、直線、ミシン目線、Ｖ字形等のいずれの形状のも
のでもよく、その大きさも任意であるが、通常、開封の
きっかけになればよいものであることから、１ｍｍない
し１０ｍｍ位ものが好ましいく、望ましくは、２ｍｍな
いし５ｍｍ位がよい。また、その刻設方法としては、通
常のナイフ、カッタ−、砥石、研磨ロ−ル、レ−ザ−ビ
−ム、その他等によって刻設することができる。而し
て、本発明においては、その刻設に際しては、例えば、
周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けてなる包装
用袋を製造する際にシ−ル部の形成と同時に開封用切れ
目を刻設する方法によって刻設することができる。ま
た、本発明において、開封用切れ目を刻設する位置とし
ては、シ−ル巾長手方向にある箇所の外側端部であっ
て、かつ非シ−ル部近傍に設けることが好ましく、これ
について、その一例を挙げて図面を用いて更に詳しく説
明すると、図４は、本発明にかかるシ−ル部の外側端部
に開封用切れ目を設けた易開封性袋の一部の構成を示す
平面図である。図４に示すように、前述の四辺の周辺端
部にシ−ル部Ｐを形成して四辺シ−ル形の包装用袋Ａに
おいて、該包装用袋Ａの少なくともいずれかの一辺のシ
−ル部１の外側端部であって、そのシ−ル部１の横Ｘま
たは縦Ｙのいずれかのシ−ル巾であって、そのシ−ル巾
が長い方の縦Ｙのシ−ル巾長手方向Ｓにある箇所の外側
端部の部分２にその長手方向Ｓに向けて開封用切れ目３
を刻設する場合、その刻設位置ｂは、上記の外側端部の
部分２の巾の長さをａとするとき、シ−ル巾線ｃ、ｃ′
の内側のシ−ル巾線ｃから、０≦ｂ≦（ １／２）ａの
範囲内、更に、好ましくは、０≦ｂ≦（１／３）ａの範
囲内であることが望ましい。すなわち、開封用切れ目３
を刻設する場合、その刻設位置ｂは、内側のシ−ル巾線
ｃから、外側端部の部分２の巾の長さａの二分の一の範
囲内、更に、好ましくは、三分の一の範囲内にある外側
端部の部分に設けることが望ましいものである。なお、
上記において、ｂ＝０の場合は、他の辺のシ−ル部が隣
接していることが必要であり、それを越えて他の辺のシ
−ル部に開封用切れ目を刻設する場合には、通常の開封
用切れ目を設ける場合と変わらなくなって、本発明の意
図するところではない。本発明においては、上記の範囲
内に設けることによって、前述の図２に示す開封機構に
よって、シ−ル部と非シ−ル部との境目に沿って簡単に
開封することができるものである。

【００２２】上記の本発明において、易開封性袋に充填
包装する内容物としては、種々の物品を挙げることがで
きるが、例えば、麺類、飴、煎餅、菓子、その他等の食
品、医薬品、家庭用品、雑貨品、その他等を挙げること
ができる。

【００２３】

【実施例】次に、上記の本発明について、実施例を挙げ
て更に具体的に説明する。 実施例１ 厚さ１２μｍのポリエチレンテレフタレ−トフィルムの
裏面に予め印刷して所定の印刷模様を形成した。次に、
上記のポリエチレンテレフタレ−トフィルムに低密度ポ
リエチレンを使用し、これを押し出しながらアルミニュ
ウム箔７μｍをラミネ−トした。更に上記のアルミニュ
ウム箔に低密度ポリエチレンを押し出しコ−トして、下
記の構成からなるラミネ−トシ−トを製造した。ポリエ
チレンテレフタレ−トフィルム１２μｍ／印刷層／低密
度ポリエチレン１５μｍ／アルミニュウム箔７μｍ／低
密度ポリエチレン３０μｍ。次に、図３に示すような、
ピロ−包装方式を利用して、上記で得たラミネ−トシ−
トの上にスナック菓子を置いて、該ラミネ−トシ−トを
フォ−ミングしながら、その上部、下部および縦部のシ
−ル部を、シ−ル条件、１３５℃、１秒、１気圧の加熱
加圧でヒ−トシ−ルし、更に該縦部のシ−ル部をシ−ル
しながら、そのシ−ル部の上端部にカッタ−で長さ５ｍ
ｍの開封用切れ目を刻設して、包装体を得た。上記で得
た包装体を手に持って、その開封用切れ目部分を持って
内側に力を向けて袋を引き裂いたところ、包装用袋は、
シ−ル部と非シ−ル部との境目に沿って簡単に開封し、
容易に内容物を取り出すことができた。

【００２４】実施例２ 上記の実施例１と同様にして、下記の構成からなるラミ
ネ−トシ−トを製造した。ポリエチレンテレフタレ−ト
フィルム１２μｍ／印刷層／接着剤層／アルミニュウム
蒸着ポリエチレンテレフタレ−トフィルム１２μｍ／低
密度ポリエチレン３０μｍ。次に、上記のラミネ−トシ
−トの２層を重ね合わせ、その三方の周辺端部をヒ−ト
シ−ルして三方にシ−ル部を形成して包装用袋を製造
し、次いで一辺の開口部から内容物を充填し、しかる後
開口部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して包装体を
製造した。なお、ヒ−トシ−ルのシ−ル条件は、１３５
℃、１秒、１気圧の加熱加圧でヒ−トシ−ルした。次に
上記のシ−ル部の一辺のシ−ル部のシ−ル巾長手方向に
あるシ−ル部の外側端部に、カッタ−で長さ５ｍｍの開
封用切れ目を刻設した。上記で得た包装体を手に持っ
て、その開封用切れ目部分から袋を引き裂いたところ、
包装用袋は、シ−ル部と非シ−ル部の境目に沿って簡単
に開封し、容易に内容物を取り出すことができた。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
おいては、周辺の端部にシ−ル部を有する包装用袋にお
いて、少なくともそのいずれかの一辺にシ−ル部の外側
端部であって、そのシ−ル部のシ−ル巾長手方向にある
箇所の外側端部にその長手方向に向いて開封用切れ目を
刻設することによって、易開封性袋を製造することがで
きるというものである。而して、その開封機構は、開封
用切れ目部分を把持して、該包装用袋を開封することに
よって、シ−ル部分においては、包装材料が二層に重な
り合ってシ−ル部を構成していることから強度があり、
他方、非シ−ル部においては、包装材料が一層であるこ
とから上記の二層からなるシ−ル部よりは強度が劣り、
このため、開封用切れ目部分を把持して引き裂くと、ま
ず、シ−ル部の部分が引き裂かれ、次に引き裂かれ目が
シ−ル部と非シ−ル部との境目に移動したときに、その
境目に沿って該境目の部分の強度の劣る一層からなる包
装材料からなる非シ−ル部が引き裂かれ、極めて容易に
包装用袋を開封することができるものである。すなわ
ち、本発明においては、従来のプラスチック製の軟包装
用袋のシ−ル部に特定の開封用切れ目を刻設するだけで
易開封性袋を製造することができるものであり、従来の
ように、例えば、延伸フィルムを使用して開封方向を規
制するとか、あるいはティアテ−プ等を使用することに
よって開封を容易にするとか、あるいはレ−ザ−ビ−ム
等を使用して袋の全周にカットを施す等の複雑な操作を
必要としないものである。また、本発明においては、開
封用切れ目を刻設するに際しては、従来の切り目を刻設
する装置をそのまま、例えば、位置等を移動して使用す
れば簡単に刻設することができるものであり、刻設のた
めに特別の装置等を必要とするものではなく、コスト等
の低減にも寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】四辺の周辺端部がヒ−トシ−ルされ、四辺にシ
−ル部を形成した四方シ−ル形の包装用袋からなる易開
封性袋の構成を示す平面図である。

【図２】図１に示す易開封性袋の開封機構を示す斜視図
である。

【図３】中央合掌シ−ル形（ピロ−シ−ル形）のピロ−
タイプの包装用袋からなる易開封性袋の構成を示す平面
図である。

【図４】本発明にかかるシ−ル部の外側端部に開封用切
れ目を設けた易開封性袋の一部の構成を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ シ−ル部 ２ 外側端部 ３ 開封用切れ目

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を
   設けてなる包装用袋において、該包装用袋の少なくとも
   いずれかの一辺のシ−ル部の外側端部であって、更にそ
   のシ−ル部のシ−ル巾長手方向にある箇所の外側端部に
   その長手方向に向けて開封用切れ目を設けてなることを
   特徴とする易開封性袋。
2. 【請求項２】 開封用切れ目が、シ−ル巾長手方向にあ
   る箇所の外側端部で、かつ非シ−ル部近傍に設けられて
   いることを特徴とする上記の請求項１に記載する易開封
   性袋。
3. 【請求項３】 包装用袋が、側面シ−ル形、二方シ−ル
   形、三方シ−ル形、四方シ−ル形、封筒貼りシ−ル形、
   中央合掌シ−ル形（ピロ−シ−ル形）、ひだ付きシ−ル
   形、平底シ−ル形、または角底シ−ル形のいずれかのシ
   −ル形からなる袋であることを特徴とする上記の請求項
   １または２に記載する易開封性袋。