JPH08317899A - 自覚式検眼装置 - Google Patents

自覚式検眼装置

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JPH08317899A
JPH08317899A JP8068221A JP6822196A JPH08317899A JP H08317899 A JPH08317899 A JP H08317899A JP 8068221 A JP8068221 A JP 8068221A JP 6822196 A JP6822196 A JP 6822196A JP H08317899 A JPH08317899 A JP H08317899A
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axis
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和男 諸橋
Nobuyuki Miyake
信行 三宅
Tsunemi Gonda
常躬 権田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で操作性の良い自覚式検眼装置を得るこ
と。 【解決手段】 被検眼の光軸上に配置されるクロスシリ
ンダ部材と、クロスシリンダ部材を第1の状態と第2の
状態との間で反転駆動又は反転と等価な等価駆動させる
駆動手段と、第1の状態と第2の状態とのいずれか一方
を選択する選択手段とを有する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自覚式検眼装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】図1は従来の手動式自覚検眼装置の主とし
てレンズ室Rの正面図であり、装置を視力チャート側よ
り見た図である。この装置は被検者の両眼に左右のレン
ズ室Rの視野窓1の中心が一致するようにセットされ、
視野窓1を通して図1手前側にある視力チャートをのぞ
いている被検者にチャートの見え方を聞きながらレンズ
を視野窓1内で変換させて適切なるレンズを選択するも
のである。レンズ変換は各ハンドル2乃至6で行なう。
図2は図1のA矢視部分断面図である。14乃至17は
レンズ室Rが内蔵するレンズ等の保持板であり、各保持
板14乃至17とも軸18を中心とする円板形状をして
いる。保持板14は一般にレコス板と称されているもの
で視野開放のための開口、視野遮蔽のための遮蔽板、さ
らには偏光レンズ、プリズムレンズ等の両眼視検査レン
ズ、マドックス・ロッドなどの眼位量測定レンズなどを
内蔵している。レコス板14をハンドル2で直接回転さ
せ希望のレンズ等を視野窓1に挿入する。レコス板14
の表示は表示板8で示される。また、レンズ保持板15
乃至17にはレンズの枚数に応じて軸中心に等分割の角
度でレンズが内蔵されている。レンズ保持板15には球
面レンズ15′が−18D〜+15D(Dはデイオプタ
ーを示す。以下同じ)まで3D間隔で計11枚(但しそ
のうちのODは素通しである)保持されている。レンズ
保持板15の回転はハンドル6で図示なきギアを介して
行なう。レンズ保持板16には球面レンズ16′が−
1.00D〜+1.75Dまで0.25D間隔で計11
枚(但し、そのうちのODは素通しである)保持されて
いる。レンズ保持板16の回転はハンドル5で図示なき
ギアを介して行なう。レンズ室Rの球面度数は視野窓1
内で重なって2枚のレンズ15′と16′各々のデイオ
プターの合計の値となり、結果として−19.00D〜
+16.75Dまで0.25D間隔で視野窓1に現出す
ることが可能となっている。ハンドル6で3D間隔、ハ
ンドル5で0.25D間隔でレンズ度数変換を行なうこ
とになる。連続的に度数を変換するにはレンズ保持板1
5と16を同時に回転させる場合も必要になるため、一
般にはレンズ保持板15と16の間にはゼネバ機構のよ
うな間欠機構(図示なき)が用いられている。球面レン
ズの表示は球面レンズ表示窓7で示される。レンズ保持
板17にはOD〜−2.25Dまで0.25D間隔で9
枚の乱視レンズ(ODは素通しである)が保持される
が、各々はそれぞれ乱視軸が回転可能となるように保持
板17に回転可能なギア19内に収納されている。ハン
ドル4で図示なきギアを介してギア21を回転させるこ
とによってギア21とビス止めしたレンズ保持板17を
回転可能にしている。乱視度数は乱視レンズ表示窓9で
示される。乱視軸回転はハンドル3で図示なきギアを介
してギア20を回転可能と成し、乱視レンズを収納した
全てのギア19にギア20を結合させておき、その結
果、ハンドル3の回転によって同時に全ての乱視レンズ
の軸回転を可能としている。乱視軸表示は乱視軸表示板
10で示される。このような従来の製品では種々の乱視
度数を作るために多くの乱視度数のレンズを準備する必
要があった。その為装置が大型になるという欠点を有し
ていた。またこの種の装置にはクロスシリンダという乱
視度数と乱視軸の精密測定を行なう装置11がレンズ室
R外部に設けられている。クロスシリンダ11は、普段
は視野窓1外に設けられていて(図示位置)必要時のみ
軸13を中心に回転し、視野窓1内に入れて測定を行な
う。クロスシリンダ11は図3、図4に示すように最強
主経線と最弱主経線の度数の絶対値が等しく、その正負
を異にすると共に、各経線が直交するような乱視レンズ
であり、一般には絶対値に0.25D又は0.5Dが使
用される(図は±0.25Dのクロスシリンダを示
す)。クロスシリンダ11は、乱視度数の精密測定と、
乱視軸の精密測定とに使用される。すなわち、図3aに
示すように被検者の乱視軸方向Bに最強主経線(+0.
25Dの方向)を合わせ、ツマミ12でクロスシリンダ
11を反転させ、(図3b)反転の前後での被検者によ
るチャートの見え方の比較により乱視度数の精密測定が
行なわれる。乱視軸の精密測定は図4aに示すように被
検者の乱視軸方向Bと45°方向に最強主経線(+0.
25Dの方向)を合わせ(クロスシリンダ11を図3b
に対して45°回転させる)、次に反転させて(図4
b)、反転前後のチャートの見え方の比較により行なわ
れる。測定中、レンズ保持板17の乱視レンズの度数、
軸を変更した場合に、再度同様クロスシリンダの検査を
行なうために、クロスシリンダ11とレンズ保持板17
の乱視レンズの乱視軸は常に連動されており、ハンドル
3によって乱視軸を回転すると、クロスシリンダ11も
同様に回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のクロ
スシリンダ11は乱視度数の測定(図3)と乱視軸の測
定(図4)とでは反転ツマミ12の位置が45°ずれた
位置にくることになり、さらに乱視軸の回転によりクロ
スシリンダ11が回転するとツマミ12も一緒に回転し
てしまうため、ツマミ位置が一定位置になく操作性が悪
いという欠点があった。又、被検者の視野を妨げないよ
うにツマミ12を操作しなければならないため検者が無
理な姿勢を強いられるという欠点があった。本発明はこ
れらの欠点を解決し小形で操作性の良い自覚式検眼装置
を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、視野窓を被検眼の観察光軸上に有する
基板と、互いに等しい絶対値で互いに異なる極性の度数
を有し、前記観察光軸上でそれぞれ回転可能な第1およ
び第2円柱レンズの直列配列を含み、前記視野窓に対向
して設けられたクロスシリンダ部材と、互いに異なる度
数を有する複数の球面レンズを備え、該球面レンズの少
なくとも一つを前記観察光軸上に配置する球面レンズ供
給手段と、前記第1円柱レンズと第2円柱レンズとの間
に相対回転を生じさせることによって前記第1円柱レン
ズと前記第2円柱レンズのなす交叉角度を設定するため
の第1制御手段と、前記第1円柱レンズと第2円柱レン
ズを前記交叉角度を変えずに回動させる第2制御手段
と、前記第1制御手段によって設定された前記交叉角度
によって得られるプラス、マイナスの度数のいずれか一
方と同じ度数の球面レンズを前記球面レンズ供給手段か
ら選択する第3の制御手段とを設けている。
【0005】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて本発明
を説明する。図5乃至図9は本発明の実施例であって、
図5は図1に対応し、主としてレンズ室Rの外観を示す
図、図6は図5の左右のレンズ室のうち左側のレンズ室
Rの表カバーをとった状態を示す図、図7は図5のC−
C′断面図、図8aは図6のD矢視部分断面図、図8b
は図8aのE矢視部分断面図、図8cは図8aのF矢視
断面図、図9は操作パネルの平面図である。
【0006】図5を図1と比較すれば明らかなように、
本実施例のレンズ室Rは操作ハンドルを有せず、視野窓
1内に挿入されているレンズの球面度数(Spher
e)、乱視度数(Cylinder)、軸(Axis)
が液晶等の表示素子によって表示される如く大型の表示
パネルが設けられているので、デザイン的に極めてすっ
きりした外観になっている。後述する如く、レンズ室R
内には各種レンズ等が内蔵されており、これらは、パル
スモータの回転により切換えられる。パルスモータの回
転を制御するために、レンズ室Rにはコード50を介し
て制御装置51が接続されており、制御装置51の操作
パネル52(図9)に適当な情報を入力することによ
り、上述のパルスモータの回転を制御する信号が制御装
置51からレンズ室Rに導入される。
【0007】次に、レンズ室Rの内部を順次説明してい
く。図7に示した如くレコス板14、3D間隔の球面レ
ンズ15′を有するレンズ保持板15、0.25D間隔
の球面レンズ16′を有するレンズ保持板16は従来と
同様なものであって、中心軸18の周りに回転可能に設
けられている。レコス板14の外周面にはギヤ14″が
形成され、図6に示したパルスモータ140のギヤヘッ
ドが該ギヤ14″に噛合している。保持板15の外周面
及び保持板16の外周面にも各々ギヤ15″、16″が
形成され、図6に示した、パルスモータ150のギヤヘ
ッドが前者に、パルスモータ160のギヤヘッドが後者
に噛合している。中心軸18の周りにはさらにレンズ保
持板22が回転可能に設けられている。レンズ保持板2
2は−0.0625D、−0.125D、−0.187
5Dの三種の球面レンズを内蔵すると共に開口が形成さ
れた補助レンズ板であり、その外周にはギヤ22″が形
成されパルスモータ220のギヤヘッド220′が噛合
している。視野窓1に重なるレンズとしてはさらに、絶
対値が等しく正負の異なる度数を有する2枚の円柱レン
ズ23′、24′がある。円柱レンズ23′は、固定部
材25上に回転可能に保持された枠23に固定されてお
り、円柱レンズ24′は枠23に回転可能に保持された
枠24に固定され、両者でいわゆる二つの円柱レンズに
よるクロスシリンダ(二つの円柱レンズの交叉角を変更
することによって度数が変化するクロスシリンダ、以下
単に二つの円柱レンズによるクロスシリンダと称す
る。)を構成している。枠23の回転は枠23の外周面
に形成したギヤ23″に噛合する大ギヤ26、大ギヤ2
6に噛合する伝達ギヤ27、伝達ギヤ27と共軸の大ギ
ヤ28、大ギヤ28に噛合するパルスモータ230のギ
ヤヘッド、を介してパルスモータ230により行なわれ
る。枠24の回転も同様に大ギヤ26′、28′等を介
してパルスモータ240によって行なわれる(図6参
照)。
【0008】レンズ保持板14、15、16、22の初
期位置の設定は、図8に示した如く光電的な検出装置に
より行なわれる。すなわち、各レンズ保持板には初期位
置に対応せしめて爪29が固定されており、一方、固定
部材25に設けた軸25′のまわりには、回転部材30
が回転可能に成っている。回転部材30は、各レンズ保
持板14、15、16、22の爪29に係合する如き位
置に係合爪31が設けられると共に、遮光板32が設け
られており、固定部材25に一端を固定したパネル33
の他端が固定されることにより待機位置に付勢されてい
る。遮光板32は、爪29が爪31に係合して回転部材
30をバネ33の力に抗して回転させると、フオトカプ
ラー34の光路を遮光し、フオトカプラー34から初期
位置信号が得られる如く作動する。レンズ保持板14、
15、16、22の各々は、初期位置信号が得られた
後、遮光板32が元の非遮光位置に復帰するに十分な所
定量回転され、この位置がレンズ保持板14、15、1
6、22の初期位置となる。
【0009】一方、枠23、24の回転においても初期
位置を設定するために光電的な検出装置を設けられてい
る。すなわち、図6に示した如く、大ギヤ28、28′
に固定した遮光板35(大ギヤ28′側のみ図示、大ギ
ヤ28側は一点鎖線で先端の軌跡のみ図示した)が取付
板36に固定のフオトカプラー37、37′の光路を遮
光することによってフオトカプラー37、37′から初
期位置信号が得られる如く作動する。
【0010】次に上述の位置の動作を説明する前に、乱
視レンズの出し方、及びクロスシリンダと同等の機能を
達成できる原理説明を行なう。図10に示した如く、円
柱レンズ23′の度数が−D、その軸が基準方向1に対
し角度α傾いており、一方円柱レンズ24′の度数が+
D、その軸が基準方向1に対し角度π−α傾いていると
き、この2つの円柱レンズ23′、24′を重ねること
により得られる二つの円柱レンズによるクロスシリンダ
の基準方向1に対し角度θ方向(以下、軸θと称す)の
度数D0 は、
【数1】 で表わされることが知られている。(1)式によれば、
軸が45度において度数D0 が最小値−Dsin2αと
なり、同135度において度数D0 が最大値+Dsin
2αになることがわかる。すなわち、軸45度、135
度が主経線となり、乱視度数が ±Dsin2α ・・・(2)式 のクロスシリンダが得られることになる。ここで、上述
のストークスの二つの円柱レンズによるクロスシリンダ
に、球面レンズ15′、16′、22′で形成した球面
度数が−Dsin2αの球面レンズを重ねると、主経線
が45度で乱視度数が−2Dsin2αの円柱レンズを
作ることができる。この様子を図11に示す。図11
中、等号の左辺は二つの円柱レンズによるクロスシリン
ダ23′、24′と球面レンズ15′、16′、22′
とを重ね合わせたことを示し等号の右辺は、その結果得
られるレンズを示す。上述の実施例では乱視度数を実質
上0.125D間隔で変換するために、円柱レンズ2
3′、24′の乱視度数を3Dとし、また角度αを0.
5度間隔で動かすように成すと共に、補助レンズ板22
の球面レンズ22′を適当に選択して他の保持板15、
16の球面レンズ15′、16′に重ね合わせる如く成
している。
【0011】例えば、度数C1 =(=3min2α)
D、軸θ1 の円柱レンズを作るには、角度αを変える
ことにより円柱レンズ23′、24′で乱視度数
【数2】 のクロスシリンダを作り、3枚の球面レンズ15′、
16′、22′を組み合わせて球面度数
【数3】 の球面レンズを作り、クロスシリンダの軸がθ1 にな
る如く、円柱レンズ23′、24′を同方向へ同一角度
β回転せしめる、によればよい。なお上述のレンズの組
み合わせでは、正確に0.125D間隔で乱視度数を変
化させることはできないが、実用上は問題ない。
【0012】次に、乱視検査で重要なクロスシリンダを
用いた検査、すなわち乱視度数の精密測定(図3参
照)、乱視軸の精密測定(図4参照)は下記に記述する
如く、2枚の円柱レンズ23′、24′によって達成さ
れる。いま、視野窓1に度数C1D、軸θ1 度の円柱レ
ンズが入っており、この状態で従来のいわゆるクロスシ
リンダを用いた検査を行なう場合を考える。
【0013】(イ) 乱視度数の精密測定 図12a、bにおいて等号の左辺は従来の乱視度数の精
密測定の場合の状態を示したもので、図12bは図12
aにおいてクロスシリンダ11を反転した状態に相当す
る。図12a、bの右辺は、円柱レンズと球面レンズの
組み合わせであって左辺と等価な組み合わせを示したも
のである。すなわち、図12a、bは、従来、乱視レン
ズとクロスシリンダとで行なっていた乱視度数の精密測
定が、二つの円柱レンズによるクロスシリンダと球面レ
ンズの重ね合わせで実現できることを示している。前述
の如く、度数C1 Dは(3sin2α)Dに等しいか
ら、角度αを変化させて、まず角度α1 により乱視度数
【数4】 を作り(図12a)、すなわち、(2)式より
【数5】 になるα1 だけ円柱レンズ23′、24′を互いに動か
し、次に角度α2 により乱視度数
【数6】 を作る(図12b)。すなわち、(2)式より
【数7】 になるα2 だけ円柱レンズ23′、24′を互いに動か
す。それにより、度数C1 D、軸θ1 の円柱レンズに乱
視度数±0.25Dのクロスシリンダを重ねクロスシリ
ンダを反転させたのと同じ作用を持たせることができ
る。乱視度数
【数8】 から乱視度数
【数9】 への移動は、パルスモータ230、240により枠2
3、24を回転することにより行なわれる。
【0014】(ロ) 乱視軸の精密測定 図13a、bのレンズ11、17′は、従来の円柱レン
ズとクロスシリンダを用いた場合(図3、図4参照)の
各レンズを示したものであり、図13a、bのレンズ
(23′、24′)、(15′、16′、22′)は、
本例の二つの円柱レンズによるクロスシリンダと球面レ
ンズを用いた場合の各レンズを示したものであり、両者
は図13a、bの乱視レンズ39に等号で結びつけられ
ている如く、光学的には全く等価である。そして図13
bは図13aにおいてクロスシリンダを反転した状態を
示している。
【0015】図13aのように反転前の状態を考える
と、C1 D、+0.25D、−2.5Dの3枚の円柱レ
ンズの合成としてのレンズ系は、球面度数S2 、乱視度
数C2、軸θ2 の如き1枚のレンズ39にて置き換えが
可能である。すなわち、
【数10】 である。
【0016】一方、このような球面度数S2 、乱視度数
2 、軸方向θ2 のレンズは、乱視度数
【数11】 のクロスシリンダ23′、24′と球面度数
【数12】 の球面レンズ15′、16′、22′とに分解すること
ができる。軸θ2 は前述の如くクロスシリンダ23′、
24′を回転すれば良い。すなわち、(イ)の乱視度数
の精密測定で述べたごとく(2)式より
【数13】 になるα3 だけ円柱レンズ23′、24′を互いに動か
す。
【0017】また、図13bのような反転後の状態を考
えると、C1 D、+0.25D、−0.25Dの3枚の
円柱レンズの合成としてのレンズ系は、球面度数S3
乱視度数C3 、軸θ3 の如き1枚のレンズ40にて置き
換えが可能である。すなわち、
【数14】 となり、乱視度数
【数15】 軸θ3 のクロスシリンダ23′、24′の前述のごとき
同方向、同角度の回転と球面度数
【数16】 の球面レンズ15′、16′、22′との組み合わせか
ら作ることが可能である。すなわち、(イ)の乱視度数
の精密測定で述べたごとく、(2)式より
【数17】 になるα4 だけ円柱レンズ23′、24′を互いに動か
す。
【0018】以下、図14に示したフローチャートに基
づいて動作を説明する。操作パネル52の電源スイッチ
53をオンする(図14のブロック510)と制御装置
51が作動を開始する。すなわち、制御装置51は、パ
ルスモータ140、150、160、220、230、
240を各々回転せしめ(図14のブロック511)、
レコス板14、レンズ保持板15、16、22、2枚の
円柱レンズ23′、24′の初期設定を行ない(図14
のブロック512)、待機する。このとき、操作パネル
52の表示窓54、及び左右のレンズ室Rの表示パネル
の表示はすべて零表示となる(図14のブロック51
3)。なお表示窓54の上側(R)は右眼用のレンズ室
Rの視野窓1にセットされたレンズのデータであり、下
側(L)は左眼用のレンズ室Rの視野窓1にセットされ
たレンズのデータである。
【0019】操作パネル52のボタン群55はレコス板
14の設定用であり、上側のボタン群(R)は右眼用の
レンズ室Rの視野窓1にセットされる光学部材の設定用
である。またボタン群55の下側のボタン群(L)は左
眼用であり、他の構成は右眼用と同じである。ボタン群
55のいずれかがオンされると、制御装置51は対応す
るパルス数を求め(図14のブロック514)た後、左
右のレンズ室Rの判別を行ない(図14のブロック51
5)、指定されたレンズ室Rのパルスモータ140に求
めたパルス数のパルスを入力せしめる(図14のブロッ
ク516)。パルスモータ140は入力したパルス数だ
けレコス板14を回転する。その結果、視野窓1内に
は、指示した光学部材が挿入される。パルスの供給が終
了すると、制御装置51は表示パネル52に設定完了信
号を入力する(図14のブロック517)。その結果、
オンしたボタンの表示灯l1 が点灯し、設定が完了した
ことを示す。
【0020】操作パネル52のボタン群56は、球面度
数(SPH)、乱視度数(CYL)、軸(AX)を設定
するものであり、また一対のボタン57は、右眼用(R
IGHT)もしくは左眼用(LEFT)の指示ボタンで
ある。従って右眼に球面度数−10.50Dを設定する
には、一対のボタン57のうち右眼用のボタン(RIG
HT)をオンした後、ボタン群56のボタンSPHをオ
ンし、符号ボタンと数字キーによって−10.50をオ
ンし、INボタンをオンすれば、制御装置51は、−1
0.50をパルス数に変換し(図14のブロック51
8)、左右の判別をし(図14のブロック519)、指
定されたレンズ室Rのパルスモータ150、160に求
めたパルス数のパルスを入力せしめる(図14のブロッ
ク520)。パルスモータ150、160は入力したパ
ルス数だけレンズ保持板15、16を回転する。その結
果、視野室1内には、指示した球面度数のレンズが挿入
される。パルスの供給が終了すると、制御装置51は操
作パルス52に設定完了信号を入力する。その結果、表
示窓54の上側のSphereの表示窓には−10.5
0が表示される。
【0021】次に、右眼に乱視度数−1.75Dを設定
するには、右眼用のボタン(RIGHT)をオンし、ボ
タン群56のボタンCYLをオンし、符号ボタンと数字
キーによって−1.75をオンした後、INボタンをオ
ンすれば、制御装置51は、クロスシリンダが
【数18】 になる如きクロスシリンダの角度αを達成するためにパ
ルスモータ230、240に与えるパルス数、及び
【数19】 に対応する球面度数を球面レンズ15′、16′、2
2′にて作るために、パルスモータ150、160、2
20に与えるパルス数を求め(図14のブロック52
2)、左右の判別を行ない(図14のブロック52
3)、指定されたレンズ室Rのパルスモータ150、1
60、220、230、240に求めたパルス数のパル
スを入力せしめる(図14のブロック524)。パルス
モータ150、160、220、230、240は入力
されたパルス数だけレンズ保持板15、16、22、枠
23、24を回転する。その結果、視野窓1内には、指
示した乱視度数のレンズが挿入される。パルスの供給が
終了すると、制御装置51は操作パルス52に設定完了
信号を入力するから(図14のブロック525)、表示
窓54の上側のCylinderの表示窓には−1.7
5が表示される。
【0022】次に上述の如き設定した乱視レンズの軸を
35度に設定する場合を考えると、右眼用のボタン(R
IGHT)をオンし、ボタン群56のボタンAXをオン
し、数字キーによって30をオンした後、INボタンを
オンすれば、制御装置51は、クロスシリンダの回転角
度βを演算し、パルスモータ230、240に与えるパ
ルス数を求め(図14のブロック526)、左右の判別
を行ない(図14のブロック527)、指定されたレン
ズ室Rのパルスモータ230、240に求めたパルス数
のパルスを入力せしめる(図14のブロック528)。
パルスモータ230、240は入力されたパルス数だけ
枠23、24を回転する。このとき枠23、24の回転
方向及び量は同一である。その結果、視野窓1内の軸が
35度に設定される。パルスの供給が終了すると、制御
装置51は操作パネル52に設定完了信号を入力するか
ら(図14のブロック529)、表示窓54の上側のA
xisの表示窓には30が表示される。
【0023】このようにして、所望の球面度数の球面レ
ンズ、所望の乱視度数、軸の乱視レンズを設定すること
ができる。
【0024】また、クロスシリンダ検査は、操作パネル
52上のCROSS CYLINDERと書かれた部分
の4つのボタン58によって達成される。すなわち、乱
視度数の精密測定を行ないたい場合にはボタンCYLを
オンする。そうすれば、制御装置51は、角度α1 、α
2 を計算してパネル数に変換し(図14のブロック5
30)、左右の判別(一対のボタン57のいずれがオン
されているかによる)を行ない(図14のブロック53
1)、4つのボタン58のうちの符号ボタン(+、−)
のいずれかがオンされるまで待機する。符号ボタン
(+、−)は、上述の角度α1 、α2 のいずれを選ぶか
の選択を行なうものである。符号ボタンがオンされる
と、パルスモータ150、160、220、230、2
40を駆動し(図14のブロック532)、設定が完了
すると設定完了入力信号を操作パネル52に入力するの
で(図14のブロック533)、CYLボタンの表示灯
2 が点灯する。
【0025】次に、乱視軸の精密測定を行ないたい場合
には、ボタンAxをオンする。そうすれば、制御装置5
1は、角度α1 、α2 と球面度数Sとを計算し、パルス
数に変換する(図14のブロック534)。あとは、乱
視度数の精密測定と同様にパルスモータの制御、表示灯
3 の表示の制御が行なわれる。
【0026】操作パネル52にはさらにボタン群59が
設けられているが、このボタン群59は、球面度数(S
PH)、乱視度数(CYL)、軸(Ax)を各ボタンに
表示した如き単位で小刻みに変化せしめるもので、一対
のボタン57にて設定されているレンズ室R内のレンズ
が変化する。勿論、それに伴なって表示窓54の表示も
変化する。ボタン群59のCYLボタン、Axボタンは
主に乱視度数、乱視軸の精密検査によって、被検者から
プラス(+)とマイナス(−)のいずれか見易い方を答
えてもらった後、その符号のボタン(例えば、乱視度数
の精密測定時に、被検者がプラス(+)の方が見易いと
答えた場合には、CYLボタンの+0.25をオンす
る)をオンするために使われる。
【0027】以上の実施例では、操作パネル52のボタ
ン操作によって、球面度数、乱視度数、軸の設定、クロ
スシリンダ検査、を自動的に行なえるので、装置の操作
性が良い。したがって検者は楽な姿勢で操作ができる。
【0028】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、交叉角
を自由に換えられ、絶対値が同一で符号の異なる度数を
もつ2つの円柱レンズによって作り出されるクロスシリ
ンダと複数の球面レンズの組合せによって任意の乱視度
数、乱視軸の乱視レンズを作ることができると共に小型
化と電動化に適する自覚式検眼装置が実現され、操作性
が向上した自覚式検眼装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の手動式自覚検眼装置の主としてレンズ室
の正面図である。
【図2】図1のA矢視部分断面図である。
【図3】(a)クロスシリンダによる乱視度数の精密測
定を示す。 (b)クロスシリンダによる乱視度数の精密測定を示
す。
【図4】(a)クロスシリンダによる乱視軸の精密測定
を示す。 (b)クロスシリンダによる乱視軸の精密測定を示す。
【図5】本発明の実施例で図1に対応し主としてレンズ
室の外観を示す図である。
【図6】図5の左右レンズ室のうち左側のレンズ室の表
カバーをとった状態を示す図である。
【図7】図5のC−C′断面図である。
【図8】(a)図6のD矢視部分断面図である。 (b)図8aのE矢視部分断面図である。 (c)図8aのF矢視断面図である。
【図9】操作パネルの平面図である。
【図10】2つの円柱レンズを重ねて得られる度数D0
の出し方を示す原理図である。
【図11】主経線が45度で乱視度数が−2Dsin2
αの円柱レンズをつくるときの様子を示す。
【図12】(a)乱視度数の精密測定を示す。 (b)乱視度数の精密測定を示し、bはaのクロスシリ
ンダを反転した状態を示す。
【図13】(a)乱視軸の精密測定を示す。 (b)乱視軸の精密測定を示し、bはaのクロスシリン
ダを反転した状態を示す。
【図14】動作のフローチャートを示す。
【符号の説明】
1 視野窓 23′円柱レンズ、24′円柱レンズ、23枠、24枠 二つの円柱レンズによるクロスシリンダ 51 制御装置 52 操作パネル 230 パルスモータ 240 パルスモータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼の光軸上に配置されるクロスシリ
    ンダ部材と、 前記クロスシリンダ部材を第1の状態と第2の状態との
    間で反転駆動又は反転と等価な等価駆動させる駆動手段
    と、 前記第1の状態と前記第2の状態とのいずれか一方を選
    択する選択手段とを有することを特徴とする自覚式検眼
    装置。
  2. 【請求項2】 前記クロスシリンダ部材を前記第1の状
    態と前記第2の状態とのいずれか一方に駆動した後、前
    記第1の状態又は前記第2の状態に対応する乱視度数と
    乱視軸との少なくとも一方を所定ステップずつ変化させ
    る送りスイッチを有することを特徴とする請求項1に記
    載の自覚式検眼装置。
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