JP4498544B2 - 自覚式検眼装置 - Google Patents
自覚式検眼装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4498544B2 JP4498544B2 JP2000170224A JP2000170224A JP4498544B2 JP 4498544 B2 JP4498544 B2 JP 4498544B2 JP 2000170224 A JP2000170224 A JP 2000170224A JP 2000170224 A JP2000170224 A JP 2000170224A JP 4498544 B2 JP4498544 B2 JP 4498544B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- target
- polarizing plate
- eye
- polarizing member
- phoropter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Eye Examination Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検眼の光学特性を被検者の応答に基づいて検査する自覚式検眼装置に関し、より詳しくは、こうした装置において両眼視機能検査を行うための機構についての改良に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、種々の光学素子を適宜被検眼の前方に配置するとともに、これら光学素子を介して所定の複数の視標を被検眼に見せ、これらの視標の見え方を被検者に応答させることにより、被検眼の光学特性を測定する自覚式検眼装置が知られている。
【0003】
この種の自覚式検眼装置の典型的な例としては、図16に示すように、左右同一の構成となっているフォロプタ1を備え、その内部に種々の光学素子がはめ込まれた複数の回転ディスクを備えたものを挙げることができる。そして、操作部2を操作することにより、この複数の回転ディスクを回転させて検査窓1R,1Lの位置に所望の光学特性の光学素子を切換え配置している。被検者は、検査窓1R,1Lを介して視標提示装置3に提示された視標4を見て、その見え具合を応答する。
【0004】
この種の検査装置では、球面度数検査、乱視度数検査、乱視軸検査、両眼視機能検査、両眼バランス検査などの様々な検査が実行可能となっている。このうち、両眼視機能検査をする場合には、偏光角度45度の偏光板を備えた右眼用視標と偏光角135度の偏光板を備えた左眼用視標を提示する。一方、検査窓1Rには45度の偏光板を配し、検査窓1Lには135度の偏光板を配する。これにより、右眼では右眼用視標のみが、左眼では左眼用視標のみが見えるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、両眼視機能検査が正確に行われるためには、対応する視標光の偏光角と偏光板の偏光角とが直交していることが必要である。
【0006】
しかしながら、図16のように、フォロプタ1と視標提示装置3とがそれぞれ独立に別体となっている自覚式検眼装置では、これらの装置が配置される床面の傾きの違いや、その他の設定環境上の要因により、フォロプタ1と視標提示装置3が水平に設置されない場合がある。その結果、視標側の偏光板の偏光方向と、レンズユニット側の偏光板の偏光方向とのなす角が90度にならない場合がある。このような場合、右眼により左眼用視標が見えてしまうとともに、左眼により右眼視標が見えてしまうことになり、正確な両眼視機能検査が不可能になるという不都合がある。
【0007】
また、フォロプタ1と視標提示装置3とが一体化されている装置であっても、長年の使用により、偏光板の傾き角がずれ、図16の装置と同様な不都合が生じる虞がある。
【0008】
また、出荷時には偏光板が正しい位置に調整されていても、運搬時に振動等により偏光板が正規の位置からずれてしまう虞があり、このような場合にも図16と同様な不都合が生じる。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、床面の傾きやその他の諸条件の影響を受けずに、両眼視機能を正確に測定することのできる自覚式検眼装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、被検者からの応答に基づいて被検眼の視機能を検査する自覚式検眼装置であって、
前記被検眼の視機能を検査するための各種の視標を前記被検眼に向けて提示する視標提示手段と、
前記被検眼の視機能を矯正するため前記視標提示手段と前記被検眼との間に配置される各種の光学素子と、
前記光学素子の交換又は回転その他の位置状態を制御する位置制御手段とを備えるとともに、
該光学素子群には、所定の方向に偏光された光束成分のみを透過させるための偏光部材が含まれ、
前記位置制御手段は、前記偏光部材の偏光方向を変えるように前記偏光部材の位置を制御することが可能なように構成され、
前記位置制御手段によって前記偏光部材を所定の位置に制御し、その制御後の前記偏光部材の所定の位置を記憶手段に記憶させるように構成した。
【0011】
請求項2の発明は、前記偏光部材の偏光方向を手動で調整する手動調整手段と、
前記手動調整手段による調整の終了を示す信号を出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段から前記信号が出力された場合に、その信号出力時の前記偏光部材の位置を記憶する記憶手段とを具備するとともに、
前記位置制御手段は前記手動調整手段からの入力に基づいて作動し、
前記位置制御手段は、前記記憶手段による記憶後は、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記偏光部材の位置を制御するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
【実施形態】
以下、この発明に係る自覚式検眼装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
〈全体構成〉
図1に示す自覚式検眼装置10は、フォロプタ11と、このフォロプタ11の前方に設置された視標提示装置200と、検眼テーブル12に載置されたコントローラ20等とから大略構成されている。
【0013】
フォロプタ11は、検眼テーブル12から上方へ伸びた支柱13の上部に固定されたアーム14に取り付けられている。支柱13は上下方向に伸縮可能となっているとともに支柱13の軸線回りに回転可能となっている。
【0014】
コントローラ20は、ノート型のパーソナルコンピュータで構成され、キーボード24やマウス25の操作によりフォロプタ11や視標提示装置200の制御を行うようになっている。コントローラ20は、パーソナルコンピュータに限らず、本願出願人がKB-1Dの商品名で発売している専用のコントローラであってもよい。また、コントローラ20は、図示しないインターフェースを介してフォロプタ11および視標提示装置200に接続されており、このインターフェースを介して信号の送受信が行われる。30はモニタ画面である。
〈フォロプタ11〉
次に、各部の詳細について説明する。
【0015】
フォロプタ11は、周知の通り左右対称の構造となっているので、図2に示すように、左側部分(被検者の左眼Eに対応する部分)の構造について説明する。
【0016】
図2において、100は前後に検査窓11L,11L′が形成されたケースであり、このケース100内には前後方向に延びた軸103が固定されている。この軸103には、レンズディスク101〜105が回転可能に装着されている。各レンズディスク101〜105には図3および図4に示すように周方向に沿って等間隔に複数の円形の孔T,Hが形成されており、各孔T,Hには光学特性の異なる光学素子が装着されている。
【0017】
各レンズディスク101〜105は、軸103を中心にして回転させることにより、検査窓11L,11L′を結ぶ測定光軸100K上に各光学素子を配置することができる。
【0018】
各種の光学素子は、種類別に各レンズディスク101〜105に分けられている。0.25D刻みで度数を異ならせた複数の弱球面度数レンズはレンズディスク101の各孔Tに嵌め込まれて装着されており、3D刻みで度数を異ならせた複数の強球面度数レンズはレンズディスク102の各孔Tに嵌め込まれて装着されている。また、乱視検査を行うための乱視レンズはレンズディスク103に、その他の補助レンズ(例えば遮光板、ピンホール、マドックスレンズ、赤/緑フィルタなど)はレンズディスク104にそれぞれ嵌め込まれている。
【0019】
また、レンズディスク105には、クロスシリンダ検査を行うためのクロスシリンダと偏光板が装着されている。各レンズディスク101〜105のいずれにも矯正をかけないようにすることができるように、各レンズディスク101〜105は各孔T,Hの内少なくとも1つは素通しとなっている開口を有している。
【0020】
レンズディスク101〜104は従来と全く同様な構成なので詳細な説明は省略する。
【0021】
レンズディスク101〜105の外周にはギア101G〜105Gが形成され、各ギア101G〜105Gには駆動ギアK1〜K5がそれぞれ噛合されている。駆動ギアK1〜K5はパルスモータM1〜M5の駆動軸Ma1〜Ma5に取り付けられていて、レンズディスク101〜105がパルスモータM1〜M5によって回転されるようになっている。なお、図2ではパルスモータM2,M5と駆動ギアK2,K5のみを示し、他のパルスモータおよび駆動ギアは省略してある。この実施形態では5つのパルスモータM1〜M5を使用しているが、ギア切換機構を採用することによりパルスモータの数を減らすことも可能である。
【0022】
レンズディスク105は、図2および図4に示すように、軸103を中心にして回転する太陽歯車110を備えている。この太陽歯車110は、大径歯車110Lと小径歯車110Sとで2段に構成されており、小径歯車110SはパルスモータM6の駆動軸Ma6に設けられた駆動ギアK6に噛合され、パルスモータM6の駆動によって太陽歯車110が回転するようになっている。
【0023】
一方、レンズディスク105の孔Hにはこの孔Hの中心回りに回転可能にホルダ111H,112H1〜112H5が装着されている。ホルダ111Hには偏光板111が、ホルダ112H1〜112H5には度数の異なるクロスシリンダ112がそれぞれ保持されている。
【0024】
ホルダ111H,112H1〜112H5の外周にはギア111G,112G1〜112G5が形成され、各ギア111G,112G1〜112G5が太陽歯車110の大径歯車110Lに噛合されており、パルスモータM6の駆動により偏光板111やクロスシリンダ112を測定光軸100K回りに回転させることができるようになっている。
【0025】
なお、太陽歯車110の小径歯車110Sには図示しないアブソリュートエンコーダが取り付けられており、このアブソリュートエンコーダの出力に基づき偏光板111の偏光方向の角度が演算される。ここでは、アブソリュートエンコーダの出力がゼロのときを基準位置とし、この基準位置に太陽歯車110があるとき、偏光板111の偏光方向の角度が水平方向に対して135度になるように設定されている。なお、右側の検査窓11R側の光路に配置される偏光板111′(図示せず)は、基準位置に太陽歯車110があるとき、偏光板111′の偏光方向の角度が水平方向に対して45度になるように設定されている。
〈視標提示装置200〉
次に、視標提示装置200について説明する。
【0026】
視標提示装置200は、図5に示すように、視標を提示する窓205を有する本体206内に設けられた視標光学系207を有している。視標光学系207は、光源201、コンデンサレンズ202、拡散板203、視標パネル204を備えている。光源201から発した光束は、コンデンサレンズ202によりほぼ平行光束とされ、さらに拡散板203によって拡散されて視標パネル204を均一に照明する。
【0027】
視標パネル204は本体206内に複数枚設けられており、検査の種類に応じて図示しない搬送機構によって所定の視標パネル204が視標光学系207の光路内に配置されるようになっている。
【0028】
各視標パネル204には、図6に示すように、ランドルト環(図6(a))、乱視テスト用視標(図6(b))、クロスシリンダーテスト用視標(図6(c))等の視標チャートがそれぞれ設けられている。
【0029】
また、両眼視機能検査のための視標として、図7に示すような両眼視機能測定用の視標が用意されている。図7において、(a)は十字斜位視標、(b)は不等像視標、(c)は回旋斜位視標、(d)は立体視視標である。そして、各視標には偏光フィルタが取り付けられている。例えば、(a)の十字斜位視標を例にとって説明すると、縦線部204aには水平方向に対して偏光方向が45度の偏光フィルタが取り付けられ、横線部204bには水平方向に対して偏光方向が135度の偏光フィルタが取り付けられている。
〈制御系〉
[コントローラ20]
図8は自覚式検眼装置10の制御系の構成を示したブロック図である。自覚式検眼装置10のコントローラ20は、各種の制御を司るCPU21と、所定の処理を実行するためのプログラムを記憶したROM22と、データを一時記憶するRAM23と、図示しない所定のインターフィエースを介してCPU21に接続されたマウス24およびキーボード25などとを備えている。CPU21はシリアルインターフェース26を介してフォロプタ11に接続され、シリアルインターフェース26を介して制御信号のやりとりを行う。
【0030】
また、コントローラ20は赤外発光部27を有しており、この赤外発光部27はインターフェース28を介してCPU20に接続され、CPU20はマウス24やキーボード25の指示にしたがって赤外発光部27から赤外光を発光させるようになっている。
[フォロプタ11]
フォロプタ11は、各パルスモータM1〜M6を駆動させるドライバD1〜D6と、コントローラ20からの制御信号に基づいて各ドライバD1〜D6を制御するCPU120と、偏光板調整モードのときに行う偏光板111の偏光方向の角度を記憶するメモリ121等とを備えている。122はインターフェースである。
[視標提示装置]
視標提示装置200は、所定の視標パネル202を視標光学系の光路内に配置させるモータ210と、このモータ210を駆動させるドライバD10と、光源201を発光させるドライバD11と、コントローラ20の赤外発光部27から発光される赤外光を受光する赤外受光部211と、この赤外受光部211の受光信号に基づいてドライバD10,D11を制御するCPU212等とを備えている。213はインタフェースである。
[動 作]
次に、上記実施形態の自覚式検眼装置10の動作を説明する。
【0031】
先ず、図示しない電源スイッチをオンする。すると、コントローラ20のモニタ画面30の下には「f12:偏光板調整モード」が表示され、キーボード25のファンクションキーf12を押すと、偏光板111の調整モードが開始される。なお、モニタ画面30に「偏光板調整モード」等のアイコンを表示させておき、このアイコンをマウス24でダブルクリックした場合に偏光板調整モードが開始されるように構成してもよい。
【0032】
偏光板調整モードが開始されると、コントローラ20のCPU21は赤外発光部27から偏光板調整モード信号の赤外光を発光させる。この発光により、視標提示装置200の赤外受光部211がその赤外光を受光し、CPU212は赤外受光部211の受光信号に基づきモータ210を駆動制御して十字斜位視標の視標パネル204を視標光学系207の光路内に配置させるとともに、光源201を発光させる。この発光により、十字斜位視標が視標提示装置200の窓205からフォロプタ11に向けて提示される。
【0033】
他方、偏光板調整モードにより、フォロプタ11のパルスモータM5が駆動制御されて、レンズディスク105が回転軸103を中心にして回転されて偏光板111が検査窓11Lの正面の位置、すなわち、測定光路内に配置される。また、フォロプタ11の右眼側の検査窓11Rには遮光板が配置される。これにより、右眼からはなにも見えないことになる。また、パルスモータM1〜M4が駆動されてレンズディスク101〜104が回転され、レンズディスク101〜104の素通しの開口が検査窓11Lの正面の位置に位置される。この際に、予めレフラクトメータで測定した他覚値を入力し、それに対応したパワーの光学素子を挿入させるようにしてもよい。
【0034】
このため、フォロプタ11の検査窓11Lから偏光板111を通して視標提示装置200の窓205に提示された十字斜位視標を観察することができることになる。
【0035】
ところで、十字斜位視標の横線部204bには水平方向に対して偏光方向が135度の偏光フィルタが取り付けられており、偏光板111の偏光方向の角度が水平方向に対して135度になるように設定されていることにより、左目には十字斜位視標の横線部204bだけが見えることになる。
【0036】
検者は、検査窓11Lから十字斜位視標を見ながら、キーボード25の右カーソル移動キー(図示せず)や左カーソル移動キー(図示せず)を押す。右カーソル移動キーが1回押されると、CPUからドライバD6に向けて正のパルスが出力され、パルスモータM6は時計回りに所定角度回転する。同様に、左カーソル移動キーが1回押されると、CPUからドライバD6に向けて負のパルスが出力され、パルスモータM6は反時計回りに所定角度回転する。
【0037】
パルスモータM6の回転により太陽歯車110が回転し、この太陽歯車110の回転によりホルダ111Hがレンズディスク105の孔H内で回転する。このホルダ111Hの回転方向はパルスモータM6の回転方向と同方向となる。また、ホルダ111Hの回転量は、パルスモータM6が1パルスによって所定角度回転する毎に例えば1度だけ回転するように設定されている。ホルダ111Hの回転により、偏光板111の偏光方向の角度が調整されていくことになる。
【0038】
一方、左右カーソル移動キーの入力操作の履歴はRAM23に記憶される。
【0039】
検者は、十字斜位視標の横線部204bが一番鮮明に見えるようになるまで左カーソル移動キー,右カーソル移動キーを入力操作し、その横線部204bが一番鮮明に見えた場合、キーボード25の図示しないリターンキーを押す。このリターンキーの操作により、キーボード25から調整終了を示す信号が出力され、この信号によりCPU21はRAM23に記憶された左右カーソル移動キーの入力操作の回数を確定する。そして、偏光板111の回転位置調整が完了する。
【0040】
次に、CPU21は、RAM23に記憶された左右カーソル移動キーの履歴情報に基づき、基準位置からの偏光板111の回転量を演算し、この演算した偏光板111の回転量をフォロプタ11のメモリ121に記憶させる。例えば、右カーソル移動キーが5回、左カーソル移動キーが3回押された情報がRAM23に記憶されている場合、偏光板11は最終的に基準位置からが時計回りに2度回ったとCPU21によって演算され、この演算した結果がフォロプタ11のメモリ121に記憶される。なお、前述したように、太陽歯車110にはアブリュートエンコーダが取り付けられているので、この出力に基づき偏光板111の位置を演算しても良い。
【0041】
以後、偏光板111を使用した検査が行われる場合には、メモリ121に記憶されたデータに基づいて、偏光板111の回転位置調整がCPU120によって自動的に行われる。
【0042】
左側のフォロプタ11の偏光板111の回転位置調整が終了すると、次に上記と同様にして右側のフォロプタの偏光板の回転位置調整を行う。
【0043】
すなわち、フォロプタ11の検査窓11Lには遮光板を配置し、左目は何も見えない状態にするとともに偏光板を右目の測定光路内に配置させる。そして、右目から十字斜位視標の縦線部204aが見える状態にして、以下、上記と同様の手順により偏光板の回転位置調整を完了させる。なお、左側で演算された結果に基づき偏光板111′を回転させ、その位置から右側の調整を始めてもよい。
【0044】
このように、遮光板111の回転位置を調整することにより、検査窓11L,11Rの偏光板111,111′の偏光方向と、十字斜位視標の縦・横線部204a,204bに取り付けられている偏光フィルタの偏光方向とを確実に直交させることができる。
【0045】
したがって、フォロプタ11や視標提示装置200が水平に設置されていなくても、また、フォロプタ11の偏光板111や視標提示装置200の視標パネル202が正規の位置からずれていても、正確に斜位検査(両眼視機能検査)の測定を行うことができる。
【0046】
上述の実施形態では、偏光板調整モードの際に十字斜位視標が視標提示装置200の窓205から提示されるようになっているが、立体視チャート等、いわゆる両眼視機能検査に使用する視標であれば、どのような視標であってもよい。また、ランドルト環のような視力検査チャートに偏光板を重ね合わせて投影するようにしてもよい。
【0047】
また、視標提示装置200は、上記のようなものに限らず、例えば、特開平6−197867号公報に記載されているような省スペース型の視標提示装置、すなわち、凹面鏡を介して視標を投影させ、これにより、占有スペースの削減を図ることができる視標提示装置に置き換えてもよいことはいうまでもない。
[第2実施形態]
図9および図10は第2実施形態を示したものであり、この第2実施形態では、レンズディスク105の各孔Hに偏光板111と度数の異なるクロスシリンダ112をそれぞれ嵌め込んだものである。
【0048】
偏光板111の偏光方向の角度の調整は、図11に示すように、レンズディスク105を少し回転させることにより行うようにしたものである。
【0049】
この第2実施形態によれば、太陽ギア110やモータM6などを使用しないので、その構成が簡単なものとなる。
[第3実施形態]
図12は第3実施形態を示したものであり、この第3実施形態では、検者の自覚的な判断によらず、光電出力素子の出力に基づき偏光板111の回転位置を自動調整するようにしたものである。
【0050】
図12において、130はレンズディスク101の1つの孔Tに図示しないホルダを介して装着したフォトダイオード、131はレンズディスク104の1つの孔Tに嵌め込まれた球面レンズである。この球面レンズ131の焦点距離はフォトダイオード130とレンズディスク104との間の距離と等しく設定されている。
【0051】
フォトダイオード130は、図13に示すように、A/D変換器132を介してCPU120に接続されている。偏光板調整モードの際、フォトダイオード130の出力値はパルスモータM6が駆動される毎にメモリ121に記憶されていくようになっている。メモリ121に記憶された値は、後述するように、適宜所定の制御のためにメモリ121から読み出される。
【0052】
次に、第3実施形態の動作について説明する。
【0053】
第1実施形態と同様に、キーボード25のファンクションキーf12が押されることにより、偏光板調整モードが選択されると、レンズディスク105の回転により偏光板111が検査窓の位置に配置される。また、レンズディスク101、104が回転してフォトダイオード130、球面レンズ131が測定光軸100K上に配置される。さらに、レンズディスク102,103が回転して、検査窓11Lの位置にレンズディスク102,103の素通しの開口が位置される。
【0054】
これらレンズディスク101〜104の回転が完了すると、視標提示装置200の光路内に十字斜位視標の視標パネル204が配置され、十字斜位視標が視標提示装置200の窓205からフォロプタ11に向けて提示される。
【0055】
十字斜位視標はフォロプタ11から見て実質上無限遠とみなせる位置にあるので、十宇斜位視標からの光束は平行光束としてフォロプタ11に入射し、球面レンズ131によって、フォトダイオード130の受光面に集光される。
【0056】
フォトダイオード130は受光量に応じた受光信号を出力し、この受光信号に応じた光量Q0がメモリ121に記憶される。
【0057】
次に、CPU120は、ドライバD6に向けてパルスを出力させてパルスモータM6を回転させる。パルスモータM6は、駆動パルスにより太陽歯車110を回転させて、偏光板111の偏光方向を1度だけ右方向(時計方向)へ回転させる。この後、CPU120は再度フォトダイオード130の受光信号に応じた光量Q1をメモリ121に記憶させる。さらに、CPU120は、偏光板111を左方向(反時計方向)に2度、即ち、初期位置より左方向に1度回転させ、再度フォトダイオード130の受光信号に応じた光量Q2をメモリ121に記憶させる。
【0058】
その後、CPU120は、メモリ121に記憶されたQ0,Q1,Q2を読み出し、互いに比較する。
【0059】
Q0,Q1,Q2のうちでQ0が最大である場合には、偏光板111は最初の偏光方向に配置すれば正確な両眼視機能検査が可能であることを示している。従って、CPU120は、基準位置が偏光板111の最適な位置と判断し、次回以降両眼視機能検査がされる場合には、偏光板111を基準位置に配置するようにパルスモータM6を制御する。
【0060】
一方、Q0,Q1,Q2のうちでQ1が最大値である場合には、それは偏光板111を初期位置から右方向に回転させるべきであることを示している。フォトダイオード130の受光光量が最大となるまで偏光板111の回転を続行する。受光光量が最大となる偏光板111の位置が検出されたら、そのときのアブソリュートエンコーダの値を読み、基準位置からのズレ量を演算し、このズレ量をメモリ121に記憶させる。次回以降両眼視機能検査がされるときには、メモリ121からこのズレ量が読み出され、基準位置からこのズレ量に等しい量だけずれた角度に偏光板111を自動調整する。
【0061】
また、Q0,Q1,Q2のうちでQ2が最大値である場合には、それは偏光板111を初期位置から左方向に回転させるべきことを示している。フォトダイオード130の受光光量が最大となるまで偏光板111の回転を続行する。後の制御は同様に行われる。
[第4実施形態]
図14および図15は第4実施形態を示したものである。この第4実施形態では、フォロプタ11と視標提示装置200とに電気気泡管150,151を取り付け、CPU120は電気気泡管150,151から出力される傾斜信号に基づいて、フォロプタ11と視標提示装置200の傾きの差を演算し、この差に応じてCPU120は自動的にパルスモータM6を駆動制御するものである。
【0062】
すなわち、フォロプタ11と視標提示装置200とが同一方向に同一角度だけ傾いていれば、電気気泡管150,151から出力される傾斜信号の差はゼロとなるので、偏光板111は基準位置に配置しておく。また、例えばフォロプタ11が視標提示装置200に対して1度だけ右方向に傾いていれば、傾斜信号の差は1度となり、CPU120は偏光板111を左方向へ1度だけ回転させる。
【0063】
このようにすることにより、検査窓11L,11Rの偏光板111,111′の偏光方向と、十字斜位視標の縦・横線部204a,204bに取り付けられている偏光フィルタの偏光方向とを確実に直交させることができ、正確に斜位検査の測定を行うことができる。
【0064】
【効果】
この発明によれば、床面の傾き等の影響を受けずに両眼視機能を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自覚式検眼装置の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示すフォロプタの構成を示した平断面図である。
【図3】レンズディスクを示した正面図である。
【図4】レンズディスクと太陽ギアとの関係を示した正面図である。
【図5】視標提示装置の光学系の構成を示した概略光学配置図である。
【図6】(a)ランドルト環を示した指標チャートである。
(b)乱視テストチャートを示した指標チャートである。
(c)クロスシリンダーテスト用視標を示した指標チャートである。
【図7】(a)は十字斜位視標を示した指標チャートである。
(b)は不等像視標を示した指標チャートである。
(c)は回旋斜位視標を示した指標チャートである。
(d)は立体視視標を示した指標チャートである。
【図8】自覚式検眼装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図9】第2実施形態のフォロプタの構成を示した平断面図である。
【図10】第2実施形態のレンズディスクを示した説明図である。
【図11】偏光板の偏光方向の変え方を示した説明図である。
【図12】第3実施形態のフォロプタの構成を示した平断面図である。
【図13】第3実施形態の自覚式検眼装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図14】第4実施形態の自覚式検眼装置の構成を示した斜視図である。
【図15】第4実施形態の自覚式検眼装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図16】従来の自覚式検眼装置の構成を示した説明図である。
【符号の説明】
11 フォロプタ
101〜105 レンズディスク
110 太陽歯車
111 偏光板
111H ホルダ
200 視標提示装置
M1〜M6 パルスモータ
Claims (2)
- 被検者からの応答に基づいて被検眼の視機能を検査する自覚式検眼装置であって、
前記被検眼の視機能を検査するための各種の視標を前記被検眼に向けて提示する視標提示手段と、
前記被検眼の視機能を矯正するため前記視標提示手段と前記被検眼との間に配置される各種の光学素子と、
前記光学素子の交換又は回転その他の位置状態を制御する位置制御手段とを備えるとともに、
該光学素子群には、所定の方向に偏光された光束成分のみを透過させるための偏光部材が含まれ、
前記位置制御手段は、前記偏光部材の偏光方向を変えるように前記偏光部材の位置を制御することが可能なように構成され、
前記位置制御手段によって前記偏光部材を所定の位置に制御し、その制御後の前記偏光部材の所定の位置を記憶手段に記憶させるように構成した自覚式検眼装置。 - 前記偏光部材の偏光方向を手動で調整する手動調整手段と、
前記手動調整手段による調整の終了を示す信号を出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段から前記信号が出力された場合に、その信号出力時の前記偏光部材の位置を記憶する記憶手段とを具備するとともに、
前記位置制御手段は前記手動調整手段からの入力に基づいて作動し、
前記位置制御手段は、前記記憶手段による記憶後は、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記偏光部材の位置を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自学式検眼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000170224A JP4498544B2 (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 自覚式検眼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000170224A JP4498544B2 (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 自覚式検眼装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001346762A JP2001346762A (ja) | 2001-12-18 |
JP4498544B2 true JP4498544B2 (ja) | 2010-07-07 |
Family
ID=18672974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000170224A Expired - Fee Related JP4498544B2 (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 自覚式検眼装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4498544B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004208705A (ja) | 2002-12-26 | 2004-07-29 | Nidek Co Ltd | 検眼装置 |
JP4280081B2 (ja) * | 2003-01-31 | 2009-06-17 | 株式会社ニデック | 検眼装置 |
JP4756959B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-08-24 | 株式会社ニデック | 検眼装置 |
CN106455966B (zh) * | 2014-04-24 | 2018-08-03 | 学校法人帝京大学 | 手持式旋转移位测定装置 |
CN109091104B (zh) * | 2018-09-18 | 2024-08-30 | 宁波法里奥光学科技发展有限公司 | 一种全自动一体式验光仪设备及其验光方法 |
JPWO2021033561A1 (ja) | 2019-08-16 | 2021-02-25 | ||
JP7369000B2 (ja) | 2019-10-08 | 2023-10-25 | 株式会社トプコン | 検眼装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0310759U (ja) * | 1989-06-14 | 1991-01-31 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2740912B2 (ja) * | 1987-07-16 | 1998-04-15 | 株式会社ニデック | 検眼装置 |
JPH0880280A (ja) * | 1994-09-13 | 1996-03-26 | Canon Inc | 検眼装置 |
JPH08164112A (ja) * | 1994-12-14 | 1996-06-25 | Nikon Corp | 自覚式検眼装置 |
JPH11267100A (ja) * | 1998-03-23 | 1999-10-05 | Nikon Corp | 自覚式検眼装置 |
-
2000
- 2000-06-07 JP JP2000170224A patent/JP4498544B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0310759U (ja) * | 1989-06-14 | 1991-01-31 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001346762A (ja) | 2001-12-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4863759B2 (ja) | 検眼装置 | |
US7407289B2 (en) | Optometry apparatus | |
JPH0349568B2 (ja) | ||
JPH05176893A (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP4629853B2 (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP4498544B2 (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP3399613B2 (ja) | 検眼装置 | |
JP4851176B2 (ja) | 視標提示光学装置 | |
JP2007061380A (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP2002209850A (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JPH05253186A (ja) | 検眼システム | |
JP2585611B2 (ja) | 自覚式検眼装置 | |
US7144112B2 (en) | Optometric apparatus | |
KR101133512B1 (ko) | 검안 장치 | |
JP4280081B2 (ja) | 検眼装置 | |
JP6064445B2 (ja) | 眼屈折力測定装置 | |
JPH1156779A (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP4413015B2 (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP2806428B2 (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP2019062936A (ja) | 眼科装置 | |
JP2008272030A (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JPH08317899A (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JP4996163B2 (ja) | 自覚式検眼装置 | |
JPH08299268A (ja) | 視標装置 | |
JPH09108184A (ja) | 検眼装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070515 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100413 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100414 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |