JP2818150B2 - 検眼装置 - Google Patents
検眼装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロスシリンダテス
ト用レンズを使用し、乱視の検査を行う検眼装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】被検眼の乱視の度数及び軸を自覚的に検
査するものとしては、クロスシリンダテスト用レンズを
使用する装置が知られている。クロスシリンダテスト用
レンズは、絶対値が等しく、符号が異なる2枚の円柱レ
ンズをその軸を90°ずらして接合したものであるが、
装置には1つの種類のクロスシリンダテスト用レンズを
具備する。検査はまずこれを眼前に配置し、これを介し
て被検者に所定の視標を見せ、その時の視標の見え方を
記憶させる。その後クロスシリンダテスト用レンズを9
0°回転させた状態で、被検者に再度視標を見せ、前の
視標の見え方と比較させることを通じて被検眼の乱視度
数及び軸を決定するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置では、被検者は記憶をもとに見え方の判断を要求され
るが、記憶の限界から微妙な判断は難しいという問題が
ある。また、乱視の精密測定では、被検眼の視力が高い
とき(例えば0.7)は低度数(±0.25ディオプタ
ー)のクロスシリンダテスト用レンズが望ましく、視力
がそれ以下であれば、±0.5ディオプターが良いが、
このような被検者の状態に応じた選択ができないという
問題がある。本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、被
検者の状態に応じたクロスシリンダテストが可能な検眼
装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために次のような構成を有する。 (1) 検眼窓をそれぞれ持つ左右の検眼ユニットを備
え該検眼窓に乱視レンズを含む光学素子を切換え配置し
て被検眼の屈折力を自覚的に検査する検眼装置におい
て、軸が互いに直交する極性の異なる2枚の円柱レンズ
と光学的に等価なクロスシリンダテスト用レンズであっ
て、前記検眼ユニット内の補助レンズを配置する補助レ
ンズディスクにその軸がともに回転可能に保持されてい
る、円柱レンズの度数により区別される2種類のクロス
シリンダテスト用レンズと、前記補助レンズディスクを
駆動してクロスシリンダテスト用レンズを含む補助レン
ズの1つを前記検眼窓内に移動する第1駆動手段と、前
記クロスシリンダテスト用レンズの一つを前記検眼窓内
に挿入するように選択する補助レンズ選択手段と、該補
助レンズ選択手段の選択に応答して前記第1駆動手段を
動作させる第1制御手段と、前記検眼窓内に挿入された
前記クロスシリンダテスト用レンズの軸を回転させる第
2駆動手段と、前記検眼窓内に挿入された前記クロスシ
リンダテスト用レンズの正転・反転を指示する正転・反
転指示スイッチと、前記検眼窓内の乱視レンズの乱視軸
角度に基づいて前記クロスシリンダテスト用レンズを回
転させると共に、前記正転・反転指示スイッチの指示に
応答して前記検眼窓内に挿入された前記クロスシリンダ
テスト用レンズの軸を90度回転させるように前記第2
駆動手段を制御する第2制御手段と、を有することを特
徴とする。 【0005】 【0006】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明に係る検眼装置本体の左眼測定
ユニットを上側から見た断面図である。1は測定光軸で
あり、その延長上に図示なき視力表があり、被検者は検
者の質問に対して被検眼2の眼前に配置された各種レン
ズを介して視力表を見ながら応答する。補助レンズディ
スク4A,強球面レンズディスク5、弱球面レンズディ
スク6が、軸3を回転中心に配置されており、それぞれ
のディスクの同一円周上には、複数の補助レンズ7、強
球面レンズ8、弱球面レンズ9が配置されている。弱球
面レンズディスク6の外周には歯車10を介して弱球面
レンズ回転モータ11の歯車と連結している。他のディ
スクも同様に図示なきモータにてレンズ切換えが行われ
る。 【0007】プラス乱視レンズディスク12とマイナス
乱視レンズディスク13は、測定光軸1を回転中心とし
て、図示なきモータより各々が独立して回転可能であ
り、度数が等しく、符号の異なる乱視レンズ14、15
が配置されており、各々のレンズの乱視軸を相対的に変
化させることにより、乱視レンスの度数を連続的に変え
ることができる。補助レンズディスク4Bは軸3aを回
転中心として、補助レンズディスク4Bの切換モータ1
6により歯車17を介して回転することができる。測定
光軸1を回転中心にして回転可能なプリズムディスク2
0とプリズムディスク21上に配置されているプリズム
18とプリズム19は偏角が等しく、回転方向における
相対的な変化によりプリズム屈折力を連続的に変えるこ
とができる。太陽歯車22は歯車23が固定されてお
り、回転モータ24の回転をプリズムディスク20に伝
える働きをする。以上の機構はカバー27、保護ガラス
28,保護ガラス29で密閉されている。 【0008】図2は補助レンズディスク4Bを被検眼2
側から見た図であり、補助レンズディスク4B上にはプ
リズム18、プリズム19、穴30、−0.12ディオ
プタ(以下Dと略す)球面レンズ31、クロスシリンダ
レンズ32、33、34、補助乱視レンズ35が配置さ
れており、太陽歯車22を介して、回転モータ24によ
り回転可能である。32は+0.25D円柱レンズと、
−0.25D円柱レンズとの円柱軸が直交して組み合わ
されたレンズであり、33のクロスシリンダレンズは3
2とは円柱度数を異にし、両者は被検者の状態に合わせ
て選択使用される。クロスシリンダテスト用レンズ34
は、図3に示すように、中心部が厚く周辺部が薄い左右
対称形状のプリズム36に互いに軸が90°異なるクロ
スシリンダレンズ37、38が接合された構成をしてお
り、視力表からの光はプリズム36にて偏向されること
から、視力表は視線の方向39、40の2つに分離して
観察される。分離された視力表の像は、それぞれがクロ
スシリンダレンズ37、38を通ることから、被検者は
左右2つの像を比較することによりクロスシリンダテス
トを行うことができる。 【0009】図4は図1に示す実施例の制御ブロック図
である。41、42、43、44、45はそれぞれ球面
度数、乱視度数、軸角度、プリズム度数上下方向、プリ
ズム度数左右方向の選択スイッチであり、48は、各度
数変更のためのロータリエンコーダ、47は波形整形回
路、49は入力回路である。マイクロプロセッサ50、
メモリ51、52により構成される制御部は、モータ駆
動命令を出力回路53を通じ、モータ駆動回路54〜6
1に送る。11、16、24、26、62〜65はそれ
ぞれディスクレンズを駆動させるためのモータである。 【0010】次に以上の構成に基づく本実施例の装置の
動作を説明する。 (球面度数の切換)検者が球面度数選択スイッチ41を
押した後、ロータリエンコーダ48を回転させた際に
は、ロータリエンコーダ48の回転方向及び回転角度に
基づき、CPU50より出力回路53、モータ駆動回路
55、56を通じて、強球面レンズ切換モータ63及び
弱球面レンズ切換モータ11へ駆動信号が発せられ、図
1における強球面レンズディスク5と、弱球面レンズデ
ィスク6が回転し、所定の球面レンズの組み合わせが選
択され、測定光軸1にセットされる。強球面レンズディ
スク5には3D単位の球面レンズが12枚、弱球面レン
ズディスク6には0.25D単位のレンズを12枚それ
ぞれ配置されており、球面度数を0.25単位で−19
〜16.75Dまで切換えることができる。 (乱視度数、乱視軸の切換)図1において、プラス乱視
レンズ14、マイナス乱視レンズ15はいわゆるStokes
のクロス円柱を構成しており、各レンズの度数をD、互
いの円柱軸の角度差をε、合成乱視度数をDε、合成の
軸角度をAxとすると、 Dε=−2Dsin ε Ax=ε/2−90° なる関係式が成り立つ。 【0011】図4において、検者が乱視度数を変化させ
るには、乱視度数選択スイッチ42を押し、必要な変化
量だけロータリエンコーダ48を回転させ、CPU50
にて演算された回転量の信号をプラス乱視レンズ回転モ
ータ64、マイナス乱視レンズ回転モータ65に与えて
回転させ、該乱視度数を発生させる。乱視軸を変化させ
るときは、検者は、乱視軸選択スイッチ43を押した
後、ロータリエンコーダ48を回すことによりプラス乱
視レンズ回転モータ64、マイナス乱視レンズ回転モー
タ65が回転し、プラス乱視レンズ14、マイナス乱視
レンズ15を同一方向に同角度回転させることにより乱
視軸が変わる。ところで、Stokesのクロス円柱において
は、乱視度数の変化にともない球面度数が発生する。そ
の球面度数Dsは Ds=−Dε/2 である。このため、この球面度数を他のレンズにて打ち
消す必要がある。乱視度数検査装置の最小単位は通常
0.25Dであるので、打ち消すべき球面度数の最小単
位は0.12Dとなる。本実施例では、図2の補助レン
ズディスク4Bに−0.12Dの球面レンズを配置し、
これと穴30とを切換えることにより、0.12Dの打
ち消しを行う。以下に組み合わせ例を示す。 【表1】 乱視度数Dεに対するDs1 ,Ds2 ,Ds3 の組み合
わせを、あらかじめROM51にプログラムしておくこ
とにより、ロータリエンコーダ48からの乱視度数変換
信号に基づき、CPU50が所定の位置に各ディスクを
回転させるべく信号を11、16、63〜65の各モー
タに送ることにより達成できる。ただし、図2におい
て、プリズム18,プリズム19を測定光軸1上に置
き、プリズム測定を行うとき、あるいは補助レンズディ
スク4B上の他のレンズ32〜35を使用するときは、
−0.12Dレンズ31は使用できないので、図5に示
す補助レンズディスク4A上の−0.12D球面レンズ
66を使用する。このときの動作は前記した穴30と、
−0.12Dレンズ31の切換えと同様に穴7と−0.
12D球面レンズ66を補助レンズディスク4Aの切換
えモータ62により切換える。 【0012】また、両眼視開放屈折検査において、クロ
スシリンダテストを行うときは、図5の偏光板67と図
2のクロスシリンダテスト用レンズ32、33、34を
同時に使用するので、いずれのディスク上の−0.12
D球面レンズも使用できないが、偏光板67と同じ光学
的性質の偏光板に−0.12D球面レンズを組み合わせ
たレンズ68を補助レンズディスク4Aに用意し、乱視
度数の変化に基づき偏光板67との切換えを行うことに
より、−0.12D球面度数の補正が可能となる。一般
の自覚式検査における補助レンズディスクには、偏光レ
ンズの他、マドックレンズ、赤フィルタ、緑フィルタ等
斜位測定または輻輳測定に使用する特殊な補助レンズが
ある。これら補助レンズと補助レンズディスク4Bのプ
リズムとを組み合わせて使用することがあるが、いずれ
もプリズム測定であり、また、日常視ではない機械近視
の発生しやすい特殊な状態での検査であるので、球面度
数0.12Dの誤差がプリズム度数の測定に特に影響す
ることはない。 【0013】(プリズム度数の変換)図4のプリズム度
数上下方向選択スイッチ44を押すと、モータ16によ
り補助レンズディスクB4Bが切換えられ、測定光軸1
上にプリズム18とプリズム19がおかれる。プリズム
18とプリズム19は同度数であり、前者は基底方向が
水平方向右側に、後者は基底方向が水平方向左側にある
ことから、プリズム度数は0Δとなる。ロータリエンコ
ーダ48を時計方向に回転されると、CPU50から回
転モータ24、26に信号が送られ、プリズム18は時
計方向に、プリズム19は反時計方向に所定の角度θだ
け回転させ、プリズム18、19により合成プリズムの
基底方向を下方とすることができる。合成プリズムの基
底方向を上方にするには、ロータリエンコーダ48を反
時計方向に回転し、プリズムAを反時計方向に、プリズ
ムBを時計方向に回転すればよい。プリズムの回転角を
θ、合成のプリズム度数をP、プリズム18とプリズム
19のプリズム度数をPAとすると、 P=2PA COS θ となる式が成り立つので、この式に基づくプログラムを
ROM51に入れておくことにより、必要なプリズム度
数を実現できる。左右方向のプリズム度数を変えるに
は、プリズム度数左右方向選択スイッチ45を押すこと
により、プリズム18が基底上方に配置され、プリズム
19が基底下方向に配置される。ロータリエンコーダ4
8の回転方向により合成プリズムの基底方向の左右が定
められ、回転量により合成プリズム度数が定められるの
は、上下方向の場合と同様である。 【0014】(クロスシリンダテスト)実施例では、ク
ロスシリンダテスト用レンズが3個あり、予め、設定ス
イッチで使用するレンズを選択しておく。32は±0.
25Dのクロスシリンダテスト用レンズである。クロス
シリンダテストには乱視軸の精密修正と乱視度数の精密
修正があり、この手順で説明する。赤緑テスト用視標チ
ャートを被検眼前方5mに置き、球面度数選択スイッチ
41を押し、ロータリエンコーダ48を回転して強、弱
の球面レンズディスク5、6を回転・切換え赤緑テスト
を行い、赤地の文字と緑地の文字が同じ濃さに見える状
態になった後、更に−0.25Dを加え、チャート像の
最小錯乱円を被検眼眼底に一致させる。次にチャートを
方向性の少ない文字指標等に変え、軸角度選択スイッチ
43を押し、軸角度の測定モードであることを入力回路
49、CPU50を介しRAM52に記憶させ、クロス
シリンダ正転スイッチ46Aを押す。これにより補助レ
ンズディスク4Bを回転されるべく、補助レンズディス
ク4Bの切換えモータ16が回転し、光軸上にクロスシ
リンダレンズ32がセットされるとともに、32のマイ
ナスシリンダ軸が乱視レンズ14、15の合成乱視のマ
イナス軸に対し45°反時計方向に傾斜するよう回転モ
ータ24が回転する。次にクロスシリンダ反転スイッチ
46Bを押すことにより回転モータ24が回転し、クロ
スシリンダレンズ32が90°回転する。この正転と反
転を繰り返し、被検者にどちらが明瞭であるかを尋ね、
正転時であるならば、乱視レンズ14、15を反時計方
向に同角度回転されるべく、ロータリエンコーダ48を
反時計方向に回転する。再度正転反転を繰り返し、正転
時と、反転時での見え方が同じになるまでロータリエン
コーダ48を操作して、乱視軸角度を修正する。 【0015】次に乱視度数の精密修正を行う際は、乱視
度数選択スイッチ42を押すことにより、クロスシリン
ダレンズ32のマイナス軸が乱視レンズ14、15の合
成乱視軸と直交する角度になるよう、CPU50から信
号が発せられ、モータ24が回転する。次にクロスシリ
ンダ反転スイッチ46Bを押すことにより、クロスシリ
ンダレンズ32が90°回転する。この操作を繰り返
し、正転時と反転時での見え方が同じになるまでロータ
リエンコーダ48を操作して乱視度数の修正を行う。 【0016】以上のクロスシリンダテストは最も一般的
なものであるが、本実施例ではこれに加え、同時比較が
可能なクロスシリンダテスト用レンズ34を具備してい
る。図3において、プリズム36の被検眼2側に接合さ
れている38のレンズはマイナス軸がプリズム36の基
底方向に対し平行なクロスシリンダレンズであり、37
はプリズム36の基底方向に対し直角にマイナス軸を持
つクロスシリンダレンズである。クロスシリンダ選択ス
イッチ70にて、クロスシリンダテスト用のレンズとし
てレンズ34を選択する。軸角度選択スイッチ43を押
し、クロスシリンダ正転スイッチ46Aまたはクロスシ
リンダ反転スイッチ46Bを押すと、レンズ34が図3
のように測定光軸1上にセットされるとともに、プリズ
ム36の稜線が図6に示すようにプラス、マイナス乱視
レンズ14、15の合成乱視のマイナス軸に対し45°
傾斜した角度に回転する。この状態を被検眼2側から見
たものが図7であり、プリズム36のプリズム作用によ
り、被検眼前方約5mの位置に置かれた1つのチャート
文字「8」の像は、クロスシリンダレンズ38を通して
見た像71と、クロスシリンダレンズ37を通して見た
像72に二分して視認される。図10はこの状態におけ
る操作部75の外観図であり、クロスシリンダテスト中
であることを示す照明文字77が点灯しており、その乱
視軸測定中であることを示すランプ76も点灯してい
る。さらに、クロスシリンダテスト用のレンズ34の回
転位置をRAM52が記憶していることから、クロスシ
リンダレンズ38側の像分離方向を示すランプ79を点
灯させるよう、CPU50が出力回路53を通じ表示部
69に信号を送る。また、ロータリエンコーダ48の左
右にはランプ80、81があり、ロータリエンコーダを
プラス側に回転する方向(乱視軸角度を反時計方向に変
える方向)にランプ80は点滅させ、ランプ81は点灯
させておく。 【0017】検者は操作部のランプ78、79を見るこ
とにより、被検者が視認する2つの像の方向が確認でき
るので、被検者に対し「左上の8の字と右下の8の字と
どちらが明瞭に見えますか」と適切な質問を直ちにする
ことができる。被検者が左上と答えた場合は、プラス及
びマイナスの乱視レンズ14、15の合成乱視のマイナ
ス軸を反時計方向に回し、修正する必要があるが、点滅
している左上のランプ78と同じく点滅しているランプ
80側にロータリエンコーダ48を回すことにより、簡
単に軸角度の修正ができる。 【0018】次にレンズ34を使用する乱視度数のテス
トについて述べる。乱視度数選択スイッチ42を押すこ
とにより、図11のランプ82が点灯し乱視度数測定状
態であることを示し、プラス及びマイナスの乱視レンズ
14、15の合成乱視のマイナス軸に対し、クロスシリ
ンダレンズ38のマイナス軸が平行になるようレンズ3
4を図8に示す如く回転させる。このとき、被検眼2か
ら見た像は図9の如く、左右に分離され、左側の像がク
ロスシリンダレンズ38を通した像である。図9の73
の像に対応する方向のランプ83を点灯させ、74の像
に対応する方向のランプ84を点滅させ、さらに乱視が
増加する方向のランプ81を点灯し、乱視が減る方向の
ランプ80を点滅させておく。検者は図11のランプ8
3、84を見ながら、被検眼に見える像の分離方向を判
断する。「右側の8の字と、左側の8の字とどちらが明
瞭に見えますか」と質問することができ、被検者が左と
答えた場合には、点灯している左側のランプ83と同じ
く点滅しているランプ80側にロータリエンコーダ48
を回す。右と答えた場合はロータリエンコーダ48をラ
ンプ81側に回す。このようにして、像73と74が同
じ程度になるまで乱視度数を修正する。 【0019】以上の例では、像の分離方向は上下及び左
右に及んだが、次のようにすることで像を左右方向にの
み分離することができる。なお、この場合は像分離方向
を示すランプは左右2つあれば足りる。すなわち、乱視
度数のクロスシリンダテストにおいて、プラス及びマイ
ナスの乱視レンズ14、15の合成乱視軸が45°〜1
35°の場合には、合成乱視軸に対し、クロスシリンダ
レンズ37のマイナス軸を一致させ、図11におけるラ
ンプ83側を点滅させ、ランプ84側を点灯させること
により、像を右側0°±45°の範囲、左側180°±
45°の範囲内に常に収めることができる。乱視軸のク
ロスシリンダテストにおいても、合成乱視軸が0°〜9
0°のときは、クロスシリンダレンズ37のマイナス軸
と合成乱視のマイナス軸に対し、反時計方向に45°の
角度でセットし、像分離方向を示す右側ランプを点滅さ
せ、左側ランプを点灯させ、また、80を点滅させ、8
1を点灯させる。合成乱視軸が90°〜180°のとき
は、クロスシリンダレンズ38のマイナス軸と合成乱視
のマイナス軸に対し、反時計方向に45°の角度でセッ
トし、左側ランプと80を点滅させ、右側ランプと81
を点灯させる。なお、以上の実施例ではコストのかから
ない装置として、ランプの点灯と点滅によって表示して
いるが、2色LED等での色の区別による表示でも良い
し、表示部に液晶表示CRTディスプレイ等を用い、文
字による指示を行うことにより、さらに使いやすくな
る。文字表示としては、例えば図12のように表示す
る。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
度数の異なる2種類のクロスシリンダテスト用レンズを
設けることにより、被検眼の状態に対応してクロスシリ
ンダテスト用レンズの度数を選択して検眼を行うことが
できるので、正確な精密乱視検査が可能となる。また、
乱視の精密検査におけるクロスシリンダテスト用レンズ
の反転、正転を検眼窓に挿入されたクロスシリンダテス
ト用レンズを90度回転することにより実現したので、
クロスシリンダテスト用レンズの数を必要最小限にし、
他の補助レンズとともに1つの補助レンズディスクに配
置することができる。これにより、クロスシリンダテス
ト用レンズを別個のレンズディスクに配置するのに比較
して装置構成を簡単にでき、装置の厚みも薄くして被検
眼の視野を広くとることができる。
ト用レンズを使用し、乱視の検査を行う検眼装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】被検眼の乱視の度数及び軸を自覚的に検
査するものとしては、クロスシリンダテスト用レンズを
使用する装置が知られている。クロスシリンダテスト用
レンズは、絶対値が等しく、符号が異なる2枚の円柱レ
ンズをその軸を90°ずらして接合したものであるが、
装置には1つの種類のクロスシリンダテスト用レンズを
具備する。検査はまずこれを眼前に配置し、これを介し
て被検者に所定の視標を見せ、その時の視標の見え方を
記憶させる。その後クロスシリンダテスト用レンズを9
0°回転させた状態で、被検者に再度視標を見せ、前の
視標の見え方と比較させることを通じて被検眼の乱視度
数及び軸を決定するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置では、被検者は記憶をもとに見え方の判断を要求され
るが、記憶の限界から微妙な判断は難しいという問題が
ある。また、乱視の精密測定では、被検眼の視力が高い
とき(例えば0.7)は低度数(±0.25ディオプタ
ー)のクロスシリンダテスト用レンズが望ましく、視力
がそれ以下であれば、±0.5ディオプターが良いが、
このような被検者の状態に応じた選択ができないという
問題がある。本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、被
検者の状態に応じたクロスシリンダテストが可能な検眼
装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために次のような構成を有する。 (1) 検眼窓をそれぞれ持つ左右の検眼ユニットを備
え該検眼窓に乱視レンズを含む光学素子を切換え配置し
て被検眼の屈折力を自覚的に検査する検眼装置におい
て、軸が互いに直交する極性の異なる2枚の円柱レンズ
と光学的に等価なクロスシリンダテスト用レンズであっ
て、前記検眼ユニット内の補助レンズを配置する補助レ
ンズディスクにその軸がともに回転可能に保持されてい
る、円柱レンズの度数により区別される2種類のクロス
シリンダテスト用レンズと、前記補助レンズディスクを
駆動してクロスシリンダテスト用レンズを含む補助レン
ズの1つを前記検眼窓内に移動する第1駆動手段と、前
記クロスシリンダテスト用レンズの一つを前記検眼窓内
に挿入するように選択する補助レンズ選択手段と、該補
助レンズ選択手段の選択に応答して前記第1駆動手段を
動作させる第1制御手段と、前記検眼窓内に挿入された
前記クロスシリンダテスト用レンズの軸を回転させる第
2駆動手段と、前記検眼窓内に挿入された前記クロスシ
リンダテスト用レンズの正転・反転を指示する正転・反
転指示スイッチと、前記検眼窓内の乱視レンズの乱視軸
角度に基づいて前記クロスシリンダテスト用レンズを回
転させると共に、前記正転・反転指示スイッチの指示に
応答して前記検眼窓内に挿入された前記クロスシリンダ
テスト用レンズの軸を90度回転させるように前記第2
駆動手段を制御する第2制御手段と、を有することを特
徴とする。 【0005】 【0006】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明に係る検眼装置本体の左眼測定
ユニットを上側から見た断面図である。1は測定光軸で
あり、その延長上に図示なき視力表があり、被検者は検
者の質問に対して被検眼2の眼前に配置された各種レン
ズを介して視力表を見ながら応答する。補助レンズディ
スク4A,強球面レンズディスク5、弱球面レンズディ
スク6が、軸3を回転中心に配置されており、それぞれ
のディスクの同一円周上には、複数の補助レンズ7、強
球面レンズ8、弱球面レンズ9が配置されている。弱球
面レンズディスク6の外周には歯車10を介して弱球面
レンズ回転モータ11の歯車と連結している。他のディ
スクも同様に図示なきモータにてレンズ切換えが行われ
る。 【0007】プラス乱視レンズディスク12とマイナス
乱視レンズディスク13は、測定光軸1を回転中心とし
て、図示なきモータより各々が独立して回転可能であ
り、度数が等しく、符号の異なる乱視レンズ14、15
が配置されており、各々のレンズの乱視軸を相対的に変
化させることにより、乱視レンスの度数を連続的に変え
ることができる。補助レンズディスク4Bは軸3aを回
転中心として、補助レンズディスク4Bの切換モータ1
6により歯車17を介して回転することができる。測定
光軸1を回転中心にして回転可能なプリズムディスク2
0とプリズムディスク21上に配置されているプリズム
18とプリズム19は偏角が等しく、回転方向における
相対的な変化によりプリズム屈折力を連続的に変えるこ
とができる。太陽歯車22は歯車23が固定されてお
り、回転モータ24の回転をプリズムディスク20に伝
える働きをする。以上の機構はカバー27、保護ガラス
28,保護ガラス29で密閉されている。 【0008】図2は補助レンズディスク4Bを被検眼2
側から見た図であり、補助レンズディスク4B上にはプ
リズム18、プリズム19、穴30、−0.12ディオ
プタ(以下Dと略す)球面レンズ31、クロスシリンダ
レンズ32、33、34、補助乱視レンズ35が配置さ
れており、太陽歯車22を介して、回転モータ24によ
り回転可能である。32は+0.25D円柱レンズと、
−0.25D円柱レンズとの円柱軸が直交して組み合わ
されたレンズであり、33のクロスシリンダレンズは3
2とは円柱度数を異にし、両者は被検者の状態に合わせ
て選択使用される。クロスシリンダテスト用レンズ34
は、図3に示すように、中心部が厚く周辺部が薄い左右
対称形状のプリズム36に互いに軸が90°異なるクロ
スシリンダレンズ37、38が接合された構成をしてお
り、視力表からの光はプリズム36にて偏向されること
から、視力表は視線の方向39、40の2つに分離して
観察される。分離された視力表の像は、それぞれがクロ
スシリンダレンズ37、38を通ることから、被検者は
左右2つの像を比較することによりクロスシリンダテス
トを行うことができる。 【0009】図4は図1に示す実施例の制御ブロック図
である。41、42、43、44、45はそれぞれ球面
度数、乱視度数、軸角度、プリズム度数上下方向、プリ
ズム度数左右方向の選択スイッチであり、48は、各度
数変更のためのロータリエンコーダ、47は波形整形回
路、49は入力回路である。マイクロプロセッサ50、
メモリ51、52により構成される制御部は、モータ駆
動命令を出力回路53を通じ、モータ駆動回路54〜6
1に送る。11、16、24、26、62〜65はそれ
ぞれディスクレンズを駆動させるためのモータである。 【0010】次に以上の構成に基づく本実施例の装置の
動作を説明する。 (球面度数の切換)検者が球面度数選択スイッチ41を
押した後、ロータリエンコーダ48を回転させた際に
は、ロータリエンコーダ48の回転方向及び回転角度に
基づき、CPU50より出力回路53、モータ駆動回路
55、56を通じて、強球面レンズ切換モータ63及び
弱球面レンズ切換モータ11へ駆動信号が発せられ、図
1における強球面レンズディスク5と、弱球面レンズデ
ィスク6が回転し、所定の球面レンズの組み合わせが選
択され、測定光軸1にセットされる。強球面レンズディ
スク5には3D単位の球面レンズが12枚、弱球面レン
ズディスク6には0.25D単位のレンズを12枚それ
ぞれ配置されており、球面度数を0.25単位で−19
〜16.75Dまで切換えることができる。 (乱視度数、乱視軸の切換)図1において、プラス乱視
レンズ14、マイナス乱視レンズ15はいわゆるStokes
のクロス円柱を構成しており、各レンズの度数をD、互
いの円柱軸の角度差をε、合成乱視度数をDε、合成の
軸角度をAxとすると、 Dε=−2Dsin ε Ax=ε/2−90° なる関係式が成り立つ。 【0011】図4において、検者が乱視度数を変化させ
るには、乱視度数選択スイッチ42を押し、必要な変化
量だけロータリエンコーダ48を回転させ、CPU50
にて演算された回転量の信号をプラス乱視レンズ回転モ
ータ64、マイナス乱視レンズ回転モータ65に与えて
回転させ、該乱視度数を発生させる。乱視軸を変化させ
るときは、検者は、乱視軸選択スイッチ43を押した
後、ロータリエンコーダ48を回すことによりプラス乱
視レンズ回転モータ64、マイナス乱視レンズ回転モー
タ65が回転し、プラス乱視レンズ14、マイナス乱視
レンズ15を同一方向に同角度回転させることにより乱
視軸が変わる。ところで、Stokesのクロス円柱において
は、乱視度数の変化にともない球面度数が発生する。そ
の球面度数Dsは Ds=−Dε/2 である。このため、この球面度数を他のレンズにて打ち
消す必要がある。乱視度数検査装置の最小単位は通常
0.25Dであるので、打ち消すべき球面度数の最小単
位は0.12Dとなる。本実施例では、図2の補助レン
ズディスク4Bに−0.12Dの球面レンズを配置し、
これと穴30とを切換えることにより、0.12Dの打
ち消しを行う。以下に組み合わせ例を示す。 【表1】 乱視度数Dεに対するDs1 ,Ds2 ,Ds3 の組み合
わせを、あらかじめROM51にプログラムしておくこ
とにより、ロータリエンコーダ48からの乱視度数変換
信号に基づき、CPU50が所定の位置に各ディスクを
回転させるべく信号を11、16、63〜65の各モー
タに送ることにより達成できる。ただし、図2におい
て、プリズム18,プリズム19を測定光軸1上に置
き、プリズム測定を行うとき、あるいは補助レンズディ
スク4B上の他のレンズ32〜35を使用するときは、
−0.12Dレンズ31は使用できないので、図5に示
す補助レンズディスク4A上の−0.12D球面レンズ
66を使用する。このときの動作は前記した穴30と、
−0.12Dレンズ31の切換えと同様に穴7と−0.
12D球面レンズ66を補助レンズディスク4Aの切換
えモータ62により切換える。 【0012】また、両眼視開放屈折検査において、クロ
スシリンダテストを行うときは、図5の偏光板67と図
2のクロスシリンダテスト用レンズ32、33、34を
同時に使用するので、いずれのディスク上の−0.12
D球面レンズも使用できないが、偏光板67と同じ光学
的性質の偏光板に−0.12D球面レンズを組み合わせ
たレンズ68を補助レンズディスク4Aに用意し、乱視
度数の変化に基づき偏光板67との切換えを行うことに
より、−0.12D球面度数の補正が可能となる。一般
の自覚式検査における補助レンズディスクには、偏光レ
ンズの他、マドックレンズ、赤フィルタ、緑フィルタ等
斜位測定または輻輳測定に使用する特殊な補助レンズが
ある。これら補助レンズと補助レンズディスク4Bのプ
リズムとを組み合わせて使用することがあるが、いずれ
もプリズム測定であり、また、日常視ではない機械近視
の発生しやすい特殊な状態での検査であるので、球面度
数0.12Dの誤差がプリズム度数の測定に特に影響す
ることはない。 【0013】(プリズム度数の変換)図4のプリズム度
数上下方向選択スイッチ44を押すと、モータ16によ
り補助レンズディスクB4Bが切換えられ、測定光軸1
上にプリズム18とプリズム19がおかれる。プリズム
18とプリズム19は同度数であり、前者は基底方向が
水平方向右側に、後者は基底方向が水平方向左側にある
ことから、プリズム度数は0Δとなる。ロータリエンコ
ーダ48を時計方向に回転されると、CPU50から回
転モータ24、26に信号が送られ、プリズム18は時
計方向に、プリズム19は反時計方向に所定の角度θだ
け回転させ、プリズム18、19により合成プリズムの
基底方向を下方とすることができる。合成プリズムの基
底方向を上方にするには、ロータリエンコーダ48を反
時計方向に回転し、プリズムAを反時計方向に、プリズ
ムBを時計方向に回転すればよい。プリズムの回転角を
θ、合成のプリズム度数をP、プリズム18とプリズム
19のプリズム度数をPAとすると、 P=2PA COS θ となる式が成り立つので、この式に基づくプログラムを
ROM51に入れておくことにより、必要なプリズム度
数を実現できる。左右方向のプリズム度数を変えるに
は、プリズム度数左右方向選択スイッチ45を押すこと
により、プリズム18が基底上方に配置され、プリズム
19が基底下方向に配置される。ロータリエンコーダ4
8の回転方向により合成プリズムの基底方向の左右が定
められ、回転量により合成プリズム度数が定められるの
は、上下方向の場合と同様である。 【0014】(クロスシリンダテスト)実施例では、ク
ロスシリンダテスト用レンズが3個あり、予め、設定ス
イッチで使用するレンズを選択しておく。32は±0.
25Dのクロスシリンダテスト用レンズである。クロス
シリンダテストには乱視軸の精密修正と乱視度数の精密
修正があり、この手順で説明する。赤緑テスト用視標チ
ャートを被検眼前方5mに置き、球面度数選択スイッチ
41を押し、ロータリエンコーダ48を回転して強、弱
の球面レンズディスク5、6を回転・切換え赤緑テスト
を行い、赤地の文字と緑地の文字が同じ濃さに見える状
態になった後、更に−0.25Dを加え、チャート像の
最小錯乱円を被検眼眼底に一致させる。次にチャートを
方向性の少ない文字指標等に変え、軸角度選択スイッチ
43を押し、軸角度の測定モードであることを入力回路
49、CPU50を介しRAM52に記憶させ、クロス
シリンダ正転スイッチ46Aを押す。これにより補助レ
ンズディスク4Bを回転されるべく、補助レンズディス
ク4Bの切換えモータ16が回転し、光軸上にクロスシ
リンダレンズ32がセットされるとともに、32のマイ
ナスシリンダ軸が乱視レンズ14、15の合成乱視のマ
イナス軸に対し45°反時計方向に傾斜するよう回転モ
ータ24が回転する。次にクロスシリンダ反転スイッチ
46Bを押すことにより回転モータ24が回転し、クロ
スシリンダレンズ32が90°回転する。この正転と反
転を繰り返し、被検者にどちらが明瞭であるかを尋ね、
正転時であるならば、乱視レンズ14、15を反時計方
向に同角度回転されるべく、ロータリエンコーダ48を
反時計方向に回転する。再度正転反転を繰り返し、正転
時と、反転時での見え方が同じになるまでロータリエン
コーダ48を操作して、乱視軸角度を修正する。 【0015】次に乱視度数の精密修正を行う際は、乱視
度数選択スイッチ42を押すことにより、クロスシリン
ダレンズ32のマイナス軸が乱視レンズ14、15の合
成乱視軸と直交する角度になるよう、CPU50から信
号が発せられ、モータ24が回転する。次にクロスシリ
ンダ反転スイッチ46Bを押すことにより、クロスシリ
ンダレンズ32が90°回転する。この操作を繰り返
し、正転時と反転時での見え方が同じになるまでロータ
リエンコーダ48を操作して乱視度数の修正を行う。 【0016】以上のクロスシリンダテストは最も一般的
なものであるが、本実施例ではこれに加え、同時比較が
可能なクロスシリンダテスト用レンズ34を具備してい
る。図3において、プリズム36の被検眼2側に接合さ
れている38のレンズはマイナス軸がプリズム36の基
底方向に対し平行なクロスシリンダレンズであり、37
はプリズム36の基底方向に対し直角にマイナス軸を持
つクロスシリンダレンズである。クロスシリンダ選択ス
イッチ70にて、クロスシリンダテスト用のレンズとし
てレンズ34を選択する。軸角度選択スイッチ43を押
し、クロスシリンダ正転スイッチ46Aまたはクロスシ
リンダ反転スイッチ46Bを押すと、レンズ34が図3
のように測定光軸1上にセットされるとともに、プリズ
ム36の稜線が図6に示すようにプラス、マイナス乱視
レンズ14、15の合成乱視のマイナス軸に対し45°
傾斜した角度に回転する。この状態を被検眼2側から見
たものが図7であり、プリズム36のプリズム作用によ
り、被検眼前方約5mの位置に置かれた1つのチャート
文字「8」の像は、クロスシリンダレンズ38を通して
見た像71と、クロスシリンダレンズ37を通して見た
像72に二分して視認される。図10はこの状態におけ
る操作部75の外観図であり、クロスシリンダテスト中
であることを示す照明文字77が点灯しており、その乱
視軸測定中であることを示すランプ76も点灯してい
る。さらに、クロスシリンダテスト用のレンズ34の回
転位置をRAM52が記憶していることから、クロスシ
リンダレンズ38側の像分離方向を示すランプ79を点
灯させるよう、CPU50が出力回路53を通じ表示部
69に信号を送る。また、ロータリエンコーダ48の左
右にはランプ80、81があり、ロータリエンコーダを
プラス側に回転する方向(乱視軸角度を反時計方向に変
える方向)にランプ80は点滅させ、ランプ81は点灯
させておく。 【0017】検者は操作部のランプ78、79を見るこ
とにより、被検者が視認する2つの像の方向が確認でき
るので、被検者に対し「左上の8の字と右下の8の字と
どちらが明瞭に見えますか」と適切な質問を直ちにする
ことができる。被検者が左上と答えた場合は、プラス及
びマイナスの乱視レンズ14、15の合成乱視のマイナ
ス軸を反時計方向に回し、修正する必要があるが、点滅
している左上のランプ78と同じく点滅しているランプ
80側にロータリエンコーダ48を回すことにより、簡
単に軸角度の修正ができる。 【0018】次にレンズ34を使用する乱視度数のテス
トについて述べる。乱視度数選択スイッチ42を押すこ
とにより、図11のランプ82が点灯し乱視度数測定状
態であることを示し、プラス及びマイナスの乱視レンズ
14、15の合成乱視のマイナス軸に対し、クロスシリ
ンダレンズ38のマイナス軸が平行になるようレンズ3
4を図8に示す如く回転させる。このとき、被検眼2か
ら見た像は図9の如く、左右に分離され、左側の像がク
ロスシリンダレンズ38を通した像である。図9の73
の像に対応する方向のランプ83を点灯させ、74の像
に対応する方向のランプ84を点滅させ、さらに乱視が
増加する方向のランプ81を点灯し、乱視が減る方向の
ランプ80を点滅させておく。検者は図11のランプ8
3、84を見ながら、被検眼に見える像の分離方向を判
断する。「右側の8の字と、左側の8の字とどちらが明
瞭に見えますか」と質問することができ、被検者が左と
答えた場合には、点灯している左側のランプ83と同じ
く点滅しているランプ80側にロータリエンコーダ48
を回す。右と答えた場合はロータリエンコーダ48をラ
ンプ81側に回す。このようにして、像73と74が同
じ程度になるまで乱視度数を修正する。 【0019】以上の例では、像の分離方向は上下及び左
右に及んだが、次のようにすることで像を左右方向にの
み分離することができる。なお、この場合は像分離方向
を示すランプは左右2つあれば足りる。すなわち、乱視
度数のクロスシリンダテストにおいて、プラス及びマイ
ナスの乱視レンズ14、15の合成乱視軸が45°〜1
35°の場合には、合成乱視軸に対し、クロスシリンダ
レンズ37のマイナス軸を一致させ、図11におけるラ
ンプ83側を点滅させ、ランプ84側を点灯させること
により、像を右側0°±45°の範囲、左側180°±
45°の範囲内に常に収めることができる。乱視軸のク
ロスシリンダテストにおいても、合成乱視軸が0°〜9
0°のときは、クロスシリンダレンズ37のマイナス軸
と合成乱視のマイナス軸に対し、反時計方向に45°の
角度でセットし、像分離方向を示す右側ランプを点滅さ
せ、左側ランプを点灯させ、また、80を点滅させ、8
1を点灯させる。合成乱視軸が90°〜180°のとき
は、クロスシリンダレンズ38のマイナス軸と合成乱視
のマイナス軸に対し、反時計方向に45°の角度でセッ
トし、左側ランプと80を点滅させ、右側ランプと81
を点灯させる。なお、以上の実施例ではコストのかから
ない装置として、ランプの点灯と点滅によって表示して
いるが、2色LED等での色の区別による表示でも良い
し、表示部に液晶表示CRTディスプレイ等を用い、文
字による指示を行うことにより、さらに使いやすくな
る。文字表示としては、例えば図12のように表示す
る。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
度数の異なる2種類のクロスシリンダテスト用レンズを
設けることにより、被検眼の状態に対応してクロスシリ
ンダテスト用レンズの度数を選択して検眼を行うことが
できるので、正確な精密乱視検査が可能となる。また、
乱視の精密検査におけるクロスシリンダテスト用レンズ
の反転、正転を検眼窓に挿入されたクロスシリンダテス
ト用レンズを90度回転することにより実現したので、
クロスシリンダテスト用レンズの数を必要最小限にし、
他の補助レンズとともに1つの補助レンズディスクに配
置することができる。これにより、クロスシリンダテス
ト用レンズを別個のレンズディスクに配置するのに比較
して装置構成を簡単にでき、装置の厚みも薄くして被検
眼の視野を広くとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自覚的屈折力検査装置本体の左側
測定ユニットを上側から見た断面図である。 【図2】補助レンズディスクBを被検眼側から見た図で
ある。 【図3】像を分離することにより同時比較が可能な自覚
的屈折力検査装置の説明図である。 【図4】本発明に係る自覚的屈折力検査装置の制御ブロ
ック図である。 【図5】補助レンズディスクAを被検眼側から見た図で
ある。 【図6】乱視軸のクロスシリンダテストの説明図であ
る。 【図7】乱視軸のクロスシリンダテスト時の被検眼から
見たチャート像の図である。 【図8】乱視度数のクロスシリンダテストの説明図であ
る。 【図9】乱視度数のクロスシリンダテスト時の被検眼か
ら見たチャート像の図である。 【図10】乱視軸のクロスシリンダテスト時における操
作部の外観図である。 【図11】乱視度数のクロスシリンダテスト時における
操作部の外観図である。 【図12】表示部に液晶表示CRTディスプレイ等を用
い、文字による指示を行う場合の文字表示の例を示した
図である。 【符号の説明】 4A、4B 補助レンズディスク 5 強球面レンズディスク 6 弱球面レンズディスク 12 プラス乱視レンズディスク 13 マイナス乱視レンズディスク 14、15 乱視レンズ 36 プリズム 37、38 クロスシリンダテスト用レンズ
測定ユニットを上側から見た断面図である。 【図2】補助レンズディスクBを被検眼側から見た図で
ある。 【図3】像を分離することにより同時比較が可能な自覚
的屈折力検査装置の説明図である。 【図4】本発明に係る自覚的屈折力検査装置の制御ブロ
ック図である。 【図5】補助レンズディスクAを被検眼側から見た図で
ある。 【図6】乱視軸のクロスシリンダテストの説明図であ
る。 【図7】乱視軸のクロスシリンダテスト時の被検眼から
見たチャート像の図である。 【図8】乱視度数のクロスシリンダテストの説明図であ
る。 【図9】乱視度数のクロスシリンダテスト時の被検眼か
ら見たチャート像の図である。 【図10】乱視軸のクロスシリンダテスト時における操
作部の外観図である。 【図11】乱視度数のクロスシリンダテスト時における
操作部の外観図である。 【図12】表示部に液晶表示CRTディスプレイ等を用
い、文字による指示を行う場合の文字表示の例を示した
図である。 【符号の説明】 4A、4B 補助レンズディスク 5 強球面レンズディスク 6 弱球面レンズディスク 12 プラス乱視レンズディスク 13 マイナス乱視レンズディスク 14、15 乱視レンズ 36 プリズム 37、38 クロスシリンダテスト用レンズ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.検眼窓をそれぞれ持つ左右の検眼ユニットを備え該
検眼窓に乱視レンズを含む光学素子を切換え配置して被
検眼の屈折力を自覚的に検査する検眼装置において、軸
が互いに直交する極性の異なる2枚の円柱レンズと光学
的に等価なクロスシリンダテスト用レンズであって、前
記検眼ユニット内の補助レンズを配置する補助レンズデ
ィスクにその軸がともに回転可能に保持されている、円
柱レンズの度数により区別される2種類のクロスシリン
ダテスト用レンズと、前記補助レンズディスクを駆動し
てクロスシリンダテスト用レンズを含む補助レンズの1
つを前記検眼窓内に移動する第1駆動手段と、前記クロ
スシリンダテスト用レンズの一つを前記検眼窓内に挿入
するように選択する補助レンズ選択手段と、該補助レン
ズ選択手段の選択に応答して前記第1駆動手段を動作さ
せる第1制御手段と、前記検眼窓内に挿入された前記ク
ロスシリンダテスト用レンズの軸を回転させる第2駆動
手段と、前記検眼窓内に挿入された前記クロスシリンダ
テスト用レンズの正転・反転を指示する正転・反転指示
スイッチと、前記検眼窓内の乱視レンズの乱視軸角度に
基づいて前記クロスシリンダテスト用レンズを回転させ
ると共に、前記正転・反転指示スイッチの指示に応答し
て前記検眼窓内に挿入された前記クロスシリンダテスト
用レンズの軸を90度回転させるように前記第2駆動手
段を制御する第2制御手段と、を有することを特徴とす
る検眼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8312720A JP2818150B2 (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 検眼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8312720A JP2818150B2 (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 検眼装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62179724A Division JP2740912B2 (ja) | 1987-07-16 | 1987-07-16 | 検眼装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09168512A JPH09168512A (ja) | 1997-06-30 |
JP2818150B2 true JP2818150B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=18032616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8312720A Expired - Lifetime JP2818150B2 (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 検眼装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2818150B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1331437C (zh) * | 2004-08-03 | 2007-08-15 | 温州医学院附属第二医院 | 显微定量角膜检查镜 |
JP4801967B2 (ja) * | 2005-11-01 | 2011-10-26 | 株式会社ニデック | 検眼装置 |
KR102135517B1 (ko) * | 2018-12-27 | 2020-07-17 | 신한대학교 산학협력단 | 난시 검사시표 |
-
1996
- 1996-11-07 JP JP8312720A patent/JP2818150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「眼科検査のすすめ方」 (S54−5−1) 医学書院 P.136−144 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09168512A (ja) | 1997-06-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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