JPH08311345A - 有機ポリシラン組成物、着色部材、着色部材の製造方法、及び液晶表示素子 - Google Patents
有機ポリシラン組成物、着色部材、着色部材の製造方法、及び液晶表示素子Info
- Publication number
- JPH08311345A JPH08311345A JP33894395A JP33894395A JPH08311345A JP H08311345 A JPH08311345 A JP H08311345A JP 33894395 A JP33894395 A JP 33894395A JP 33894395 A JP33894395 A JP 33894395A JP H08311345 A JPH08311345 A JP H08311345A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic
- colored
- compound film
- silicon
- coloring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/26—Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
- G03F7/265—Selective reaction with inorganic or organometallic reagents after image-wise exposure, e.g. silylation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L83/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L83/04—Polysiloxanes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G77/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G77/60—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/20—Filters
- G02B5/201—Filters in the form of arrays
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/075—Silicon-containing compounds
- G03F7/0754—Non-macromolecular compounds containing silicon-to-silicon bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K2323/00—Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
- C09K2323/03—Viewing layer characterised by chemical composition
- C09K2323/033—Silicon compound, e.g. glass or organosilicon
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Optical Filters (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 製造プロセスの短縮が可能で、かつ着色層の
耐久性や機械的強度が優れた高精細のカラーフィルタな
どの着色部材の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)〜(3)で表される繰
り返し単位を有する有機ポリシラン膜の所定の領域に紫
外線を照射した後、色素成分を含有する溶液に浸漬し、
次いで膜を加熱乾燥して三次元化せしめることをR,
G,Bについて繰り返す。こうして、Si−C結合を1
個のみ有するケイ素原子がSi−O−Si結合で三次元
化されてなるケイ素マトリックス中に、夫々R,G,B
3色の色素成分が含有されてなる複数の着色領域が形成
された着色層を備えたカラーフィルタを作製する。 ここで、R1 は置換又は非置換の炭化水素基、R2 は置
換もしくは非置換の炭化水素基又はアシル基、R3 は置
換もしくは非置換のシリル基又はポリシラン骨格であ
る。
耐久性や機械的強度が優れた高精細のカラーフィルタな
どの着色部材の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)〜(3)で表される繰
り返し単位を有する有機ポリシラン膜の所定の領域に紫
外線を照射した後、色素成分を含有する溶液に浸漬し、
次いで膜を加熱乾燥して三次元化せしめることをR,
G,Bについて繰り返す。こうして、Si−C結合を1
個のみ有するケイ素原子がSi−O−Si結合で三次元
化されてなるケイ素マトリックス中に、夫々R,G,B
3色の色素成分が含有されてなる複数の着色領域が形成
された着色層を備えたカラーフィルタを作製する。 ここで、R1 は置換又は非置換の炭化水素基、R2 は置
換もしくは非置換の炭化水素基又はアシル基、R3 は置
換もしくは非置換のシリル基又はポリシラン骨格であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ポリシラン組
成物、カラーフィルタなどの着色部材とその製造方法お
よびカラーフィルタを具備する液晶表示素子に関する。
成物、カラーフィルタなどの着色部材とその製造方法お
よびカラーフィルタを具備する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】以前より、液晶表示素子は、小型のフラ
ットパネルディスプレイや電卓、時計、自動車用ディス
プレイ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイなどに
広く使用されており、また、小型液晶テレビに代表され
る動画ディスプレイもすでに製品化されている。一方、
近年では、フルカラーディスプレイの需要が急速な伸び
を示しており、フルカラーディスプレイの要素部品であ
るカラーフィルタの開発が活発に進められている。
ットパネルディスプレイや電卓、時計、自動車用ディス
プレイ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイなどに
広く使用されており、また、小型液晶テレビに代表され
る動画ディスプレイもすでに製品化されている。一方、
近年では、フルカラーディスプレイの需要が急速な伸び
を示しており、フルカラーディスプレイの要素部品であ
るカラーフィルタの開発が活発に進められている。
【0003】これまで上述したようなカラーフィルタ
は、一般にR、G、Bの3色について、それぞれ色素成
分を含有するネガ型レジスト膜を基板上に形成し、パタ
ーン光を照射して所定の領域を選択的に硬化させた後、
未硬化部を現像・除去することで作製されている。しか
るにこの場合、R、G、B用の3種類のレジストが必要
となり、しかも成膜、露光、現像の工程を3度繰返さな
くてはならず、工程数が多く製造プロセスが煩雑である
という問題点があった。
は、一般にR、G、Bの3色について、それぞれ色素成
分を含有するネガ型レジスト膜を基板上に形成し、パタ
ーン光を照射して所定の領域を選択的に硬化させた後、
未硬化部を現像・除去することで作製されている。しか
るにこの場合、R、G、B用の3種類のレジストが必要
となり、しかも成膜、露光、現像の工程を3度繰返さな
くてはならず、工程数が多く製造プロセスが煩雑である
という問題点があった。
【0004】また最近、有機ポリシランに紫外線を照射
した後、染料の溶液に浸漬させれば、光酸化された紫外
線照射部の有機ポリシラン膜を選択的に着色できること
が報告されており(Yokoyama et al,Chemistry Letter
s,1563-1566,1991 )、これを利用してカラーフィルタ
を作製することも試みられている。例えば、特開平5−
188215号には、下記一般式(4)で表わされる有
機ポリシランの膜を基板上に形成した後、選択的な紫外
線の照射と染料の溶液への浸漬をR,G,Bの3色につ
いて繰り返すカラーフィルタの製造方法が開示されてい
る。
した後、染料の溶液に浸漬させれば、光酸化された紫外
線照射部の有機ポリシラン膜を選択的に着色できること
が報告されており(Yokoyama et al,Chemistry Letter
s,1563-1566,1991 )、これを利用してカラーフィルタ
を作製することも試みられている。例えば、特開平5−
188215号には、下記一般式(4)で表わされる有
機ポリシランの膜を基板上に形成した後、選択的な紫外
線の照射と染料の溶液への浸漬をR,G,Bの3色につ
いて繰り返すカラーフィルタの製造方法が開示されてい
る。
【0005】
【化3】
【0006】上記式中、R4 ,R5 ,R6 およびR7
は、置換または非置換の炭化水素基であり、mおよびn
は整数である。すなわちこのようなカラーフィルタの製
造方法によれば、現像の工程が一切不要となり、しかも
成膜は1度だけ行なわれれば足りるので、色素成分を含
有するネガ型レジスト膜を用いる通常の方法に比べ、製
造プロセスを著しく簡略化することができる。また、
R,G,Bの3色について成膜が一括して行なわれるの
で、得られる着色層の表面が平坦で高精細なカラーフィ
ルタを作製することが可能である。しかしながら、ここ
で用いられる上記一般式で表される有機ポリシランにお
いては、紫外線照射部に染料などが吸着する速度が遅く
着色に当って長時間を要し、さらに着色層の耐久性や機
械的強度も不十分であった。
は、置換または非置換の炭化水素基であり、mおよびn
は整数である。すなわちこのようなカラーフィルタの製
造方法によれば、現像の工程が一切不要となり、しかも
成膜は1度だけ行なわれれば足りるので、色素成分を含
有するネガ型レジスト膜を用いる通常の方法に比べ、製
造プロセスを著しく簡略化することができる。また、
R,G,Bの3色について成膜が一括して行なわれるの
で、得られる着色層の表面が平坦で高精細なカラーフィ
ルタを作製することが可能である。しかしながら、ここ
で用いられる上記一般式で表される有機ポリシランにお
いては、紫外線照射部に染料などが吸着する速度が遅く
着色に当って長時間を要し、さらに着色層の耐久性や機
械的強度も不十分であった。
【0007】上述したように、色素成分を含有するネガ
型レジスト膜を成膜、露光、現像して着色層を形成する
従来のカラーフィルタの製造方法は、製造プロセスが煩
雑であるためその簡略化が望まれていた。一方このよう
なネガ型レジスト膜の代わりに特定の有機ポリシランを
用い、有機ポリシラン膜の紫外線照射部を選択的に着色
することで現像の工程を不要化した技術も提案されてい
るが、有機ポリシランが十分に着色されるまでの時間が
長く、かつ得られる着色層の耐久性や機械的強度も劣る
という問題があった。
型レジスト膜を成膜、露光、現像して着色層を形成する
従来のカラーフィルタの製造方法は、製造プロセスが煩
雑であるためその簡略化が望まれていた。一方このよう
なネガ型レジスト膜の代わりに特定の有機ポリシランを
用い、有機ポリシラン膜の紫外線照射部を選択的に着色
することで現像の工程を不要化した技術も提案されてい
るが、有機ポリシランが十分に着色されるまでの時間が
長く、かつ得られる着色層の耐久性や機械的強度も劣る
という問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
を解決して、製造プロセスの短縮が可能で、かつ着色層
の耐久性や機械的強度が優れた高精細のカラーフィルタ
など着色部材とその製造方法、およびこのようなカラー
フィルタを具備する液晶表示素子を提供することを目的
とする。また、本発明は、着色層の耐久性や機械的強度
が優れた着色部材を、短縮されたプロセスで製造可能な
有機ポリシラン組成物を提供することを目的とする。
を解決して、製造プロセスの短縮が可能で、かつ着色層
の耐久性や機械的強度が優れた高精細のカラーフィルタ
など着色部材とその製造方法、およびこのようなカラー
フィルタを具備する液晶表示素子を提供することを目的
とする。また、本発明は、着色層の耐久性や機械的強度
が優れた着色部材を、短縮されたプロセスで製造可能な
有機ポリシラン組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、有機ポリシランの光酸化物を主体
としたケイ素系マトリックス中に色素成分が含有されて
なる着色層を備えた着色部材において、ケイ素系マトリ
ックス中の全ケイ素原子のうち有機残基との結合手を1
本のみ有するケイ素原子数が5at%以上に設定されて
いる着色部材を提供する。換言すれば本発明の着色部材
は、Si−C結合を1個のみ有するケイ素原子がSi−
O−Si結合で三次元化されてなるケイ素系マトリック
ス中に色素成分を含有せしめて、着色層を形成したとい
うものである。
になされた本発明は、有機ポリシランの光酸化物を主体
としたケイ素系マトリックス中に色素成分が含有されて
なる着色層を備えた着色部材において、ケイ素系マトリ
ックス中の全ケイ素原子のうち有機残基との結合手を1
本のみ有するケイ素原子数が5at%以上に設定されて
いる着色部材を提供する。換言すれば本発明の着色部材
は、Si−C結合を1個のみ有するケイ素原子がSi−
O−Si結合で三次元化されてなるケイ素系マトリック
ス中に色素成分を含有せしめて、着色層を形成したとい
うものである。
【0010】また本発明は、下記一般式(1)〜(3)
で表される繰返し単位を5%以上有する有機ポリシラン
を主体とした有機ケイ素化合物膜を形成する成膜工程
と、得られた有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線
を照射する露光工程と、露光後の有機ケイ素化合物膜
を、色素成分を含有する溶液に浸漬する着色工程と、所
定の領域が着色された有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥す
る三次元化工程とを有する着色部材の製造方法を提供す
る。
で表される繰返し単位を5%以上有する有機ポリシラン
を主体とした有機ケイ素化合物膜を形成する成膜工程
と、得られた有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線
を照射する露光工程と、露光後の有機ケイ素化合物膜
を、色素成分を含有する溶液に浸漬する着色工程と、所
定の領域が着色された有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥す
る三次元化工程とを有する着色部材の製造方法を提供す
る。
【0011】
【化4】
【0012】上記式中、R1 は置換または非置換の炭化
水素基、R2 は置換もしくは非置換の炭化水素基または
アシル基、R3 は置換もしくは非置換のシリル基または
ポリシラン骨格である。
水素基、R2 は置換もしくは非置換の炭化水素基または
アシル基、R3 は置換もしくは非置換のシリル基または
ポリシラン骨格である。
【0013】さらに、本発明は、対向する1対の透明基
板と、これら1対の透明基板のそれぞれの主面上に互い
に対向するように形成された透明電極と、この透明電極
を介して1対の透明基板間に封入された液晶とを備え、
いずれか一方の透明基板とこの透明基板の主面上に形成
された透明電極との間にカラーフィルタを具備し、前記
カラーフィルタは、有機ポリシランの光酸化物を主体と
したケイ素系マトリックス中に色素成分が含有されてな
る着色層を有し、ケイ素系マトリックス中の全ケイ素原
子のうち有機残基との結合手を1本のみ有するケイ素原
子数が5at%以上に設定されている着色部材である液
晶表示素子を提供する。
板と、これら1対の透明基板のそれぞれの主面上に互い
に対向するように形成された透明電極と、この透明電極
を介して1対の透明基板間に封入された液晶とを備え、
いずれか一方の透明基板とこの透明基板の主面上に形成
された透明電極との間にカラーフィルタを具備し、前記
カラーフィルタは、有機ポリシランの光酸化物を主体と
したケイ素系マトリックス中に色素成分が含有されてな
る着色層を有し、ケイ素系マトリックス中の全ケイ素原
子のうち有機残基との結合手を1本のみ有するケイ素原
子数が5at%以上に設定されている着色部材である液
晶表示素子を提供する。
【0014】またさらに、本発明は、上記一般式(1)
で表される繰返し単位を有する有機ポリシラン、および
ラジカル発生剤を含有する有機ポリシラン組成物を提供
する。
で表される繰返し単位を有する有機ポリシラン、および
ラジカル発生剤を含有する有機ポリシラン組成物を提供
する。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表さ
れる繰返し単位を有する有機ポリシランの膜は、上記一
般式(4)で表される有機ポリシランと同様に、その所
定の領域に紫外線を照射した後、色素成分を含有する溶
液に浸漬すると、紫外線照射部が選択的に着色される。
すなわち一般に有機ポリシランは、紫外線のエネルギー
を吸収すると、Si−Si結合が切断された後、大気中
の酸素や水分などを取り込んで酸化され、1個のケイ素
原子につき2個のシラノール性水酸基を生成し得るの
で、有機ポリシラン膜の紫外線照射部には、このシラノ
ール性水酸基と色素成分との相互作用に基づき色素成分
が吸着される。
用いられる上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表さ
れる繰返し単位を有する有機ポリシランの膜は、上記一
般式(4)で表される有機ポリシランと同様に、その所
定の領域に紫外線を照射した後、色素成分を含有する溶
液に浸漬すると、紫外線照射部が選択的に着色される。
すなわち一般に有機ポリシランは、紫外線のエネルギー
を吸収すると、Si−Si結合が切断された後、大気中
の酸素や水分などを取り込んで酸化され、1個のケイ素
原子につき2個のシラノール性水酸基を生成し得るの
で、有機ポリシラン膜の紫外線照射部には、このシラノ
ール性水酸基と色素成分との相互作用に基づき色素成分
が吸着される。
【0016】さらに本発明において、上記一般式(1)
〜(3)のいずれかで表される繰返し単位を有する有機
ポリシランは、その側鎖でケイ素原子と直接結合した水
素原子、アルコキシ基もしくはアシロキシ基あるいはシ
リル基もまた、紫外線を照射することでシラノール性水
酸基に変化する。したがって紫外線に対する感度が高ま
るとともに、1個のケイ素原子につき3個のシラノール
性水酸基を生成させることができるので、結果的に色素
成分が吸着される速度が著しく速められ、着色に要する
時間の大幅な短縮が可能となる。
〜(3)のいずれかで表される繰返し単位を有する有機
ポリシランは、その側鎖でケイ素原子と直接結合した水
素原子、アルコキシ基もしくはアシロキシ基あるいはシ
リル基もまた、紫外線を照射することでシラノール性水
酸基に変化する。したがって紫外線に対する感度が高ま
るとともに、1個のケイ素原子につき3個のシラノール
性水酸基を生成させることができるので、結果的に色素
成分が吸着される速度が著しく速められ、着色に要する
時間の大幅な短縮が可能となる。
【0017】またここで用いられる有機ポリシランは、
紫外線を照射することで上述したような繰返し単位中の
ケイ素原子1個について3個のシラノール性水酸基が生
成するので、その光酸化物であるSi−O−Si結合の
三次元構造を有するケイ素系マトリックスにおいて、こ
のケイ素原子の4本の結合手中1本が有機残基と結合
し、残りの3本はSi−O−Si結合に供される。すな
わち、1個のSi−C結合を有するケイ素原子が、Si
−O−Si結合で三次元化された構造のケイ素系マトリ
ックスを形成することができ、ひいてはケイ素系マトリ
ックス中に色素成分が含有されてなる着色層の耐久性や
機械的強度が高められる。このとき、1個のSi−C結
合を有するケイ素原子でケイ素系マトリックスが形成さ
れると着色層の耐久性や機械的強度が高められる理由
は、次のとおりである。すなわち、2個以上のSi−C
結合を有するケイ素原子では、本質的にSi−O−Si
結合の三次元構造が得られず、またケイ素原子がSi−
C結合を有さずその4本の結合手が全てSi−O−Si
結合に供されると、形成されるケイ素系マトリックスの
可撓性が低下するからである。
紫外線を照射することで上述したような繰返し単位中の
ケイ素原子1個について3個のシラノール性水酸基が生
成するので、その光酸化物であるSi−O−Si結合の
三次元構造を有するケイ素系マトリックスにおいて、こ
のケイ素原子の4本の結合手中1本が有機残基と結合
し、残りの3本はSi−O−Si結合に供される。すな
わち、1個のSi−C結合を有するケイ素原子が、Si
−O−Si結合で三次元化された構造のケイ素系マトリ
ックスを形成することができ、ひいてはケイ素系マトリ
ックス中に色素成分が含有されてなる着色層の耐久性や
機械的強度が高められる。このとき、1個のSi−C結
合を有するケイ素原子でケイ素系マトリックスが形成さ
れると着色層の耐久性や機械的強度が高められる理由
は、次のとおりである。すなわち、2個以上のSi−C
結合を有するケイ素原子では、本質的にSi−O−Si
結合の三次元構造が得られず、またケイ素原子がSi−
C結合を有さずその4本の結合手が全てSi−O−Si
結合に供されると、形成されるケイ素系マトリックスの
可撓性が低下するからである。
【0018】なお本発明の着色部材における着色層は、
Si−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素系マト
リックスにおいて、Si−C結合を1個有するケイ素原
子が、全ケイ素原子中5at%以上、好ましくは25a
t%以上、より好ましくは50at%以上含有されてい
れば、これとは異なる個数のSi−C結合を有するケイ
素原子が含有されていてもよい。ここで、ケイ素系マト
リックス中のケイ素原子が有するこのようなSi−C結
合の個数については、着色層を10wt%NaOH水溶
液などのアルカリ溶液に好ましくは加熱下溶解し、次い
で、溶液を弱酸性条件にして、エーテルで色素成分と分
離・抽出した後、高速液体クロマトグラフまたはガスク
ロマトグラフにより分析することができる。具体的に
は、NMRなどでケイ素原子と結合した有機残基種を同
定した後、同じ有機残基種との結合手を0〜4本有する
シラノールを標準試料として分析し、続いて着色層を溶
解することで得られたシラノールの溶液を同様にして分
析して対比させればよい。また、着色層の表面を直接I
RあるいはXPSで分析してもよく、いずれの場合もク
ロマトグラフにおけるピークまたはスペクトルのピーク
の積分値を求めることによって、ケイ素系マトリックス
中のSi−C結合を1個有するケイ素原子の定量的な分
析が可能である。
Si−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素系マト
リックスにおいて、Si−C結合を1個有するケイ素原
子が、全ケイ素原子中5at%以上、好ましくは25a
t%以上、より好ましくは50at%以上含有されてい
れば、これとは異なる個数のSi−C結合を有するケイ
素原子が含有されていてもよい。ここで、ケイ素系マト
リックス中のケイ素原子が有するこのようなSi−C結
合の個数については、着色層を10wt%NaOH水溶
液などのアルカリ溶液に好ましくは加熱下溶解し、次い
で、溶液を弱酸性条件にして、エーテルで色素成分と分
離・抽出した後、高速液体クロマトグラフまたはガスク
ロマトグラフにより分析することができる。具体的に
は、NMRなどでケイ素原子と結合した有機残基種を同
定した後、同じ有機残基種との結合手を0〜4本有する
シラノールを標準試料として分析し、続いて着色層を溶
解することで得られたシラノールの溶液を同様にして分
析して対比させればよい。また、着色層の表面を直接I
RあるいはXPSで分析してもよく、いずれの場合もク
ロマトグラフにおけるピークまたはスペクトルのピーク
の積分値を求めることによって、ケイ素系マトリックス
中のSi−C結合を1個有するケイ素原子の定量的な分
析が可能である。
【0019】さらに本発明では、上述したようなSi−
C結合を1個有するケイ素原子について、残りの3本の
結合手が必ずしもSi−O−Si結合に供されていなく
てもよく、例えば有機ポリシランの主鎖のSi−Si結
合が多少残留されていても構わない。また、有機ポリシ
ランを光酸化することで形成されたケイ素系マトリック
スに何等限定されるものでもなく、要はSi−O−Si
結合の三次元構造を有するケイ素系マトリックスの全ケ
イ素原子中、Si−C結合を1個有するケイ素原子が5
at%以上含有されていれば、上述したとおり高い耐久
性および機械的強度を有する着色層を得ることができ
る。
C結合を1個有するケイ素原子について、残りの3本の
結合手が必ずしもSi−O−Si結合に供されていなく
てもよく、例えば有機ポリシランの主鎖のSi−Si結
合が多少残留されていても構わない。また、有機ポリシ
ランを光酸化することで形成されたケイ素系マトリック
スに何等限定されるものでもなく、要はSi−O−Si
結合の三次元構造を有するケイ素系マトリックスの全ケ
イ素原子中、Si−C結合を1個有するケイ素原子が5
at%以上含有されていれば、上述したとおり高い耐久
性および機械的強度を有する着色層を得ることができ
る。
【0020】同様に、本発明で用いられる上記一般式
(1)〜(3)のいずれかで表される繰返し単位を有す
る有機ポリシランについても、この繰返し単位のみから
なるホモポリマーに特に限定されない。例えば、下記一
般式(5)で表されるような他の繰返し単位とのコポリ
マーであっても何等差し支えなく、要は有機溶媒に可溶
で、ある程度透光性を有する均一な膜を形成できるもの
であればよい。ただし、一般式(1)〜(3)のいずれ
かで表される繰返し単位が少なすぎると、着色の工程に
おける色素成分の吸着速度が遅くなり、かつ得られる着
色層の耐久性や機械的強度も低下するので、一般式
(1)〜(3)のいずれかで表される繰返し単位を5%
以上、好ましくは25%以上、より好ましくは50%以
上有する必要がある。
(1)〜(3)のいずれかで表される繰返し単位を有す
る有機ポリシランについても、この繰返し単位のみから
なるホモポリマーに特に限定されない。例えば、下記一
般式(5)で表されるような他の繰返し単位とのコポリ
マーであっても何等差し支えなく、要は有機溶媒に可溶
で、ある程度透光性を有する均一な膜を形成できるもの
であればよい。ただし、一般式(1)〜(3)のいずれ
かで表される繰返し単位が少なすぎると、着色の工程に
おける色素成分の吸着速度が遅くなり、かつ得られる着
色層の耐久性や機械的強度も低下するので、一般式
(1)〜(3)のいずれかで表される繰返し単位を5%
以上、好ましくは25%以上、より好ましくは50%以
上有する必要がある。
【0021】
【化5】
【0022】上記式中、R8 、R9 は、置換または非置
換の炭化水素基である。ここで、上記一般式(1)〜
(3)および一般式(5)中のR1 ,R2 ,R8および
R9 として導入される炭化水素基は、脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基であれば
よく、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラ
ニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、およびアル
キル基などが挙げられる。さらにこれらはハロゲン原子
やエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合など
を有する特性基、水酸基、チオール基、カルボン酸基な
どの親水性基で置換されていてもよい。一方、上記一般
式(2)中のR2 については、一般的なメチル基、エチ
ル基などでもよいが、貯蔵安定性の観点からイソプロピ
ル基、ターシャリブチル基が特に好ましい。また、この
ような有機ポリシランは直線状の一次元ポリマーであっ
てもよいが、上記一般式(3)中のR3 がポリシラン骨
格である繰り返し単位を有する有機ポリシランは、その
主鎖がSi−Si結合を介して部分的に架橋された網目
状ポリマーであるため、成膜、露光後の着色工程におい
て色素成分を含有する溶液に浸漬された際、膜の溶出が
抑えられる点で好ましい。以下に、本発明で用いられ得
る有機ポリシランの具体例を示す。
換の炭化水素基である。ここで、上記一般式(1)〜
(3)および一般式(5)中のR1 ,R2 ,R8および
R9 として導入される炭化水素基は、脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基であれば
よく、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラ
ニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、およびアル
キル基などが挙げられる。さらにこれらはハロゲン原子
やエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合など
を有する特性基、水酸基、チオール基、カルボン酸基な
どの親水性基で置換されていてもよい。一方、上記一般
式(2)中のR2 については、一般的なメチル基、エチ
ル基などでもよいが、貯蔵安定性の観点からイソプロピ
ル基、ターシャリブチル基が特に好ましい。また、この
ような有機ポリシランは直線状の一次元ポリマーであっ
てもよいが、上記一般式(3)中のR3 がポリシラン骨
格である繰り返し単位を有する有機ポリシランは、その
主鎖がSi−Si結合を介して部分的に架橋された網目
状ポリマーであるため、成膜、露光後の着色工程におい
て色素成分を含有する溶液に浸漬された際、膜の溶出が
抑えられる点で好ましい。以下に、本発明で用いられ得
る有機ポリシランの具体例を示す。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】式中、n,m,kは重合度を示す。これら
の中で式中PSで表されるポリシラン骨格を有するもの
が、主鎖がSi−Si結合を介して部分的に架橋された
網目状ポリマーの有機ポリシランである。なお本発明で
用いられる有機ポリシランは、同様に着色の工程におけ
る膜の溶出を抑制する観点から、Si−Si結合以外の
結合を介して主鎖が部分的に架橋されていてもよい。
の中で式中PSで表されるポリシラン骨格を有するもの
が、主鎖がSi−Si結合を介して部分的に架橋された
網目状ポリマーの有機ポリシランである。なお本発明で
用いられる有機ポリシランは、同様に着色の工程におけ
る膜の溶出を抑制する観点から、Si−Si結合以外の
結合を介して主鎖が部分的に架橋されていてもよい。
【0036】すなわち、本発明で用いられる有機ポリシ
ランの主鎖が部分的に架橋されていると、上述したよう
に着色の工程における膜の溶出が抑えられることで、得
られる着色層における表面の凹凸に起因する色ムラなど
を抑制することができ、かつ着色層の耐久性なども向上
し得る。Si−Si結合以外の結合を介して主鎖を部分
的に架橋させる場合、架橋剤として多官能性シリコーン
化合物や一分子中に複数の二重結合あるいは三重結合を
有する化合物を、必要に応じて架橋反応の触媒とともに
有機ポリシランに配合し、成膜の前または成膜の後加熱
あるいは光照射などで架橋反応を進めればよい。なお、
着色の工程における膜の溶出を抑えることを考慮する
と、架橋反応は着色工程に先立って行なわれる必要があ
るが、単に着色層の耐久性を向上させるうえでは、着色
工程の後に架橋反応が行なわれても構わない。
ランの主鎖が部分的に架橋されていると、上述したよう
に着色の工程における膜の溶出が抑えられることで、得
られる着色層における表面の凹凸に起因する色ムラなど
を抑制することができ、かつ着色層の耐久性なども向上
し得る。Si−Si結合以外の結合を介して主鎖を部分
的に架橋させる場合、架橋剤として多官能性シリコーン
化合物や一分子中に複数の二重結合あるいは三重結合を
有する化合物を、必要に応じて架橋反応の触媒とともに
有機ポリシランに配合し、成膜の前または成膜の後加熱
あるいは光照射などで架橋反応を進めればよい。なお、
着色の工程における膜の溶出を抑えることを考慮する
と、架橋反応は着色工程に先立って行なわれる必要があ
るが、単に着色層の耐久性を向上させるうえでは、着色
工程の後に架橋反応が行なわれても構わない。
【0037】また、本発明において上述したような有機
ポリシランは、その重量平均分子量が 2,000〜100,000,
000 であることが好ましい。何となれば重量平均分子量
が 2,000未満だと、成膜後の着色の工程で膜が部分的に
色素成分を含有する溶液中に溶出して着色層の表面平坦
性が損なわれるおそれがあり、逆に重量平均分子量が10
0,000,000 を越えると、有機ポリシランの溶媒可溶性が
低下して成膜が困難となるからである。
ポリシランは、その重量平均分子量が 2,000〜100,000,
000 であることが好ましい。何となれば重量平均分子量
が 2,000未満だと、成膜後の着色の工程で膜が部分的に
色素成分を含有する溶液中に溶出して着色層の表面平坦
性が損なわれるおそれがあり、逆に重量平均分子量が10
0,000,000 を越えると、有機ポリシランの溶媒可溶性が
低下して成膜が困難となるからである。
【0038】このような有機ポリシランは、ナトリウム
触媒共存下でのR1 SiHCl2 、R1 Si(OR2 )
Cl2 あるいはR1 SiCl3 の還元的カップリング反
応、電解重合などによって直接合成され得る。なお上述
した通りコポリマーを合成してもよく、例えば還元的カ
ップリング反応によって合成する場合、R8 R9 SiC
l2 と共重合させればよい。また重合度を制御する観点
から、R1 SiHACl、R1 Si(OR2 )ACl
(ただしAは末端基を示す。)などを適宜共重合させて
もよい。ただし還元的カップリング反応で有機ポリシラ
ンを合成すると、ナトリウム触媒がイオン性不純物とな
って有機ポリシラン中に残留するため、この有機ポリシ
ランおよび色素成分を用いて作製した着色部材を液晶表
示素子のカラーフィルタに適用するような場合は、素子
の性能低下を招くことがある。
触媒共存下でのR1 SiHCl2 、R1 Si(OR2 )
Cl2 あるいはR1 SiCl3 の還元的カップリング反
応、電解重合などによって直接合成され得る。なお上述
した通りコポリマーを合成してもよく、例えば還元的カ
ップリング反応によって合成する場合、R8 R9 SiC
l2 と共重合させればよい。また重合度を制御する観点
から、R1 SiHACl、R1 Si(OR2 )ACl
(ただしAは末端基を示す。)などを適宜共重合させて
もよい。ただし還元的カップリング反応で有機ポリシラ
ンを合成すると、ナトリウム触媒がイオン性不純物とな
って有機ポリシラン中に残留するため、この有機ポリシ
ランおよび色素成分を用いて作製した着色部材を液晶表
示素子のカラーフィルタに適用するような場合は、素子
の性能低下を招くことがある。
【0039】さらに、上記一般式(1)または(3)で
表される繰返し単位を有する有機ポリシランについて
は、チタンあるいはジルコニウム触媒共存下でのR1 S
iH3の脱水素反応でも直接合成することが可能であ
る。また、このようにして合成された一般式(1)で表
される繰返し単位を有する有機ポリシランに対し、カル
ボニル化合物をラジカル的に付加させれば、一般式
(2)で表される繰返し単位を有する有機ポリシランを
合成でき、高温での加熱処理を施せば一般式(3)で表
される繰返し単位を有する有機ポリシランを合成するこ
とも可能である。なお、一般式(3)で表される繰返し
単位を有する有機ポリシランのように、主鎖がSi−S
i結合を介して部分的に架橋された網目状ポリマーは、
酸性あるいは塩基性化合物、または加熱や光照射で酸性
あるいは塩基性化合物をトリガとして発生させる化合物
を対応する直線状の一次元ポリマーに配合して、これら
を触媒として直線状の一次元ポリマーの架橋を進めるこ
とでも合成することができる。
表される繰返し単位を有する有機ポリシランについて
は、チタンあるいはジルコニウム触媒共存下でのR1 S
iH3の脱水素反応でも直接合成することが可能であ
る。また、このようにして合成された一般式(1)で表
される繰返し単位を有する有機ポリシランに対し、カル
ボニル化合物をラジカル的に付加させれば、一般式
(2)で表される繰返し単位を有する有機ポリシランを
合成でき、高温での加熱処理を施せば一般式(3)で表
される繰返し単位を有する有機ポリシランを合成するこ
とも可能である。なお、一般式(3)で表される繰返し
単位を有する有機ポリシランのように、主鎖がSi−S
i結合を介して部分的に架橋された網目状ポリマーは、
酸性あるいは塩基性化合物、または加熱や光照射で酸性
あるいは塩基性化合物をトリガとして発生させる化合物
を対応する直線状の一次元ポリマーに配合して、これら
を触媒として直線状の一次元ポリマーの架橋を進めるこ
とでも合成することができる。
【0040】ここで、ジルコニウム触媒を用いた脱水素
反応を経て合成された有機ポリシランは、イオン性不純
物が全く含有されないばかりか、ポリマー末端でケイ素
原子と結合したシラノール性水酸基が生成されることも
なく、成膜、露光後の着色の工程において紫外線照射部
以外の領域への色素成分の吸着を有効に抑えることがで
きる。なかでも、ジルコニウム触媒を用いた脱水素反応
を経て合成された下記一般式(6)で表される有機ポリ
シランは、工業的な合成プロセスの簡便性、経済性の点
で特に有利である。
反応を経て合成された有機ポリシランは、イオン性不純
物が全く含有されないばかりか、ポリマー末端でケイ素
原子と結合したシラノール性水酸基が生成されることも
なく、成膜、露光後の着色の工程において紫外線照射部
以外の領域への色素成分の吸着を有効に抑えることがで
きる。なかでも、ジルコニウム触媒を用いた脱水素反応
を経て合成された下記一般式(6)で表される有機ポリ
シランは、工業的な合成プロセスの簡便性、経済性の点
で特に有利である。
【0041】
【化18】
【0042】上記式中、nは重合度を示す。以上説明し
た一般式(1)〜(3)のいずれかで表わされる繰返し
単位を有する有機ポリシランは、その成膜に際して単独
で有機溶媒中に溶解させて溶液として使用され得るが、
本発明は、これに限定されるものではない。
た一般式(1)〜(3)のいずれかで表わされる繰返し
単位を有する有機ポリシランは、その成膜に際して単独
で有機溶媒中に溶解させて溶液として使用され得るが、
本発明は、これに限定されるものではない。
【0043】例えば、本発明の着色部材の製造方法にお
いては、一般式(1)で表される繰返し単位を有する有
機ポリシランと、ラジカル発生剤とを有機溶媒に溶解せ
しめてなる有機ポリシラン組成物の溶液を用いて、有機
ケイ素化合物膜を成膜することができる。この有機ポリ
シラン組成物は、さらに、1分子中に少なくとも2個の
不飽和結合を有する有機化合物を含有していてもよい。
いては、一般式(1)で表される繰返し単位を有する有
機ポリシランと、ラジカル発生剤とを有機溶媒に溶解せ
しめてなる有機ポリシラン組成物の溶液を用いて、有機
ケイ素化合物膜を成膜することができる。この有機ポリ
シラン組成物は、さらに、1分子中に少なくとも2個の
不飽和結合を有する有機化合物を含有していてもよい。
【0044】以下に、こうした有機ポリシラン組成物を
用いた着色部材の製造方法について詳細に説明する。ま
ず、ここでの有機ポリシランとしては、好ましくは、下
記一般式(7)で表される繰返し単位を有する有機ポリ
シランが挙げられる。これは、下記一般式(7)中のR
1 が例えばアルキル基だと、有機ケイ素化合物膜を成膜
した際に、有機ポリシランの主鎖の架橋が過度に進行し
て、ひいてはその紫外線に対する感度が低下するおそれ
があるためである。
用いた着色部材の製造方法について詳細に説明する。ま
ず、ここでの有機ポリシランとしては、好ましくは、下
記一般式(7)で表される繰返し単位を有する有機ポリ
シランが挙げられる。これは、下記一般式(7)中のR
1 が例えばアルキル基だと、有機ケイ素化合物膜を成膜
した際に、有機ポリシランの主鎖の架橋が過度に進行し
て、ひいてはその紫外線に対する感度が低下するおそれ
があるためである。
【0045】
【化19】
【0046】上記一般式(7)中、Arは置換または非
置換のフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、お
よびアントラニル基からなる群から選択された基であ
る。一方、このような有機ポリシランに対し配合される
ラジカル発生剤としては、アゾビス(イソブチロニトリ
ル)(AIBN)、クミルペルオキシド、ベンゾイルペ
ルオキシド、トリフェニルシリルブチルペルオキシド、
およびトリメチルシリルペルオキシドなどが挙げられ
る。また、不飽和結合を有する化合物とは、ラジカル的
にSi−H結合と反応する化合物であり、アクリル基、
メタクリル基、ビニル基、アセチル基、カルボニル基な
どを有する化合物が挙げられる。具体的には、ポリブタ
ジエン、ジアクリフタレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、メタ
ペニレンビスマレイミド、トリアリルシアヌレート、メ
タクリル化エポキシ樹脂、トリフルオロエチルメタクリ
レート、およびCHO(CH2 )4 CHOなどが有効で
ある。
置換のフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、お
よびアントラニル基からなる群から選択された基であ
る。一方、このような有機ポリシランに対し配合される
ラジカル発生剤としては、アゾビス(イソブチロニトリ
ル)(AIBN)、クミルペルオキシド、ベンゾイルペ
ルオキシド、トリフェニルシリルブチルペルオキシド、
およびトリメチルシリルペルオキシドなどが挙げられ
る。また、不飽和結合を有する化合物とは、ラジカル的
にSi−H結合と反応する化合物であり、アクリル基、
メタクリル基、ビニル基、アセチル基、カルボニル基な
どを有する化合物が挙げられる。具体的には、ポリブタ
ジエン、ジアクリフタレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、メタ
ペニレンビスマレイミド、トリアリルシアヌレート、メ
タクリル化エポキシ樹脂、トリフルオロエチルメタクリ
レート、およびCHO(CH2 )4 CHOなどが有効で
ある。
【0047】具体的には、これら有機ポリシランとラジ
カル発生剤、さらに場合によっては複数の不飽和結合を
有する有機化合物を含有する有機ポリシラン組成物の溶
液を基板上に塗布した後、加熱乾燥して膜中の有機ポリ
シランを部分的に架橋させる。次いで、上述したような
紫外線の照射、色素成分を含有する溶液への浸漬、三次
元安定化のための熱処理を施すことによって、容易に本
発明の着色部材を作製することができる。
カル発生剤、さらに場合によっては複数の不飽和結合を
有する有機化合物を含有する有機ポリシラン組成物の溶
液を基板上に塗布した後、加熱乾燥して膜中の有機ポリ
シランを部分的に架橋させる。次いで、上述したような
紫外線の照射、色素成分を含有する溶液への浸漬、三次
元安定化のための熱処理を施すことによって、容易に本
発明の着色部材を作製することができる。
【0048】ここで、一般式(1)で表される繰返し単
位を有する有機ポリシランを単独で用いた場合には、紫
外線照射の際に有機ポリシランが過度に低分子量化さ
れ、着色の工程における膜の溶出などに起因する膜質の
劣化を招くことがあるが、本発明では、以下のような理
由からこうした問題を回避することができる。すなわ
ち、本発明で用いられる有機ポリシラン組成物は、ラジ
カル発生剤を含有しているので、成膜後この膜を加熱し
た際にSi−H結合から水素ラジカルが引き抜かれて、
Si・(ラジカル)が生じる。従って、大気中の酸素や
水分などを取り込んだ後、Si−O−Si結合を介して
主鎖が部分的に架橋するか、あるいはSi・(ラジカ
ル)が直接反応し、Si−Si結合を介して主鎖が部分
的に架橋する。一方、複数の不飽和結合を有する有機化
合物を配合した場合は、Si・(ラジカル)が不飽和結
合に付加することによってこうした有機化合物が架橋剤
となり、有機ポリシランの主鎖がやはり部分的に架橋す
る。このため、紫外線照射により有機ポリシランが多少
低分子量化されても膜質がさほど劣化することがなく、
ひいては着色層の耐久性、機械的強度の向上、色ムラの
抑制などに寄与する。さらに、成膜以前に有機ポリシラ
ンを部分架橋した場合には、有機ポリシランが不溶化し
たり、ゲル状物が析出することがあるが、上述した通
り、成膜後膜を加熱することで有機ポリシランを部分架
橋させると、そのような不都合を避けることができる。
なお、溶液中でのこの反応は、M.Waymouth等によって、
J.Am.Chem.Soc.,1994,116,9779〜9780に報告されてい
る。
位を有する有機ポリシランを単独で用いた場合には、紫
外線照射の際に有機ポリシランが過度に低分子量化さ
れ、着色の工程における膜の溶出などに起因する膜質の
劣化を招くことがあるが、本発明では、以下のような理
由からこうした問題を回避することができる。すなわ
ち、本発明で用いられる有機ポリシラン組成物は、ラジ
カル発生剤を含有しているので、成膜後この膜を加熱し
た際にSi−H結合から水素ラジカルが引き抜かれて、
Si・(ラジカル)が生じる。従って、大気中の酸素や
水分などを取り込んだ後、Si−O−Si結合を介して
主鎖が部分的に架橋するか、あるいはSi・(ラジカ
ル)が直接反応し、Si−Si結合を介して主鎖が部分
的に架橋する。一方、複数の不飽和結合を有する有機化
合物を配合した場合は、Si・(ラジカル)が不飽和結
合に付加することによってこうした有機化合物が架橋剤
となり、有機ポリシランの主鎖がやはり部分的に架橋す
る。このため、紫外線照射により有機ポリシランが多少
低分子量化されても膜質がさほど劣化することがなく、
ひいては着色層の耐久性、機械的強度の向上、色ムラの
抑制などに寄与する。さらに、成膜以前に有機ポリシラ
ンを部分架橋した場合には、有機ポリシランが不溶化し
たり、ゲル状物が析出することがあるが、上述した通
り、成膜後膜を加熱することで有機ポリシランを部分架
橋させると、そのような不都合を避けることができる。
なお、溶液中でのこの反応は、M.Waymouth等によって、
J.Am.Chem.Soc.,1994,116,9779〜9780に報告されてい
る。
【0049】しかも、上述した通り部分的に架橋した有
機ポリシランは、部分架橋後も、その側鎖でケイ素原子
に直接結合した水素原子が残留しているので、前述の一
般式(1)〜(3)で表される繰返し単位を有する有機
ポリシラン単独の場合と同様に、紫外線を照射すること
によって、この水素原子がシラノール性水酸基に変化す
る。したがって、やはり紫外線に対する感度は高く、か
つSi−H結合から水素ラジカルが引き抜かれていない
ケイ素原子1個当り3個のシラノール性水酸基を生成さ
せることができるので、結果的に色素成分が吸着される
速度が著しく速められ、着色に要する時間の大幅な短縮
が可能となる。
機ポリシランは、部分架橋後も、その側鎖でケイ素原子
に直接結合した水素原子が残留しているので、前述の一
般式(1)〜(3)で表される繰返し単位を有する有機
ポリシラン単独の場合と同様に、紫外線を照射すること
によって、この水素原子がシラノール性水酸基に変化す
る。したがって、やはり紫外線に対する感度は高く、か
つSi−H結合から水素ラジカルが引き抜かれていない
ケイ素原子1個当り3個のシラノール性水酸基を生成さ
せることができるので、結果的に色素成分が吸着される
速度が著しく速められ、着色に要する時間の大幅な短縮
が可能となる。
【0050】本発明で用いられる上記一般式(7)で表
される繰返し単位を有する有機ポリシランについても、
この繰返し単位のみからなるホモポリマーに特に限定さ
れない。例えば、下記一般式(8)で表されるような他
の繰返し単位とのコポリマーであっても何等差し支えな
く、要は有機溶媒に可溶で、ある程度透光性を有する均
一な膜を形成できるものであればよい。ただし、一般式
(7)で表される繰返し単位が少なすぎると、着色の工
程における色素成分の吸着速度が遅くなり、かつ得られ
る着色層の耐久性や機械的強度も低下するので、一般式
(7)で表される繰り返し単位を5%以上、好ましくは
25%以上有する必要がある。
される繰返し単位を有する有機ポリシランについても、
この繰返し単位のみからなるホモポリマーに特に限定さ
れない。例えば、下記一般式(8)で表されるような他
の繰返し単位とのコポリマーであっても何等差し支えな
く、要は有機溶媒に可溶で、ある程度透光性を有する均
一な膜を形成できるものであればよい。ただし、一般式
(7)で表される繰返し単位が少なすぎると、着色の工
程における色素成分の吸着速度が遅くなり、かつ得られ
る着色層の耐久性や機械的強度も低下するので、一般式
(7)で表される繰り返し単位を5%以上、好ましくは
25%以上有する必要がある。
【0051】
【化20】
【0052】上記一般式(8)中、R10,R11は置換ま
たは非置換の炭化水素基である。このように本発明にお
いては、上記一般式(1)で表される繰返し単位を有す
る有機ポリシランに対し、ラジカル発生剤、さらには複
数の不飽和結合を有する有機化合物を配合して、着色工
程に先だって有機ポリシランの主鎖を部分的に架橋する
ことで、上述した通り着色の工程における膜の溶出が有
効に抑えられる。従って、得られる着色層における表面
の凹凸に起因する色ムラなどを抑制することができ、か
つ着色層の耐久性なども向上し得る。
たは非置換の炭化水素基である。このように本発明にお
いては、上記一般式(1)で表される繰返し単位を有す
る有機ポリシランに対し、ラジカル発生剤、さらには複
数の不飽和結合を有する有機化合物を配合して、着色工
程に先だって有機ポリシランの主鎖を部分的に架橋する
ことで、上述した通り着色の工程における膜の溶出が有
効に抑えられる。従って、得られる着色層における表面
の凹凸に起因する色ムラなどを抑制することができ、か
つ着色層の耐久性なども向上し得る。
【0053】本発明の着色部材において、有機ポリシラ
ンの光酸化物を主体としたケイ素系マトリックス中に含
有される色素成分には、塩基性染料、油溶染料、分散染
料、および顔料等を使用することができる。
ンの光酸化物を主体としたケイ素系マトリックス中に含
有される色素成分には、塩基性染料、油溶染料、分散染
料、および顔料等を使用することができる。
【0054】このような染料および顔料のC.I.N
o.を以下に具体的に示す。染料としては、ベーシック
・レッド(Basic Red)12、ベーシック・レ
ッド27、ベーシック・バイオレット(Basic V
iolet)7、ベーシック・バイオレット10、ベー
シック・バイオレット40、ベーシック・ブルー(Ba
sic Blue)1、ベーシック・ブルー7、ベーシ
ック・ブルー26、ベーシック・ブルー77、ベーシッ
ク・グリーン(Basic Green)1、およびベ
ーシック・イエロー(Basic Yellow)21
等の塩基性染料;ソルベント・レッド(Solvent
Red)125、ソルベント・レッド132、ソルベ
ント・レッド83、ソルベント・レッド109、ソルベ
ント・ブルー(Solvent Blue)67、ソル
ベント・ブルー25、ソルベント・イエロー(Solv
ent Yellow)25、ソルベント・イエロー8
9、およびソルベント・イエロー146等の油溶性染
料;およびディスパース・レッド(Disperse
Red)60、ディスパース・レッド72、ディスパー
ス・ブルー(Disperse Blue)56、ディ
スパース・ブルー60、およびディスパース・イエロー
(Disperse Yellow)60等の分散染料
が挙げられる。また、顔料としては、ピグメント・レッ
ド(Pigment Red)220、ピグメント・レ
ッド221、ピグメント・レッド53:1、ピグメント
・ブルー(Pigment Blue)15:3、ピグ
メント・ブルー60、ピグメント・グリーン(Pigm
ent Green)7、およびピグメント・バイオレ
ット(Pigment Violet)37などが挙げ
られる。
o.を以下に具体的に示す。染料としては、ベーシック
・レッド(Basic Red)12、ベーシック・レ
ッド27、ベーシック・バイオレット(Basic V
iolet)7、ベーシック・バイオレット10、ベー
シック・バイオレット40、ベーシック・ブルー(Ba
sic Blue)1、ベーシック・ブルー7、ベーシ
ック・ブルー26、ベーシック・ブルー77、ベーシッ
ク・グリーン(Basic Green)1、およびベ
ーシック・イエロー(Basic Yellow)21
等の塩基性染料;ソルベント・レッド(Solvent
Red)125、ソルベント・レッド132、ソルベ
ント・レッド83、ソルベント・レッド109、ソルベ
ント・ブルー(Solvent Blue)67、ソル
ベント・ブルー25、ソルベント・イエロー(Solv
ent Yellow)25、ソルベント・イエロー8
9、およびソルベント・イエロー146等の油溶性染
料;およびディスパース・レッド(Disperse
Red)60、ディスパース・レッド72、ディスパー
ス・ブルー(Disperse Blue)56、ディ
スパース・ブルー60、およびディスパース・イエロー
(Disperse Yellow)60等の分散染料
が挙げられる。また、顔料としては、ピグメント・レッ
ド(Pigment Red)220、ピグメント・レ
ッド221、ピグメント・レッド53:1、ピグメント
・ブルー(Pigment Blue)15:3、ピグ
メント・ブルー60、ピグメント・グリーン(Pigm
ent Green)7、およびピグメント・バイオレ
ット(Pigment Violet)37などが挙げ
られる。
【0055】また、このような色素成分を含有する溶液
を調製する際に用いられる溶媒としては、水、アルコー
ルなどが挙げられ、色素成分の溶液中の濃度は1〜10
wt%程度であることが好ましい。濃度が1wt%未満
だと、十分に着色された着色層を得ることが困難とな
り、10wt%を越えると、得られる着色層に色ムラが
生じるおそれがある。
を調製する際に用いられる溶媒としては、水、アルコー
ルなどが挙げられ、色素成分の溶液中の濃度は1〜10
wt%程度であることが好ましい。濃度が1wt%未満
だと、十分に着色された着色層を得ることが困難とな
り、10wt%を越えると、得られる着色層に色ムラが
生じるおそれがある。
【0056】さらに、金属アルコキシドあるいはその分
解生成物のゾル溶液を用い、これに色素成分を配合して
着色ゾルを調製しても構わない。なお、ここでの金属ア
ルコキシドは、半金属のアルコキシドであってもよく、
例えば、ケイ素やアルミニウム、ジルコニウム、チタン
などのエトキシドをアルコールと水との混合溶液に溶解
または分散させ、次いで酸を加えてゾル化させた後、色
素成分を配合することで調製される。金属アルコキシド
の配合量は、溶液の流動性が失われることがない範囲内
で適宜設定されればよく、具体的には、溶媒に対し70
wt%以下程度である。
解生成物のゾル溶液を用い、これに色素成分を配合して
着色ゾルを調製しても構わない。なお、ここでの金属ア
ルコキシドは、半金属のアルコキシドであってもよく、
例えば、ケイ素やアルミニウム、ジルコニウム、チタン
などのエトキシドをアルコールと水との混合溶液に溶解
または分散させ、次いで酸を加えてゾル化させた後、色
素成分を配合することで調製される。金属アルコキシド
の配合量は、溶液の流動性が失われることがない範囲内
で適宜設定されればよく、具体的には、溶媒に対し70
wt%以下程度である。
【0057】本発明において、有機ポリシランを主体と
した有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線を照射し
た後、上述したような着色ゾルに浸漬してその紫外線照
射部への着色を行なうと、例えば、水、アルコールなど
の溶媒には不溶である顔料を着色ゾル中に分散させたう
えで吸着させることも可能となるので、色素成分の選択
の幅が広められる。また、着色ゾルを用いることは、特
にそれぞれ異なる色素成分を有機ケイ素化合物膜の互い
に異なる領域に吸着させて着色層を多色化する場合、す
でに所定の領域が色素成分で着色された有機ケイ素化合
物膜をこれとは異なる色素成分を含有する溶液に浸漬し
た際に、先に吸着された色素成分が溶液中に放出され難
い点で有利である。
した有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線を照射し
た後、上述したような着色ゾルに浸漬してその紫外線照
射部への着色を行なうと、例えば、水、アルコールなど
の溶媒には不溶である顔料を着色ゾル中に分散させたう
えで吸着させることも可能となるので、色素成分の選択
の幅が広められる。また、着色ゾルを用いることは、特
にそれぞれ異なる色素成分を有機ケイ素化合物膜の互い
に異なる領域に吸着させて着色層を多色化する場合、す
でに所定の領域が色素成分で着色された有機ケイ素化合
物膜をこれとは異なる色素成分を含有する溶液に浸漬し
た際に、先に吸着された色素成分が溶液中に放出され難
い点で有利である。
【0058】さらに、ケイ素のアルコキシドあるいはそ
の分解生成物のゾル溶液については、このようなゾル溶
液中に有機ケイ素化合物膜を浸漬したときに、このケイ
素のアルコキシドあるいはその分解生成物が色素成分と
ともに吸着して、有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥した
際、有機ポリシランへの紫外線の照射で生成したシラノ
ール性水酸基と相互に反応する。したがって、架橋成分
としてSi−O−Si結合の三次元構造に直接関与する
ことになり、本発明の着色部材における着色層の耐久性
などの向上に寄与する。なおここで、ケイ素のアルコキ
シドあるいはその分解生成物と有機ポリシランへの紫外
線の照射で生成したシラノール性水酸基との反応を促進
させる触媒が、ゾル溶液中に配合されていてもよい。
の分解生成物のゾル溶液については、このようなゾル溶
液中に有機ケイ素化合物膜を浸漬したときに、このケイ
素のアルコキシドあるいはその分解生成物が色素成分と
ともに吸着して、有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥した
際、有機ポリシランへの紫外線の照射で生成したシラノ
ール性水酸基と相互に反応する。したがって、架橋成分
としてSi−O−Si結合の三次元構造に直接関与する
ことになり、本発明の着色部材における着色層の耐久性
などの向上に寄与する。なおここで、ケイ素のアルコキ
シドあるいはその分解生成物と有機ポリシランへの紫外
線の照射で生成したシラノール性水酸基との反応を促進
させる触媒が、ゾル溶液中に配合されていてもよい。
【0059】またこのとき、アセトニトリル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどの水溶性有機溶媒を適宜併
用することで、着色工程における色素成分の吸着速度を
速めることも可能である。ただし、水溶性有機溶媒を併
用する場合、その量は20wt%以下に設定されること
が好ましい。この理由は、溶液中の水溶性有機溶媒の量
が多いと、着色の工程での膜の溶出が促進される傾向が
あるからである。
ン、テトラヒドロフランなどの水溶性有機溶媒を適宜併
用することで、着色工程における色素成分の吸着速度を
速めることも可能である。ただし、水溶性有機溶媒を併
用する場合、その量は20wt%以下に設定されること
が好ましい。この理由は、溶液中の水溶性有機溶媒の量
が多いと、着色の工程での膜の溶出が促進される傾向が
あるからである。
【0060】したがって、こうした水溶性有機溶媒の量
を増して着色工程における色素成分の吸着速度を速める
うえでは、上記一般式(1)で表される繰返し単位を有
する有機ポリシランとラジカル発生剤とを有機溶媒に溶
解せしめてなる有機ポリシラン組成物の溶液を用い、有
機ポリシランの主鎖が部分的に架橋された有機ケイ素化
合物膜を形成するのが有利である。
を増して着色工程における色素成分の吸着速度を速める
うえでは、上記一般式(1)で表される繰返し単位を有
する有機ポリシランとラジカル発生剤とを有機溶媒に溶
解せしめてなる有機ポリシラン組成物の溶液を用い、有
機ポリシランの主鎖が部分的に架橋された有機ケイ素化
合物膜を形成するのが有利である。
【0061】なお、特にケイ素のアルコキシドあるいは
その分解生成物のゾル溶液は、色素成分を配合すること
なく、露光および着色の工程の後、加熱乾燥に先立って
有機ケイ素化合物膜に浸漬させてもよい。この場合も、
ケイ素のアルコキシドあるいはその分解生成物が架橋成
分となって、Si−O−Si結合の三次元構造を有する
ケイ素系マトリックスに取り込まれるので、結果的に耐
久性などが優れた着色層を得ることが可能となる。
その分解生成物のゾル溶液は、色素成分を配合すること
なく、露光および着色の工程の後、加熱乾燥に先立って
有機ケイ素化合物膜に浸漬させてもよい。この場合も、
ケイ素のアルコキシドあるいはその分解生成物が架橋成
分となって、Si−O−Si結合の三次元構造を有する
ケイ素系マトリックスに取り込まれるので、結果的に耐
久性などが優れた着色層を得ることが可能となる。
【0062】次に、上述の一般式(1)〜(3)のいず
れかで表される繰返し単位を有する有機ポリシランを用
いる場合を例に挙げて、本発明の着色部材の製造方法を
説明する。
れかで表される繰返し単位を有する有機ポリシランを用
いる場合を例に挙げて、本発明の着色部材の製造方法を
説明する。
【0063】かかる有機ポリシランおよび色素成分を用
いて本発明の着色部材を製造する場合、まず有機ポリシ
ランを含有する溶液を調製して透光性のガラスや樹脂な
どからなる透明基板上に塗布した後、50〜150℃程
度の温度で乾燥させて溶媒を揮発させ、有機ポリシラン
を主体とした有機ケイ素化合物膜を成膜する。このとき
有機ポリシランの溶媒としては、トルエン、キシレン、
メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルアセ
テートセロソルブ、ブチロラクトン、ブチル乳酸などを
用いることができ、有機ポリシランを1〜50wt%含
有する溶液を調製し、必要に応じて0.1μm程度のフ
ィルタで濾過した後、透明基板上にスピンコートすれば
よい。また、透明基板上に成膜される有機ケイ素化合物
膜の膜厚は、0.1〜5μm程度が好ましい。何となれ
ば、0.1μm未満だと、得られる着色層中における色
素成分の含有量が不十分となるおそれがあり、逆に5μ
mを越えて厚いと、着色の工程において膜の最下層まで
均一に色素成分を吸着させることが困難となるためであ
る。
いて本発明の着色部材を製造する場合、まず有機ポリシ
ランを含有する溶液を調製して透光性のガラスや樹脂な
どからなる透明基板上に塗布した後、50〜150℃程
度の温度で乾燥させて溶媒を揮発させ、有機ポリシラン
を主体とした有機ケイ素化合物膜を成膜する。このとき
有機ポリシランの溶媒としては、トルエン、キシレン、
メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルアセ
テートセロソルブ、ブチロラクトン、ブチル乳酸などを
用いることができ、有機ポリシランを1〜50wt%含
有する溶液を調製し、必要に応じて0.1μm程度のフ
ィルタで濾過した後、透明基板上にスピンコートすれば
よい。また、透明基板上に成膜される有機ケイ素化合物
膜の膜厚は、0.1〜5μm程度が好ましい。何となれ
ば、0.1μm未満だと、得られる着色層中における色
素成分の含有量が不十分となるおそれがあり、逆に5μ
mを越えて厚いと、着色の工程において膜の最下層まで
均一に色素成分を吸着させることが困難となるためであ
る。
【0064】次いで、所望のパターンを有するマスクを
介して透明基板上の有機ケイ素化合物膜に、高圧水銀ラ
ンプ、キセノンランプ、エキシマレーザなどから紫外線
を照射する。このように紫外線を照射することで、本発
明で用いられる有機ポリシランは、紫外線のエネルギー
を吸収して、主鎖のSi−Si結合が切断された後、大
気中の酸素や水分などを取り込んで酸化され、側鎖でケ
イ素原子と直接結合した水素原子、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、あるいはシリル基とともにシラノール性水酸
基に変化する。
介して透明基板上の有機ケイ素化合物膜に、高圧水銀ラ
ンプ、キセノンランプ、エキシマレーザなどから紫外線
を照射する。このように紫外線を照射することで、本発
明で用いられる有機ポリシランは、紫外線のエネルギー
を吸収して、主鎖のSi−Si結合が切断された後、大
気中の酸素や水分などを取り込んで酸化され、側鎖でケ
イ素原子と直接結合した水素原子、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、あるいはシリル基とともにシラノール性水酸
基に変化する。
【0065】上述したような露光の工程において、紫外
線の波長は150〜400nm程度であればよいが、特
に200〜300nmの波長の紫外線を有機ケイ素化合
物膜に照射したときは、十分に着色された着色層が得ら
れやすい。また、照射量は10mJ〜10J、さらには
100mJ〜3J程度に設定されることが好ましい。す
なわち、照射量が10Jを越えると、露光時間が長時間
化して製造性が低下するうえ、ピンホールなどが発生し
て膜質も損なわれる傾向がある。一方、10mJ未満で
は、露光不足のため、着色工程における有機ポリシラン
の紫外線照射部への着色が不十分となるおそれがある。
線の波長は150〜400nm程度であればよいが、特
に200〜300nmの波長の紫外線を有機ケイ素化合
物膜に照射したときは、十分に着色された着色層が得ら
れやすい。また、照射量は10mJ〜10J、さらには
100mJ〜3J程度に設定されることが好ましい。す
なわち、照射量が10Jを越えると、露光時間が長時間
化して製造性が低下するうえ、ピンホールなどが発生し
て膜質も損なわれる傾向がある。一方、10mJ未満で
は、露光不足のため、着色工程における有機ポリシラン
の紫外線照射部への着色が不十分となるおそれがある。
【0066】次に、有機ケイ素化合物膜を、色素成分を
含有する溶液に0〜50℃の温度下、0.5〜10分程
度浸漬する。ここで、シラノール性水酸基が生成した有
機ケイ素化合物膜の紫外線照射部に色素成分が吸着し
て、紫外線照射部が選択的に着色される。続いて、有機
ケイ素化合物膜を50〜150℃で5〜30分程度加熱
乾燥することで、有機ケイ素化合物膜中に浸透した色素
成分の溶媒が除去されるとともに、露光の工程において
多数生成したシラノール性水酸基が相互に反応し、結果
的にSi−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素系
マトリックスが形成される。したがって、このケイ素系
マトリックス中に色素成分が含有されてなる耐久性や機
械的強度の優れた着色層が得られる。なおここでは、有
機ケイ素化合物膜を色素成分を含有する溶液に浸漬した
後、加熱乾燥に先だって水洗あるいはエアブローなどで
有機ケイ素化合物膜中の溶媒を除去してもよい。
含有する溶液に0〜50℃の温度下、0.5〜10分程
度浸漬する。ここで、シラノール性水酸基が生成した有
機ケイ素化合物膜の紫外線照射部に色素成分が吸着し
て、紫外線照射部が選択的に着色される。続いて、有機
ケイ素化合物膜を50〜150℃で5〜30分程度加熱
乾燥することで、有機ケイ素化合物膜中に浸透した色素
成分の溶媒が除去されるとともに、露光の工程において
多数生成したシラノール性水酸基が相互に反応し、結果
的にSi−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素系
マトリックスが形成される。したがって、このケイ素系
マトリックス中に色素成分が含有されてなる耐久性や機
械的強度の優れた着色層が得られる。なおここでは、有
機ケイ素化合物膜を色素成分を含有する溶液に浸漬した
後、加熱乾燥に先だって水洗あるいはエアブローなどで
有機ケイ素化合物膜中の溶媒を除去してもよい。
【0067】なお、上述の一般式(1)で表される繰返
し単位を有する有機ポリシラン、およびラジカル発生
剤、場合によっては不飽和結合を有する有機化合物をさ
らに含有する有機ポリシラン組成物を用いる際には、前
述と同様のトルエン等の有機溶媒にこれらの成分を溶解
して得られた溶液を用いる以外は、前述と同様の工程に
より着色部材を製造することができる。このような成分
を含有する溶液は、均一な溶液または不均一な溶液のい
ずれであってもよい。ここで、有機ポリシランの配合量
は、溶液中1〜50wt%とすることが好ましい。ま
た、ラジカル発生剤および不飽和結合を有する有機化合
物の配合量は、いずれも有機ポリシラン100重量部に
対して1〜200重量部程度、さらには5〜100重量
部程度とすることが好ましい。この理由は、これらの配
合量が少なすぎると、有機ケイ素化合物膜中で有機ポリ
シランの部分架橋をさほど進行させることができず、配
合量が多すぎると、有機ポリシランの部分架橋後にケイ
素原子に直接結合した水素原子の残留量が少なく、ひい
ては紫外線に対する感度が低下する傾向があるからであ
る。
し単位を有する有機ポリシラン、およびラジカル発生
剤、場合によっては不飽和結合を有する有機化合物をさ
らに含有する有機ポリシラン組成物を用いる際には、前
述と同様のトルエン等の有機溶媒にこれらの成分を溶解
して得られた溶液を用いる以外は、前述と同様の工程に
より着色部材を製造することができる。このような成分
を含有する溶液は、均一な溶液または不均一な溶液のい
ずれであってもよい。ここで、有機ポリシランの配合量
は、溶液中1〜50wt%とすることが好ましい。ま
た、ラジカル発生剤および不飽和結合を有する有機化合
物の配合量は、いずれも有機ポリシラン100重量部に
対して1〜200重量部程度、さらには5〜100重量
部程度とすることが好ましい。この理由は、これらの配
合量が少なすぎると、有機ケイ素化合物膜中で有機ポリ
シランの部分架橋をさほど進行させることができず、配
合量が多すぎると、有機ポリシランの部分架橋後にケイ
素原子に直接結合した水素原子の残留量が少なく、ひい
ては紫外線に対する感度が低下する傾向があるからであ
る。
【0068】さらに、本発明の着色部材の製造方法で
は、上述したような露光および着色の工程を、例えば
R,G,Bの3色について繰返すことで、着色層を多色
化することができる。ここで、図1に、本発明の着色部
材の製造方法において着色層を多色化する場合の工程図
を示す。
は、上述したような露光および着色の工程を、例えば
R,G,Bの3色について繰返すことで、着色層を多色
化することができる。ここで、図1に、本発明の着色部
材の製造方法において着色層を多色化する場合の工程図
を示す。
【0069】この場合は、まず透明基板1上の有機ケイ
素化合物膜2の第1の領域について、第1の領域とは逆
パターンを有するマスク31 を介して紫外線4を照射す
る(図1(a))。続いて、有機ケイ素化合物膜2を第
1の色素成分を含有する溶液に浸漬して、第1の領域を
着色する(図1(b))。
素化合物膜2の第1の領域について、第1の領域とは逆
パターンを有するマスク31 を介して紫外線4を照射す
る(図1(a))。続いて、有機ケイ素化合物膜2を第
1の色素成分を含有する溶液に浸漬して、第1の領域を
着色する(図1(b))。
【0070】次に、必要に応じて有機ケイ素化合物膜を
加熱乾燥した後、有機ケイ素化合物膜2の第2の領域に
ついて、第2の領域とは逆パターンを有するマスク32
を介して紫外線4を照射する(図1(c))。続いて、
有機ケイ素化合物膜2を第2の色素成分を含有する溶液
に浸漬して、第2の領域を着色する(図1(d))。な
おこのとき、いったん紫外線4が照射されてすでにシラ
ノール性水酸基が生成した領域については、再度紫外線
4が照射されても特に問題はなく、第1の領域と第2の
領域を合わせた領域と逆パターンを有するマスクを用い
て、第1の領域および第2の領域に紫外線4を照射して
も構わない。
加熱乾燥した後、有機ケイ素化合物膜2の第2の領域に
ついて、第2の領域とは逆パターンを有するマスク32
を介して紫外線4を照射する(図1(c))。続いて、
有機ケイ素化合物膜2を第2の色素成分を含有する溶液
に浸漬して、第2の領域を着色する(図1(d))。な
おこのとき、いったん紫外線4が照射されてすでにシラ
ノール性水酸基が生成した領域については、再度紫外線
4が照射されても特に問題はなく、第1の領域と第2の
領域を合わせた領域と逆パターンを有するマスクを用い
て、第1の領域および第2の領域に紫外線4を照射して
も構わない。
【0071】さらに、やはり必要に応じて有機ケイ素化
合物膜を加熱乾燥した後、有機ケイ素化合物膜2の第3
の領域について、第3の領域とは逆パターンを有するマ
スク33 を介して紫外線4を照射する(図1(e))。
続いて、有機ケイ素化合物膜2を第3の色素成分を含有
する溶液に浸漬して第3の領域を着色する(図1
(f))。ここでも、第1〜第3の領域を合わせた領域
と逆パターンを有するマスクを用いて、第1〜第3の領
域全てに紫外線4を照射してもよい。
合物膜を加熱乾燥した後、有機ケイ素化合物膜2の第3
の領域について、第3の領域とは逆パターンを有するマ
スク33 を介して紫外線4を照射する(図1(e))。
続いて、有機ケイ素化合物膜2を第3の色素成分を含有
する溶液に浸漬して第3の領域を着色する(図1
(f))。ここでも、第1〜第3の領域を合わせた領域
と逆パターンを有するマスクを用いて、第1〜第3の領
域全てに紫外線4を照射してもよい。
【0072】なお、このようにそれぞれ異なる色素成分
を有機ケイ素化合物膜の互いに異なる領域に吸着させて
着色層を多色化する場合、吸着速度の速い色素成分から
順に着色が行なわれることが好ましい。これは、吸着速
度の速い色素成分ほどいったん吸着されると放出されに
くく、加熱乾燥による三次元化の工程を不要化あるいは
短縮することが可能となるからである。ただし、吸着速
度の速い色素成分から順に吸着が行なわれるときでも、
先に吸着が行なわれた領域における混色の発生を防止す
る観点から、露光、着色および三次元化の工程を繰返し
て、着色層が多色化された着色部材を製造することが望
まれる。
を有機ケイ素化合物膜の互いに異なる領域に吸着させて
着色層を多色化する場合、吸着速度の速い色素成分から
順に着色が行なわれることが好ましい。これは、吸着速
度の速い色素成分ほどいったん吸着されると放出されに
くく、加熱乾燥による三次元化の工程を不要化あるいは
短縮することが可能となるからである。ただし、吸着速
度の速い色素成分から順に吸着が行なわれるときでも、
先に吸着が行なわれた領域における混色の発生を防止す
る観点から、露光、着色および三次元化の工程を繰返し
て、着色層が多色化された着色部材を製造することが望
まれる。
【0073】上述した通り、本発明の着色部材の製造方
法においては、互いに異なる色素成分を含有する複数の
着色領域を有する多色化された着色層を簡略化された製
造プロセスで得ることができ、例えば、R,G,Bの着
色層を備えるカラーフィルターを極めて容易に作製する
ことが可能となる。さらに、黒色に着色された第4の領
域がブラックマトリックスとして形成されてもよく、こ
の場合もR,G,Bに着色される第1〜第3の領域およ
び第4の領域に関して、吸着速度の速い色素成分から順
次着色が行なわれることが好ましい。
法においては、互いに異なる色素成分を含有する複数の
着色領域を有する多色化された着色層を簡略化された製
造プロセスで得ることができ、例えば、R,G,Bの着
色層を備えるカラーフィルターを極めて容易に作製する
ことが可能となる。さらに、黒色に着色された第4の領
域がブラックマトリックスとして形成されてもよく、こ
の場合もR,G,Bに着色される第1〜第3の領域およ
び第4の領域に関して、吸着速度の速い色素成分から順
次着色が行なわれることが好ましい。
【0074】またここで作製されるカラーフィルター
は、R,G,Bなどの各着色領域について成膜が一括し
て行なわれることに起因して、その表面平坦性が良好で
あり、例えばフルカラーディスプレイ用の液晶表示素子
に特に好ましく適用される。図2に、このような本発明
の液晶表示素子の縦断面図を示す。図中、111 および
112 は透明基板であり、それぞれの対向面には、IT
Oなどからなる透明電極121 および122 が形成され
ている。さらに走査電極となる透明電極122 が形成さ
れた透明基板112 側は、R,G,Bの着色層を備える
本発明のカラーフィルタ10が、透明基板112 との間
に設けられてカラーフィルタ基板として作用する。
は、R,G,Bなどの各着色領域について成膜が一括し
て行なわれることに起因して、その表面平坦性が良好で
あり、例えばフルカラーディスプレイ用の液晶表示素子
に特に好ましく適用される。図2に、このような本発明
の液晶表示素子の縦断面図を示す。図中、111 および
112 は透明基板であり、それぞれの対向面には、IT
Oなどからなる透明電極121 および122 が形成され
ている。さらに走査電極となる透明電極122 が形成さ
れた透明基板112 側は、R,G,Bの着色層を備える
本発明のカラーフィルタ10が、透明基板112 との間
に設けられてカラーフィルタ基板として作用する。
【0075】一方、表示電極として作用する透明基板1
21 が形成された透明基板111 側は、透明電極121
に接する形でTFT13が実装されている。このTFT
13では、まず透明基板111 上にゲート電極14が設
けられており、ゲート電極14はゲート絶縁膜15で被
覆されている。ゲート絶縁膜15上には半導体層16が
形成されており、さらに半導体層16上の所定領域に
は、ソース電極17およびドレイン電極18が接続して
いる。また、透明電極121 およびTFT13の表面、
並びに透明電極121 と対向する透明電極122 の表面
には、それぞれ液晶配向膜191 および192 が形成さ
れており、液晶配向膜191 および192の間には液晶
20が封入されている。
21 が形成された透明基板111 側は、透明電極121
に接する形でTFT13が実装されている。このTFT
13では、まず透明基板111 上にゲート電極14が設
けられており、ゲート電極14はゲート絶縁膜15で被
覆されている。ゲート絶縁膜15上には半導体層16が
形成されており、さらに半導体層16上の所定領域に
は、ソース電極17およびドレイン電極18が接続して
いる。また、透明電極121 およびTFT13の表面、
並びに透明電極121 と対向する透明電極122 の表面
には、それぞれ液晶配向膜191 および192 が形成さ
れており、液晶配向膜191 および192の間には液晶
20が封入されている。
【0076】さらに、本発明の他の液晶表示素子の縦断
面図を図3に示す。なおここで、図2に示す液晶表示素
子と同一部分については、図2と同様の符号を付して説
明を省略する。図示されるようにこの液晶表示素子で
は、TFT13が実装された透明基板111 側に、所定
の領域がそれぞれR,G,Bに着色された有機ケイ素化
合物膜を着色層とするカラーフィルタ10が形成されて
いる。具体的にはTFT13上に、パッシベーション膜
21、カラーフィルタ10、密着層22および透明電極
121 がこの順で積層形成されており、透明電極121
はパッシベーション膜21、カラーフィルタ10および
密着層22に設けられたコンタクトホールを通してTF
T13のドレイン電極18と接続されている。また、透
明基板111 上には、補助容量を確保するための一対の
電極231 および232 がTFT13とは離間して形成
されており、電極232 は、パッシベーション膜21、
カラーフィルタ10および密着層22に設けられたコン
タクトホールを通して、透明電極121 に接続されてい
る。
面図を図3に示す。なおここで、図2に示す液晶表示素
子と同一部分については、図2と同様の符号を付して説
明を省略する。図示されるようにこの液晶表示素子で
は、TFT13が実装された透明基板111 側に、所定
の領域がそれぞれR,G,Bに着色された有機ケイ素化
合物膜を着色層とするカラーフィルタ10が形成されて
いる。具体的にはTFT13上に、パッシベーション膜
21、カラーフィルタ10、密着層22および透明電極
121 がこの順で積層形成されており、透明電極121
はパッシベーション膜21、カラーフィルタ10および
密着層22に設けられたコンタクトホールを通してTF
T13のドレイン電極18と接続されている。また、透
明基板111 上には、補助容量を確保するための一対の
電極231 および232 がTFT13とは離間して形成
されており、電極232 は、パッシベーション膜21、
カラーフィルタ10および密着層22に設けられたコン
タクトホールを通して、透明電極121 に接続されてい
る。
【0077】ここで、図3中のカラーフィルタ10を本
発明の着色部材の製造方法で作製する場合、カラーフィ
ルタ10のコンタクトホール形成部を残して上述したよ
うな露光および着色の工程を繰返し、R,G,Bなどに
着色された各着色領域を形成することが好ましい。すな
わち、この時点での有機ケイ素化合物膜は、露光および
着色が行なわれた領域のみが三次元化されているので、
必要に応じ紫外線を照射して三次元化されていない領域
に残存する有機ポリシランを低分子量化した後、有機溶
媒などで現像・除去すれば、例えばフォトレジストを用
いたフォトリソグラフィー技術によることなく、コンタ
クトホールを簡略に設けることが可能となる。
発明の着色部材の製造方法で作製する場合、カラーフィ
ルタ10のコンタクトホール形成部を残して上述したよ
うな露光および着色の工程を繰返し、R,G,Bなどに
着色された各着色領域を形成することが好ましい。すな
わち、この時点での有機ケイ素化合物膜は、露光および
着色が行なわれた領域のみが三次元化されているので、
必要に応じ紫外線を照射して三次元化されていない領域
に残存する有機ポリシランを低分子量化した後、有機溶
媒などで現像・除去すれば、例えばフォトレジストを用
いたフォトリソグラフィー技術によることなく、コンタ
クトホールを簡略に設けることが可能となる。
【0078】なお、以上は本発明の着色部材をカラーフ
ィルタとしてアクティブマトリックス型表示形式の液晶
表示素子に適用した例を示したが、その他単純マトリッ
クス型表示形式の液晶表示素子などにも全く同様に適用
することができる。さらにこのようなカラーフィルタ
は、液晶表示素子以外にも、固体撮像素子など幅広い分
野で用いることができる。
ィルタとしてアクティブマトリックス型表示形式の液晶
表示素子に適用した例を示したが、その他単純マトリッ
クス型表示形式の液晶表示素子などにも全く同様に適用
することができる。さらにこのようなカラーフィルタ
は、液晶表示素子以外にも、固体撮像素子など幅広い分
野で用いることができる。
【0079】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を示す。
まず、本発明の着色部材の製造に先だって、ここで用い
られる有機ポリシランを以下のように合成した。 (有機ポリシランAZrの合成)アルゴン雰囲気下−2
0℃で乾燥したジエチルエーテル60mlおよびジルコ
ノセンジクロル5.34gを攪拌し、ここに1.5Mの
メチルリチウムを少量ずつ添加し70分間攪拌した。さ
らに、0℃で30分攪拌した後、ジエチルエーテルを取
り除き、生成した白い固体を昇華してジルコノセンジメ
チルを調製した。
まず、本発明の着色部材の製造に先だって、ここで用い
られる有機ポリシランを以下のように合成した。 (有機ポリシランAZrの合成)アルゴン雰囲気下−2
0℃で乾燥したジエチルエーテル60mlおよびジルコ
ノセンジクロル5.34gを攪拌し、ここに1.5Mの
メチルリチウムを少量ずつ添加し70分間攪拌した。さ
らに、0℃で30分攪拌した後、ジエチルエーテルを取
り除き、生成した白い固体を昇華してジルコノセンジメ
チルを調製した。
【0080】次に、フェニルシランにこのジルコノセン
ジメチルを50:1のモル比で添加し、フェニルシラン
を室温下5時間重合させた。次いで、得られた粗製のポ
リマーをトルエンに溶解し、メタノール中で攪拌しなが
ら投入してポリマーを再沈させた。さらに、ポリマーを
同様にメタノール中で2回再沈させた後、80〜90℃
で減圧乾燥して、重量平均分子量約6,000の下記化
学式で表わされる有機ポリシランAZrを得た。
ジメチルを50:1のモル比で添加し、フェニルシラン
を室温下5時間重合させた。次いで、得られた粗製のポ
リマーをトルエンに溶解し、メタノール中で攪拌しなが
ら投入してポリマーを再沈させた。さらに、ポリマーを
同様にメタノール中で2回再沈させた後、80〜90℃
で減圧乾燥して、重量平均分子量約6,000の下記化
学式で表わされる有機ポリシランAZrを得た。
【0081】
【化21】
【0082】上記式AZr中、nは重合度を表わす。 (有機ポリシランBZrの合成)上述したように合成さ
れた有機ポリシランAZr10gおよびアゾビス(イソ
ブチロニトリル)15.5gをアセトン50gに溶解し
3日間還流することで、ケイ素原子と結合する水素原子
の50%をイソプロピル基に置換せしめ、重量平均分子
量約6,000の下記化学式で示される有機ポリシラン
BZrを得た。
れた有機ポリシランAZr10gおよびアゾビス(イソ
ブチロニトリル)15.5gをアセトン50gに溶解し
3日間還流することで、ケイ素原子と結合する水素原子
の50%をイソプロピル基に置換せしめ、重量平均分子
量約6,000の下記化学式で示される有機ポリシラン
BZrを得た。
【0083】
【化22】 (有機ポリシランCNaの合成)メチルジクロロシラン
10gおよびメチルフェニルジクロロシラン16.6g
をトルエンに溶解し、50wt%トルエン溶液を調製し
た。一方、1リットル用フラスコ中、細断した金属Na
8.4gをトルエン100mlに溶解させ、ここに先の
50wt%トルエン溶液を110℃で少しずつ滴下し
た。2時間攪拌した後、室温まで温度を下げて、アルゴ
ン雰囲気下で濾過した濾液を濃縮し、これをイソプロピ
ルアルコールに滴下してポリマーを析出させた。
10gおよびメチルフェニルジクロロシラン16.6g
をトルエンに溶解し、50wt%トルエン溶液を調製し
た。一方、1リットル用フラスコ中、細断した金属Na
8.4gをトルエン100mlに溶解させ、ここに先の
50wt%トルエン溶液を110℃で少しずつ滴下し
た。2時間攪拌した後、室温まで温度を下げて、アルゴ
ン雰囲気下で濾過した濾液を濃縮し、これをイソプロピ
ルアルコールに滴下してポリマーを析出させた。
【0084】次いで、得られたポリマーを減圧乾燥して
再びトルエンに溶解し、水洗後同様にイソプロピルアル
コールに滴下することでポリマーを精製した。さらに、
このような操作を5回繰り返した後、ポリマーを減圧乾
燥し、重量平均分子量約12,000の下記化学式で示
される有機ポリシランCNaを得た。
再びトルエンに溶解し、水洗後同様にイソプロピルアル
コールに滴下することでポリマーを精製した。さらに、
このような操作を5回繰り返した後、ポリマーを減圧乾
燥し、重量平均分子量約12,000の下記化学式で示
される有機ポリシランCNaを得た。
【0085】
【化23】 (有機ポリシランDZrの合成)フェニルシランを10
0℃で5時間重合させた以外は、有機ポリシランAZr
を合成したときと全く同様にして、重量平均分子量約
7,000で有機ポリシランAZrと同一の繰り返し単
位を有する有機ポリシランDZrを得た。 (有機ポリシランENaの合成)メチルジクロロシラン
10g,メチルフェニルジクロロシラン10gおよびフ
ェニルトリクロロシラン7.4gをトルエンに溶解して
50wt%トルエン溶液を調製した以外は、有機ポリシ
ランCNaを合成したときと全く同様にして、重量平均
分子量約15,000の下記化学式で表わされる有機ポ
リシランENaを得た。
0℃で5時間重合させた以外は、有機ポリシランAZr
を合成したときと全く同様にして、重量平均分子量約
7,000で有機ポリシランAZrと同一の繰り返し単
位を有する有機ポリシランDZrを得た。 (有機ポリシランENaの合成)メチルジクロロシラン
10g,メチルフェニルジクロロシラン10gおよびフ
ェニルトリクロロシラン7.4gをトルエンに溶解して
50wt%トルエン溶液を調製した以外は、有機ポリシ
ランCNaを合成したときと全く同様にして、重量平均
分子量約15,000の下記化学式で表わされる有機ポ
リシランENaを得た。
【0086】
【化24】
【0087】上記化学式中、PSはポリシラン骨格であ
る。 (有機ポリシランOCSの合成)前述のように合成され
た有機ポリシランAZrと同一の繰返し単位を有し、重
量平均分子量約5,000、ガラス転移温度45℃であ
るポリフェニルシラン10g、ベンゾイルペルオキシド
5gを20gのベンゼン中に溶解し、空気下で2時間7
0℃で反応させた。不溶物を濾過後、反応溶液を濃縮
し、メタノール中に沈殿させて、重量平均分子量約1
5,000、ガラス転移温度75℃の下記化学式で示さ
れる有機ポリシランOCSを得た。
る。 (有機ポリシランOCSの合成)前述のように合成され
た有機ポリシランAZrと同一の繰返し単位を有し、重
量平均分子量約5,000、ガラス転移温度45℃であ
るポリフェニルシラン10g、ベンゾイルペルオキシド
5gを20gのベンゼン中に溶解し、空気下で2時間7
0℃で反応させた。不溶物を濾過後、反応溶液を濃縮
し、メタノール中に沈殿させて、重量平均分子量約1
5,000、ガラス転移温度75℃の下記化学式で示さ
れる有機ポリシランOCSを得た。
【0088】
【化25】
【0089】上記式OCS中、m,m´,n,n´は重
合度を表す。 (実施例I)本実施例においては、前述のように合成さ
れた有機ポリシランAZr,BZr,CNa,DZr,
およびENaを、それぞれトルエン溶液として用いて、
着色部材を製造した。 (実施例I−1)有機ポリシランAZrの15wt%ト
ルエン溶液を、ガラスからなる透明基板上にスピンコー
ト法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μmの有機ケイ素
化合物膜を形成した。得られた有機ケイ素化合物膜にカ
ラーフィルター用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫
外線を1J/cm2 照射した。続いて、色素成分として
ビクトリアブルーBH(保土ヶ谷化学社製トリフェニル
メタン系染料)を1wt%含有するアセトニトリル10
wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で5分間
浸漬した。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥したと
ころ、紫外線照射部が青色に着色されていた。
合度を表す。 (実施例I)本実施例においては、前述のように合成さ
れた有機ポリシランAZr,BZr,CNa,DZr,
およびENaを、それぞれトルエン溶液として用いて、
着色部材を製造した。 (実施例I−1)有機ポリシランAZrの15wt%ト
ルエン溶液を、ガラスからなる透明基板上にスピンコー
ト法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μmの有機ケイ素
化合物膜を形成した。得られた有機ケイ素化合物膜にカ
ラーフィルター用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫
外線を1J/cm2 照射した。続いて、色素成分として
ビクトリアブルーBH(保土ヶ谷化学社製トリフェニル
メタン系染料)を1wt%含有するアセトニトリル10
wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で5分間
浸漬した。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥したと
ころ、紫外線照射部が青色に着色されていた。
【0090】次に、有機ケイ素化合物膜に対し、青色に
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル10wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル10wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
【0091】さらに、この有機ケイ素化合物膜に再度位
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%、0.7wt%含有するア
セトニトリル10wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜
を25℃で10分間浸漬し、水洗した後、100℃で3
0分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞれ
赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色された
有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の着
色部材が作製された。
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%、0.7wt%含有するア
セトニトリル10wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜
を25℃で10分間浸漬し、水洗した後、100℃で3
0分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞれ
赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色された
有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の着
色部材が作製された。
【0092】次いで、上述したような本発明の着色部材
について、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミ
ドおよびブチロラクトンに対する耐薬品性を調べること
でその耐久性を評価したところ、これらの有機溶媒に浸
漬されても色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から
剥がれ落ちることもなく、十分に固定化されていること
がわかった。また、着色層における光透過率はR,G,
Bの各着色領域でそれぞれの特性吸収において2%、
1.5%、1.8%といずれも良好な値を示した。さら
に、着色層を10wt%NaOH水溶液に溶解し、炭酸
水素ナトリウムで弱酸性条件にした後、エーテルで抽出
して高速液体クロマトグラフで分析した。その結果、有
機ケイ素化合物膜を形成するケイ素系マトリックスにお
いて、全ケイ素原子中の98at%以上がSi−C結合
を1個有するケイ素原子であることが確認された。 (実施例I−2)有機ケイ素化合物膜の所定の領域を、
R,G,Bの各色に染色して水洗した後、150℃で3
0分間加熱乾燥した以外は、(実施例I−1)と全く同
様にして着色部材を作製した。この着色部材について
も、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬されても色素は溶
出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちることも
なく、十分に固定化されており、優れた耐久性を有する
ことが確認された。 (比較例I−1)有機ポリシランAZrの代わりに、重
量平均分子量約6,000の下記化学式で示されるフェ
ニルメチルポリシランを用いた以外は、(実施例I−
1)と同様にして、着色部材を作製した。このような着
色部材の着色層における光透過率は、R,G,Bの各着
色領域でそれぞれの特性吸収においていずれも30〜4
0%程度であり、着色が不十分であった。また、やはり
重量平均分子量約6,000の下記化学式で示されるフ
ェニルメチルポリシランを用いた以外は(実施例I−
2)と同様にして着色部材を作製し、トルエン、エタノ
ール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクトンの各
有機溶媒に浸漬したところ、着色層の透明基板からの剥
がれや膨潤などが発生し、耐久性が劣ることが確認され
た。
について、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミ
ドおよびブチロラクトンに対する耐薬品性を調べること
でその耐久性を評価したところ、これらの有機溶媒に浸
漬されても色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から
剥がれ落ちることもなく、十分に固定化されていること
がわかった。また、着色層における光透過率はR,G,
Bの各着色領域でそれぞれの特性吸収において2%、
1.5%、1.8%といずれも良好な値を示した。さら
に、着色層を10wt%NaOH水溶液に溶解し、炭酸
水素ナトリウムで弱酸性条件にした後、エーテルで抽出
して高速液体クロマトグラフで分析した。その結果、有
機ケイ素化合物膜を形成するケイ素系マトリックスにお
いて、全ケイ素原子中の98at%以上がSi−C結合
を1個有するケイ素原子であることが確認された。 (実施例I−2)有機ケイ素化合物膜の所定の領域を、
R,G,Bの各色に染色して水洗した後、150℃で3
0分間加熱乾燥した以外は、(実施例I−1)と全く同
様にして着色部材を作製した。この着色部材について
も、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬されても色素は溶
出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちることも
なく、十分に固定化されており、優れた耐久性を有する
ことが確認された。 (比較例I−1)有機ポリシランAZrの代わりに、重
量平均分子量約6,000の下記化学式で示されるフェ
ニルメチルポリシランを用いた以外は、(実施例I−
1)と同様にして、着色部材を作製した。このような着
色部材の着色層における光透過率は、R,G,Bの各着
色領域でそれぞれの特性吸収においていずれも30〜4
0%程度であり、着色が不十分であった。また、やはり
重量平均分子量約6,000の下記化学式で示されるフ
ェニルメチルポリシランを用いた以外は(実施例I−
2)と同様にして着色部材を作製し、トルエン、エタノ
ール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクトンの各
有機溶媒に浸漬したところ、着色層の透明基板からの剥
がれや膨潤などが発生し、耐久性が劣ることが確認され
た。
【0093】
【化26】
【0094】nは重合度を示す。さらに、これらの着色
部材について、着色層を10wt%NaOH水溶液に溶
解し、炭酸水素ナトリウムで弱酸性条件にした後、エー
テルで抽出して高速液体クロマトグラフで分析したとこ
ろ、有機ケイ素化合物膜を形成するケイ素マトリックス
において、Si−C結合を1個有するケイ素原子の含有
量は検出限界以下であった。 (実施例I−3)有機ポリシランBZrの15wt%ト
ルエン溶液を、ガラスからなる透明基板上にスピンコー
ト法で塗布した後乾燥して、膜厚約1.5μmの有機ケ
イ素化合物膜を形成した。得られた有機ケイ素化合物膜
にカラーフィルター用マスクを重ね、低圧水銀灯から紫
外線を1.2J/cm2 照射した。続いて、色素成分と
してビクトリアブルーBH(保土ヶ谷化学社製トリフェ
ニルメタン系染料)を1wt%含有するアセトニトリル
10wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で5
分間浸漬した。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥し
たところ、紫外線照射部が青色に染色されていた。
部材について、着色層を10wt%NaOH水溶液に溶
解し、炭酸水素ナトリウムで弱酸性条件にした後、エー
テルで抽出して高速液体クロマトグラフで分析したとこ
ろ、有機ケイ素化合物膜を形成するケイ素マトリックス
において、Si−C結合を1個有するケイ素原子の含有
量は検出限界以下であった。 (実施例I−3)有機ポリシランBZrの15wt%ト
ルエン溶液を、ガラスからなる透明基板上にスピンコー
ト法で塗布した後乾燥して、膜厚約1.5μmの有機ケ
イ素化合物膜を形成した。得られた有機ケイ素化合物膜
にカラーフィルター用マスクを重ね、低圧水銀灯から紫
外線を1.2J/cm2 照射した。続いて、色素成分と
してビクトリアブルーBH(保土ヶ谷化学社製トリフェ
ニルメタン系染料)を1wt%含有するアセトニトリル
10wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で5
分間浸漬した。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥し
たところ、紫外線照射部が青色に染色されていた。
【0095】次に、有機ケイ素化合物膜に対し、青色に
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル10wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル10wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
【0096】さらに、この有機ケイ素化合物膜に再度位
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%および0.7wt%含有す
るアセトニトリル10wt%水溶液に、有機ケイ素化合
物膜を25℃で10分間浸漬し、水洗した後100℃で
30分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞ
れ赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色され
た有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の
着色部材が作製された。
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%および0.7wt%含有す
るアセトニトリル10wt%水溶液に、有機ケイ素化合
物膜を25℃で10分間浸漬し、水洗した後100℃で
30分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞ
れ赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色され
た有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の
着色部材が作製された。
【0097】ここで、得られた着色層には色抜けなどが
見受けられず、R,G,Bとも十分に着色されていた。
また、着色部材をさらに150℃で30分間加熱した
後、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素
は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちるこ
ともなく十分に固定化されており、優れた耐久性を有し
ていた。さらに着色層を10wt%NaOH水溶液に溶
解し、炭酸水素ナトリウムで弱酸性条件にした後、エー
テルで抽出して高速液体クロマトグラフで分析した。そ
の結果、有機ケイ素化合物膜を形成するケイ素系マトリ
ックスにおいて、全ケイ素原子中の98at%以上がS
i−C結合を1個有するケイ素原子であることが確認さ
れた。 (実施例I−4〜I−6)有機ポリシランBZrの代わ
りに、それぞれ有機ポリシランCNa,DZr,ENa
を用いた以外は、(実施例I−3)と同様にして、(実
施例I−4〜I−6)の着色部材を作製した。これらの
着色部材についても、得られた着色層には色抜けなどが
見受けられず、R,G,Bとも十分に着色されていた。
また、着色部材をさらに150℃で30分間加熱した
後、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬しても色素は溶出
せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちることもな
く十分に固定化されており、優れた耐久性を有すること
が確認された。
見受けられず、R,G,Bとも十分に着色されていた。
また、着色部材をさらに150℃で30分間加熱した
後、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素
は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちるこ
ともなく十分に固定化されており、優れた耐久性を有し
ていた。さらに着色層を10wt%NaOH水溶液に溶
解し、炭酸水素ナトリウムで弱酸性条件にした後、エー
テルで抽出して高速液体クロマトグラフで分析した。そ
の結果、有機ケイ素化合物膜を形成するケイ素系マトリ
ックスにおいて、全ケイ素原子中の98at%以上がS
i−C結合を1個有するケイ素原子であることが確認さ
れた。 (実施例I−4〜I−6)有機ポリシランBZrの代わ
りに、それぞれ有機ポリシランCNa,DZr,ENa
を用いた以外は、(実施例I−3)と同様にして、(実
施例I−4〜I−6)の着色部材を作製した。これらの
着色部材についても、得られた着色層には色抜けなどが
見受けられず、R,G,Bとも十分に着色されていた。
また、着色部材をさらに150℃で30分間加熱した
後、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬しても色素は溶出
せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちることもな
く十分に固定化されており、優れた耐久性を有すること
が確認された。
【0098】さらに、これらの着色部材について、着色
層を10wt%NaOH水溶液に溶解し、炭酸水素ナト
リウムで弱酸性条件にした後、エーテルで抽出して高速
液体クロマトグラフで分析した。この結果、有機ケイ素
化合物膜を形成するケイ素系マトリックスにおいて、S
i−C結合を1個有するケイ素原子が全ケイ素原子中、
(実施例I−4)で49at%程度、(実施例I−5)
は98at%、(実施例I−6)では68at%程度含
有されていることがわかった。 (実施例I−7)テトラエトキシシラン50g、アセト
ニトリル40gおよび水50gを混合した後、さらに塩
酸0.1gを加えテトラエトキシシランをゾル化したゾ
ル溶液を調製した。次いで、各着色工程の後、100℃
で30分間加熱乾燥させなかった以外は、(実施例I−
1)と全く同様にして所定の領域がR,G,Bに着色さ
れた有機ケイ素化合物膜を得、この有機ケイ素化合物膜
を、上述したようなゾル溶液に浸漬して150℃で1時
間乾燥し、本発明の着色部材を作製した。この着色部材
を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素
は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちるこ
ともなく、十分に固定化されており、優れた耐久性を有
していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K54
01)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、十
分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例I−8)テトラビニルシラン20gおよびその
重合触媒としての塩化白金酸1gをトルエン80gに溶
解した溶液をゾル溶液の代わりに用いた以外は、(実施
例I−7)と全く同様の着色部材を作製した。この着色
部材を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミド
およびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、
色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ち
ることもなく十分に固定化されており、優れた耐久性を
有していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K5
401)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、
十分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例I−9)テトラエトキシシラン50g、アセト
ニトリル40gおよび水50gを混合し、得られた溶液
に色素成分としてPR238(山陽色素製顔料)を配合
した後、ボールミルで塩酸0.1gを加えながら5時間
分散させて着色ゾルを調製した。次いで、(実施例I−
1)と全く同様にして有機ポリシランAZrを主体とす
る有機ケイ素化合物膜を形成し、低圧水銀ランプからそ
の全面に紫外線を1J/cm2 照射した後、上述したよ
うな着色ゾルに室温で10分間浸漬した。水洗後、15
0℃で30分間加熱乾燥したところ、全面が赤色に着色
された有機ケイ素化合物膜を着色層として備えた本発明
の着色部材が作製された。この着色部材をトルエン、エ
タノール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクトン
の各有機溶媒に浸漬したところ、色素は溶出せず、かつ
着色層が透明基板から剥がれ落ちることもなく十分に固
定化されており、優れた耐久性を有することが確認され
た。 (実施例I−10)(実施例I−1)で作製された着色
部材表面上にITO膜をスパッタ成膜した後、溶媒可溶
性のポリイミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処
理を順次施し、着色層上に透明電極および液晶配向膜が
設けられてなるカラーフィルタ基板を得た。一方、表面
に透明電極としてITO膜が蒸着された硬質ガラスを過
酸化水素水および硫酸の混合物で処理して水洗後、リン
サードライヤーで乾燥し、さらに150℃で30分乾燥
した。次いで、このような硬質ガラス上にTFTを実装
した後、TFTおよびITO膜上に溶媒可溶性のポリイ
ミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処理を順次施
し、TFTおよび液晶配向膜が設けられてなるITO付
き透明基板を得た。
層を10wt%NaOH水溶液に溶解し、炭酸水素ナト
リウムで弱酸性条件にした後、エーテルで抽出して高速
液体クロマトグラフで分析した。この結果、有機ケイ素
化合物膜を形成するケイ素系マトリックスにおいて、S
i−C結合を1個有するケイ素原子が全ケイ素原子中、
(実施例I−4)で49at%程度、(実施例I−5)
は98at%、(実施例I−6)では68at%程度含
有されていることがわかった。 (実施例I−7)テトラエトキシシラン50g、アセト
ニトリル40gおよび水50gを混合した後、さらに塩
酸0.1gを加えテトラエトキシシランをゾル化したゾ
ル溶液を調製した。次いで、各着色工程の後、100℃
で30分間加熱乾燥させなかった以外は、(実施例I−
1)と全く同様にして所定の領域がR,G,Bに着色さ
れた有機ケイ素化合物膜を得、この有機ケイ素化合物膜
を、上述したようなゾル溶液に浸漬して150℃で1時
間乾燥し、本発明の着色部材を作製した。この着色部材
を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素
は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちるこ
ともなく、十分に固定化されており、優れた耐久性を有
していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K54
01)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、十
分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例I−8)テトラビニルシラン20gおよびその
重合触媒としての塩化白金酸1gをトルエン80gに溶
解した溶液をゾル溶液の代わりに用いた以外は、(実施
例I−7)と全く同様の着色部材を作製した。この着色
部材を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミド
およびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、
色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ち
ることもなく十分に固定化されており、優れた耐久性を
有していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K5
401)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、
十分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例I−9)テトラエトキシシラン50g、アセト
ニトリル40gおよび水50gを混合し、得られた溶液
に色素成分としてPR238(山陽色素製顔料)を配合
した後、ボールミルで塩酸0.1gを加えながら5時間
分散させて着色ゾルを調製した。次いで、(実施例I−
1)と全く同様にして有機ポリシランAZrを主体とす
る有機ケイ素化合物膜を形成し、低圧水銀ランプからそ
の全面に紫外線を1J/cm2 照射した後、上述したよ
うな着色ゾルに室温で10分間浸漬した。水洗後、15
0℃で30分間加熱乾燥したところ、全面が赤色に着色
された有機ケイ素化合物膜を着色層として備えた本発明
の着色部材が作製された。この着色部材をトルエン、エ
タノール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクトン
の各有機溶媒に浸漬したところ、色素は溶出せず、かつ
着色層が透明基板から剥がれ落ちることもなく十分に固
定化されており、優れた耐久性を有することが確認され
た。 (実施例I−10)(実施例I−1)で作製された着色
部材表面上にITO膜をスパッタ成膜した後、溶媒可溶
性のポリイミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処
理を順次施し、着色層上に透明電極および液晶配向膜が
設けられてなるカラーフィルタ基板を得た。一方、表面
に透明電極としてITO膜が蒸着された硬質ガラスを過
酸化水素水および硫酸の混合物で処理して水洗後、リン
サードライヤーで乾燥し、さらに150℃で30分乾燥
した。次いで、このような硬質ガラス上にTFTを実装
した後、TFTおよびITO膜上に溶媒可溶性のポリイ
ミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処理を順次施
し、TFTおよび液晶配向膜が設けられてなるITO付
き透明基板を得た。
【0099】次に、これらのカラーフィルタ基板および
ITO付き透明基板を、それぞれの液晶配向膜が対向す
るようにスペーサを介して5μmの間隔で配置し、シー
ル後、得られた液晶セルに液晶として6CB(4,4´
−ヘキシルシアノビフェニル)を封入した。この液晶表
示素子について、室温での電圧保持率を測定したとこ
ろ、95%と良好な値を示した。 (実施例II)本実施例においては、前述のように合成
された有機ポリシランAZr,BZr,CNa,DZ
r,ENaおよびOCSを使用し、これらにそれぞれラ
ジカル発生剤等を加えた溶液を用いて、着色部材を製造
した。 (実施例II−1)有機ポリシランAZr10g、不飽和
結合を有する有機化合物としてのメタクリル化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂5g、ラジカル発生剤としての
AIBN4gをトルエンに溶解してなる固形分の濃度が
15wt%のトルエン溶液を、ガラス基板上にスピンコ
ート法で塗布した後、100℃で20分間乾燥して、膜
厚約1μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。なお、こ
こでのメタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
は、エピコート807(シェル化学製)をメタクリル化
したものを用いた。得られた有機ケイ素化合物膜に、カ
ラーフィルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外
線を1J/cm2 照射した。続いて、色素成分としてビ
クトリアブルーBH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメ
タン系染料)を1wt%含有するアセトニトリル20w
t%水溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で3分間浸
漬した。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥したとこ
ろ、紫外線照射部が青色に着色されていた。
ITO付き透明基板を、それぞれの液晶配向膜が対向す
るようにスペーサを介して5μmの間隔で配置し、シー
ル後、得られた液晶セルに液晶として6CB(4,4´
−ヘキシルシアノビフェニル)を封入した。この液晶表
示素子について、室温での電圧保持率を測定したとこ
ろ、95%と良好な値を示した。 (実施例II)本実施例においては、前述のように合成
された有機ポリシランAZr,BZr,CNa,DZ
r,ENaおよびOCSを使用し、これらにそれぞれラ
ジカル発生剤等を加えた溶液を用いて、着色部材を製造
した。 (実施例II−1)有機ポリシランAZr10g、不飽和
結合を有する有機化合物としてのメタクリル化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂5g、ラジカル発生剤としての
AIBN4gをトルエンに溶解してなる固形分の濃度が
15wt%のトルエン溶液を、ガラス基板上にスピンコ
ート法で塗布した後、100℃で20分間乾燥して、膜
厚約1μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。なお、こ
こでのメタクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
は、エピコート807(シェル化学製)をメタクリル化
したものを用いた。得られた有機ケイ素化合物膜に、カ
ラーフィルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外
線を1J/cm2 照射した。続いて、色素成分としてビ
クトリアブルーBH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメ
タン系染料)を1wt%含有するアセトニトリル20w
t%水溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で3分間浸
漬した。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥したとこ
ろ、紫外線照射部が青色に着色されていた。
【0100】次に、有機ケイ素化合物膜に対し、青色に
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル20wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル20wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
【0101】さらに、この有機ケイ素化合物膜に再度位
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%、0.7wt%含有するア
セトニトリル20wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜
を25℃で10分間浸漬し、水洗した後、100℃で3
0分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞれ
赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色された
有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の着
色部材が作製された。
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%、0.7wt%含有するア
セトニトリル20wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜
を25℃で10分間浸漬し、水洗した後、100℃で3
0分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞれ
赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色された
有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の着
色部材が作製された。
【0102】次いで、上述したような本発明の着色部材
について、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミ
ドおよびブチロラクトンに対する耐溶媒性を調べること
でその耐久性を評価したところ、これらの有機溶媒に浸
漬されても色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から
剥がれ落ちることもなく、十分に固定化されていること
がわかった。また、着色層における光透過率はR,G,
Bの各着色領域でそれぞれの特性吸収において2%、1
%、1%といずれも良好な値を示した。 (実施例II−2)有機ケイ素化合物膜の所定の領域を、
R,G,Bの各色に染色して水洗した後、150℃で3
0分間加熱乾燥した以外は、実施例(II−1)と全く同
様にして着色部材を作製した。この着色部材について
も、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬されても色素は溶
出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちることも
なく、十分に固定化されており、優れた耐久性を有する
ことが確認された。 (比較例II−1)有機ポリシランAZrの代わりに、重
量平均分子量約6,000の下記化学式で示されるフェ
ニルメチルポリシランを用いた以外は、(実施例II−
1)と同様にして着色部材を作製した。このような着色
部材について着色層における光透過率は、R,G,Bの
各着色領域でそれぞれの特性吸収においていずれも30
〜40%程度であり、着色が不十分であった。また、や
はり重量平均分子量約6,000の化学式で示されるフ
ェニルメチルポリシランを用いた以外は(実施例II−
2)と同様にして着色部材を作製し、トルエン、エタノ
ール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクトンの各
有機溶媒に浸漬したところ、着色層の透明基板からの剥
がれや膨潤などが発生し、耐久性が劣ることが確認され
た。
について、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミ
ドおよびブチロラクトンに対する耐溶媒性を調べること
でその耐久性を評価したところ、これらの有機溶媒に浸
漬されても色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から
剥がれ落ちることもなく、十分に固定化されていること
がわかった。また、着色層における光透過率はR,G,
Bの各着色領域でそれぞれの特性吸収において2%、1
%、1%といずれも良好な値を示した。 (実施例II−2)有機ケイ素化合物膜の所定の領域を、
R,G,Bの各色に染色して水洗した後、150℃で3
0分間加熱乾燥した以外は、実施例(II−1)と全く同
様にして着色部材を作製した。この着色部材について
も、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬されても色素は溶
出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちることも
なく、十分に固定化されており、優れた耐久性を有する
ことが確認された。 (比較例II−1)有機ポリシランAZrの代わりに、重
量平均分子量約6,000の下記化学式で示されるフェ
ニルメチルポリシランを用いた以外は、(実施例II−
1)と同様にして着色部材を作製した。このような着色
部材について着色層における光透過率は、R,G,Bの
各着色領域でそれぞれの特性吸収においていずれも30
〜40%程度であり、着色が不十分であった。また、や
はり重量平均分子量約6,000の化学式で示されるフ
ェニルメチルポリシランを用いた以外は(実施例II−
2)と同様にして着色部材を作製し、トルエン、エタノ
ール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクトンの各
有機溶媒に浸漬したところ、着色層の透明基板からの剥
がれや膨潤などが発生し、耐久性が劣ることが確認され
た。
【0103】
【化27】
【0104】式中、nは重合度を示す。 (実施例II−3)有機ポリシランBZr10g、ラジカ
ル発生剤としてのジクミルペルオキシド5g、不飽和結
合を有する有機化合物としてのエチレングリコールジメ
タクリレート5gをトルエンに溶解してなる固形分の濃
度が15wt%のトルエン溶液を、ガラス基板上にスピ
ンコート法で塗布した後、150℃で30分間乾燥し
て、膜厚約1.5μmの有機ケイ素化合物膜を形成し
た。得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィルター用
マスクを重ね、低圧水銀灯から紫外線を1.2J/cm
2 照射した。続いて、色素成分としてビクトリアブルー
BH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)を
1wt%含有するアセトニトリル30wt%水溶液に、
有機ケイ素化合物膜を25℃で3分間浸漬した。水洗
後、100℃で30分間加熱乾燥したところ、紫外線照
射部が青色に染色されていた。
ル発生剤としてのジクミルペルオキシド5g、不飽和結
合を有する有機化合物としてのエチレングリコールジメ
タクリレート5gをトルエンに溶解してなる固形分の濃
度が15wt%のトルエン溶液を、ガラス基板上にスピ
ンコート法で塗布した後、150℃で30分間乾燥し
て、膜厚約1.5μmの有機ケイ素化合物膜を形成し
た。得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィルター用
マスクを重ね、低圧水銀灯から紫外線を1.2J/cm
2 照射した。続いて、色素成分としてビクトリアブルー
BH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)を
1wt%含有するアセトニトリル30wt%水溶液に、
有機ケイ素化合物膜を25℃で3分間浸漬した。水洗
後、100℃で30分間加熱乾燥したところ、紫外線照
射部が青色に染色されていた。
【0105】次に、有機ケイ素化合物膜に対し、青色に
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル30wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル30wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
【0106】さらに、この有機ケイ素化合物膜に再度位
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%および0.7wt%含有す
るアセトニトリル30wt%水溶液に、有機ケイ素化合
物膜を25℃で10分間浸漬し、水洗した後100℃で
30分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞ
れ赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色され
た有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の
着色部材が作製された。
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%および0.7wt%含有す
るアセトニトリル30wt%水溶液に、有機ケイ素化合
物膜を25℃で10分間浸漬し、水洗した後100℃で
30分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞ
れ赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色され
た有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の
着色部材が作製された。
【0107】ここで、得られた着色層には色抜けなどが
見受けられず、R,G,Bとも十分に着色されていた。
また、着色部材をさらに150℃で30分間加熱した
後、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素
は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちるこ
ともなく十分に固定化されており、優れた耐久性を有し
ていた。 (実施例II−4〜II−7)有機ポリシランBZrの代わ
りに、それぞれ有機ポリシランCNa,DZr,ENa
およびOCSを用いた以外は、実施例(II−3)と同様
にして、(実施例II−4〜II−7)の着色部材を作製し
た。これらの着色部材についても、得られた着色層には
色抜けなどが見受けられず、R,G,Bとも十分に着色
されていた。また、着色部材をさらに150℃で30分
間加熱した後、トルエン、エタノール、ジメチルアセト
アミドおよびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬しても
色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ち
ることもなく十分に固定化されており、優れた耐久性を
有することが確認された。 (実施例II−8)テトラエトキシシラン50g、アセト
ニトリル40gおよび水50gを混合した後、さらに塩
酸0.1gを加えテトラエトキシシランをゾル化したゾ
ル溶液を調製した。次いで、各着色工程の後、100℃
で30分間加熱乾燥させなかった以外は、実施例(II−
1)と全く同様にして、所定の領域がR,G,Bに着色
された有機ケイ素化合物膜を得、この有機ケイ素化合物
膜を、上述したようなゾル溶液に浸漬して150℃で1
時間乾燥し、本発明の着色部材を作製した。この着色部
材を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドお
よびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色
素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちる
こともなく、十分に固定化されており、優れた耐久性を
有していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K5
401)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、
十分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例II−9)テトラビニルシラン20gおよびその
重合触媒としての塩化白金酸1gをトルエン80gに溶
解した溶液をゾル溶液の代わりに用いた以外は、実施例
(II−8)と全く同様の着色部材を作製した。この着色
部材を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミド
およびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、
色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ち
ることもなく十分に固定化されており、優れた耐久性を
有していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K5
401)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、
十分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例II−10)テトラエトキシシラン50g、アセ
トニトリル40gおよび水50gを混合し、得られた溶
液に色素成分としてPR238(山陽色素製顔料)を配
合した後、ボールミルで塩酸0.1gを加えながら5時
間分散させて着色ゾルを調製した。次いで、実施例(II
−1)と全く同様にして有機ポリシランAZrを主体と
する有機ケイ素化合物膜を形成し、低圧水銀ランプから
その全面に紫外線を1J/cm2 照射した後、上述した
ような着色ゾルに室温で10分間浸漬した。水洗後、1
50℃で30分間加熱乾燥したところ、全面が赤色に着
色された有機ケイ素化合物膜を着色層として備えた本発
明の着色部材が作製された。この着色部材をトルエン、
エタノール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクト
ンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素は溶出せず、か
つ着色層が透明基板から剥がれ落ちることもなく十分に
固定化されており、優れた耐久性を有することが確認さ
れた。 (実施例II−11)(実施例II−1)で作製された着色
部材表面上にITO膜をスパッタ成膜した後、溶媒可溶
性のポリイミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処
理を順次施し、着色層上に透明電極および液晶配向膜が
設けられてなるカラーフィルタ基板を得た。一方、表面
に透明電極としてITO膜が蒸着された硬質ガラスを過
酸化水素水および硫酸の混合物で処理して水洗後、リン
サードライヤーで乾燥し、さらに150℃で30分乾燥
した。次いで、このような硬質ガラス上にTFTを実装
した後、TFTおよびITO膜上に溶媒可溶性のポリイ
ミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処理を順次施
し、TFTおよび液晶配向膜が設けられてなるITO付
き透明基板を得た。
見受けられず、R,G,Bとも十分に着色されていた。
また、着色部材をさらに150℃で30分間加熱した
後、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドおよ
びブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素
は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちるこ
ともなく十分に固定化されており、優れた耐久性を有し
ていた。 (実施例II−4〜II−7)有機ポリシランBZrの代わ
りに、それぞれ有機ポリシランCNa,DZr,ENa
およびOCSを用いた以外は、実施例(II−3)と同様
にして、(実施例II−4〜II−7)の着色部材を作製し
た。これらの着色部材についても、得られた着色層には
色抜けなどが見受けられず、R,G,Bとも十分に着色
されていた。また、着色部材をさらに150℃で30分
間加熱した後、トルエン、エタノール、ジメチルアセト
アミドおよびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬しても
色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ち
ることもなく十分に固定化されており、優れた耐久性を
有することが確認された。 (実施例II−8)テトラエトキシシラン50g、アセト
ニトリル40gおよび水50gを混合した後、さらに塩
酸0.1gを加えテトラエトキシシランをゾル化したゾ
ル溶液を調製した。次いで、各着色工程の後、100℃
で30分間加熱乾燥させなかった以外は、実施例(II−
1)と全く同様にして、所定の領域がR,G,Bに着色
された有機ケイ素化合物膜を得、この有機ケイ素化合物
膜を、上述したようなゾル溶液に浸漬して150℃で1
時間乾燥し、本発明の着色部材を作製した。この着色部
材を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミドお
よびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、色
素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ちる
こともなく、十分に固定化されており、優れた耐久性を
有していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K5
401)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、
十分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例II−9)テトラビニルシラン20gおよびその
重合触媒としての塩化白金酸1gをトルエン80gに溶
解した溶液をゾル溶液の代わりに用いた以外は、実施例
(II−8)と全く同様の着色部材を作製した。この着色
部材を、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミド
およびブチロラクトンの各有機溶媒に浸漬したところ、
色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から剥がれ落ち
ることもなく十分に固定化されており、優れた耐久性を
有していた。また、鉛筆引っ掻き試験法(JIS−K5
401)で測定された着色層の表面硬度は5Hであり、
十分な機械的強度を有することが確認された。 (実施例II−10)テトラエトキシシラン50g、アセ
トニトリル40gおよび水50gを混合し、得られた溶
液に色素成分としてPR238(山陽色素製顔料)を配
合した後、ボールミルで塩酸0.1gを加えながら5時
間分散させて着色ゾルを調製した。次いで、実施例(II
−1)と全く同様にして有機ポリシランAZrを主体と
する有機ケイ素化合物膜を形成し、低圧水銀ランプから
その全面に紫外線を1J/cm2 照射した後、上述した
ような着色ゾルに室温で10分間浸漬した。水洗後、1
50℃で30分間加熱乾燥したところ、全面が赤色に着
色された有機ケイ素化合物膜を着色層として備えた本発
明の着色部材が作製された。この着色部材をトルエン、
エタノール、ジメチルアセトアミドおよびブチロラクト
ンの各有機溶媒に浸漬したところ、色素は溶出せず、か
つ着色層が透明基板から剥がれ落ちることもなく十分に
固定化されており、優れた耐久性を有することが確認さ
れた。 (実施例II−11)(実施例II−1)で作製された着色
部材表面上にITO膜をスパッタ成膜した後、溶媒可溶
性のポリイミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処
理を順次施し、着色層上に透明電極および液晶配向膜が
設けられてなるカラーフィルタ基板を得た。一方、表面
に透明電極としてITO膜が蒸着された硬質ガラスを過
酸化水素水および硫酸の混合物で処理して水洗後、リン
サードライヤーで乾燥し、さらに150℃で30分乾燥
した。次いで、このような硬質ガラス上にTFTを実装
した後、TFTおよびITO膜上に溶媒可溶性のポリイ
ミドのワニスを塗布して熱処理、ラビング処理を順次施
し、TFTおよび液晶配向膜が設けられてなるITO付
き透明基板を得た。
【0108】次に、これらのカラーフィルタ基板および
ITO付き透明基板を、それぞれの液晶配向膜が対向す
るようにスペーサを介して5μmの間隔で配置し、シー
ル後、得られた液晶セルに液晶として6CB(4,4´
−ヘキシルシアノビフェニル)を封入した。この液晶表
示素子について、室温での電圧保持率を測定したとこ
ろ、95%と良好な値を示した。 (実施例II−12)有機ポリシランAZr10g、およ
びラジカル発生剤としてのベンゾイルペルオキシド5g
をトルエン20gに溶解した溶液を、ガラス基板上にス
ピンコート法で塗布した後、100℃で20分間乾燥し
て、膜厚約1μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。得
られた有機ケイ素化合物膜に、カラーフィルター用マス
クを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照
射した。続いて、色素成分としてビクトリアブルーBH
(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)を1w
t%含有するアセトニトリル20wt%水溶液に、有機
ケイ素化合物膜を25℃で3分間浸漬した。水洗後、1
00℃で30分間加熱乾燥したところ、紫外線照射部が
青色に着色されていた。
ITO付き透明基板を、それぞれの液晶配向膜が対向す
るようにスペーサを介して5μmの間隔で配置し、シー
ル後、得られた液晶セルに液晶として6CB(4,4´
−ヘキシルシアノビフェニル)を封入した。この液晶表
示素子について、室温での電圧保持率を測定したとこ
ろ、95%と良好な値を示した。 (実施例II−12)有機ポリシランAZr10g、およ
びラジカル発生剤としてのベンゾイルペルオキシド5g
をトルエン20gに溶解した溶液を、ガラス基板上にス
ピンコート法で塗布した後、100℃で20分間乾燥し
て、膜厚約1μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。得
られた有機ケイ素化合物膜に、カラーフィルター用マス
クを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照
射した。続いて、色素成分としてビクトリアブルーBH
(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)を1w
t%含有するアセトニトリル20wt%水溶液に、有機
ケイ素化合物膜を25℃で3分間浸漬した。水洗後、1
00℃で30分間加熱乾燥したところ、紫外線照射部が
青色に着色されていた。
【0109】次に、有機ケイ素化合物膜に対し、青色に
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル20wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
染色された領域が覆われるよう位置をずらしてマスクを
重ね、紫外線を同様に照射した。続いて、色素成分とし
てアストラフロキシンFF(保土ヶ谷化学社製メチン系
染料)を1wt%含有するアセトニトリル20wt%水
溶液に、有機ケイ素化合物膜を25℃で2分間浸漬し
た。水洗後、100℃で30分間加熱乾燥して、所定の
領域が青色および赤色に染色された有機ケイ素化合物膜
を得た。
【0110】さらに、この有機ケイ素化合物膜に再度位
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%、0.7wt%含有するア
セトニトリル20wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜
を25℃で10分間浸漬し、水洗した後、100℃で3
0分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞれ
赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色された
有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の着
色部材が作製された。
置をずらしてマスクを重ね、紫外線を照射した。続い
て、色素成分としてブリリアントベーシックシアニン6
GH(保土ヶ谷化学社製トリフェニルメタン系染料)お
よびイエロー7GLH(保土ヶ谷化学社製メチン系染
料)をそれぞれ0.5wt%、0.7wt%含有するア
セトニトリル20wt%水溶液に、有機ケイ素化合物膜
を25℃で10分間浸漬し、水洗した後、100℃で3
0分間加熱乾燥した。この結果、所定の領域がそれぞれ
赤色(R)、青色(B)および緑色(G)に着色された
有機ケイ素化合物膜を、着色層として備えた本発明の着
色部材が作製された。
【0111】次いで、上述したような本発明の着色部材
について、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミ
ドおよびブチロラクトンに対する耐溶媒性を調べること
でその耐久性を評価したところ、これらの有機溶媒に浸
漬されても色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から
剥がれ落ちることもなく、十分に固定化されていること
がわかった。また、着色層における光透過率はR,G,
Bの各着色領域でそれぞれの特性吸収において3%、1
%、2%といずれも良好な値を示した。
について、トルエン、エタノール、ジメチルアセトアミ
ドおよびブチロラクトンに対する耐溶媒性を調べること
でその耐久性を評価したところ、これらの有機溶媒に浸
漬されても色素は溶出せず、かつ着色層が透明基板から
剥がれ落ちることもなく、十分に固定化されていること
がわかった。また、着色層における光透過率はR,G,
Bの各着色領域でそれぞれの特性吸収において3%、1
%、2%といずれも良好な値を示した。
【0112】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば製
造プロセスを短縮しながら、高精細で着色層の耐久性や
機械的強度が優れ、フルカラーディスプレイ用の液晶表
示素子などに極めて有用なカラーフィルタなどの着色部
材を実現することが可能となり、その工業的価値は大な
るものがある。
造プロセスを短縮しながら、高精細で着色層の耐久性や
機械的強度が優れ、フルカラーディスプレイ用の液晶表
示素子などに極めて有用なカラーフィルタなどの着色部
材を実現することが可能となり、その工業的価値は大な
るものがある。
【図1】本発明の着色部材の製造方法において、着色層
を多色化する場合の工程図。
を多色化する場合の工程図。
【図2】フルカラーディスプレイ用の液晶表示素子の縦
断面図。
断面図。
【図3】フルカラーディスプレイ用の他の液晶表示素子
の断面図。
の断面図。
1,111 ,112 …透明基板、2…有機ケイ素化合物
膜 31 ,32 ,33 …マスク、4…紫外線、10…カラー
フィルタ 121 ,122 …透明電極、13…TFT、14…ゲー
ト電極 15…ゲート絶縁膜、16…半導体層、17…ソース電
極 18…ドレイン電極、191 ,192 …液晶配向膜、2
0…液晶 21…パッシベーション膜、22…密着層、231 ,2
32 …電極。
膜 31 ,32 ,33 …マスク、4…紫外線、10…カラー
フィルタ 121 ,122 …透明電極、13…TFT、14…ゲー
ト電極 15…ゲート絶縁膜、16…半導体層、17…ソース電
極 18…ドレイン電極、191 ,192 …液晶配向膜、2
0…液晶 21…パッシベーション膜、22…密着層、231 ,2
32 …電極。
Claims (15)
- 【請求項1】 有機ポリシランの光酸化物を主体とした
ケイ素系マトリックス中に色素成分が含有されてなる着
色層を備えた着色部材において、ケイ素系マトリックス
中の全ケイ素原子のうち有機残基との結合手を1本のみ
有するケイ素原子数が5at%以上に設定されているこ
とを特徴とする着色部材。 - 【請求項2】 Si−O−Si結合の三次元構造を有す
るケイ素系マトリックス中に色素成分が含有されてなる
着色層を備えた着色部材において、ケイ素系マトリック
ス中の全ケイ素原子のうちSi−C結合を1個のみ有す
るケイ素原子数が全ケイ素原子中5at%以上に設定さ
れていることを特徴とする着色部材。 - 【請求項3】 互いに異なる色素成分を含有する複数の
着色領域が着色層中に形成されている請求項1または2
に記載の着色部材。 - 【請求項4】 カラーフィルターである請求項3に記載
の着色部材。 - 【請求項5】 下記一般式(1)〜(3)のいずれかで
表される繰返し単位を5%以上有する有機ポリシランを
主体とした有機ケイ素化合物膜を形成する成膜工程と、
得られた有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線を照
射する露光工程と、露光工程の後色素成分を含有する溶
液に有機ケイ素化合物膜を浸漬する着色工程と、所定の
領域が着色された有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する三
次元化工程とを有することを特徴とする着色部材の製造
方法。 【化1】 (ここで、R1 は置換または非置換の炭化水素基、R2
は置換もしくは非置換の炭化水素基またはアシル基、R
3 は置換もしくは非置換のシリル基またはポリシラン骨
格である。) - 【請求項6】 前記一般式(1)〜(3)のいずれかで
表される繰返し単位を5%以上有する有機ポリシランを
主体とした有機ケイ素化合物膜を形成する成膜工程と、
得られた有機ケイ素化合物膜の第1の領域に紫外線を照
射する第1の露光工程と、第1の露光工程の後第1の色
素成分を含有する溶液に有機ケイ素化合物膜を浸漬する
第1の着色工程と、有機ケイ素化合物膜の第2の領域に
紫外線を照射する第2の露光工程と、第2の露光工程の
後第2の色素成分を含有する溶液に有機ケイ素化合物膜
を浸漬する第2の着色工程と、所定の領域が着色された
有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する三次元化工程とを有
することを特徴とする着色部材の製造方法。 - 【請求項7】 前記有機ケイ素化合物膜は、前記一般式
(1)で表される繰返し単位を有する有機ポリシランに
対し、ラジカル発生剤を配合してなる有機ポリシラン組
成物の溶液を基板上に塗布した後、加熱乾燥することに
より形成される請求項5または6に記載の着色部材の製
造方法。 - 【請求項8】 有機ポリシラン組成物中に、1分子中に
少なくとも2個の不飽和結合を有する有機化合物がさら
に配合されている請求項7に記載の着色部材の製造方
法。 - 【請求項9】 色素成分を含有する溶液に次いで金属ア
ルコキシドおよびその分解生成物の少なくとも1種を含
有するゾル溶液に有機ケイ素化合物膜を浸漬する請求項
5ないし8のいずれか1項に記載の着色部材の製造方
法。 - 【請求項10】 色素成分ならびに金属アルコキシドお
よびその分解生成物の少なくとも1種を含有するゾル溶
液に有機ケイ素化合物膜を浸漬する請求項5ないし8の
いずれか1項に記載の着色部材の製造方法。 - 【請求項11】 着色部材がカラーフィルタである請求
項5ないし10のいずれか1項に記載の着色部材の製造
方法。 - 【請求項12】 対向する1対の透明基板と、これら1
対の透明基板のそれぞれの主面上に互いに対向するよう
に形成された透明電極と、この透明電極を介して1対の
透明基板間に封入された液晶とを備えた液晶表示素子で
あって、いずれか一方の透明基板とこの透明基板の主面
上に形成された透明電極との間に請求項4に記載のカラ
ーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項13】 下記一般式(1)で表される繰返し単
位を有する有機ポリシラン、およびラジカル発生剤を含
有することを特徴とする有機ポリシラン組成物。 【化2】 (ここで、R1 は置換または非置換の炭化水素基であ
る。) - 【請求項14】 1分子中に少なくとも2個の不飽和結
合を有する有機化合物をさらに含有する請求項13に記
載の有機ポリシラン組成物。 - 【請求項15】 前記一般式(1)中のR1 は、置換ま
たは非置換のフェニル基、ナフチル基、フェナントリル
基、およびアントラニル基からなる群から選択された基
である請求項13に記載の有機ポリシラン組成物。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33894395A JPH08311345A (ja) | 1995-03-13 | 1995-12-26 | 有機ポリシラン組成物、着色部材、着色部材の製造方法、及び液晶表示素子 |
US08/612,580 US5702776A (en) | 1995-03-13 | 1996-03-08 | Organic polysilane composition, colored material, method of manufacturing colored material and liquid crystal display |
KR1019960006452A KR0173196B1 (ko) | 1995-03-13 | 1996-03-12 | 유기 폴리실란 조성물, 착색 부재, 착색 부재의 제조 방법 및 액정 표시 소자 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5214195 | 1995-03-13 | ||
JP7-52141 | 1995-03-13 | ||
JP33894395A JPH08311345A (ja) | 1995-03-13 | 1995-12-26 | 有機ポリシラン組成物、着色部材、着色部材の製造方法、及び液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311345A true JPH08311345A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=26392758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33894395A Pending JPH08311345A (ja) | 1995-03-13 | 1995-12-26 | 有機ポリシラン組成物、着色部材、着色部材の製造方法、及び液晶表示素子 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5702776A (ja) |
JP (1) | JPH08311345A (ja) |
KR (1) | KR0173196B1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004026894A (ja) * | 2002-06-21 | 2004-01-29 | Osaka Gas Co Ltd | フッ素含有ポリシラン化合物 |
JP2008063586A (ja) * | 2007-11-07 | 2008-03-21 | Osaka Gas Co Ltd | ポリシラン化合物の製造方法 |
JP2008075089A (ja) * | 2007-11-08 | 2008-04-03 | Osaka Gas Co Ltd | フッ素含有ポリシラン化合物の製造方法 |
JP2015187211A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-29 | 富士フイルム株式会社 | 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置 |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5994721A (en) * | 1995-06-06 | 1999-11-30 | Ois Optical Imaging Systems, Inc. | High aperture LCD with insulating color filters overlapping bus lines on active substrate |
WO1999056184A1 (de) * | 1998-04-28 | 1999-11-04 | Blaettler, Ljubica, Buba | Uhr mit 'lebendigem' zifferblatt |
JP3114723B2 (ja) * | 1998-08-03 | 2000-12-04 | 日本電気株式会社 | 液晶表示装置およびその製造方法 |
JP2001305333A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-10-31 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタおよび液晶表示装置 |
US7035518B2 (en) * | 2001-04-13 | 2006-04-25 | Hitachi Cable, Ltd. | Polymer waveguides and process for producing the same |
KR100546118B1 (ko) * | 2003-06-27 | 2006-01-24 | 주식회사 하이닉스반도체 | 미세 패턴 형성방법 |
JP3869403B2 (ja) * | 2003-09-30 | 2007-01-17 | 株式会社東芝 | ホログラム記録媒体、その製造方法、およびホログラム記録方法 |
KR20060030577A (ko) * | 2004-10-06 | 2006-04-11 | 삼성전자주식회사 | 박막 트랜지스터 표시판 |
US7625063B2 (en) | 2004-11-04 | 2009-12-01 | Applied Materials, Inc. | Apparatus and methods for an inkjet head support having an inkjet head capable of independent lateral movement |
US7413272B2 (en) | 2004-11-04 | 2008-08-19 | Applied Materials, Inc. | Methods and apparatus for precision control of print head assemblies |
US7460267B2 (en) | 2005-07-15 | 2008-12-02 | Applied Materials, Inc. | Green printing ink for color filter applications |
US7544723B2 (en) | 2005-07-15 | 2009-06-09 | Applied Materials, Inc. | Blue printing ink for color filter applications |
US20070065571A1 (en) * | 2005-09-19 | 2007-03-22 | Applied Materials. Inc. | Method and apparatus for manufacturing a pixel matrix of a color filter for a flat panel display |
US7611217B2 (en) | 2005-09-29 | 2009-11-03 | Applied Materials, Inc. | Methods and systems for inkjet drop positioning |
JP2007298950A (ja) | 2006-02-07 | 2007-11-15 | Applied Materials Inc | カラーフィルタのムラ不整を低減するための方法及び装置 |
US7857413B2 (en) | 2007-03-01 | 2010-12-28 | Applied Materials, Inc. | Systems and methods for controlling and testing jetting stability in inkjet print heads |
US7637587B2 (en) | 2007-08-29 | 2009-12-29 | Applied Materials, Inc. | System and method for reliability testing and troubleshooting inkjet printers |
US20090141218A1 (en) * | 2007-10-26 | 2009-06-04 | Applied Materials, Inc. | Methods and apparatus for curing pixel matrix filter materials |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2744377B2 (ja) * | 1992-03-26 | 1998-04-28 | 日本ペイント株式会社 | 着色パターン形成法 |
JP2865921B2 (ja) * | 1992-01-14 | 1999-03-08 | 日本ペイント株式会社 | 染色パターン形成法 |
-
1995
- 1995-12-26 JP JP33894395A patent/JPH08311345A/ja active Pending
-
1996
- 1996-03-08 US US08/612,580 patent/US5702776A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-03-12 KR KR1019960006452A patent/KR0173196B1/ko not_active IP Right Cessation
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004026894A (ja) * | 2002-06-21 | 2004-01-29 | Osaka Gas Co Ltd | フッ素含有ポリシラン化合物 |
JP2008063586A (ja) * | 2007-11-07 | 2008-03-21 | Osaka Gas Co Ltd | ポリシラン化合物の製造方法 |
JP2008075089A (ja) * | 2007-11-08 | 2008-04-03 | Osaka Gas Co Ltd | フッ素含有ポリシラン化合物の製造方法 |
JP4564998B2 (ja) * | 2007-11-08 | 2010-10-20 | 大阪瓦斯株式会社 | フッ素含有ポリシラン化合物の製造方法 |
JP2015187211A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-29 | 富士フイルム株式会社 | 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5702776A (en) | 1997-12-30 |
KR960034366A (ko) | 1996-10-22 |
KR0173196B1 (ko) | 1999-03-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH08311345A (ja) | 有機ポリシラン組成物、着色部材、着色部材の製造方法、及び液晶表示素子 | |
DE602005003475T2 (de) | Strahlungsempfindliche silikonharzzusammensetzung | |
CN1561458A (zh) | 聚合物波导的制造方法 | |
JP2999603B2 (ja) | スピンオングラス組成物、ハードマスクおよびハードマスク製造法 | |
US5708099A (en) | Polysiloxane resin containing optically-functional constituents and transparent optically-functional element obtained therefrom | |
KR20150098587A (ko) | 염료 및 착색 경화성 수지 조성물 | |
JP3952149B2 (ja) | 光導波路形成用材料及び光導波路の製造方法 | |
JPH09208704A (ja) | 有機ケイ素高分子材料及び着色部材の製造方法 | |
CN1188749C (zh) | 光敏树脂组合物及液晶显示装置层间绝缘层图案的形成方法 | |
JP2011518237A (ja) | 高屈折率ゾルゲル組成物および光パターン形成された構造を基板上で作製する方法 | |
EP2826802B1 (en) | Method for producing ring-opening metathesis polymer hydride, and resin composition | |
CN111742016A (zh) | 着色树脂组合物 | |
TW200930777A (en) | Radiation-sensitive composition for a red color filter, color filter and color liquid crystal display device | |
JPH0940779A (ja) | ポリシロキサン、ポリシロキサン組成物、絶縁膜の製造方法、着色部材の製造方法及び導電膜の製造方法 | |
CN108017730B (zh) | 一种光刻胶组合物、彩色滤光片及其制备方法 | |
TW202336465A (zh) | 著色樹脂組成物、著色膜、裝飾基板 | |
JPH04264132A (ja) | ヒドロフェニルポリシラン及びその製造方法 | |
KR20210084249A (ko) | 화합물, 착색 수지 조성물, 컬러 필터 및 표시 장치 | |
JP2004018962A (ja) | 金属コロイドパターンの形成方法 | |
Raditoiu et al. | Synthesis, characterization and photoisomerization behavior of some organic modified silica—Azo dye hybrid films | |
JPH09188814A (ja) | ポリシロキサン組成物、絶縁膜の製造方法、着色部材の製造方法及び導電膜の製造方法 | |
JPH095784A (ja) | 液晶表示装置、その製造方法および表示電極基板 | |
JPH09249847A (ja) | 着色組成物および着色部材の製造方法 | |
KR102368697B1 (ko) | 감광성 수지 조성물, 이를 이용하여 형성된 화소 구획 층, 및 상기 화소 구획 층을 포함하는 전자 소자 | |
TW201426172A (zh) | 用於彩色濾光片的感光性樹脂組成物及使用其的彩色濾光片 |