JP2744377B2 - 着色パターン形成法 - Google Patents

着色パターン形成法

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JP2744377B2
JP2744377B2 JP6824392A JP6824392A JP2744377B2 JP 2744377 B2 JP2744377 B2 JP 2744377B2 JP 6824392 A JP6824392 A JP 6824392A JP 6824392 A JP6824392 A JP 6824392A JP 2744377 B2 JP2744377 B2 JP 2744377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明な基板に着色パター
ンを形成する方法に関し、特に、カラー液晶ディスプレ
イ用カラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を光シャッターとしたカラー液晶デ
ィスプレイの需要が急速な高まりをみせている。現在開
発が進められているカラー液晶ディスプレイには、単純
マトリックス駆動方式とアクティブマトリックス駆動方
式の2種類がある。カラーフィルタは、いずれの場合も
その性能を握る重要な要素である。
【0003】カラーフィルタの主な製造法には、染色
法、カラーレジスト法、電着法および印刷法が挙げられ
る。
【0004】このようなカラーフィルタの製造法のう
ち、染色法、カラーレジスト法および電着法では、フィ
ルタ材料にRGB3原色を形成するためには、各色毎に湿
式現像工程を包含するホトリソグラフィー工程を必要と
する。したがって、製造工程が複雑となり歩留りも低く
コストを低減し難い。
【0005】印刷法はホトリソグラフィー工程を要しな
いために製造工程が比較的単純であるが、形成されるRG
Bパターンの位置を厳密に制御することができない。し
たがって、ブラックマトリックス端部のふくれや細りに
よるパターンの乱れが生じる。
【0006】そこで、工程が単純であるために低コスト
で製造可能であり、優れたパターン精細度のカラーフィ
ルタを得ることが可能な着色パターン形成法が望まれて
いる。
【0007】一方、有機ポリシランを紫外線照射するこ
とにより生じるシラノール基を利用したパターン染色法
が「横山正明(Masaaki Yokoyama)ら、ケミストリー・レ
ターズ(CHEMISTRY LETTERS)、第1563〜1566頁、1991年」
に記載されている。この文献では、有機ポリシラン層を
紫外線照射すると、ポリシラン層の紫外線露光部分が特
定の染料に対して良好な染色性を示す現象のメカニズム
の解明を試みている。
【0008】本発明者等は既にこの原理を応用し、色素
を選択することで単層のポリシラン層に対して多色パタ
ーンを混色せずに逐次染色する方法がすでに考案されて
いる(特願平4−4539号)。本発明者はこの技術を改
良して、色素の選択性の幅を広げ、耐光・耐熱性を向上
することについて検討を続けた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記検討の結
果成し得たものであり、その目的とするところは、有機
ポリシランを紫外線照射することにより生じるシラノー
ル基を利用した染色法を改善し、低コストで製造可能で
あり、優れたパターン精細度のRGBカラーフィルタを得
ることが可能な着色パターン形成法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、 a)基板上に設けられた式
【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は置換もしくは無置換の脂
肪族炭化水素残基、脂環式炭化水素残基および芳香族炭
化水素残基からなる群からそれぞれ独立して選択される
基であり、mおよびnは整数である。]で示される構造の
ポリシランからなるポリシラン層を選択的に紫外線露光
して着色パターンの潜像を形成する工程と、 b)着色パターンの潜像が形成された上記ポリシラン層
を、少なくとも1種類の染料または顔料を含む、金属ア
ルコキシドを原料とする着色ゾル溶液に浸漬した後に乾
燥する工程とを包含するパターン着色工程;およびc)該
ポリシラン層に異なる着色パターンの潜像を形成するこ
と、および異なる染料または顔料を用いること以外は、
該パターン着色工程と同様にして少なくとも1回行われ
る別のパターン着色工程;を包含するポリシラン層に多
色着色パターンを形成する方法を提供するものであり、
そのことより、上記目的が達成される。
【0011】すなわち、着色ゾル溶液層が乾燥工程によ
り、架橋、ゲル化することでポリシラン層に強固に定着
し、次の着色工程での再溶解や再分散を防止でき、混色
せずに多色着色パターンが形成できる。
【0012】本発明に用い得るポリシランは、式
【0013】
【化3】
【0014】[式中、R1、R2、R3およびR4はメチル基、n
-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、フェニルエ
チル基、トリフルオロプロピル基およびノナフルオロヘ
キシル基のような置換もしくは無置換脂肪族炭化水素残
基、p-トリル基、ビフェニル基およびフェニル基のよう
な置換もしくは無置換芳香族炭化水素残基、およびシク
ロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基のような置換も
しくは無置換脂環式炭化水素残基からなる群からそれぞ
れ独立して選択される基であり、mおよびnは整数であ
る。]で示される構造を有するポリシランである。R1〜R
4基の種類、およびmおよびnの値は特に重要ではなく、
このポリシラン樹脂が有機溶媒可溶性であり、透明均一
な薄膜(厚さ1〜10μm)でコーティング可能なものであ
ればよい。
【0015】しかしながら、一般に、ポリシランの分子
量が低くなると形成されるポリシラン層の耐有機溶媒性
が低下する。したがって低分子量のポリシランを用いて
ポリシラン層を形成すると、着色ゾル溶液に含有される
有機溶媒の量が多いか、または着色温度および着色時間
のような着色条件が過酷すぎる場合は、着色時に、特
に、ポリシラン層の低分子量部分が着色ゾル溶液に再溶
解する。このように、ポリシラン層が着色に部分的に再
溶解すると、着色後のポリシラン層にピンホールが生じ
得る。したがって、10,000を上回る重量平均分子量を有
するポリシランが本発明のポリシラン層に特に好まし
い。
【0016】このようなポリシランは、例えば、複数も
しくは単一のジオルガノジクロロシランを金属ナトリウ
ムの存在下でトルエンもしくはn-デカン溶媒中で100℃
を上回る温度で3時間以上加熱重合することにより調製
される。
【0017】本発明に用い得る好ましいポリシランの具
体例には、R1がメチル基であり、R2がフェニル基である
フェニルメチルポリシラン、R1がメチル基であり、R2
フェニル基であり、R3がメチル基であり、R4がトリフル
オロプロピル基であるフェニルメチル/メチルトリフル
オロプロピルコポリシラン等が挙げられる。
【0018】ポリシラン層の部分的な再溶解による表面
の乱れは、ポリシラン層中に架橋剤を配合してポリシラ
ン層の耐有機溶媒性を向上させることにより防止され
る。本発明のポリシラン層に用い得る架橋剤としては、
ジメチルポリシロキサンジオールのような両末端にシラ
ノール基を有するシリコーンオイル100重量部に対し
て、アセトキシシラン、オキシムシラン、アルコキシシ
ラン、エノキシシラン、アミノシラン、アミドシランお
よびアミノオキシシランなどのような3官能シラン2〜
10部、およびスズ化合物および白金化合物のような金属
触媒0.05〜1部、からなるシリコーンゴム組成物を用い
ることが好ましい。このようなシリコーンゴム組成物は
湿気による縮合反応によりポリシラン層を架橋し、ポリ
シラン層の耐有機溶媒性を向上させる。シリコーンゴム
組成物の配合量は、ポリシラン100重量部に対して0.01
〜50重量部が好ましく、1〜10重量部が特に好ましい。
配合量が0.01重量部を下回ると充分な耐有機溶媒性がポ
リシラン層に付与されず、配合量が50重量部を上回ると
着色性が低下する。
【0019】また、着色ゾルがポリシラン層の表面に凝
集することによりブツが生じる場合がある。この場合に
は、例えば、R1がメチル基であり、R2がトリフルオロプ
ロピル基であるメチルトリフルオロプロピルポリシラン
のようなフッ素系ポリシランをポリシラン層に用いるこ
とによりブツのポリシラン層表面への付着が防止され
る。
【0020】本発明に用い得る染料・顔料は、金属アル
コキシドのアルコール溶液に溶解もしくは分散できる染
料または顔料であり、ゾル溶液中でシラノール基と相互
作用を有し得る全ての染料または顔料である。このよう
な染料、顔料は、紫外線照射によりポリシラン層中に形
成されるシラノール基と相互作用することにより、フィ
ルタ材料に吸着すると考えられる。その結果、フィルタ
材料が露光パターンに応じて着色される。
【0021】このような染料には、塩基性染料、油溶性
染料および、分散染料が含まれる。本発明に好適に使用
し得る染料のC.I.No.の例を以下に示す。
【0022】塩基性染料としては、ベーシック・レッド
(Basic Red)12、ベーシック・レッド27、ベーシック・
バイオレット(Basic Violet)7、ベーシック・バイオレ
ット10、ベーシック・バイオレット40、ベーシック・ブ
ルー(Basic Blue)1、ベーシック・ブルー7、ベーシッ
ク・ブルー26、ベーシック・ブルー77、ベーシック・グ
リーン(Basic Green)1およびベーシック・イエロー(Ba
sic Yellow)21が挙げられる。
【0023】油溶性染料としては、ソルベント・レッド
(Solvent Red)125、ソルベント・レッド132、
ソルベント・レッド83、ソルベント・レッド109、
ソルベント・ブルー(Solvent Blue)67、ソルベント
・ブルー25、ソルベント・イエロー(Solvent Yello
w)25、ソルベント・イエロー89、ソルベント・イエ
ロー146が挙げられる。
【0024】分散染料としては、ディスパース・レッド
(Disperse Red)60、ディスパース・レッド72、デ
ィスパース・ブルー(Disperse Blue)56、ディスパ
ース・ブルー60、ディスパース・イエロー(Disperse
Yellow)60が挙げられる。
【0025】これらの中で特に耐熱性、耐光性に優れる
含金属系の油溶性染料がカラーフィルター材料として適
する。
【0026】顔料は金属アルコキシドのアルコール溶液
で1度分散した後に、ゾル化しても良いし、ゾル溶液中
で分散させても良い。カラーフィルター材料に使用する
場合は可視光波長より小さな粒子径まで分散させること
が望ましい。本発明に好適に使用し得る顔料のC.I.
No.の例を以下に示す。
【0027】ピグメント・レッド(Pigment Red)22
0、ピグメント・レッド221、ピグメント・レッド5
3:1、ピグメント・ブルー(Pigment Blue)15:3、
ピグメント・ブルー60、ピグメント・グリーン(Pigm
ent Green)7、ピグメント・バイオレット(Pigment
Violet)37が挙げられる。
【0028】着色ゾルの材料としては、一般的にゾル−
ゲル法で使う、Si,Al,Zr,Ti等の金属アルコキシド
が使用できる。特に、取り扱いが容易な硅素のアルコキ
シドを用いた着色ゾルが本発明に適する。
【0029】例えば、テトラエトキシシランをアルコー
ル−水の混合溶媒に溶解させ、色素または顔料をこの溶
液に溶解または分散させた後、酸を加え、室温で2時間
撹拌することで、テトラエトキシシランは加水分解、脱
水縮合して、均一なシリカの着色ゾルが得られる。
【0030】着色ゾルの組成としては、エチルシリケー
ト100重量部に対してエタノール50〜200重量
部、水50〜200重量部、塩酸0.1〜3重量部、色
素または顔料0.5〜25重量部が好ましい。また、場
合においては、さらに水溶性の有機溶媒、例えばアセト
ニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフランを加えても
よい。
【0031】本発明のパターン形成法では、まず、ポリ
シラン層が適当な透明基板上に形成される。透明基板は
染色工程後も透明性が阻害されない耐有機溶媒性を有す
るものであれば特に限定されない。具体的には、ポリエ
ステルフィルム、ポリエーテルサルホンフィルムおよび
ガラス板等が基板として良好に用い得る。ガラス板を基
板として用いることが特に好ましい。基板の厚さは用い
る材質の強度に依存して変化する。例えば、ガラス板を
用いる場合は、カラーフィルタ材料としての強度の観点
から0.6〜1.2mmの範囲の厚さのものが好ましい。
【0032】このような透明基板上にポリシラン層が形
成される。均一な厚さのポリシラン層を形成可能であれ
ば、形成方法は特に限定されない。一般に、スピンコー
ト法を用いることが好ましい。
【0033】このように、上述のポリシランおよび必要
に応じて架橋剤を含有する溶液を基板上に塗布乾燥する
ことにより、透明基板上にポリシラン層が形成されたフ
ィルタ材料が得られる。ポリシラン層形成工程で用いら
れる有機溶媒は、ポリシランを溶解可能な蒸発性有機溶
媒であれば特に限定されない。ここでは、トルエンおよ
びn-デカンが好適に用いられる。ポリシラン層は1〜10
μmの範囲の乾燥厚に形成することが好ましい。
【0034】得られるフィルタ材料を多色パターンに着
色する工程の一例を図1の(a)〜(f)に示す。まず、図1
(a)に示すように、上述のようにして得られた基板101と
ポリシラン層102とからなるフィルタ材料104は、水銀灯
のような紫外線源を用いてパターンに応じて照射され
る。紫外線110の照射はフィルタ材料104上に重ねられた
パターンのマスクフィルム103を通して行われる。
【0035】本発明で用いられる紫外線はポリシランの
σ-σ*吸収域である300〜400nmの波長を有する。この照
射は、好ましくは、0.5〜10J/cm2の光量で行われる。照
射光量が0.5J/cm2を下回ると着色性が低下し、10J/cm2
を上回るとピンホールの発生が多くなる。
【0036】ポリシラン層に存在するSi-Si結合は紫外
線照射により切断されてSiOH(シラノール基)が生成す
る。したがって、照射されたフィルタ材料にはパターン
に応じてシラノール基を有する潜像が形成される。
【0037】次いで、シラノール基を有する潜像が形成
されたフィルタ材料を着色ゾル溶液に浸漬することによ
り、フィルタ材料のパターン部分が着色される。ポリシ
ラン層を膨潤させて着色速度および着色濃度を上昇させ
るために、必要に応じて、アセトニトリル、ジオキサン
およびテトラヒドロフランのような水溶性有機溶媒を添
加してもよい。このような水溶性有機溶媒は、好ましく
は、着色ゾル溶液中に1〜20重量%の量で含有される。
溶媒の含有量が20重量%を上回るとポリシラン層の部分
的な再溶解が生じ、得られる着色色されたフィルタ材料
の表面に乱れが生じる可能性がある。
【0038】着色温度および着色時間のような着色条件
は所望の着色濃度、および用いられる染料または顔料の
種類および量に依存して変化し得る。しかしながら、あ
まり高温の着色ゾル溶液にフィルタ材料を長時間浸漬さ
せるとポリシラン層の部分的な再溶解が生じ、得られる
着色されたフィルタ材料の表面に乱れが生じうる。本発
明では、一般に、着色は20〜40℃の温度に加熱された着
色ゾル溶液にフィルタ材料を1〜40分間浸漬することに
より好適に行われる。
【0039】着色されたフィルタ材料は着色ゾル液を除
去した後に乾燥させる。着色ゾル液を除去する方法とし
ては、水洗する方法およびエアブローで吹き飛ばす方法
等を用い得る。
【0040】乾燥は、ポリシラン層の露光部分に吸着し
た着色ゾル粒子のゲル化をさらに進行させるために、1
00℃以上で10分から1時間乾燥させる。この状態で
は、色素または顔料はSiO2の架橋した膜の中に閉じ込
められ、有機溶媒等に溶出しなくなる。また、次の着色
工程においてもこの部分には着色が生じない。
【0041】乾燥温度は用いる基板、染料、顔料の許容
範囲でできるだけ高くすることで、着色膜はより硬い耐
性の優れた膜となる。ガラス基板を用い、顔料を使用す
れば、200℃で30分以上の乾燥処理ができる。この
ような第1パターン着色工程により、図1(b)に示すよ
うに、所望の1色にパターン着色されたフィルタ材料10
4'が得られる。
【0042】カラーフィルタのように多色にパターン着
色されたフィルタ材料が所望の場合は、次いで、図1
(c)に示すように、マスクフィルム103の代わりにマスク
フィルム113を用いてポリシラン層に異なる着色パター
ンの潜像を形成することおよび他の色を示す染料または
顔料を用いること以外は上記第1パターン着色工程と同
様にして、図1(d)に示すように、所望の2色にパター
ン着色されたフィルタ材料104"が得られる(第2パター
ン着色工程)。ここで用いられるマスクフィルム113は、
一般に、図1(c)に示すように、ポリシラン層の上記第
1パターン着色工程で着色されたパターン部分を覆い、
着色されていない部分が露光されるようなマスクパター
ンを有するものである。
【0043】さらに、所望の場合は、図1(e)に示すよ
うに、マスクフィルム113の代わりにマスクフィルム123
を用いてポリシラン層に異なる着色パターンの潜像を形
成すること、さらに他の色を示す染料または顔料を用い
ること以外は上記第2パターン着色工程と同様にして、
図1(f)に示すように、所望の3色にパターン着色され
たフィルタ材料104'''が得られる(第3パターン着色工
程)。ここで用いられるマスクフィルム123は、一般に、
図1(e)に示すように、ポリシラン層の上記第1パター
ン着色工程および第2パターン着色工程で着色されたパ
ターン部分を覆い、着色されていない部分が露光される
ようなマスクパターンを有するものである。
【0044】このような工程を繰り返すことによりさら
に多色にパターン着色されたフィルタ材料を作製するこ
とも可能である。また、ここで示す例では第1、第2お
よび第3パターン着色工程でポリシラン層に形成される
着色パターンは互いに重複しないように形成されてい
る。しかしながら、本明細書の「異なる着色パターンの
潜像を形成する」という用語はそれぞれのパターン着色
工程において全く同一の着色パターンの潜像を形成しな
いことを指して言い、必ずしも互いに重複しないように
着色パターンを形成することに限定されるものではな
い。また、本明細書の「異なる染料または顔料を用いる」
という用語は、各パターン着色工程において少なくとも
1種類の染料または顔料を含有する異なる色相を有する
着色ゾル溶液を用いることを指して言い、着色ゾル溶液
に用いられる染料または顔料組成の一部が各工程で重複
してもよい。
【0045】一旦、着色乾燥されたポリシラン層のパタ
ーン部分は、シラノール基がゾル粒子と共縮合するため
に消失し、後続の着色工程において他の染料、顔料で着
色されない。
【0046】このような簡便な操作によりカラーフィル
タ製造上の大きな問題であった混色が防止される。その
結果、従来のカラーフィルタ製造工程には必要とされて
きた個々の着色部分をコートする工程が不用となる。
【0047】上述のように、本発明のパターン着色法で
は着色パターン形成のために湿式現像工程を包含するホ
トリソグラフィー工程が不用である。また、この方法に
より得られるパターン着色されたフィルタ材料は透明基
板上に形成された単一のポリシラン層からなるので、本
質的に平坦な表面を有する。したがって、表面を平滑化
するための研磨工程および平坦化層を表面上に被覆する
工程が不用である。さらに、混色を防止するための防染
層を用いる必要が無い。その結果、着色パターン形成法
の工程が著しく簡略化される。
【0048】また、得られるパターン着色されたフィル
タ材料は平坦な表面を有し、着色パターン間の混色が生
じないので優れたパターン精細度を有する。
【0049】さらに、着色材として耐熱、耐光性の優れ
た含金属染料や、顔料を使用できるので、カラーディス
プレイ製造時の加熱工程での着色材の劣化を防ぐことが
できる。
【0050】本発明はカラー液晶ディスプレイ用カラー
フィルタの製造に特に適する。その場合には、上述の第
1、第2および第3パターン着色工程においてRGB3原
色に対応する染料または顔料がそれぞれ用いられる。ま
た、第4のパターン着色工程において黒色染料または顔
料を用いることによりブラックストライプを形成するこ
とも可能である。なお、当然のことながら、この第4の
パターン着色工程は必ずしもRGB3原色のパターン着色
の後に行う必要はなく、予めブラックストライプを形成
したフィルタ材料にRGB3原色のパターン着色を行って
もよい。
【0051】以下の実施例により本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。本実施例で用い
られる「%」および「部」は全て重量基準である。
【0052】
【調製例】撹拌機を備えた1000mlフラスコにトルエン40
0mlおよびナトリウム13.3gを充填した。高速撹拌するこ
とによりナトリウムをトルエン中に微細に分散した後、
ここにフェニルメチルジクロロシラン51.6gを添加し
た。次いで、このフラスコの内容物を紫外線を遮断した
イエロールーム中で111℃に昇温し、5時間撹拌するこ
とにより重合を行った。その後、得られる反応混合物に
エタノールを添加することにより過剰のナトリウムを失
活させ、水洗することにより有機層を分離した。この有
機層をエタノール中に投入することによりポリシランを
沈澱させた。得られた粗製のフェニルメチルポリシラン
をエタノール中で3回再結晶させることにより、重量平
均分子量20万のフェニルメチルポリシランを得た。
【0053】
【実施例1】調製例で得られたフェニルメチルポリシラ
ンの5%トルエン溶液を、縦5cm×横5cm×厚さ0.11cm
のガラス基板上にスピンコーター(ダイナパート社製「PR
S-14E」)を用いて塗布した。ついで、この塗膜を乾燥さ
せることにより厚さ2μmのポリシラン層を形成した。
【0054】得られたフィルタ材料上に、カラーフィル
タのブルー用透過パターンが形成された銀塩ネガティブ
フィルムを重ね、この積層体を中圧水銀灯を用いて4.8J
/cm2の光量の紫外線に露光した。銀塩ネガティブフィル
ムを除去した後に、潜像が形成されたフィルタ材料を、
以下の着色ゾル溶液に浸漬した。
【0055】着色ゾルはテトラエトキシシラン25g、
エタノール38g、水24gから成る溶液に保土谷化学
社、塩基性染料アストラフロキシンFF(Astra Phlox
ine FF conc.)1gを溶解した後に、塩酸0.3gを加
えて室温で2時間撹拌した後、さらに水80g、アセト
ニトリル10gを加えて調整した。浸漬は25℃で10分間
行った。次いで、着色ゾル溶液からフィルタ材料を取り
出し、水洗し、110℃で30分間乾燥させることによりブ
ルーにパターン着色されたフィルタ材料を得た(第1パ
ターン着色工程)。
【0056】次いで、カラーフィルタのレッド用透過パ
ターンが形成された銀塩ネガティブフィルムの代わりに
カラーフィルタのブルー用透過パターンが形成された銀
塩ネガティブフィルムを用い、アストラフロキシンFFの
代わりに保土谷化学社製塩基性染料ビクトリアブルーBH
(Victoria Blue BH)を用いること以外は第1パターン着
色工程と同様にして、ブルーおよびレッドにパターン着
色されたフィルタ材料を得た(第2パターン着色工程)。
【0057】次いで、カラーフィルタのレッド用透過パ
ターンが形成された銀塩ネガティブフィルムの代わりに
カラーフィルタのグリーン用透過パターンが形成された
銀塩ネガティブフィルムを用いて4.8J/cm2の光量で紫外
線露光し、アストラフロキシンFFの代わりに保土谷化学
社製塩基性染料ブリリアントベーシックシアニン6GH(B
rilliant Basic Cyanine 6GH)0.4gと保土谷化学社製塩
基性染料イエロー7GLH(Yellow 7GLH)0.6gとを用いる
こと以外は第1パターン着色工程と同様にして、レッ
ド、ブルーおよびグリーンにパターン着色されたカラー
フィルタを得た(第3パターン着色工程)。
【0058】得られたカラーフィルターを、混色性、光
透過率および耐熱性について評価した。結果を表1に示
す。
【0059】尚、混色性は、可視部の各画素の分光透過
率を測定し、それを単独で染色した時の分光透過率と比
較して、その変化量(透過率の変化)が10%を下回る場合
は「○」、それ以上の場合は「×」として評価した。
【0060】また、耐熱性は、退色の程度が最大吸収波
長の透過率で5%以下になる最高耐熱温度(保持時間1
時間)で評価した。
【0061】光透過率は、形成された各画素の最大吸収
波長における光透過率を測定した。
【0062】
【実施例2】 レッド用色素 アストラフロキシンFF → チバガイギー社製オラゾールレッ 1g ドG ブルー用色素 ビクトリアブルーBH → オリエント化学社製バリファスト 1g ブルー1607(Valifast Blue 1607) グリーン用色素 ブリリアントベーシック→チバガイギー社製オラゾールブル シアニン6GH 0.5g GN0.5g(Orasol Blue GN) イエロー7GLH0.7g→チバガイギー社製オラゾールイエ ロー2RLN 0.5g(Orasol Yellow 2RLN) 以外は実施例1と同じ
【0063】
【実施例3】 レッド用色素 → 三井東圧染料社製 ミケトン ポリエステル レッドFL 2g (Miketon Polyester Red FL) ブルー用色素 → 〃 ミケトン ポリエステル ブルーFBL 2g (Miketon Polyester Blue FBL) グリーン用色素 → 〃 ミケトン ポリエステル ブリリアントブル ー BG 1g (Miketon Polyester Brilliant Blue BG) 〃 ミケトン ポリエステル イエロー GPL 1g (Miketon Polyester Yellow GP L) 以下は実施例1と同じ。
【0064】
【実施例4】 着色ゾルの調整 レッド用着色ゾルは、テトラエトキシシラン25g、エ
タノール25g、水17gから成る溶液にチバガイギー社
製顔料マイクロリスレッド2BWA(MicrolithRed 2
BWA)10gを加え、さらにガラスビーズ100gを加
えて20℃で30分分散させた後に、塩酸0.3gを加
えて20℃で2時間分散して調整した。また、着色材を
添加していない同じ配合のゾル溶液を調整し、このゾル
溶液30gと着色ゾル10gを混合し、さらに水を30g
追加して着色用のゾル溶液とした。 ブルー用顔料 チバガイギー社製 マイクロリスブルー4GWA 10g (Microlith Blue 4GWA) グリーン用顔料 チバガイギー社製 イルガライトグリーンGLNニュー 10g(Irgalite Green GLN New) 乾燥温度 110℃ → 200℃ 以外は実施例1と同じ
【0065】
【比較例1】着色ゾル溶液を使用せずに、色素水溶液
(色素0.6g、水90g、アセトニトリル10g)を使用
して染色それ以外は実施例1と同じ。
【0066】
【比較例2】着色ゾル溶液を使用せずに、色素水溶液
(色素0.3g、水80g、アセトニトリル20g)を使用
して染色それ以外は実施例3と同じ。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】工程が単純であるために低コストで製造
可能であり、優れたパターン精細度のRGBカラーフィル
タを得ることが可能な着色パターン形成法が提供され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパターン着色工程を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
101…基板、 102、102'、102"、102'''…ポリシラン層、 103、113、123…マスクフィルム、 104、104'、104"、104'''…フィルタ材料、 110…紫外線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)基板上に設けられた式 【化1】 [式中、R1、R2、R3およびR4は置換もしくは無置換の脂
    肪族炭化水素残基、脂環式炭化水素残基および芳香族炭
    化水素残基からなる群からそれぞれ独立して選択される
    基であり、mおよびnは整数である。]で示される構造の
    ポリシランからなるポリシラン層を選択的に紫外線露光
    して着色パターンの潜像を形成する工程と、 b)着色パターンの潜像が形成された該ポリシラン層を、
    少なくとも1種類の染料または顔料を含む、金属アルコ
    キシドを原料とする着色ゾル溶液に浸漬した後に乾燥す
    る工程とを包含するパターン着色工程; および c)該ポリシラン層に異なる着色パターンの潜像を形成す
    ること、および異なる染料または顔料を用いること以外
    は、該パターン着色工程と同様にして少なくとも1回行
    われる別のパターン着色工程;を包含するポリシラン層
    に多色着色パターンを形成する方法。
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