JP2865921B2 - 染色パターン形成法 - Google Patents

染色パターン形成法

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JP2865921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明フィルムに染色パタ
ーンを形成する方法に関し、特に、カラー液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を光シャッターとしたカラー液晶デ
ィスプレイの需要が急速な高まりをみせている。現在開
発が進められているカラー液晶ディスプレイには、単純
マトリックス駆動方式とアクティブマトリックス駆動方
式の2種類がある。カラーフィルタは、いずれの場合も
その性能を握る重要な要素である。
【0003】カラーフィルタの主な製造法には、染色
法、カラーレジスト法、電着法および印刷法が挙げられ
る。
【0004】このようなカラーフィルタの製造法のう
ち、染色法、カラーレジスト法および電着法では、フィ
ルタ材料にRGB3原色を形成するためには、各色毎に湿
式現像工程を包含するホトリソグラフィー工程を必要と
する。したがって、製造工程が複雑となり歩留りも低く
コストを低減し難い。
【0005】ホトリソグラフィー工程を要しないために
製造工程が比較的単純な印刷法では、形成されるRGBパ
ターンの位置を厳密に制御することができない。したが
って、ブラックマトリックス端部のふくれや細りによる
パターンの乱れが生じる。そこで、工程が単純であるた
めに低コストで製造可能であり、優れたパターン精細度
のカラーフィルタを得ることが可能な染色パターン形成
法が望まれている。
【0006】これらのカラーフィルタ製造法のそれぞれ
の特徴は、「LCD用カラーフィルタの微細加工」、池上昭
ら、電子材料、1990年2月、にさらに概説されている。
【0007】一方、有機ポリシランを紫外線照射するこ
とにより生じるシラノール基を利用したパターン染色法
が「横山正明(Masaaki Yokoyama)ら、ケミストリー・レ
ターズ(CHEMISTRY LETTERS)、第1563〜1566頁、1991年」
に記載されている。この文献では、有機ポリシラン層を
UV照射すると、ポリシラン層の紫外線露光部分が特定の
染料に対して良好な染色性を示す現象のメカニズムの解
明を試みている。
【0008】この文献には、この染色法のカラーフィル
タへの応用が示唆されている。しかしながら、ポリシラ
ン層に多色を染色する例は記載されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、工
程が単純であるために低コストで製造可能であり、優れ
たパターン精細度のRGBカラーフィルタを得ることが可
能な染色パターン形成法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、 a)基板上に設けられた式
【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は置換もしくは無置換の脂
肪族炭化水素残基、脂環式炭化水素残基および芳香族炭
化水素残基からなる群からそれぞれ独立して選択される
基であり、mおよびnは整数である。]で示される構造の
ポリシランからなるポリシラン層を選択的に紫外線露光
して染色パターンの潜像を形成する工程と、染色パター
ンの潜像が形成された上記ポリシラン層を、少なくとも
1種類の塩基性染料を含有する染浴中に浸漬する工程と
を包含するパターン染色工程;および b)上記ポリシラン層に異なる染色パターンの潜像を形成
すること、および異なる塩基性染料を用いること以外は
上記パターン染色工程と同様にして少なくとも1回行わ
れるパターン染色工程;を包含するポリシラン層に多色
染色パターンを形成する方法を提供するものであり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0011】この方法において好ましくは、上記複数回
のパターン染色工程は、ポリシラン層に対する最も速い
吸着速度を有する染料を用いるパターン染色工程から順
次繰り返される。
【0012】本発明に用い得るポリシランは、式
【0013】
【化3】
【0014】[式中、R1、R2、R3およびR4はメチル基、n
-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、フェニルエ
チル基、トリフルオロプロピル基およびノナフルオロヘ
キシル基のような置換もしくは無置換脂肪族炭化水素残
基、p-トリル基、ビフェニル基およびフェニル基のよう
な置換もしくは無置換芳香族炭化水素残基、およびシク
ロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基のような置換も
しくは無置換脂環式炭化水素残基からなる群からそれぞ
れ独立して選択される基であり、mおよびnは整数であ
る。]で示される構造を有するポリシランである。R1〜R
4基の種類、およびmおよびnの値は特に重要ではなく、
このポリシラン樹脂が有機溶媒可溶性であり、透明均一
な薄膜(厚さ1〜10μm)でコーティング可能なものであ
ればよい。
【0015】しかしながら、一般に、ポリシランの分子
量が低くなると形成されるポリシラン層の耐有機溶媒性
が低下する。したがって低分子量のポリシランを用いて
ポリシラン層を形成すると、染浴に含有される有機溶媒
の量が多いか、または染色温度および染色時間のような
染色条件が過酷すぎる場合は、染色時に、特に、ポリシ
ラン層の低分子量部分が染浴に再溶解する。このよう
に、ポリシラン層が染浴に部分的に再溶解すると、染色
後のポリシラン層にピンホールが生じ得る。したがっ
て、10000を上回る重量平均分子量を有するポリシラン
が本発明のポリシラン層に特に好ましい。
【0016】このようなポリシランは、例えば、複数も
しくは単一のジオルガノジクロロシランを金属ナトリウ
ムの存在下でトルエンもしくはn-デカン溶媒中で100℃
を上回る温度で3時間以上加熱重合することにより調製
される。
【0017】本発明に用い得る好ましいポリシランの具
体例には、R1がメチル基であり、R2がフェニル基である
フェニルメチルポリシラン、R1がメチル基であり、R2
フェニル基であり、R3がメチル基であり、R4がトリフル
オロプロピル基であるフェニルメチル/メチルトリフル
オロプロピルコポリシラン等が挙げられる。
【0018】ポリシラン層の部分的な再溶解による表面
の乱れは、ポリシラン層中に架橋剤を配合してポリシラ
ン層の耐有機溶媒性を向上させることにより防止され
る。本発明のポリシラン層に用い得る架橋剤としては、
ジメチルポリシロキサンジオールのような両末端にシラ
ノール基を有するシリコーンオイル100重量部に対し
て、アセトキシシラン、オキシムシラン、アルコキシシ
ラン、エノキシシラン、アミノシラン、アミドシランお
よびアミノオキシシランなどのような3官能シラン2〜
10部、およびスズ化合物および白金化合物のような金属
触媒0.05〜1部、からなるシリコーンゴム組成物を用い
ることが好ましい。このようなシリコーンゴム組成物は
湿気による縮合反応によりポリシラン層を架橋し、ポリ
シラン層の耐有機溶媒性を向上させる。シリコーンゴム
組成物の配合量は、ポリシラン100重量部に対して0.01
〜50重量部が好ましく、1〜10重量部が特に好ましい。
配合量が0.01重量部を下回ると充分な耐有機溶媒性がポ
リシラン層に付与されず、配合量が50重量部を上回ると
染色性が低下する。
【0019】また、染料がポリシラン層の表面に凝集す
ることによりブツが生じる場合がある。この場合には、
例えば、R1がメチル基であり、R2がトリフルオロプロピ
ル基であるメチルトリフルオロプロピルポリシランのよ
うなフッ素系ポリシランをポリシラン層に用いることに
よりブツのポリシラン層表面への染料の付着が防止され
る。
【0020】本発明に用い得る染料は、水性媒体中でシ
ラノール基とイオン交換等の相互作用を有し得る全ての
染料である。このような染料は、紫外線照射によりポリ
シラン層中に形成されるシラノール基と相互作用するこ
とによりフィルタ材料に吸着すると考えられる。その結
果、フィルタ材料が露光パターンに応じて染色される。
【0021】このような染料には塩基性染料が含まれ
る。塩基性染料は水溶液中でシラノール基とイオン交換
反応するためと考えられる。また、本発明では、ポリシ
ラン層の部分的な再溶解を防止するために比較的低温で
パターン染色工程を行うことが好ましいので、酸性染料
と比較すると、20〜40℃の低温で染色することが可能で
あり、20〜40℃の範囲で染色温度が変化した場合でもフ
ィルタ材料への吸着濃度が大きく変化しない利点を有す
る塩基性染料は好ましい。さらに、塩基性染料を用いる
場合は、染浴液の管理が簡単なので染色にコストがかか
らない。
【0022】塩基性染料のなかでも低温で濃染色が可能
なトリフェニルメタン系およびメチン系染料が適する。
本発明の方法に用いるのに特に適するこのような染料に
は、以下の式(I)〜(V)に示す構造を有する染料が包含さ
れる。
【0023】
【化4】
【0024】[式中、R1はアルキル基であり、R2およびR
3は水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基お
よび置換フェニル基からなる群からそれぞれ独立して選
択される基であり、X-はハロゲンイオン、過塩素酸イオ
ン、メチル硫酸イオンおよびリン酸イオンからなる群か
ら選択される基である。]
【0025】
【化5】
【0026】[式中、R1は水素、アルキル基、置換アル
キル基、アルコキシ基およびハロゲンからなる群から選
択される基であり、R2はアルキル基であり、R3およびR4
は水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基およ
び置換フェニル基からなる群からそれぞれ独立して選択
される基であり、R5はアルキル基であり、X-はハロゲン
イオン、過塩素酸イオン、メチル硫酸イオンおよびリン
酸イオンからなる群から選択される基である。]
【0027】
【化6】
【0028】[式中、R1、R2、R3およびR4は水素、アル
キル基、置換アルキル基、フェニル基および置換フェニ
ル基からなる群からそれぞれ独立して選択される基であ
り、R7、R8およびR9は水素、アルキル基、置換アルキル
基およびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択
される基(R8およびR9で芳香環が結合してもよい。)であ
り、X-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、メチル硫酸
イオンおよびリン酸イオンからなる群から選択される基
である。]
【0029】
【化7】
【0030】[式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は水
素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基および置
換フェニル基からなる群からそれぞれ独立して選択され
る基であり、R7、R8およびR9は水素、アルキル基、置換
アルキル基およびハロゲンからなる群からそれぞれ独立
して選択される基(R8およびR9で芳香環が結合してもよ
い。)であり、X-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、
メチル硫酸イオンおよびリン酸イオンからなる群から選
択される基である。]
【0031】
【化8】
【0032】[式中、R1はアルキル基であり、X-はハロ
ゲンイオン、過塩素酸イオン、メチル硫酸イオンおよび
リン酸イオンからなる群から選択される基である。]
【0033】本発明に好適に使用し得る染料のC.I.No.
を以下に示す。ベーシック・レッド(Basic Red)12、ベ
ーシック・レッド27、ベーシック・バイオレット(Basic
Violet)7、ベーシック・バイオレット10、ベーシック
・バイオレット40、ベーシック・ブルー(Basic Blue)
1、ベーシック・ブルー7、ベーシック・ブルー26、ベ
ーシック・ブルー77、ベーシック・グリーン(Basic Gre
en)1およびベーシック・イエロー(Basic Yellow)21。
【0034】本発明のパターン形成法では、まず、ポリ
シラン層が適当な透明基板上に形成される。透明基板は
染色工程後も透明性が阻害されない耐有機溶媒性を有す
るものであれば特に限定されない。具体的には、ポリエ
ステルフィルム、ポリエーテルサルホンフィルムおよび
ガラス板等が基板として良好に用い得る。ガラス板を基
板として用いることが特に好ましい。基板の厚さは用い
る材質の強度に依存して変化する。例えば、ガラス板を
用いる場合は、カラーフィルタ材料としての強度の観点
から0.6〜1.2mmの範囲の厚さのものが好ましい。
【0035】このような透明基板上にポリシラン層が形
成される。均一な厚さのポリシラン層を形成可能であれ
ば、形成方法は特に限定されない。一般に、スピンコー
ト法を用いることが好ましい。
【0036】このように、上述のポリシランおよび必要
に応じて架橋剤を含有する溶液を基板上に塗布乾燥する
ことにより、透明基板上にポリシラン層が形成されたフ
ィルタ材料が得られる。ポリシラン層形成工程で用いら
れる有機溶媒は、ポリシランを溶解可能な蒸発性有機溶
媒であれば特に限定されない。ここでは、トルエンおよ
びn-デカンが好適に用いられる。ポリシラン層は1〜10
μmの範囲の乾燥厚に形成することが好ましい。
【0037】得られるフィルタ材料を多色パターンに染
色する工程の一例を図1の(a)〜(f)に示す。まず、図1
(a)に示すように、上述のようにして得られた基板101と
ポリシラン層102とからなるフィルタ材料104は、水銀灯
のような紫外線源を用いてパターンに応じて照射され
る。紫外線110の照射はフィルタ材料104上に重ねられた
パターンのマスクフィルム103を通して行われる。
【0038】本発明で用いられる紫外線はポリシランの
σ-σ*吸収域である300〜400nmの波長を有する。この照
射は、好ましくは、0.5〜10J/cm2の光量で行われる。照
射光量が0.5J/cm2を下回ると染色性が低下し、10J/cm2
を上回るとピンホールの発生が多くなる。
【0039】ポリシラン層中に存在するSi-Si結合は紫
外線照射により切断されてSiOH(シラノール基)が生成す
る。したがって、照射されたフィルタ材料にはパターン
に応じてシラノール基を有する潜像が形成される。
【0040】次いで、シラノール基を有する潜像が形成
されたフィルタ材料を染浴に浸漬することにより、フィ
ルタ材料のパターン部分が染色される。染浴としては、
本発明に用い得る染料(例えば、式(I)〜(V)に示す染料)
の少なくとも1種を0.1〜2重量%の量で含有する染料
水溶液が好ましい。ポリシラン層を膨潤させて染色速度
および染色濃度を上昇させるために、必要に応じて、ア
セトニトリル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランの
ような水溶性有機溶媒を添加してもよい。このような水
溶性有機溶媒は、好ましくは、染浴中に1〜20重量%の
量で含有される。溶媒の含有量が20重量%を上回るとポ
リシラン層の部分的な再溶解が生じ、得られる染色され
たフィルタ材料の表面に乱れが生じる可能性がある。
【0041】染色温度および染色時間のような染色条件
は所望の染色濃度、および用いられる染料の種類および
量に依存して変化し得る。しかしながら、あまり高温の
染浴にフィルタ材料を長時間浸漬させるとポリシラン層
の部分的な再溶解が生じ、得られる染色されたフィルタ
材料の表面に乱れが生じうる。本発明では、一般に、染
色は20〜40℃の温度に加熱された染浴にフィルタ材料を
5〜40分間浸漬することにより好適に行われる。
【0042】染色されたフィルタ材料は染浴液を除去し
た後に乾燥させる。染浴液を除去する方法としては、水
洗する方法およびエアブローで吹き飛ばす方法等を用い
得る。乾燥は室内で放置することにより行ってもよい
が、50〜100℃で5〜30分間加熱することにより強制的
に乾燥させることが好ましい。このような第1パターン
染色工程により、図1(b)に示すように、所望の1色に
パターン染色されたフィルタ材料104'が得られる。
【0043】カラーフィルタのように多色にパターン染
色されたフィルタ材料が所望の場合は、次いで、図1
(c)に示すように、マスクフィルム103の代わりにマスク
フィルム113を用いてポリシラン層に異なる染色パター
ンの潜像を形成することおよび他の色を示す染料を用い
ること以外は上記第1パターン染色工程と同様にして、
図1(d)に示すように、所望の2色にパターン染色され
たフィルタ材料104"が得られる(第2パターン染色工
程)。ここで用いられるマスクフィルム113は、一般に、
図1(c)に示すように、ポリシラン層の上記第1パター
ン染色工程で染色されたパターン部分を覆い、染色され
ていない部分が露光されるようなマスクパターンを有す
るものである。
【0044】さらに、所望の場合は、図1(e)に示すよ
うに、マスクフィルム113の代わりにマスクフィルム123
を用いてポリシラン層に異なる染色パターンの潜像を形
成すること、さらに他の色を示す染料を用いること以外
は上記第2パターン染色工程と同様にして、図1(f)に
示すように、所望の3色にパターン染色されたフィルタ
材料104'''が得られる(第3パターン染色工程)。ここで
用いられるマスクフィルム123は、一般に、図1(e)に示
すように、ポリシラン層の上記第1パターン染色工程お
よび第2パターン染色工程で染色されたパターン部分を
覆い、染色されていない部分が露光されるようなマスク
パターンを有するものである。
【0045】このような工程を繰り返すことによりさら
に多色にパターン染色されたフィルタ材料を作製するこ
とも可能である。また、ここで示す例では第1、第2お
よび第3パターン染色工程でポリシラン層に形成される
染色パターンは互いに重複しないように形成されてい
る。しかしながら、本明細書の「異なる染色パターンの
潜像を形成する」という用語はそれぞれのパターン染色
工程において全く同一の染色パターンの潜像を形成しな
いことを指して言い、必ずしも互いに重複しないように
染色パターンを形成することに限定されるものではな
い。また、本明細書の「異なる塩基性染料を用いる」とい
う用語は、各パターン染色工程において少なくとも1種
類の塩基性染料を含有する異なる色相を有する染浴を用
いることを指して言い、染浴に用いられる染料組成の一
部が各工程で重複してもよい。
【0046】一旦着色乾燥されたポリシラン層のパター
ン部分はほとんどシラノール基を有しないので、後続の
染色工程において他の染料で染色され難い。したがっ
て、本発明の方法では混色の問題は生じ難い。しかしな
がら、さらに染色パターンの混色の防止を確実にするた
めには、それぞれ異なる染料を用いる上述の第1、第2
および第3パターン染色工程において、速い吸着速度を
有する染料から順次染色を行うことが好ましい。本発明
に用い得る染料の吸着速度はシリカゲルクロマトグラフ
ィーによりその大小が決定される。
【0047】また、同様の理由で、第1、第2および第
3パターン染色工程の順に紫外線露光量を増大させるこ
とが好ましい。この手法は、ほぼ同一の吸着速度を有す
る異なる染料を用いる場合に特に有効である。このよう
な簡便な操作によりカラーフィルタ製造上の大きな問題
であった混色が防止される。その結果、従来のカラーフ
ィルタ製造工程には必要とされてきた個々の着色部分を
コートする工程が不用となる。
【0048】上述のように、本発明のパターン染色法で
は染色パターン形成のために湿式現像工程を包含するホ
トリソグラフィー工程が不用である。また、この方法に
より得られるパターン染色されたフィルタ材料は透明基
板上に形成された単一のポリシラン層からなるので、本
質的に平坦な表面を有する。したがって、表面を平滑化
するための研磨工程および平坦化層を表面上に被覆する
工程が不用である。さらに、混色を防止するための防染
層を用いる必要が無い。その結果、染色パターン形成法
の工程が著しく簡略化される。
【0049】また、得られるパターン染色されたフィル
タ材料は平坦な表面を有し、染色パターン間の混色が生
じないので優れたパターン精細度を有する。
【0050】本発明はカラー液晶ディスプレイ用カラー
フィルタの製造に特に適する。その場合には、上述の第
1、第2および第3パターン染色工程においてRGB3原
色に対応する染料がそれぞれ用いられる。また、第4の
パターン染色工程において黒色染料を用いることにより
ブラックストライプを形成することも可能である。な
お、当然のことながら、この第4のパターン染色工程は
必ずしもRGB3原色のパターン染色の後に行う必要はな
く、予めブラックストライプを形成したフィルタ材料に
RGB3原色のパターン染色を行ってもよい。
【0051】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されない。本実施例で用いら
れる「%」および「部」は全て重量基準である。
【0052】
【調製例1】撹拌機を備えた1000mlフラスコにトルエン
400mlおよびナトリウム13.3gを充填した。高速撹拌する
ことによりナトリウムをトルエン中に微細に分散した
後、ここにフェニルメチルジクロロシラン51.6gを添加
した。次いで、このフラスコの内容物を紫外線を遮断し
たイエロールーム中で111℃に昇温し、5時間撹拌する
ことにより重合を行った。その後、得られる反応混合物
にエタノールを添加することにより過剰のナトリウムを
失活させ、水洗することにより有機層を分離した。この
有機層をエタノール中に投入することによりポリシラン
を沈澱させた。得られた粗製のフェニルメチルポリシラ
ンをエタノール中で3回再結晶させることにより、重量
平均分子量20万のフェニルメチルポリシランを得た。
【0053】
【調製例2】撹拌時間を2時間とすること以外は調製例
1と同様にして分子量1万のフェニルメチルポリシラン
を得た。
【0054】
【調製例3】フェニルメチルシジクロロシランの代わり
にフェニルメチルジクロロシラン25.8gとメチルトリフ
ルオロプロピルジクロロシラン28.5gとを用いること以
外は調製例1と同様にして、分子量6万のフェニルメチ
ル/メチルトリフルオロプロピル(1/1)コポリシランを得
た。
【0055】
【実施例1】調製例1で得られたフェニルメチルポリシ
ランの5%トルエン溶液を、縦5cm×横5cm×厚さ0.11
cmのガラス基板上にスピンコーター(ダイナパート社製
「PRS-14E」)を用いて塗布した。ついで、この塗膜を乾燥
させることにより厚さ2μmのポリシラン層を形成し
た。
【0056】得られたフィルタ材料上に、カラーフィル
タのブルー用透過パターンが形成された銀塩ネガティブ
フィルムを重ね、この積層体を中圧水銀灯を用いて4.8J
/cm2の光量の紫外線に露光した。銀塩ネガティブフィル
ムを除去した後に、潜像が形成されたフィルタ材料を、
保土谷化学社製トリフェニルメタン系染料ビクトリアブ
ルーBH(Victoria Blue BH)を1%含有するアセトニトリ
ル水溶液(アセトニトリルを10%含有)に浸漬した。この
浸漬は25℃で20分間行った。次いで、染浴からフィルタ
材料を取り出し、水洗し、80℃で20分間乾燥させること
によりブルーにパターン染色されたフィルタ材料を得た
(第1パターン染色工程)。
【0057】次いで、カラーフィルタのブルー用透過パ
ターンが形成された銀塩ネガティブフィルムの代わりに
カラーフィルタのレッド用透過パターンが形成された銀
塩ネガティブフィルムを用い、ビクトリアブルーBHの代
わりに保土谷化学社製メチン系染料アストラフロキシン
FF(Astra Phloxine FF conc.)を用いること以外は第1
パターン染色工程と同様にして、ブルーおよびレッドに
パターン染色されたフィルタ材料を得た(第2パターン
染色工程)。
【0058】次いで、カラーフィルタのブルー用透過パ
ターンが形成された銀塩ネガティブフィルムの代わりに
カラーフィルタのグリーン用透過パターンが形成された
銀塩ネガティブフィルムを用いて6.0J/cm2の光量で紫外
線露光し、ビクトリアブルーBHの代わりに保土谷化学社
製トリフェニルメタン系染料ブリリアントベーシックシ
アニン6GH(Brilliant Basic Cyanine 6GH)0.5%と保
土谷化学社製メチン系染料イエロー7GLH(Yellow 7GL
H)0.7%とを用いること以外は第1パターン染色工程と
同様にして、ブルー、レッドおよびグリーンにパターン
染色されたカラーフィルタを得た(第3パターン染色工
程)。
【0059】得られたカラーフィルタを、混色性、染色
表面の外観、および光透過率について評価した。結果を
表1に示す。
【0060】尚、混色性は、可視部の各画素の分光透過
率を測定し、それを単独で染色した時の分光透過率と比
較して、その変化量(透過率の変化)が10%を下回る場合
は「○」、それ以上の場合は「×」として評価した。
【0061】染色表面の外観は、染色後のポリシラン層
表面におけるピンホール、ブツの付着および染色ムラ等
の有無を目視観察することにより評価した。良好である
場合は「○」、可である場合は「△」、そして不良である場
合は「×」として示す。
【0062】光透過率は、形成された各画素の最大吸収
波長における光透過率を測定した。光透過率が5%を下
回る場合はカラーフィルタとして好適に用い得る。
【0063】
【実施例2】分子量20万のフェニルメチルポリシランの
代わりに調製例2で得られた分子量1万のフェニルメチ
ルポリシランを用いること以外は実施例1と同様にし
て、カラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタ
を、混色性、染色表面の外観、および光透過率について
評価した。結果を表1に示す。
【0064】
【実施例3】ポリシラン層中に、両末端にシラノール基
を有するジメチルシリコーンオイル(東芝社製シリコー
ンオイル「YF3802」)99部とメチルトリアセトキシシラン
1部とジブチルチンジラウレート0.1部からなるシリコ
ーンゴム組成物1%を含有させること以外は実施例2と
同様にしてカラーフィルタを得た。得られたカラーフィ
ルタを、混色性、染色表面の外観、および光透過率につ
いて評価した。結果を表1に示す。
【0065】
【実施例4】分子量20万のフェニルメチルポリシランの
代わりに調製例3で得られた分子量6万の、フェニルメ
チル/メチルトリフルオロプロピル(1/1)コポリシランを
用いること以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ
を得た。得られたカラーフィルタを、混色性、染色表面
の外観、および光透過率について評価した。結果を表1
に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】工程が単純であるために低コストで製造
可能であり、優れたパターン精細度のRGBカラーフィル
タを得ることが可能な染色パターン形成法が提供され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパターン染色工程を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
101…基板、 102、102'、102"、102'''…ポリシラン層、 103、113、123…マスクフィルム、 104、104'、104"、104'''…フィルタ材料、 110…紫外線。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/20 - 5/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)基板上に設けられた式 【化1】 [式中、R1、R2、R3およびR4は置換もしくは無置換の脂
    肪族炭化水素残基、脂環式炭化水素残基および芳香族炭
    化水素残基からなる群からそれぞれ独立して選択される
    基であり、mおよびnは整数である。]で示される構造の
    ポリシランからなるポリシラン層を選択的に紫外線露光
    して染色パターンの潜像を形成する工程と、染色パター
    ンの潜像が形成された該ポリシラン層を、少なくとも1
    種類の塩基性染料を含有する染浴中に浸漬する工程とを
    包含するパターン染色工程;および b)該ポリシラン層に異なる染色パターンの潜像を形成す
    ること、および異なる塩基性染料を用いること以外は該
    パターン染色工程と同様にして少なくとも1回行われる
    パターン染色工程; を包含するポリシラン層に多色染色パターンを形成する
    方法において、 ポリシラン層に対する最も大きい吸着速度を有する染料
    を用いるパターン染色工程から順次繰り返される少なく
    とも2回の前記パターン染色工程を包含する方法。
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