JP4366549B2 - 着色パターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色パターン形成方法および該方法により得られるカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶を光シャッターとする液晶ディスプレイのカラー表示のためにカラーフィルタが使用されている。これまでに、有機ポリシランの光分解を利用したカラーフィルタの製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、特開平5-273410号には、染料や顔料を含んだ金属アルコキシドを原料とした着色ゾルに浸漬する方法が開示されている。また、特開平6-477782号には、透明導電膜上のポリシランの照射部分に染料や顔料を含んだ電着液を使ってパターン電着する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリシランを用いたこれらの方法では、感度が低く長時間の露光を必要とする問題点を有する。そこで、低分子量のシリコーン化合物を添加することによりある程度感度が向上する(特開平8-262728号)。しかしながら、添加量が多くなると露光パターンと着色パターンとの形状差が大きくなったり、着色部分に割れを生じたりする(すなわち、パターン精度に問題が生じる)。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決し得て、露光時間を短縮することができて簡便で生産性に優れ、しかもパターン精度に優れた着色パターン形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定構造のポリシランと特定構造の環状シラン化合物を特定割合で混合して使用すると、染料または顔料を含む着色液で着色した場合、少ない露光量でも選択的に露光された部分が実用上十分な濃度で着色され、しかもパターン精度が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記に示す着色パターン形成方法およびカラーフィルタを提供するものである。
項1. (i)(a)一般式
【0008】
【化4】
【0009】
[式中、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Rは、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。x、y、zは、それぞれ0以上の数を示し、x、yおよびzの和は5〜400であり、かつ(y+z)/(x+y+z)が0.15以下である。]で表されるポリシラン100重量部、および
(b)一般式
【0010】
【化5】
【0011】
[式中、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Rは、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。nは4〜20である。]で表される環状シラン化合物10〜200重量部
を含有してなる感光性樹脂組成物からなる薄膜を選択的に露光することにより、露光部分に着色パターンの潜像を形成する工程、ならびに
(ii)着色パターンの潜像が形成された前記露光部分を、染料または顔料を含む着色液で着色する工程
を含む着色パターン形成方法。
項2. 感光性樹脂組成物が、さらに(c)光ラジカル発生剤および/または酸化剤を含有する項1に記載の着色パターン形成方法。
項3. 感光性樹脂組成物が、さらに(d)一般式
【0012】
【化6】
【0013】
[式中、R1は、ハロゲンもしくはグリシジル基で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜8のアルコキシル基を示す。R1は、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。p、rは、それぞれ0以上の数を示し、pおよびrの和は1以上である。]で表されるシロキサン化合物を含有する項1または2に記載の着色パターン形成方法。
項4. 感光性樹脂組成物が、さらに(e)色素を含有する項1〜3のいずれかに記載の着色パターン形成方法。
項5. ポリシラン(a)および環状シラン化合物(b)が、
一般式 R2SiX2 (4)
[式中、Rは、同一または異なって、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。]で表されるジハロシラン、ならびに、必要に応じて一般式 RSiX3 (5)
[式中、RおよびXは、前記と同様である。]で表されるトリハロシランおよび/または一般式 SiX4 (6)
[式中、Xは、前記と同様である。]で表されるテトラハロシランに、非プロトン性溶媒中でLi塩および金属ハロゲン化物の共存下にMgまたはMg合金を作用させることにより得られるポリシランおよび環状シラン化合物である項1〜4のいずれかに記載の着色パターン形成方法。
項6. 潜像を形成する工程(i)および着色工程(ii)の後に、さらに、前記感光性樹脂膜の非露光部分を選択的に露光することにより異なる着色パターンの潜像を形成する工程、および異なる染料または顔料を含む着色液で着色する工程を、それぞれ少なくとも1回含む項1〜5のいずれかに記載の着色パターン形成方法。
項7. 項1〜6のいずれかに記載の着色パターン形成方法により得られるカラーフィルタ。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるポリシランは、下記一般式(1)で表される。
【0015】
【化7】
【0016】
式中、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Rは、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。x、y、zは、それぞれ0以上の数を示し、x、yおよびzの和は5〜400であり、かつ(y+z)/(x+y+z)が0.15以下である。
【0017】
式中、x、yおよびzの和は重合度を表す。これらの和は5〜400であり、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜200である。また、x、y、zのうち、xは直鎖構造の割合を、yおよびzは分岐構造の割合を表す。これらの割合としては、(y+z)/(x+y+z)が0.15以下であり、好ましくは0.005〜0.07である。すなわち、一般式(1)で表されるポリシランは、主として鎖状のポリシランであり、一部に分岐構造を有することがある。機械的強度を考慮すると、一部に分岐構造を有することが好ましい。
【0018】
本発明に用いる環状シラン化合物は、下記一般式(2)で表される。
【0019】
【化8】
【0020】
式中、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Rは、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。nは4〜20である。
【0021】
式中、nは重合度を表す。nは4〜20であり、好ましくは4〜10である。すなわち、一般式(2)で表される環状シラン化合物は、環状のシランオリゴマーである。
【0022】
上記一般式(1)で表されるポリシランおよび上記一般式(2)で表される環状シラン化合物の置換基Rについて、アルキル基、アリールアルキル基のアルキル部分およびアルコキシル基のアルキル部分としては、直鎖状、環状または分岐状の炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が挙げられる。アルケニル基としては、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する1価の直鎖状、環状または分岐状の炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が挙げられる。アリール基およびアリールアルキル基のアリール部分としては、少なくとも1つの置換基を有していてもよい芳香族炭化水素が挙げられ、好ましくは少なくとも1つの置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基が挙げられる。アリール基およびアリールアルキル基のアリール部分の置換基は、特には制限されないが、アルキル基、アルコキシル基および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。シリル基としては、ケイ素数1〜10程度、好ましくはケイ素数1〜6のシリル基が挙げられる。これらの置換基Rの中でも、水素原子、水酸基、アルキル基、アリール基が好ましく、メチル基およびフェニル基がより好ましい。
【0023】
上記環状シラン化合物は、低分子量ではあるが、Si−Si結合に基づく光吸収があり、実際光分解することによりシロキサン結合やシラノール基が生成することが、IRで確認できる。すなわち、低分子量のために、環状シラン化合物を添加したポリシラン層の膜粘度が低下することにより、光反応の量子収率が向上して感度が上がる。しかも、環状シラン化合物も光分解するために、粘度の低下が光反応中にも進み、通常の可塑剤効果以上の高感度化が可能となる。
【0024】
本発明において使用するポリシランおよび/または環状シラン化合物は、公知の方法で製造され得る。例えば、アルカリ金属の存在下でハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(「キッピング法」J.Am.Chem.Soc.,110,124(1988)、Macromolecules,23,3423(1990))、電極還元によりハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1161(1990)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,897(1992))が挙げられる。
【0025】
しかしながら、下記に述べる方法で得られるポリシランおよび環状シラン化合物は、他の方法で得られるものに比べ、純度が高く分子中の欠陥も少ないため、感光性の用途に使用する場合に高い露光感度を示すことから、特に好ましい。
【0026】
すなわち、一般式 R2SiX2 (4)
[式中、Rは、同一または異なって、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。]で表されるジハロシラン(sモル)、
一般式 RSiX3 (5)
[式中、RおよびXは、前記と同様である。]で表されるトリハロシラン(tモル)、および
一般式 SiX4 (6)
[式中、Xは、前記と同様である。]で表されるテトラハロシラン(uモル)に、非プロトン性溶媒中でLi塩および金属ハロゲン化物の共存下にMgまたはMg合金を作用させる。
【0027】
ここで、s、t、uは、それぞれ0以上の数を示し、(t+u)/(s+t+u)は、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.05以下である。
【0028】
一般式(4)で表されるジハロシランおよび一般式(5)で表されるトリハロシランにおいて、アルキル基、アリールアルキル基のアルキル部分およびアルコキシル基のアルキル部分としては、直鎖状、環状または分岐状の炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が挙げられる。アルケニル基としては、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する1価の直鎖状、環状または分岐状の炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が挙げられる。アリール基およびアリールアルキル基のアリール部分としては、少なくとも1つの置換基を有していてもよい芳香族炭化水素が挙げられ、好ましくは少なくとも1つの置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基が挙げられる。アリール基およびアリールアルキル基のアリール部分の置換基は、特には制限されないが、アルキル基、アルコキシル基および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。シリル基としては、ケイ素数1〜10程度、好ましくはケイ素数1〜6のシリル基が挙げられる。Rが、上記の有機置換基またはシリル基である場合には、その水素原子の少なくとも1つが、他のアルキル基、アリール基、アルコキシル基などの官能基により置換されていてもよい。このような官能基としては、上記と同様なものが挙げられる。
【0029】
また、一般式(4)〜(6)で表されるハロシランにおいて、Xは、ハロゲン原子(Cl、F、Br、I)を示す。ハロゲン原子としては、Clが好ましい。
【0030】
本発明においては、一般式(4)〜(6)で表されるそれぞれのハロシランを、それぞれ1種単独で使用してもよいし、或いはそれぞれ2種以上を混合使用してもよい。
【0031】
ハロシランは、できるだけ高純度のものであることが好ましく、例えば、液体のハロシランについては、水素化カルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが好ましく、また、固体のハロシランについては、再結晶法により、精製し、使用することが好ましい。
【0032】
反応に際しては、ハロシランを溶媒に溶解して使用する。溶媒としては、非プロトン性溶媒が広く使用でき、より具体的には、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,4−ジオキサン、塩化メチレンなどの極性溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサンなどの非極性溶媒が例示される。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。溶媒としては、極性溶媒の単独、2種以上の極性溶媒の混合物、極性溶媒と非極性溶媒との混合物が好ましい。極性溶媒と非極性溶媒との混合物を使用する場合には、前者:後者=1:0.01〜20程度とすることが好ましい。単独で或いは他の溶媒との混合物として使用する極性溶媒としては、テトラヒドロフランおよび1,2−ジメトキシエタンが好ましい。
【0033】
溶媒中のハロシランの濃度は、低すぎる場合には、重合が効率よく行われないのに対し、高すぎる場合には、反応に使用するLi塩および金属ハロゲン化物が溶解しないことがある。従って、溶媒中のハロシランの濃度は、通常0.05〜20mol/l程度であり、好ましくは0.2〜15mol/l程度であり、より好ましくは0.3〜13mol/l程度である。
【0034】
Li塩としては、LiCl、LiNO3、Li2CO3、LiClO4などが例示される。これらのLi塩は、単独で使用してもよく、或いは2種以上を併用してもよい。これらLi塩の中でも、LiClが最も好ましい。
【0035】
溶媒中のLi塩の濃度は、通常0.05〜5mol/l程度であり、好ましくは0.1〜4mol/l程度であり、より好ましくは0.15〜3mol/l程度である。
【0036】
金属ハロゲン化物としては、FeCl2、FeCl3、FeBr2、FeBr3、CuCl2、AlCl3、AlBr3、ZnCl2、SnCl2、SnCl4、CoCl2、VCl2、TiCl4、PdCl2、SmCl2、SmI2などが例示される。これらの金属ハロゲン化物の中でも、FeCl2、ZnCl2およびCuCl2がより好ましい。
【0037】
溶媒中の金属ハロゲン化物の濃度は、低すぎる場合には、反応が十分に進行しなくなり、一方、高すぎる場合には、反応に関与しなくなる。従って、溶媒中の金属ハロゲン化物の濃度は、通常0.01〜6mol/l程度であり、好ましくは0.02〜4mol/l程度であり、より好ましくは0.03〜3mol/l程度である。
【0038】
MgまたはMg系合金の形状は、反応を行いうる限り特に限定されないが、粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体、塊状体、棒状体、平板などが例示され、これらの中でも、表面積の大きい粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体などが好ましい。MgまたはMg系合金の使用量は、通常ハロシランに対して等モル(Mgとして)以上であり、好ましくは3倍モル以上であり、より好ましくは5倍モル以上である。MgまたはMg系合金は、一般式(4)〜(6)で表されるハロシランを還元して、一般式(1)で表されるポリシランおよび一般式(2)で表される環状シラン化合物を形成させるとともに、それ自身は酸化されて、ハロゲン化Mgを形成する。
【0039】
ポリシランと環状シラン化合物の製造は、例えば、密閉可能な反応容器に一般式(4)〜(6)で表されるハロシラン、Li塩、金属ハロゲン化物およびMg(またはMg系合金)を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは磁気的に撹拌しつつ、反応を行わせる方法により行うことができる。反応容器は、密閉できる限り、形状および構造についての制限は特にない。
【0040】
反応容器内は、乾燥雰囲気であればよいが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気であることが好ましく、さらに脱酸素し、乾燥した窒素雰囲気或いは不活性ガス雰囲気であることがより好ましい。
【0041】
撹拌を行う場合には、一般の反応の場合と同様に、撹拌速度が大きいほど、重合に必要な反応時間が短縮される。撹拌状態は、重合装置により異なるが、例えば、100mlナスフラスコを使用する場合には、長さ10mm以上の撹拌子を使用し、撹拌子の回転数を20回/分以上とすることにより、反応がより円滑に進行する。
【0042】
反応時間は、原料ハロシラン、Li塩、金属ハロゲン化物およびMg(および/またはMg合金)の量などによって異なり得るが、30分程度以上であり、通常1〜100時間程度である。
【0043】
反応時の温度は、通常−20℃から使用する溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、好ましくは−10〜50℃程度の範囲内にあり、より好ましくは−5〜35℃程度の範囲内にある。
【0044】
反応終了後、必要に応じて抽出、溶媒留去などの操作を行うことにより、目的の組成物を得ることができる。
【0045】
上記製造方法によると、ポリシランと環状シラン化合物は、混合物として同時に得られる。混合物中の比率は、製造の条件によって変動するが、ポリシラン100重量部に対して環状シラン化合物は10〜200重量部程度の範囲である。
【0046】
なお、本発明においては、上記製造方法で得られた混合物をそのまま目的の樹脂組成物とすることもできるし、また、上記製造方法で得られた混合物を公知の方法によりポリシランと環状シラン化合物とに一旦分別した後、適当な割合で混合してもよい。さらに、上記製造方法で得られた混合物に、分別したポリシランまたは環状シラン化合物を、適当な割合となるように添加してもよい。
【0047】
本発明における、ポリシランと環状シラン化合物の割合は、ポリシラン100重量部に対して、環状シラン化合物10〜200重量部程度、好ましくは環状シラン化合物20〜150重量部程度である。
【0048】
感光性材料としての利用を考慮すると、本発明で使用するポリシランおよび環状シラン化合物は、蒸発性を有する有機溶媒に溶解させるのが好ましい。このような有機溶媒として好ましいものは、炭素数5〜12の炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、エーテル系溶媒である。炭化水素系溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、n−デカン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼンなどが挙げられる。ハロゲン化炭化水素系溶媒の例としては、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。エーテル系溶媒の例としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールなどが挙げられる。
【0049】
本発明に使用し得る光ラジカル発生剤としては、光によってハロゲンラジカルを発生する化合物であれば特に限定されないが、2,4,6−トリス(トリハロメチル)−1,3,5−トリアジンとその2位、またはその2位と4位が置換された化合物、フタルイミドトリハロメタンスルフォネートとそのベンゼン環に置換基を有する化合物、およびナフタルイミドトリハロメタンスルフォネートとそのベンゼン環に置換基を有する化合物などを例として挙げることができる。これらの化合物が有する置換基は、置換基を有していてもよい脂肪族および芳香族炭化水素基である。
【0050】
本発明に使用し得る酸化剤としては、酸素供給源となる化合物であれば特に限定されないが、例えば、過酸化物、アミンオキシドおよびホスフィンオキシドなどを例として挙げることができる。特に、過酸化物が好ましい。
【0051】
光ラジカル発生剤および酸化剤の添加は、Si−Si結合がハロゲンラジカルにより効率よく切断されること、およびSi−Si結合に容易に酸素が挿入されることを利用するものである。これらは全て、ポリシランの光に対する感度の向上につながる。
【0052】
本発明に使用し得るシロキサン化合物は、一般式
【0053】
【化9】
【0054】
で表される。
【0055】
式中、R1は、ハロゲンもしくはグリシジル基で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または炭素数1〜8のアルコキシル基を示す。R1は、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。p、rは、それぞれ0以上の数を示し、pおよびrの和は1以上である。
【0056】
このシロキサン化合物が有する、脂肪族炭化水素基の具体例として、メチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、トリフルオロプロピル基、グリシジルオキシプロピル基などの鎖状のもの、およびシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などの脂環式のものなどが挙げられる。また、芳香族炭化水素基の具体例として、フェニル基、p−トリル基、ビフェニル基などが挙げられる。アルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、オクチルオキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
【0057】
上記のR1の種類およびpとrの値は特に重要ではなく、ポリシランおよび有機溶媒と相溶するものであれば特に限定されない。相溶性を考慮する場合には、使用するポリシランが有する炭化水素基と同じ基を有していることが好ましい。例えば、ポリシランとして、フェニルメチル系のものを使用する場合には、同じフェニルメチル系またはジフェニル系のシロキサン化合物を使用することが好ましい。また、R1のうち、少なくとも2つが炭素数1〜8のアルコキシル基であるような、1分子中にアルコキシル基を2つ以上有するシロキサン化合物は、架橋剤として利用可能である。そのようなものとしては、アルコキシル基を15〜35重量%含んだメチルフェニルメトキシシリコーンやフェニルメトキシシリコーンなどを挙げることができる。なお、pおよびrの和は、好ましくは2〜70である。
【0058】
シロキサン化合物の分子量としては、10000以下のものが好ましく、500〜3000のものがより好ましい。特に、粘度が低いシロキサン化合物を添加することにより、環状シラン化合物と同様に可塑剤効果により感度が向上する。しかしながら、添加量が多すぎると、膜物性が低下してパターン精度の低下などの不具合の原因となることがある。
【0059】
本発明に使用し得る色素は、光分解に用いられる光を有効に吸収し、光ラジカル発生剤や酸化剤に電子移動により分光増感作用を示す色素であれば、限定はされない。クマリン、シアニン、メロシアニン等の色素が特に有効である。
【0060】
本発明に使用する感光性樹脂組成物においては、ポリシラン100重量部に対して、環状シラン化合物10〜200重量部が必須成分である。これに、さらに光ラジカル発生剤1〜30重量部、酸化剤1〜30重量部、シロキサン化合物5〜100重量部、色素1〜20重量部を加えてもよい。これに対して、有機溶媒は、全体の濃度が5〜50重量%になるように用いられる。
【0061】
光ラジカル発生剤、酸化剤、シロキサン化合物、色素を混合することにより、感光性樹脂組成物の感度をより一層向上させることができる。
【0062】
本発明の着色パターン形成方法は、(i)上記の感光性樹脂組成物からなる薄膜を選択的に露光することにより、露光部分に着色パターンの潜像を形成する工程、および(ii)着色パターンの潜像が形成された前記露光部分を、染料または顔料を含む着色液で着色する工程を含む。
【0063】
本発明の着色パターン形成方法は、より具体的には、(A)上記の感光性樹脂組成物を基材上に塗布および乾燥し、感光性薄膜を形成する工程、(B)前記感光性薄膜を選択的に露光することにより、露光部分に着色パターンの潜像を形成する工程、および(C)着色パターンの潜像が形成された前記露光部分を、染料または顔料を含む着色液で着色する工程を含む。
【0064】
また、多色パターンを形成する場合には、さらに、(D)前記感光性薄膜の非露光部分を選択的に露光することにより異なる着色パターンの潜像を形成する工程、および異なる染料または顔料を含む着色液で着色する工程を、それぞれ少なくとも1回含む。また、インクジェット塗布装置を用いて、複数の着色液を一括して塗布することにより、多色パターンを形成することもできる。
【0065】
(A)工程においては、上記の感光性樹脂組成物を基材(基板)上に塗布および乾燥することによって、感光性薄膜が得られる。基材としては、用途によって異なり、シリコンウエハー、ガラス板、金属板、プラスチック板などを使用し得るが、カラーフィルタの製造を行う場合には、透明基板を用いる必要がある。透明基板の例として、ガラス板、石英板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポレオレフィンフィルム、アクリルフィルムが挙げられる。これらの中で、ガラス板を基材として用いることが好ましい。その際の基材の厚さは、用いる材質の強度に依存して変化する。例えば、ガラス板を用いる場合は、カラーフィルタ材料としての強度の観点から、0.6〜1.2mmの範囲の厚さのものが好ましい。また、必要に応じて、基材に金属クロムの遮光膜(ブラックマトリクス)が先にパターニングされていてもよい。
【0066】
基材上への塗布方法は、均一な厚さの感光性薄膜を形成可能であれば、特に限定されず、当業者に知られた方法によって行うことができる。一般に、スピンコート法を用いることが好ましい。基材上に形成される感光性薄膜は、0.1〜10μmの範囲の乾燥厚となることが好ましい。
【0067】
(B)工程は、前記感光性薄膜を選択的に露光することにより、露光部分に着色パターンの潜像を形成するものである。露光には、一般に可視光を含む紫外線が用いられる。図1の(a)に、本工程を示す。すなわち、上記(A)工程で得られた基板101と感光性薄膜102からなる感光性材料104の上に、パターンのマスクフィルム103を重ね、そこに紫外線110の照射が行われる。
【0068】
本発明で用いられる光線は、光ラジカル発生剤、酸化剤、または色素の吸収域である250〜600nmの波長を有する。この照射は、感光性薄膜の厚さ1μm当り0.01〜1J/cm2、好ましくは0.1〜0.5J/cm2の光量で行われる。照射光量が0.01J/cm2未満だと着色性が低下し、1J/cm2を超えるとピンホールの発生が多くなる。光源としては、高圧および超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の他、レーザー走査の場合には、He−Cdレーザー、Arレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が使用できる。
【0069】
感光性薄膜に存在するSi−Si結合は光照射により切断されて、Si−OH(シラノール基)が生成する。従って、照射された感光性材料には、パターンに応じたシラノール基を有する潜像が形成されることとなる。
【0070】
(C)工程は、着色パターンの潜像が形成された感光性薄膜の露光部分を、染料または顔料を含む着色液で着色する工程である。この工程における着色方法として、ゾル−ゲル着色法(特開平5-273410号)、染色法(特開平5-188214号)、電着法(特開平6-477782号)およびシランカップリング法(特開平8-262727号)が利用できるが、得られる材料の耐熱性の点から、ゾル−ゲル着色法またはシランカップリング法が好ましい。以下に、ゾル−ゲル着色法について詳細を述べる。
【0071】
ゾル−ゲル着色法では、染料または顔料を含んだ金属酸化物のゾルを着色液として使用する。本明細書中において、「金属酸化物ゾル」とは、1種類または2種類以上の金属が酸素を介して縮重合して、適当な溶媒中でゾル化したものをいい、例えばケイ素の場合にはシリカゾル、アルミニウムの場合にはアルミナゾルと呼ばれる。
【0072】
金属酸化物ゾルの原料としては、一般的にゾル−ゲル法で使われるものが使用できる。すなわち、Si、Zr、Pb、Ti、Ba、Sr、Nb、K、Li、Ta、In、Sn、Zn、Y、Cu、Ca、Mn、Fe、Co、La、Al、Mg、Vなどのアルコキシド、アセチルアセトナート、酢酸塩、アミン等の金属有機物、硝酸塩などの可溶性無機塩、あるいは酸化物微粒子の分散体が用いられる。これらの中で、取り扱いが容易なSiのアルコキシド、あるいはAlのアルコキシドを原料とすることが好ましい。ゾル化は、上記の原料をアルコール等の溶媒で溶液化し、酸または塩基などの触媒を使って縮重合反応させることにより行われる。
【0073】
例えば、Siのアルコキシドとしてテトラエトキシシランを用いて、金属酸化物ゾルを合成する場合には、テトラエトキシシランをエタノール−水の混合溶液に溶解させたものに、染料または顔料を混合した後、塩酸を加えて室温で撹拌する。これにより、テトラエトキシシランは加水分解および脱水縮合して、均質なシリカゾルが得られる。また、染料または顔料の混合は、ゾルを形成した後で行ってもよい。組成としては、テトラエトキシシラン100重量部に対してエタノール20〜200重量部、水50〜200重量部、塩酸0.01〜3重量部、染料または顔料0.5〜25重量部が好ましい。
【0074】
本発明に使用し得る染料または顔料は、金属アルコキシドのアルコール溶液に溶解または分散可能なものであり、金属酸化物ゾルと相互作用を有し得る全てのものである。このような染料または顔料は、紫外線照射により感光性薄膜中に形成されるシラノール基と相互作用することにより、感光性材料に吸着すると考えられる。その結果、感光性材料が露光パターンに応じて着色されることとなる。
【0075】
このような染料には、塩基性染料、油溶性染料、および分散染料が含まれる。本発明に好適に使用し得る染料のC.I.No.の例を以下に示す。
【0076】
塩基性染料としては、ベーシック・レッド(Basic Red)12、ベーシック・レッド27、ベーシック・バイオレット(Basic Violet)7、ベーシック・バイオレット10、ベーシック・バイオレット40、ベーシック・ブルー(Basic Blue)1、ベーシック・ブルー7、ベーシック・ブルー26、ベーシック・ブルー77、ベーシック・グリーン(Basic Green)1およびベーシック・イエロー(Basic Yellow)21が挙げられる。油溶性染料としては、ソルベント・レッド(Solvent Red)125、ソルベント・レッド132、ソルベント・レッド83、ソルベント・レッド109、ソルベント・ブルー(Solvent Blue)67、ソルベント・ブルー25、ソルベント・イエロー(Solvent Yellow)25、ソルベント・イエロー89、ソルベント・イエロー146が挙げられる。分散染料としては、ディスパース・レッド(Disperse Red)60、ディスパース・レッド72、ディスパース・ブルー(Disperse Blue)56、ディスパース・ブルー60、ディスパース・イエロー(Disperse Yellow)60が挙げられる。これらの中で、特に耐熱性、耐光性に優れる含金属系の油溶性染料がカラーフィルタ材料として適する。
【0077】
一方、本発明に好適に使用し得る顔料のC.I.No.の例として、ピグメント・イエロー(Pigment Yellow)83、ピグメント・イエロー110、ピグメント・イエロー139、ピグメント・レッド(Pigment Red)53:1、ピグメント・レッド177、ピグメント・レッド221、ピグメント・バイオレット(Pigment Violet)23、ピグメント・バイオレット37、ピグメント・ブルー(Pigment Blue)15、ピグメント・ブルー15:3、ピグメント・ブルー15:6、ピグメント・グリーン(Pigment Green)7、ピグメント・グリーン36、ピグメント・ブラック7が挙げられる。
【0078】
顔料は、金属アルコキシドのアルコール溶液で1度分散した後に、ゾル化してもよいし、ゾル溶液中で分散させてもよい。分散の際には、ノニオン系の界面活性剤を使用し、可視光波長より小さな粒子径まで分散させることが望ましい。
【0079】
このようにして得られた、染料または顔料を含んだ金属酸化物ゾルを、塗布または浸漬することにより、感光性材料の露光部分が着色される。これは、感光性材料の露光部分に、前述したようにシラノール基が生成しており、このシラノール基と染料または顔料を含んだ金属酸化物ゾルとの相互作用による吸着(ゲル化)が生じるためであると考えられる。また、顔料が分散された金属酸化物ゾルでは顔料表面に金属酸化物の粒子が吸着していること、および顔料が分散された金属酸化物ゾルを用いて着色を行った場合に、感光層内部に顔料が存在していることが、透過型電子顕微鏡で確認可能である。このことから、金属酸化物の粒子を表面に吸着した顔料が、感光層の露光部分に存在する微細な孔を通して、内部へ拡散していることが確認できる。
【0080】
塗布は、エアスプレー、エアレススプレー、ロールコーター、カーテンフローコーター、メニスカスコーター、インクジェットなどを使用して行うことができる。一方、浸漬は、感光性材料を完全に浸漬できる大きさの槽に着色液を満して行われる。着色液の管理が容易であり、着色液の使用量も少なくてすむことから、塗布による方法が好ましい。
【0081】
また、着色速度および着色濃度を上昇させるために、アセトニトリル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランのような、ポリシラン層を膨潤させる非プロトン性有機溶媒を、金属酸化物ゾル中に添加することが可能である。これらは好ましくは、金属酸化物ゾル中に1〜20重量%の量で含有し得る。溶媒の含有量が20重量%を超えると感光性薄膜の部分的な再溶解が生じ、得られる着色された感光性材料の表面に乱れが生じる恐れがある。
【0082】
このようにして得られた着色された感光性材料は、染料または顔料を含んだ金属酸化物ゾルを除去した後に乾燥させる。除去の方法としては、水洗する方法およびエアブローで吹き飛ばす方法などが使用できる。
【0083】
乾燥は、一般に100℃以上で10分〜1時間行われることが好ましいが、用いる透明基板、染料または顔料に悪影響を与えない範囲で乾燥条件を変化させることができる。例えば、透明基板としてガラス基板を用い、顔料を含む場合には、200℃で30分以上の乾燥が可能である。この乾燥の過程では、脱水反応などによるゲル化がさらに進行し、染料または顔料がSiO2の架橋した膜の中に閉じ込められた状態になると考えられる。
【0084】
このことにより、有機溶媒等に溶出しにくく、さらに別の着色工程では、この部分には着色が生じないような、耐性に優れた着色膜を得ることができるものと考えられる。
【0085】
上記のような第1パターン着色工程により、図1(b)に示すように、単色にパターン着色された感光性材料104'が得られる。
【0086】
上記の(A)〜(C)の工程によって、単色が感光性材料に着色される。カラーフィルタなどの複数色を有する材料を得るためには、さらに違った着色が必要とされる。そこで4番目の(D)工程は、(C)工程までにより得られた単色着色された感光性材料に、2色目以降の着色を行うものである。
【0087】
すなわち、図1(c)に示すように、マスクフィルム103の代わりにマスクフィルム113を用いて感光性薄膜に異なる着色パターンの潜像を形成すること、および先に用いたものとは異なる染料または顔料を用いること以外は上記(B)および(C)工程と同様にして、図1(d)に示すように、2色にパターン着色された感光性材料104"が得られる。ここで用いられるマスクフィルム113は、一般に、図1(c)に示すように、感光性薄膜の上記(B)および(C)工程で着色されたパターン部分を覆い、着色されていない部分が露光されるようなマスクパターンを有するものである。
【0088】
さらに所望の場合には、図1(e)に示すように、マスクフィルム113の代わりにマスクフィルム123を用いて感光性薄膜に異なる着色パターンの潜像を形成すること、および先に用いたものとは異なる染料または顔料を用いること以外は2色目の着色工程と同様にして、図1(f)に示すように、3色にパターン着色されたフィルタ材料104"'が得られる。ここで用いられるマスクフィルム123は、一般に、図1(e)に示すように、感光性薄膜の1色目および2色目の着色パターン部分を覆い、着色されていない部分が露光されるようなマスクパターンを有するものである。
【0089】
このような工程を繰り返すことにより、さらに多色にパターン着色されたフィルタを作製することが可能である。また、この(D)工程において、マスクフィルムを使用せずに全面露光を行うことで、1色目の着色パターン部分以外の部分に着色を行うことができる。
【0090】
なお、本明細書の「異なる着色パターンの潜像を形成する」という用語は、それぞれのパターン着色工程において全く同一の着色パターンの潜像を形成しないことを意味し、必ずしも互いに重複しないように着色パターンを形成することに限定されるものではない。また、本明細書の「異なる染料または顔料を用いる」という用語は、各パターン着色工程において、少なくとも1種類の染料または顔料を含有する異なる色相を有する着色液を用いることを意味し、着色液に用いられる染料または顔料組成の一部が各工程で重複してもよい。
【0091】
一旦着色乾燥された感光性薄膜のパターン部分はほとんどシラノール基を有さないので、後続の着色工程において他の染料または顔料で着色され難い。従って、本発明の方法では混色の問題は生じ難い。
【0092】
本発明のカラーフィルタは、上記の(A)〜(D)の工程を含む着色パターン形成方法において、RGB3原色に対応する染料または顔料を含んだ3色の着色剤を使用し、さらにブラックマトリクスまたはブラックストライプを形成することにより得ることができる。このブラックマトリクスおよびブラックストライプは、RGB3原色に続く第4色目として黒色染料または黒色の顔料を用いて着色することができる。また、ブラックマトリクスおよびブラックストライプが先にパターニングされた透明基板を用いてもよい。
【0093】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0094】
調製例1
三方コックを装着した内容積100mlのナスフラスコに、粒状のマグネシウム6.0g、無水塩化リチウム(LiCl)1.6gおよび無水塩化第一鉄(FeCl2)0.96gを収容し、50℃で133Paに加熱減圧して、収容物を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン60mlを加え、室温で約30分撹拌した。これに、予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl2)7.6g(40mmol)をシリンジで加え、室温で約12時間撹拌した。反応終了後、反応液を1mol/l塩酸50ml中に投入し、さらにエーテル100mlで抽出した。エーテル層を純水50mlで2回洗浄し、エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エーテルを留去することにより反応生成物4.6g(収率95%)を得た。
【0095】
得られた物をGPCとマススペクトルで分析したところ、直鎖状メチルフェニルポリシラン(重量平均分子量13200、平均重合度110程度)と環状メチルフェニルシラン(重量平均分子量640、平均重合度5.3)の2成分から構成されており、構成割合は前者が71重量%、後者が29重量%であった。
【0096】
反応生成物4.6gを、良溶媒テトラヒドロフラン20ml、貧溶媒エタノール200mlを用いて再沈殿して濾過し、重量平均分子量14500(平均重合度121程度)の直鎖状メチルフェニルポリシラン(a)2.2gを得た。
【0097】
調製例2
調製例1の再沈澱濾液(エタノール溶液)を濃縮したものを、良溶媒テトラヒドロフラン20mlに溶解し、これを貧溶媒エタノール200mlに滴下して沈殿したポリシランを濾過により除去し、濾液を濃縮することにより、重量平均分子量650(平均重合度5.4)の環状メチルフェニルシラン(b)1.2gを得た。
【0098】
調製例3
三方コックを装着した内容積100mlのナスフラスコに、粒状のマグネシウム6.0g、無水塩化リチウム(LiCl)1.6gおよびZnCl2を0.92g収容し、50℃で133Paに加熱減圧して、収容物を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン60mlを加え、室温で約30分撹拌した。これに、予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl2)7.4g(39mmol)およびメチルトリクロロシラン(MeSiCl3)0.18g(1.2mmol)をシリンジで加え、室温で約12時間撹拌した。反応終了後、反応液を1mol/l塩酸50ml中に投入し、さらにエーテル100mlで抽出した。エーテル層を純水50mlで2回洗浄し、エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エーテルを留去することにより反応生成物である樹脂組成物(c)4.5g(収率95%)を得た。
【0099】
得られた物をGPCとマススペクトルで分析したところ、分岐状メチルフェニルポリシラン(重量平均分子量12100、平均重合度101程度)と環状メチルフェニルシラン(重量平均分子量630、平均重合度5.3)の2成分から構成されており、構成割合は前者が69重量%、後者が31重量%であった。
【0100】
調製例4
調製例3の樹脂組成物(c)4.5gを、良溶媒テトラヒドロフラン20ml、貧溶媒エタノール200mlを用いて再沈殿して濾過し、重量平均分子量12100(平均重合度101程度)の分岐状メチルフェニルポリシラン(d)2.1gを得た。
【0101】
調製例5
三方コックを装着した内容積100mlのナスフラスコに、粒状のマグネシウム6.0g、無水塩化リチウム(LiCl)1.6gおよび無水塩化第一鉄(FeCl2)0.96gを収容し、50℃で133Paに加熱減圧して、収容物を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン60mlを加え、室温で約30分撹拌した。これに、予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl2)7.3g(38mmol)およびメチルトリクロロシラン(MeSiCl3)0.3g(2mmol)をシリンジで加え、室温で約12時間撹拌した。反応終了後、反応液を1mol/l塩酸50ml中に投入し、さらにエーテル100mlで抽出した。エーテル層を純水50mlで2回洗浄し、エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エーテルを留去することにより反応生成物4.3g(収率93%)を得た。
【0102】
得られた物をGPCとマススペクトルで分析したところ、分岐状メチルフェニルポリシラン(重量平均分子量12800、平均重合度107程度)と環状メチルフェニルシラン(重量平均分子量630、平均重合度5.3)の2成分から構成されており、構成割合は前者が68重量%、後者が32重量%であった。
【0103】
反応生成物4.3gを、良溶媒テトラヒドロフラン20ml、貧溶媒エタノール200mlを用いて再沈殿して濾過し、重量平均分子量13800(平均重合度115程度)の分岐状メチルフェニルポリシラン(e)2.0gを得た。
【0104】
調製例6
三方コックを装着した内容積100mlのナスフラスコに、粒状のマグネシウム6.0g、無水塩化リチウム(LiCl)1.6gおよび無水塩化第一鉄(FeCl2)0.96gを収容し、50℃で133Paに加熱減圧して、収容物を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン60mlを加え、室温で約30分撹拌した。これに、予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl2)6.9g(36mmol)およびメチルトリクロロシラン(MeSiCl3)0.6g(4mmol)をシリンジで加え、室温で約12時間撹拌した。反応終了後、反応液を1mol/l塩酸50ml中に投入し、さらにエーテル100mlで抽出した。エーテル層を純水50mlで2回洗浄し、エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エーテルを留去することにより反応生成物4.2g(収率94%)を得た。
【0105】
得られた物をGPCとマススペクトルで分析したところ、分岐状メチルフェニルポリシラン(重量平均分子量10800、平均重合度90程度)と環状メチルフェニルシラン(重量平均分子量640、平均重合度5.3)の2成分から構成されており、構成割合は前者が72重量%、後者が28重量%であった。
【0106】
反応生成物4.1gを、良溶媒テトラヒドロフラン20ml、貧溶媒エタノール200mlを用いて再沈殿して濾過し、重量平均分子量13800(平均重合度115程度)の分岐状メチルフェニルポリシラン(f)2.0gを得た。
【0107】
実施例1
調製例1で得られた直鎖状メチルフェニルポリシラン(a)100重量部および調製例2で得られた環状メチルフェニルシラン(b)50重量部をトルエン400重量部に溶解して、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0108】
実施例2
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から100重量部に変更する以外は実施例1と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0109】
実施例3
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から150重量部に変更する以外は実施例1と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0110】
実施例4
調製例4で得られた分岐状メチルフェニルポリシラン(d)100重量部、調製例2で得られた環状メチルフェニルシラン(b)50重量部、およびBTTB(3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、日本油脂製、酸化剤)15重量部をトルエン400重量部に溶解して、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0111】
実施例5
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から100重量部に変更する以外は実施例4と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0112】
実施例6
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から150重量部に変更する以外は実施例4と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0113】
実施例7
調製例5で得られた分岐状メチルフェニルポリシラン(e)100重量部、調製例2で得られた環状メチルフェニルシラン(b)50重量部、およびBTTB(3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、日本油脂製、酸化剤)15重量部をトルエン400重量部に溶解して、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0114】
実施例8
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から100重量部に変更する以外は実施例7と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0115】
実施例9
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から150重量部に変更する以外は実施例7と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0116】
実施例10
調製例6で得られた分岐状メチルフェニルポリシラン(f)100重量部、調製例2で得られた環状メチルフェニルシラン(b)50重量部、およびBTTB(3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、日本油脂製、酸化剤)15重量部をトルエン400重量部に溶解して、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0117】
実施例11
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から100重量部に変更する以外は実施例10と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0118】
実施例12
環状メチルフェニルシラン(b)の量を50重量部から150重量部に変更する以外は実施例10と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0119】
実施例13
調製例4で得られた分岐状メチルフェニルポリシラン(d)100重量部、調製例2で得られた環状メチルフェニルシラン(b)100重量部、TSR−165(分子量930のメチルフェニルメトキシシリコーン、東芝シリコーン製、シロキサン化合物)50重量部、およびBTTB(3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、日本油脂製、酸化剤)15重量部をトルエン400重量部に溶解して、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0120】
実施例14
さらにTAZ−110(2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、みどり化学製、光ラジカル発生剤)10重量部を加えること以外は実施例13と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0121】
実施例15
さらにクマリン系色素(3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、コダック社製)10重量部を加えること以外は実施例14と同様の操作を行い、感光性樹脂組成物および感光性材料を得た。
【0122】
実施例16
調製例3で得られた分岐状メチルフェニルポリシランと環状メチルフェニルシランを含有する樹脂組成物(c)200重量部、TSR−165(分子量930のメチルフェニルメトキシシリコーン、東芝シリコーン製、シロキサン化合物)50重量部、およびBTTB(3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、日本油脂製、酸化剤)15重量部をトルエン400重量部に溶解して、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0123】
比較例1
調製例1で得られた直鎖状メチルフェニルポリシラン(a)100重量部をトルエン400重量部に溶解し、感光性樹脂組成物を得た。この感光性樹脂組成物を、ポリシランの紫外部の335nmの吸収が吸光度で1.5になるように膜厚を調整し、石英基板上にスピンコートした後、120℃で10分加熱し、感光性材料を得た。
【0124】
[感光性材料の感度評価]
実施例1〜16および比較例1で得られた感光性材料について、日本電池製の超高圧水銀灯CL−50−200A(500W)を用いて紫外線を照射し、ポリシランの335nmにおける吸光度が照射前の半分の値である0.75になるまでの時間(秒)を測定し、これを感度とした。なお、吸光度の測定には、大塚電子製分光光度計MCPD−1000を用いた。結果を表1に示す。
【0125】
調製例7
テトラエトキシシラン168g、メチルトリエトキシシラン84g、イオン交換水250gおよびエタノール96gを1000mlのビーカーに入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、35%濃塩酸1.92gを加えた。液温を20℃に保ちながら15分間撹拌を続けたところ、透明で均質なシリカゾルが得られた。このシリカゾル56g、イオン交換水139gおよびカラーフィルタ用ノニオン顔料ペーストであるレッドAQ−866(御国色素製)50gを300mlのビーカに入れ、30分撹拌した後、エタノール40gを添加してレッド着色用のゾルを調製した。
【0126】
調製例8
レッドAQ−866の代わりにグリーンAQ−016(御国色素製)50gを用いた以外は調製例7と同じ操作を行い、グリーン着色用のゾルを調製した。
【0127】
調製例9
レッドAQ−866の代わりにブルーAQ−010(御国色素製)50gを用いた以外は調製例7と同じ操作を行い、ブルー着色用のゾルを調製した。
【0128】
調製例10
レッドAQ−866の代わりにブラックAQ−022(御国色素製)50gを用いた以外は調製例7と同じ操作を行い、ブラック着色用のゾルを調製した。
【0129】
調製例11
実施例1〜16および比較例1で得られた感光性樹脂組成物を、それぞれ、5cm×5cmの液晶用ガラス基板上にスピンコートし、120℃で10分間乾燥して、膜厚2.0μmの感光性材料を得た。
【0130】
[感光材料のパターン精度評価]
調製例11で得られた感光性材料上に100μmのギャップをあけて、90μm×90μmのカラーフィルタのグリーン用画素パターンが形成された3インチ角のネガマスクを置き、この上から超高圧水銀灯を用いて紫外線露光した。ネガマスクを除去した後、潜像が形成された感光材料を、調製例8で得られたグリーン用着色ゾル溶液に2分間浸漬した。その後、水洗し、100℃で10分間乾燥を行い、着色パターンを形成した。着色パターンのOD値が1.7になる紫外線露光量で得られた着色パターンを、光学顕微鏡で観察した結果を表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
表1から明らかなように、環状シラン化合物を配合することにより、感度が向上する(全実施例)。ポリシランの分枝度が、3%、5%の場合は、パターン精度も良好である(実施例4〜9)。
【0133】
環状シラン化合物とシロキサン化合物を組み合わせると、感度とパターン精度がともに良好である(実施例13)。ラジカル発生剤、色素の配合により、感度はさらに向上する(実施例14、15)。
【0134】
未分別の樹脂組成物(ポリシラン+環状シラン化合物)を用いても、感度とパターン精度がともに良好である(実施例16)。
【0135】
調製例12
実施例13で得られた感光性樹脂組成物を5cm×5cmの液晶用ガラス基板上にスピンコートし、120℃で10分間乾燥して、膜厚2.0μmの感光性材料を得た。
【0136】
実施例17
調製例12で得られた感光性材料上に100μmのギャップをあけて、90μm×90μmのカラーフィルタのレッド用画素パターンが形成された3インチ角のネガマスクを重ね、この積層体を、超高圧水銀灯を用いて0.2J/cm2の光量の紫外線に露光した。このネガマスクを除去した後に、潜像が形成されたフィルタ材料を、調製例7で得られたレッド用着色ゾル溶液に2分間浸漬した。その後、水洗し、100℃で10分間乾燥を行った。次に、上記ネガマスクの代わりに、カラーフィルタのブルー用画素パターンが形成されたネガマスクをレッド画素の20μm横に100μmのギャップをあけて重ねた後、露光を行い潜像を形成した。潜像形成後、調製例9で得られたブルー用着色ゾルを用いて、レッドと同様の操作を行い2色目の着色を行った。同様に、カラーフィルタのグリーン用画素パターンが形成されたネガマスクおよび調製例8で得られたグリーン用着色ゾルを用いて3色目の着色を行った。最後に、ネガマスクを用いずに露光を行い、各色の画素間に存在していた幅20μmの未露光部分を露光した。調製例10で得られたブラック着色用ゾルを用いて着色を行うことにより、画素間に遮光膜を形成して、カラーフィルタを得た。
【0137】
得られたカラーフィルタは、パターン精度が良く、混色がないことが確認できた。また、このカラーフィルタの分光透過率を大塚電子製分光光度計MCPD−1000を用いて測定したところ、R:5%(波長510nm)、G:8%(波長450nm)、7%(波長650nm)、B:4%(波長600nm)であった。
【0138】
【発明の効果】
本発明に用いる感光性樹脂組成物は、従来のポリシラン系のものに比べて光反応性が飛躍的に向上しているため、本発明の着色パターン形成方法によれば、露光時間を短縮することができ、しかも、パターン精度も向上する。そのため、高精細カラーフィルタなどの生産性を上げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を模式的に示す工程図である。
【符号の説明】
101…基板
102…感光性薄膜
103,113,123…マスクフィルム
104,104',104",104"'…感光性材料
110…紫外線
Claims (7)
- (i)(a)一般式
(b)一般式
を含有してなる感光性樹脂組成物からなる薄膜を選択的に露光することにより、露光部分に着色パターンの潜像を形成する工程、ならびに
(ii)着色パターンの潜像が形成された前記露光部分を、染料または顔料を含む着色液で着色する工程
を含む着色パターン形成方法。 - 感光性樹脂組成物が、さらに(c)光ラジカル発生剤および/または酸化剤を含有する請求項1に記載の着色パターン形成方法。
- 感光性樹脂組成物が、さらに(e)色素を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の着色パターン形成方法。
- ポリシラン(a)および環状シラン化合物(b)が、
一般式 R2SiX2 (4)
[式中、Rは、同一または異なって、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基またはシリル基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。]で表されるジハロシラン、ならびに、必要に応じて一般式 RSiX3 (5)
[式中、RおよびXは、前記と同様である。]で表されるトリハロシランおよび/または一般式 SiX4 (6)
[式中、Xは、前記と同様である。]で表されるテトラハロシランに、非プロトン性溶媒中でLi塩および金属ハロゲン化物の共存下にMgまたはMg合金を作用させることにより得られるポリシランおよび環状シラン化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の着色パターン形成方法。 - 潜像を形成する工程(i)および着色工程(ii)の後に、さらに、前記感光性樹脂膜の非露光部分を選択的に露光することにより異なる着色パターンの潜像を形成する工程、および異なる染料または顔料を含む着色液で着色する工程を、それぞれ少なくとも1回含む請求項1〜5のいずれかに記載の着色パターン形成方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の着色パターン形成方法により得られるカラーフィルタ。
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