JP2008075089A - フッ素含有ポリシラン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子内にフッ素含有基を有するフッ素含有ポリシラン化合物であって、該フッ素含有基の少なくとも1個が、酸素原子を介して主鎖のケイ素原子に結合している、フッ素含有ポリシラン化合物。
【選択図】なし
Description
本発明のフッ素含有ポリシラン化合物は、分子内にフッ素含有基を有するポリシラン化合物であって、該フッ素含有基の少なくとも1個が、酸素原子を介して主鎖のケイ素原子に結合している。
本発明のフッ素含有ポリシラン化合物は、例えば、アリール置換ポリシラン化合物を出発物質として用いる、次のスキームで示される方法により合成される。
出発物質であるアリール置換ポリシラン化合物(3)は、該ポリシラン化合物(3)の構成単位を有するモノマーを原料として、例えば、以下の(I)から(V)の方法のうちのいずれかにより製造することができる:(I)アリール基を有するハロシラン類を、ハロゲン原子に対して当量のアルカリ金属の存在下で、脱ハロゲン縮重合させる方法(いわゆる「キッピング法」、J. Am. Chem. Soc., 第110巻, 124頁(1988年)、Macromolecules, 23巻, 3423頁(1990年));(II)電極還元によりアリール基を有するハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1161頁(1990年)、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 897頁(1992年));(III)金属触媒の存在下にアリール基を有するヒドロシラン類を脱水素縮重合させる方法(特開平4-334551号公報);(IV)ビフェニルなどで架橋されたジシレンのアニオン重合による方法(Macromolecules, 23巻, 4494頁(1990年));および、(V)フェニル基あるいはアルキル基を有する環状ケイ素化合物を上記の方法で合成した後、公知の方法(例えば、Z. Anorg. Allg. Chem., 459巻, 123-130頁(1979年)など)によりヒドロ置換体やハロゲン置換体などに誘導する。これらのハロゲン化環状ケイ素化合物(シクロシラン化合物)は公知の方法(例えば、Mh. Chem. 第106巻, 503頁(1975年)、Z. Anorg. Allg. Chem., 第621巻, 1517頁(1995年)、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 777頁(1984年))で合成することができる。
アリール置換ポリシラン化合物(3)の脱アリールハロゲン化は、該アリール置換ポリシラン化合物とハライドとを反応させることによって行われる。好ましいハライドとしては、塩化水素、臭化水素、および塩化アセチルが挙げられる。中でも塩化水素が好ましく用いられる。
上述のハロゲン基含有ポリシラン化合物に、ヒドロキシル基とフッ素含有基とを有する化合物を反応させることによりフッ素含有基が導入され、フッ素含有ポリシラン化合物((1)および(2)のうちの少なくとも一方の単位を有するポリシラン)が得られる。
本発明のフッ素含有ポリシラン化合物は、上述のように、各種の材料として利用することが可能である。例えば、光学デバイス材料、絶縁材料、有機EL用バンク材などとして利用される。このフッ素含有ポリシラン化合物は、構造内にSi−Si結合とフッ素含有基とを有しているので、非常に優れた耐熱性および高い透明性を有するのみならず、該フッ素含有ポリシラン化合物の種類およびフッ素含有量を選択することにより、所望のレベルの絶縁性、撥水性、屈折率などを得ることが可能である。例えば、所望の屈折率を有するように調製して、レンズ、LEDのガラス部分の封止材料などとして、使用することができる。さらに、本発明のフッ素含有ポリシラン化合物は有機溶媒に可溶であり、有機溶媒溶液の塗工性が良好であるため、塗工により、薄膜を形成することが容易であり、薄膜として利用する用途に特に有用である。例えば、数μmの厚みの薄膜として、光回路、光導波路、マイクロレンズなどとして利用することができる。所望の特性を有するように、さらに特定の官能基を有する他のポリマー(例えば、感光性あるいは熱硬化性樹脂)と混合して用いることも可能である。
各々の実施例で得られたフッ素含有ポリシラン化合物を100℃に加熱して溶融し、型に注入して、縦10cm、横10cmで厚みが1mmのシート状の試験片を得る。これとは別に、フッ素含有ポリシラン化合物を含む溶液を、スピンナーを用いてガラス基板上に塗布した後、90℃のホットプレート上で120秒間プリベークすることにより膜厚約2μmの薄膜を形成する。この成形体または薄膜を用いて下記の評価を行う。
薄膜を有する基板を240℃で60分間加熱し、日立製分光光度計U−2000を用いて分光透過率を測定し、可視光領域における最低透過率を光透過率とする。光線透過率が95%以上である場合を耐熱性良好(○)、そして95%未満である場合を耐熱性不良(×)とする。
薄膜を有する基板を240℃で60分間加熱した後、光干渉式膜質測定機にて830nmにおける薄膜の屈折率を測定する。
薄膜を有する基板を240℃で60分間加熱した後、23℃にて、薄膜上に純水を1滴滴下し、その接触角を測定する。
プレシジョンLCRメーターHP4284A(アジレントテクノロジー社製)を用い、室温にて周波数1MHzにおける試験片の誘電特性(比誘電率および誘電正接)を測定する。
(デカフェニルシクロペンタシランの脱フェニルハロゲン化(工程a))
(ポリクロロシランへのペンタフルオロプロピル基およびカルボキシル基の導入(工程(b)))
ガラス製反応容器に、ペンタフルオロプロパノール3.7g、ジメチロールブタン酸3.0g、ジクロロメタン50g、およびトリエチルアミン4.5gを入れ、水冷下で攪拌した。得られた溶液に、実施例1で調製したポリクロロシラン溶液20.0gを徐々に滴下した。滴下終了後、室温で30分攪拌した。反応溶液は、淡黄色スラリーとなった。この反応溶液に、水30gを徐々に滴下した。有機層を分液後、水層をジクロロメタン30gで抽出した。有機層を合わせて水30gで2回洗浄し、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム)で乾燥した。乾燥剤を濾過除去後、徐々に減圧し、ジクロロメタンをほぼ留去し、ペンタフルオロプロピル基およびカルボキシル基を有するポリシラン化合物15.0gを得た。
ペンタフルオロプロパノールの量を5.9g、そして、ジメチロールブタン酸の量を1.2gとしたこと以外は、実施例2と同様に行った。
(ポリクロロシランへのフッ素含有アクリレート誘導体およびカルボキシル基の導入)
ガラス製反応容器に、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート24.2g、ジメチロールブタン酸1.1g、ジクロロメタン50g、およびトリエチルアミン4.5gを入れ、水冷下で攪拌した。得られた溶液に、実施例1で調製したポリクロロシラン溶液20.0gを徐々に滴下した。滴下終了後、室温で30分攪拌した。反応溶液は、淡黄色スラリーとなった。この反応液に、水30gを徐々に滴下した。有機層を分液後、水層をジクロロメタン30gで抽出した。有機層を合わせて水30gで2回で洗浄し、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム)で乾燥した。乾燥剤を濾過除去後、徐々に減圧し、ジクロロメタンをほぼ留去し、フッ素含有アクリレート誘導体およびカルボキシル基を有するポリシラン化合物を27.5gを得た。このポリシラン化合物を用いて、実施例1と同様に光線透過率、耐熱性、屈折率、撥水性、および絶縁性について試験を行った。
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