JPH08311291A - 耐薬品性難燃性樹脂組成物 - Google Patents

耐薬品性難燃性樹脂組成物

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JPH08311291A
JPH08311291A JP12348895A JP12348895A JPH08311291A JP H08311291 A JPH08311291 A JP H08311291A JP 12348895 A JP12348895 A JP 12348895A JP 12348895 A JP12348895 A JP 12348895A JP H08311291 A JPH08311291 A JP H08311291A
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JP
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copolymer
vinyl
compound
weight
parts
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JP12348895A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Takemoto
欣弘 竹本
Eiji Ueda
英二 上田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゴム質重合体にシアン化ビニル化合物およ
び、これと共重合可能なビニル化合物をグラフト重合し
て得られるグラフト共重合体(A)と、シアン化ビニル
化合物および、これと共重合可能なビニル化合物からな
る共重合体(B)からなるゴム強化樹脂と、(A)+
(B)の合計100重量部に対して、ポリオルガノシロ
キサンおよび、ポリアルキル(メタ)アクリレート成分
からなる複合ゴムに、1種または2種以上のビニル化合
物をグラフト重合して得られる複合ゴム系グラフト共重
合体(C)が0.2〜30重量部と、ハロゲン系有機化
合物(D)が0.1〜40重量部からなる樹脂組成物で
ある。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、耐薬品性、難燃性、
耐衝撃性、加工流動性、剛性バランスに優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐薬品性、難燃性に優
れる樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、自動車部
品、OA機器部品、電化製品、家具等の分野で使用され
る難燃性と耐薬品性に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃ABS樹脂、難燃HIPS樹脂をは
じめとするスチレン系難燃性樹脂は、電気製品のハウジ
ング部の成形材料として広く用いられている。これらの
樹脂は電気製品の多様化に伴って、保温便座等のように
耐薬品性が要求される用途にも用いられるようになって
いる。しかしながら、ハロゲン系難燃剤を用いた難燃性
樹脂は元来、耐薬品性が劣るため使用する用途が限られ
ていた。こうしたことから、スチレン系難燃性樹脂に耐
薬品性を付与する種々の試みがされている。
【0003】スチレン系の樹脂の耐薬品性を向上させる
方法としては、特開平2−284906号公報に開示さ
れるように、樹脂中の耐薬品性に優れる成分、例えば、
アクリロニトリルの含有量を増やすという方法が一般的
である。しかし、樹脂中のアクリロニトリル含有量を大
きく増すと、色調の低下、ゲル化反応の増大等、製造が
困難になる傾向があり、また、難燃剤や他の添加剤との
相溶性が低下するため、樹脂の機械的強度の低下分を補
強する必要があった。一方、高度な耐薬品性を得るため
の別の方法として、ポリアミド等の結晶性ポリマーをス
チレン系樹脂にブレンドして用いる方法があるが、寸法
安定性および、成形加工性の点で、十分満足する品質バ
ランスの優れた樹脂が得られていない。また、特開平6
−116470号公報に開示されている複合ゴム系グラ
フト共重合体を用いた耐衝撃性樹脂組成物は難燃性が十
分でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、すぐ
れた難燃性、耐薬品性、加工流動性、機械的強度のバラ
ンスの優れた樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあたっ
て本発明者らが鋭意検討した結果、ポリオルガノシロキ
サンおよび、ポリアルキル(メタ)アクリレートからな
る複合ゴムのグラフト共重合体とゴム強化樹脂からなる
樹脂組成物が、種々の薬品に対する耐薬品性の優れた樹
脂組成物であることを見いだし本発明に至った。この樹
脂組成物は、難燃剤等の添加剤との相溶性に優れるた
め、本発明のような、耐薬品性、加工流動性、機械的強
度、難燃性のバランスの優れた難燃性樹脂を得ることが
出来る。
【0006】すなわち本発明は、ゴム質重合体にシアン
化ビニル化合物および、これと共重合可能なビニル化合
物をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)
と、シアン化ビニル化合物および、これと共重合可能な
ビニル化合物からなる共重合体(B)からなるゴム強化
樹脂と、(A)+(B)の合計100重量部に対して、
ポリオルガノシロキサンおよび、ポリアルキル(メタ)
アクリレート成分からなる複合ゴムに、1種または2種
以上のビニル化合物をグラフト重合して得られる複合ゴ
ム系グラフト共重合体(C)が0.2〜30重量部と、
ハロゲン系有機化合物(D)が0.1〜40重量部から
なる樹脂組成物である。
【0007】本発明のグラフト共重合体(A)に用いら
れるシアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリルが挙げられる。特に好ましく
は、アクリロニトリルである。これと共重合可能なビニ
ル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、パ
ラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタ
クリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、エチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリ
レート類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)ア
クリル酸類、無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボ
ン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド系単
量体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有
単量体があげられるが、好ましくは、芳香族ビニル化合
物、アルキル(メタ)アクリレート類、マレイミド系単
量体であり、さらに好ましくは、スチレン、N−フェニ
ルマレイミド、ブチルアクリレートである。これらのビ
ニル化合物は単独あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0008】ゴム質重合体としては、ガラス転移温度が
0℃以下であることが好ましく、更には−20℃以下が
好ましい。具体的にはポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合ゴム等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エ
チレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンージエ
ン三元共重合ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重
合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム等の
ブロック共重合体およびそれらの水素添加物等が挙げら
れる。ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリア
クリル酸ブチル等が好ましくものとして挙げられる。
【0009】グラフト共重合体(A)中のゴム質重合体
の割合は、30〜95重量%が好ましく、耐衝撃性と加
工流動性のバランスの点で、50〜90重量%がより好
ましい。また、グラフト共重合体(A)中のシアン化ビ
ニル化合物の割合(シアン化ビニル化合物)/(シアン
化ビニル化合物+これと共重合可能なビニル化合物)
は、0.3〜0.6であることが好ましい。0.3未満
の場合は、十分な耐薬品性が得られず、また、0.6を
超える場合には、高温加工時においてシアン化ビニル化
合物同士の環化反応、架橋反応が進行するため好ましく
ない。より好ましくは、0.30〜0.5であり、最も
好ましくは、0.4〜0.5である。
【0010】本発明の共重合体(B)に用いられるシア
ン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタア
クリロニトリルが、好ましものとして、アクリロニトリ
ルが挙げられる。これと共重合可能なビニル化合物とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレート、
メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアク
リレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、アク
リル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸類、無
水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、N−フェ
ニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒ
キシルマレイミド等のマレイミド系単量体、グリシジル
メタクリレート等のグリシジル基含有単量体が挙げら
れ、好ましくは、芳香族ビニル化合物、アルキル(メ
タ)アクリレート類、マレイミド系単量体であり、さら
に好ましくは、スチレン、N−フェニルマレイミド、ブ
チルアクリレートである。これらのビニル化合物は単独
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】共重合体(B)中のシアン化ビニル化合物
と共重合可能なビニル化合物の割合(シアン化ビニル化
合物)/(シアン化ビニル化合物+これと共重合可能な
ビニル化合物)は、0.3〜0.6が好ましい。0.3
未満の場合は、十分な耐薬品性が得られず、また、0.
6を超える場合には、高温加工時においてシアン化ビニ
ル化合物同士の環化反応、架橋反応が進行するため好ま
しくない。より好ましくは、0.3〜0.5であり、最
も好ましくは、0.4〜0.5である。
【0012】本発明におけるグラフト共重合体(A)の
割合は、(A)+(B)の合計100重量部に対して、
5〜80重量部であることが好ましい。5重量部未満の
場合は十分な耐衝撃性が得られず80重量部を超える場
合は加工流動性が劣る。本発明の複合ゴム系グラフト共
重合体(C)は、ポリオルガノシロキサンゴムとポリア
ルキル(メタ)アクリレ−トゴムからなる複合ゴムに、
1種又は2種以上のビニル化合物をグラフト重合するこ
とにより得られる。オルガノシロキサンとしては、例え
ば、ジメチルシロキサン等の鎖状シロキサン、ヘキサメ
チルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ト
リメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメ
チルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフ
ェニルシクロテトラシロキサン等の3員環以上、好まし
くは3〜6員環を持つ各種オルガノシロキサン系環状体
が挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して用い
ることが出来る。
【0013】アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、
例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)
アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、n
−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレ−トn−ラウリルメタクリレ−トが挙
げられ、特にn−ブチルアクリレ−トが好ましい。複合
ゴムの数平均粒子径は、5〜600nmが好ましく、よ
り好ましくは10〜400nm、最も好ましくは50〜
300nmである。
【0014】複合ゴムにグラフト重合させるビニル化合
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
クロル化スチレン、ブロム化スチレン、ビニルトルエ
ン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビ
ニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物、炭素数1〜10のアルキル基
を持つアルキル(メタ)アクリレ−ト、例えば、メチル
(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、
プロピル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリ
レ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル
(メタ)アクリレ−ト、フェニル(メタ)アクリレ−
ト、ベンジル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。こ
れらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アク
リレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル(メ
タ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−トが好ま
しい。これらは1種類又は2種類以上を組み合わせて用
いることができるが、複合ゴム系グラフト共重合体
(C)とゴム強化樹脂(A)+(B)との相溶性が高い
ほど、得られる樹脂組成物の耐薬品性、成形品の外観に
有利である。その組み合わせとしては、例えば、芳香族
ビニル化合物−シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化
合物−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳
香族ビニル化合物−シアン化ビニル化合物−α、β−不
飽和カルボン酸アルキルエステルで、特に好ましいの
は、芳香族ビニル化合物−シアン化ビニル化合物の組み
合わせ、および芳香族ビニル化合物−シアン化ビニル化
合物−ブチルアクリレートの組み合わせである。これら
の複合ゴム系グラフト共重合体(C)は、1種類又は2
種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】複合ゴム系グラフト共重合体(C)の割合
は、グラフト共重合体(A)+共重合体(B)=100
重量部に対して、0.2〜30重量部である。これが
0.2重量部未満であると耐薬品性が十分でなく、30
重量部を越えると剛性や成形品外観が低下する。好まし
くは、0.2〜20重量部であり、剛性、加工流動性の
バランスにおいて、0.2〜5重量部が特に好ましい。
この複合ゴム系グラフト共重合体(C)の製造方法は、
例えば特開昭63−69859号公報記載の乳化重合を
用いることが出来る。この場合、上記複合ゴムのラテッ
クスに、上記ビニル系化合物を加え、ラジカル重合によ
り1段または多段で重合した複合ゴム系グラフト共重合
体ラテックスを塩化カルシウムまたは硫酸アルミニウム
等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固する
ことにより分離、回収出来る。
【0016】本発明のハロゲン系有機化合物(D)は、
ハロゲン系難燃剤および、含ハロゲンリン酸エステル等
のハロゲン系有機化合物全般を指す。ハロゲン系難燃剤
としては、例えば、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサ
ブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、
トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、
デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニ
ルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブ
ロモフタルイミド、へキサブロモブテン、トリクロロテ
トラブロモフェニル−トリフォスフェート、ヘキサブロ
モシクロドデカン等のモノマー、テトラブロモビスフェ
ノールAオリゴマー等、上記のハロゲン系有機化合物か
ら誘導されるオリゴマーがあるが好ましくは、下記一般
式(1−1)の構造を有するハロゲン系難燃剤であり、
【0017】
【化1】
【0018】特に好ましいのは下記一般式(2−1)の
ハロゲン系難燃剤である。
【0019】
【化2】
【0020】一方、含ハロゲンリン酸エステルとして
は、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・ジク
ロロプロピルホスフェート、トリス・β−クロロプロピ
ルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフ
ェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、ト
リス(トリブロモネオペンチルホスフェート)およびこ
れらの縮合リン酸エステル等があるが、好ましくは、ト
リス(トリブロモネオペンチルホスフェート)、トリス
(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロ
モフェニル)ホスフェートである。これらのハロゲン系
難燃剤は1種類または、2種類以上組み合わせて用いる
こともできる。ハロゲン系化合物(C)の割合は必要な
難燃性のレベルに応じて決められるが、(A)+(B)
の合計100重量部に対して、0.1〜40重量部であ
る。0.1重量部未満では十分な難燃効果が発揮されな
い。40重量部を超えると樹脂の機械的強度を低下させ
る。好ましくは2〜35重量部であり、特に好ましい5
〜30重量部である。
【0021】また、難燃性を高める為に、元素周期律表
におけるVBに属する元素を含む化合物(E)を用いる
ことが出来る。具体的には、窒素含有化合物、リン含有
化合物、酸化ヒ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス。ま
た、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物であ
る。一般的には酸化物が好ましく、特に酸化アンチモン
が好ましい。具体的には三酸化アンチモン、五酸化アン
チモンが挙げられる。これらの成分(E)は樹脂中への
分散を改善する目的および/または樹脂の熱的安定性を
改善する目的で表面処理を施されているものを用いても
よい。また、成分(E)は1種類又は、2種類以上を組
み合わせても用いることができる。成分(E)の割合
は、(A)+(B)の合計100重量部に対して、0.
5〜20重量部が好ましい。0.5部未満の場合、難燃
性を高める効果が十分でなく、20重量部を越える場
合、樹脂の機械的強度および加工流動性が低下する。よ
り好ましくは1〜15重量部で、特に好ましくは1〜1
0重量部である。
【0022】さらに、難燃性を高める目的で、パーフル
オロアルカンポリマー、および/または塩素化ポリエチ
レン、および/またはシリコーンオイル等の難燃助剤を
用いることができる。パーフルオロアルカンポリマーと
しては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、および
共重合可能なフッ素を含まないエチレン系不飽和単量体
を含有するものがあげられるが、好ましくはポリテトラ
フルオロエチレンである。ポリテトラフルオロエチレン
としては、65〜76重量%のフッ素含有率が好まし
く、より好ましくは70〜76重量%である。ポリテト
ラフルオロエチレンの割合は、成分(A)+(B)の合
計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好まし
い。0.01未満の場合は、難燃性を高める効果が十分
でなく、5重量部を越える場合は加工流動性および外観
が低下する。特に好ましくは0.05〜1重量部であ
る。塩素化ポリエチレンは、塩素処理をしたポリエチレ
ン一般を指し20〜50重量%の塩素含有率が好ましく
用いることができる。塩素化ポリエチレンの割合は、成
分(A)+(B)の合計量100重量部に対して、0.
1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満の場合
は、難燃性を高める効果が十分でなく、10重量部を越
える場合は、加工流動性および外観が低下する。特に好
ましくは0.5〜5重量部である。シリコーンオイルと
しては、ポリジメチルシロキラン、ポリメチルフェニル
シロキサン、アルキル変成シリコーンオイル等があげら
れるが、好ましくはポリジメチルシロキサンである。シ
リコーンオイルの割合は、成分(A)+(B)の合計量
100重量部に対して、は0.05〜2重量部が好まし
く、特に好ましくは0.1〜1重量部である。これらの
難燃助剤は1種類又は、2種類以上を組み合わせても用
いることができる。
【0023】また、本発明の樹脂組成物には、樹脂を改
質する目的で任意の添加剤、すなわち、滑剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、酸化チタン、
表面改質剤、分散剤、可塑剤などを添加することができ
る。本発明の樹脂組成物の耐薬品性は具体的には、酸
性、アルカリ性、中性の家庭用洗剤一般、酸性(塩酸
系)、アルカリ性(苛性ソーダ系)、中性のトイレ用洗
剤一般、スミチオン、パラチオンのような有機リン系の
殺虫剤の他、マーガリン、ケチャップ、マヨネーズ、食
酢のような食材、グリース、ミシン油等のオイル類、ク
レゾール等の除菌剤等が挙げられる。
【0024】本発明の樹脂組成物の製造方法は、例え
ば、押出機混練によるメルトブレンド、ゴム強化樹脂の
重合途中に他の成分を添加する方法、溶媒ブレンド等に
より製造することができる。また、本発明の耐薬品性難
燃性樹脂組成物の用途としては特に限定されないが、例
えば、耐薬品性と難燃性の必要とされる用途に用いるこ
とができる。具体的には、保温便座、便蓋、温水洗浄便
座等の部品をはじめ、これに付属した部品、例えば、コ
ントロールボックスのハウジングのハウジング等に用い
ることが出来る。
【0025】
【実施例】以下に用いた成分を説明する。なお、「部」
は「重量部」を意味する。 グラフト共重合体の製造 (グラフト共重合体A−1)ポリブタジエンゴムラテッ
クス(CN WOOD(株)社製 MODEL−600
0型によって測定した重量平均粒子径300nm)40
部に、脱イオン水100部、ロジン酸カリウム1.5部
を加え、気相部を窒素置換した後、70℃に昇温した。
続いて、アクリロニトリル25部、スチレンを35部、
ターシャリードデシルメルカプタン0.6部、クメンハ
イドロパーオキシド0.1部よりなる単量体混合液、脱
イオン水50部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート0.2部、硫酸第一鉄0.004部、エチレン
ジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.04部を溶解し
てなる水溶液を7時間にわたり添加し、70℃の重合温
度で反応を完結させた。得られたグラフト共重合体の成
分は、FT−IR(JASCO(株)製FT/IR−7
000)による定量分析の結果、ブタジエン成分が40
重量%、アクリロニトリル成分が25重量%、スチレン
成分が35重量%であった。
【0026】(グラフト共重合体A−2)単量体混合液
のアクリロニトリルを18部、スチレンを42部とした
以外は、グラフト共重合体A−1と全く同様な方法で得
た。得られたグラフト共重合体の成分は、ブタジエン成
分が40重量%、アクリロニトリル成分が18重量%、
スチレン成分が42重量%であった。 (グラフト共重合体A−3)単量体混合液のアクリロニ
トリルを15部、スチレンを45部とした以外は、グラ
フト共重合体A−1と全く同様な方法で得た。得られた
グラフト共重合体の成分は、ブタジエン成分が40重量
%、アクリロニトリル成分が15重量%、スチレン成分
が45重量%であった。 (ビニル共重合体B−1)アクリロニトリル、スチレン
および溶媒としてエチルベンゼンを用い、重合反応器に
上記混合液を連続的に添加し、重合系の温度を120〜
130℃にコントロールして重合反応を行った。その
後、未反応のモノマーを真空下にて除去し、共重合体の
固体粉末を得た。共重合体中のアクリロニトリル含有量
が40重量%であった。
【0027】(ビニル共重合体B−2)アクリロニトリ
ル、スチレンおよびブチルアクリレートを連続添加した
以外は共重合体B−1と同様の方法で得た。共重合体中
のアクリロニトリルが40重量%、ブチルアクリレート
が11重量%、スチレンが49重量%であった。 (ビニル共重合体B−3)共重合体B−1と同様の方法
で得た。共重合体中のアクリロニトリル含有量が30重
量%であった。 (ビニル共重合体B−4)共重合体B−1と同様の方法
で得た。共重合体中のアクリロニトリル含有量が25重
量%であった。
【0028】複合ゴム系グラフト共重合体(C−1) 特開平06−116470号公報記載の参考例2に開示
されている方法にて、ポリオルガノシロキサンゴムとブ
チルアクリレートゴムからなる複合ゴムにアクリロニト
リルおよびスチレンをグラフト重合した。スチレンとア
クリロニトリルの割合は、スチレン7に対しアクリロニ
トリル3である。グラフト共重合体の数平均粒子系(大
塚電子(株)社製 DLS−700型を用いて動的光散
乱法により測定)は、100nmであった。 複合ゴム系グラフト共重合体(C−2) 特開平06−116470号公報記載の参考例2に開示
されている方法にて、ポリオルガノシロキサンゴムとブ
チルアクリレートゴムからなる複合ゴムにアクリロニト
リルおよびスチレンをグラフト重合した。スチレンとア
クリロニトリルの割合は、スチレン6に対しアクリロニ
トリル4である。グラフト共重合体の数平均粒子系は、
90nmであった。
【0029】(ハロゲン系有機化合物D)D−1はトリ
ブロモビスフェノールAである。D−2は、一般式(2
−1)においてRおよびR’がともに式(2−3)で表
されるトリブロムフェノール末端封止のハロゲン系化合
物(軟化点100℃)である。アンチモン酸化物は、三
酸化アンチモンを、塩素化ポリエチレンは、軟化点90
℃の塩素化ポリエチレンを、ポリテトラフルオロエチレ
ンは、融点326℃、粒子径が約500μm(ASTM
−D1457による)のものを用いた。
【0030】
【実施例1〜21 比較例1〜8】以上のように調製し
た各成分を表1〜3に示す組成(単位は重量部)にて、
シリンダー温度が220℃に設定された2軸押出機で混
練造粒した後、射出成形機(シリンダー温度240℃、
金型温度45℃)を用いて物性測定用試験片、および燃
焼試験用成形片を得た。表1〜3に評価を行った結果を
示す。難燃性は、UL94規格垂直燃焼試験(厚み1/
8インチ、1/12インチおよび1/16インチ)に基
づく試験で難燃性がV−2に満たないものは×を記し
た。また、UL94規格水平燃焼試験(厚み1/8イン
チ)に基づく試験で、標線まで燃焼するものを”燃
焼”、途中で消火するものを”消火”と記した。アイゾ
ット衝撃値はASTM D256(試験片厚さ1/4イ
ンチ、ノッチ付き)に基づく測定で行い、単位はkg・
cm/cmである。
【0031】曲げ弾性率は、ASTM D790に基づ
く測定で行い、単位は1000kg/cm/cmであ
る。メルトフローレートはJIS K−7210に基づ
く測定(220℃ 10kg荷重)で行い、単位はg/
10minである。耐薬品性(臨界歪み)はベンディン
グフォーム法で行った。2mm厚の圧縮成形板(220
℃で圧縮成形)を任意の大きさに切り出した後、80℃
で24時間アニーリングして試験片を得る。曲率半径を
連続的に変化させた金属製の治具(ベンディングフォー
ム)の表面に試験片を取り付け、薬品をガーゼにしみこ
ませて試験片の上にかぶせる。そのまま、23℃、50
%湿度の恒温室に静置して、試験片にクラックが生じる
限界の歪み(%)を測定してこれを臨界歪みとする。こ
の値が大きいほど塗布した薬品に対する試験片の耐薬品
性が優れている。表中で「割れず」とは、上記の測定で
試験片にクラックが観察されなかった場合であり、臨界
歪みは1.2以上である。
【0032】試験した薬品は、(1)10%HCl溶
液、静置時間48時間、(2)酸性トイレ用洗剤(大日
本除虫菊株式会社製、トイレ・タイル用強力洗浄剤「サ
ンポール」(成分:塩酸(9.5%)、界面活性
剤))、静置時間48時間、(3)アルカリ性トイレ用
洗剤(ジョンソン社製、ジョンソンフォワード原液、p
Hは約14)、静置時間120時間である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の耐薬品性難燃性樹脂は、耐薬品
性、難燃性、耐衝撃性、加工流動性、剛性バランスに優
れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム質重合体にシアン化ビニル化合物お
    よび、これと共重合可能なビニル化合物をグラフト重合
    して得られるグラフト共重合体(A)と、シアン化ビニ
    ル化合物および、これと共重合可能なビニル化合物から
    なる共重合体(B)からなるゴム強化樹脂と、(A)+
    (B)の合計100重量部に対して、ポリオルガノシロ
    キサンおよび、ポリアルキル(メタ)アクリレート成分
    からなる複合ゴムに、1種または2種以上のビニル化合
    物をグラフト重合して得られる複合ゴム系グラフト共重
    合体(C)が0.2〜30重量部と、ハロゲン系有機化
    合物(D)が0.1〜40重量部からなることを特徴と
    する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物に、元素周期
    律表におけるVBに属する元素を含む化合物(E)が
    0.5〜20重量部からなることを特徴とする樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 グラフト共重合体(A)および共重合体
    (B)中におけるシアン化ビニル化合物の割合が(シア
    ン化ビニル化合物)/(シアン化ビニル化合物+これと
    共重合可能なビニル化合物)の値が0.3〜0.6の範
    囲にある請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 グラフト共重合体(A)および共重合体
    (B)中におけるシアン化ビニル化合物と共重合可能な
    ビニル化合物が、芳香族ビニル化合物およびアルキル
    (メタ)アクリレートである請求項1、2または3記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 グラフト共重合体(A)および共重合体
    (B)中におけるシアン化ビニル化合物と共重合可能な
    ビニル化合物が、芳香族ビニル化合物およびブチルアク
    リレートである請求項1、2、3または4記載の樹脂組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3632938B1 (en) * 2018-10-05 2023-05-03 Trinseo Europe GmbH Vinylidene substituted aromatic monomer and cyclic (meth)acrylate ester polymers

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