JPH07331025A - 二次加工用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

二次加工用熱可塑性樹脂組成物

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JPH07331025A
JPH07331025A JP14717394A JP14717394A JPH07331025A JP H07331025 A JPH07331025 A JP H07331025A JP 14717394 A JP14717394 A JP 14717394A JP 14717394 A JP14717394 A JP 14717394A JP H07331025 A JPH07331025 A JP H07331025A
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JP
Japan
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parts
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polyorganosiloxane
thermoplastic resin
styrene
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Pending
Application number
JP14717394A
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English (en)
Inventor
Masaki Maeda
征希 前田
Masahiko Noro
雅彦 野呂
Akio Matsuda
昭生 松田
Katsuro Omura
勝郎 大村
Kenju Furuyama
建樹 古山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次加工性、耐熱性、耐衝撃性に優れた成形
品の成形材料に供する二次加工用熱可塑性樹脂組成物を
提供する。 【構成】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂70〜99重
量部に、(B)ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
1〜30重量部配合してなる、二次加工用熱可塑性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形加工性、塗装やメッ
キなどの二次加工性、耐衝撃性に優れた成形材料に供す
る二次加工用熱可塑性樹脂組成物に関する。
【従来の技術】ゴム強化スチレン樹脂(HIPS)やア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)
は、良好な成形加工性や耐衝撃性を有しており、車両外
装や家庭用電気器具のハウジング材に使用されている。
その際、意匠性向上を目的として、塗装やメッキなどの
二次加工がしばしば実施される。塗装性の向上の一つと
して、耐薬品性を向上させることが考えられ、その方法
は特開昭54−94547号公報、特公昭63−609
53号公報あるいは特開平3−215547号公報に技
術開示がされているが、メッキ密着強度が劣る。メッキ
性の向上の一つとして、メッキ密着強度を向上させるこ
とが考えられ、その方法は特開昭61−120845号
公報あるいは特公平6−17428号公報に技術開示が
されているが、しかし、塗装外観、塗膜の密着強度に劣
る。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決することを目的とし、ゴム変性スチレン系樹脂にポリ
オルガノシロキサン系樹脂を特定量配合した成形加工
性、二次加工性、耐衝撃性に優れた二次加工用熱可塑性
樹脂組成物を提供するものである。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ゴム変
性スチレン系樹脂70〜99重量部に、(B)一般式R
1 n SiO(4-n)/2 (式中、R1 は置換または非置換の
1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す)で
表される構造単位を有するオルガノシロキサン(I)9
0〜100重量%と、グラフト交叉剤(II)0〜10
重量%とを縮合させて得られる(変性)ポリオルガノシ
ロキサン(III)の存在下で、少なくとも1種のビニ
ルモノマー(IV)をグラフト重合させて得られるポリ
オルガノシロキサン系熱可塑性樹脂1〜30重量部を配
合してなる、二次加工用熱可塑性樹脂組成物を提供する
ものである。本発明の組成物に使用される(A)ゴム変
性スチレン系樹脂としては、ゴム質重合体にスチレン
系単量体および必要に応じて他のビニル化合物からなる
単量体をグラフト重合して得られるゴム変性スチレン系
重合体、または該ゴム変性ビニル系重合体とスチレン
系重合体(スチレン系単量体および必要に応じて他のビ
ニル化合物からなる単量体を共重合したもので、ゴム変
性していないもの)との混合物であり、高度の耐衝撃性
を得る目的でゴム質重合体をスチレン系重合体中に含有
させたものである。この含有方法としては、単純な機械
的ブレンド方法でも構わないが、良好な相溶性を得るた
めには、ゴム質重合体の存在下にスチレン系単量体など
をグラフト共重合させる、いわゆるグラフト共重合処方
によって得られたものが一層好ましいものである。ま
た、この方法で得られるゴム変性スチレン系重合体(グ
ラフト共重合体)に、別途方法によって得られるスチレ
ン系重合体を混合する、いわゆるグラフト−ブレンド法
によって得られるものを用いることも好ましい。ここ
で、前記ゴム質重合体としては、ポリブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエン系ゴムなどのジエン系ゴム、水素
添加されたスチレン−ブタジエン系ゴム、アクリル系共
重合体、エチレン−プロピレン−(ジエン)系共重合
体、塩素化ポリエチレン、ポリウレタンなどが挙げられ
るが、なかでもポリブタジエンゴムを用いることが好ま
しい。一方、前記スチレン系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ブロモスチレンなどが挙げら
れるが、これらのなかでもスチレンを用いることが最適
である。なお、スチレン系単量体中に、必要に応じてこ
れらのスチレン系単量体と共重合可能な他のビニル化合
物からなる単量体を共重合することも可能である。この
他のビニル化合物からなる単量体としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合
物、メチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エ
ステル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、マレイミド化合物などが挙げられる。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂において、スチレン系単
量体を単独で用いる場合には耐衝撃性が発現し難いの
で、アクリロニトリルを共重合させることが好ましい。
【0003】(A)成分の使用量は70〜99重量部、
好ましくは80〜98重量部、さらに好ましくは90〜
98重量部であり、70重量部未満では耐衝撃性が劣
り、一方、99重量部を超えると、塗装後耐衝撃性、塗
装−耐候暴露後の衝撃強度(以下、「塗装−耐候後衝撃
強度」ということもある。)およびメッキ性が劣る。本
発明に使用される(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、乳
化重合、溶液重合、懸濁重合などによって製造される。
また、この際、重合に用いられる重合開始剤、分子量調
整剤、分散剤、乳化剤、溶媒などとしては、通常、これ
らの重合法で用いられるものをそのまま用いることが可
能である。(A)ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法の
好ましい方法としては、乳化重合により得られるゴム質
重合体の存在下に、単量体乳化剤、重合開始剤を用い、
一般に重合温度30〜150℃、重合時間1〜15時
間、重合圧力−1.0〜5.0kg/cm2 の条件下で
グラフト共重合して得られるグラフト共重合体(ただ
し、未グラフトのスチレン系重合体を含む)と、乳化重
合もしくは溶液重合により得られるスチレン系重合体と
を混合することによって製造する。(A)ゴム変性スチ
レン系樹脂は、ゴム質重合体(A−1)成分と他の重合
体(A−2)成分から構成されるが、(A−1)/(A
−2)の好ましい割合は、3〜40/60〜95重量
%、さらに好ましくは5〜35/65〜95重量%であ
る。一方、(A−2)成分は、スチレン系単量体または
スチレン系単量体と他の共重合可能な単量体を重合した
ものであるが、スチレン系単量体/他の共重合可能な単
量体の好ましい割合は、2〜100/0〜98重量%、
さらに好ましくは10〜90/10〜90重量%であ
る。上記の割合の範囲内にあると、本発明の目的の一段
と優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。上記の他の共
重合可能な単量体として、好ましくはシアン化ビニル化
合物、(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミド化
合物から選ばれた少なくとも一種である。(A)ゴム変
性スチレン系樹脂の具体例としては、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロ
ニトリル−エチレン・プロピレン−スチレン樹脂(AE
S樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン
樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−
メタクリル酸メチル−スチレン樹脂、アクリロニトリル
−n−ブチルアクリレート−スチレン樹脂(AAS樹
脂)、ゴム変性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチ
レン;HIPS)、α−メチルスチレンあるいはN−フ
ェニルマレイミドを用いた耐熱ゴム変性スチレン系樹脂
などが挙げられる。次に、(B)成分について詳述す
る。本発明に使用する(B)成分は、一般式R1 n Si
(4-n)/2 (式中、R1 は置換または非置換の1価の炭
化水素基であり、nは0〜3の整数を示す)で表される
構造単位を有するオルガノシロキサン(I)(以下
「(I)成分」ということがある)90〜100重量%
と、グラフト交叉剤(II)(以下「(II)成分」と
いうことがある)0〜10重量%[ただし、(I)+
(II)=100重量%]とを縮合させて得られる(変
性)ポリオルガノシロキサン(III)(以下「(II
I)成分」ということがある)の存在下に、少なくとも
1種のビニルモノマー(IV)(以下「(VI)成分」
ということがある)をグラフト重合させて得られるポリ
オルガノシロキサン系熱可塑性樹脂である。
【0004】本発明に使用されるオルガノシロキサン
(I)は、前記一般式で表される構造単位を有するもの
であり、直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、好
ましくは環状構造を有するオルガノシロキサンである。
このオルガノシロキサン(I)の有する置換または非置
換の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、およびそれ
らをハロゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭化水
素基などを挙げることができる。また、前記平均組成式
中、nの値は0〜3の整数である。オルガノシロキサン
(I)の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロ
キサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメ
チルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキ
サシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロ
キサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐
状のオルガノシロキサンを挙げることができる。なお、
このオルガノシロキサン(I)は、あらかじめ縮合され
た、例えばポリスチレン換算の重量平均分子が500〜
10,000程度のポリオルガノシロキサンであっても
よい。また、オルガノシロキサン(I)が、ポリオルガ
ノシロキサンである場合、その分子鎖末端は、例えば水
酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビ
ニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチル
ジフェニルシリル基などで封鎖されていてもよい。次
に、本発明で使用されるグラフト交叉剤(II)として
は、例えばp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ン、1−(m−ビニルフェニル)メチルジメチルイソプ
ロポキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチレン
メチルジメトキシシラン、3−(p−ビニルフェノキ
シ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(p−ビニ
ルベンゾイロキシ)プロピルメチルジエトキシシラン、
1−(o−ビニルフェニル)−1,1,2−トリメチル
−2,2−ジメトキシジシラン、1−(p−ビニルフェ
ニル)−1,1−ジフェニル−3−エチル−3,3−ジ
エトキシジシロキサン、m−ビニルフェニル−[3−
(トリエトキシシリル)プロピル]ジフェニルシラン、
[3−(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピ
ル]フェニルジプロポキシシランなどのほか、これらの
混合物を挙げることができる。グラフト交叉剤(II)
としては、好ましくはp−ビニルフェニルメチルジメト
キシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメチル
ジメトキシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)
プロピルメチルジメトキシシランであり、さらに好まし
くはp−ビニルフェニルメチルジメトキシシランであ
る。このグラフト交叉剤の使用割合は、(I)成分と
(II)成分の合計量中、0〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%である。グラフト交叉剤(II)の割
合が10重量%を超えると、グラフト率は増大するが、
グラフトされたビニルポリマーの重合がグラフト交叉剤
(II)の増加とともに低下し、このビニルポリマーが
低分子量となり、その結果、十分な衝撃強度が得られな
い。(変性)ポリオルガノシロキサン(III)は、前
記オルガノシロキサン(I)またはオルガノシロキサン
(I)とグラフト交叉剤(II)とを、例えばアルキル
ベンゼンスルホン酸などの乳化剤の存在下にホモミキサ
ーなどを用いて剪断混合し、縮合させることによって製
造することができる。この乳化剤は、オルガノシロキサ
ン(I)の乳化剤として作用するほか縮合開始剤とな
る。この乳化剤の使用量は、(I)成分および(II)
成分の合計量に対して、通常、0.1〜5重量%、好ま
しくは0.3〜3重量%程度である。なお、この際の水
の使用量は、(I)成分および(II)成分100重量
部に対して、通常、100〜500重量部、好ましくは
200〜400重量部である。また、縮合温度は、通
常、5〜100℃である。なお、(変性)ポリオルガノ
シロキサンの(III)の製造に際し、得られる樹脂の
耐衝撃性を改良するために、第3成分として架橋剤を添
加することもできる。この架橋剤としては、例えばメチ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシランなどの3官能性架橋剤、テト
ラエトキシシランなどの4官能性架橋剤を挙げることが
できる。この架橋剤の添加量は、オルガノシロキサン
(I)およびグラフト交叉剤(II)の合計量に対し
て、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下程
度である。なお、このようにして得られる(変性)ポリ
オルガノシロキサン(III)のポリスチレン換算重量
平均分子量は、通常、30,000〜1,000,00
0、好ましくは50,000〜300,000程度であ
る。
【0005】次に、このようにして得られる(変性)ポ
リオルガノシロキサン(III)に、ビニルモノマー
(IV)をグラフト重合することにより、発明のポリオ
ルガノシロキサン系熱可塑性樹脂が得られる。本発明に
使用されるビニルモノマー(IV)としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸、ナ
トリウムなどの芳香族アルケニル化合物;メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、アリルメタク
リレートなどのメタクリル酸エステル;メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメ
タクリレートなどのアクリル酸エステル;アクリロニト
リル、メタクリルニトリルなどのシアン化ビニル化合
物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン;ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジオレフィ
ン;および酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
トリアリルイソシアヌレート、アクリル酸、メタクリル
酸、N−フィニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、無水マレイ酸なとが挙げられ、これらは単独で
あるいは混合して使用される。これらの中では芳香族ア
ルケニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、シアン
化ビニル化合物、アクリル酸が好ましく、中でもスチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリ
ル酸エステルから選ばれたものが好ましく、これらの2
種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。これらのビ
ニルモノマー(IV)のうち、本発明のポリオルガノシ
ロキサン系熱可塑性樹脂の耐衝撃性をより向上させる目
的としては、65〜75重量%のスチレンおよび35〜
25重量%のアクリロニトリルを含むものが好ましい。
なお、(変性)ポリオルガノシロキサン(III)にビ
ニルモノマー(IV)をグラフト重合する際の仕込み組
成は、好ましくは(III)成分5〜80重量%、さら
に好ましくは10〜60重量%、好ましくは(IV)成
分95〜20重量%、さらに好ましくは90〜40重量
%[ただし、(III)+(IV)=100重量%であ
り、(III)成分が5重量%未満では十分な衝撃強度
が得られない傾向を示すので好ましくない。一方80重
量%を超えるとグラフト結合するビニルポリマーの割合
が減少し、その結果、(変性)ポリオルガノシロキサン
(III)とビニルポリマーとの間に十分な界面接着力
が得られず、得られる熱可塑性樹脂の外観不良や衝撃強
度の低下する傾向を示すので好ましくない。このように
して得られたポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
は、通常(変性)ポリオルガノシロキサン(III)
に、ビニルモノマーがグラフト共重合したグラフト共重
合体と、グラフト共重合しないで重合したビニルポリマ
ーから構成されている。グラフト共重合体のグラフト率
は、通常、好ましくは20重量%以上、さらに好ましく
は50〜200重量%、特に好ましくは80〜150重
量%である。このように、グラフト共重合体のグラフト
率が高いと、グラフト共重合体と直接グラフトしなかっ
たビニルポリマーとの間に(変性)ポリオルガノシロキ
サン(III)が均一に分散し、良好な外観と優れた衝
撃強度を有する熱可塑性樹脂が得られる。ポリオルガノ
シロキサン系熱可塑性樹脂中のグラフト共重合体の含有
量は、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10
重量%以上である。ポリオルガノシロキサン系熱可塑性
樹脂の製造方法を以下に示す。ここで、ラジカル重合開
始剤の種類によっては、前述のようにアルキルベンゼン
スルホン酸により酸性となっている(変性)ポリオルガ
ノシロキサン(III)のラテックスを、アルカリで中
和する必要がある。このアルカリとしては、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、トリエタノールアミン、トリエチルア
ミンなどが用いられる。
【0006】また、ラジカル重合開始剤としては、例え
ばクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパ
ーオキサイドなどの有機ハイドロパーオキサイド類から
なる酸化剤と、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレー
ト処方、含糖ピロリン酸鉄処方/スルホキシレート処方
の混合処方などの還元剤との組み合わせによるレドック
ス系の開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムな
どの過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
−2,2′−アゾビスイソブチレート、2−カルバモイ
ルアザイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有
機過酸化物などを挙げることができ、好ましくは前記レ
ドックス系の開始剤である。これらのラジカル重合開始
剤の使用量は、使用されるビニルモノマー(IV)10
0重量部に対し、通常0.05〜5重量部、好ましくは
0.1〜3重量部程度である。この際のラジカル重合法
としては、乳化重合あるいは溶液重合によって実施する
ことが好ましい。乳化重合に際しては、公知の乳化剤、
前記ラジカル開始剤、連鎖移動剤などが使用される。こ
こで、乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテ
ルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルカリエステ
ルスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ある
いはポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテルなどのノニオン系乳化
剤の1種または2種以上を挙げることができる。乳化剤
の使用量は、ビニルモノマー(IV)に対して、通常
0.5〜5重量%程度である。連鎖移動剤としては、t
−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−
テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン
などのメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレンなど
のハロゲン化合物が、ビニルモノマー(IV)に対し
て、通常0.02〜1重量%使用される。乳化重合に際
しては、ラジカル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤など
のほかに、必要に応じて各種電解質、pH調整剤などを
併用して、ビニルモノマー(IV)100重量部に対し
て、通常水を100〜500重量部と、前記ラジカル重
合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などを前記範囲内の量を
使用し、重合温度5〜100℃、好ましくは50〜90
℃、重合時間0.1〜10時間の条件で乳化重合され
る。なお、乳化重合の場合は、(変性)オルガノポリシ
ロキサン(III)を含有するラテックスに、ビニルモ
ノマー(IV)およびラジカル開始剤を加えることによ
って実施することもできる。一方、溶液重合の場合は、
(変性)ポリオルガノシロキサン(III)およびビニ
ルモノマー(IV)を、有機溶媒に溶解し、これにラジ
カル開始剤、必要に応じて連鎖移動剤、各種添加剤を加
えてラジカル重合させる。この溶液重合で使用される有
機溶媒としては、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキ
サン、クロロホルム、テトラヒドロフランなどが挙げら
れる。溶液重合に際しては、ラジカル重合開始剤、必要
に応じて連鎖移動剤などを併用して、ビニルモノマー
(IV)100重量部に対して、通常、有機溶媒を80
〜500重量部と、前記ラジカルと重合開始剤、連鎖移
動剤などを前記範囲内の量を使用し、重合温度5〜15
0℃、好ましくは50〜130℃、重合時間1〜10時
間の条件で溶液重合される。この溶液重合の場合は、乳
化重合の場合よりも不純物を著しく減少することができ
る。
【0007】本発明のポリオルガノシロキサン系熱可塑
性樹脂は、乳化重合により製造した場合、通常の塩凝固
法により凝固させ、得られた粉末を水洗したのち、乾燥
することによって精製される。また、溶液重合の場合、
水蒸気蒸留によって未反応の単量体と溶媒を留去したの
ち、得られる樹脂の塊を細かく砕いて乾燥することによ
って精製される。(B)成分の使用量は、(A)〜
(B)成分中に1〜30重量部、好ましくは2〜20重
量部、さらに好ましくは2〜10重量部であり、1重量
部未満では塗装−耐候後衝撃強度やメッキ密着強度に劣
り、一方、30重量部を超えると耐衝撃性が劣る。な
お、本発明の組成物には、各種の配合剤を添加すること
ができる。これらの配合剤としては、例えば2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチ
ルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、
2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4,4′−チオビス−(6−t−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、ラジウリルチオジプロピ
オネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイ
ト、ワックスなどの酸化防止剤;p−t−ブチルフェニ
ルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n
−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外
線吸収剤;パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化
油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、n
−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアル
コール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸
トリグリセリドなどの滑剤;ステアロアミドプロピルジ
メチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレート
などの帯電防止剤;顔料、着色剤などを挙げることがで
きる。その他充填剤、安定剤、難燃剤、可塑剤、他の合
成樹脂などを適宜添加することができる。本発明の組成
物は、前記(A)、(B)成分を通常の混合方法を用い
て混合することにより得られる。例えば、ミキサーで各
成分を混合したのち、押し出し機で150℃〜260℃
で溶融混練りして造粒する。さらに簡単には各成分を直
接、成形機内で溶融混練りして成形することができる。
本発明において二次加工性とは、成形品などのメッキ、
塗装、印刷、ラミネート、接着、溶着などであり、特に
成形品へのメッキ、塗装などが効果的にできる。本発明
の二次加工用熱可塑性樹脂組成物は、塗装される成形
品、メッキされる成形品、塗装とメッキの両方が行なわ
れる成形品などの成形材料として極めて優れた本発明の
目的とする性能を有する。
【0008】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中、部および%は特に断らない
限り重量基準である。また、物性の評価は以下のとおり
である。アイゾット衝撃強度 ASTM D256(1/4″、23℃、ノッチ付き)塗装−耐候後衝撃強度 試験片:厚さ1/8″、12.5mm×64mm、ノッ
チなし 使用塗料:レタンPG60(改)[関西ペイント(株)
製]膜厚25μm 塗面を照射側にし、サンシャインウェザオメーター(ブ
ラックパネル温度63℃、雨有り)にて100時間促進
耐候(光)後、−30℃にてアイゾット衝撃試験機にて
衝撃強度を測定した。メッキ密着強度 試験片:150×90×3mm メッキ被膜を一定の幅(10mm)に切削した後、試験
片から90°の角度で剥離する時の強度を測定した。な
お、下記の条件でメッキした。 (1)エッチング (硫酸(98%)/無水クロム酸=20vol%/リッ
トル/400g/リットル)の混合液を68℃とし、試
験片を10〜20分間浸した後、純水にて洗浄し次の工
程処理を行なった。 (2)酸処理 10%塩酸水溶液を23℃とし、1分間浸漬した後、純
水にて洗浄し次の工程処理を行なった。 (3)キャタリスト 塩化パラジウム、塩化第一スズおよび塩酸からなる水溶
液を20℃とし、2分間浸透漬した後、純水にて洗浄し
次の工程処理を行なった。 (4)アクセレーター 硫酸(10%)水溶液を40℃とし、3分間浸漬した
後、純水にて洗浄し次の工程処理を行なった。 (5)化学ニッケルメッキ 硫酸ニッケル、クエン酸ナトリウム、次亜燐酸ナトリウ
ム、塩化アンモニウムおよびアンモニア水からなる水溶
液を40℃とし、8分間浸漬した後、純水にて洗浄し次
の工程処理を行なった。 (6)電気銅メッキ 硫酸銅、硫酸および光沢剤からなる水溶液を20℃と
し、電流密度4A/dm2 にて60分間浸漬した後、純
水にて洗浄し、80℃にて2時間乾燥した後、十分冷却
した。メッキ被膜の厚みは約40μmであった。
【0009】実施例1、2、比較例1〜4(A)成分の調製 (A)成分として下記のものを用いた。 ゴム変性スチレン系樹脂(a−1);還流冷却器、温度
計および撹拌器を備えた反応器に、ポリブタジエンゴム
ラテックスを固形分換算で40部、イオン交換水65
部、ロジン酸セッケン0.35部、スチレン15部およ
びアクリロニトリル5部を加え、次にピロリン酸ナトリ
ウム0.2部、硫酸第1鉄7水和物0.01部およびブ
ドウ糖0.4部をイオン交換水20部に溶解した溶液に
加えた。次いで、キュメンハイドロパーオキサイド0.
07部を加えて重合を開始し、1時間重合させたのち、
イオン交換水45部、ロジン酸セッケン0.7部、スチ
レン30部、アクリロニトリル10部およびキュメンハ
イドロパーオキサイド0.01部を2時間かけて連続的
に添加し、さらに1時間かけて重合させて反応を完結さ
せた。得られた共重合体ラテックスに硫酸を加え凝固
し、残存有機酸および/または金属塩の含有量が0.5
%以下になるまで水洗、乾燥して、ゴム変性スチレン系
樹脂(a−1)を得た。 スチレン系樹脂(a−2);還流冷却器、温度計および
撹拌器を備えた反応器に、イオン交換水250部、ロジ
ン酸カリウム3.0部、スチレン70部、アクリロニト
リル30部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を
加え、次にエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05
部、硫酸第1鉄7水和物0.002部およびナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部をイオン交
換水8部に溶解した溶液に加えた。次いで、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を加え重
合を開始し、約1時間重合させて反応を完結させた。得
られた共重合体ラテックスに硫酸を加え凝固し、残存有
機酸および/または金属塩の含有量が0.5%以下にな
るまで水洗し、乾燥してスチレン系樹脂(a−2)を得
た。(B)成分の調整 (B)成分として下記のものを用いた。 ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂(b−1);p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5部およ
びオクタメチルシクロテトラシロキサン98.5部を混
合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を溶
解した蒸溜水300部中に入れ、ホモミキサーにより3
分間撹拌して乳化分散させた。この混合液を、コンデン
サー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブルフ
ラスコに移し、撹拌混合しながら90℃で6時間加熱
し、5℃で24時間冷却することによって縮合を完結さ
せた。得られた(変性)ポリオルガノシロキサン(II
I)中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの縮合率
は92.8%であった。このポリオルガノシロキサンラ
テックスを炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和した。
このポリオルガノシロキサンラテックスを固形分換算で
35部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部および蒸溜水140部を混合し、滴下ビン、コンデ
ンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、さらに全スチレン量の34%に相当す
るスチレン15.81部、全アクリロニトリル量の34
%に相当するアクリロニトリル6.29部、ピロリン酸
ソーダ0.2部、ブドウ糖0.25部、硫酸第一鉄0.
004部およびクメンハイドロパーオキサイド0.07
4部を加え、チッ素を流しながら70℃まで昇温した。
1時間重合後、残りのスチレン30.69部、残りのア
クリロニトリル12.21部、ドデシルベンゼンスルホ
ンナトリウム1.084部、蒸溜水42部、クメンハイ
ドロパーオキサイド0.12部およびt−ドデシルメル
カプタン0.06部の混合液を滴下ビンを使用して3時
間にわたって添加した。滴下終了後、1時間共重合反応
させ、重合が終了したのち冷却した。このようにグラフ
ト共重合して得られたラテックスを、2部の塩化カルシ
ウム二水和物を溶解した温水中に投入し、塩析凝固を行
なってグラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂を分離し
た。この熱可塑性樹脂をよく水洗したのち、80℃で1
6時間乾燥してポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
(b−1)を得た。グラフト率は101%であった。 ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂(b−2);オ
クタメチルシクロテトラシロキサン100部をドデシル
ベンゼンスルホン酸2.0部を溶解した蒸溜水300部
中に入れ、ホモミキサーにより3分間撹拌して乳化分散
させた。この混合液を、コンデンサー、チッ素導入口お
よび撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混
合しながら90℃で6時間加熱し、5℃で24時間冷却
することによって縮合を完結させた。得られた(変性)
ポリオルガノシロキサン(III)中のオクタメチルシ
クロテトラシロキサンの縮合率は88.4%であった。
このポリオルガノシロキサンラテックスを炭酸ナトリウ
ム水溶液でpH7に中和した。このポリオルガノシロキ
サンラテックスを固形分換算で35部と、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部および蒸滞水140
部を混合し、滴下ビン、コンデンサー、チッ素導入口お
よび撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、さらに
全スチレン量の34%に相当するスチレン15.81
部、全アクリロニトリル量の34%に相当するアクリロ
ニトリル6.29部、ピロリン酸ソーダ0.2部、ブド
ウ糖0.25部、硫酸第一鉄0.004部およびクメン
ハイドロパーオキサイド0.074部を加え、チッ素を
流しながら70℃まで昇温した。1時間重合後、残りの
スチレン30.69部、残りのアクリロニトリル12.
21部、ドデシルベンゼンスルホンナトリウム1.08
4部、蒸溜水42部、クメンハイドロパーオキサイド
0.12部およびt−ドデシルメルカプタン0.06部
の混合液を滴下ビンを使用して3時間にわたって添加し
た。滴下終了後、1時間共重合反応させ、重合が終了し
たのち冷却した。このようにグラフト共重合して得られ
たラテックスを、2部の塩化カルシウム二水和物を溶解
した温水中に投入し、塩析凝固を行なってグラフト共重
合体を含む熱可塑性樹脂を分離した。この熱可塑性樹脂
をよく水洗したのち、80℃で16時間乾燥してポリオ
ルガノシロキサン系熱可塑性樹脂(b−2)を得た。 ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂(b−3);p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン10.5部お
よびオクタメチルシクロテトラシロキサン89.5部を
混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を
溶解した蒸溜水300部中に入れ、ホモミキサーにより
3分間撹拌して乳化分散させた。この混合液を、コンデ
ンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら90℃で6時間加熱
し、5℃で24時間冷却することによって縮合を完結さ
せた。得られた(変性)ポリオルガノシロキサン(II
I)中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの縮合率
は97.3%であった。このポリオルガノシロキサンラ
テックスを炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和した。
このポリオルガノシロキサンラテックスを固形分換算で
35部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部および蒸滞水140部を混合し、滴下ビン、コンデ
ンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、さらに全スチレン量の34%に相当す
るスチレン15.81部、全アクリルニトリル量の34
%に相当するアクリロニトリル6.29部、ピロリン酸
ソーダ0.2部、ブドウ糖0.25部、硫酸第一鉄0.
004部およびクメンハイドロパーオキサイド0.07
4部を加え、チッ素を流しながら70℃まで昇温した。
1時間重合後、残りのスチレン30.69部、残りのア
クリロニトリル12.21部、ドデシルベンゼンスルホ
ンナトリウム1.084部、蒸溜水42部、クメンハイ
ドロパーオキサイド0.12部およびt−ドデシルメル
カプタン0.06部の混合液を滴下ビンを使用して3時
間にわたって添加した。滴下終了後、1時間共重合反応
させ、重合が終了したのち冷却した。このようにグラフ
ト共重合して得られたラテックスを、2部の塩化カルシ
ウム二水和物を溶解した温水中に投入し、塩析凝固を行
なってグラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂を分離し
た。この熱可塑性樹脂をよく水洗したのち、80℃で1
6時間乾燥してポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
(b−3)を得た。
【0010】実施例1〜2、比較例1〜4二次加工用熱可塑性樹脂組成物の製造 表1に示す成分を内径50mmの押し出し機を用い、温
度190〜240℃の範囲で溶融混練りしペレットを作
製した。得られたペレットを50OZの射出成形機を用
いて成形温度200〜240℃の範囲で成形し試験片を
作製し、その物性を評価した。結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1から明らかなように、実施例1、2の
本発明の組成物は、本発明の目的とするものが得られて
いる。これに対し、比較例1の組成物は、本発明の必須
成分を欠いた組成であり、塗装耐候後衝撃強度、メッキ
性が劣る。また、比較例2〜3の組成物は、本発明の必
須成分である(A)、(B)成分のいずれかの使用量が
本発明の範囲を超えた例であり、耐衝撃性あるいは塗装
耐候後衝撃強度、メッキ性が劣る。また、比較例4の組
成物は、本発明の必須成分である(B)成分を製造する
際、グラフト交叉剤の使用量が本発明の範囲を超えた例
であり、耐衝撃性が劣る。
【0013】
【発明の効果】本発明の二次加工用熱可塑性樹脂組成物
は、優れた二次加工性を有し、しかも実用レベルの高度
な耐衝撃性、耐熱性を有している。従って、本発明の二
次加工用熱可塑性樹脂組成物は、自動車内外装品、家庭
用電化製品のハウジング材、構造材などに利用すること
が可能で、実用上、優れた材料であり、工業的意義は極
めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 勝郎 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂70〜9
    9重量部に、(B)一般式R1 n SiO(4-n)/2 (式
    中、R1 は置換または非置換の1価の炭化水素基であ
    り、nは0〜3の整数を示す)で表される構造単位を有
    するオルガノシロキサン(I)90〜100重量%と、
    グラフト交叉剤(II)0〜10重量%とを縮合させて
    得られる(変性)ポリオルガノシロキサン(III)の
    存在下で、少なくとも1種のビニルモノマー(IV)を
    グラフト重合させて得られるポリオルガノシロキサン系
    熱可塑性樹脂1〜30重量部を配合してなる二次加工用
    熱可塑性樹脂組成物。
JP14717394A 1994-06-06 1994-06-06 二次加工用熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH07331025A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10310676A (ja) * 1997-05-12 1998-11-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた自動車用ランプ
WO2006004058A1 (ja) * 2004-07-07 2006-01-12 Techno Polymer Co., Ltd. ゴム強化樹脂及びその製造方法並びにゴム強化樹脂組成物
WO2006040929A1 (ja) * 2004-10-13 2006-04-20 Kaneka Corporation スチレン系樹脂の改質剤、スチレン系樹脂組成物および改質剤の製造方法
JP2007204763A (ja) * 2007-04-27 2007-08-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd 自動車用ランプ
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