JP2639707B2 - ポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂

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JP2639707B2 JP27472788A JP27472788A JP2639707B2 JP 2639707 B2 JP2639707 B2 JP 2639707B2 JP 27472788 A JP27472788 A JP 27472788A JP 27472788 A JP27472788 A JP 27472788A JP 2639707 B2 JP2639707 B2 JP 2639707B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、シロキサン側鎖に反応性不飽和基とUV吸収
性基の双方を合わせもつ新規なポリオルガノシロキサン
に、ビニルポリマーをグラフト重合させたシリコーン変
性ビニルポリマーを含有する、ポリオルガノシロキサン
変性熱可塑性樹脂に関する。
[発明の技術的背景とその課題] 熱可塑性樹脂は、熱塑性を有するもので、押出成形や
射出成形などによって能率的に加工することができ、成
形不良品やスクラップは再製利用が可能である。
さらに、透明または美麗な着色ができることなどか
ら、工業的に広く利用されている。
しかしながら、上述したような特性を有する反面、熱
可塑性樹脂は、耐熱性が充分でないものが多く、有機ポ
リマーをシリコーンで変性し、シリコーンのもつ耐熱
性、耐寒性、耐候性、難燃性などの優れた特性を付与し
ようという試みがなされている。
ところで、シリコーンはシロキサン骨格から成る特異
的なポリマーであり、他の一般的なポリマーであるカー
ボン骨格から成るポリマーとは相溶性が悪い。そのた
め、単純なブレンドでは得られたブレンド物にシリコー
ンの特性付与の効果があまり出現しない。そこで、グラ
フト化などにより、シロキサン骨格とカーボン骨格とを
化学的に結合させることが必要になる。
このような手法として、たとえば、特開昭50−109282
号公報には、ビニル基またはアリル基含有ポリオルガノ
シロキサンの存在下にビニルモノマーを重合させること
により、グラフト共重合体を形成させ、得られる樹脂の
衝撃強度を改善することが記載されている。
さらに、特開昭60−252613号公報、特開昭61−106614
号公報および特開昭61−136510号公報には、アクリル基
またはメタクリル基を含有するポリオルガノシロキサン
のエマルジョン中で、ビニルモノマーを重合させること
により、高いグラフト効率を有し、衝撃強度に優れたグ
ラフト共重合体を得ることが記載されている。
しかし、こうして得られたグラフト共重合体は、シリ
コーンの持つ高い光透過性および気体(酸素)透過性の
ため、グラフトしたビニルポリマーが深部まで光酸化劣
化を受けやすく、耐候性に劣るという問題があった。
このような問題を改善するためには、紫外線(UV)吸
収剤を添加して、シリコーンにUV吸収層としての役割を
持たせれば良い。
しかし、単にUV吸収剤を添加しただけでは、シロキサ
ンとビニルポリマーに対するUV吸収剤の相溶性に差があ
るため、相溶性が高いビニルポリマー側にかたよってし
まい、シリコーンのUV吸収層としての充分な効果が現れ
ない。
そこで、UV吸収剤をシロキサンに化学的に結合させる
ことが必要になる。
この手法として、たとえば、特開昭61−111360号公報
には、水性媒体中で乳化剤とUV吸収剤の存在下に低分子
量ポリジオルガノシロキサンを乳化重合することで、ポ
リシロキサンにUV吸収性基が直接結合したシリコーンエ
マルジョンを得ることが記載されている。しかし、この
シリコーンエマルジョン中のポリシロキサンは反応性基
を有していないため、他の有機ポリマーとのブレンド時
における相溶性は改善されておらず、良好な熱可塑性樹
脂が得られないという欠点を有していた。
[発明の目的] 本発明は、このような従来の事情に対処してなされた
もので、他の有機ポリマーとのブレンドが容易で、光酸
化劣化による黄変を生じない新規なポリオルガノシロキ
サンに、ビニルポリマーをグラフト重合させたグラフト
共重合体(シリコーン変性ポリマー)を含有するポリオ
ルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂を提供することを目
的とする。
[発明の構成] 本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂
は、 (A)平均組成式 R1 aSiO4−a/2 ……(I) (式中、R1は置換または非置換の1価の有機基を、aは
1.80〜2.02の数を示す。)で表されるとともに、前記
(I)式中のR1のうち0.02%〜10%が反応性不飽和基を
含む基および0.02%〜10%がUV吸収性基を含む基であ
り、かつ、ケイ素原子数が100〜10,000であるポリオル
ガノシロキサンに、 (B)ビニルモノマーを、 グラフト重合させて得られることを特徴としている。
また、本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑性
樹脂の製造方法は、 (A)平均組成式 R1 aSiO4−a/2 ……(I) (式中、R1は置換または非置換の1価の有機基を、aは
1.80〜2.02の数を示す。)で表されるとともに、前記
(I)式中のR1のうち0.02%〜10%が反応性不飽和基を
含む基および0.02%〜10%がUV吸収性基を含む基であ
り、かつ、ケイ素原子数が100〜10,000であるポリオル
ガノシロキサンに、 (B)ビニルモノマーを、 グラフト重合させることを特徴としている。
本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂の
一方の出発原料となる(A)成分のポリオルガノシロキ
サンは、反応性不飽和基を含む基とUV吸収性基を含む基
とを、ケイ素原子に結合した有機基の総量に対して、そ
れぞれ0.02%〜10%の範囲で合わせ持つものである。
この反応性不飽和基を含む基は、ビニル基、アリル
基、ホモアリル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−
メタクリロキシプロピル基、N−メチル−N−メタクリ
ロイル−γ−アミノプロピル基、N,N−ビス(メタクリ
ロイル)−γ−アミノプロピル基、ビニルフェニル基、
1−メチル−1−(ビニルフェニル)メチル基、ビニル
フェニルエチル基、ビニルフェニルメチル基から選ばれ
る少くとも1種の基であり、好ましくは、γ−アクリロ
キシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、ビニ
ルフェニル基、ビニルフェニルエチル基、ビニルフェニ
ルメチル基であり、さらに好ましくは、γ−メタクリロ
キシプロピル基およびビニルフェニル基である。
反応性不飽和基を含む基の含有量が、ケイ素原子に結
合した有機基の総量に対して0.02%未満では、他材料と
のグラフト重合において高いグラフト率が得られず、一
方、10%を超えると、他の有機ポリマーとブレンドして
複合材料として用いた場合に耐熱性が低下する。
また、上記UV吸収性基を含む基は、 一般式: (式中、XはC=Oまたは YはHまたはOHを、ZはH、OHまたはOR2を、nは1〜
5の整数を示し、上記R2は炭素数1〜18個のアルキル基
である。ただし上記YがHのときは少なくとも1個のZ
がOHである。)で表される基であり、さらに具体的に
は、 で表わされる基が好ましい。
このようなUV吸収性基を含む基の含有量が、ケイ素原
子に結合した有機基の総量に対して0.02%未満では、耐
紫外線性における効果が充分でない。一方、10%を超え
ると、他の有機ポリマーとブレンドして複合材料として
用いた場合に耐熱性が低下する。
さらに、本発明のポリオルガノシロキサンは、ケイ素
原子数が100〜10,000の範囲である。
ケイ素原子数が100未満ではシリコーンの有する特性
の付与が不充分であり、10,000以上では合成が困難でか
つ他の有機ポリマーとのブレンド性に劣るため、好まし
くない。
本発明のポリオルガノシロキサン熱可塑性樹脂におけ
る(A)成分のポリオルガノシロキサンは、 (a)一般式:R3 nSiO4−n/2 ……(III) (式中、R3は置換または非置換の1価の炭化水素基を、
nは0〜3の整数を示す。)で表される構造単位を有す
るオルガノシロキサンと、(b)反応性不飽和基を含む
基およびアルコキシ基を合わせ持つ有機ケイ素化合物
と、(c)UV吸収性基を含む基およびアルコキシ基を合
わせ持つ有機ケイ素化合物とを、重合触媒の存在下に重
縮合させることによって得られる。
本発明に使用される(a)成分のオルガノシロキサン
は、上記(III)式で表される構造単位を有するもので
あり、この構造は直鎖状、分岐状または環状など特に限
定はないが、環状構造を有するポリジオルガノシロキサ
ンが好ましい。
(a)成分のオルガノシロキサンの有する置換または
非置換の1価の炭化水素基としては、たとえばメチル
基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、お
よびそれらをハロゲン原子またはシアノ基で置換した置
換炭化水素基などを挙げることができる。
このような(a)成分のオルガノシロキサンとして
は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメ
チルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合
物が例示されるが、このほか直鎖状あるいは分岐状のオ
ルガノシロキサンを用いてもよい。
なお、(a)成分のオルガノシロキサンは、あらかじ
め重縮合された、たとえばポリスチレン換算の重量平均
分子量が500〜10,000程度のポリオルガノシロキサンで
あってもよい。
また、このような場合、ポリオルガノシロキサンの分
子鎖末端は、たとえば水酸基、アルコキシ基、トリメチ
ルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニル
ビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基などで封鎖
されているものでもよい。
上記した(b)成分の有機ケイ素化合物は、上述した
ような反応性不飽和基を含む基を有する化合物である。
このような反応性不飽和基を有する有機ケイ素化合物
としては、たとえば、ビニルエチルジエトキシシラン、
アリルエチルジイソプロポキシシラン、3−ブテニルフ
ェニルジメトキシシラン、γ−アクキロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−メチル−N−メタクリロイ
ル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N
−ビス(メタクリロイル)−γ−アミノプロピロメチル
ジイソプロポキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジ
メトキシシラン、1−メチル−1−(O−ビニルフェニ
ル)メチルエチルジメトキシシラン、2−(p−ビニル
フェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(p−
ビニルフェニル)メチルメチルジメトキシシラン、m−
ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(m−ビ
ニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−
(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、1−(m−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキ
シシランなどが例示され、これらを単独で用いるか、あ
るいは2種以上の混合物として用いることも可能であ
る。
なお、(b)成分の有機ケイ素化合物として好ましい
のは、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−
(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、1−(p−ビニルフェニル)メチルメチルジメトキ
シシラン、m−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキ
シシラン、1−(p−ビニルフェニル)エチルメチルジ
メトキシシラン、1−(m−ビニルフェニル)エチルメ
チルジメトキシシランであり、さらに好ましいのは、γ
−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランおよ
びp−ビニルフェニルメチルジメトキシシランである。
また、(c)成分の有機ケイ素化合物は、上記(II)
式で表されるUV吸収性基を含む基を有しているものであ
る。
このようなUV吸収性基を含む有機ケイ素化合物として
は、たとえば、 などが挙げられ、(c)成分の有機ケイ素化合物として
好ましいものは、 である。
そして、上述したような(b)成分の有機ケイ素化合
物および(c)成分の有機ケイ素化合物は、(a)成
分、(b)成分および(c)成分を重縮合させて得られ
る(A)成分のポリオルガノシロキサンのケイ素原子に
結合した有機基の総量に対して、反応性不飽和基を含む
基とUV吸収性基を含む基の含有量が、それぞれ0.02%〜
10%となるように配合される。
この配合は、たとえば、(a)成分のオルガノシロキ
サンを80〜99.6重量%、(b)成分の有機ケイ素化合物
を10〜0.2重量%、好ましくは7〜0.5重量%、さらに好
ましくは5〜1重量%、そして(c)成分の有機ケイ素
化合物を10〜0.2重量%、好ましくは7〜0.5重量%、さ
らに好ましくは5〜1重量%[ただし、(a)+(b)
+(c)=100重量%とする。]のような比率で行われ
る。
上述した(A)成分のポリオルガノシロキサンは、
(a)成分のオルガノシロキサンと、(b)成分の有機
ケイ素化合物および(c)成分の有機ケイ素化合物と
を、たとえば有機スルホン酸などの乳化剤の存在下にホ
モジナイザーなどを用いてせん断混合し、重縮合させる
ことによって製造することができる。この乳化剤として
は、脂肪族置換基が炭素原子6〜18の長さの炭素連鎖を
有する脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフ
タレンスルホン酸、脂肪族スルホン酸、シリルアルキル
スルホン酸、脂肪族置換ジフェニルエーテルスルホン酸
などが挙げられ、なかでも脂肪族置換ベンゼンスルホン
酸がより好ましい。
この乳化剤の使用量は、(a)成分、(b)成分およ
び(c)成分の合計量100重量部に対して、通常、0.1〜
5重量部、好ましくは0.3〜3重量部程度である。また
必要に応じて、ノニオン性またはアニオン性の乳化剤を
併用してもよい。
なお、この際の水の使用量は、(a)成分、(b)成
分および(c)成分の合計量100重量部に対して、通
常、100〜500重量部、好ましくは200〜400重量部であ
る。
また、重縮合温度は、通常、5℃〜100℃である。
なお、(A)成分のポリオルガノシロキサンを製造す
るに際し、得られるポリマー強度を向上させるために、
第4成分として架橋剤を添加することもできる。この架
橋剤としては、たとえばメチルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン
などの3官能性架橋剤、テトラエトキシシラン、1.3−
または1.4−ビス[2−(ジメトキシメチルシリル)エ
チル]ベンゼン、1.3−または1.4−ビス[1−(ジメト
キシメチルシリル)エチル]ベンゼン、1−[1−(ジ
メトキシメチルシリル)エチル]−3−[2−(ジメト
キシメチルシリル)エチル]ベンゼン、1−[1−(ジ
メトキシメチルシリル)エチル]−4−[2−(ジメト
キシメチルシリル)エチル]ベンゼンなどの4官能性架
橋剤を挙げることができる。この架橋剤の添加量は、
(a)成分のオルガノシロキサン、(b)成分の有機ケ
イ素化合物および(c)成分の有機ケイ素化合物の合計
量に対して、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%
以下程度である。
こうして得られるポリオルガノシロキサンのエマルジ
ョンは、乳化剤として用いた有機スルホン酸により酸性
となっているため、用途に応じてアルカリで中和する必
要がある。
このアルカリとしてはたとえば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどが用いら
れる。
このようにして得られる(A)成分のポリオルガノシ
ロキサンは、反応性不飽和基を含む基とUV吸収性基を含
む基とを重量比が1/99〜99/1の範囲で有しており、ポリ
スチレン換算重量平均分子量は、通常1万〜100万、好
ましくは5万〜30万である。すなわち、けい素原子数と
して、100〜10,000を含んでいる。
次に、このようにして製造された(A)成分のポリオ
ルガノシロキサンと、(B)成分のビニルモノマーをグ
ラフト重合させることによって、シリコーンの特性が付
与されたグラフト共重合体を含有する本発明のポリオル
ガノシロキサン変性熱可塑性樹脂が得られる。
また、他の有機ポリマーとのポリマーブレンド物とし
て使用する場合、ブレンドを行うに際して、ブレンドし
ようとする有機ポリマーと相溶系であるモノマーを、本
発明の変性ポリオルガノシロキサンにグラフト共重合さ
せることによって、各有機ポリマーとの相溶性を高める
ことができる。
本発明に使用される(B)成分のビニルモノマーとし
ては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、スチレ
ンスルホン酸ナトリウムなどの芳香族アルケニル化合
物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのメ
タクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステ
ル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフ
ィン;ブタジェン、イソプレン、クロロプレンなどの共
役ジオレフィン;および酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、トリアリルイソシアヌレート、アクリル
酸、メタクリル酸、N−フェニルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド、無水マレイン酸などが例示さ
れ、これらを単独で用いるか、あるいは2種以上の混合
系として用いることも可能である。
これらのビニルモノマーを用いて形成したグラフト共
重合体の、耐衝撃性を向上させようとするならば、65〜
75重量%のスチレンおよび35〜25重量%のアクリロニト
リルを含むものを使用することが好ましい。
なお、(A)成分のポリオルガノシロキサンと(B)
成分のビニルモノマーの使用割合は、(A)成分5〜80
重量%に対して(B)成分95〜20重量%であり、好まし
くは(A)成分10〜60重量%に対し(B)成分90〜40重
量%である。
(A)成分のポリオルガノシロキサンが5重量%未満
では充分な衝撃強度が得られず、一方80重量%を超える
とグラフトするビニルポリマーの割合が減少するため、
ポリオルガノシロキサンとビニルポリマーとの界面接着
力が充分でなく、得られたポリオルガノシロキサン変性
熱可塑性樹脂の外観不良や衝撃強度の低下が生じる。
また、得られるグラフト共重合体のグラフト率は、通
常20重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ま
しくは100重量%以上である。このように、グラフト共
重合体のグラフト率が高いと、(A)成分のポリオルガ
ノシロキサンとグラフトしなかった(B)成分のビニル
モノマーによって形成されるビニルポリマーとの間の界
面接着力が増大し、そのため、このビニルポリマー中に
(A)成分のポリオルガノシロキサンが均一に分散し、
良好な外観と優れた衝撃強度を有するシリコーンの特徴
を兼ね備えた熱可塑性樹脂を得ることができる。
さらに、このようにして得られた本発明のポリオルガ
ノシロキサン変性熱可塑性樹脂は、(A)成分のポリオ
ルガノシロキサンと(B)成分のビニルモノマーとのグ
ラフト共重合体のほかに、グラフトされていない(B)
成分のビニルモノマーによって形成されるビニルポリマ
ーを含有するが、通常、グラフト共重合体を5重量%以
上含有することが好ましく、さらに好ましくは10重量%
以上である。
本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂を
製造するに際しては、(A)成分のポリオルガノシロキ
サンに(B)成分のビニルモノマーを、通常のラジカル
重合によってグラフト重合することによって、グラフト
共重合体を含有する混合物として得られる。
また、ラジカル重合開始剤としては、たとえばクメン
ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイ
ドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサ
イドなどの有機ハイドロパーオキサイド類からなる酸化
剤と、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方、
含糖ピロリン酸鉄処方/スルホキシレート処方の混合処
方などの還元剤との組み合せによるレドックス系の開始
剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸
塩;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2′−
アゾビスイソブチレート、2−カルバモイルアザイソブ
チロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物な
どを挙げることができ、好ましいものはレドックス系の
開始剤である。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、使用される
ビニルモノマー100重量部に対して、通常0.5〜5重量部
程度である。なお、この際のラジカル重合は、乳化重合
あるいは溶液重合によって実施することが好ましい。
乳化重合に際しては、公知の乳化剤、上述したような
ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤などが使用される。
ここで、乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルカリエ
ステルスルホンナトリウムなどのアニオン系乳化剤ある
いはポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテルなどのノニオン系乳化
剤が例示され、単独で用いるか、あるいは2種以上を用
いてもよい。
乳化剤の使用量は、ビニルモノマーに対して、通常0.
5〜5重量%である。
連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、オ
クチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、
n−ヘキシルメルカブタンなどのメルカプタン類;四塩
化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化合物が、ビニル
モノマーに対して、0.02〜11重量%使用される。
このほか、必要に応じて各種電解質、pH調整剤などを
併用してもよい。
重合反応は、ビニルモノマー100重量部に対して、通
常、水を100〜500重量部加え、重合温度5℃〜100℃、
好ましくは50℃〜90℃、重合時間0.1〜10時間の条件で
行われる。
なお、乳化重合の場合は、(a)成分のオルガノシロ
キサンと(b)成分の有機ケイ素化合物と(c)成分の
有機ケイ素化合物との重縮合によって得られる(A)成
分のポリオルガノシロキサンを含有するラテックスに、
(B)成分のビニルモノマーおよびラジカル開始剤を加
えることによって実施することもできる。
一方、溶液重合の場合は、(A)成分のポリオルガノ
シロキサンおよび(B)成分のビニルモノマーを有機溶
媒に溶解し、これにラジカル重合開始剤、必要に応じて
連鎖移動剤、各種添加剤を加えてラジカル重合させる。
この溶液重合で使用される有機溶媒としては、トルエ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、テ
トラヒドロフランなどが挙げられる。
有機溶媒の量はビニルモノマー100重量部に対して80
〜500重量部使用し、重合温度5℃〜150℃、好ましくは
50℃〜130℃、重合時間1〜10時間の条件で溶液重合さ
れる。
この溶液重合の方法によれば、乳化重合の場合よりも
不純物を著しく減少させることができる。
こうして合成したグラフト共重合体の精製は、乳化重
合法により合成した場合、塩凝固法により凝固させ、得
られた粉末を水洗したのち、乾燥することなどによって
行い、溶液重合法によって合成した場合は、水蒸気蒸溜
によって未反応のモノマーと有機溶媒を留去したのち、
得られたポリマーの塊を細かく砕いて乾燥することなど
により行う。
以上述べたような方法で得られた本発明のポリオルガ
ノシロキサン変性熱可塑性樹脂は、押し出し機、ロー
ル、ブラベンダー、プラストミルなどの混練機で要求さ
れる性能に応じて、他の既知の重合体を、通常、99重量
%以下、好ましくは90重量%以下程度適宜ブレンドし
て、熱可塑性樹脂組成物として使用することもできる。
このような重合体としては、たとえばポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、天然ゴムなど
のジエン系ゴム;アクリルゴム、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、塩
素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン
系ゴム;スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合
体などの芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合
体;該ブロック共重合体の水素化物;ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、ゴム強化ポリスチレン(HIPS)、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、
アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン樹脂
(AES樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチ
レン樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン
−メタクリル酸メチル−スチレン樹脂、アクリロニトリ
ル−n−ブチルアクリレート−スチレン樹脂(AAS樹
脂)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチルテレフタレート、ポリア
セタール、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリスルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、PPS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、PPO樹脂、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ゴム変性PPI樹脂、スチレン−
マレイイミド系共重合体、ゴム変性スチレン−マレイミ
ド系共重合体、ポリアミド系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマーなどが例示される。
ペレット化されたポリオルガノシロキサン変性熱可塑
性樹脂および熱可塑性樹脂組成物は、圧縮成形、射出成
形などの通常の手段により、加工成形される。
[発明の効果] 本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂
は、他の有機ポリマーとのブレンドに際して化学的な結
合点となる反応性不飽和基と、光酸化劣化による黄変を
防ぐためのUV吸収性基が、シロキサン側鎖に直接結合し
た変性ポリオルガノシロキサンにビニルモノマーをグラ
フト重合させたものである。したがって、従来のような
シリコーンの光および気体の透過性による得られたポリ
マーの黄変を防ぐことができ、耐候性が著しく優れた熱
可塑性樹脂を得ることができる。
さらに、本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑
性樹脂は摺動特性、耐磨耗性、耐寒性などポリオルガノ
シロキサンの有する優れた特性を反影しており、屋外使
用部品や摺動部品、または寒冷地用部品などの新しい利
用分野への適用が可能であり、その工業的意義は極めて
大きいものである。
[実施例] 以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明す
る。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り
重量部および重量%を表すものとする。
また、グラフト率およびグラフト効率は、以下の方法
で求めた。
グラフト重合生成物の一定重量(x)をアセトン中に
投入し、振とう機で2時間振とうして遊離の共重合体を
溶解させ、遠心分離機を用いて回転数23,000rpmで30分
間遠心分離し不溶分を得る。次に、真空乾燥機を用いて
120℃で1時間乾燥し、不溶分重量(y)を得、次式に
よりグラフト率、グラフト効率を算出した。
実施例1 p−ビニルフェニルジメトキシシラン1.5部およびオ
クタメチルシクロテトラシロキサン98.5部を混合し、こ
れをドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を溶解した蒸留
水300部中に入れ、ホモミキサーを用いて5分間撹拌し
て粗乳化したのち、50%4−(3−トリエトキシシリル
プロポキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンメタノー
ル溶液3.0部を加え、さらに5分間撹拌した。次いで加
圧ホモジナイザーを用いて乳化分散させた。
この混合液をコンデンサー、窒素導入口および撹拌機
を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合しながら
85℃で5時間加熱し室温で12時間放置することによって
重縮合を完結させた。
そして10%炭酸ナトリウム水溶液でPH7に中和した。
得られた変性ポリオルガノシロキサン中のオクタメチル
シクロテトラシロキサンの縮合率は92.3%であり、平均
重合度は、ケイ素原子数で5200、ポリマーの有機基中の
P−ビニルフェニル基の割合は0.27%、またUV吸収基の
割合は0.13%であった。
この変性ポリオルガノシロキサンラテックスを固形分
換算で35部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.5部および蒸留水140部を混合し、滴下ロート、コンデ
ンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、さらに全スチレン量の34%に相当する
スチレン15.81部、全アクリロニトリル量の34%に相当
するアクリロニトリル6.29部、ピロリン酸ソーダ0.2
部、ブドウ糖0.25部、硫酸第一鉄0.004部およびクメン
ハイドロパーオキサイド0.074部を加えチッ素を流しな
がら70℃まで昇温した。1時間重合後、残りのスチレン
30.69部、残りのアクリロニトリルを12.21部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム1.084部蒸溜水42部、ク
メンハイドロパーオキサイド0.12部およびt−ドデシル
メルカプタン0.06部の混合液を滴下ロートを使用して3
時間にわたって添加した。滴下終了後、1時間重合反応
させ、重合が終了したのち冷却した。得られたグラフト
共重合体ラテックスを2部の塩化カルシウム二水和物を
溶解した温水中に投入し、塩析凝固を行って、グラフト
共重合体を含むポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹
脂を分離した。この熱可塑性樹脂をよく水洗いしたの
ち、80℃で16時間乾燥して精製を完了した。
次に、上述した方法によって得られたポリオルガノシ
ロキサン変性熱可塑性樹脂を用いて、他の有機ポリマー
とのブレンドを行い、熱可塑性樹脂組成物を調製した。
これは、得られたポリオルガノシロキサン変性熱可塑
性樹脂の粉末57%と、スチレンおよびアクリロニトリル
のモノマー仕込み重量比が75対25で乳化重合して得られ
た共重合体(AS樹脂)43%とを混合することにより行っ
た。上述した各成分の組合せを、第1表にまとめた。
そして、この熱可塑性樹脂組成物を、二軸押し出し機
を使用して、シリンダー温度230℃で押し出し加工して
ペレットを得た。
その後、得られた熱可塑性樹脂組成物における耐衝撃
性、摺動特性、耐候性および光沢度について測定を行っ
た。
これらの測定方法について、以下に説明する。
アイゾット衝撃強さは、ASTM−D256の試験法に従い、
1/4″ノッチ付きで、23℃および−30℃の条件で試験を
行った。
光沢度は、ASTM−D523の試験法に従い、45度の条件で
試験を行った。
摩擦摩耗試験は、鈴木式摺動試験機を使用し、相手材
としては同材またはスチール(S45C)を用いた。試験片
は外径25.6mm、内径20.0mmの中空円筒状のものを用い、
相手材も同様の形状のものを用いた。
動摩擦係数の測定条件は、室温23℃、湿度50%の雰囲
気中で、荷重5kg、走行速度3.75cm/秒で測定した。
動摩擦係数は次式によって算出する。
(式中、μは動摩擦係数、Fはロードセルに与える力、
Pは荷重、Rはロードセルまでのアーム長、r1は内径、
r2は外径を表す。) 比摩耗量の測定条件は、室温23℃、湿度50%の雰囲気
中で、対同材の場合は荷重5kg、走行速度3.75cm/秒、1
2,600回転(走行距離0.24km)で測定し、対スチール(S
45C)の場合は荷重10kg、走行速度15cm/秒、80,000回転
(走行速度6km)で測定した。
比摩耗量は次式によって算出する。
(式中、Aは比摩耗量、ΔWはサンプルの重量変化、P
は荷重、lは走行距離、αはサンプルの密度を表す。) 耐候性試験は、サンシャインウェザーメーター(東洋
理科(株)製、WE−USN−HC型)を使用し、1500時間暴
露(83℃雨無)後、スガ試験機(株)製、AU−SCH−2
型の色差計にて、変色度Lab(L:明度、a:赤色度、b;黄
色度)を測定し、次式によって色調変化値ΔEを算出し
た。ただし、耐候性試験前の色調をL1、a1、b1とし、耐
候性試験後の色調をL2、a2、b2とする。
上式は、ΔEの値が小さいほど、色の変化が小さく、
すなわち耐候性に優れていることを示すものである。
また、耐候性試による強度変化は、暴露後のアイゾッ
ト衝撃強さを、ASTM−D256の試験法に従い、1/4″ノッ
チ付き、23℃の条件で測定することによって耐候性試前
のアイゾット衝撃強さの値と比較した。
これらの評価結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1におけるp−ビニルフェニルメチルジメトキ
シシランの代わりにγ−メタクロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン1.5部を用い、また50%4−(3−トリ
エトキシシリルプロポキシ)−2−ヒドロキシベンゾフ
ェノンメタノール溶液の代わりに50%4−(3−メチル
ジエトキシシリルプロポキシ)−2−ヒドロキシベンゾ
フェノンメタノール溶液3.0部を使用し、実施例1と同
一条件でポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂を製
造した。
ただし、ポリオルガノシロキサンの平均重合度はケイ
素原子数で3900、ポリマーの有機基中の反応性不飽和基
の割合は0.24%、またUV吸収性基の割合は0.15%であっ
た。
さらに、このポリオルガノシロキンサン変性熱可塑性
樹脂を用いて、実施例1と同一条件でAS樹脂とのブレン
ドを行い、熱可塑性樹脂組成物を調製した。上述した各
成分の組合せを、第1表にまとめた。
その後、得られた熱可塑性樹脂組成物における耐衝撃
性、振動特性、耐候性および光沢度について、実施例1
と同一条件で測定を行った。
その結果を第1表に示す。
実施例3 p−ビニルフェニルメチルジメトキシシランの代わり
にメチルビニルジメトキシシラン1.0部を用い、またド
デシルベンゼンスルホン酸の代わりにラウリル硫酸2.0
部を使用し、実施例1と同一条件でポリオルガノシロキ
サン変性熱可塑性樹脂を製造した。
ただしポリオルガノシロキサンの平均重合度はケイ素
原子数で5400、ポリマーの有機基中の反応性不飽和基の
割合は0.28%、またUV吸収性基の割合は0.14%であっ
た。
さらに、このポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹
脂を用いて、実施例1と同一条件でAS樹脂とのブレンド
を行い、熱可塑性樹脂組成物を調製した。
その後、得られた熱可塑性樹脂組成物における耐衝撃
性、摺動特性、耐候性および光沢度について、実施例1
と同一条件で測定を行った。
その結果を第1表に示す。
実施例4〜6 第1表に示す組合せに従って、ポリオルガノシロキサ
ンにグラフトするビニルモノマーを選択し、ポリオルガ
ノシロキサン変性熱可塑性樹脂を製造した。
また、第1表に示したように他の樹脂とのブレンドを
実施例1と同一条件で行い、熱可塑性樹脂組成物を調製
した。
その後、得られた熱可塑性樹脂組成物における耐衝撃
性、摺動特性、耐候性および光沢度について、実施例1
と同一条件で測定を行った。
その結果を第1表に示す。
比較例1 p−ビニルフェニルジメトキシシラン1.5部およびオ
クタメチルシクロテトラシロキサン98.5部を混合し、こ
れをドデシルベンゼンスルホン酸2.0を溶解した蒸留水3
00部中に入れ、ホモミキサーを用いて5分間撹拌し粗乳
化したのち、加圧ホモジナイザーを用いて乳化分散させ
た。
この後、実施例1と同一条件でポリオルガノシロキサ
ン変性熱可塑性樹脂を製造した。
また、第1表に示したように他の樹脂とのブレンドを
実施例1と同一条件で行い、熱可塑性樹脂組成物を調製
した。
その後、得られた熱可塑性樹脂組成物における耐衝撃
性、摺動特性、耐候性および光沢度について、実施例1
と同一条件で測定を行った。
その結果を実施例の結果と併せて第1表に示す。
以上の結果から、反応性の不飽和基と、UV吸収性基を
合わせ持ったポリオルガノシロキサンを用いて製造され
る本発明のポリオルガノシロキサン変性熱可塑性樹脂
は、他の有機ポリマーとのブレンドが容易で、特に優れ
た耐候性を有することが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 友治 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 松本 誠 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリ コーン株式会社内内 (72)発明者 渡辺 純一郎 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリ コーン株式会社内内 (72)発明者 栗田 明嗣 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリ コーン株式会社内内 (72)発明者 舟橋 裕一 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリ コーン株式会社内内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均組成式 R1 aSiO(4−a)/2 ……(I) (式中、R1は置換または非置換の1価の有機基を、aは
    1.80〜2.02の数を示す)で表されるとともに、前記
    (I)式中のR1のうち0.02%〜10%がビニル基、アリル
    基、ホモアリル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−
    メタクリロキシプロピル基、N−メチル−N−メタクリ
    ロイル−γ−アミノプロピル基、N,N−ビス(メタクリ
    ロイル)−γ−アミノプロピル基、ビニルフェニル基、
    1−メチル−1−(ビニルフェニル)メチル基、ビニル
    フェニルエチル基およびビニルフェニルメチル基から選
    ばれる少なくとも1種の反応性不飽和基を含む基、およ
    び0.02%〜10%が 一般式: (式中、XはC=Oまたは を、 YはHまたはOHを、ZはH、OHまたはOR2を、nは1〜
    5の整数を示し、前記R2は炭素数1〜18個のアルキル基
    である。ただし、前記YがHのときは少なくとも1個の
    ZがOHである)で表されるUV吸収性基を含む基であり、
    かつ、ケイ素原子数が100〜10,00であるポリオルガノシ
    ロキサンに、 (B)ビニルモノマーを、 グラフト重合させて得られることを特徴とするポリオル
    ガノシロキサン変性熱可塑性樹脂。
  2. 【請求項2】反応性不飽和基を含む基が、γ−アクリロ
    キシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、ビニ
    ルフェニル基、ビニルフェニルエチル基およびビニルフ
    ェニルエチル基からなる群から選ばれた少なくとも1種
    の有機基である請求項1記載のポリオルガノシロキサン
    変性熱可塑性樹脂。
  3. 【請求項3】(A)平均組成式 R1 aSiO(4−a)/2 ……(I) (式中、R1は置換または非置換の1価の有機基を、aは
    1.80〜2.02の数を示す)で表されるとともに、前記
    (I)式中のR1のうち0.02%〜10%がビニル基、アリル
    基、ホモアリル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−
    メタクリロキシプロピル基、N−メチル−N−メタクリ
    ロイル−γ−アミノプロピル基、N,N−ビス(メタクリ
    ロイル)−γ−アミノプロピル基、ビニルフェニル基、
    1−メチル−1−(ビニルフェニル)メチル基、ビニル
    フェニルエチル基およびビニルフェニルメチル基から選
    ばれる少なくとも1種の反応性不飽和基を含む基、およ
    び0.02%〜10%が 一般式: (式中、XはC=Oまたは を、 YはHまたはOHを、ZはH、OHまたはOR2を、nは1〜
    5の整数を示し、前記R2は炭素数1〜18個のアルキル基
    である。ただし、前記YがHのときは少なくとも1個の
    ZがOHである)で表されるUV吸収性基を含む基であり、
    かつ、ケイ素原子数が100〜10,000であるポリオルガノ
    シロキサンに、 (B)ビニルモノマーを、 グラフト重合させることを特徴とするポリオルガノシロ
    キサン変性熱可塑性樹脂の製造方法。
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