JP4592725B2 - 自動車用ランプ - Google Patents
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Description
このような樹脂製ハウジングは、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂からなるレンズと接合、一体化されて自動車用ランプとされる。
このハウジングとレンズとの接合には、従来ホットメルト接着剤が用いられていたが、生産効率を高めるため、熱板を用いた溶着法によって行われるようになった。
さらに、レンズ1の周縁端部1aとハウジング2の周縁端部2aとから熱板3を取り去る際に、それぞれの周縁端部1a、2aが溶融し、その一部が熱板3に付着し、熱板3を離す際に糸を引く現象が生じることがあり、溶着作業がスムーズに進行しなくなることがある。
[1]レンズとランプハウジングとが熱板溶着法によって一体化された自動車用ランプであって、
ランプハウジングが、ポリブタジエンの外層に架橋ポリアクリル酸ブチルを設けてなる複合ゴム、ポリシロキサンゴムと架橋ポリアクリル酸ブチルゴムとの複合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも一種のゴム質重合体(a)の存在下に、
シアン化ビニル単量体 (A−1)
芳香族単量体 (A−2)
(メタ)アクリル酸エステル単量体 (A−3)
他のビニル単量体(単量体成分中40重量%未満) (A−4)
から選ばれた少なくとも1種からなる単量体成分をグラフト重合して得られるグラフト重合体(A)10〜100重量部と、
芳香族ビニル系単量体単位 (B−1)
シアン化ビニル系単量体単位 (B−2)
他のビニル系単量体単位(共重合体(B)中40重量%未満) (B−3)
(ただし(B−1)〜(B−3)成分の合計を100重量%とする。)
からなる共重合体(B)0〜90重量部からなる熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物
からなることを特徴とする自動車用ランプ。
[2]レンズとランプハウジングとが熱板溶着法によって一体化された自動車用ランプであって、
ランプハウジングが、少なくとも50重量%がブタジエンから構成されるブタジエン系ゴム質重合体(e)の存在下に、
シアン化ビニル単量体 (E−1)
芳香族単量体 (E−2)
他のビニル単量体 (E−3)
から選ばれる少なくとも1種からなる単量体成分をグラフト重合して得られるグラフト重合体(E)10〜100重量部と、
芳香族ビニル系単量体単位 (B−1)
シアン化ビニル系単量体単位 (B−2)
他のビニル系単量体単位(共重合体(B)中40重量%未満) (B−3)
(ただし(B−1)〜(B−3)成分の合計を100重量%とする。)
からなる共重合体(B)0〜90重量部とからなり、
(E)と(B)との合計量100重量部に対して、
ポリブタジエンの外層に架橋ポリアクリル酸ブチルを設けてなる複合ゴム、ポリシロキサンゴムと架橋ポリアクリル酸ブチルゴムとの複合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも一種のゴム質重合体(a)の存在下に、
シアン化ビニル単量体 (A−1)
芳香族単量体 (A−2)
(メタ)アクリル酸エステル単量体 (A−3)
他のビニル単量体(単量体成分中40重量%未満) (A−4)
から選ばれた少なくとも1種からなる単量体成分をグラフト重合して得られるグラフト重合体(A)10〜80重量部を添加してなる熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物
からなることを特徴とする自動車用ランプ。
また、請求項2記載の自動車ランプに用いられる熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物を用いれば、良好なめっき性が付与される。
したがって、請求項1または2記載の自動車ランプは、その製造に際して、効率よく生産でき、しかも耐熱性、耐薬品性、めっき性にも富む優れたものとなる。
まず、請求項1記載の自動車ランプに用いられる熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物について説明する。
この組成物において、グラフト重合体(A)をなすゴム質重合体(a)としては、ポリブタジエンの外層に架橋ポリアクリル酸ブチルを設けてなる複合ゴム、ポリシロキサンゴムと架橋ポリアクリル酸ゴムとの複合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の複合ゴムが用いられる。
すなわち、シアン化ビニル単量体(A−1)、芳香族単量体(A−2)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−3)および他のビニル単量体(A−4)から選ばれた少なくとも1種からなる単量体成分がグラフト重合に供される。
上記シアン化ビニル単量体(A−1)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルフマロニトリルなどが挙げられ、これらは単独または併用して使用することができる。
また、上記芳香族単量体(A−2)としては、スチレン、α−メチルスチレン、O−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ハロゲン化スチレン、p−エチルスチレン等が用いられ、これらは単独または併用して使用することができる。
また、他のビニル単量体(A−4)としては、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド単量体、ピリジン単量体が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。この共重合可能な他のビニル単量体(A−4)は、単量体成分中40重量%までの範囲で必要に応じて使用される。
また、シアン化ビニル単量体(A−1)の単量体成分中での割合は、0〜40重量%であり、40重量%を越えると、成形性、熱安定性に劣る傾向にある。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−3)の単量体成分中での割合は、0〜100重量%である。
このようにして得られたグラフト重合体(A)は、幹となるゴム質重合体(a)が15〜90重量%を占め、単量体成分に由来する枝となるグラフト物が85〜10重量%を占めるものとなっている。ゴム質重合体(a)が15重量%未満では得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となる傾向にあり、90重量%を越えるとグラフト重合による枝部分が不十分となり、グラフト重合体の凝集が生じ、耐衝撃性に劣る。
芳香族ビニル系単量体単位(B−1)は、上述の芳香族単量体(A−2)と同様のものから由来する単位であり、共重合体(B)に占める割合は60〜90重量%である。60重量%未満では成形性に劣り、90重量%を越えると耐衝撃性が不十分となる。
また、他のビニル系単量体単位(B−3)は、上述の他のビニル単量体(A−4)と同様のものから由来する単位であり、共重合体(B)に占める割合は、40重量%未満とされ40重量%を越えると耐衝撃性,成形性のいずれか少なくとも一方が劣り好ましくない。この他のビニル系単量体(B−3)は必須成分ではなく、場合によっては不要のときもある。
この熱可塑性樹脂組成物の調製方法として通常の樹脂のブレンドに用いられるヘンシェルミキサーなどの高速ミキサー、タンブラー、ペレタイザーなどの混合混練装置を使用することができる。
また、この熱可塑性樹脂組成物の成形は、通常の射出成形、押出成形などによって行われる。
ここで配合される強化材としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維やウオラスナイト、タルク、マイカ粉、ガラス箔、チタン酸カリ等の無機フィラーから選ばれる一種以上のものである。強化材の配合量は、上記組成物100重量部に対して0〜60重量部、好ましくは0〜50重量部である。強化材が60重量部を越える場合は得られる組成物の耐衝撃性が劣るため本発明の目的とする組成物とならない。
また難燃化剤としては、通常ABS樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂の難燃化に用いられるハロゲン化合物やアンチモン化合物等の無機系難燃化剤が使用され、ハロゲン化合物としては、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテル等のハロゲン化ジフェニルエーテルやハロゲン化ポリカーボネイトなどのハロゲン化合物がその一例に挙げられる。
無機系難燃化剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウム等がその一例に挙げられるが、とくにこれらに制限されるものではない。ハロゲン化合物の配合量は上記樹脂組成物100重量部に対して0〜35重量部、好ましくは0〜30重量部であり、アンチモン化合物のそれは0〜25重量部、好ましくは0〜20重量部の範囲である。
さらに、この熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて改質剤、離型剤、光または熱に対する安定剤、染顔料等の種々の添加剤を適宜加えることも出来る。
適当なジヒドロキシジアリールアルカンは、ヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基、塩素原子または臭素原子を有するものである。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、4、4−ジヒドロキシ2、2−ジフェニルプロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールAおよびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。
また、分岐したポリカーボネートは、例えばジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシで置換することにより製造される。ポリヒドロキシ化合物の具体例としては、フロログリシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリー(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼンなどが挙げられる。
共重合体(B)の配合量が90重量部を越えると、耐熱性,耐衝撃性が不十分となり、またグラフト重合体(A)の配合量が80重量部を越えると、耐熱性,成形性が不十分となる。
この組成物において、グラフト重合体(E)を構成するブタジエン系ゴム質重合体(e)としては、ポリブタジエンゴム、ブタジエン単位を50重量%以上含有し、劣位量のスチレン単位、アクリロニトリル単位などを含有する共重合体、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などが用いられる。
このブタジエン系ゴム質重合体(e)にグラフト重合されるシアン化ビニル単量体(E−1)、芳香族単量体(E−2)、他のビニル系単量体(E−3)は、それぞれ、請求項1記載の樹脂組成物におけるシアン化ビニル単量体(A−1)、芳香族単量体(A−2)、他のビニル系単量体(A−4)と同様なものであり、その説明は省略する。
さらに、ここで使用されるグラフト重合体(A)は、同様に請求項1に記載されたグラフト重合体(A)と同様のものであり、その説明は省略する。
上記グラフト重合体(E)の配合量が10重量部未満ではめっき性が不十分となり、共重合体(B)の配合量が90重量部を越えると耐衝撃性が不十分となる。また、上記グラフト重合体(A)の配合量が10重量部未満では熱板溶着時の糸ひき性が不十分となり、80重量部を越えるとめっき性,成形性の少なくとも一つが不十分なる。
ここでのポリカーボネート樹脂(C)としては、先に説明したものと同様のものが使用される。
このものでは、熱板溶着時に糸引き現象を生じることがなく、外観に優れ且つ作業性が向上し、レンズとハウジングとの接合強度も十分なものとなる。また、さらにポリカーボネート樹脂(C)20〜90重量部を配合した樹脂組成物を用いれば、これに加えて、耐熱性が付与され、自動車用ランプ自体の耐熱性が向上する。
−グラフト重合体1(グラフト重合体(A)に相当)の製造−
オクタメチルテトラシクロシロキサン96部、γ−メタクリルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部およびエチルオルソシリケート2部を混合してシロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cm2の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
一方、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器および撹拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸2部と蒸留水98部とを注入し、2%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間に亘って滴下し、滴下終了後1時間温度を維持し、冷却した。この反応液を室温で48時間放置した後、苛性ソーダ水溶液で中和した。
このようにして得られたラテックス(L−1)を170℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、17.3%であった。また、ラテックス中のポリオルガノシロキサンの重量平均粒子径は、0.08μmであった。ポリオルガノシロキサンのゲル含量は85%、トルエン溶媒中で測定した膨潤度は14.5であった。
この反応器に窒素気流を通じることによって、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内部の液温が60℃となった時点で、硫酸第一鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0003部およびロンガリッド0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始せしめた。アクリレート成分の重合により、液温は78℃まで上昇した。1時間この状態を維持し、アクリレート成分の重合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルアクリレートゴムとの複合ゴムのラテックスを得た。
次いで、酢酸カルシウムを5%の割合で溶解した水溶液150部を60℃に加熱し撹拌した。この中へグラフト共重合体のラテックス100部を徐々に滴下し凝固した。次いで析出物を分離、洗浄したのち、乾燥し、グラフト重合体1を得た。
テトラエトキシシラン2.0部、γ−メタクリロイルピロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルテトラシクロシロキサン97.5部を混合し、混合シロキサン100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムをそれぞれ1.0部を溶解した蒸留水200部に混合シロキサン100部を加え、ホモミキサーにて10,000r、p、mで予備撹拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。この混合液を、コンデンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合しながら80℃で5時間加熱した後20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのpHを6.9に中和し、重合を完結しポリオルガノシロキサンゴムラテックスを得た。
得られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は89.7%であり、ポリオルガノシロキサンゴムの平均粒子径は0.16μmであった。
固形分含量が35%、平均粒子径0.08μmのポリブタジエンラテックス20部(固形分として)にアクリル酸n−ブチル単位85%、メタクリル酸単位15%から成る平均粒子径0.08μmの共重合体ラテックス0.4部(固形分として)を撹拌しながら添加し、30分間撹拌を続け平均粒子径0.28μmの肥大化ジエン系ゴムラテックスを得た。得られた肥大化ジエン系ゴムラテックス20部(固形分)を反応釜に移し、不均化ロジン酸カリウム1部、イオン交換水150部を加え、窒素置換を行い、70℃(内温)に昇温した。これに10部のイオン交換水に0.12部の過硫酸カリウムを溶解した溶液を加え、下記の窒素置換された単量体混合物を2時間にわたって連続的に滴下した。
アクリル酸n−ブチル 80部
メタクリル酸アリル 0.32部
ジメタクリル酸エチレングリコール 0.16部
多層構造アクリル系ゴムラテックス50部(固形分)を反応釜に取り、イオン交換水140部を加え希釈し、70℃に昇温した。別にアクリロニトリル/スチレン=29/71(重量比)からなるグラフト重合体混合物を50部調整し、ベンゾイルパーオキサイド0.35部を溶解した後、窒素置換した。この単量体混合物を15部/時間の速度で定量ポンプを使用し、上記反応系内に加えた。全モノマーの注入終了後、系内温度を80℃に昇温し30分撹拌を続けグラフト重合体ラテックスを得た。重合率は99%であった。
上記のようにして製造したラテックスを、全ラテックスの3倍量の塩化アルミニウム(A1Cl3.6H2O)0.15%水溶液(90℃)中に撹拌しながら投入し、凝固させた。全ラテックスの添加終了後、凝固槽内の温度を93℃に昇温し、このまま5分間放置した。これを冷却後、遠心脱水機により脱液、洗浄を行い乾燥し、グラフト重合体3の乾燥粉末を得た。
固形分含量が35%、平均粒子径0.08μmのポリブタジエンラテックス50部(固形分として)にアクリル酸n−ブチル単位85%、メタクリル酸単位15%からなる平均粒子径0.08μmの共重合体ラテックス1部(固形分として)を撹拌しながら添加し、30分間撹拌を続け平均粒子径0.28μmの肥大化ゴムラテックスを得た。
得られた肥大化ゴムラテックスを反応容器に加え、更に蒸留水50部、ウッドロジン乳化剤2部、デモールN(商品名、花王(株)製、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物)0.2部、水酸化ナトリウム0.02部、デキストローズ0.35部を添加して撹拌しながら、昇温させて内温60℃の時点で硫酸第一鉄0.05部、ピロリン酸ナトリウム0.2部、亜二チオン酸ナトリウム0.03部を加えた後、アクリロニトリル15部、スチレン35部、クメンハイドロパーオキサイド0.2部およびtert−ドデシルメルカプタン0.5部の混合物を90分間にわたり連続的に滴下した後1時間保持して冷却した。得られたグラフト重合体ラテックスを希硫酸で凝析したのち、洗浄、濾過、乾燥してグラフト重合体4を得た。
アクリロニトリル単位29%、スチレン単位71%の組成の共重合体を懸濁重合法によって得た。この共重合体の25℃での還元粘度(ηsp/C)は0.62であった(0.2%ジメチルホルムアミド溶液での測定値)。
−共重合体2(共重合体(B)相当)の製造−
アクリロニトリル単位20%、スチレン単位55%、N−フェニルマレイミド単位20%の組成の共重合体をメチルエチルケトン溶液中で重合することによって得た。この共重合体の25℃での還元粘度(ηsp/C)は0.52であった(0.2%ジメチルホルムアミド溶液での測定値)。
ポリカーボネート樹脂(C)には、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製の「ノバレックス7025A」(商品名)を使用した。
−ポリアルキレンテレフタレートを主体とするポリエステル樹脂(D)−
このポリエステル樹脂(D)には、三菱レイヨン(株)製の「タフペットPBTN1100」(商品名、ポリブチレンテレフタレート樹脂)を使用した。
この試験用シートについて、(1)耐熱性、(2)熱板溶着性、(3)めっき膜密着性、(4)めっき膜耐久性について評価した。これらの結果を表1および表2に示す。
(2)熱板溶着性は、テフロン(登録商標)加工した鉄板を表面温度300℃に加熱しておき、この鉄板に試験用シート(30mm×100mm×3mm)を30秒接触させ、その後垂直に引き上げ、その際の糸引き長さを求める方法で実施し、糸引き長さが1mm未満のものを◎印とし、1mm以上5mm未満のものを○印とし、5mm以上のものを×印とした。
下記に示す工程でめっき用平板(100mm×100mm×3mm(厚さ)、1個所タブ付)にめっきを行い、荷重測定器上でめっき膜を垂直方向に引き剥してその強度を測定した。
めっき工程:
(1)脱脂(60℃×3分)→(2)水洗→(3)エッチング(CrO3 400g/1、H2SO4 200cc/1 70℃×20分)→(4)水洗→酸処理(常温1分)→(5)水洗→触媒化処理(25℃×3分)→(6)水洗→活性化処理(40℃×5分)→(7)水洗→(8)化学Niめっき(40℃×5分)→(9)水洗→(10)電気銅めっき(膜厚35μm20℃×60分)→(11)乾燥。
下記に示す工程でめっき用平板(100mm×100mm×3mm(厚さ)、1個所タブ付)にめっきを行い、〔−40℃×1時間→80℃×1時間〕を1ササイクルとして、5サイクルを行いめっき膜の状態を観察し、下記の判定基準により評価した。
めっき工程:
(1)脱脂(60℃×3分)→(2)水洗→(3)エッチング(CrO3 400g/1、H2SO4 200cc/1 70℃×20分)→(4)水洗→酸処理(常温1分)→(5)水洗→触媒化処理(25℃×3分)→(6)水洗→活性化処理(40℃×5分)→(7)水洗→(8)化学Niめっき(40℃×5分)→(9)水洗→(10)電気銅めっき(膜厚20μm20℃×20分)→(11)水洗→(12)電気Niめっき(膜厚10μm 55℃×15分)→(13)水洗→(14)電気Crめっき(膜厚0.3μm 45℃×2分)
判定基準
○:変化なし
×:タブ近傍部のみ膨れ
××:タブ近傍部以外にも膨れ
×××:全面膨れ
2 ランプハウジング
3 熱板
Claims (2)
- レンズとランプハウジングとが熱板溶着法によって一体化された自動車用ランプであって、
ランプハウジングが、ポリブタジエンの外層に架橋ポリアクリル酸ブチルを設けてなる複合ゴム、ポリシロキサンゴムと架橋ポリアクリル酸ブチルゴムとの複合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも一種のゴム質重合体(a)の存在下に、
シアン化ビニル単量体 (A−1)
芳香族単量体 (A−2)
(メタ)アクリル酸エステル単量体 (A−3)
他のビニル単量体(単量体成分中40重量%未満) (A−4)
から選ばれた少なくとも1種からなる単量体成分をグラフト重合して得られるグラフト重合体(A)10〜100重量部と、
芳香族ビニル系単量体単位 (B−1)
シアン化ビニル系単量体単位 (B−2)
他のビニル系単量体単位(共重合体(B)中40重量%未満) (B−3)
(ただし(B−1)〜(B−3)成分の合計を100重量%とする。)
からなる共重合体(B)0〜90重量部からなる熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物
からなることを特徴とする自動車用ランプ。 - レンズとランプハウジングとが熱板溶着法によって一体化された自動車用ランプであって、
ランプハウジングが、少なくとも50重量%がブタジエンから構成されるブタジエン系ゴム質重合体(e)の存在下に、
シアン化ビニル単量体 (E−1)
芳香族単量体 (E−2)
他のビニル単量体 (E−3)
から選ばれる少なくとも1種からなる単量体成分をグラフト重合して得られるグラフト重合体(E)10〜100重量部と、
芳香族ビニル系単量体単位 (B−1)
シアン化ビニル系単量体単位 (B−2)
他のビニル系単量体単位(共重合体(B)中40重量%未満) (B−3)
(ただし(B−1)〜(B−3)成分の合計を100重量%とする。)
からなる共重合体(B)0〜90重量部とからなり、
(E)と(B)との合計量100重量部に対して、
ポリブタジエンの外層に架橋ポリアクリル酸ブチルを設けてなる複合ゴム、ポリシロキサンゴムと架橋ポリアクリル酸ブチルゴムとの複合ゴムからなる群より選ばれた少なくとも一種のゴム質重合体(a)の存在下に、
シアン化ビニル単量体 (A−1)
芳香族単量体 (A−2)
(メタ)アクリル酸エステル単量体 (A−3)
他のビニル単量体(単量体成分中40重量%未満) (A−4)
から選ばれた少なくとも1種からなる単量体成分をグラフト重合して得られるグラフト重合体(A)10〜80重量部を添加してなる熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物
からなることを特徴とする自動車用ランプ。
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2007
- 2007-04-27 JP JP2007120323A patent/JP4592725B2/ja not_active Expired - Lifetime
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